JP2005131971A - セラミックグリーンシート−樹脂シート複合体およびその製造方法 - Google Patents

セラミックグリーンシート−樹脂シート複合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 凹部を有するセラミック多層配線基板の製造において、積層後に凹部となる貫通孔を形成したグリーンシートを積層する際に、凹部とそれ以外の部分とで圧力のバラツキが生じて積層時に変形が生じやすく、この変形を防止するために圧力を低減するとグリーンシート間の密着不良が発生するという問題があった。
【解決手段】 グリーンシート樹脂シート複合体A1は、グリーンシート1に形成された貫通孔3に樹脂シート2が嵌め込まれて成り、グリーンシート1を焼結した際に樹脂シート2が熱分解することによって貫通孔3が形成された焼結体を作製するためのものであって、樹脂シート2が架橋されたアクリル樹脂ビーズ、アクリル樹脂バインダー、可塑剤を含んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックグリーンシート積層体の焼成過程で分解焼失する樹脂シートを備えたセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体、およびその製造方法に関する。
従来、セラミックスを絶縁基板材料とする配線基板は、セラミック絶縁層が多層に積層された絶縁基板の表面または内部にメタライズ配線層が配設された構造からなり、代表的な例として、LSI等の半導体素子などを収納するパッケージが挙げられる。このようなパッケージとしては、絶縁基板材料として従来よりアルミナ等のセラミックスからなるものが多用され、さらに最近では、銅メタライズ配線層との同時焼成を可能にしたガラスセラミックスなどの低温焼成型の焼結体を絶縁基板とするものも実用化されている。
このような半導体素子などの電子部品を収納するための凹部を有するセラミック多層配線基板を製造するには、一般には、先ず所定の比率で調合したセラミック原料粉末にバインダーとして適当な樹脂を添加し、有機溶媒中に分散させてスラリーを調製し、従来周知のドクターブレード法等のキャスト法により、所定の厚みのセラミックグリーンシートを成形する。
そして、適当な金属粉末に樹脂、溶剤、可塑材を添加混合して得た金属ペーストを、セラミックグリーンシートに周知のスクリーン印刷法により所定の配線パターンに印刷塗布するとともに、打ち抜き法やレーザで貫通孔を形成してその貫通孔内に金属ペーストを充填することにより、上下の配線層を電気的に接続する貫通導体(ビア導体)を形成する。
そして、電子部品を収納する凹部を形成するために、セラミックグリーンシートの所定箇所に貫通孔を打ち抜き加工により形成する。
その後、図5の従来の製造方法の工程図における(a)に示すように、貫通孔20が形成されたセラミックグリーンシート21a、21bを他のセラミックグリーンシート21c、21d、21eとともに、適当な密着液を用いて複数積層し、得られたセラミック積層体を所定の条件で焼成することによって、図5(b)に示すような電子部品収納用の凹部21を有するセラミック多層配線基板23が得られる。
上記の従来のセラミック多層配線基板(以下、基板ともいう)23においては、基板23の小型化を図るうえで、配線パターンおよびビア導体の微細化が必要であり、積層時の高い位置精度が不可欠である。
しかしながら、凹部21を有する基板23は、凹部21を構成する貫通孔20が形成されたセラミックグリーンシート21a、21bと他のセラミックグリーンシート21c、21d、21eとを圧力をかけて積層する際、凹部21とそれ以外の部分とで圧力のバラツキが生じて積層時に変形が生じやすく、この変形を防止するために圧力を低減すると、セラミックグリーンシート21a〜21e間の密着不良が発生するという問題があった。
なお、ここでいう変形とは、図5に示すように、セラミックグリーンシート21a〜21eの積層体に対する垂直方向の加圧により、凹部21周辺部のセラミックグリーンシート21a、21bに発生する水平方向の変形と、セラミックグリーンシート21cにおける凹部21の底部が膨らむ変形が挙げられる。このうち、凹部21底部の膨らみは、LSIチップなどの電子部品を搭載する際にボンディング不良が発生する原因となるという問題があった。
また、凹部21底部の膨らみは、積層圧力を下げることにより低減されるものの、凹部21周辺部に層間剥離(デラミネーション)22が発生するという問題があった。
凹部21底部の膨らみを発生させることなく層間剥離を防止するためには、加圧積層時に、凹部21に保形のための何らかの物質(保形材料)が充填されていることが望ましい。凹部21に保形材料を充填する方法としては、従来、凸形状のプレス型、加圧後焼成前に除去される樹脂板、焼成時に昇華する充填物等が提案されている。しかし、凸形状のプレス型および樹脂板は凹部21底部に段差を生じやすく、昇華性の充填物は凹部21と同形状への成形が困難であり粉末状の場合層間に侵入するという問題があった。
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、凹部を有するセラミック多層配線基板を製造するのに好適に用いられるセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体およびその製造方法を提供することである。本発明における樹脂シートは、積層後に凹部を形成するセラミックグリーンシートの貫通孔に嵌め込むことにより、積層時には均一な加圧を可能とし、焼成時には熱分解により焼失するものである。この樹脂シートに要求される物性としては、厚みが実質的にセラミックグリーンシートと等しく、セラミックグリーンシートの貫通孔と実質的に同形状であり、セラミックグリーンシートの貫通孔を破損すること無く嵌め込むことが可能であり、かつ焼成時に分解焼失することが挙げられる。
特開平10−12345号公報
本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体は、セラミックグリーンシートに形成された貫通孔に樹脂シートが嵌め込まれて成り、前記セラミックグリーンシートを焼結した際に前記樹脂シートが熱分解することによって貫通孔が形成された焼結体を作製するためのセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体であって、前記樹脂シートが架橋されたアクリル樹脂ビーズ、アクリル樹脂バインダーおよび可塑剤を含むことを特徴とするものである。
本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の製造方法は、セラミックグリーンシートに打ち抜き型を用いて貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔が形成されたセラミックグリーンシートに前記樹脂シートを載置した後に前記打ち抜き型を用いて前記樹脂シート側から押圧することにより前記樹脂シートの一部を前記貫通孔に嵌め込む工程とを具備することを特徴とするものである。
また、本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の製造方法は、セラミックグリーンシートに打ち抜き型を用いて第1の貫通孔を形成する工程と、前記第1の貫通孔と同形状の第2の貫通孔が形成された金属板上に前記樹脂シートを載置する工程と、前記樹脂シートを載置した前記金属板を前記第2の貫通孔が前記第1の貫通孔に合致するように前記セラミックグリーンシート上に載置する工程と、前記打ち抜き型を用いて前記樹脂シート側から押圧することにより前記樹脂シートの一部を前記第1の貫通孔に嵌め込む工程とを具備することを特徴とするものである。
また、本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の製造方法は、貫通孔が形成された金属板をセラミックグリーンシート上に載置する工程と、打ち抜き型を用いて前記金属板側から前記貫通孔を通して前記セラミックグリーンシートに貫通孔を形成する工程と、前記金属板上に前記樹脂シートを載置した後に前記打ち抜き型を用いて前記樹脂シート側から押圧することにより前記樹脂シートの一部を前記貫通孔に嵌め込む工程とを具備することを特徴とするものである。
本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体(以下、複合体ともいう)は、樹脂シートが、架橋されたアクリル樹脂ビーズ(以下、ビーズともいう)、アクリル樹脂バインダー(以下、バインダーともいう)および可塑剤を含んで成る。これにより、セラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)に形成された貫通孔に樹脂シートを嵌め込む際に、打ち抜き型による良好な打ち抜き性が得られる。すなわち、ビーズは、打ち抜き時に樹脂シートの破断強度を下げるとともに打ち抜いた樹脂シートの輪郭部分に生じるクラックの伝播を防止するものであり、バインダーは、柔軟な樹脂シートの形状を保つものであり、可塑剤は、バインダーの破断強度を下げるのに有効である。
本発明の樹脂シートは、グリーンシートの焼成段階において容易に分解焼失するために、ビーズおよびバインダーとしてアクリル樹脂を用いている。このアクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独重合体または共重合体であり、特にバインダーとして用いるアクリル樹脂は、柔軟性、打ち抜き性、保形性、耐粘着性を得るために、共重合成分を含むことおよび分子量を調整することが有効である。
また、本発明の樹脂シートは、その一部が嵌め込まれるグリーンシートと実質的に厚みが等しいことがよい。これは、樹脂シートが貫通孔に嵌め込まれたグリーンシートを積層する際に圧力を均一に加えるためであり、厚み精度が高い樹脂シートの製造方法としては、従来周知のドクターブレード法等のスラリー塗布方式が望ましい。すなわち、本発明の樹脂シートは、架橋されたビーズ、バインダーおよび可塑剤と、有機溶剤を混合して得られるスラリーをキャリアフィルム上に塗布し乾燥することにより作製される。この有機溶剤は、バインダーを溶解するものであり、具体的にはエステル類、ケトン類、トルエン等がよく、これらの有機溶剤へのビーズの溶解を防ぐために、本発明では架橋されたビーズを用いている。
本発明の樹脂シートは、例えば、架橋された樹脂ビーズを溶媒中に分散する工程と、バインダーおよび可塑剤を添加混合する工程と、得られたスラリーを真空脱泡する工程と、真空脱泡したスラリーをキャリアフィルム上に塗布する工程と、塗布したスラリーを乾燥する工程とを備えた製造方法によって作製される。また、架橋されたビーズを有機溶剤中に分散する工程において、バインダーおよび可塑剤の一部または全てを予め有機溶剤に溶解しておくことも可能である。ここで、バインダーの添加比率を上げると、得られる樹脂シートの強度が上がり、成形性およびハンドリング性が良くなるものの、打ち抜き性が低下する。一方、樹脂バインダーの添加比率を下げると、得られる樹脂シートの強度が下がり、打ち抜き性は良くなるものの成形性およびハンドリング性は低下する。また、可塑剤の添加比率を上げると、得られる樹脂シートの強度が下がり、打ち抜き性はよくなるものの粘着性が増加する。このため、バインダーの添加比率と可塑剤の添加比率を調整することが好ましい。
また、樹脂シートをグリーンシートの貫通孔に嵌め込むことにより得られる本発明の複合体は、他のグリーンシートや他の複合体と積層することにより、焼成後にセラミック多層配線基板の凹部となる箇所に樹脂シートが充填された積層体が得られる。本発明によれば、複数のグリーンシートを積層する際に従来は空隙であった貫通孔に樹脂シートが嵌め込まれているために、積層時に高い圧力を加えた場合であっても、凹部底部が加圧されることにより凹部底部に膨らみを発生させることなく、デラミネーションが発生しないものとなり、高い圧力を加えることが可能となる。その結果、積層体におけるデラミネーションの発生および変形を防止することができる。また、この積層体を焼成して樹脂シートを熱分解除去することによって、変形のない凹部を有するセラミック多層配線基板を製造することができる。
本発明の複合体の製造方法(第1の製造方法)は、グリーンシートに打ち抜き型を用いて貫通孔を形成する工程と、貫通孔が形成されたグリーンシートに樹脂シートを載置した後に打ち抜き型を用いて樹脂シート側から押圧することにより樹脂シートの一部を貫通孔に嵌め込む工程とを具備することから、貫通孔を形成したグリーンシート上に直に樹脂シートを載置するため、樹脂シートを打ち抜き型で押圧することにより樹脂シートの一部を貫通孔に嵌め込むことができ、製造工程および製造設備が簡易なものとなり、また破損しにくいグリーンシートに対しては有効である。
また、本発明の複合体の製造方法(第2の製造方法)は、グリーンシートに打ち抜き型を用いて第1の貫通孔を形成する工程と、第1の貫通孔と同形状の第2の貫通孔が形成された金属板上に樹脂シートを載置する工程と、樹脂シートを載置した金属板を第2の貫通孔が第1の貫通孔に合致するようにグリーンシート上に載置する工程と、打ち抜き型を用いて樹脂シート側から押圧することにより樹脂シートの一部を第1の貫通孔に嵌め込む工程とを具備することから、樹脂シートを打ち抜き型で押圧することにより樹脂シートの一部を貫通孔に嵌め込む際に、グリーンシートと樹脂シートとの間に第2の貫通孔が形成された金属板が配置されるため、樹脂シートは金属板の第2の貫通孔を通して打ち抜かれることにより、グリーンシートに形成された第1の貫通孔の外周部の破損を防ぐことができる。また、樹脂シートを打ち抜き装置外で金属板上に載置した後にグリーンシート上に配置するため、グリーンシートの第1の貫通孔の内壁を破損しにくい脆い樹脂シートの使用が可能となる。すなわち、グリーンシートの第1の貫通孔に樹脂シートの一部を嵌め込む際に、グリーンシートと樹脂シートとの摩擦力によってグリーンシートの第1の貫通孔の内壁(特に内壁の上下端)が破損する場合があるが、本第2の製造方法によると、その破損が発生しにくくなる。
本第2の製造方法は、第1の製造方法に比べて製造設備は複雑になるものの、第1の製造方法では打ち抜き型(支持用の下型と打ち抜き用の上型)間への挿入作業が困難であった脆い樹脂シートの使用が可能となるとともに、破損しやすいグリーンシートに対しても有効である。
本発明の複合体の製造方法(第3の製造方法)は、貫通孔が形成された金属板をグリーンシート上に載置する工程と、打ち抜き型を用いて金属板側から貫通孔を通してグリーンシートに貫通孔を形成する工程と、金属板上に樹脂シートを載置した後に打ち抜き型を用いて樹脂シート側から押圧することにより樹脂シートの一部を貫通孔に嵌め込む工程とを具備することから、第2の製造方法と同様に、樹脂シートを打ち抜き型で押圧することにより樹脂シートの一部を貫通孔に嵌め込む際に、グリーンシートと樹脂シートとの間に貫通孔が形成された金属板が配置されるため、樹脂シートは金属板の貫通孔を通して打ち抜かれることにより、グリーンシートに形成される貫通孔の内壁の破損を防ぐことができる。
本第3の製造方法では、第1の製造方法と同様に、樹脂シートを打ち抜き型間に挿入する必要があるため、第2の製造方法で使用することが可能な脆い樹脂シートを使用することは困難である。しかし、貫通孔が形成された金属板を打ち抜き型と一体的に使用することができるため、第1および第2の貫通孔の高い位置合せ精度を必要とする第2の製造方法に比べて製造設備は簡易となる。
本発明の複合体およびその製造方法について図1〜図4を基に以下に説明する。
(グリーンシートの製造方法)
本発明のグリーンシート1は、所定の比率で調合したセラミック原料粉末に必要に応じて分散剤を添加し、これを有機溶剤中に分散させ、更に適当な有機バインダーおよび必要に応じて可塑剤を添加し、十分に混合することによりスラリーを調製し、真空脱泡することにより気泡を除いた後、従来周知のドクターブレード法等により剥離処理を施したキャリアフィルム上に塗布し乾燥することにより作製される。このグリーンシートの厚みは、20〜400μmがよく、セラミック原料粉末の平均粒径は2〜12μm程度である。また、セラミック原料粉末を有機溶剤に分散する際に、従来周知のボールミル、ビーズミル、振動ミルなどを用いて所定の平均粒径まで粉砕することも有効であり、粉砕を必要としない場合はミキサー等の高速攪拌機の使用も可能である。
(樹脂シートの製造方法)
本発明の樹脂シート2は、架橋されたビーズを所定量の有機溶剤にミキサー等の高速攪拌機を用いて分散し、さらに所定量のバインダーおよび可塑剤を添加し、十分に混合することによりスラリーを調製し、真空脱泡することにより気泡を除いた後、従来周知のドクターブレード法等により剥離処理を施したキャリアフィルム上に塗布し乾燥することにより作製される。樹脂シート2の厚みtは、複合体を形成するグリーンシート1の厚みtと同じか近似した厚さであることが好ましく、tが0.9t〜1.1tであれば、複合体を積層する際に必要十分な圧力を均一に加えることができる。また、架橋されたビーズ100重量部に対し、バインダーは45〜75重量部を添加する。また、架橋されたビーズ100重量部に対し、可塑剤は8〜40重量部を添加する。
また、バインダーは、平均分子量が5万〜30万であることが好ましい。さらに好ましくは7万〜14万がよい。平均分子量が30万よりも大きい場合、樹脂シート2の強度が増加することにより、打ち抜きが困難となり、強度を下げるためにバインダーの添加量を下げると樹脂シート2の成形における乾燥段階でクラックが発生しやすくなる。また、平均分子量が5万未満の場合、バインダーの添加量を増やしても樹脂シート2の成形における乾燥段階でクラックが発生しやすいためである。
また、樹脂シート2は、グリーンシート積層体を焼成する過程で分解焼失することが好ましく、詳細には窒素雰囲気中で10℃/分の昇温度速度で600℃まで加熱した際に、99%以上が分解焼失することが好ましい。さらに好ましくは、窒素雰囲気中で10℃/分の昇温度速度で500℃まで加熱した際に、99%以上が分解焼失することがよい。これは、複合体を構成するグリーンシートがガラス成分を多く含む場合、例えば600℃前後においてガラスが溶融することによるバインダー成分の残留を防ぐためには500℃までに99%以上が分解焼失するバインダーをグリーンシートには使用し、かかるグリーンシートのバインダーに対し樹脂シートの分解焼失が遅れると、バインダーが分解焼失したグリーンシートの表面を樹脂シートの溶融物が流れることにより、セラミック粉末の脱粒が発生するためである。
(複合体の第1の製造方法)
まず、グリーンシート1に対して凹部を形成するための貫通孔3を、打ち抜き型を用いて形成する。図1(a),(b),(c)は、打ち抜き型による貫通孔3の形成の様子を示す。この貫通孔3は、図1(a)に示すように、駆動部である上型4と、グリーンシート1を支持するとともに開口5が形成された下型6とにより構成される打ち抜き型を準備し、グリーンシート1を下型6上に載置する。次に、図1(b)に示すように、上型4を下方に向かって駆動することにより、図1(c)に示すように、グリーンシート1に貫通孔3を形成する。
次に、図1(d)に示すように、貫通孔3を形成したグリーンシート1の上面に樹脂シート2を載置する。そして、図1(e)に示すように上型4を駆動する。このとき、上型4の駆動量を調整し、停止位置がグリーンシート1の上面に合致するように設定する。これにより、樹脂シート2の打ち抜きと同時に、グリーンシート1に予め形成された貫通孔3に樹脂シート2の打ち抜き部2a部を嵌め込むことができる。その後、上型4を上方に向かって駆動し、樹脂シート2を除去することによって、図1(f)に示すように、グリーンシート1の貫通孔3に樹脂シート2が嵌め込まれて一体化された複合体A1を作製することができる。
また、上型4によって樹脂シート2を打ち抜く速度V1は、上型4によってグリーンシート1を打ち抜いて貫通穴3を形成する際の打ち抜き速度V2よりも早いことが好ましい。V1がV2以下の場合、グリーンシート1が比較的柔らかいので、グリーンシート1が打ち抜きの力で変形したり、グリーンシート1の貫通穴3の周縁部に欠けが生じ、打ち抜かれた樹脂シート2がグリーンシート1の貫通穴3に良好に嵌め込まれない場合が生じる。より好ましくは、V1はV2の2倍以上がよく、さらに好ましくは3倍以上がよい。
(複合体の第2の製造方法)
まず、グリーンシート1に対して凹部を形成するための第1の貫通孔3を打ち抜き型を用いて形成する。
図2は、打ち抜き加工による第1の貫通孔3の形成の様子を示す。第1の貫通孔3は、図2(a)に示すように、駆動部である上型4と、グリーンシート1を支持するとともに開口5が形成された下型6により構成される打ち抜き型を準備し、グリーンシート1を下型6上に載置し、図2(b)に示すように、上型4を下方に向かって駆動することにより、図2(c)に示すように、グリーンシート1に貫通孔3を形成する。
次に、図2(d)に示すように、グリーンシート1に形成された第1の貫通孔3と同形状、同位置に第2の貫通孔が形成された金属板7上に樹脂シート2を載置し、図2(e)に示すように、金属板7を下型6上に載置された第1の貫通孔3が形成されたグリーンシート1上に載置する。そして、図2(f)に示すように上型4を駆動する。このとき、上型4の駆動量を調整して停止位置がグリーンシート1の上面に合致するように設定する。これにより、樹脂シート2の打ち抜きと同時にグリーンシート1に予め形成された第1の貫通孔3に樹脂シート2の打ち抜き部2a部を嵌め込むことができる。
その後、上型4、金属板7、樹脂シート2を除去することによって、図2(g)に示すように、グリーンシート1の第1の貫通孔3に樹脂シート2が嵌め込まれて一体化された複合体A1を作製することができる。
金属板7の材料としては、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等の金属を用いることができる。好ましくは、硬度の観点から、鉄、ステンレス、チタンがよい。さらに好ましくは、加工性の観点から、鉄、ステンレスがよい。また、金属板7に熱処理による表面硬化処理を施して、打ち抜きの際の磨耗を防止することもできる。
さらに、金属板7の表面には、樹脂シート2またはグリーンシート1が付着しないようにシリコーン樹脂コーティングあるいはフッ素樹脂コーティングといった離型処理を施してもよい。
本第2の製造方法によれば、樹脂シート2を載置した金属板7を予め用意するので、樹脂シート2の載置または除去といった樹脂シート2の取り扱いが容易になり、樹脂シート2が薄くなった場合でも樹脂シートの変形を防止することができる。
(複合体の第3の製造方法)
まず、グリーンシート1に凹部を形成するための貫通孔3を打ち抜き型を用いて形成する。
図3は、打ち抜き加工による貫通孔3の形成の様子を示す。この貫通孔3は、図3(a)に示すように、駆動部である上型4と、グリーンシート1を支持するとともに開口5が形成された下型6と、下型6の開口部5と同形状で同位置に貫通孔が形成された金属板8により構成される打ち抜き型を準備し、グリーンシート1を下型6上に載置しグリーンシート1上に金属板8を載置する。次に、図3(b)に示すように、上型4を金属板8の貫通孔を通して下方に向かって駆動することにより、図3(c)に示すように、グリーンシート1に貫通孔3を形成する。
次に、図3(d)に示すように金属板8上に樹脂シート2を載置する。そして、図3(e)に示すように上型4を駆動する。このとき、上型4の駆動量を調整して停止位置がグリーンシート1の上面に合致するように設定する。これによって、樹脂シート2の打ち抜きと同時にグリーンシート1に形成された貫通孔3に樹脂シート2の打ち抜き部2aを嵌め込むことができる。
その後、上型4、金属板8、樹脂シート2を除去することによって、図3(f)に示すように、グリーンシート1の貫通孔3に樹脂シート2が嵌め込まれて一体化された複合体A1を作製することができる。
金属板8の好ましい材料および表面処理については、上記の第2の製造方法と同様である。
本第3の製造方法によれば、下型6の開口部5と同形状で同位置に貫通孔が形成された金属板8が打ち抜き型に設置されているので、グリーンシート1の貫通孔3と金属板8の貫通孔の位置合わせが不要となり、比較的容易に複合体A1を作製することができる。
(積層体の製造方法)
本発明の複合体は、半導体素子等を収納するための凹部を有する多層構造のセラミック多層配線基板を作製するのに好適に用いられる。そこで、図4の工程図をもとにセラミック多層配線基板を作製するための積層体の製造方法について説明する。
図4(a),(b)に示すように、図1〜図3のいずれかの製造方法で作製された複合体A1、同様にして作製された複合体A2、および樹脂シート2(打ち抜き部2a)と複合化されていない他のグリーンシートB1、B2、B3を、密着液などを用いて積層一体化して積層体Cを作製する。そして、積層体Cを樹脂シート2が熱分解除去されるとともにグリーンシートが焼成されて緻密化するように焼成することによって、図4(c)に示すように、樹脂シート2を埋め込んだ部分を熱分解除去して凹部11を具備するセラミック多層配線基板Dを作製することができる。
かかる方法において、積層一体化にあたっては、従来のようにグリーンシート自体に初めから大きな凹部が存在しないために、個々のグリーンシートの取り扱いが非常に容易となる。したがって、従来のような大きな貫通孔が形成されたグリーンシートの取り扱い時にその変形や破損などが発生することがない。
また、上記グリーンシートの積層一体化にあたっては、3〜7MPaの圧力を加えることが積層不良や焼成後のデラミネーションの発生を防止するうえで好ましい。しかも、本発明の方法によれば、高い圧力を加えても、グリーンシートの貫通孔が樹脂シートによって埋め込まれているために、凹部が形成される部分の底部に対しても樹脂シート2を介して十分に圧力が加わる。その結果、グリーンシートの凹部の底部の変形や焼成後のデラミネーションの発生も抑制することができる。
なお、グリーンシートには、セラミック多層配線基板などへの適用を行なううえで、図4に示すように、メタライズ配線パターン9を形成することができる。このメタライズ配線パターン9は、金属粉末に有機バインダー、溶剤、可塑材を添加混合して得た金属ペーストを、積層一体化する前にグリーンシートに周知のスクリーン印刷法により、所定のパターンに印刷塗布することにより形成する。また、グリーンシートに打ち抜き型やレーザ加工によってスルーホールを形成し、スルーホール内に金属ペーストを充填することによってビア導体10を形成することができ、このビア導体10によって異なる層間に形成されたメタライズ配線パターン9間を電気的に接続することができる。
(グリーンシートの作製)
平均粒径が1.8μmのガラス粉末を60体積%と、平均粒径が2.4μmのアルミナ粉末40体積%とからなるセラミック組成物100重量部に、バインダーとしてポリイソブチルメタクリレートを12重量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを4重量部、溶剤としてトルエンを54重量部の割合で混合し、ボールミルで24時間混合し、真空脱泡することにより、スラリーを作製した。このスラリーをドクターブレード法により、シリコーンによる剥離処理を施した厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、最高温度100℃で乾燥することにより、厚み120μのグリーンシートを作製し、切断して縦20mm×横20mm×厚み0.5mmのグリーンシート1を作製した。
また、このグリーンシート1には、平均粒径が1.5μmの銅粉末100重量部に、バインダーとしてアクリル樹脂を12重量部、溶剤としてテルピネオールを10重量部の割合で混合した金属ペーストを調製し、上記グリーンシート1の表面に、スクリーン印刷法により、所定のパターンに印刷塗布した。また、グリーンシート1に打ち抜きピン加工により直径が70μmのスルーホール(貫通孔)を形成し、スルーホール内に上記の金属ペーストを充填することによってビア導体を形成した。
(樹脂シート作製)
樹脂シート2として、平均粒径が9μmの架橋されたポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ100重量部に対して、バインダーとして平均分子量が8万であるイソブチルメタクリレートと2エチルヘキシルメタクリレートの共重合体を70重量部、可塑剤としてフタル酸ジオクチルを10重量部、溶媒として4−メチル2ペンタノンを200重量部の割合で、高速攪拌ミキサーで30分間混合し、真空脱泡することにより、スラリーを作製した。スラリーの作製直後の粘度を、B型粘度計を用いて回転数20rpmで測定した結果、26ポイズ(poise)であり、その後増加するものの10時間以上では54±2ポイズで安定することが確認された。このスラリーをドクターブレード法により、剥離処理を施した厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、最高温度100℃で乾燥することにより厚み120μmの樹脂シート2を作製し、さらにそれを切断することにより縦20mm×横20mm×厚み0.5mmの樹脂シート2を作製した。
(複合体の第1の製造方法)
グリーンシート1に対して、図1に示すような打ち抜き型装置により、中央部に縦2.2mm×横3mmの大きさの長方形の貫通孔3を形成した。
次に、貫通孔を形成したグリーンシート1の上に、樹脂シート2を吸着搬送装置を用いて載置した後、打ち抜き型装置の上型4を下方に向かって駆動し、上型4の下面がグリーンシート1の上面と同一平面となるところまで下ろした。
上型4を上げ、一部が打ち抜かれた樹脂シート2を取り除いてグリーンシート1を確認した結果、グリーンシート1の貫通孔3部分に樹脂シート2の一部が埋め込まれた構造の複合体A1が形成された。
(複合体の第2の製造方法)
グリーンシート1に対して、図2に示すような打ち抜き型装置により、中央部に縦2.2mm×横3mmの大きさの長方形の第1の貫通孔3を形成した。
次に、第2の貫通孔を有する厚み1mmの金属板7上に樹脂シート2を載置し、金属板7を吸着搬送装置を用いてグリーンシート1上に載置した後、打ち抜き型装置の上型4を下方に向かって駆動し、上型4の下面がグリーンシート1の上面と同一平面となるところまで下ろした。
上型4を上げ、一部が打ち抜かれた樹脂シート2および金属板7を取り除いてグリーンシート1を確認した結果、グリーンシート1の第1の貫通孔3部分に樹脂シート2の一部が埋め込まれた構造の複合体A1が形成された。
(複合体の第3の製造方法)
グリーンシート1に対して、図3に示すような打ち抜き型装置により、中央部に縦2.2mm×横3mmの大きさの長方形の貫通孔3を形成した。
次に、貫通孔を有する厚み2mmの金属板8に樹脂シート2を載置した後、打ち抜き型装置の上型4を下方に向かって駆動し、上型4の下面がグリーンシート1の上面と同一平面となるところまで下ろした。
上型4および金属板8を上げるとともに一部が打ち抜かれた樹脂シート2を上げて、グリーンシート1を確認した結果、グリーンシート1の貫通孔3部分に樹脂シート2の一部が埋め込まれた構造の複合体A1が形成された。
(積層体の製造方法)
図4に示すように、上記の本発明の3種類の製造方法により作製した複合体A1、A1と同様にして作製された複合体A2、樹脂シート2と複合化されていない通常の配線パターンが形成されたグリーンシートB1、B2、B3を用いて、フタル酸ジオクチルと酢酸ブチルを主成分とする密着液を用いて積層することにより、積層体Cを作製した。また、積層にあたっては、積層体Cに対して、60℃の温度に加熱しながら5MPaの圧力を10秒間加えた。
得られた積層体Cについて、樹脂シート2を埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、本発明の3種の製造方法で製造されたいずれの複合体A1も、グリーンシート1の凹みや盛り上がり等の変形は認められなかった。
次に、上記3種の積層体Cを250〜450℃の窒素雰囲気中で2時間、昇温加熱して樹脂シート2およびバインダーを熱分解除去した後、さらに900℃まで8時間昇温加熱することにより、焼結体を作製した。これにより、樹脂シート2の一部を埋め込んだ部分が熱分解除去されて凹部11が形成されたセラミック多層配線基板Dが得られた。
これらのセラミック多層配線基板Dに対して、凹部11の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、本発明の3種の複合体A1のいずれを用いた場合でも、平坦度は0.8μm以下であり、平坦度の高い底面が形成されることが確認された。また、凹部11の部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察、および研磨後に電子顕微鏡で観察した結果、層間剥離等の発生は全く認められなかった。
樹脂シート2の組成を以下のように実施例1の場合と異なるものとした以外は実施例1とまったく同様にしてセラミック多層配線基板Dを作製した。
平均粒径が9μmの架橋されたポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ100重量部に対して、バインダーとしてポリ−イソブチルメタクリレートを60重量部、可塑剤としてフタル酸ジオクチルを30重量部、溶媒として4−メチル2ペンタノンを150重量部の割合で、高速攪拌ミキサーで30分間混合し、真空脱泡することによりスラリーを作製した。スラリーの作製直後の粘度を、B型粘度計を用いて回転数20rpmで測定した結果、20ポイズであり、その後増加するものの10時間以上では55±2ポイズで安定することが確認された。
実施例1と同様に3種の製造方法で複合体A1を作製し、次いでセラミック多層配線基板Dを作製した。これらのセラミック多層配線基板Dの凹部11の底部表面の平坦度は0.8μm以下であった。また、凹部11の部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察、および研磨後に電子顕微鏡で観察した結果、層間剥離等の発生は全く認められなかった。
比較例1
平均粒径が9μmの架橋されていないポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ100重量部に対して、有機バインダーとして、実施例1と同じ平均分子量が8万であるイソブチルメタクリレートと2エチルヘキシルメタクリレートの共重合体を70重量部、可塑剤としてフタル酸ジオクチルを10重量部、溶媒として4−メチル2ペンタノンを200重量部の割合で、高速攪拌ミキサーで10分間混合した。しかし、この段階で混合物の粘度の増加が著しく、B型粘度計を用いて回転数20rpmでは測定できなかった。混合物の粘度を下げるために、溶剤の比率のみを400重量部に上げたところ、作製直後のスラリーの粘度は76ポイズであり、その後増加は見られなかった。
このスラリーを用いて樹脂シート2を成形した結果、乾燥工程でクラックが発生しやすく、得られた樹脂シート2は硬くなり、打ち抜き型によってグリーンシート1に形成された貫通孔3への嵌め込みは不可能であった。これは、ビーズが架橋されていない場合、4−メチル2ペンタノンに溶解することにより実質的にバインダー比率が上がったためである。
比較例2
実施例1と同様にして作製されたグリーンシートA1、A2に貫通孔3を形成し、貫通孔3には樹脂シート2を埋め込まないものとした。そして、グリーンシートA1、A2と、貫通孔を形成していない実施例1、2で用いたグリーンシートB1、B2、B3とを、密着液を用いて積層し、60℃の温度に加熱しながら5MPaの圧力を加えた。
得られた積層体について、樹脂シート2が嵌め込まれていない凹部11の底面を観察した結果、盛り上がりが見られ、同じ箇所を凹部11の裏面から観察した結果、凹みが見られた。
次に、この積層体Cを250〜450℃の窒素雰囲気中で2時間、昇温加熱してバインダーを熱分解除去した後、さらに900℃まで昇温してグリーンシートを焼結し、凹部11が形成されたセラミック多層配線基板が得られた。
このセラミック多層配線基板について、凹部11の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、最大6μmであり、平坦度の悪い底面が形成され、基板の変形が認められた。また、凹部11の部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察、および研磨後に電子顕微鏡で観察した結果、層間剥離等の発生は認められなかった。
この結果より、樹脂シート2を用いずに作製した、凹部11を有するセラミック多層配線基板の場合、層間剥離等が発生しない高い圧力でグリーンシートを積層した場合、本発明の複合体を用いる場合と比較して凹部11の底部表面の平坦度は低いといえる。
比較例3
積層する圧力を2MPaとした以外は、比較例2の場合とまったく同様にしてセラミック多層配線基板を作製した。
このセラミック多層配線基板について、凹部21の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、2μmと平坦度の比較的良好な底面が形成され、基板の変形は認められなかった。しかし、凹部21の部分を切断し、その積層部分の状態を双眼顕微鏡で観察、および研磨後に電子顕微鏡で観察した結果、層間剥離等の発生が部分的に見られた。
この結果より、本比較例3による凹部21を有するセラミック多層配線基板の製造においては、凹部21の底部表面の平坦度を上げるために低い圧力でグリーンシートを積層した場合、本発明の複合体を用いる場合に比べて、凹部21の底部表面の平坦度は低くなり、また層間剥離が発生することが確認された。
(a)〜(f)は、本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の第1の製造方法を説明するための各工程における断面図である。 (a)〜(g)は、本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の第2の製造方法を説明するための各工程における断面図である。 (a)〜(f)は、本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の第3の製造方法を説明するための各工程における断面図である。 (a)〜(c)は、本発明のセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体を用いて作製される凹部を有するセラミック多層配線基板の製造方法を説明するための各工程における断面図である。 (a),(b)は、凹部を有するセラミック多層配線基板の従来の製造方法を説明するための各工程における断面図である。
符号の説明
1:セラミックグリーンシート
2:樹脂シート
3:貫通孔
4:上型
5:開口部
6:下型
7,8:金属板
9:メタライズ配線パターン
10:ビア導体
11:凹部
A1,A2:複合体
B1,B2,B3:配線パターンを形成したセラミックグリーンシート
C:積層体
D:セラミック多層配線基板

Claims (4)

  1. セラミックグリーンシートに形成された貫通孔に樹脂シートが嵌め込まれて成り、前記セラミックグリーンシートを焼結した際に前記樹脂シートが熱分解することによって貫通孔が形成された焼結体を作製するためのセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体であって、前記樹脂シートが架橋されたアクリル樹脂ビーズ、アクリル樹脂バインダーおよび可塑剤を含んでいることを特徴とするセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体。
  2. セラミックグリーンシートに打ち抜き型を用いて貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔が形成されたセラミックグリーンシートに前記樹脂シートを載置した後に前記打ち抜き型を用いて前記樹脂シート側から押圧することにより前記樹脂シートの一部を前記貫通孔に嵌め込む工程とを具備することを特徴とするセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の製造方法。
  3. セラミックグリーンシートに打ち抜き型を用いて第1の貫通孔を形成する工程と、前記第1の貫通孔と同形状の第2の貫通孔が形成された金属板上に前記樹脂シートを載置する工程と、前記樹脂シートを載置した前記金属板を前記第2の貫通孔が前記第1の貫通孔に合致するように前記セラミックグリーンシート上に載置する工程と、前記打ち抜き型を用いて前記樹脂シート側から押圧することにより前記樹脂シートの一部を前記第1の貫通孔に嵌め込む工程とを具備することを特徴とするセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の製造方法。
  4. 貫通孔が形成された金属板をセラミックグリーンシート上に載置する工程と、打ち抜き型を用いて前記金属板側から前記貫通孔を通して前記セラミックグリーンシートに貫通孔を形成する工程と、前記金属板上に前記樹脂シートを載置した後に前記打ち抜き型を用いて前記樹脂シート側から押圧することにより前記樹脂シートの一部を前記貫通孔に嵌め込む工程とを具備することを特徴とするセラミックグリーンシート−樹脂シート複合体の製造方法。
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