JP2005132831A - 末梢静脈投与用輸液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の末梢静脈投与用輸液において頻発する静脈炎を発症させることなく、より安全な投与が可能で、かつ、基礎代謝熱量に満たない低熱量の投与にもかかわらず体内に貯蔵された脂肪のエネルギー産生を促すことにより充分なエネルギー補給を可能とし、かつ、血糖値の良好な維持が可能である栄養状態の維持・改善効果に優れた静脈投与用輸液を提供すること。
【解決手段】 アミノ酸を含有する輸液において、生理食塩水に対する浸透圧比が1〜2で、かつ非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が80以下であり、総熱量が150〜300kcal/lである静脈投与用輸液。この静脈投与用輸液では、さらに糖を含有し、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が10〜80であるのが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 アミノ酸を含有する輸液において、生理食塩水に対する浸透圧比が1〜2で、かつ非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が80以下であり、総熱量が150〜300kcal/lである静脈投与用輸液。この静脈投与用輸液では、さらに糖を含有し、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が10〜80であるのが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、アミノ酸を含有する栄養補給用の輸液、特に末梢静脈投与用輸液に関するものである。
経口、経腸管栄養補給が不能又は不充分な患者、特に長期間の栄養不良状態や高度の侵襲時に惹起される生体の筋蛋白崩壊、内臓蛋白の喪失・不足、あるいは免疫系の破綻、創傷治癒の遅延や臓器不全の予防及び治療を目的として、2週間以上の栄養管理を必要とする場合に、一般に糖質・電解質・アミノ酸液からなる高カロリー輸液が中心静脈から投与されており、その効果は絶大なものであり広く普及している。現在、この高カロリー輸液として一日投与熱量として最大2500kcalまで補給可能なものが市販されている。
一方、栄養状態の比較的良好な非侵襲あるいは軽度侵襲期にある患者の栄養状態を維持することを目的として、前腕静脈等から末梢留置針等を用いて末梢静脈投与用輸液が一般に投与されている。近年、患者の栄養状態は良くなってきており、また、内視鏡下手術等のより手術侵襲の少ない外科術式の開発及びその普及により侵襲の程度がより軽い患者が増えてきており、末梢静脈投与用輸液の投与対象患者は増加する傾向にある。
一方、栄養状態の比較的良好な非侵襲あるいは軽度侵襲期にある患者の栄養状態を維持することを目的として、前腕静脈等から末梢留置針等を用いて末梢静脈投与用輸液が一般に投与されている。近年、患者の栄養状態は良くなってきており、また、内視鏡下手術等のより手術侵襲の少ない外科術式の開発及びその普及により侵襲の程度がより軽い患者が増えてきており、末梢静脈投与用輸液の投与対象患者は増加する傾向にある。
上記栄養輸液に用いる製剤としては、糖質、アミノ酸及び電解質を含んだ一日投与熱量として最大1000kcalまで補給可能なものが市販されている。容器形態として1室形態(シングルバッグ製剤)のものが、医療過誤防止及び簡便性の面から望ましいが、製剤の保存安定性の確保の観点から輸液のpHを酸性にする必要がありpH5程度の酸性に調製されている。また、製剤の保存安定性をより向上させ、かつ混合後のpHをより血液の生理的なpHに近づけるために、2室容器の一方の室に還元糖を電解質と共に収容し、他方の室にアミノ酸と一部電解質を分離収容した2室タイプの製剤が市販されている。使用時には隔壁を開通させ、よく混合した後に投与される形態を採用している。一方、一日投与熱量として最大620kcalの投与が可能で、糖質としてグリセロールを用いることで、1室形態でかつ輸液のpHを中性付近とした製剤が市販されている。グリセロールは等モル数のグルコースに比し約半分の熱量であるため、グルコースと同程度の熱量を供給するためにはグルコースのモル数の約2倍量を配合する必要がある。
しかしながら、上記製剤は、しばしば静脈炎を発生する。より生理的に近いpHを達成しているが、輸液の栄養成分の濃度が高くなっている。すなわち、生理食塩水に対する浸透圧比が約3と高くなっていることが静脈炎を引き起こす原因となっている。末梢静脈投与用輸液においては浸透圧比2を越えると静脈炎の発生頻度が急激に上がることが多数報告されている(Arch. Surg. 114:897-900,1979)。静脈炎は疼痛を伴い、苦痛を患者に強いるばかりでなく血栓を生じて肺塞栓や脳塞栓にまで至る恐れがあり軽視できる問題ではない。
このため、医療現場では静脈炎を防止するために点滴部位を頻繁に変更するか、あるいは、上記の末梢静脈用輸液の投与を中断しなければならない。
一方、近年、高齢者の患者及び糖尿病患者が増加の傾向にあり、高齢者ではインスリン分泌能が低下しているために、栄養輸液の投与によりしばしば高血糖を生じることがある。また、手術後の患者は手術侵襲により血糖値は高くなりやすい状態にある。特に糖源にグルコースを用いた場合は、血糖コントロールが良好でない患者においては、高血糖を起こすおそれがある。こうした患者への輸液栄養管理においては血糖値を正常範囲に維持するために注意を払う必要がある。
このため、医療現場では静脈炎を防止するために点滴部位を頻繁に変更するか、あるいは、上記の末梢静脈用輸液の投与を中断しなければならない。
一方、近年、高齢者の患者及び糖尿病患者が増加の傾向にあり、高齢者ではインスリン分泌能が低下しているために、栄養輸液の投与によりしばしば高血糖を生じることがある。また、手術後の患者は手術侵襲により血糖値は高くなりやすい状態にある。特に糖源にグルコースを用いた場合は、血糖コントロールが良好でない患者においては、高血糖を起こすおそれがある。こうした患者への輸液栄養管理においては血糖値を正常範囲に維持するために注意を払う必要がある。
Arch. Surg. 114:897-900,1979
従って、本発明の目的は、従来の末梢静脈投与用輸液において頻発する静脈炎を発症させることなく、より安全な投与が可能で、かつ、基礎代謝熱量に満たない低熱量の投与にもかかわらず体内に貯蔵された脂肪のエネルギー産生を促すことにより充分なエネルギー補給を可能とし、かつ、血糖値の良好な維持が可能である栄養状態の維持・改善効果に優れた静脈投与用輸液を提供することである。
本発明者らは浸透圧比を2以下に抑えることにより、静脈炎を惹起せず、安全でかつ栄養補給に適した輸液組成を鋭意研究を重ねた結果、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)の比を適切な範囲に調整することで、栄養状態が良好で侵襲が無いか侵襲度の軽度な患者に対して優れた栄養効果が得られ、かつ、基礎代謝熱量に満たない低熱量の投与にもかかわらず体内に貯蔵された脂肪のエネルギー産生を促すことにより充分なエネルギー利用を可能とし、かつ、血糖値の良好な維持が可能である栄養効果に優れた末梢静脈投与用輸液を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、アミノ酸を含有する輸液において、生理食塩水に対する浸透圧比が1〜2で、かつ非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が80以下であり、総熱量が150〜300kcal/lであることを特徴とする静脈投与用輸液を提供するものであり、好ましくは、糖及びアミノ酸を含有し、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が10〜80であることを特徴とする静脈投与用輸液、ブドウ糖が2.0〜7.5 w/v%でアミノ酸総量が1.0〜5.0 w/v%である静脈投与用輸液である。さらに電解質を含有する静脈投与用輸液であり、好ましくは、下記の組成を有する静脈投与用輸液である。
すなわち本発明は、アミノ酸を含有する輸液において、生理食塩水に対する浸透圧比が1〜2で、かつ非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が80以下であり、総熱量が150〜300kcal/lであることを特徴とする静脈投与用輸液を提供するものであり、好ましくは、糖及びアミノ酸を含有し、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が10〜80であることを特徴とする静脈投与用輸液、ブドウ糖が2.0〜7.5 w/v%でアミノ酸総量が1.0〜5.0 w/v%である静脈投与用輸液である。さらに電解質を含有する静脈投与用輸液であり、好ましくは、下記の組成を有する静脈投与用輸液である。
L-イソロイシン 0.1〜5.0 g/l
L-ロイシン 0.2〜9.0 g/l
L-バリン 0.2〜10.0 g/l
L-リジン 0.15〜6.0 g/l
L-メチオニン 0.1〜7.0 g/l
L-フェニルアラニン 0.1〜7.7 g/l
L-トレオニン 0.1〜5.0 g/l
L-トリプトファン 0.02〜3.0 g/l
L-アラニン 0.1〜6.8 g/l
L -アルギニン 0.1〜11.3 g/l
L-アスパラギン酸 0.02〜5.0 g/l
L-システイン 0.01〜0.7 g/l
L-グルタミン酸 0.01〜3.6 g/l
L-ヒスチジン 0.1〜4.1 g/l
L-プロリン 0.1〜5.9 g/l
L-セリン 0.05〜2.0 g/l
L-チロジン 0.0〜1.0 g/l
グリシン 0.1〜5.4 g/l
Na+ 20〜150 mEq/l
K+ 2〜50 mEq/l
Ca2+ 0〜15 mEq/l
Mg2+ 0〜15 mEq/l
Cl- 20〜150 mEq/l
P 0〜20 mmol/l
Zn2+ 0〜20 μmol/l
L-ロイシン 0.2〜9.0 g/l
L-バリン 0.2〜10.0 g/l
L-リジン 0.15〜6.0 g/l
L-メチオニン 0.1〜7.0 g/l
L-フェニルアラニン 0.1〜7.7 g/l
L-トレオニン 0.1〜5.0 g/l
L-トリプトファン 0.02〜3.0 g/l
L-アラニン 0.1〜6.8 g/l
L -アルギニン 0.1〜11.3 g/l
L-アスパラギン酸 0.02〜5.0 g/l
L-システイン 0.01〜0.7 g/l
L-グルタミン酸 0.01〜3.6 g/l
L-ヒスチジン 0.1〜4.1 g/l
L-プロリン 0.1〜5.9 g/l
L-セリン 0.05〜2.0 g/l
L-チロジン 0.0〜1.0 g/l
グリシン 0.1〜5.4 g/l
Na+ 20〜150 mEq/l
K+ 2〜50 mEq/l
Ca2+ 0〜15 mEq/l
Mg2+ 0〜15 mEq/l
Cl- 20〜150 mEq/l
P 0〜20 mmol/l
Zn2+ 0〜20 μmol/l
さらに本発明は上記組成にビタミン類を含んでもよい。ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD類、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンH、葉酸、パントテン酸類及びニコチン酸類があり、好ましくはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCであり、ビタミンB1のみでもよい。本発明輸液のpHは6.0〜7.2であることが好ましく、1日当り300〜600kcalの総熱量を投与することが好ましい。また本発明輸液は、1室に連通後混合可能な隔離手段で区画された複数の空間をもつ容器に分離封入されてもよく、第1室に糖を含有する溶液が充填され、第2室にアミノ酸を含有する溶液が充填される場合、一部の電解質が、第1室と第2室以外の空間に分離して収容される場合、ビタミン類が、第1室と第2室以外の空間に分離して収容される場合なども含む。
本発明により、栄養状態が良好で侵襲が無いか侵襲度の軽度な患者に対して優れた栄養効果が得られ、かつ、基礎代謝熱量に満たない低熱量の投与にもかかわらず体内に貯蔵された脂肪のエネルギー産生を促すことにより充分なエネルギー利用を可能とし、かつ、血糖値の良好な維持が可能である栄養効果に優れた末梢静脈投与用輸液を提供することができる。
本発明の静脈投与用輸液において、使用できる糖としては通常輸液に用いられる糖で有れば特に制限はないが、例えば還元糖として、ブドウ糖、フルクトース及びマルトースが、非還元糖としてはトレハロース、キシリトール、ソルビトール及びグリセリンが挙げられる。前記の各種糖のうち、栄養効果の点からはブドウ糖を配合することが好ましい。
本発明の静脈投与用輸液において、使用できるアミノ酸としては通常輸液に用いられるアミノ酸で有れば特に制限はないが、具体的には、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-バリン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、L-システイン、L-グルタミン酸、L-ヒスチジン、L-プロリン、L-セリン、L-チロジン及びグリシンを挙げることができる。これらのアミノ酸は1種類でも、複数組み合わせても使用することができるが、タンパク質合成への利用という観点から複数組み合わせるのが好ましく、中でも、L-トリプトファン、L-メチオニン、L-リジン、L-フェニルアラニン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、L-トレオニン及びL-ヒスチジンの9種の必須アミノ酸を使用することが好ましく、さらに好ましくは、9種の必須アミノ酸と非必須アミノ酸を合わせて使用することが好ましい。これらアミノ酸の組成は、患者の疾患の種類、状態により適宜調整すれば良いが、とりわけ特開昭60-123413号公報記載の術後患者に適したアミノ酸組成を好適に使用することができる。各アミノ酸は必ずしも遊離アミノ酸として用いられる必要はなく、無機酸塩、有機酸塩、生体内で加水分解可能なエステル体などの形態で用いてもよい。また、同種あるいは異種のアミノ酸をペプチド結合させたジペプチド類の形態で用いてもよい。
本発明の静脈投与用輸液において、使用できるアミノ酸としては通常輸液に用いられるアミノ酸で有れば特に制限はないが、具体的には、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-バリン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、L-システイン、L-グルタミン酸、L-ヒスチジン、L-プロリン、L-セリン、L-チロジン及びグリシンを挙げることができる。これらのアミノ酸は1種類でも、複数組み合わせても使用することができるが、タンパク質合成への利用という観点から複数組み合わせるのが好ましく、中でも、L-トリプトファン、L-メチオニン、L-リジン、L-フェニルアラニン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、L-トレオニン及びL-ヒスチジンの9種の必須アミノ酸を使用することが好ましく、さらに好ましくは、9種の必須アミノ酸と非必須アミノ酸を合わせて使用することが好ましい。これらアミノ酸の組成は、患者の疾患の種類、状態により適宜調整すれば良いが、とりわけ特開昭60-123413号公報記載の術後患者に適したアミノ酸組成を好適に使用することができる。各アミノ酸は必ずしも遊離アミノ酸として用いられる必要はなく、無機酸塩、有機酸塩、生体内で加水分解可能なエステル体などの形態で用いてもよい。また、同種あるいは異種のアミノ酸をペプチド結合させたジペプチド類の形態で用いてもよい。
本発明の静脈投与用輸液においては、血管痛や静脈炎を起こさずに効率よく栄養状態を改善するために、生理食塩水(286mOsm/l)に対する浸透圧比が1〜2となり、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が80以下となり、総熱量が150〜300kcal/lになるよう糖とアミノ酸の配合量を調整すればよく、脂肪を含有しないことが好ましい。一般に輸液における総窒素量とは、輸液中に含有されるアミノ酸より計算される窒素量であり、本発明における総窒素量も同様の意味を表す。一方、一般に輸液における非蛋白熱量とは、糖及び脂肪より計算され、アミノ酸は非蛋白熱量源としては計算されない。したがって、本発明輸液における非蛋白熱量とは、脂肪を含有しない場合、本発明輸液中に含有される糖のみより計算される熱量である。また総熱量とは、本発明輸液で脂肪を含有しない場合、糖とアミノ酸の熱量の合計として計算される。
本発明輸液の非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)は、投与されるアミノ酸が蛋白合成に有効に利用され、同時に体蛋白の分解を抑制して体蛋白の保持に役立つという点から80以下、好ましくは10〜80より好ましくは20〜70さらに好ましくは30〜60の範囲がよい。非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が大きくなると、アミノ酸の含有量が少なくなるため、蛋白質の合成及び体蛋白の分解抑制が十分に行われなくなる可能性がある。
本発明輸液の非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)は、投与されるアミノ酸が蛋白合成に有効に利用され、同時に体蛋白の分解を抑制して体蛋白の保持に役立つという点から80以下、好ましくは10〜80より好ましくは20〜70さらに好ましくは30〜60の範囲がよい。非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が大きくなると、アミノ酸の含有量が少なくなるため、蛋白質の合成及び体蛋白の分解抑制が十分に行われなくなる可能性がある。
本発明輸液の総熱量は150〜300kcal/lであることが好ましく、これは患者の静脈炎発生を抑えるために、浸透圧比を1〜2とした場合に適切なバランスで配合されるアミノ酸と糖の熱量の総和が取りうる範囲である。浸透圧比、静脈炎や血管痛の発生頻度を考慮すると、総熱量は上記範囲であることが好ましい。また、一般に一日の輸液量は、最大でも約2500mlであることが好ましいとされていること、一日の輸液量が2500mlより多い場合は、重篤な腎障害、高窒素血症及びうっ血性心不全の患者においては症状が悪化するおそれがあること、などからも総熱量は上記範囲であることが好ましい。
栄養管理においては、基礎代謝熱量(1000kcal/日)に近い熱量補給が必要であるが、本発明輸液の投与によって、425〜675kcalの総熱量の補給が2500ml/日の輸液量で可能となる。本発明輸液は、基礎代謝熱量に比べ不足する分の熱量を、体内に蓄積された体脂肪の燃焼によりおおむね補うことが可能であり、その熱産生量は基礎代謝熱量に相当する輸液の投与に匹敵する。
病状によってさらに投与する熱量を減じたい場合は、一日の輸液量を必要な熱量が投与されるのに必要とされる量に減ずればよい。この際、患者に投与される総熱量は変わるが、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)は同じであるため、本発明輸液の効果は保持されている。
栄養管理においては、基礎代謝熱量(1000kcal/日)に近い熱量補給が必要であるが、本発明輸液の投与によって、425〜675kcalの総熱量の補給が2500ml/日の輸液量で可能となる。本発明輸液は、基礎代謝熱量に比べ不足する分の熱量を、体内に蓄積された体脂肪の燃焼によりおおむね補うことが可能であり、その熱産生量は基礎代謝熱量に相当する輸液の投与に匹敵する。
病状によってさらに投与する熱量を減じたい場合は、一日の輸液量を必要な熱量が投与されるのに必要とされる量に減ずればよい。この際、患者に投与される総熱量は変わるが、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)は同じであるため、本発明輸液の効果は保持されている。
本発明に用いる電解質としては、一般に用いられる電解質で有れば特に制限は無いが、具体的にはカルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩素及びリンの無機及び有機塩を挙げることができる。各無機及び有機塩については、既に上市されている輸液および経腸栄養剤に配合された有効成分と同じものを用いることができる。なお、電解質は、生体の機能や体液の電解質バランスを維持するために必要である。また、電解質として微量元素も添加することができる。本発明における微量元素とは、微量ではあるが生体にとって必要不可欠とされる金属元素である。微量元素の補給は欠乏症の防止だけでなく蛋白合成の促進、創傷治癒の促進及びミトコンドリア内の酵素の活性を高めるために必要である。具体的には、亜鉛、鉄、マンガン、銅、クロム、モリブデン、セレン、フッ素及びヨウ素の無機及び有機塩を挙げることができる。この場合、高カロリー輸液用として上市されている微量元素製剤を配合しても良い。各微量元素は、一日必要量を考慮して配合すればよい。
本発明の輸液を調製するには、上記の糖、アミノ酸及び電解質を適宜混合し注射用蒸留水等に溶解すること、もしくはあらかじめ作成した糖溶解液、アミノ酸溶解液、電解質溶解液等を混合すること、などにより目的の輸液を得ることができる。このときの糖及びアミノ酸の添加量は、添加するアミノ酸及び糖の量から計算される非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)は80以下となり、総熱量が150〜300kcal/lとなるように調整すれば良い。
本発明の輸液を調製するには、上記の糖、アミノ酸及び電解質を適宜混合し注射用蒸留水等に溶解すること、もしくはあらかじめ作成した糖溶解液、アミノ酸溶解液、電解質溶解液等を混合すること、などにより目的の輸液を得ることができる。このときの糖及びアミノ酸の添加量は、添加するアミノ酸及び糖の量から計算される非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)は80以下となり、総熱量が150〜300kcal/lとなるように調整すれば良い。
本発明で用いる輸液の組成としては、下記のものが好ましい。
ブドウ糖 2.0〜7.5 w/v% さらに好ましくは2.0〜5.0w/v%
アミノ酸総量 1.0〜5.0 w/v%
各アミノ酸
L-イソロイシン 0.1〜5.0 g/l さらに好ましくは0.8〜5.0g/l
L-ロイシン 0.2〜9.0 g/l さらに好ましくは1.0〜9.0g/l
L-バリン 0.2〜10.0 g/l さらに好ましくは1.0〜10.0g/l
L-リジン 0.15〜6.0 g/l さらに好ましくは0.8〜6.0g/l
L-メチオニン 0.1〜7.0 g/l さらに好ましくは0.4〜5.0g/l
L-フェニルアラニン 0.1〜7.7 g/l さらに好ましくは0.5〜5.0g/l
L-トレオニン 0.1〜5.0 g/l さらに好ましくは0.5〜5.0g/l
L-トリプトファン 0.02〜3.0 g/l さらに好ましくは0.05〜1.0g/l
L-アラニン 0.1〜6.8 g/l さらに好ましくは0.5〜5.0g/l
L-アルギニン 0.1〜11.3 g/l さらに好ましくは1.0〜10.0g/l
L-アスパラギン酸 0.02〜5.0 g/l さらに好ましくは0.08〜2.0g/l
L-システイン 0.01〜0.7 g/l さらに好ましくは0.02〜0.2g/l
L-グルタミン酸 0.01〜3.6 g/l さらに好ましくは0.04〜2.0g/l
L-ヒスチジン 0.1〜4.1 g/l さらに好ましくは0.3〜3.0g/l
L-プロリン 0.1〜5.9 g/l さらに好ましくは0.4〜5.0g/l
L-セリン 0.05〜2.0 g/l さらに好ましくは0.1〜1.0g/l
L-チロジン 0.0〜1.0 g/l さらに好ましくは0.0〜0.5g/l
グリシン 0.1〜5.4 g/l さらに好ましくは0.5〜4.0g/l
Na+ 20〜150 mEq/l さらに好ましくは30〜40 mEq/l
K+ 2〜50 mEq/l さらに好ましくは15〜25 mEq/l
Ca2+ 0〜15 mEq/l さらに好ましくは3〜6 mEq/l
Mg2+ 0〜15 mEq/l さらに好ましくは3〜6 mEq/l
Cl- 20〜150 mEq/l さらに好ましくは30〜60 mEq/l
P 0〜20 mmol/l さらに好ましくは5〜15 mmol/l
Zn2+ 0〜20 μmol/l さらに好ましくは2〜10 μmol/l
ブドウ糖 2.0〜7.5 w/v% さらに好ましくは2.0〜5.0w/v%
アミノ酸総量 1.0〜5.0 w/v%
各アミノ酸
L-イソロイシン 0.1〜5.0 g/l さらに好ましくは0.8〜5.0g/l
L-ロイシン 0.2〜9.0 g/l さらに好ましくは1.0〜9.0g/l
L-バリン 0.2〜10.0 g/l さらに好ましくは1.0〜10.0g/l
L-リジン 0.15〜6.0 g/l さらに好ましくは0.8〜6.0g/l
L-メチオニン 0.1〜7.0 g/l さらに好ましくは0.4〜5.0g/l
L-フェニルアラニン 0.1〜7.7 g/l さらに好ましくは0.5〜5.0g/l
L-トレオニン 0.1〜5.0 g/l さらに好ましくは0.5〜5.0g/l
L-トリプトファン 0.02〜3.0 g/l さらに好ましくは0.05〜1.0g/l
L-アラニン 0.1〜6.8 g/l さらに好ましくは0.5〜5.0g/l
L-アルギニン 0.1〜11.3 g/l さらに好ましくは1.0〜10.0g/l
L-アスパラギン酸 0.02〜5.0 g/l さらに好ましくは0.08〜2.0g/l
L-システイン 0.01〜0.7 g/l さらに好ましくは0.02〜0.2g/l
L-グルタミン酸 0.01〜3.6 g/l さらに好ましくは0.04〜2.0g/l
L-ヒスチジン 0.1〜4.1 g/l さらに好ましくは0.3〜3.0g/l
L-プロリン 0.1〜5.9 g/l さらに好ましくは0.4〜5.0g/l
L-セリン 0.05〜2.0 g/l さらに好ましくは0.1〜1.0g/l
L-チロジン 0.0〜1.0 g/l さらに好ましくは0.0〜0.5g/l
グリシン 0.1〜5.4 g/l さらに好ましくは0.5〜4.0g/l
Na+ 20〜150 mEq/l さらに好ましくは30〜40 mEq/l
K+ 2〜50 mEq/l さらに好ましくは15〜25 mEq/l
Ca2+ 0〜15 mEq/l さらに好ましくは3〜6 mEq/l
Mg2+ 0〜15 mEq/l さらに好ましくは3〜6 mEq/l
Cl- 20〜150 mEq/l さらに好ましくは30〜60 mEq/l
P 0〜20 mmol/l さらに好ましくは5〜15 mmol/l
Zn2+ 0〜20 μmol/l さらに好ましくは2〜10 μmol/l
本発明の輸液には、患者の状態に応じてビタミン類を添加することができる。ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD類、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンH、葉酸、パントテン酸類及びニコチン酸類等を挙げることができる。これらのビタミン類を用いることによって、栄養状態の維持・改善を早期に実現させることが可能である。特に、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCを添加することが好ましい。例えば、ビタミンとして、塩酸チアミン、リン酸リボフラビンナトリウム、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、アスコルビン酸を添加することができる。これらのビタミンは、予め輸液組成として配合しておいてもよく、あるいは使用時に輸液に添加しても良い。糖液とアミノ酸液が分離されている輸液製品に予め配合しておく場合、各ビタミンはそれぞれ糖液とアミノ酸液のどちらに配合しても良い。
各ビタミンの添加量は任意に設定できるが、0.5〜10mg/lのビタミンB1、0.5〜10mg/lのビタミンB2、0.5〜25mg/lのビタミンB6、0.5〜15μg/lのビタミンB12、15〜500mg/lのビタミンCを添加するのが好ましい。
各ビタミンの添加量は任意に設定できるが、0.5〜10mg/lのビタミンB1、0.5〜10mg/lのビタミンB2、0.5〜25mg/lのビタミンB6、0.5〜15μg/lのビタミンB12、15〜500mg/lのビタミンCを添加するのが好ましい。
より具体的には、実施例1に記載の組成にビタミンとして塩酸チアミン2.5mg/800mL、リン酸リボフラビンナトリウム2.5mg/800mL、シアノコバラミン5.0μg/800mL、塩酸ピリドキシン2.5mg/800mLを添加してビタミン配合糖・電解質液及びアスコルビン酸50.0mg/200mLを添加したアミノ酸液をそれぞれ調製した後、それぞれの液の800mLおよび200mLを易剥離シールで仕切られたプラスチック製容器(ダブルバッグ)の各室に充填し、密封した後、窒素雰囲気下による高圧蒸気滅菌を行うことで目的とするビタミン配合静脈投与用輸液を得ることができる。なお予め各ビタミンを輸液に配合しておく場合には、輸液中での分解による含量の減少を考慮して、投与に必要とされる量より増量しておくことが可能である。
ビタミン類を使用時に輸液に添加する場合、ビタミン類として市販の総合ビタミン剤(例えば「ビタジェクト(登録商標)」)を使用しても良いし、ビタミン類が糖液、アミノ酸液と別に収容されるマルチバッグの形態にしても良い。具体例としては、パルミチン酸レチノール330国際単位/ml、エルゴカルシフェロール1μg/ml、酢酸トコフェロール1.5mg/ml、フィトナジオン0.2mg/ml、シアノコバラミン1.0μg/mL、葉酸0.04mg/ml、ビオチン0.01mg/ml、アスコルビン酸10mg/mL、溶解補助剤としてプロピレングリコール等を含み、pH調整剤としてクエン酸等を用いてpH6.0とした液5mlと、塩酸チアミン0.3mg/ml、リン酸リボフラビンナトリウム0.51mg/ml、塩酸ピリドキシン0.4mg/ml、ニコチン酸アミド4mg/ml、pH調整剤として塩酸等を用いてpH3.5とした液5ml、および実施例1のアミノ酸液200ml、糖・電解質液800mlをそれぞれ易剥離シールで仕切られた4室からなるプラスチック製容器(マルチバッグ)の各室に充填、密封後、滅菌することでビタミン配合末梢静脈投与用輸液を得ることができる。
ビタミン類を使用時に輸液に添加する場合、ビタミン類として市販の総合ビタミン剤(例えば「ビタジェクト(登録商標)」)を使用しても良いし、ビタミン類が糖液、アミノ酸液と別に収容されるマルチバッグの形態にしても良い。具体例としては、パルミチン酸レチノール330国際単位/ml、エルゴカルシフェロール1μg/ml、酢酸トコフェロール1.5mg/ml、フィトナジオン0.2mg/ml、シアノコバラミン1.0μg/mL、葉酸0.04mg/ml、ビオチン0.01mg/ml、アスコルビン酸10mg/mL、溶解補助剤としてプロピレングリコール等を含み、pH調整剤としてクエン酸等を用いてpH6.0とした液5mlと、塩酸チアミン0.3mg/ml、リン酸リボフラビンナトリウム0.51mg/ml、塩酸ピリドキシン0.4mg/ml、ニコチン酸アミド4mg/ml、pH調整剤として塩酸等を用いてpH3.5とした液5ml、および実施例1のアミノ酸液200ml、糖・電解質液800mlをそれぞれ易剥離シールで仕切られた4室からなるプラスチック製容器(マルチバッグ)の各室に充填、密封後、滅菌することでビタミン配合末梢静脈投与用輸液を得ることができる。
なお、ビタミンB1は生体内における糖代謝の効率を増加させることができる。ビタミンB1はチアミンとして知られているが、従来から輸液に用いられているプロスルチアミン、アクトチアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン及びそれらの塩等のチアミン誘導体も本発明ではビタミン類として使うことができる。
本発明の輸液のpHはその機能上、特に静脈炎及び疼痛の発現を考慮して調整されていることが好ましく、より好ましくは6.0〜7.2である。pHを調整するには、輸液分野において通常用いられているpH調整剤を用いることができるが、pH調整剤としては、塩酸等の無機酸、酢酸及びクエン酸等の有機酸を使用できるが、静脈炎及び血管痛を抑える効果が期待できる有機酸を使用することが好ましい。
本発明の輸液のpHはその機能上、特に静脈炎及び疼痛の発現を考慮して調整されていることが好ましく、より好ましくは6.0〜7.2である。pHを調整するには、輸液分野において通常用いられているpH調整剤を用いることができるが、pH調整剤としては、塩酸等の無機酸、酢酸及びクエン酸等の有機酸を使用できるが、静脈炎及び血管痛を抑える効果が期待できる有機酸を使用することが好ましい。
本輸液の投与方法例としては、サーフロー針あるいは注射針、翼状針などの留置針をいずれかの末梢血管より挿入し留置することにより投与することができる。このような投与方法においては、連続投与が可能であり、軽〜中等度手術侵襲後の経口摂取ができない状態において、手術侵襲の回復に適切な栄養管理が可能なものとなる。
本発明の輸液は、1室の輸液容器に封入しても良いが、糖として還元糖を配合した場合、アミノ酸と還元糖が経時的にメイラード反応を生じる場合があるため、アミノ酸と糖は隔離収容される方が好ましい。
この問題を回避するために連通可能な隔離手段で区画された複数の容器に分離収容することができる。この連通可能な隔離手段で区画された複数の容器に分離収容された輸液は投与時に連通後混合して用いることができる。この場合、糖を含む溶液は、滅菌時及び保存安定性保持の面からpH4〜5に調製されることが好ましい。糖濃度としては、70w/v%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜30w/v%、さらに好ましくは3〜6w/v%である。一方、アミノ酸を含む溶液のアミノ酸濃度としては、1〜20w/v%が好ましく、より好ましくは5〜12w/v%である。また、リンとカルシウムは沈澱が生じやすいため、容器内で分離して充填、封入されることが好ましく、上記のように連通可能な隔離手段で区画された複数の容器に分離収容すれば沈殿を生じることを回避できる。リン及びカルシウムの無機及び有機塩以外の電解質成分も容器各室に収容される輸液の液性を考慮して上記のような手段で複数の輸液に分離して収容され、投与時に配合してもよい。また、微量元素などの一部の電解質やビタミン類も糖、アミノ酸及び他の電解質と空間的に分離して収容されてもよい。
本発明の輸液は、1室の輸液容器に封入しても良いが、糖として還元糖を配合した場合、アミノ酸と還元糖が経時的にメイラード反応を生じる場合があるため、アミノ酸と糖は隔離収容される方が好ましい。
この問題を回避するために連通可能な隔離手段で区画された複数の容器に分離収容することができる。この連通可能な隔離手段で区画された複数の容器に分離収容された輸液は投与時に連通後混合して用いることができる。この場合、糖を含む溶液は、滅菌時及び保存安定性保持の面からpH4〜5に調製されることが好ましい。糖濃度としては、70w/v%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜30w/v%、さらに好ましくは3〜6w/v%である。一方、アミノ酸を含む溶液のアミノ酸濃度としては、1〜20w/v%が好ましく、より好ましくは5〜12w/v%である。また、リンとカルシウムは沈澱が生じやすいため、容器内で分離して充填、封入されることが好ましく、上記のように連通可能な隔離手段で区画された複数の容器に分離収容すれば沈殿を生じることを回避できる。リン及びカルシウムの無機及び有機塩以外の電解質成分も容器各室に収容される輸液の液性を考慮して上記のような手段で複数の輸液に分離して収容され、投与時に配合してもよい。また、微量元素などの一部の電解質やビタミン類も糖、アミノ酸及び他の電解質と空間的に分離して収容されてもよい。
本発明における輸液容器の本体を構成する材料としては、可撓性及び透明性に優れ、かつ低温保存後に落下しても破袋し難い軟質の樹脂材料が好ましい。特に、通常医療用容器に用いられているポリオレフィン類からなるものを好適に挙げることができる。ポリオレフィン類は例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン及びポリ4-メチル-1-ペンテン等の重合応体を挙げることができる。容器本体は、前記樹脂をブロー成形、インフレーションあるいはデフレーション成形したものいずれでも使用できる。また、2枚の樹脂シートの周縁部を溶着して形成したものでも良い。
容器本体を複数の空間に区画するには、例えば使用時に外部からの押圧で剥離可能なシール部で区画し複数の空間を容器内に形成する方法(特開平2-4671号公報)や、破断により連通する薄肉部を有する連通部材を用いて作成することができる(特開2000-167022号公報、特開2001-87350号公報)。
また、ビタミン類等の薬液を容器内で分離・封入する場合は、複数の空間を持つ小袋を容器本体のいずれかの空間内部もしくは容器周縁部に設け、この小袋内に収容することができる。この際、小袋は充填する成分を吸着し難い材質を選択することが好ましく、ポリ弗化エチレン(テフロン(登録商標)等)及び環状オレフィンコポリマーを好適に挙げることができる。
容器本体を複数の空間に区画するには、例えば使用時に外部からの押圧で剥離可能なシール部で区画し複数の空間を容器内に形成する方法(特開平2-4671号公報)や、破断により連通する薄肉部を有する連通部材を用いて作成することができる(特開2000-167022号公報、特開2001-87350号公報)。
また、ビタミン類等の薬液を容器内で分離・封入する場合は、複数の空間を持つ小袋を容器本体のいずれかの空間内部もしくは容器周縁部に設け、この小袋内に収容することができる。この際、小袋は充填する成分を吸着し難い材質を選択することが好ましく、ポリ弗化エチレン(テフロン(登録商標)等)及び環状オレフィンコポリマーを好適に挙げることができる。
本発明輸液は、体重の維持、アミノ酸の窒素保持効果など、栄養効果に優れている。さらに体脂肪燃焼効果を有することから、体脂肪を積極的に燃やすことが可能な患者、すなわち短期間の間であればエネルギー変換可能な体脂肪を有している、ボディマス指標:体重(kg)/(身長(m)×身長(m))が18以上の患者へ投与することが好ましく、また投与後の血中インスリン濃度を上昇させる作用が弱いことから、高齢者、糖尿病及び術後高血糖など血糖値が高い患者へ投与することも好ましい。
実施例1
<糖・電解質液>
ブドウ糖43.0g/800ml、塩化ナトリウム2.05g/800ml、硫酸マグネシウム0.62g/800ml、グルコン酸カルシウム1.12g/800ml、硫酸亜鉛1.44mg/800mlを注射用蒸留水に溶解し、pH調節剤として微量の氷酢酸を用いてpH4.2とし、糖・電解質液を得た。
<アミノ酸液>
窒素バブリング下、L−イソロイシン1.820g/200ml、L−ロイシン2.580g/200ml、酢酸L−リジン2.000g/200ml、L−メチオニン0.880g/200ml、L−フェニルアラニン1.400g/200ml、L−トレオニン1.500g/200ml、L−トリプトファン0.260g/200ml、L−バリン2.800g/200ml、L−アラニン1.420g/200ml、L−アルギニン1.800g/200ml、L−アスパラギン酸0.200g/200ml、L−システイン0.070g/200ml、L−グルタミン酸0.100g/200ml、L−ヒスチジン1.000g/200ml、L−プロリン1.000g/200ml、L−セリン0.340g/200ml、L−チロジン0.080g/200ml、グリシン1.400g/200ml、リン酸水素二カリウム1.742g/200mlおよび亜硫酸水素ナトリウム60mg/200mlを注射用蒸留水に溶解し、pH調整剤として氷酢酸を用いてpH7.0とし、アミノ酸液を得た。
<糖・電解質液>
ブドウ糖43.0g/800ml、塩化ナトリウム2.05g/800ml、硫酸マグネシウム0.62g/800ml、グルコン酸カルシウム1.12g/800ml、硫酸亜鉛1.44mg/800mlを注射用蒸留水に溶解し、pH調節剤として微量の氷酢酸を用いてpH4.2とし、糖・電解質液を得た。
<アミノ酸液>
窒素バブリング下、L−イソロイシン1.820g/200ml、L−ロイシン2.580g/200ml、酢酸L−リジン2.000g/200ml、L−メチオニン0.880g/200ml、L−フェニルアラニン1.400g/200ml、L−トレオニン1.500g/200ml、L−トリプトファン0.260g/200ml、L−バリン2.800g/200ml、L−アラニン1.420g/200ml、L−アルギニン1.800g/200ml、L−アスパラギン酸0.200g/200ml、L−システイン0.070g/200ml、L−グルタミン酸0.100g/200ml、L−ヒスチジン1.000g/200ml、L−プロリン1.000g/200ml、L−セリン0.340g/200ml、L−チロジン0.080g/200ml、グリシン1.400g/200ml、リン酸水素二カリウム1.742g/200mlおよび亜硫酸水素ナトリウム60mg/200mlを注射用蒸留水に溶解し、pH調整剤として氷酢酸を用いてpH7.0とし、アミノ酸液を得た。
<末梢静脈投与用輸液>
上記で得られた両液を無菌ろ過し、糖・電解質液800mlおよびアミノ酸液200mlをそれぞれ易剥離シールで仕切られたプラスチック製容器(ダブルバッグ)の各室に充填し、密封した後、窒素雰囲気下による高圧蒸気滅菌を行った。冷却乾燥後、脱酸素剤(商品名「エージレス」;三菱ガス化学社製)とともに酸素バリア性外包装で包装し、末梢静脈投与用輸液1を得た。この製剤の2液を混合したときのpHは6.6、浸透圧比は1.9であった。
実施例2
実施例1においてアミノ酸液のpHを6.6にした以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して末梢静脈投与用輸液2を得た。この製剤の2液を混合したときのpHは6.3、浸透圧比は1.9であった。混合後の組成は表2の被験液Eとして示した。
上記で得られた両液を無菌ろ過し、糖・電解質液800mlおよびアミノ酸液200mlをそれぞれ易剥離シールで仕切られたプラスチック製容器(ダブルバッグ)の各室に充填し、密封した後、窒素雰囲気下による高圧蒸気滅菌を行った。冷却乾燥後、脱酸素剤(商品名「エージレス」;三菱ガス化学社製)とともに酸素バリア性外包装で包装し、末梢静脈投与用輸液1を得た。この製剤の2液を混合したときのpHは6.6、浸透圧比は1.9であった。
実施例2
実施例1においてアミノ酸液のpHを6.6にした以外は実施例1と全く同じ操作を繰り返して末梢静脈投与用輸液2を得た。この製剤の2液を混合したときのpHは6.3、浸透圧比は1.9であった。混合後の組成は表2の被験液Eとして示した。
実施例3
<ビタミン配合末梢静脈投与用輸液1>
実施例2において、窒素バブリング下、糖・電解質液に塩酸チアミン2.6mg/800ml(水分含量補正すると塩酸チアミンとして2.5mg/800ml)、リン酸リボフラビンナトリウム2.78mg/800ml(水分含量補正するとリン酸リボフラビンナトリウムとして2.5mg/800ml)、シアノコバラミン5.1μg/800ml(水分含量補正するとシアノコバラミンとして5.0μg/800ml)、塩酸ピリドキシン2.50mg/800ml(水分含量補正するとピリドキシンとして2.5mg/800ml)を溶解し、pH4.2に調製した。また、実施例2においてアミノ酸液にアスコルビン酸50mg/200ml(水分含量補正するとアスコルビン酸として50.0mg/200ml)を溶解した。外包装として遮光酸素バリア性外包装を用いた以外は実施例2と全く同じ操作を繰り返して末梢静脈投与用輸液3を得た。この製剤の2液を混合したときのpHは6.3、浸透圧比は2.0であった。
尚、高圧蒸気滅菌直後のシアノコバラミンの量を微生物学的定量法により、またシアノコバラミン以外のビタミンの量を液体クロマトグラフ法により測定した分析結果を表1に示す。
<ビタミン配合末梢静脈投与用輸液1>
実施例2において、窒素バブリング下、糖・電解質液に塩酸チアミン2.6mg/800ml(水分含量補正すると塩酸チアミンとして2.5mg/800ml)、リン酸リボフラビンナトリウム2.78mg/800ml(水分含量補正するとリン酸リボフラビンナトリウムとして2.5mg/800ml)、シアノコバラミン5.1μg/800ml(水分含量補正するとシアノコバラミンとして5.0μg/800ml)、塩酸ピリドキシン2.50mg/800ml(水分含量補正するとピリドキシンとして2.5mg/800ml)を溶解し、pH4.2に調製した。また、実施例2においてアミノ酸液にアスコルビン酸50mg/200ml(水分含量補正するとアスコルビン酸として50.0mg/200ml)を溶解した。外包装として遮光酸素バリア性外包装を用いた以外は実施例2と全く同じ操作を繰り返して末梢静脈投与用輸液3を得た。この製剤の2液を混合したときのpHは6.3、浸透圧比は2.0であった。
尚、高圧蒸気滅菌直後のシアノコバラミンの量を微生物学的定量法により、またシアノコバラミン以外のビタミンの量を液体クロマトグラフ法により測定した分析結果を表1に示す。
実施例4
アミノ酸及びブドウ糖含有量の異なる4種類の糖・電解質・アミノ酸輸液として被験輸液A、B、C及びDを表2に示す最終濃度になるような組成にて調製した。すなわち、表2に示すアミノ酸及びリン酸水素二カリウムを注射用水に溶解して調製したアミノ酸液の最終濃度を、表3に示すように0、2、3及び5%とし、かつ最終調製時の浸透圧比が2になるような配合比でグルコースと各電解質を配合した。電解質の最終組成は市販対照輸液Fに習い、全て同一組成となるよう調製した。各被験輸液の最終pHは6.3となるように酢酸を添加した。調製した輸液は、直ちにろ過滅菌を実施し滅菌した容器に封入した。
アミノ酸及びブドウ糖含有量の異なる4種類の糖・電解質・アミノ酸輸液として被験輸液A、B、C及びDを表2に示す最終濃度になるような組成にて調製した。すなわち、表2に示すアミノ酸及びリン酸水素二カリウムを注射用水に溶解して調製したアミノ酸液の最終濃度を、表3に示すように0、2、3及び5%とし、かつ最終調製時の浸透圧比が2になるような配合比でグルコースと各電解質を配合した。電解質の最終組成は市販対照輸液Fに習い、全て同一組成となるよう調製した。各被験輸液の最終pHは6.3となるように酢酸を添加した。調製した輸液は、直ちにろ過滅菌を実施し滅菌した容器に封入した。
実施例5
糖・アミノ酸・電解質からなる輸液の浸透圧比2とした場合に、開腹手術侵襲モデルラットにおいて最も栄養効果の高い糖とアミノ酸の配合比率を検討した。
7週齢の雄性SDラットを一日絶食後、体重が均等に配置されるよう群分けし、ペントバルビタールNa麻酔下、腹部正中より約4cm開腹後、直ちに閉腹するとともに右外頚静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝ケージへ移動後し絶食絶水とし、投与速度2.5mL/hにて被験輸液A、B、C及びDを3日間持続投与した。この間、体重、尿量測定・採取及び状態観察を実施した。
体重では輸液の投与において差はなかったが、図1に示すように窒素出納はアミノ酸の配合により大きく改善した。維持カロリー量に満たない低カロリーで、かつ浸透圧比2以下の輸液の投与においては、2%以上のアミノ酸が配合されていれば、アミノ酸の窒素保持効果が高く維持される可能性が示唆された。
糖・アミノ酸・電解質からなる輸液の浸透圧比2とした場合に、開腹手術侵襲モデルラットにおいて最も栄養効果の高い糖とアミノ酸の配合比率を検討した。
7週齢の雄性SDラットを一日絶食後、体重が均等に配置されるよう群分けし、ペントバルビタールNa麻酔下、腹部正中より約4cm開腹後、直ちに閉腹するとともに右外頚静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝ケージへ移動後し絶食絶水とし、投与速度2.5mL/hにて被験輸液A、B、C及びDを3日間持続投与した。この間、体重、尿量測定・採取及び状態観察を実施した。
体重では輸液の投与において差はなかったが、図1に示すように窒素出納はアミノ酸の配合により大きく改善した。維持カロリー量に満たない低カロリーで、かつ浸透圧比2以下の輸液の投与においては、2%以上のアミノ酸が配合されていれば、アミノ酸の窒素保持効果が高く維持される可能性が示唆された。
実施例6
被験輸液Eと市販対照輸液Fを開腹外科手術侵襲ラットに持続投与した場合の安静時エネルギー産生量及びエネルギー構成比に与える影響を比較検討した。
7週齢の雄性SDラットを一日絶食後、体重が均等に配置されるよう群分けした。ペントバルビタールNaで麻酔し、腹部正中より約4cm開腹後、直ちに閉腹するとともに右外頚静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝測定装置の密閉したチャンバー内で絶食絶水にて、2.5mL/hにて実施例2で調製した被験輸液Eまたは市販対照輸液Fを中心静脈より72時間持続投与した。その間、チャンバー内の酸素消費量及び二酸化炭素排出量を測定して、呼吸商、さらに各栄養成分の消費エネルギー量を算出した。投与72時間後の血中インスリン濃度を測定した。
図2に示すように被験輸液Eは投与カロリーが少ないにもかかわらず安静時のエネルギー消費量は市販輸液と同レベルを維持していた。脂肪の燃焼量が増えており体脂肪の燃焼量を増やすことでエネルギー消費量が維持されているものと推察された。また、図3に示すように、被験輸液Eの投与では同化ホルモンである血中のインスリン濃度は低く維持されていた。インスリンは脂肪の合成を促進する作用があることから、血中インスリン濃度が低いことが体脂肪の燃焼の促進に有利に作用した可能性が考えられた。
被験輸液Eと市販対照輸液Fを開腹外科手術侵襲ラットに持続投与した場合の安静時エネルギー産生量及びエネルギー構成比に与える影響を比較検討した。
7週齢の雄性SDラットを一日絶食後、体重が均等に配置されるよう群分けした。ペントバルビタールNaで麻酔し、腹部正中より約4cm開腹後、直ちに閉腹するとともに右外頚静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝測定装置の密閉したチャンバー内で絶食絶水にて、2.5mL/hにて実施例2で調製した被験輸液Eまたは市販対照輸液Fを中心静脈より72時間持続投与した。その間、チャンバー内の酸素消費量及び二酸化炭素排出量を測定して、呼吸商、さらに各栄養成分の消費エネルギー量を算出した。投与72時間後の血中インスリン濃度を測定した。
図2に示すように被験輸液Eは投与カロリーが少ないにもかかわらず安静時のエネルギー消費量は市販輸液と同レベルを維持していた。脂肪の燃焼量が増えており体脂肪の燃焼量を増やすことでエネルギー消費量が維持されているものと推察された。また、図3に示すように、被験輸液Eの投与では同化ホルモンである血中のインスリン濃度は低く維持されていた。インスリンは脂肪の合成を促進する作用があることから、血中インスリン濃度が低いことが体脂肪の燃焼の促進に有利に作用した可能性が考えられた。
実施例7
輸液へのアミノ酸の配合が安静時のエネルギー産生量およびエネルギー構成比に与える影響を比較検討した。
7週齢の雄性SDラットを一日絶食後、体重が均等に配置されるよう群分けした。ペントバルビタールNaで麻酔し腹部正中より約4cm開腹後、直ちに閉腹するとともに右外頚静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝測定装置のチャンバー内で絶食絶水にて、被験輸液を2.5mL/hにて投与を2日間継続した。すなわち被験輸液E(2%アミノ酸、4.3%グルコース配合)と、被験輸液Eのアミノ酸をグルコースに置換し同カロリーにて調製した被験輸液G(6.3%グルコース配合)をそれぞれ中心静脈より48時間持続投与した。その間、酸素消費量及び二酸化炭素排出量を測定して呼吸商、さらに各栄養成分の消費エネルギー量を算出した。その結果を図4に示す。
被験輸液E投与群、被験輸液G投与群ともに投与カロリーが等しいにもかかわらず安静時消費エネルギー量はアミノ酸を配合したほうが高く、消費エネルギー構成比としては蛋白と脂肪が高かった。このことから、アミノ酸を配合することで、投与したアミノ酸または体蛋白がエネルギー源として消費されるが、体脂肪がエネルギー源としてより積極的に利用されやすくなるものと推察された。
輸液へのアミノ酸の配合が安静時のエネルギー産生量およびエネルギー構成比に与える影響を比較検討した。
7週齢の雄性SDラットを一日絶食後、体重が均等に配置されるよう群分けした。ペントバルビタールNaで麻酔し腹部正中より約4cm開腹後、直ちに閉腹するとともに右外頚静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝測定装置のチャンバー内で絶食絶水にて、被験輸液を2.5mL/hにて投与を2日間継続した。すなわち被験輸液E(2%アミノ酸、4.3%グルコース配合)と、被験輸液Eのアミノ酸をグルコースに置換し同カロリーにて調製した被験輸液G(6.3%グルコース配合)をそれぞれ中心静脈より48時間持続投与した。その間、酸素消費量及び二酸化炭素排出量を測定して呼吸商、さらに各栄養成分の消費エネルギー量を算出した。その結果を図4に示す。
被験輸液E投与群、被験輸液G投与群ともに投与カロリーが等しいにもかかわらず安静時消費エネルギー量はアミノ酸を配合したほうが高く、消費エネルギー構成比としては蛋白と脂肪が高かった。このことから、アミノ酸を配合することで、投与したアミノ酸または体蛋白がエネルギー源として消費されるが、体脂肪がエネルギー源としてより積極的に利用されやすくなるものと推察された。
実施例8
被験輸液Eと市販対照輸液Fを正常ラットに持続投与した場合の血糖値及びインスリン値に与える影響を比較検討した。
7週齢の雄性SDラットを体重が均等に配置されるよう群分けした。ペントバルビタールNaで麻酔し、右外頚静脈及び右大腿静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝ケージ内で1日絶食後、各被験輸液を2.5mL/hrにて24時間投与を継続した。被験輸液投与前及び被験輸液投与開始0.5、1、2、4、8及び24時間目の、血糖値及びインスリン値を測定した。その結果を図5及び図6にそれぞれ示す。
被験輸液E投与群は市販対照輸液F投与群に比べ血糖値及びインスリン値の上昇が有意に低かった。このことから、グルコースの配合を4.3%にすることで、血糖値及びインスリン値の大幅な上昇を抑制することができる可能性が示唆された。
被験輸液Eと市販対照輸液Fを正常ラットに持続投与した場合の血糖値及びインスリン値に与える影響を比較検討した。
7週齢の雄性SDラットを体重が均等に配置されるよう群分けした。ペントバルビタールNaで麻酔し、右外頚静脈及び右大腿静脈よりカテーテルを挿入した。手術後、代謝ケージ内で1日絶食後、各被験輸液を2.5mL/hrにて24時間投与を継続した。被験輸液投与前及び被験輸液投与開始0.5、1、2、4、8及び24時間目の、血糖値及びインスリン値を測定した。その結果を図5及び図6にそれぞれ示す。
被験輸液E投与群は市販対照輸液F投与群に比べ血糖値及びインスリン値の上昇が有意に低かった。このことから、グルコースの配合を4.3%にすることで、血糖値及びインスリン値の大幅な上昇を抑制することができる可能性が示唆された。
Claims (13)
- アミノ酸を含有する輸液において、生理食塩水に対する浸透圧比が1〜2で、かつ非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が80以下であり、総熱量が150〜300kcal/lであることを特徴とする静脈投与用輸液。
- さらに糖を含有し、非蛋白熱量(kcal)/総窒素量(g)が10〜80であることを特徴とする請求項1記載の静脈投与用輸液。
- ブドウ糖が2.0〜7.5 w/v%でアミノ酸総量が1.0〜5.0 w/v%である請求項2記載の静脈投与用輸液。
- さらに電解質を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の静脈投与用輸液。
- 下記の組成を有する請求項4記載の静脈投与用輸液。
L-イソロイシン 0.1〜5.0 g/l
L-ロイシン 0.2〜9.0 g/l
L-バリン 0.2〜10.0 g/l
L-リジン 0.15〜6.0 g/l
L-メチオニン 0.1〜7.0 g/l
L-フェニルアラニン 0.1〜7.7 g/l
L-トレオニン 0.1〜5.0 g/l
L-トリプトファン 0.02〜3.0 g/l
L-アラニン 0.1〜6.8 g/l
L-アルギニン 0.1〜11.3 g/l
L-アスパラギン酸 0.02〜5.0 g/l
L-システイン 0.01〜0.7 g/l
L-グルタミン酸 0.01〜3.6 g/l
L-ヒスチジン 0.1〜4.1 g/l
L-プロリン 0.1〜5.9 g/l
L-セリン 0.05〜2.0 g/l
L-チロジン 0.0〜1.0 g/l
グリシン 0.1〜5.4 g/l
Na+ 20〜150 mEq/l
K+ 2〜50 mEq/l
Ca2+ 0〜15 mEq/l
Mg2+ 0〜15 mEq/l
Cl- 20〜150 mEq/l
P 0〜20 mmol/l
Zn2+ 0〜20 μmol/l - さらにビタミン類を含む請求項1〜5のいずれかに記載の静脈投与用輸液。
- ビタミン類が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD類、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンH、葉酸、パントテン酸類及びニコチン酸類である請求項6記載の静脈投与用輸液。
- ビタミン類が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCである請求項6記載の静脈投与用輸液。
- ビタミン類が、ビタミンB1である請求項6記載の静脈投与用輸液。
- 連通後混合可能な隔離手段で区画された複数の空間をもつ容器に分離封入された請求項1〜9のいずれかに記載の静脈投与用輸液。
- 第1室に糖を含有する溶液が充填され、第2室にアミノ酸を含有する溶液が充填されている請求項10記載の静脈投与用輸液。
- 一部の電解質が、第1室と第2室以外の空間に分離して収容されている請求項11記載の静脈投与用輸液。
- ビタミン類が、第1室と第2室以外の空間に分離して収容されている請求項11または12記載の静脈投与用輸液。
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