JP2005133000A - 水分散型アクリル系ポリマーの製造方法 - Google Patents

水分散型アクリル系ポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 単量体成分が重合する際の発熱量が大きいアクリル系ポリマーの乳化重合による製造方法において、生産効率が高く、且つ、より安全に、単量体成分を一括して仕込み乳化重合する製造方法を提供すること。
【解決手段】 (メタ)アクリレート類を含有する重合性単量体成分を、水性媒体が存在する密閉型圧力反応容器に一括して仕込み、反応開始時の密閉型圧力反応容器内の圧力を常圧以上に制御して乳化重合することを特徴とする水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、水分散型アクリル系ポリマーの製造方法に関する。更に詳しくは、生産性に優れ、高固形分濃度の水分散型アクリル系ポリマーを短時間で得るための製造方法に関する。
水性媒体中で行う乳化重合は、有機溶剤が不要のため、火災の危険性や公害の問題が無く、各種ポリマーの製造に利用されている。アクリル系ポリマーの乳化重合による製造では、単量体成分が重合する際の発熱量が大きいため、特に、単量体成分を一括して仕込むと重合発熱の制御が難しく、通常は単量体成分を重合系内に少しずつ滴下して乳化重合させる滴下法を採用している。そのため、ある程度の重合時間が必要となり、生産効率が悪いという欠点があった。一方、重合発熱の制御を行わずに単量体成分を一括して仕込み乳化重合を行う方法では、重合時間は短時間で済むが、重合系内の温度が重合媒体である水の沸点を大幅に越えて高温になる場合があり、通常のアクリル系ポリマーを乳化重合で製造する際に使用されているコンデンサー付属反応容器の場合は、反応容器から内容物が吹き出す危険性や、反応容器内が沸騰することにより凝集物が多量に発生するという欠点があった。
前記の難点を解決する方法として、(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を濃度が40重量%以上となるように一括して仕込み、これに水溶性のラジカル重合開始剤を特定範囲の量で添加し、実質的に20〜60℃で乳化重合して得られる低分子量成分の少ない水分散型アクリル系ポリマーとその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該方法は、ポリマー中の低分子量成分を減じる方法としては非常に有用であり、単量体成分を一括して仕込み乳化重合する方法でありながら、乳化重合を20〜60℃の温度範囲で行うので、前述した重合発熱による危険性は回避でき、安全に製造できるという利点がある。しかし、その際、重合発熱による系内温度の上昇を冷却によって制御するために重合時間を大幅に長くする必要が生じ、結果として、生産効率が悪いという欠点があった。このように、現在のところ、アクリル系ポリマーを乳化重合により製造する方法において、生産効率が高く、且つ安全に製造する方法は見出されていない。
特開平7−228612号公報(第2−6頁)
従って、本発明の課題は、生産効率が高く、且つ安全にアクリル系ポリマーを乳化重合により製造する方法を提供することにある。更に、詳しくは、このような事情に照らし、単量体成分が重合する際の発熱量が大きいアクリル系ポリマーの乳化重合による製造方法において、生産効率が高く、且つ、より安全に、単量体成分を一括して仕込み乳化重合する製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は上記の課題を解決すべく、鋭意検討の結果、以下の知見を得た。
(1)(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を一括して仕込み乳化重合する水分散型アクリル系ポリマーの製造方法において、密閉型圧力反応容器を用いて、反応させると、単量体成分重合時の重合発熱が大きい場合であっても安全に製造できる。
(2)更に、密閉型圧力反応容器に加圧すると、反応容器内の沸騰が抑制でき、その結果、凝集物の発生を防止できる。
(3)密閉型圧力反応容器を用いると、重合時の発熱を除去せずに、反応を進められるので、短時間で水分散型アクリル系ポリマーが製造できる。本発明は、このような知見に基づくものである。
即ち、本発明は(メタ)アクリレート類を含有する重合性単量体成分を、水性媒体が存在する密閉型圧力反応容器に一括して仕込み、反応開始時の密閉型圧力反応容器内の圧力を常圧以上に制御して乳化重合することを特徴とする水分散型アクリル系ポリマーの製造方法を提供する。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法は、原料として用いる単量体成分が重合する際の発熱量が大きくても、生産効率が高く、且つ、より安全に水分散型アクリル系ポリマーを製造することが可能である。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法で、使用する単量体成分は、(メタ)アクリレートを含有するもので、本発明の製造方法では、特に、単量体成分全体の50重量%以上、好ましくは70重量%の割合で使用することが好ましい。この場合の(メタ)アクリレートとしては、モノ(メタ)アクリレート、架橋性反応基を含有する(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレートが挙げられ、モノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種以上の混合物を使用することができる。これらのなかでも特に重合が容易であることから、アルキル基の炭素数が1〜12の範囲にある(メタ)アクリレートが好ましい。
前記架橋性反応基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート基を2つ以上持つ多官能性(メタ)アクリレートを使用することもでき、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明では、上記(メタ)アクリレートを主成分として50重量%以上単量体成分中に含むことが好ましいが、(メタ)アクリレート以外の単量体を併用することも可能であり、具体的には、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和カルボン酸のニトリル類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α-ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環を有するビニル化合物、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類等が挙げられる。また、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等も使用することができるが、これらの(メタ)アクリレート以外の単量体を併用する場合は、乳化重合時の重合速度を著しく低下させないということを考慮する必要がある。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法では、(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を乳化重合する際に、反応開始時から180分以内に、単量体成分の重合転化率を95重量%以上に進めることが、生産性が高くなることから好ましく、そのためには、反応性の高い単量体成分を組み合わせて使用することが好ましい。
さらに、(メタ)アクリレートまたはその他の単量体として、必要に応じてカルボキシル基を含有する単量体を併用することも可能であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)ヒドロキシエチルハイドロゲンフタレートおよびこれらの塩等が挙げられ、これらの単量体を併用すると、乳化重合時の安定性や、得られる水分散型アクリル系ポリマーの分散安定性が向上するため好ましい。
また、(メタ)アクリレートまたはその他の単量体として、乳化重合時の安定性、水分散型アクリル系ポリマーの貯蔵安定性を向上させることを目的として、必要に応じてスルホン酸基及び/またはサルフェート基(及び/またはその塩)、リン酸基及び/またはリン酸エステル基(及び/またはその塩)を含有するエ単量体を使用することができ、具体的には、例えばビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のビニルスルホン酸類またはその塩、アリルスルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸等のアリル基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロピル等の(メタ)アクリレート基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等の(メタ)アクリルアミド基含有スルホン酸類またはその塩が挙げられる。リン酸基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、「アデカリアソープPP−70、PPE−710」[旭電化工業(株)製]等が挙げられる。
本発明における単量体成分の重合転化率とは、単量体成分の全仕込量(即ち、全単量体がポリマーに転化した場合の重量)と水分散型アクリル系ポリマー中の固形分重量から計算により求めた値であり、下記式により求められる。
重合転化率(%)=100×〔(水分散型アクリル系ポリマーの固形分濃度の実測値(重量%))−(単量体成分以外の原料の固形分濃度の計算値(重量%))〕/〔単量体成分の全仕込原料に対する濃度の計算値(重量%)〕
また、前記反応開始時とは、重合開始剤を反応容器に添加した後、重合発熱が観察された時点を意味する。従って、単量体成分の重合転化率が95%に達するのに要する時間とは、重合開始剤を反応容器に添加した後、重合発熱が観察された時を始点とし、順次反応容器内の内容物をサンプリングして前記式より重合転化率を求め、該重合転化率が95重量%に達するまでに要する時間を指す。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法では、効率的に水分散型アクリル系ポリマーを生産することを目的としているため、反応開始から180分以内に、単量体成分の重合転化率を95%以上に進めることが好ましい。つまり、単量体成分の重合転化率が95%以上となるのに要する時間が180分以内となるように反応条件を設定することが好ましい。180分以内となるように反応条件を設定する手段としては、単量体成分や十号開始時の温度等を調整することが挙げられる。また、単量体成分の重合転化率が95%以上となるのに要する時間としては、更に10〜120分の範囲で行うことが、安全性、生産性の面から特に好ましい。
次に、本発明で用いる密閉型圧力反応容器とは、オートクレーブのような耐圧性の密閉型反応容器を指し、攪拌機、加減圧装置、不活性ガス導入口が付属していることが好ましい。さらに、密閉型圧力反応容器の内面の材質がグラスライニング製である場合、単量体成分の乳化重合時に発生する凝集物の発生量が減る、或いは、容器内に凝集物が付着し難くなる、或いは、容器内に凝集物が付着した場合においても凝集物を取り除き易く、容器内のメンテナンスが容易となり、水分散型アクリル系ポリマーを同じ密閉型圧力反応容器で連続して生産する際の生産性(メンテナンスに要する時間が短縮できる)が向上するため好ましい。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法では、密閉型圧力反応容器を使用して単量体成分を乳化重合するが、その際、密閉型圧力反応容器内の圧力を水性媒体と前記重合性単量体成分の混合物の蒸気圧を越える状態に保って反応することが好ましい。この場合、不活性ガスを密閉型圧力反応容器に加圧充填してもよい。
また、反応系内の圧力は、反応開始時の密閉型圧力反応容器内の圧力を常圧以上に制御されていれば、特に限定されないが、反応容器内の圧力を反応容器内液(水性媒体と単量体成分の混合物)の蒸気圧以上の圧力になるように維持することが、反応容器内液の沸騰を抑制でき、その結果、凝集物の発生を防止できることから好ましい。また、その加圧の度合は、水性媒体と単量体成分の混合物の組成や濃度によるが、一般に0〜10MPaの範囲が好ましく、更に0.1〜1.5MPaが好ましい。なお、圧力とは、絶対圧力を意味するのではなく、常圧を0MPaにした差圧をいう。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法では、密閉型圧力反応容器内で単量体成分の乳化重合を行うため、乳化重合時の容器内温度は特に制限を受けず、例えば、媒体である水の沸点を越える条件下でも安全に乳化重合することが可能である。通常のアクリル系ポリマーを乳化重合で製造する際に使用されているコンデンサー付属反応容器の場合は、反応容器内が沸騰すると、反応容器から内容物が吹き出す危険性や、反応容器内が沸騰することにより凝集物が多量に発生するという欠点があるが、本発明では密閉型圧力反応容器を使用するので、必要に応じて、内容物が沸騰しないように制御することも可能なためこれらの問題点が回避できる。特に、高温(水性媒体と単量体成分の混合物の沸点以上の温度)で乳化重合する場合には、反応容器内を不活性ガスで加圧すると、反応容器内の沸騰を抑制でき、その結果、凝集物の発生を軽減できる点から好ましい。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法において、単量体成分を乳化重合する際の水性媒体としては、特に限定されるものではないが、水のみを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合溶液を使用してもよい。ここで用いる水溶性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
水と上記水溶性溶剤の混合物を使用する場合の上記水溶性溶剤の使用量は、重合時の安定性の点から任意に選択することができるが、得られる重合体水性分散液の引火の危険性、及び安全衛生の面から水溶性溶剤の使用量は極力少なくすることが好ましい。これらの理由から、水単独で使用することが特に好ましい。
また、密閉型圧力反応容器内の液中の溶存酸素濃度を3ppm以下とした条件下で乳化重合すると、酸素によるラジカル重合の阻害を回避でき、乳化重合が円滑に進行して水分散型アクリル系ポリマーを効率良く生産できるため好ましい。密閉型反応容器内の液中の溶存酸素濃度を低下させる方法としては、水性媒体と単量体成分、重合開始剤を各々別の容器で溶存酸素を低下させた後、これらを混合する方法や、水性媒体、単量体成分、重合開始剤を密閉型圧力反応容器に仕込んだ後、溶存酸素を低下させる方法が挙げられ、使用する装置に応じ適宜、方法を選択することができるが、何れの方法においても、乳化重合開始時の密閉型圧力反応容器内の液中の溶存酸素濃度を3ppm以下とすることが好ましい。具体的に、液中(水性媒体、或いは場合によっては重合体粒子[A]や乳化剤を含んだ水性媒体、及び単量体成分、及び重合開始剤の溶液等の混合物)の溶存酸素濃度を低下させる方法としては、具体的には、(1)容器内を攪拌下、容器の一方の口から不活性ガスを連続的に吹き込み、またはバブリングし、もう一方の口から不活性ガスと酸素を吹き出しながら溶存酸素濃度を低下させる方法、(2)容器内を攪拌下、一旦容器内の液体を沸騰させた後、不活性ガス雰囲気下で冷却することにより溶存酸素濃度を低下させる方法、(3)容器内を攪拌下、容器内に不活性ガスを加圧充填した後、容器内の圧力を下げることで容器内の酸素の分圧を低くして溶存酸素濃度を低下させる方法等が挙げられる。これらの内、容器内の液中の溶存酸素を低下させるには、(3)不活性ガスを加圧充填した後、容器内の圧力を下げる操作を繰り返す方法が効率良く容器内の液中の溶存酸素を低下できるため好ましい。不活性ガスを加圧充填した後、容器内の圧力を下げる工程は、2〜10回繰り返すことが好ましく、この工程の繰り返し回数が多いほど溶存酸素濃度が低くなるが、10回を越えると溶存酸素濃度が低下し難くなるため、溶存酸素除去効率は悪くなる。
不活性ガスを密閉型圧力反応容器に加圧充填する場合、例えば、溶存酸素濃度を3ppm以下にするのに要する上記の加圧充填操作の繰り返し回数が少なくて済むことから0.1〜2.0MPa、好ましくは0.2〜1.5MPaの圧力で不活性ガスを充填することが好ましい。また、反応容器内の圧力を下げる場合、例えば、その減圧度は、溶存酸素濃度を3ppm以下にするのに要する容器内の圧力を下げる操作の繰り返し回数が少なくて済むことから、−0.04〜−0.09MPaまで減圧することが好ましい。さらに、単量体成分の乳化重合時の反応容器内の圧力は、密閉型圧力反応容器内の圧力が水性媒体と前記重合性単量体成分の混合物の蒸気圧を越える状態であれば特に限定されず、後述する乳化重合時の反応温度に応じて、常圧で、或いは不活性ガスで加圧して乳化重合を実施することができる。ここでいう圧力とは、前述と同様に絶対圧力を意味するのではなく、常圧を0MPaにした差圧をいう。また、不活性ガスとしては、窒素ガスやヘリウム、アルゴン等の希ガスを挙げることができ、これらを1種以上混合して使用してもよい。不活性ガスの種類としては、特に窒素ガスが、経済性、汎用性の点から好ましい。不活性ガスの純度は、通常、95容量%以上、好ましくは98容量%以上である。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法では、水性媒体として、平均粒子径が10〜300nmである重合体粒子[A]が分散する水性媒体を使用すると、乳化重合時に発生する凝集物の量を非常に少なく抑制することができ、さらに、得られる水分散型アクリル系ポリマーの粒子径を実用的な範囲(50〜1000nm)に制御し易くなる点から好ましい。水分散型アクリル系ポリマーは、一般的に粒子径が小さくなると粘度が高くなるため、高固形分濃度の水分散型アクリル系ポリマーを得るためには、ある程度の大きさに粒子径を制御することが必要である。
ここで、本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法で得られる水分散型アクリル系ポリマーの固形分濃度は、特に制限されるものではないが、製造時の作業性や輸送コストという点、及び水分散型アクリル系ポリマーを乾燥して使用する際の乾燥性に優れるという点から、固形分濃度が40〜70重量%であることが好ましい。
また、前記重合体粒子[A]の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系重合体、ブタジエン系重合体等のエチレン性不飽和単量体のラジカル重合による重合体(以下、エチレン性重合体という)、尿素結合並びにウレタン結合を有する重合体を含むポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。またこれら種々の重合体の混合物、例えばアクリル系重合体/ポリウレタン樹脂の混合物や、種々の重合体のグラフト化(ブロック化)物、例えば、不飽和ポリエステル重合体或いはアルキッド樹脂にアクリル系重合体をグラフト化した物等も挙げられる。特に、重合体粒子[A]は、粒子径の調整やポリマー設計が容易であり、後記する方法により簡単に製造することができるという点から、エチレン性重合体であることが好ましい。その中でも特に、重合体粒子[A]が、水性媒体中で、(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を乳化重合して得られたアクリル系ポリマーである場合、その存在下で乳化重合する(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分との相溶性や、単量体成分の重合により生成するポリマーとの相溶性が良く、さらに、分散安定性の良い水分散型アクリル系ポリマーが得られ易くなるため好ましい。
アクリル系ポリマーである重合体粒子[A]の製造方法としては、(1)水、単量体成分、重合開始剤、(必要に応じて乳化剤及び分散安定剤)等の原料を一括して仕込み重合する方法や、(2)水、単量体成分、乳化剤を予め混合したものを滴下するいわゆるプレエマルジョン法や、(3)モノマー滴下法等の方法により製造することができる。これらの中でも、前記(1)の方法が好ましく、特に、本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法、つまり、(メタ)アクリレート類を含有する重合性単量体成分を、水性媒体が存在する密閉型圧力反応容器に一括して仕込み、反応開始時の密閉型圧力反応容器内の圧力を常圧以上に制御して乳化重合する方法が、短時間に効率よく重合体粒子[A]を製造できる点から好ましい。この中でも、反応開始時から180分以内に、単量体成分の重合転化率を95%以上に進める方法が更に好ましい。また、重合の際に使用する(メタ)アクリレートや、その他の単量体としては、前述の単量体成分として例示したものが使用できる。
さらに、アクリル系ポリマーから構成される重合体粒子[A]を製造する際には、乳化剤やその他の分散安定剤を使用してもよく、また、重合開始剤や連鎖移動剤を使用することもできる。これらの具体例は、後述する単量体成分の乳化重合時に使用するものと同様のものが使用できる。前記重合体粒子[A]と(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分の比率は、特に制限を受けるものではないが、重量基準で、重合体粒子[A](固形分の重量)/単量体成分の重量=5/95〜40/60の範囲である場合、単量体成分の乳化重合時の高い生産性を維持し、且つ凝集物の発生量を抑制して安定に水分散型アクリル系ポリマーが製造できるため好ましい。
次に、本発明では、単量体成分を水性媒体中で乳化重合する際には、乳化剤やその他の分散安定剤を使用して重合することができる。また、前述の如く、重合体粒子[A]の存在下で単量体成分を乳化重合する場合においては、乳化剤及びその他の分散安定剤を使用しなくても安定に乳化重合することも可能であり、得られる水分散型アクリル系ポリマーを被膜化した際に被膜の耐水性等の諸物性が向上するため好ましい。
ここで、本発明で使用できる乳化剤としては、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、陽イオン性乳化剤の種々のものが使用できる。本発明で使用する陰イオン性乳化剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル及びその塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩等が挙げられ、非イオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
更に、一般的に「反応性乳化剤」と称される重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤を使用することもできる。本発明で使用できる反応性乳化剤としては、例えば、スルホン酸基及びその塩を有する「ラテムルS−180」(花王(株)製)、「エレミノールJS−2、RS−30」(三洋化成工業(株)製)等;硫酸基及びその塩を有する「アクアロンHS−10、HS−20、KH−05、KH−10」(第一工業製薬(株)製)、「アデカリアソープSE−10、SE−20、SR−10N、SR−20N」(旭電化工業(株)製)等;リン酸基を有する「ニューフロンティアA−229E」(第一工業製薬(株)製)等;非イオン性親水基を有する「アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40」(第一工業製薬(株)製)等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
また、本発明で使用することのできる乳化剤以外のその他の分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリアミド樹脂、水性ポリウレタン樹脂等の合成或いは天然の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
本発明では前述の如く、乳化重合時の重合温度には制限を受けないが、特に、得られる水分散型アクリル系ポリマーの分子量を高めたい場合には、低温から乳化重合を開始することが好ましい。具体的には、重合が円滑に進行し易いことから10℃以上、高分子量ポリマーが得られ易いことから50℃以下の温度から乳化重合を開始することが好ましい。なお、(メタ)アクリレートの含有量が低くかったり、反応時の発熱が少なかったりする場合は、上記の温度範囲よりも高い範囲で反応を開始させてもよい。
本発明で乳化重合の際に用いる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が用いられる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩類、有機過酸化物類、過酸化水素等が挙げられる。
単量体成分の乳化重合では、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、或いは上記過酸化物に還元剤を併用したレドックス系重合開始剤によっても、得ることができる。
また、さらに重合開始剤として、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することもできる。前記重合開始剤の中でも、特に、過硫酸塩類及び/または有機過酸化物類と還元剤とを併用したレドックス系重合開始剤が、低い温度でも乳化重合を円滑に進行させることができ、前述の如く高分子量の水分散型アクリル系ポリマーを得たい場合には、10〜50℃の範囲内の温度から乳化重合を開始することができるため好ましい。
過硫酸塩類として、具体的には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられ、有機過酸化物類として、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等が挙げられる。
また、上記のレドックス重合開始剤系に使用する還元剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、酒石酸及びその塩、クエン酸及びその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等が挙げられる。
これらの重合開始剤の使用量は、重合が円滑に進行する量を使用すれば良いが、得られる水分散型アクリル系ポリマーの被膜等に耐水性が求められる場合には、その使用量を極力少なくすることが好ましく、その使用量は単量体成分の重量に対して、0.3重量%以下(還元剤を併用するレドックス系重合開始剤の場合は酸化剤と還元剤の合計量)とすることが好ましい。
本発明において、水分散型アクリル系ポリマーの分子量を調整する必要がある場合は、単量体成分を乳化重合する際に分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセリン等のメルカプタン類、またはα−メチルスチレン・ダイマー等を添加してもよい。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法で得られる水分散型アクリル系ポリマーには、必要に応じて水溶性、或いは水分散性の架橋剤を添加して使用することができる。この場合、架橋剤としては、例えば、多官能性メラミン化合物、多官能性ポリアミン化合物、多官能性ポリエチレンイミン化合物、多官能性(ブロック)イソシアネート化合物、金属塩化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物として使用することができる他に、水溶性または水分散性の熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等を混和して使用することもできる。
また、必要に応じて、充填剤、顔料、pH調整剤、皮膜形成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の種々のものを適宜添加して使用することができる。
本発明の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法で得られる水分散型アクリル系ポリマーの用途は多技に渡るが、特に、塗料、プライマー処理剤、接着剤、フィルムコーティング剤、繊維加工用樹脂(織編物や不織布用バインダー・被覆剤、植毛加工用バインダー等)、紙加工(含浸、塗工)用樹脂、ガラス繊維加工用樹脂(ガラス繊維集束剤、ガラスペーパー用バインダー、ガラス繊維被覆剤等)、モルタル改質用樹脂等として利用できる。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「%」は重量%、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。
本発明で用いた評価方法について以下に述べる。
[重合転化率の測定方法]
乳化重合中の密閉型圧力反応容器から、内容液を10gサンプリングし、重合禁止剤として硫酸ヒドロキシルアミンの10%水溶液0.2gを添加し、攪拌し重合率測定用サンプルとする。次に、このサンプルの固形分濃度を、110℃で1時間乾燥した後の残さの重量から測定し、以下の式に従って重合転化率を求めた。
重合転化率(%)=100×〔(サンプルの固形分濃度の実測値(重量%))−(単量体成分以外の原料の固形分濃度の計算値(重量%))〕/〔単量体成分の全仕込原料に対する濃度の計算値(重量%)〕
[平均粒子径の測定方法]
日機装(株)製マイクロトラックUPA型粒度分布測定装置にて測定した平均粒子径(体積基準での50%メジアン径)の値を求めた。
実施例1
(1)重合体粒子[A](水性分散液)の製造
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの密閉型圧力反応容器(容器内の材質:グラスライニング製)に、25℃の脱イオン水640部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧した。この操作を3回繰り返した後、反応容器内の脱イオン水の溶存酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。反応容器内を攪拌下、アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製:有効成分100%]2部、ブチルアクリレート96部、メチルメタクリレート48部、メタクリル酸16部を仕込んだ。引き続き、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液16.4部を仕込み、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、反応容器圧力を0.05MPaに加圧した。この間に反応容器内温度を30℃に調整した。
次に、内容積が0.2Lの別の密閉型圧力容器に、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液16.8部を仕込み、10秒間かけて容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、20秒間かけて容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、容器内圧力を0.15MPaに加圧した。
密閉型圧力反応容器内の温度が30℃であることを確認後、原料仕込口に過硫酸アンモニウムが入った圧力容器を設置し、過硫酸アンモニウム水溶液を密閉型圧力反応容器内に圧入した。過硫酸アンモニウム水溶液の圧入直後から、反応容器内温度の上昇が始まり、乳化重合が開始したことを確認した。乳化重合開始から25分後に反応容器内温度の上昇が53℃で停止した。この間、反応容器の温度調整操作は行わなかった。その後、反応容器内温度を55℃に調整して60分間保持した。その後、内容物を冷却し、反応容器内圧力を常圧に戻した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の重合体粒子[A]を得た。ここで得られた重合体粒子[A]は、固形分濃度18.6%、粘度5mPa・s、平均粒子径110nm、重合転化率は100%であった。
(2)水分散型アクリル系ポリマーの製造
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの密閉型圧力反応容器(容器内の材質:グラスライニング製)に、25℃の前記重合体粒子[A](水性分散液)を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧した。この操作を3回繰り返した後、反応容器内の重合体粒子[A](水性分散液)の溶存酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。反応容器内を攪拌下、ブチルアクリレート384部、メチルメタクリレート252部、メタクリル酸4部を仕込んだ。引き続き、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液32.8部を仕込み、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、反応容器内圧力を0.30MPaに加圧した。この間に反応容器内温度を40℃に調整した。
次に、内容積が0.2Lの別の密閉型圧力容器に、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液33.6部を仕込み、10秒間かけて容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、20秒間かけて容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、容器内圧力を0.40MPaに加圧した。
密閉型圧力反応容器内の温度が40℃であることを確認後、原料仕込口に過硫酸アンモニウムが入った圧力容器を設置し、過硫酸アンモニウム水溶液を密閉型圧力反応容器内に圧入した。過硫酸アンモニウム水溶液の圧入直後から5分後、反応容器内温度の上昇が始まり、乳化重合が開始したことを確認した。乳化重合開始から35分後に反応容器内温度の上昇が103℃で停止した。この間、反応容器の温度調整操作は行わなかった。その後、反応容器内温度を90℃に調整して90分間保持した。その間、乳化重合の開始を確認した後から10分間隔でサンプリングし、重合転化率を測定して重合転化率が95%に達するまでの時間を求めた。重合転化率が95%に達するまでに要した時間は、乳化重合の開始を確認後50分であった。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分5%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度50.9%、粘度230mPa・s、平均粒子径210nmであり、200メッシュ金網不通過の凝集物は0.8%(対生成水分散型アクリル系ポリマー比)、重合転化率は100%であった。
実施例2
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの密閉型圧力反応容器(容器内の材質:グラスライニング製)に、25℃の脱イオン水640部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧した。この操作を3回繰り返した後、反応容器内の脱イオン水の溶存酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。反応容器内を攪拌下、アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製:有効成分100%]2部、ブチルアクリレート480部、メチルメタクリレート300部、メタクリル酸20部を仕込んだ。引き続き、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液49.2部を仕込み、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧が0.30MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、反応容器内圧力を0.05MPaに加圧した。この間に反応容器内温度を40℃に調整した。
次に、内容積が0.2Lの別の密閉型圧力容器に、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液50.4部を仕込み、10秒間かけて容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、20秒間かけて容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、容器内圧力を0.40MPaに加圧した。
密閉型圧力反応容器の内温度が40℃であることを確認後、原料仕込口に過硫酸アンモニウムが入った圧力容器を設置し、過硫酸アンモニウム水溶液を密閉型圧力反応容器内に圧入した。過硫酸アンモニウム水溶液の圧入直後から30分後、反応容器内温度の上昇が始まり、乳化重合が開始したことを確認した。乳化重合開始から78分後に反応容器内温度の上昇が110℃で停止した。この間、反応容器の温度調整操作は行わなかった。その後、反応容器内温度を90℃に調整して90分間保持した。その間、乳化重合の開始を確認した後から10分間隔でサンプリングし、重合転化率を測定して重合転化率が95%に達するまでの時間を求めた。重合転化率が95%に達するまでに要した時間は、乳化重合の開始を確認後110分であった。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分5%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度49.7%、粘度1030mPa・s、平均粒子径180nmであり、200メッシュ金網不通過の凝集物は5.5%(対生成水分散型アクリル系ポリマー比)、重合転化率は99.8%であった。
実施例3
実施例1で使用した重合体粒子[A]を用い、乳化重合の開始温度を70℃とし、重合開始剤として還元剤:重亜硫酸ナトリウムの水溶液を使用しないこと以外は全て実施例1と同じ操作で水分散型アクリル系ポリマーを製造した。その結果、過硫酸アンモニウム水溶液の圧入直後から25分後、反応容器内温度の上昇が始まり、乳化重合が開始したことを確認した。乳化重合開始から27分後に反応容器内温度の上昇が130℃で停止した。この間、反応容器の温度調整操作は行わなかった。その後、反応容器内温度を90℃に調整して90分間保持した。その間、乳化重合の開始を確認した後から10分間隔でサンプリングし、重合転化率を測定して重合転化率が95%に達するまでの時間を求めた。重合転化率が95%に達するまでに要した時間は、乳化重合の開始を確認後40分であった。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分5%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度50.7%、粘度320mPa・s、平均粒子径260nmであり、200メッシュ金網不通過の凝集物は1.3%(対生成水分散型アクリル系ポリマー比)、重合転化率は100%であった。
実施例4
実施例1で使用した重合体粒子[A]を用い、乳化重合の開始温度を70℃とし、重合開始剤として還元剤:重亜硫酸ナトリウムの水溶液を使用せず、単量体成分の乳化重合開始時の反応容器内圧力を常圧(70℃)とした以外は全て実施例1と同じ操作で水分散型アクリル系ポリマーを製造した。
その結果、過硫酸アンモニウム水溶液の圧入直後から27分後、反応容器内温度の上昇が始まり、乳化重合が開始したことを確認した。乳化重合開始から30分後に反応容器内温度の上昇が125℃で停止した。反応容器内温が98℃を越えた時点で反応容器内の沸騰を確認した。この間、反応容器の温度調整操作は行わなかった。その後、反応容器内温度を90℃に調整して90分間保持した。その間、乳化重合の開始を確認した後から10分間隔でサンプリングし、重合転化率を測定して重合転化率が95%に達するまでの時間を求めた。重合転化率が95%に達するまでに要した時間は、乳化重合の開始を確認後45分であった。その後、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分5%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度50.2%、粘度200mPa・s、平均粒子径310nmであり、200メッシュ金網不通過の凝集物は11.7%(対生成水分散型アクリル系ポリマー比)、重合転化率は100%であった。
比較例1
攪拌機、窒素導入管、コンデンンサー(冷却管)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの反応容器に、25℃の脱イオン水640部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から50mL/minの流量で窒素ガス導入した。120分後、反応容器内の溶存酸素濃度を測定したところ、2.3ppmであった。反応容器内を攪拌下、窒素ガスを導入しながら、アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製:有効成分100%]2部、ブチルアクリレート480部、メチルメタクリレート300部、メタクリル酸20部を仕込み、反応容器内温度を50℃に調整した。次に、反応容器内温度が50℃であることを確認後、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液2.5部を投入した。過硫酸アンモニウム水溶液の投入65分後から反応容器内温度の上昇が始まった(乳化重合の開始)ので、反応容器内温度が50℃を維持するように、反応容器を冷却して乳化重合を行った。乳化重合中は窒素ガスの導入を継続した。また、その間、乳化重合の開始を確認した後から60分間隔でサンプリングし、重合転化率を測定して重合転化率が95%に達するまでの時間を求めた。重合転化率が95%に達するまでに要した時間は、乳化重合の開始を確認後540分であった。その後、さらに50℃で600分間保った。内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水(有効成分5%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度48.3%、粘度1280mPa・s、平均粒子径280nmであり、200メッシュ金網不通過の凝集物は20.5%(対生成水分散型アクリル系ポリマー比)、重合転化率は96.8%であった。(特開平7−228612号公報記載の実施例4に相当する比較例でモノマー組成、乳化剤は本報実施例3と同じで、重合開始剤の種類と量、重合温度を特開平7−228612号公報に合わせた。)

Claims (11)

  1. (メタ)アクリレート類を含有する重合性単量体成分を、水性媒体が存在する密閉型圧力反応容器に一括して仕込み、反応開始時の密閉型圧力反応容器内の圧力を常圧以上に制御して乳化重合することを特徴とする水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  2. 前記密閉型圧力反応容器内の圧力を水性媒体と前記重合性単量体成分の混合物の蒸気圧を超える状態に加圧して反応する請求項1記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  3. 反応開始時から180分以内に、単量体成分の重合転化率を95%以上に進める請求項1または2記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  4. (メタ)アクリレート類の含有率が、重合性単量体成分中の50重量%以上である請求項1または2記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  5. 平均粒子径が10〜300nmである重合体粒子[A]が分散された水性媒体中で、乳化重合する請求項3記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  6. 前記重合体粒子[A]が、請求項1記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法で得られた水分散型アクリル系ポリマーである請求項5記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  7. 前記重合体粒子[A]と(メタ)アクリレート類を含有する重合性単量体成分の重量比〔重合体粒子[A]/単量体成分〕が5/95〜40/60である請求項5または6記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  8. 密閉型圧力反応容器内の液中の溶存酸素濃度が3ppm以下の条件で重合する請求項1〜6の何れか1つに記載の記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  9. 重合開始剤としてレドックス系重合開始剤を使用して乳化重合する請求項1〜6の何れか1つに記載の記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  10. 密閉型圧力反応容器の内面の材質がグラスライニング製である請求項1〜6の何れか1つに記載の記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
  11. 重合開始時の温度が10〜50℃の範囲内である請求項1〜6の何れか1つに記載の水分散型アクリル系ポリマーの製造方法。
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