JP2005137096A - コンミテータおよびその製造方法 - Google Patents

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正行 小山
Hiroaki Tanaka
宏明 田中
Hideki Horiuchi
秀基 堀内
Motoaki Kurihara
元秋 栗原
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Abstract

【課題】 モールド成形時におけるの絶縁性材料の漏れ出しを防止してコンミテータの信頼性を高めることである。
【解決手段】 コンミテータは円筒状に形成されたモールド部25とモールド部25の外周に所定の間隔を空けて並ぶ複数のセグメント本体とを有している。セグメント本体は円筒状に丸められたセグメント素材33を分離することにより形成され、その軸方向端部26aには回転子巻線に接続されるライザ28が接合されている。また、セグメント素材33の軸方向端面26cには平坦面形成工程によりライザ28に形成される平面28cとによる平坦面31が形成されている。一方、モールド部25はセグメント素材33の内側に絶縁性材料をモールド成形して形成されている。モールド部25をモールド成形する際にはモールド型の閉塞面は平坦面31に接するので、セグメント素材33とライザ28との接合部分から絶縁性材料が外部へ漏れ出すことが防止される。
【選択図】 図11

Description

本発明は、回転電機の回転子に設けられるコンミテータに関する。
従来から、直流モータや直流発電機などの回転電機には、電源から供給される直流電流を転流して回転子巻線に供給し、あるいは回転子巻線に生じる交番電流を直流電流に整流して出力するために、コンミテータが設けられている。例えば、回転電機の一種であるブラシ付き直流モータでは、マグネットを備えたハウジングの内部に回転自在に収容される回転子つまり電機子にコンミテータが設けられている。この場合、コンミテータは回転軸に固定される樹脂製のモールド部と、モールド部の外周に所定の間隔を空けて等間隔に並べて配置された複数のセグメント本体とを有しており、各セグメント本体の外周面には一対のブラシが摺接するようになっている。また、各セグメント本体の端部にはライザが設けられており、回転子巻線はこのライザに接続されるようになっている。そして、回転子が回転することによりブラシに摺接するセグメント本体が切り替えられて、ブラシから供給される直流電流が所定のタイミングで転流されて各回転子巻線に供給される。これにより、回転子巻線に回転力が発生し回転子が回転するようになっている。
このようなコンミテータの製造方法としては、従来から、導電性の板材を所定の形状に打ち抜いたブランク材つまりセグメント素材を円筒状に丸め、この内側に樹脂材料をモールドしてモールド部を形成し、次いで円筒状のセグメント素材を軸方向にアンダーカットして複数のセグメント本体に分離させて形成する方法が知られている。この場合、セグメント素材はセグメント本体を形成する略矩形の部分から突出する突出部を備えた形状に形成され、これらの突出部を折り曲げることによりライザやアンカーが形成される。また、ライザは回転子巻線が掛け渡された後に折り曲げられ、次いで、回転子巻線がヒュージングされることにより回転子巻線に接続される。
しかし、このような製造方法では、セグメント素材はライザやアンカーを形成するための突出部が設けられた形状となるので、ブランク時の歩留まりが悪く、このコンミテータのコストを増加させていた。
そのため、例えば特許文献1に示すコンミテータでは、略矩形に形成されたセグメント素材にセグメント本体と同数の線材を溶接等により幅方向に並べて接合し、これらの線材によりアンカーとライザを形成するようにしている。つまり、線材はセグメント素材が円筒状に丸められたときに内側になるように接合されており、セグメント素材の内側にモールド部をモールド成形する際のアンカーとして機能するようになっている。また、線材の一部はセグメント素材の一方の軸方向端部から突出しており、ライザはこの突出した部分を外側に折り曲げることにより形成されている。そして、セグメント素材の内側にモールド部がモールド成形された後、セグメント素材をアンダーカットすることにより、それぞれライザを備えた複数のセグメント本体が形成される。このように、この製造方法ではセグメント素材を略矩形に形成することができるので、ブランク時の歩留まりが良く、コンミテータのコストを低減することができる。
特開平5―198341号公報
しかしながら、このようなコンミテータでは、ライザを形成する線材は断面が円形であり、また、セグメント素材の軸方向端部において外側に折り曲げられているので、セグメント素材の軸方向端部から線材が突出した状態となる。そのため、セグメント素材の内側に樹脂材料をモールド成形する際には、モールド型とライザが固定されたセグメント本体との間に隙間が生じて、この隙間から樹脂材料が漏れ出す恐れがあった。そして、隙間から漏れ出した樹脂材料がライザに付着することにより、回転子巻線をライザに接続する際にヒュージング不良が生じる恐れがあった。
本発明の目的は、モールド成形時におけるの絶縁性材料の漏れ出しを防止してコンミテータの信頼性を高めることにある。
本発明のコンミテータは、回転電機の回転子に設けられるコンミテータであって、絶縁性材料をモールドして形成される円筒状のモールド部と、前記モールド部の外周に所定の間隔を空けて並べて配置され、ブラシと摺接する導電性を有する複数のセグメント本体と、導電性を有する線材により形成され、前記セグメント本体の軸方向端部に接合されて前記セグメント本体の軸方向端面とにより平坦面を形成するとともに回転子巻線に接続されるライザとを有することを特徴とする。
本発明のコンミテータは、前記セグメント本体の軸方向端部に前記ライザが接合される溝部を形成したことを特徴とする。
本発明のコンミテータは、ヒュージング時に前記回転子巻線に接するとともに前記ライザの先端部に相互接触するヒュージング面に凹凸部を設けたことを特徴とする。
本発明のコンミテータの製造方法は、回転電機の回転子に設けられるコンミテータの製造方法であって、導電性を有する板材を打ち抜いて略矩形のセグメント素材を形成するブランク工程と、前記セグメント素材の軸方向端部にライザを接合するライザ接合工程と、前記セグメント素材を丸めて円筒状に形成する丸め工程と、前記ライザが接合された前記セグメント素材を軸方向から圧し潰して、前記セグメント素材の軸方向端面と前記ライザとによる平坦面を形成する平坦面形成工程と、前記平坦面が形成された前記セグメント素材の内側に絶縁性材料をモールドして円筒状のモールド部を形成するモールド成形工程と、内側に前記モールド部が形成された前記セグメント素材を軸方向にアンダーカットして複数のセグメント本体に分離するセグメント分離工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、セグメント本体の軸方向端部にはライザとにより平坦面が形成されるので、モールド部をモールド成形する際に用いられるモールド型は平坦面に接してセグメント素材とライザとの接合部分に隙間を生じることがない。したがって、モールド成形時に絶縁性材料がセグメント素材とライザとの接合部分から漏れ出して、絶縁性材料がライザに付着することを防止することができる。これにより、ライザに回転子巻線を接続する際のヒュージング不良は防止され、ライザと回転子巻線とが確実に接続されて、このコンミテータの信頼性が高められる。
また、本発明によれば、セグメント本体の軸方向端部に接合されるライザは溝部において位置決めされるので、ライザの位置決めが容易となり、また、ライザの位置決め精度が高められる。
さらに、本発明によれば、回転子巻線はセグメント本体もしくはライザに設けられた凹凸部を有するヒュージング面に接した状態でヒュージングされるので、その被膜の剥離性が高められる。また、回転子巻線がヒュージングされる際には、ライザの先端部は凹凸部を有するヒュージング面に接しているので、ヒュージング初期における通電性が高められて、ヒュージングは安定する。したがって、回転子巻線はセグメント本体やライザに確実に接続されることになり、このコンミテータの信頼性が高められる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態であるコンミテータを備えた回転電機を示す断面図である。
図1に示す回転電機11は所謂ブラシ付き直流モータとなっており、そのハウジング12の内周面には2つのセグメント形のマグネット13が互いに異なる磁極を向かい合わせて固定されている。これらのマグネット13は継鉄として機能するハウジング12とによりハウジング12の内部に磁界を形成している。また、ハウジング12の開口端にはフロントブラケット14が固定されており、ハウジング12の開口端はこのフロントブラケット14により閉塞されている。
ハウジング12の内部にはマグネット13の内側に位置して回転子15が収容されている。回転子15は回転軸16がフロントブラケット14とハウジング12の底部に設けられた軸受け17,18に支持されることによりハウジング12の内部で回転自在となっており、その先端部16aはフロントブラケット14に設けられた貫通孔14aから外部に突出して図示しない被駆動部材に取り付けられるようになっている。また、回転軸16にはアマチュアコア21が固定されており、このアマチュアコア21に設けられたスロット21aには表面が絶縁処理された銅線が重ね巻されることにより複数の回転子巻線22が巻装されている。
この回転電機11の回転子15にはアマチュアコア21に隣接してコンミテータ23が設けられており、このコンミテータ23によりブラシ24に供給される直流電流が所定のタイミングで転流されて各回転子巻線22に供給されるようになっている。
図2(a),(b)はそれぞれ図1に示すコンミテータの詳細を示す斜視図であり、このコンミテータ23は円筒状のモールド部25と10個のセグメント本体26とを有している。
モールド部25はモールド成形された絶縁性材料により円筒状に形成されており、その軸心には回転軸16に嵌合固定される貫通孔25aが形成されている。一方、各セグメント本体26は導電性を有する扇状に湾曲した板材により形成されており、それぞれモールド部25の外周に固定されている。また、セグメント本体26の相互間にはスリット27が形成されており、これらのスリット27により各セグメント本体26は相互に所定の間隔を空けて等間隔に並べて配置されている。これにより、各セグメント本体26は互いに電気的に絶縁状態となっている。また、セグメント本体26の一方の軸方向端部26aには、それぞれライザ28が導電的に接合されており、図1に示すように、これらのライザ28には回転子巻線22のコイル端がヒュージングにより接続されるようになっている。これらのライザ28は導電性を有する線材により形成されており、その基端部28aにおいてセグメント本体26の一方の軸方向端部26aに形成された溝部26bに接合されている。また、ライザ28は、回転子巻線22と接続される際に回転子巻線22を囲うように折り曲げられ、その先端部28bにおいてセグメント本体26の外周面に接触している。これにより、各セグメント本体26はライザ28を介して回転子巻線22に対して電気的に接続されている。
各ライザ28にはセグメント本体26に接合される基端部28aからこのコンミテータ23の径方向に延びる平面28cが形成されている。これらの平面28cはセグメント本体26の一方の軸方向端面26cに対して同一面となっており、この軸方向端面26cとともに平坦面31を形成している。この平坦面31の作用等については後述する。
セグメント本体26の外周面には前述のブラシ24が摺接するようになっており、ブラシ24に図示しない直流電源からの直流電流が供給されるとセグメント本体26と当該セグメント本体26に接合されたライザ28とを介して回転子巻線22に電流が供給される。また、回転子15が回転するとブラシ24に接するセグメント本体26が切り替えられ、これにより、電流が供給される回転子巻線22や、回転子巻線22に対する通電方向が順次切り替えられる。したがって、各回転子巻線22にはマグネット13に対する相対位置に応じたタイミングで転流された電流が供給されることになる。これにより、磁界内に位置する回転子巻線22に電磁力が生じて回転子15が回転する。つまり、この場合、回転子15は回転子巻線22に電磁力が生じる電機子となっている。
図3は図2に示すコンミテータの製造手順を示すブロック図であり、図4はセグメント素材の形状を示す正面図である。また、図5はライザが接合されたセグメント素材を示す斜視図であり、図6は円筒状に丸められたセグメント素材を示す斜視図である。さらに、図7(a),(b)は、それぞれ平坦面形成工程において平坦面が形成される過程を示す断面図であり、図8は平坦面形成工程により平坦面が形成されたセグメント本体とライザとを示す斜視図である。さらに、図9はセグメント素材に形成されたアンカーの形状を示す正面図であり、図10はモールド成形工程を示す断面図である。さらに、図11はモールド部が形成された状態を示す斜視図であり、図12は各セグメント本体が分離された状態を示す斜視図である。
以下に、図3〜図12に基づいて、このコンミテータ23の製造方法について説明する。
このコンミテータ23の製造方法においては、まず、ブランク工程において導電性を有する板材32を打ち抜き加工して、セグメント本体26の基となるブランク材つまりセグメント素材33が形成される。なお、図示する場合には、打ち抜き加工はブランク型を用いたプレス加工により行われている。図4に示すように、ブランク工程において製造されるセグメント素材33の形状は略矩形(図示する場合では略長方形状)となっており、また、その一端部にはセグメント本体26と同数つまり10個の半円形の溝部26bが等間隔に並んで形成される。なお、図示する場合には、打ち抜き加工はブランク型を用いたプレス加工により行われており、導電性の板材としては銅板が用いられている。
次いで、ライザ接合工程において、セグメント素材33の軸方向端部26aに10本のライザ28が接合される。なお、セグメント素材33はセグメント本体26の基となるものであるので、その軸方向端部26a等にはセグメント本体26の軸方向端面26aと同一の符号を付してある。これらのライザ28は導電性を有する線材を所定の長さに切断したものが用いられており、図5に示すように、その基端部28aがセグメント本体26の軸方向端面26cに形成された溝部26bにおいてセグメント素材33に対して垂直に突出した状態で接合される。ライザ28とセグメント素材33との接合は、例えば、超音波溶接、抵抗溶接、かしめ等により行われる。この状態では溝部26bに対してライザ28が径方向に若干突出している。なお、図示する場合では、ライザ28を形成する線材としては銅板または銅線を切断加工したものが用いられている。
次いで、丸め工程において、ライザ28が接合されたセグメント素材33は、図6に示すように、ライザ28が接合される端面に対して直角となる端面同士が対向するように丸められることにより円筒状に形成される。このとき、各ライザ28は、円筒状のセグメント素材33の軸方向端部26aから径方向に放射状に配置されるとともにセグメント素材33の軸方向端部26aから軸方向に半分突出した状態となっている。
なお、本実施の形態においては、ライザ接合工程の後に丸め工程を行うようにしているが、丸め工程の後にライザ接合工程を行うようにしてもよい。
次いで、平坦面形成工程において、ライザ28が接合されたセグメント素材33の軸方向端部26aに平坦面が形成される。平坦面形成工程は、セグメント素材33を支持する第1金型34とこれに相対的に接近離反自在の第2金型35とを備えたプレス金型36を用いて行われる。まず、図7(a)に示すように、ライザ28が接合されたセグメント素材33が第1金型34に設けられた支持孔34aに配置される。このとき、セグメント素材33は他方の軸方向端部が支持孔34aの底部側に設けられた支持台37に支持されてライザ28が接合された軸方向端部26aが支持孔34aから若干突出するように保持される。また、このとき、ライザ28は第1金型34に形成された支持面34bに支持された状態となっている。そして、図7(b)に示すように、第1金型34と第2金型35とが相対的に接近移動すると、ライザ28が接合されたセグメント素材33の軸方向端面26cはライザ28とともに第2金型35に設けられた圧潰面35aに軸方向から圧し潰される。これにより、図8に示すように、ライザ28が接合されたセグメント素材33の軸方向端面26cにはライザ28とによる平坦面31が形成される。つまり、平坦面形成工程が行われた後のライザ28にはセグメント素材33の軸方向端面26cに対して同一面となる平面28cが形成され、この平面28cとセグメント素材33の軸方向端面26cとにより平坦面31が形成される。
また、第1金型34と第2金型35とにより平坦面31が加工される際には、図7(b)に示すように、さらに第2金型35の内部から断面円形の第3金型38がセグメント素材33の内部にまで移動する。これにより、円筒状に形成されたセグメント素材33は第3金型38により内側から支持孔34aの内面に押し付けられて、その真円度が増される。
なお、本実施の形態においては、平坦面31はプレス金型36を用いて形成するようにしているが、これに限らず、セグメント素材33とライザ28とを圧し潰せれば、他の機械や装置等を用いてもよい。
また、この平坦面成形工程に続いて、セグメント素材33の内周面には、削ぎ加工により図9に示す形状のアンカー41が形成される。削ぎ加工は前述の第3金型38よりさらに大径であり、且つ、所定の断面形状に形成された図示しない第4金型をセグメント素材33の内部に挿通させることにより行われ、これにより円筒状のセグメント素材33の内周側が削られてアンカー41が形成される。これらのアンカー41は、それぞれ対応するライザ28の両脇に配置されており、これにより、図2に示す各セグメント本体26に2つずつ形成されるようになっている。
なお、第3金型38による成形を行わず、アンカー41を形成する第4金型によりセグメント素材33を支持孔34aの内側に押し付けて、その真円度を増すようにしてもよい。
次いで、モールド成形工程において、平坦面31が形成されたセグメント素材33の内側に絶縁性材料をモールドして円筒状のモールド部25が形成される。絶縁性材料としては電気的な絶縁性を有する樹脂材料等が用いられる。
図10に示すように、モールド成形工程は2分割可能に形成されたモールド型42を用いて行われる。モールド型42はセグメント素材33が配置されるとともにモールド部25を成形する成形型43と、成形型43を閉塞するとともに絶縁性材料を射出する射出型44とを有しており、射出型44は成形型43にセットされたときに、平坦に形成された閉塞面44aにおいてセグメント素材33とライザ28とにより形成される平坦面31に接するようになっている。つまり、射出型44の閉塞面44aは平坦面31においてセグメント素材33やライザ28に接して、セグメント素材33やライザ28との間に隙間を生じることがない。したがって、絶縁性材料を射出型44に設けられた射出孔44bから成形型43の内部に射出する際に、射出型44とセグメント素材33やライザ28との間から絶縁性材料が漏れ出すことがない。
このモールド成形工程により、セグメント素材33の内側には、図11に示すように、円筒状のモールド部25が形成される。なお、セグメント素材33はアンカー41がモールド部25とともにモールドされることによりモールド部25に固定された状態となる。
次いで、セグメント分離工程により、図12に示すように、セグメント素材33にアンダーカットにより軸方向に向くスリット27が形成され、セグメント素材33は10個のセグメント本体26に分離される。このとき、スリット27はセグメント素材33の外周面からモールド部25に達する深さで形成されるので、各セグメント本体26はモールド部25の外周に固定されて相互に分離された状態となる。これにより、分離された後の各セグメント本体26はモールド部25の外周に周方向に所定の間隔を空けて並んで、相互に電気的に絶縁される。
次いで、後工程により、ライザ28は所定の角度に曲げられる曲げ工程や、モールド部25を加熱して酸化耐性を増すアフターキュア工程、モールド部25の貫通孔25aを成形する成形工程等が行われて、図2に示すコンミテータ23が完成する。
図13(a),(b)は、それぞれライザに回転子巻線を接続する過程を示す斜視図である。
前述の製造方法により製造されたコンミテータ23は、回転電機11を組み立てる際には、モールド部25に設けられた貫通孔25aにおいて回転軸16に固定される。そして、アマチュアコア21に回転子巻線22を巻装する巻装工程が行われた後には、ヒュージング工程において、対応する各回転子巻線22のコイル端がヒュージングにより各ライザ28に接続される。
ヒュージング工程では、まず、図13(a)に示すように、ライザ28に回転子巻線22のコイル端が掛け渡され、次いで、図13(b)に示すように、ライザ28の先端部28bがセグメント本体26の外周面に接するように折り曲げられる。そして、この状態でヒュージングが行われ、回転子巻線22の外周を絶縁状態に被覆する被膜が剥離されて回転子巻線22はライザ28やセグメント本体26に対して電気的に接続される。
ここで、このコンミテータ23のセグメント本体26の外周面には凹凸部を有するヒュージング面45が形成されている。ヒュージング面45は、図13(a),(b)において便宜上ハッチングを付して示す範囲に形成されており、その凹凸部は例えばローレット等により形成されている。そして、ヒュージングが行われる際には、ライザ28に掛け渡された回転子巻線22や折り曲げられたライザの先端部28bは、このヒュージング面45においてセグメント本体26に接するようになっている。
これにより、ヒュージングが行われる際には、回転子巻線22はセグメント本体26に対してヒュージング面45の凹凸部に点接触することになり、これにより回転子巻線22の被膜の剥離性が向上される。また、ヒュージングが行われる際には、ライザ28の先端部28bはヒュージング面45の凹凸部に点接触するので、ヒュージング初期における通電性が高められ、ヒュージング工程が安定することになる。したがって、回転子巻線22はヒュージングにより確実にライザ28やセグメント本体26に電気的に接続されることになる。
前述のように、このコンミテータ23の製造方法では、セグメント本体26の基となるセグメント素材33の軸方向端部26aに線材を接合してライザ28を形成するようにしたので、セグメント素材33の形状を略矩形にすることができる。したがって、ブランク工程における板材32の歩留まりが向上し、このコンミテータ23の製造コストを低減することができる。
また、このコンミテータ23の製造方法では、セグメント素材33の軸方向端部26aにライザ28を接合した場合であっても、セグメント素材33の軸方向端面26cには平坦面形成工程によりライザ28とによる平坦面31が形成されるので、セグメント素材33とライザ28とはモールド成形工程において用いられるモールド型42との間に隙間を生じず、その接合部からの絶縁性材料の漏れ出しは防止される。
このように、このコンミテータ23では、セグメント素材33の軸方向端面26cには、平坦面形成工程によりライザ28とによる平坦面31が形成されているので、モールド成形工程においてセグメント素材33とライザ28との接合部分から絶縁性材料が漏れ出すことを防止することができる。したがって、ライザ28に絶縁性材料が付着することにより生じるヒュージング不良が防止されることになり、ライザ28と回転子巻線22を確実に接続して、このコンミテータ23の信頼性を高めることができる。
さらに、このコンミテータ23では、回転子巻線22は凹凸部を有するヒュージング面45に接した状態でヒュージングされるので、被膜の剥離性が高められる。また、回転子巻線22がヒュージングされる際には、ライザ28の先端部28bも凹凸部を有するヒュージング面45に接しているので、ヒュージング初期における通電性が高められて、ヒュージングを安定させることができる。したがって、回転子巻線22はセグメント本体26やライザ28に確実に接続され、このコンミテータ23の信頼性が高められる。
図14(a)〜(c)は、それぞれ図2に示すコンミテータの変形例を示す説明図である。
図2に示すコンミテータ23では、ライザ28はセグメント本体26の軸方向端面26cに形成された溝部26bにおいてセグメント本体26に接合されているが、これに限らず、例えば、図14(a)に示すように、ライザ28の基端部28aをセグメント本体26の内周面側に接合し、これをセグメント本体26の軸方向端面26cに沿って折り曲げて外周側に突出させるようにしてもよい。また、この場合においては、図中一点鎖線で示すように、ライザ28をセグメント本体26の内側に軸方向に沿って長手方向に伸ばして、このライザ28にアンカー41の機能を持たせるようにしてもよい。この場合においても、セグメント本体26の軸方向端面26cに溝部26bを形成し、この溝部26bによりライザ28の位置決めを行うようにしてもよい。
また、図14(b)に示すように、ライザ28の基端部28aをセグメント本体26の外周面に接合し、これをセグメント本体26の軸方向端面26cに沿って外側に折り曲げて外周側に突出させるようにしてもよい。この場合においては、セグメント本体26の外周面にライザ28の位置決めを行う溝部26bを形成するようにしてもよく、また、形成しなくてもよい。
さらに、図14(c)に示すように、ライザ46を例えば銅板を切断加工して形成した断面矩形の線材により形成するようにしてもよい。この場合、ライザ46には予め平面46cが形成されているので、この平面46cがセグメント本体26の軸方向端面26cと同一面と成るようにライザ46をセグメント本体26の外周面に接合して平坦面形成工程を経ることなく平坦面31を形成するようにしてもよく、あるいは、平坦面形成工程を行うことにより、より平坦度の高い平坦面31を形成するようにしてもよい。
なお、図14においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、本発明のコンミテータ23が適用される回転電機11は所謂ブラシ付き直流モータとされているが、これに限らず、例えば、直流発電機など、他の回転電機に適用するようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、コンミテータ23には10個のセグメント本体26が設けられているが、これに限らず、その個数は適用される回転電機の仕様に合わせて種々変更可能である。
さらに、前記実施の形態においては、ヒュージング面45はセグメント本体26の外周面に形成されているが、これに限らず、例えば、図14(b)に示すようにヒュージング時の回転子巻線22やライザ28の先端部28bがライザ28の外周面に接する場合には、このライザ28の外周面に形成するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態であるコンミテータを備えた回転電機を示す断面図である。 (a),(b)はそれぞれ図1に示すコンミテータの詳細を示す斜視図である。 図2に示すコンミテータの製造手順を示すブロック図である。 セグメント素材の形状を示す正面図である。 ライザが接合されたセグメント素材を示す斜視図である。 円筒状に丸められたセグメント素材を示す斜視図である。 (a),(b)は、それぞれ平坦面形成工程において平坦面が形成される過程を示す断面図である。 平坦面形成工程により平坦面が形成されたセグメント本体とライザとを示す斜視図である。 セグメント素材に形成されたアンカーの形状を示す正面図である。 モールド成形工程を示す断面図である。 モールド部が形成された状態を示す斜視図である。 各セグメント本体が分離された状態を示す斜視図である。 (a),(b)は、それぞれライザに回転子巻線を接続する過程を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、それぞれ図2に示すコンミテータの変形例を示す説明図である。
符号の説明
11 回転電機
12 ハウジング
13 マグネット
14 フロントブラケット
14a 貫通孔
15 回転子
16 回転軸
16a 先端部
17,18 軸受け
21 アマチュアコア
21a スロット
22 回転子巻線
23 コンミテータ
24 ブラシ
25 モールド部
25a 貫通孔
26 セグメント本体
26a 軸方向端部
26b 溝部
26c 軸方向端面
27 スリット
28 ライザ
28a 基端部
28b 先端部
28c 平面
31 平坦面
32 板材
33 セグメント素材
34 第1金型
34a 支持孔
34b 支持面
35 第2金型
35a 圧潰面
36 プレス金型
37 支持台
38 第3金型
41 アンカー
42 モールド型
43 成形型
44 射出型
44a 閉塞面
44b 射出孔
45 ヒュージング面
46 ライザ
46c 平面

Claims (4)

  1. 回転電機の回転子に設けられるコンミテータであって、
    絶縁性材料をモールドして形成される円筒状のモールド部と、
    前記モールド部の外周に所定の間隔を空けて並べて配置され、ブラシと摺接する導電性を有する複数のセグメント本体と、
    導電性を有する線材により形成され、前記セグメント本体の軸方向端部に接合されて前記セグメント本体の軸方向端面とにより平坦面を形成するとともに回転子巻線に接続されるライザとを有することを特徴とするコンミテータ。
  2. 請求項1記載のコンミテータにおいて、前記セグメント本体の軸方向端部に前記ライザが接合される溝部を形成したことを特徴とするコンミテータ。
  3. 請求項1または2記載のコンミテータにおいて、ヒュージング時に前記回転子巻線に接するとともに前記ライザの先端部に相互接触するヒュージング面に凹凸部を設けたことを特徴とするコンミテータ。
  4. 回転電機の回転子に設けられるコンミテータの製造方法であって、
    導電性を有する板材を打ち抜いて略矩形のセグメント素材を形成するブランク工程と、
    前記セグメント素材の軸方向端部にライザを接合するライザ接合工程と、
    前記セグメント素材を丸めて円筒状に形成する丸め工程と、
    前記ライザが接合された前記セグメント素材を軸方向から圧し潰して、前記セグメント素材の軸方向端面と前記ライザとによる平坦面を形成する平坦面形成工程と、
    前記平坦面が形成された前記セグメント素材の内側に絶縁性材料をモールドして円筒状のモールド部を形成するモールド成形工程と、
    内側に前記モールド部が形成された前記セグメント素材を軸方向にアンダーカットして複数のセグメント本体に分離するセグメント分離工程とを有することを特徴とするコンミテータの製造方法。

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