JP2005133310A - 地中連続壁工法における芯材の建て込み方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 先行エレメントに芯材を建て込んだ状態で、後行エレメントを掘削機で掘削する場合、掘削軸が先行エレメントの芯材に接触することを防止し、施工精度と施工性の向上を図る。
【解決手段】 柱列壁用の掘削機で地盤を掘削し、先行エレメントのソイルセメント壁を造成する。次に後行エレメントのソイルセメント壁を前記先行エレメントのソイルセメント壁に順次ラップさせて連続一体の壁体を造成する地中連続壁工法における芯材の建て込み方法であって、ソイルセメント壁に建て込む芯材9の天端にヤットコ10を固定し、ヤットコ10と芯材9を掘削孔に降下し、後行エレメントを掘削機で削孔し、その後、ヤットコ10を芯材9から分離して引き上げる。
【選択図】 図1
【解決手段】 柱列壁用の掘削機で地盤を掘削し、先行エレメントのソイルセメント壁を造成する。次に後行エレメントのソイルセメント壁を前記先行エレメントのソイルセメント壁に順次ラップさせて連続一体の壁体を造成する地中連続壁工法における芯材の建て込み方法であって、ソイルセメント壁に建て込む芯材9の天端にヤットコ10を固定し、ヤットコ10と芯材9を掘削孔に降下し、後行エレメントを掘削機で削孔し、その後、ヤットコ10を芯材9から分離して引き上げる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ソイル柱壁等の土留め壁用の掘削孔を掘削機で掘削して地中連続壁を造成する場合の芯材の建て込み方法に関するものである。
ソイル柱壁の施工として、多軸掘削機による原位置土混合工法(Sile Mixing Wall,SMW)が知られている。これは、図5、図6に示すように油圧モータおよび減速機からなる駆動機構4に掘削軸5を下方に向けて連結し、かつ、この掘削軸5を複数本(図示では5本)並列させたものである。
掘削軸5は先端に掘削ヘッド5aを設け、また、途中に断続するスクリュー羽根による攪拌翼兼用の掘削翼5bを設けたものである。また、図示は省略するが、この掘削軸5は中空軸で内部にセメントミルク等の固結液を通流させ、これを掘削ヘッド5aの吐出口より注出できる。
前記駆動機構4は掘削軸5を連結した状態で、クローラ等のベースマシーン1に起立するリーダーマスト2のトップシーブ3からワイヤーで吊り支する。さらに、駆動機構4は背面に設けた湾曲ブラケット6をリーダーマスト2に沿設したリーダー7に係合させる。図中8はリーダーマスト2の下端に設けた首かせ状の振れ止めで、掘削軸5が上下に貫通する。
駆動機構4により掘削軸5を回転駆動し、掘削ヘッド5aで錐揉み状に掘削を行うが、かかる掘削時に掘削ヘッド5aよりセメントミルク等の固結液を吐出させて、土中において原位置土と混合して図7に示すように先行エレメントaのソイルセメント壁体を造成する。
同様に後行エレメントbのソイルセメント壁体を前記先行エレメントaのソイルセメント壁体に完全にラップさせて(例えば掘削軸1軸分の軌跡)形成し、一体に連続して地中連続壁とする。
そして、かかるソイルセメント壁体を建築・土木の地下工事における土留め壁として使用する場合は、図8に示すように応力負担材(芯材9)としてH形鋼を建て込む。
この芯材9の建て込みは、セメントミルク等の固結液を吐出後、固結液が硬化する前にクレーンなどで吊り込むものであり、先行エレメントに芯材を建て込んだ後、後行エレメントの削孔を開始する(例えば特許文献1参照)。
特開平10−131174号公報
多軸掘削機での掘削は、各掘削軸の掘削軌道が重合(オーバーラップ)するようになり、しかも、後行エレメントを造成するため削孔するときには、先行エレメントには芯材が建て込んである状態であって、この芯材は掘削孔内に没入しているため、地上からは芯材の所在位置を明確に確認することが困難となる。このため、図9に示すように後行エレメントの削孔のための掘削軸が先行エレメントの芯材と接触するおそれがある。
なお、芯材の頭部に鉄筋などを結合しているが、掘削孔に吐出されたセメントミルク等の固結液と原位置土との混合攪拌による混合物により流れ、芯材の位置を明確に示す指標とはなりにくい。
この発明の目的は前記従来例の不都合を解消するものとして、先行エレメントに芯材を建て込んだ状態で、後行エレメントを掘削機で掘削する場合、掘削軸が先行エレメントの芯材に接触することを防止でき、施工精度と施工性の向上が図れる地中連続壁工法における芯材の建て込み方法を提供することにある。
この発明は前記従来例の不都合を解消するため、請求項1記載の発明は、柱列壁用の掘削機で地盤を掘削し、先行エレメントのソイルセメント壁を造成する。次に後行エレメントのソイルセメント壁を前記先行エレメントのソイルセメント壁に順次ラップさせて連続一体の壁体を造成する地中連続壁工法における芯材の建て込み方法であって、ソイルセメント壁に建て込む芯材の天端にヤットコを固定し、ヤットコと芯材を掘削孔に降下し、後行エレメントを掘削機で削孔し、その後、ヤットコを芯材から分離して引き上げることを要旨とする。
請求項1記載の本発明によれば、後行エレメントを掘削機で削孔するとき、先行エレメントに建て込んである芯材の天端にはヤットコが固定してあるから、このヤットコの所在がガイドとなって芯材の位置を認識することができ、これにより、後行エレメントの削孔時に掘削機の掘削軸が接触することを防止でき、先行エレメントの芯材の位置が移動することを防止できる。
請求項2記載の発明は、芯材へのヤットコの固定は、引抜ワイヤーで解除されるロックピンにより行うことを要旨とする。
請求項2記載の本発明によれば、ヤットコはロックピンで芯材に固定されるから、吐出されたセメントミルク等の固結材と原位置土との混合攪拌による混合物によって、流されることがなく、芯材の位置を表示する指標としての機能が損なわれることがない。また、引抜ワイヤーを引っ張ることで地上から簡単に引き抜いて撤去することができ、埋め殺しにせずに再使用ができる。
請求項3記載の発明は、芯材とともに建て込んだヤットコの頭部は地表に突出させることを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、ヤットコの頭部は地表に突出するから、この突出部分により芯材の位置を容易に知ることができる。
この発明の地中連続壁工法における芯材の建て込み方法は、先行エレメントに芯材を建て込んだ状態で、後行エレメントを掘削機で掘削する場合、芯材の天端にヤットコを固定し、このヤットコの頭部を地表に突出させることで、芯材の所在位置を知ることができ、掘削軸が先行エレメントの芯材に接触することを防止でき、施工精度と施工性の向上が図れる。また、ヤットコは芯材にロックピンで固定したから所定位置に保持される。
以下、図面についてこの発明の実施の形態を詳細に説明する。図1はこの発明の地中連続壁工法における芯材の建て込み方法の実施形態を示す正面図、図2は同上要部である芯材の落とし込み機構の斜視図で、地中連続壁工法については既に説明したとおりであるから、ここでの詳細な説明は省略する。
この発明は地中連続壁工法において、先行エレメントの造成の最後の工程で芯材9であるH形鋼を建て込む方法に関するものであり、この方法を図2、図3について説明する。芯材9を建て込むには、まず、芯材9の天端にネジテッコン用のナット11を予め溶接により固定しておく。
芯材9をクレーンで吊り上げて掘削機で削孔した掘削孔に建て込み、ここにセットしてある仮受け材12である定規材に仮止めする。この仮受け材12は芯材9の幅分だけ間隔をおいて並列させたH鋼12aで構成し、この並列するH鋼12aの間に、このH鋼12aと直交させてH鋼12aの上に設置した一対の横桟13aとこの横桟13aの上にこれと直交させてセットしたピン13bとで構成する仮止め用冶具13を取付け、前記一対のH鋼12aと一対の横桟13aとで囲まれた空間に芯材9を挿入し、前記ピン13bを芯材9であるH鋼のウエブに挿入して芯材9を仮受け材12であるH鋼12aに固定する。
この状態でナット11に落とし込み用のネジテッコン14の下端を取付ける。また、芯材9の天端に長さ5m程度のH鋼によるヤットコ10をセットし、ロックピン15で固定する。図中15aはロックピン引抜用のワイヤーを示す。
次に仮止め用冶具13を撤去して仮受け材12への芯材9の固定を解除し、芯材9およびこれと一体のヤットコ10を降下させて落とし込む。レベル計で計測される深度が所定値に達したならば、図3に示すようにネジテッコン14の上部をロックマン16により仮受け材12に固定する。この状態でヤットコ10の上部は地表に突出する。
ロックマン16は、図4に示すように仮受け材12である一対のH鋼12aの間にこれと直行する方向に横桟16aをセットし、この横桟16aにストッパーとなる座金16bを取付けたもので、ネジテッコン14が貫通するように座金16bを横桟16aに位置決める。そして、ネジテッコン14の上部からナット16cを螺合させて座金16bに当接するまで下降させ、ナット16cと座金16bとの結合によりネジテッコン14を所定位置に保持する。ナット16cの代わりにブルマンを使用することもできる。
このようにしてロックマン16によりネジテッコン14が仮受け材12に固定された状態で、後行エレメントを掘削機で削孔して掘削孔を造成する。このとき、図1に示すように掘削機の掘削軸5は先行エレメントの芯材9に近接する箇所を掘削するが、先行エレメントの芯材9の天端にはヤットコ10が固定してあるので、このヤットコ10の所在がその下方に建て込まれた芯材9の位置を示す指標となって、芯材9の位置を確認できるから、後行エレメント施工の際に、掘削軸5が先行エレメントの芯材9に接触することを防げる。
後行エレメントの削孔が終了すれば、ロックピンひき抜き用のワイヤー15aを上方に引っ張って、ロックピン15を外し、ヤットコ10と芯材9との固定を解除して、ヤットコ10を引き上げる。このヤットコ10は次の芯材9の建て込みの際に再使用する。
先行エレメントのセメントミルク等の固結材が硬化したならば、ネジテッコン14を引き抜いて芯材9の建て込みの全工程を終了する。
1 ベースマシーン 2 リーダーマスト
3 トップシーブ 4 駆動機構
5 掘削軸 5a 掘削ヘッド
5b 掘削翼 6 湾曲ブラケット
7 リーダー 8 振れ止め
9 芯材 10 ヤットコ
11 ナット 12 仮受け材
12a H鋼 13 仮止め用冶具
13a 横桟 13b ピン
14 ネジテッコン 15 ロックピン
15a ワイヤー 16 ロックマン
16a 横桟 16b 座金
16c ナット
3 トップシーブ 4 駆動機構
5 掘削軸 5a 掘削ヘッド
5b 掘削翼 6 湾曲ブラケット
7 リーダー 8 振れ止め
9 芯材 10 ヤットコ
11 ナット 12 仮受け材
12a H鋼 13 仮止め用冶具
13a 横桟 13b ピン
14 ネジテッコン 15 ロックピン
15a ワイヤー 16 ロックマン
16a 横桟 16b 座金
16c ナット
Claims (3)
- 柱列壁用の掘削機で地盤を掘削し、先行エレメントのソイルセメント壁を造成する。次に後行エレメントのソイルセメント壁を前記先行エレメントのソイルセメント壁に順次ラップさせて連続一体の壁体を造成する地中連続壁工法における芯材の建て込み方法であって、ソイルセメント壁に建て込む芯材の天端にヤットコを固定し、ヤットコと芯材を掘削孔に降下し、後行エレメントを掘削機で削孔し、その後、ヤットコを芯材から分離して引き上げることを特徴とする地中連続壁工法における芯材の建て込み方法。
- 芯材へのヤットコの固定は、引抜ワイヤーで解除されるロックピンにより行うことを特徴とする請求項1記載の地中連続壁工法における芯材の建て込み方法。
- 芯材とともに建て込んだヤットコの頭部は地表に突出させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地中連続壁工法における芯材の建て込み方法。
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JP2003367303A JP2005133310A (ja) | 2003-10-28 | 2003-10-28 | 地中連続壁工法における芯材の建て込み方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5926871B1 (ja) * | 2016-01-29 | 2016-05-25 | ノザキ建工株式会社 | ヤットコ施工時における鋼矢板の共下がり防止工法及び非掘削による壁体地中設置工法 |
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-
2003
- 2003-10-28 JP JP2003367303A patent/JP2005133310A/ja active Pending
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