JP2004197519A - 地中遮水壁およびその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特殊な建設機械などを用いることなく、施工しやすく、止水性能に優れる低コストな地中遮水壁およびその構築方法を提供すること。
【解決手段】地盤1中に所定の間隔をおいて横方向に直列に、かつ所定の深度まで遮水性材料2からなる柱状の遮水柱体3が形成され、直列に隣り合う遮水柱体3を連結するように、両側端部に嵌合継ぎ手4を有する鋼製の継手付き遮水板5が前記遮水柱体3に渡って圧入され、かつ直列に隣り合う継手付き遮水板5における継ぎ手4同士が遮水柱体中にて上下方向に継ぎ手相互の嵌合により連結されている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤中に連続して設けられる不透水性の地中遮水壁およびその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、長尺に形成された複数のU字型鋼矢板の側端縁同士を溶接により一体化して、止水壁構成体を形成し、複数の止水壁構成体の側端縁同士を嵌合させた状態で、地盤中に打設して連接した後、互いに隣接する止水壁構成体の接続部の周囲に地盤改良を施して止水壁を構築する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、地盤中に溝を形成して遮水壁を構築し、溝中に遮水板を打設して、遮水板を両面から挟み込むサンドイッチ構造の不透水壁を構築する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、地盤中に、間隔を隔てて複数の立坑を先行して掘削し、ついで、立坑を連結する溝をワイヤーソー掘削機を用いて形成した後、止水シートを挿入して立坑内で止水シートを連結したのち、必要に応じて立坑及び溝内にモルタルやセメントミルクなどの止水性を有する材料を充填する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−26925号公報
【特許文献2】
特開2000−319872号公報
【特許文献3】
特開平10−237847号公報
【0006】
前記特許文献1のように、鋼製の止水壁を構築した後に、その継ぎ手近傍を地盤改良するためには、薬液注入や噴射撹拌方式にて地盤改良体を形成することになるが、薬液注入や噴射撹拌機器は、鋼矢板からある程度離れた位置で施工することになり、鋼矢板に近接した部分の均一な改良体を形成することが困難で、特に鋼矢板と地盤の境界に水みちが生じる恐れがあり、信頼性の高い止水壁を形成するのが困難であるといった欠点がある。
【0007】
また、前記特許文献2のようにする場合は、サンドイッチ状の3層構造となるため、遮水板の継ぎ手の不良などに関わらず遮水信頼性が高いとされている。しかし、遮水板自体は透水性がなく、遮水上の弱点は遮水板継ぎ手のみであり、継ぎ手の回りのみ3層構造にすればよいにもかかわらず、横方向に連続する遮水壁全体を全長に渡ってサンドイッチ構造としているのは不経済である。この理由は、横方向に連続して溝を掘削しているために、このような不経済なサンドイッチ構造となっている。横方向に連続した溝掘削自体も特殊な建設機械を用いる必要があり、コスト高となるという欠点を持っている。
【0008】
また、前記特許文献3のようにする場合には、何段階もの工程を経るため複雑で、溝掘削にワイヤーソー掘削機など特殊な施工機械を必要とするためコスト高となるといった欠点を有している。また、立坑の掘削後に、立坑への止水シートの挿入、立坑内での接合作業を行うため、作業中に立坑の坑壁が崩壊する恐れがあり、立坑にモルタルやセメントミルクを充填したとしても、遮水柱体の品質を確保するのが難しいという欠点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
鋼矢板自体を遮水材として使用し、薬液注入や噴射撹拌方式にて地盤改良体を形成する前記第1特許文献のようにする場合よりも経済的に止水壁を構築可能な前記従来の特許文献2および3のような従来技術では、遮水板に剛性が比較的小さい鋼板や可とう性の合成樹脂性のシート等を用いているため、これらを地中に圧入させるために横方向に連続した溝掘削を予め行い、遮水板の圧入抵抗を無くするか、もしくは大幅に低減する必要があった。そのため、溝掘削にワイヤーソー掘削機など特殊な施工機械を必要とするためコスト高となるといった共通の欠点を有している。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために考案されたもので、単純な工程により特殊な建設機械などを用いることなく、施工しやすく、その上で止水性能に優れる低コストな地中遮水壁およびその構築方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1発明の地中遮水壁9では、地盤1中に所定の間隔をおいて横方向に直列に、かつ所定の深度まで遮水性材料2からなる柱状の遮水柱体3が形成され、直列に隣り合う遮水柱体3を連結するように、両側端部に嵌合継ぎ手4を有する鋼製の継手付き遮水板5が前記遮水柱体3に渡って圧入され、かつ直列に隣り合う継手付き遮水板5における継ぎ手4同士が遮水柱体中にて上下方向に継ぎ手相互の嵌合により連結されていることを特徴とする。
【0012】
第1発明によると、予め横方向に間隔をおいて直列に遮水柱体3を、継手付き遮水板の継ぎ手間の幅間隔をおいて形成すればよいので、遮水性能の高い均一な品質の遮水柱体の構築が容易であり、また、継手付き遮水板5の継ぎ手4部分は遮水柱体3内において、遮水材料により埋め込まれているので、継ぎ手部分を確実に遮水でき、構造が簡単で遮水性能の高い地中遮水壁を容易に構築することができる。
【0013】
また、第2発明では、第1発明の地中遮水壁9においては、前記継手付き遮水板5は、圧入時に一体化された着脱可能な補剛フレームの引き抜きによって残置された継手付き遮水板5であって、薄鋼板6の両側端部に嵌合継ぎ手4を固着して構成されていることを特徴とする。
【0014】
第2発明によると、地中遮水壁9を構成する継手付き遮水板5の本体部分を広幅の薄鋼板を使用することができると共に、遮水柱体3の間隔を大きくすることができるので、遮水柱体3の構築数および遮水材料2の使用量を少なくすることができ、また継手付き遮水板5の使用数を少なくすることができ、経済的な地中遮水壁9とすることができる。
【0015】
また、第3発明では、第1発明において、前記鋼製の継手付き遮水板5は、薄鋼板6を折板状に冷間成形加工を施して形成された断面波形板等の折板状部材7が使用され、かつその折板状部材7の両側端部8に嵌合継ぎ手4を固着して構成されていることを特徴とする。
【0016】
第3発明によると、安価な薄鋼板6を比較的低コストな冷間成形加工により、打設抵抗に耐えることができる座屈および曲げ剛性のある折り板状にすることができ、このような座屈および曲げ剛性をある折り板状部材の両側端部に継ぎ手を固着するだけで、打設抵抗に耐える剛性を有する継手付き遮水板5とすることができる。
【0017】
第4発明では、第1発明または第2発明の地中遮水壁9において、前記継手付き遮水板5から分離された補剛フレーム10の引き抜きによって形成された継手付き遮水板5と地盤1との空間に遮水材料11が充填されていることを特徴とする。
【0018】
第4発明によると、補剛フレーム10の引き抜き後の空間を遮水材料により充填された遮水性能の高い地中遮水壁とすることができる。
【0019】
第5発明の地中遮水構造の構築方法では、地盤1中に所定の間隔をおいて横方向に直列に、かつ所定の深度で遮水性材料2からなる柱状の遮水柱体3を形成する第1程と、前記の隣り合う遮水柱体3を連結するように、両側端部に嵌合継ぎ手4を有する鋼製の継手付き遮水板5を、隣り合う継手付き遮水板5における継ぎ手同士が遮水柱体3中にて上下方向に嵌合継ぎ手相互の嵌合により連結されるように地盤中に圧入する第2工程とからなることを特徴とする。
【0020】
第5発明によれば、あらかじめ柱状の遮水柱体3を形成するため、柱体の遮水性能を確保し、均一な品質の柱体を得ることが容易である。また、遮水柱体3の構築に引き続き嵌合継ぎ手4を有する継手付き遮水板5を、隣り合う継手付き遮水板5における継ぎ手4同士が遮水柱体3中にて上下方向に嵌合継ぎ手により連結されるように地盤中に圧入するので、遮水柱体3の遮水性材料2が硬化する前に継手付き遮水板5を圧入すれば、継ぎ手部周囲が均一な品質の遮水柱体3に囲まれた状態となり、鋼材である継手付き遮水材5と遮水柱体3の境界での水みちも発生する恐れは少ない。また、鋼製の継手付き遮水板5は、施工に必要な剛性を有していれば、横方向に間隔をおく遮水柱体3を接続する連続溝の溝掘削を行うことなく、地盤1中に圧入できるため、第1の工程では遮水柱体3を築造するのみで、特殊な施工機械を用いることなく、遮水柱体3の築造と鋼製の継手付き遮水板の圧入という簡単な施工を行うのみで、信頼性が高い地中遮水壁9を構築することができる。
【0021】
前記の第5発明において、鋼製の遮水板の幅が広いほうが、遮水柱体の間隔も広くなり、経済的であるといえるが、一方で鋼製の遮水板を地中に圧入する際の抵抗が大きくなり圧入が困難となる。従って、遮水板が打設抵抗に耐えるだけの剛性を有する必要がある。
【0022】
そこで、第6の発明では、前記鋼製の継手付き遮水板5は、薄鋼板6を折板状に冷間成形加工を施して形成された断面波形板等の折板状部材7が使用され、かつその折板状部材7の両側端部8に嵌合継ぎ手4を固着して構成されていることを特徴とする。
【0023】
一方で、前記の鋼製の継手付き遮水板5の剛性は、施工時のみに必要であり、地中1に圧入し完成時には遮水性のみが必要となるものであるから、第7の発明では、前記遮水柱体3を連結するように継手付き遮水板5を地盤1中に圧入するにあたり、板材の両側端部8に継ぎ手4を有する継手付き遮水板5に、着脱自在な補剛フレーム10を重合すると共に、補剛フレーム10に前記継手付き遮水板を着脱自在に係止して一体化した補剛フレーム付き遮水板12を構成し、その補剛フレーム付き遮水板12における継ぎ手4を、先行して地中に圧入した継手付き遮水板5の継ぎ手4に嵌合して前記補剛フレーム付き遮水板12を地中に圧入した後、着脱自在な補剛フレーム10のみを継手付き遮水板5から離脱して引抜く工程により連続した遮水壁9を構築することを特徴とする。
【0024】
また、補剛フレーム付き遮水板12を地中に圧入した後、着脱自在な補剛フレーム10のみを継手付き遮水板5から離脱して引抜いた場合、地盤中に補剛フレーム10が在った空間が引抜直後には空隙となり、遮水性能が損なわれる恐れのある地質には、これに対応する必要がある。
【0025】
そこで、第8の発明では、第7発明において、前記着脱自在な補剛フレーム10のみを継手付き遮水板5から離脱して引抜く工程と同時に、あらかじめ補剛フレーム10に固定した遮水材料供給用の1つまたは複数の配管13を介して、補剛フレーム10の先端より遮水材料11を噴出することで、地盤1と前記継手付き遮水板5の間の空間14を充填することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図1および図2は、本発明の各実施形態の第1工程を示し、地盤1に横方向に一定の間隔を置いて直列に遮水柱体3を構築した状態を示すものであって、この工程では、図示省略のアースオーガーもしくはロックオーガー等の縦孔掘削機を用いて、横方向に所定の間隔を保って直列に、地中に縦孔15を所定の深度まで穿削するとともに、この縦孔15にベントナイトモルタルや人工粘土などの遮水性の高い材料からなる遮水材料2を充填することにより、横方向に間隔をおいて直列に遮水柱体3を構築する。横方向に間隔をおいて直列に構築される遮水柱体3は、直線状または円弧状あるいは環状になるように間隔をおいて直列に設けてもよい。
【0028】
この際、アースオーガーなどの1軸の掘削機を用いて、縦孔15の穿削と同時に、縦孔15の穿孔により生じる現位置の土砂と、セメントモルタルやベントナイトなどの硬化液を撹拌混合して遮水材料2として、この遮水材料2を縦孔15に充填して遮水柱体3を構築することも可能である。このようにすれば、残士処分量を減ずることができ、経済的となる。遮水柱体3は、遮水壁に要求される遮水性能に応じて、遮水柱体の大きさと遮水材料の性能、具体的には、透水係数を選定し、その組み合わせを決定することができる。
【0029】
この遮水柱体3の構築は、所定の間隔を置いて直列に順次施工されるが、その第1の工程に引き続き、第2の工程では、図3および図4に示すように、所定の間隔をおいて構築された遮水柱体3の隣り合う遮水柱体3を連結するように、順次、両側端部8に嵌合継ぎ手4を有する継手付き遮水板5を地中に圧入する。
地中に圧入する方法としては、バイブロハンマーによる振動工法、油圧ハンマーを用いて打撃工法による方法や、油圧加圧装置を用いて静的に圧入する方法等が考えられ、本発明においては、特にその圧入方法を限定するものではない。
【0030】
この際、継手付き遮水板5の嵌合継ぎ手4は、遮水柱体3内部にて先行して圧入された継手付き遮水板5の継ぎ手4と嵌合して接続される。すなわち、遮水柱体3の中心間距離と、継手付き遮水板5の嵌合継ぎ手4間の幅が一致するように遮水柱体3を設けるようにすればよい。継手付き遮水板5の圧入は、遮水柱体3内の遮水材料2の硬化前に行うのが望ましく、従って、遮水柱体3と継手付き遮水板5の圧入は、順次遮水柱体3の築造後に、同時並行的に前記第1の工程に若干遅れて第2の工程が実施される。なお、遮水材料2に硬化遅延材を混入させ、硬化時間を遅らせることもできる。
【0031】
継手付き遮水板5の幅は広いほうが、横方向に間隔をおく遮水柱体3の間隔も広くとることが出来るため経済的であるとともに、遮水壁全体としても継ぎ手箇所が少なくなり、止水性も格段に向上することになる。一方で、継手付き遮水板5の幅を広くすると、地盤1中に圧入する際の抵抗が大きくなるため、これを地盤中に押し込むためには、継手付き遮水板5には、地盤の固さや深さに応じて、所定の曲げ剛性が必要となる。
【0032】
前記にように、特開2000−319872、特開平10−237847の従来技術では、剛性が小さい板状の薄鋼板や可とう性の合成樹脂性のシートが遮水板として用いられているため、溝掘削を行わずに、地盤中に直接圧入することは困難となり、溝掘削が必須条件となる。
【0033】
そこで、本発明の第1実施形態では、継手付き遮水板5として、鋼製の薄い鋼板6を冷間成形加工により横断面台形角波形等の屈曲波形に折り曲げて、図3および図4に示すような横断面屈曲波形板7からなる折板状部材7として、その折板状部材7の幅方向の両側に、嵌合継ぎ手4を上下方向に連続した溶接により溶着したものを用いている。このように継手付き遮水板5を構成すれば、地盤1に対し圧入に必要な剛性を容易に確保することができる。
【0034】
このようにすれば、横方向に連続したあるいは縦孔15を接続する連続した溝掘削を行うこと無しに、継手付き遮水板5をバイブロハンマー等を用いて振動工法により地盤中に直接打ち込むことが出来る。また、継手付き遮水板5を構成する場合、複数のU型鋼矢板を側端縁同士を溶接により一体化した幅広の継手付き遮水板5とすることによっても、圧入に必要な剛性を有する継手付き遮水板5を構成することができる。
【0035】
また、本発明では、継手付き遮水板5の嵌合継ぎ手4が位置する部分は、第1の工程で、あらかじめアースオーガー等の縦孔掘削機にて縦孔15の穿削と同時に、縦孔15の掘削によって生じる現位置の土砂と、セメントモルタルやベントナイトなどの硬化液を撹拌混合させて遮水材料2を構成し、その遮水材料2を充填した遮水柱体3がまだ固まらない状態にあるため、継手付き遮水板5の圧入時に最も抵抗が大きい嵌合継ぎ手4部分の地盤1(遮水柱体3)が柔らかい状態であるため、圧入が容易になるといった利点もある。
【0036】
このようにして構築された地中遮水壁9は、透水性の無い各継手付き遮水板5が、嵌合継ぎ手4にて幅方向に連結された上で、遮水上の弱点となる各嵌合継ぎ手4は遮水柱体3内にあるため、遮水柱体3の遮水性により、非常に高いレベルでの遮水性能を発揮することができる。
【0037】
継手付き遮水板5における両側端部の嵌合継ぎ手4を構成するための素材としては、例えば、(1)直線矢板の両側端部の継ぎ手、(2)U型鋼矢板の両側端部の継ぎ手、(3)熱間押し出し成形により製作された継ぎ手、(4)P―T継ぎ手(パイプ(P)を用いたP継ぎ手(スリット入りパイプ(雌継ぎ手))と、断面T字状部材からなるT形継ぎ手(雄継ぎ手)との組み合わせ)などが利用することができ、これらを断面角波形板7の両端部に連続した溶接により一体に固着して継手付き遮水板5とすることができる。
【0038】
さらに、例えば、(1)直線矢板の両側端部の継ぎ手および(2)U型鋼矢板の継ぎ手には、水膨潤性の止水材を塗布しておいてもよく、また、(3)熱間押し出し成形により製作された継ぎ手には水膨張性のゴムシール材を使用してもよく、さらに、(4)P―T継ぎ手では、アスファルトを主成分とする粘弾性材料や、他の遮水性の充填材を予め充填しておいてもよく、このような方法などを用いれば、遮水壁の遮水性をさらに向上させることができ、従来技術の特開2000−319872で提示されるサンドイッチ状の3構造の遮水壁と同等の遮水信頼性をもった地中遮水壁9を、低コストかつ短工期で構築することが可能となる。
【0039】
前記実施形態のように、継手付き遮水板5を直接、地盤1中に圧入する場合、継手付き遮水板5に所定の剛性を持たせるため、鋼製板状の薄鋼板6を冷間成形加工により屈曲波形に折り曲げて、折板状部材7としてもよい。
【0040】
なお、折板状部材7は、断面角波形,断面台形波形,断面U字状あるいはV字状波形、あるいは、これらの組み合わせ等が考えられるが、曲げ剛性が大きくなるように形成されていればよく、特に断面形状は問わないが、図示例の断面角波形の折板状部材7とすると、薄鋼板6でも、比較的効率よく曲げ剛性を大きくできる。
【0041】
<第2実施形態>
次に、前記第1実施形態のように薄鋼板を屈曲波形に冷間成形加工をすることもなく、また変形形態のように複数のU型鋼矢板を溶接により一体化することもなく、このような加工作業が不要となり、継手付き遮水板5の製作コストおよび地中遮水壁9の施工コストを低減することができる地中遮水壁の第2実施形態を、図1および図2ならびに、図5以降の図によって説明する。
【0042】
継手付き遮水板5の剛性は、地盤圧入施工時のみに必要となるもので、遮水壁9完成時には、継手付き遮水板5には遮水性のみが求められる。従って、完成時に必要な継手付き遮水板5は、薄い鋼製の板材(薄鋼板6)の両側端部に継ぎ手4を有する継手付き薄鋼板で良いことになる。しかし、このままでは、前記継手付き遮水板5のハンドリング自体も困難であるとともに、地盤1に圧入することが困難となる。そこで、図6右側に示すように、薄鋼板6の両側端部8に継ぎ手4を有する継手付き遮水板5に、着脱自在な補剛フレーム10を重合すると共に、補剛フレーム10に前記継手付き遮水板5を着脱自在に係止して一体化することにより、継手付き遮水板5の剛性が非常に小さくても、継手付き遮水板5のハンドリング及び地盤1への圧入を容易に行うことができる。
【0043】
さらに具体的に、補剛フレーム10に一体化可能な継手付き遮水板5と、前記補剛フレーム10とについて、図9以降によって説明する。
この実施形態の補剛フレーム付き遮水板12は、独立した着脱自在な補剛フレーム10と、前記補剛フレーム10に着脱自在に取り付けられる継手付き遮水板5とから構成されており、次に補剛フレーム10と継手付き遮水板5のそれぞれの形態について説明する。
【0044】
先ず、継手付き遮水板5の構成について、図3〜図8と図15および図16を参照しながら説明すると、帯状薄鋼板6からなり継手付き遮水板本体を構成する帯状薄鋼板6の両端部に、薄鋼板6の長手方向に連続する雌型嵌合継ぎ手4aおよび雄型嵌合継ぎ手4bまた雌雄兼用の嵌合継ぎ手4(4a,4b)が連続した溶接により一体に固定されて継手付き遮水板5が構成されている。前記各継ぎ手4a,4bは、図9〜図11に示すような、例えば直線形鋼矢板等の継ぎ手部分を使用してもよく、あるいは図3〜図8または図16(b)に示すように、直線形鋼矢板を中央部で長手方向にカットしたものをそれぞれ帯状薄鋼板6の両側部に連続溶接により固定して継ぎ手4とするようにしてもよい。その他、図16(c),(d)に示すように、P−T継ぎ手4やP−P継ぎ手4等を利用してもよい。
【0045】
あるいは図15(a),(b)に示すように、各継ぎ手4a,4bを、熱間押し出し成型により製作してもよく、この場合の雄型継ぎ手4bは、ほぼ断面がT字状で先端部に係合フランジ4cを備えた雄型型鋼により構成され、また前記雌型継ぎ手4bは、その長手方向に連続する係止凹部4dを備えた雌型型鋼により構成している。
【0046】
前記薄鋼板6の先端部(下端側)下面20には、鉄筋または鋼棒等をU字状に折り曲げて一対の脚部21と係合部22とを備え、その各脚部21の中間部から係合部22に渡り薄鋼板6の上面側に向かって起立するように上向きに円弧状に湾曲させてなる複数の係合金具23が、薄鋼板6の先端側に4つ巾方向に間隔をおいて平行に配置されると共に、前記各脚部21が薄鋼板6の下面20に当接されて溶接により固定され、前記係合部22における係合孔24が薄鋼板6の上面25から突出するように設けられている。
【0047】
前記薄鋼板6の後端部(上端側)下面20には、鉄筋または鋼棒等を逆U字状に折り曲げて一対の脚部21と係合部26とを備え、その各脚部21の中間部と係合部26に渡り薄鋼板6の上面側に向かって起立するように上向きに円弧状に湾曲させてなる複数の係合金具27が、薄鋼板6の先端側に2つ巾方向に間隔をおいて平行に配置されると共に、前記各脚部21が薄鋼板6の下面20に当接されて溶接により固定されて、前記係合部26における係合孔24が薄鋼板6の上面25から突出するように設けられている。
【0048】
次に、補剛フレーム10の一形態について、図9〜図14を参照しながら説明すると、厚板からなる帯状補剛フレーム本体28の中央部に多数の大径孔29および両側部に多数の小径孔30が上下方向に間隔をおいて多数設けられて軽量化され、前記小径孔30と大径孔29の間において、上下方向に延長するように縦リブ31が補剛フレーム本体28の上面に連続溶接または断続溶接等により固定されている。前記補剛フレーム本体28の下端部上面には、鋼製圧入ピン32が巾方向に間隔をおいて平行に、かつ補剛フレーム本体28の下端部から突出するように配置された状態で、鋼製圧入ピン32の基端部が溶接により固定されて係止部33が構成されている。前記各圧入ピン32の間隔は前記継ぎ手付き遮水板5における各係合部22の間隔と同間隔に配置されている。
【0049】
補剛フレーム本体28の上部には、図13に示すように、継ぎ手付き遮水板5における後端部(上端部)の係合部26に対向する位置において、左右両側に矩形状開口部からなる透孔34が設けられ、補剛フレーム本体28の上面には、前記透孔34から上部に離れた上面の位置において、巾方向に間隔をおいて一対のブラッケット35の下部が溶接により固定され、前記ブラケット35には回動用アーム36の基端部が横軸37により回動可能に枢着され、前記回動アーム37の中間部には、先端側に左ねじを有する螺杆38の基端部が横軸39により回動可能に枢着され、前記透孔34側において先端部に係止用フック40を有する係止杆41の基部側右ねじ部と前記螺杆38の先端部左ねじ部が長さ調整用ターンバックル42に螺合されている。前記透孔34,ブラケット35,回動用アーム36,螺杆38,係止用フック40,長さ調整用ターンバックル42等により、継ぎ手付き遮水板5を引き上げるように係止することができる係止部43が構成されている。
【0050】
次に前記補剛フレーム10と前記継ぎ手付き遮水板5を組み合わせて、本発明の補剛フレーム付き遮水板12を構成する場合の組立て手順および分離して継ぎ手付き遮水板5を搬送またはトレーラ上に積み込む場合の手順、補剛フレーム付き遮水板12のハンドリングならびに地盤に圧入するための施工機械を使用した施工手順について説明する。
【0051】
まず前記継ぎ手付き遮水板5における薄鋼板6に補剛フレーム10を取り付ける場合には、図13および図14に示すように、前記補剛フレーム10における鋼製圧入ピン32を前記継ぎ手付き遮水板5の上面側から先端部係合部22に圧入係合させ、補剛フレーム10の下端縁を係合部22に当接させた状態で、補剛フレーム10を継ぎ手付き遮水板5の上面に重合すると、継ぎ手付き遮水板5における上端部の係合部26が前記補剛フレーム10における透孔34内に位置するので、係止用フック40を前記係合部26に係止した状態で、前記回動用レバー36を補剛フレーム10の上端部側の上面に向かって回動すると、前記横軸37よりも前記横軸39が補剛フレーム10の上面に近い位置になるので、前記回動用レバー36が元に戻るように付勢されることなく、緊張した状態で、継ぎ手付き遮水板5と補剛フレーム10を一体化することができる。
【0052】
補剛フレーム付き遮水板12を組立てる場合に、例えば継ぎ手付き遮水板5をマグネット式(電磁吸着式)クレーンを備えているマグネット式(電磁吸着式)ハンドリングが可能な工場において製作し、図18に示すように、トレーラー44等の運搬重機荷台上に順次スペーサ47を介在させた状態でほぼ水平状態で載置された継ぎ手付き遮水板5の上面側に、図12に示すように補剛フレーム10の先端側(下端側)を後端側よりも下方に位置するように傾斜した状態で、かつ補剛フレーム10を継ぎ手付き遮水板5の後端側に変位した位置から、補剛フレーム10の下端側を継ぎ手付き遮水板5の下端側に当接または近接した状態で、補剛フレーム10を継ぎ手付き遮水板5の下端側に向かって平行移動して、補剛フレーム10における下端側の各鋼製圧入ピン32からなる係止部33を継ぎ手付き遮水板5の各係合部22の透孔に圧入係止する。この圧入状態は、前記補剛フレーム10の下端部が前記係合部22に当接した状態まで、圧入するようにする。
【0053】
その後、前記補剛フレーム10を継ぎ手付き遮水板5の薄鋼板6の上面に重合するように載置すると、補剛フレーム10における透孔34内の下端側に継ぎ手付き遮水板5における上端側の係合部26が位置するようになる。すなわち補剛フレーム10の下端部から透孔34下部までの部材長手方向寸法と継ぎ手付遮水板5の寸法は、ほぼ同寸法の程度であり、継ぎ手付遮水板5の各係合部22,26の各係合孔間の寸法が同程度の寸法か若干長く設定されているので、図13に示すように回動用アーム36を透孔34側に接近する位置に回動して、係止用フック40を係合部27に係止した後、前記回動用アーム36を補剛フレーム10の上端部側に回動して、前記係止用フック40を引き上げるようにすると、継ぎ手付き遮水板5の下端部の係合部22が補剛フレーム10の下端部に係合しているので、前記継ぎ手付き遮水板5の上面が補剛フレーム10の下面に密着すると共に、前記継ぎ手付き遮水板5が緊張した状態で、補剛フレーム10に一体化した状態で取り付けることができる。
【0054】
次に、継ぎ手付き遮水板5と補剛フレーム10が一体化した状態の補剛フレーム付き遮水板12から継ぎ手付き遮水板5のみをトレーラー44に積み込む場合には、図18の場合と逆に、補剛フレーム10における縦リブ31に設けた透孔31a等に取り付けた吊り金具(図示を省略)に吊り下げ用条体45を介在させて、クレーン(図示省略)等により繰り出される条体46の先端部の係止用フック47により前記吊り下げ用条体45を係止して搬送し、トレーラー荷台上に適宜支承用スペーサ47を介在させた状態で、支承用スペーサ47上に載置し、その状態で、図14に示す回動用レバー36を開放方向に回動させて係止用フック40を係合部27から外して、補剛フレーム10と継手付き遮水板5との後端部(上部側)の係合を解除した後、補剛フレーム10のみを後端部方向に移動させることにより、補剛フレーム10の先端部の鋼製圧入ピン32と遮水板5先端部の係合部22との係合を解除して、トレーラー44上に遮水用の継手付き遮水板5を積み込むようにする。継手付き遮水板5を多段に積み込む場合は、支承用スペーサ47を介在させて、前記と同様な操作により、順次継手付き遮水板5をトレーラー44上に積み込む。なお、補剛フレーム10の先端部の鋼製圧入ピン32と継手付き遮水板5先端部の係合部22との係合を解除する場合、継ぎ手付遮水板5の自重により、補剛フレーム10を後退移動させても継ぎ手付遮水板5が相対的に移動することなく、鋼製圧入ピン32を係合部22から引き抜くことができる。
【0055】
次に、トレーラー44から遮水用の継手付き遮水板5を圧入施工機械48に取り付ける場合には、図18に示すように、トレーラー44上において継ぎ手付き遮水板5に緊張力を付与した状態で、補剛フレーム10に係止して一体化した補剛フレーム付き遮水板12とすることにより、補剛フレーム10に吊り下げ支持されても遮水板5における薄板状部分が下側に突出するように変形することはなく、補剛フレーム10から継手付き遮水板5が外れる恐れを排除することができる。
【0056】
次に、図19および図20に示すように、圧入施工機械48におけるリーダー49に沿って昇降移動される加圧用昇降フレームまたはバイブロハンマ付き昇降フレーム50のチャック51に補剛フレーム付き遮水材12における前記補剛フレーム4の上端部を把持させて、前記補剛フレーム付き遮水材12を、圧入施工機械48に取り付け、次いで、図20に示すように、補剛フレーム付き遮水板12における各継ぎ手4部分が遮水柱体3の中央に位置するように地盤1に圧入した後、補剛フレーム10と継ぎ手付き遮水板5の上端部の係合を解除して、図21に示すように、補剛フレーム10のみを地盤1から引き抜き、前記単体となった補剛フレーム10を、トレーラー44上の新たに装着すべく単体状態の継ぎ手付き遮水板5に向けて搬送する一方、補剛フレーム10を装着した補剛フレーム付き遮水板12を前記地盤1に打設された既設側の継ぎ手付き遮水板5に、遮水柱体3部分に位置する継ぎ手4相互で嵌合して、順次地盤1に圧入した後、補剛フレーム10と継手付き遮水板5の上端部の係合を解除して、補剛フレーム10のみを地盤1から引き抜く。
【0057】
このように、前記補剛フレーム10を重合してなる補剛フレーム付き遮水板12における継手付き遮水板5の継ぎ手4(4a,4b)を、先行して地中1に圧入した継手付き遮水板5の継ぎ手4(4b,4a)に嵌合して前記補剛フレーム付き遮水板12を地中1に圧入した後、着脱自在な補剛フレーム10のみを継手付き遮水板5から離脱して引抜く工程を必要回数繰り返すことにより連続壁からなる地中遮水壁9を構築でき、完成時に必要な遮水機能を満足することができる。
【0058】
前記実施形態では、補剛フレーム10は十分な剛性をもったフレームであるので、幅の広い継手付き遮水板5を地中1に容易に圧入することが可能となる。しかも、補剛フレーム10は施工サイクルのなかで再利用することができるので、大きなコストアップにつながらない。本発明の地中遮水壁9の構築に当たっては、継手付き遮水板5の幅をひろくできれば、それだけ、遮水柱体3の間隔を広く出来ることから、遮水柱体3の構築に必要な費用を低減することが出来ることになる。
【0059】
なお、図17は本発明において使用することができる補剛フレーム10の上端部係止部43の他の形態を示すものであり、この形態の場合は、各透孔34の上部側において、ナット支承用のブラケット35の基端部が補剛フレーム10の上面に溶接により固定され、透孔34側に位置する先端部に係止用フック40を有する係止杆41の基端部が、基端部(上端部)に係止フック50を有すると共に中間部に雄ねじ部51を有する係止用杆体52の先端部の連結用アーム53に横軸54により回動自在に枢着され、前記ブラケット35に係合されるナット55に前記雄ねじ部51の部分が螺合されている。
【0060】
この形態の係止部43を構成する場合には、ブラッケト35にナット53を係合した状態で、ナット53に係止用杆体52を螺合させた後、連結用アーム53の基部側を係止用杆体52に溶接により固定することにより構成することができる。前記ブラッケト35から補剛フレーム本体28の上端部側に離れた位置において、係止用横軸56を有するブラケット57の基部側が補剛フレーム本体28の上面に溶接により固定され、前記係止用フック50にレバーブロック(巻き上げ兼牽引装置)58から繰り出されるチェーンの端末の係止用フック59を係止し、前記レバーブロック58の本体側の係止フック59を前記ブラケット57の横軸56に係止した状態で、前記レバーブロック58のレバー60を巻き上げ(牽引)方向に反復揺動すると、継ぎ手付き遮水板5の上端部係合部26が補剛フレーム10の上端部側に引っ張られるにつれて、薄鋼板6の上面が補剛フレーム10の下面に密着し、継手付き遮水板5が緊張状態で補剛フレーム10に保持されるようになる。
【0061】
この状態においては、前記ブラケット34からナット55が離反しているので、前記ナット55を前記ブラケット34に接近する方向に回転させて、ナット55をブラッケト34に係合させ、その後、レバーブロック58のレバー60を巻き下げ方向に反復揺動させてチェーンを緩めて、レバーブロック58を取り外す。この状態の補剛フレーム付き遮水板12は、前記実施形態と同様にクレーンによるハンドリングおよび圧入することができ、補剛フレーム10を継ぎ手付き遮水板5から分離する場合には、前記と逆の動作をしてレバーブロック58を前記と同様に取り付けて、レバー60を巻き上げ方向に反復揺動させてチェーンを緊張させてナット55を緩めて、ナット55をブラッケト34に離反させ、その後、レバーブロック58のレバー60を巻き下げ方向に反復揺動させてチェーンを緩めて、レバーブロック60を取り外した後、係止用フック40を係合部26から離脱させて、補剛フレーム10のみを継ぎ手付き遮水板5の上端側にスライドするように上昇させて離脱させる。
【0062】
<第3実施形態>
補剛フレーム付き遮水板12を地中1に圧入した後、着脱自在な補剛フレーム10のみを、継手付き遮水板5から離脱して引抜いた場合、地盤1中に補剛フレーム10があった空間が、その引抜直後には空隙(空間)となるが、地中部では、時間の経過とともに周辺の土圧によりその空隙が塞がれていくことになるが、地質条件等によっては比較的長期にわたり継手付き遮水板5と地盤1の間の空隙が塞がらず、その部分が水みちとなり、遮水性能が発揮できない恐れがある。そのようなことを防ぐために、補剛フレーム10を引き抜く際に、補剛フレーム10の先端部より、遮水材料11を噴出しながら引抜き、その空隙を埋めることができる。遮水材料を噴出することにより、不透水層根入れ部での鋼材との境界での水みちの発生防止や、軟岩中に圧入した場合のクラック等による水みちをふさぐ効果も期待出来るため、さらに信頼性の高い地中遮水壁9を構築することができる。遮水材料11としては、遮水柱体3に用いたベントナイトモルタルや人工粘土などを用いることができる。
【0063】
さらに具体的に前記第3実施形態を説明すると、図7および図8に示すように、補剛フレーム10にあらかじめ、その先端部付近まで遮水材料充填用の噴射ノズルを備えた1つまたは複数の配管13を固定しておけば、補剛フレーム10の引き抜きに際して、地上にてあらかじめ配合混練した上記遮水材料11を、圧送装置などにより前記配管13に圧送すれば、遮水材料11を補剛フレーム10の先端部付近より吐き出すことができ、さらに信頼性の高い地中遮水壁9を構築することができる。
【0064】
【発明の効果】
第1発明によると、予め横方向に間隔をおいて直列に遮水柱体3を、継手付き遮水板の継ぎ手間の幅間隔をおいて形成すればよいので、遮水性能の高い均一な品質の遮水柱体の構築が容易であり、また、継手付き遮水板5の継ぎ手4部分は遮水柱体3内において、遮水材料により埋め込まれているので、継ぎ手部分を確実に遮水でき、構造が簡単で遮水性能の高い地中遮水壁を容易に構築することができる。
【0065】
第2発明によると、地中遮水壁9を構成する継手付き遮水板5の本体部分を広幅の薄鋼板を使用することができると共に、遮水柱体3の間隔を大きくすることができるので、遮水柱体3の構築数および遮水材料2の使用量を少なくすることができ、また継手付き遮水板5の使用数を少なくすることができ、経済的な地中遮水壁9とすることができる。
【0066】
第3発明によると、安価な薄鋼板6を比較的低コストな冷間成形加工により、打設抵抗に耐えることができる座屈および曲げ剛性のある折り板状にすることができ、このような座屈および曲げ剛性をある折り板状部材の両側端部に継ぎ手を固着するだけで、打設抵抗に耐える剛性を有する継手付き遮水板5とすることができる。
【0067】
第4発明によると、補剛フレーム10の引き抜き後の空間を遮水材料により充填された遮水性能の高い地中遮水壁とすることができる。
【0068】
第5発明によれば、あらかじめ柱状の遮水柱体3を形成するため、柱体の遮水性能を確保し、均一な品質の柱体を得ることが容易である。また、遮水柱体3の構築に引き続き嵌合継ぎ手4を有する継手付き遮水板5を、隣り合う継手付き遮水板5における継ぎ手4同士が遮水柱体3中にて上下方向に嵌合継ぎ手により連結されるように地盤中に圧入するので、遮水柱体3の遮水性材料2が硬化する前に継手付き遮水板5を圧入すれば、継ぎ手部周囲が均一な品質の遮水柱体3に囲まれた状態となり、鋼材である継手付き遮水材5と遮水柱体3の境界での水みちも発生する恐れは少ない。また、鋼製の継手付き遮水板5は、施工に必要な剛性を有していれば、横方向に間隔をおく遮水柱体3を接続する連続溝の溝掘削を行うことなく、地盤1中に圧入できるため、第1の工程では遮水柱体3を築造するのみで、特殊な施工機械を用いることなく、遮水柱体3の築造と鋼製の継手付き遮水板の圧入という簡単な施工を行うのみで、信頼性が高い地中遮水壁9を構築することができる。
【0069】
また、第6発明によると、鋼製の継手付き遮水板5は、薄鋼板6を折板状に冷間成形加工を施して形成された断面波形板7等の折板状部材7を使用し、その折板状部材7の両側端部8に嵌合継ぎ手4を固着して構成しているので、容易に打設抵抗に耐えるだけの剛性を有する継手付き遮水板とすることができ、また鋼製の遮水板の幅を広くできると共に、遮水柱体の間隔も広くでき、経済的な地中遮水壁を構築できる。
【0070】
第7発明によると、着脱自在な補剛フレーム10を使用するので、施工時のみに継手付き遮水板5と一体となってその剛性を高め、地中1に圧入した後に分離して、継手付き遮水板5の遮水性を確保することができると共に、継手付き遮水板5の本体を薄鋼板により構成することができ、経済的な継手付き遮水板5を用いた地中遮水壁とすることができる。
【0071】
第8発明によると、補剛フレーム付き遮水板12を地中に圧入した後、着脱自在な補剛フレーム10のみを継手付き遮水板5から離脱して引抜いて、空間(空隙)が生じても、遮水材料供給用の配管13を介して、補剛フレーム10の先端より遮水材料11を噴出するので、地盤1と前記継手付き遮水板5の間の空間14を遮水材料11により充填して、遮水性能の高い地中遮水壁とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地盤に縦孔を所定の深度まで穿孔すると共に遮水性材料を充填した状態を示す縦断側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の遮水壁を構築した状態を示す縦断側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の遮水壁を構築した状態を示す縦断側面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態の遮水壁を構築した状態を示す縦断側面図である。
【図8】図7の状態の平面図である。
【図9】本発明において使用できる補剛フレーム付き遮水板の一実施形態を示すものであって、(a)は正面図であり、(b)はその側面図である。
【図10】図9の(a)の一部切欠拡大正面図である。
【図11】(a)は図10のA−A線断面図、(b)は図10のB−B線断面図である。
【図12】補剛フレームに継手付き遮水板を係止させる工程を説明するための斜視図である。
【図13】(a)は補剛フレームと遮水板の先端部を係止した状態で、補剛フレームと遮水板の上端部を係止する直前の状態を示す一部切欠縦断側面図であり、(b)はその一部切欠正面図である。
【図14】(a)は補剛フレームと遮水板の先端部を係止した状態で、補剛フレームと遮水板の上端部を係止した状態を示す一部切欠縦断側面図であり、(b)はその一部切欠正面図である。
【図15】本発明において使用される継手付き遮水板の他の実施形態を示すものであって、(a)は一部切欠側面図であり、(b)はその一部切欠正面図である。
【図16】(a)は図15の一部切欠横断平面図であり、(b),(c),(d)は本発明において使用できる継手付き遮水板の他の例を示す一部切欠横断平面図である。
【図17】(a)は遮水板の上端部に他の形態の係止部を備えた補剛フレームに遮水板を取り付ける状態を説明するための説明図であって、補剛フレームと遮水板の先端部を係止した状態で、レバーブロックを使用して補剛フレームと遮水板の上端部を係止した状態を示す一部切欠縦断側面図であり、(b)はその一部切欠正面図である。
【図18】本発明において使用する補剛フレームを使用して、トレーラーに遮水用の継手付き遮水板を積み込む状態を示す説明図である。
【図19】矢板施工機械に補剛フレーム付き遮水板を装着させる状態を示す側面図である。
【図20】矢板施工機械により補剛フレーム付き遮水板における補剛フレームを把持した状態で、補剛フレーム付き遮水板を地盤に振動圧入している状態を示す一部側面図である。
【図21】矢板施工機械により補剛フレーム付き遮水板における補剛フレームを把持した状態で、補剛フレーム付き遮水板を地盤に振動圧入した後に、補剛フレームのみを引き抜いて、遮水壁を築造している状態を示す一部縦断側面図である。
【符号の説明】
1 地盤または地中
2 遮水材料
3 遮水柱体
4 継ぎ手
4a 雌型継ぎ手
4b 雄型継ぎ手
4c 係合フランジ
4d 係止凹部
5 継手付き遮水板
6 薄鋼板
7 断面角波形板等の折板状部材
8 側端部
9 地中遮水壁
10 補剛フレーム
11 遮水材料
12 補剛フレーム付き遮水板
13 遮水材料供給用の配管
14 空間
15 縦孔
16 折り板
19 帯状板材
20 下面
21 脚部
22 係合部
23 係合金具
24 係合孔
25 上面
26 係合部
27 係合金具
28 帯状補剛フレーム本体
29 大径孔
30 小径孔
31 縦リブ
31a 透孔
32 鋼製圧入ピン
33 係止部
34 透孔
35 ブラケット
36 回動用アーム
37 横軸
38 螺杆
39 横軸
40 係止用フック
41 係止杆
42 長さ調整用ターンバックル
43 係止部
44 トレーラー
45 吊り下げ用条体
46 条体
47 支承用スペーサ
48 圧入施工機械
49 リーダー
50 係止フック
51 雄ねじ軸部
52 係止用杆体
53 連結用アーム
54 横軸
55 ナット
56 係止用横軸
57 ブラケット
58 レバーブロック
59 係止用フック
60 レバー

Claims (8)

  1. 地盤中に所定の間隔をおいて横方向に直列に、かつ所定の深度まで遮水性材料からなる柱状の遮水柱体が形成され、直列に隣り合う遮水柱体を連結するように、両側端部に嵌合継ぎ手を有する鋼製の継手付き遮水板が前記遮水柱体に渡って圧入され、かつ直列に隣り合う継手付き遮水板における継ぎ手同士が遮水柱体中にて上下方向に継ぎ手相互の嵌合により連結されていることを特徴とする地中遮水壁。
  2. 前記継手付き遮水板は、圧入時に一体化された着脱可能な補剛フレームの引き抜きによって残置された継手付き遮水板であって、薄鋼板の両側端部に嵌合継ぎ手を固着して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の地中遮水壁。
  3. 前記鋼製の継手付き遮水板は、薄鋼板を折板状に冷間成形加工を施して形成された断面波形板等の折板状部材が使用され、かつその折板状部材の両側端部に嵌合継ぎ手を固着して構成されていることを特徴とする請求項1記載の地中遮水板壁。
  4. 前記継手付き遮水板から分離された補剛フレームの引き抜きによって形成された継手付き遮水板と地盤との空間に、遮水材料が充填されていることを特徴とする請求項1または2に記載の地中遮水壁。
  5. 地盤中に所定の間隔をおいて横方向に直列に、かつ所定の深度まで遮水性材料からなる柱状の遮水柱体を形成する第1工程と、前記の隣り合う遮水柱体を連結するように、両側端部に嵌合継ぎ手を有する鋼製の継手付き遮水板を、隣り合う継手付き遮水板における継ぎ手同士が遮水柱体中にて上下方向に嵌合継ぎ手相互の嵌合により連結されるように地盤中に圧入する第2工程とからなることを特徴とする地中遮水壁の構築方法。
  6. 前記鋼製の継手付き遮水板は、薄鋼板を折板状に冷間成形加工を施して形成された断面波形板等の折板状部材が使用され、かつその折板状部材の両側端部に嵌合継ぎ手を固着して構成されていることを特徴とする請求項5記載の地中遮水壁の構築方法。
  7. 前記鋼製の継手付き遮水板を地盤中に圧入するにあたり、板材の両側端部に継ぎ手を有する継手付き遮水板に、着脱自在な補剛フレームを重合すると共に、補剛フレームに前記継手付き遮水板を着脱自在に係止して一体化した補剛フレーム付き遮水板を構成し、その補剛フレーム付き遮水板における継ぎ手を、先行して地中に圧入した継手付き遮水板の継ぎ手に嵌合して前記補剛フレーム付き遮水板を地中に圧入した後、着脱自在な補剛フレームのみを継手付き遮水板から離脱して引抜く工程により連続した遮水壁を構築することを特徴とする請求項5に記載の地中遮水壁の構築方法。
  8. 前記着脱自在な補剛フレームのみを継手付き遮水板から離脱して引抜く工程と同時に、あらかじめ補剛フレームに固定した1つまたは複数の配管を介して、補剛フレームの先端より遮水材料を噴出することで、地盤と前記継手付き遮水板の間の空間に遮水材料を充填することを特徴とする請求項7に記載の地中遮水壁の構築方法。
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