JP2002138462A - 応力材建込み装置及び応力材の設置工法 - Google Patents

応力材建込み装置及び応力材の設置工法

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JP2002138462A
JP2002138462A JP2000335065A JP2000335065A JP2002138462A JP 2002138462 A JP2002138462 A JP 2002138462A JP 2000335065 A JP2000335065 A JP 2000335065A JP 2000335065 A JP2000335065 A JP 2000335065A JP 2002138462 A JP2002138462 A JP 2002138462A
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stress
building
piston
soil cement
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Yasuto Usu
康人 薄
Toru Miyanaga
徹 宮良
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Seiko Kogyo Co Ltd
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Seiko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、操作性が良好で構造が簡単な応
力材建込み装置の提供を目的とし、更に、その新規な建
込み装置を用いることによって応力材を設定位置に確実
に建込むことができる、応力材の設置工法を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 この発明に係る応力材建込み装置20
は、建込みされる応力材の断面形状と略同一の形状であ
る任意長さの支持部材21と、該支持部材のウェブ部2
2両面に固定された一対の規制板24,25と、該規制
板の一方の側面に固定されたピストン・シリンダ装置か
らなる係脱手段30と、該係脱手段のピストン32に連
結された係止ピン33を有し、両規制板の間に応力材の
ウェブ部分を挾持可能であり、支持部材と応力材との係
脱は該応力材のウェブ部に設けた連結穴Hと両規制板に
夫々設けた連結穴を貫通して上記係止ピンが挿抜される
ことにより行われることを特徴とする応力材建込み装置
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば柱列式土留壁
工法に用いられる応力材(芯材)のための建込み装置に
関し、更に、この様な芯材建込み装置を用いた新規な柱
列式連続地中壁の構築における応力材の設置工法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続地中壁などを用いた山留工
法にあっては、壁体の応力材(芯材)としてH型鋼や鋼
管が使用されるけれども、高い強度と高止水性が要求さ
れる山留壁においては、その応力材の建込み精度が重要
になっている。また、山留壁に作用する土圧等はその施
工現場での状況等によって異なり、特に山留壁の上部及
び下端部において必ずしも高い強度を必要としない部分
が存在し、このような部分において材料の節約の目的か
ら、一定長に渡って応力材を省略する方法が採用されて
いる。従って、特に壁体下部における応力材部分を省略
する場合には、特別の応力材建込み装置を用いて、適宜
長さの応力材を必要位置に建込み、柱列構成材と一体化
させる工法が行われている。
【0003】ところで、多軸オーガを用いて現位置土と
セメントミルク等の固化剤とを混合しながら地中壁を構
築する工法(SMW工法)にあっては、例えば三軸式の
アースオーガを用い、1回の掘削工程において3本の連
続した柱列(ソイルセメント柱列)を形成し、その内の
2本にH型鋼材等の応力材を建込むと共に、他の1本の
削孔にオーバーラップさせて次の掘削工程が施工され
る。従って、先に掘削施工されたソイルセメント部分に
建込まれた応力材の建込み精度によって、次の掘削工程
における削孔精度に影響を与え、最悪の場合にはアース
オーガによる削孔が不能になる等の不具合が生ずる。
【0004】この様な応力材建込みに係る問題点を図1
乃至図3によって説明する。これらの図は、三軸アース
オーガ10を用いてH型鋼からなる応力材(芯材)を建
込んだ場合の、応力材の建込み不良又は建込み工法に起
因する種々の問題点を示すものである。
【0005】先ず図1においては、通常の建込み工法で
ある落し込み方法に従って、既にSMW工法で柱列が構
築されたソイルセメント打設部12に対応して応力材1
1,11が建込まれた状態を示しているが、該応力材の
落し込みが正常に行われたとしても、引き続くアースオ
ーガ10による削孔工程を既設の柱列(ソイルセメント
打設部)12における固化剤の硬化が不充分なうちに施
工した場合、アースオーガ10のスクリュー13又は掘
削ビット14が隣接する建込み済みの応力材11と干渉
し、該応力材11が回動するなど、応力材の建込み精度
への悪影響が生ずることがある。
【0006】図2、図3は図1の場合と同様な関係にお
いて、既に建込みされた応力材11が傾斜した状態でソ
イルセメントの硬化が進んだ場合を示している。図2に
示すように応力材の建込み精度が悪い場合には、続いて
施工される隣接の削孔工程において、図1の場合と同様
に応力材とアースオーガ10のスクリュー13又は削孔
ビット14とが干渉することにより、その削孔精度に悪
影響を及ぼすこととなる。また、図3に示すように応力
材11の上端部が次の削孔領域側に傾斜している場合に
は、図示のごとく該応力材11の上端と掘削ビット14
とが干渉し、削孔不能となる等の不具合が生ずる。
【0007】一方、従来公知の応力材建込み装置につい
てみると、例えば特公平7−81272号公報、特公平
8−33005号公報に記載されたものが知られてい
る。図9は、上記公知例における一般的な応力材の建込
み工法と、これに用いられる建込み装置の概略を示して
いる。該図9において、山留壁等の地中壁が施工される
区域の地表面GLから、例えば単軸のアースオーガ等に
よって削孔50され、未硬化のソイルセメント52を打
設した後、応力材であるH型鋼等51が建込み装置55
と共に建て込まれるものである。
【0008】この場合に上記の建込み装置55は概略、
応力材51と略々同形状の支持部材56、該支持部材5
6と応力材51とを連結する継手部材57、該継手部材
57の下部と応力材51の上端を係脱自在に連結するピ
ン58及び該ピン58を応力材51の建込み位置におい
て抜き取る操作ワイヤー59等によって構成されてい
る。そして、図示のごとく応力材51の建て込みに当っ
ては、上記建込み装置55によって応力材51を削孔5
0内の壁体構成材(ソイルセメント)52中の適宜位置
に吊りワイヤーで吊下落し込み、その後操作ワイヤー5
9を人力等で引張ることによってピン58を応力材51
の連結穴から抜取り、続いて建込み装置55全体を引上
げる。この様にして、建込み装置55は次の応力材の建
込みに利用すると共に、応力材51を任意の位置に建込
みを完了するものである。
【0009】しかしながら、この様な公知の形式の建込
み装置によるときは、建込み装置55の支持部材56又
は継手部材57と応力材51とはピン58により係合さ
れており、この係合を解除するために操作ワイヤー59
を利用しているために、削孔50内のソイルセメント5
2中で上記ピン58を、特に該ソイルセメントの硬化が
進んだ状態で引き抜くことは極めて困難なことである。
また、該ソイルセメントの流動性が高い状態で該ピン5
8を引き抜くと、規定の建込み位置に建込まれていた応
力材51の位置や姿勢が変更する等の問題を生ずる不具
合があった。
【0010】図10によって、同じく上記公知例の他の
建込み装置の概略を説明する。この図においては、建込
み装置65の一部分のみを開示しているけれども、該建
込み装置65は概略、長尺の支持部材66、一対の規制
部材67、長尺ボルト68及び軸受69等により構成さ
れており、支持部材66は応力材61の形状と略同一で
適宜の長さを有する例えばH型鋼であり、長尺ボルト6
8は該支持部材66の上端上方位置まで伸びており、適
宜個所の軸受69によって支持部材66の側面で回動可
能に支持されている。
【0011】一方、応力材61の各々には図示のごとく
ナット64が、上記長尺ボルト68と螺合可能に固定さ
れており、通常該ナットは応力材の両フランジ外側に設
けられている。そして、図示の状態から長尺ボルト68
を回動して応力材61のナット64と係合させた状態
で、上記図9の場合と同様に任意の削孔内のソイルセメ
ント中に建込み、その後必要時期に長尺ボルト68を回
動して建込み装置65と応力材61とを切り離し、建込
み装置65を引き上げるものである。
【0012】ところで、この様な形式の建込み装置にお
いては、該建込み装置65の支持部材66と応力材61
との連結が長尺ボルト68とナット64との螺合により
行われるために、その連結時の螺合に極めて微細な位置
合わせが必要となり、その作業性が非常に低い欠点があ
った。また、該連結部の切り離し時においても、長尺ボ
ルト68の回動作業が通常比較的高所で行われるため
に、上記同様にその作業性に問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記種々
の問題点に鑑み、操作性が良好で構造が簡単な応力材建
込み装置の提供を目的とし、更に、その新規な建込み装
置を用いることによって、応力材を設定位置に確実に建
込むことができる、応力材の設置工法を提供することを
目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る応力材建
込み装置は、建込みされる応力材の断面形状と略同一の
形状である任意長さの支持部材と、該支持部材のウェブ
部両面に固定された一対の規制板と、該規制板の一方の
側面に固定されたピストン・シリンダ装置からなる係脱
手段と、該係脱手段のピストンに連結された係止ピンを
有し、両規制板の間に応力材のウェブ部分を挾持可能で
あり、支持部材と応力材との係脱は該応力材のウェブ部
に設けた連結穴と両規制板に夫々設けた連結穴を貫通し
て上記係止ピンが挿抜されることにより行われることを
特徴とする応力材建込み装置である。そして、一対の規
制板と支持部材のウェブ部との間にスペーサを介在させ
て固定することにより、両規制板の間隔が調整可能であ
り、係脱手段のピストン・シリンダ装置は空気圧により
遠隔操作可能であり、更に、係止ピンは係脱手段のピス
トンと一体に構成された応力材建込み装置としている。
また、この発明に係る応力材の設置工法は、ピストン・
シリンダ装置からなる係脱手段を有する応力材建込み装
置を用いて応力材を吊下げ固定し、多軸オーガによって
削孔されたソイルセメント柱に応力材を建込む設置工法
であって、削孔されたソイルセメント柱内の規定深度に
応力材及び建込み装置を一体で落し込み、続いて、ソイ
ルセメントが応力材の移動を制限する程度に硬化した
後、ピストン・シリンダ装置を遠隔操作して応力材の建
込み装置による固定を解除し、更に応力材建込み装置の
みを落し込み位置から引き抜くことを特徴とする応力材
の設置工法であり、建込み装置の引抜きは、応力材建込
み作業日の翌日に行うこともできる応力材の設置工法で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明に係る応力材建込み装置
20の一実施形態を図4乃至図7により説明する。図4
は、応力材41に対して建込み装置20を装着した状態
の、建込み装置主要部分の縦断面形状を表わしている。
すなわち、応力材41と建込み装置20の支持部材21
とは、どちらも一般的なH型鋼により構成されており、
それらの断面形状も略同一である。そして、該支持部材
21のウェブ22部分には、該ウェブ部を両側から挾持
するように主規制板24及び副規制板25が、例えばボ
ルト・ナット等によって締結されている。この場合、主
副の両規制板24,25の間隔を調整するために、夫々
ウェブ22との間にスペーサーSを介在させて締結する
のが望ましい。
【0016】符号30で表示する係脱手段は、ピストン
・シリンダ装置からなっており、上記主規制板24の一
側に固定されたシリンダ31内で移動するピストン32
を有し、該ピストン32の一端には係止ピン33が一体
的に結合されている。そして、図示のごとくそのシリン
ダ31内でピストン32が一方に移動した状態では、該
ピストン32に連結されたピン33が、主規制板24、
応力材のウェブ42及び副規制板25の各連結穴Hを貫
通し、その結果支持部材21と応力材41の各ウェブ間
で連結支持されることになる。なお、図中の符号23,
43は夫々、支持部材21及び応力材41のフランジ部
分を示している。
【0017】図5は、上記図4における建込み装置20
の主規制板24及びその背面に固定された係脱手段30
を構成するピストン・シリンダ装置の右側面を表わして
いる。主規制板24の巾は、鋲又はボルト・ナットによ
りそれが固定されている支持部材21のウェブ22の巾
及び応力材41のウェブ42の巾よりも少し狭い程度が
良く、その両側にはフランジ部24F,24Fが設けら
れている。従って、該主規制板24の横断面形状は略コ
字状であって、該両フランジ部24Fにより建込み装置
20の支持部材21と応力材41の横方向位置を、より
正確に位置決め及び拘束することができる。
【0018】図6は、上記図4における副規制板25の
左側面を表わしている。該副規制板25の断面形状は、
上記主規制板24の断面形状と略同一とすることができ
るが、両側のフランジ部25F,25Fの大きさは任意
である。また、該副規制板25の全長は主規制板24の
全長よりも短くされており、これにより両規制板24,
25間への応力材41におけるウェブ42部分の挿入を
容易にしている。しかし、両規制板24,25の上記長
さの関係は逆であっても良い。
【0019】図6中の連結穴25Hは上記図4において
特に明らかなように、主規制板24の連結穴24Hとピ
ストン32の端部を形成する係止ピン33の位置と対応
しており、詳細を後述する係脱手段30の作動により該
係止ピン33が出入りするものである。更に、上記主規
制板24と副規制板25の下端部は、特に図4において
明らかなごとく、なるべく両側方に開いた形状であるこ
とが応力材41の取付け固定作業上望ましい。
【0020】図7において係脱手段30の詳細を説明す
る。係脱手段30を構成するシリンダ31は、例えば上
記主規制板24の背面に溶接等により強固に固定される
リング状の取付け部材31Aによって取付けることがで
きる。この場合、図4にも示すように該リング状取付部
材31Aに設けたねじ穴と、シリンダ31の筒状部31
Bと一体のフランジ部31Cに穿設された穴31Hと
で、例えばボルトにより締結固定することができる。シ
リンダ31の一端部にはキャップ部31Dを有し、該キ
ャップ部31Dの内壁と筒状部31Bの内壁とによっ
て、シリンダ31の流体室31Eを形成している。そし
て該流体室31Eの両端部には、例えば圧縮空気の出入
口31F,31Fの端部が開口連結されている。
【0021】一方、ピストン32のロッド部分先端は一
体的に形成された係止ピン33を構成しており、上記流
体室31Eのいずれか一方に流体(例えば空気圧)を作
用させることで該係止ピンが簡単に移動する。また、係
止ピン33は少なくともその係止状態において、図4に
示すように、主規制板24、応力材41のウェブ42及
び副規制板25の夫々の穴24H,42H,25Hを貫
通する長さである。なお、上記図面には記載されていな
いが、圧縮空気の各出入口31Fにはエアホースが接続
され、これらのホースは保護管等を用いて上記支持部材
21のウェブ22に沿って上端部まで固定され、更に各
ホースは通常の圧縮空気圧力源に接続されている。
【0022】続いて、上記建込み装置20による作用を
説明する。建込み装置20の支持部材21と応力材41
との関係は、従来公知の装置と略々同様である。先ず、
これら両部材の連結前に、図4におけるピストン32の
位置を、応力材建込み位置から離れた例えば圧縮空気圧
力源の近傍において、ヘアホースに供給される空気圧を
切換えることによって、図上右方向に移動する。次に応
力材41の上端部のウェブ42を、建込み装置20の主
規制板24と副規制板25との間に挿入すると共に、該
ウェブ42の連結穴42Hと両規制板24,25の各連
結穴24H,25Hの位置合せを行う。この場合、上記
ウェブ42の連結穴42Hは、元々応力材41の吊下げ
用に穿設された穴を利用することができ、更に該連結穴
42Hの内径が係脱手段30における係止ピン33の外
径よりも可成り大きいものであれば、上記各連結穴の位
置合せがより簡単に達成される。
【0023】次に、上記空気圧力源の近傍に設けられた
圧力切換え手段(図示せず)により、ピストン32の位
置を図4に示す位置に移動させると、該ピストン32と
一体又は結合されている係止ピン33も同図示位置に移
動し、応力材41はそのウェブ42部分で両規制板2
4,25に挾持されて連結される。この時は、該両規制
板24,25のフランジ部巾寸法が応力材41のウェブ
42の巾寸法に近い値に設定されているので、建込み装
置20の支持部材21と応力材41との横方向の相対的
な振れも極力制限することができる。
【0024】応力材41の建込み作業は従来公知のもの
と略々同様に、上記応力材41に連結された建込み装置
20の支持部材21の上端部に設けられた吊下げ穴等
に、例えばクレーンのフックを係合することにより吊下
げ、必要なソイルセメント打設部分に建込むものであ
る。そして、該ソイルセメントが少し硬化し、規定位置
にセットされた応力材41が充分に固定された適時に、
上記空気圧の切換えを建込み位置と離れた位置において
行い、ピストン32及びピン33を再度移動させて上記
連結を解除する。
【0025】この場合、この発明における係脱手段30
の移動部分はピストン32とこれに続くピン33のみで
あり、該ピストン及びピンは大方シリンダ31内で移動
するので、応力材41が建込まれたソイルセメント部分
の硬化によってその移動に全く支障を来さないものであ
る。続いて建込み装置20の抜取りは、上記支持部材2
1の上端を吊下げするクレーンにより行うけれども、必
要に応じてバイブロ等の振動機を併設してあれば、ソイ
ルセメントの硬化後も極めて簡単に抜取ることができ
る。
【0026】
【実施例】続いて、極めて一般的な応力材であるH型鋼
を用いる場合の、この発明における建込み装置20の各
部の構成は、その一例として次の様な寸法とすることが
できる。応力材の建込み位置に応じて適宜選択された長
さの支持部材21の下端には、そのウェブ22の幅寸法
に対応した幅約250mmの主、副規制板24,25と
し、これら主、副の規制板の長さは夫々550mm、5
00mmとすることができる。この場合の各規制板の板
厚は約12mmの鋼板が利用される。この様な一般的な
大きさの建込み装置に用いられる係脱手段30において
は、シリンダー31の主規制板取付け面からの突出高さ
を約125mm、従って、シリンダー31内における流
体室31Eの内径及び長さは夫々、Φ=80mm、長さ
60mm程度であり、ピストン32及び係止ピン33の
全長は約130mm程度である。また、係止ピン33の
径はΦ=50mmとする。そして、該ピストン32の3
5〜40mmのストロークによって、一般的な応力材4
1であるH型鋼のウェブ42部分を、支持部材21の主
・副規制板24,25に対して確実に係脱支持すること
ができる。
【0027】図8によって、上記本発明に係る応力材建
込み装置20を利用した、応力材建込み時における一つ
の設置工法について説明する。図示のごとく、地中壁施
工区域の地表面GLには定規材19が設置され、例えば
三軸アースオーガ10を回転駆動装置18により回転し
て掘削ビット14部分から固化剤を注入しながら掘削、
混合、撹拌を行い、通常のSMW工法等に従って地中壁
体構成部(ソイルセメント打設部)12を打設する。こ
の場合、通常は三軸アースオーガ10により3本の柱列
を打設後に、その2本分に対して応力材11が落し込み
により建込まれる。
【0028】応力材であるH型鋼11の必要建込み位置
及び該応力材の長さが例えば図8に示すような関係であ
る場合には、その応力材11の建込み位置の上下に可成
りの深さで、応力材が存在しない地中壁構成材部分(ソ
イルセメント部分)が存在することとなる。すなわち、
応力材11の上端部はその落し込み深さLで決定さ
れ、同様に応力材11の長さはその応力材11自体の必
要な長さLにより決定され、更に応力材11の下端か
ら地中壁下端部までの距離Lは、止水壁の必要構築深
さと上記L,Lとによって決定される。従って、応
力材11を最小限必要な部位に確実に建込むには、適切
な長さの応力材と該応力材の適切な位置への建て込み配
置固定が必要である。
【0029】そこで、この発明においては上記応力材建
込み装置20を用いて、ソイルセメント打設部12、す
なわち、図8において三軸アースオーガ10によって掘
削削孔され、掘削現位置土と固化剤が混合撹拌された例
えば柱列部位P,Pn+1に対して、応力材11
11n+1を建込みされる。この場合に、上記図4に示
す状態で建込み装置20の支持部材21と応力部材41
とが連結され、図8におけるPn+1に符号20,11
n+1で概略を示すように建込みが行われる。
【0030】そして、適宜位置に必要な長さLの応力
材11n+1が建込みされた状態で、上記建込み装置2
0における支持部材21の上端部が例えば定規材19に
吊下固定される。その後、地中壁構成部であるソイルセ
メント打設部12の固化が進行して応力材11n+1
充分に固定された状態で、上記建込み装置20における
係脱手段30を作動し、係止ピン33を連結穴Hから抜
取り、建込み装置20と応力材11n+1との連結を解
除する。
【0031】続いて、図示しないクレーン等により上記
建込み装置20のみを引上げるけれども、該引上げに際
しては例えばバイブロ等の振動機を併用することができ
る。この様な工法における建込み装置の連結解除及び引
上げは、例えばソイルセメント柱列打設及び応力材の建
込み作業日の翌日、すなわち建込み作業から約1日経過
した後に行うことができる。また、1日に複数回の掘削
工程を連続して行い、続いて多数の応力材を夫々建込み
装置を連結した状態で順次建込み、これらの作業の翌日
に各建込み装置を順次連結解除して引上げることによ
り、これらの作業を能率良く行うこともできる。しか
し、この様な場合には当然に、多数の建込み装置20を
用意することとなる。
【0032】
【発明の効果】この発明によれば、特に応力材の係脱手
段としてピストン・シリンダ装置を用い、これを主規制
板の背面凹所に固定することにより、極めて簡単な構造
で応力材を確実に固定、建込みでき、しかもソイルセメ
ント中においても容易に係脱操作を行うことができる。
また、係脱手段が小型にでき、且つこれらの装置の大部
分を支持部材のフランジ内に収納できるので、建込み装
置の引抜き時の抵抗も軽減でき、ソイルセメントが可成
り硬化する状態まで、応力材の規定位置での固定保持が
可能となった。更に、この様なソイルセメントの硬化状
態においても、係脱手段における係止ピンの移動用ピス
トン32はシリンダ31内で作動されるので、その係脱
操作がソイルセメントの硬化状況によって左右されるこ
とがなく、また、その操作も遠隔にて制御することがで
きる。また、この発明の応力材設置工法によれば、上記
のごとく応力材建込み装置の抜取り時期に制限が少ない
ことと相俟って、応力材を規定部位に確実に建込み固定
できると共に、その作業性を格段に向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】応力材建込み時における不具合の一形態の説明
図である。
【図2】応力材建込み時における不具合の他の形態の説
明図である。
【図3】応力材建込み時における不具合のその他の形態
の説明図である。
【図4】この発明に係る建込み装置と応力材との係合状
態における、各部材の一部縦断面図である。
【図5】主規制板の背面図である。
【図6】副規制板の背面図である。
【図7】係脱手段の断面図である。
【図8】この発明に係る応力材の設置工法の概念説明図
である。
【図9】従来公知の応力材建込み方法の概略説明図であ
る。
【図10】従来公知の他の形式の応力材建込み装置の概
略説明図である。
【符号の説明】
10 アースオーガ 11、41 応力材 12 ソイルセメント打設部 20 建込み装置 21 支持部材 22 ウェブ 24 主規制板 25 副規制板 30 係脱手段 31 シリンダ 32 ピストン 33 係止ピン H 連結穴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建込みされる応力材の断面形状と略同一
    の形状である任意長さの支持部材と、該支持部材のウェ
    ブ部両面に固定された一対の規制板と、該規制板の一方
    の側面に固定されたピストン・シリンダ装置からなる係
    脱手段と、該係脱手段のピストンに連結された係止ピン
    を有し、両規制板の間に応力材のウェブ部分を挾持可能
    であり、支持部材と応力材との係脱は該応力材のウェブ
    部に設けた連結穴と両規制板に夫々設けた連結穴を貫通
    して上記係止ピンが挿抜されることにより行われること
    を特徴とする応力材建込み装置。
  2. 【請求項2】 上記一対の規制板と支持部材のウェブ部
    との間にスペーサを介在させて固定することにより、両
    規制板の間隔が調整可能である請求項1記載の応力材建
    込み装置。
  3. 【請求項3】 上記係脱手段のピストン・シリンダ装置
    は空気圧により遠隔操作可能である請求項1記載の応力
    材建込み装置。
  4. 【請求項4】 上記係止ピンは係脱手段のピストンと一
    体に構成されている請求項1又は3記載の応力材建込み
    装置。
  5. 【請求項5】 ピストン・シリンダ装置からなる係脱手
    段を有する応力材建込み装置を用いて応力材を吊下げ固
    定し、多軸オーガによって削孔されたソイルセメント柱
    に応力材を建込む応力材の設置工法であって、削孔され
    たソイルセメント柱内の規定深度に該応力材及び建込み
    装置を一体で落し込み、続いて、該ソイルセメントが応
    力材の移動を制限する程度に硬化した後、該ピストン・
    シリンダ装置を遠隔操作して応力材の建込み装置による
    固定を解除し、更に応力材建込み装置のみを落し込み位
    置から引き抜くことを特徴とする応力材の設置工法。
  6. 【請求項6】 上記建込み装置の引抜きは、応力材建込
    み作業日の翌日に行われることを特徴とする請求項5記
    載の応力材の設置工法。
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