JP2005129712A - シャワーヘッド構造及びこれを用いた成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 真空雰囲気中の処理空間Sに対して成膜用の原料ガスと原料ガス以外のガスである支援ガスとを供給するシャワーヘッド構造6において、ガス噴射面8を有するシャワーヘッド本体56と、シャワーヘッド本体内に形成されて前記原料ガスを拡散させる第1の拡散室60と、シャワーヘッド本体内に形成されて前記支援ガスを拡散させる第2の拡散室62と、第1の拡散室に連通されると共に、ガス噴射面に形成された複数の原料ガス噴射口10Aと、第2の拡散室に連通されると共に、原料ガス噴射口に接近して該原料ガス噴射口を囲むようにしてガス噴射面に形成された複数の第1支援ガス噴射口10Bとを備える。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、繰り返しウエハに対して成膜処理を行う過程で、処理空間と接するガス噴射面に原料ガスを噴射するガス噴射口を中心として不要な薄膜が直径数mm〜数cmの大きさで堆積する場合があった。このようなガス噴射面に付着した不要な薄膜は放置しておくと剥がれ落ちてパーティクルの原因となるので、定期的に、或いは必要に応じて上記不要な薄膜を除去するクリーニング処理を高い頻度で行わなければならなかった。この場合、シャワーヘッド構造を取り外すことなくクリーニングガスを流して不要な薄膜を除去する、いわゆるドライクリーニング処理を行える膜種であればそれ程問題はないが、特に、ある種の高融点金属、例えばHf(ハフニウム)を含む有機金属材料ガスを原料として用いた場合には、有効なクリーニングガスが存在しないことからクリーニング処理時にはシャワーヘッド構造を成膜装置本体から分解して取り外し、これをクリーニング液で洗浄する、いわゆるウェットクリーニング処理を行わなければならず、メンテナンスに多大な時間を要してしまう、といった問題があった。
従って、クリーニング処理のインターバルを長くしてクリーニング処理の頻度を小さくすることができ、その分、装置の稼働率を向上させることができる。
また請求項3に規定するように、前記第1支援ガス噴射口は、前記原料ガス噴射口の周囲を囲むようにして複数個配列されて全体で1つの噴射口ユニットとして形成されている。
また例えば請求項4に規定するように、前記第2の拡散室に連通されると共に、隣り合う2つの前記原料ガス噴射口の間に位置するように前記ガス噴射面に形成された第2支援ガス噴射口を有する。
また例えば請求項5に規定するように、前記原料ガスは、高融点金属を含有する。
また例えば請求項6に規定するように、前記原料ガスは、有機金属材料ガスである。
また例えば請求項8に規定するように、前記支援ガスは不活性ガスである。
請求項9に係る発明は、被処理体の表面に所定の薄膜を堆積させる成膜装置において、真空引き可能になされて内部に処理空間を形成する処理容器と、前記処理容器内に設けられてその上に前記被処理体を載置する載置台と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、前記処理容器の天井部に設けられた請求項1乃至8のいずれかに記載のシャワーヘッド構造と、を備えたことを特徴とする成膜装置である。
ガス噴射面に形成された原料ガス噴射口に接近させてこの原料ガス噴射口を囲むようにして第1支援ガス噴射口を形成し、処理空間に噴射された直後の原料ガスの周囲を一時的に支援ガスで囲み込むようにした状態で下方向へ流すようにしたので、活性化された原料ガスが原料ガス噴射口の近傍に滞留することがなくなり、このため原料ガス噴射口を中心としたガス噴射面に不要な膜が堆積することを防止することができる。
従って、クリーニング処理のインターバルを長くしてクリーニング処理の頻度を小さくすることができ、その分、装置の稼働率を向上させることができる。
<第1実施例>
図1は本発明に係る成膜装置の第1実施例を示す断面構成図、図2は本発明に係るシャワーヘッド構造のガス噴射面の一例を示す平面図、図3はシャワーヘッド構造の部分拡大断面図であって、図2中のA1−A1線矢視断面図、図4はシャワーヘッド構造の組み立て工程の一部を示す図である。
図示するようにこの成膜装置2は、例えば断面の内部が略円形状になされたアルミニウム製の処理容器4を有している。この処理容器4内の天井部には必要な処理ガス、例えば成膜用の原料ガスやそれ以外の支援ガスを導入するために本発明の特徴とするシャワーヘッド構造6が設けられており、この下面のガス噴射面8に設けた多数のガス噴射口10から処理空間Sに向けて処理ガスを吹き出すようにして噴射するようになっている。このシャワーヘッド構造6の詳細については後述する。
そして、この処理容器4の底部16に排気落とし込め空間18が形成されている。具体的には、この容器底部16の中央部には大きな開口20が形成されており、この開口20に、その下方へ延びる有底円筒体状の円筒区画壁22を連結してその内部に上記排気落とし込め空間18を形成している。そして、この排気落とし込め空間18を区画する円筒区画壁22の底部24には、これより起立させて例えば石英ガラス等よりなる円筒体状の支柱26が設けられており、この上端部に載置台28が溶接により固定されている。尚、上記支柱26や載置台28をAlN等のセラミックにより形成してもよい。
また、上記載置台28には、例えばカーボンワイヤ等の抵抗加熱ヒータよりなる加熱手段36が埋め込まれており、この載置台28の上面に被処理体としての半導体ウエハWを載置し、これを加熱し得るようになっている。上記加熱手段36は上記支柱26内に配設された給電線38に接続されて、電力を制御しつつ供給できるようになっている。
このシャワーヘッド構造6は、上記処理容器4の上端開口部を閉じる天井板54の下面に接合された例えば有底円筒体状のシャワーヘッド本体56を有している。ここで上記天井板54の周辺部と上記処理容器4の上端部との間には、例えばOリング等のシール部材58が介設されており、処理容器4内の気密性を維持するようになっている。このシャワーヘッド構造6の全体は、例えばニッケルやハステロイ(登録商標)等のニッケル合金、アルミニウム、或いはアルミニウム合金により形成されている。
本実施例では、上記第1支援ガス噴射口10Bは、その中心に上記原料ガス噴射口10Aを位置させて、その周囲を囲むようにリング状に形成されており(図2参照)、原料ガス噴射口10Aより噴射された原料ガスの周囲を、噴射直後においては支援ガスにより一時的に取り囲むことができるようになっている。
ここでシャワーヘッド構造6の大きさにもよるが、原料ガス噴射口10Aの数量は、300mmウエハ対応で300〜400個程度である。また各部の寸法は、図2または図3に示すように原料ガス噴射口10Aの内径L1が1mm程度、リング状の第1支援ガス噴射口10Bの内径L2が2mm程度、外径L3が2.4mm程度である。また第2支援ガス噴射口10Cの内径L4は0.5mm程度である。
ここでは処理ガスとして原料ガスと支援ガスを用いている。そして、原料ガスとしてはHf(ハフニウム)を含む有機金属材料ガスを用い、支援ガスとしてはO2 ガスを用いてHf酸化物(HfO2 )の薄膜を堆積させる場合について説明する。
まず、未処理の半導体ウエハWは、図示しない搬送アームに保持されて開状態となったゲートバルブ14、搬出入口12を介して処理容器4内へ搬入され、このウエハWは、上昇された押し上げピン42に受け渡された後に、この押し上げピン42を降下させることにより、ウエハWを載置台28の上面に載置してこれを支持する。
ここで従来のシャワーヘッド構造においては、原料ガス噴射口と支援ガス噴射口とはそれぞれ互いに十数mm以上離間させて設けられていたことから、熱分解して活性化された有機金属含有ガスが、ある程度の時間、原料ガス噴射口の近傍のガス噴射面の直下に滞留することになり、このため、前述したように原料ガス噴射口を中心としたガス噴射面には不要な付着膜(HfO2 )が堆積する、という現象が発生していた。
図5に示すグラフから明らかなように、従来のシャワーヘッド構造(O2 :0sccm)の場合には、原料ガス噴射口の中心より10mm程度までの距離まではガス噴射面の成膜レートはかなり高く、それ以上、距離が離れるとガス噴射面の成膜レートは次第に低下している。実際に、前述したように、所定の枚数のウエハを成膜処理した後には原料ガス噴射口を中心として直径数cm程度の不要な堆積膜が目視により確認された。
次に本発明の第2実施例について説明する。
上記第1実施例においては、原料ガス噴射口10Aを囲む第1支援ガス噴射口10Bの形状は、上記原料ガス噴射口10Aの周囲を完全に取り囲むようにリング状の開口となるように形成したが、これに限定されず、このリング状の開口を有するガス噴射口10Bに替えて、複数個の円形のガス噴射口で形成するようにしてもよい。図6は上述したような本発明の第2実施例のシャワーヘッド構造のガス噴射面を示す平面図、図7はシャワーヘッド構造の部分拡大断面図であって、図6中のA2−A2線矢視断面図である。尚、図2及び図3中と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
この第2実施例の場合には、原料ガス噴射口10Aより噴射された原料ガスは、この周囲に接近させて取り囲むように設けた複数の第1支援ガス噴射口10Dより噴射される支援ガス(O2 )により取り囲まれた状態となるので、第1実施例と同様に、ガス噴射面8に不要な付着膜が堆積することを防止することができる。尚、上記各実施例では支援ガスとしてO2 ガスを用いたが、これに限定されず、N2 ガス、Heガス、Arガス等の不活性ガスを用いてもよい。
従って、原料ガスとしても有機金属材料ガスに限定されず、全ての成膜用の原料ガスについて本発明を適用することができる。
またここでは成膜装置の加熱手段として抵抗加熱ヒータを用いた場合を例にとって説明したが、これに替えて加熱ランプを用いるようにしてもよい。
また、本実施例では被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、LCD基板、ガラス基板等にも適用できるのは勿論である。
4 処理容器
6 シャワーヘッド構造
8 ガス噴射面
10 ガス噴射口
10A 原料ガス噴射口
10B,10D 第1支援ガス噴射口
10C 第2支援ガス噴射口
28 載置台
36 加熱手段
56 シャワーヘッド本体
60 第1の拡散室
62 第2の拡散室
80 噴射口ユニット
W 半導体ウエハ(被処理体)
Claims (9)
- 被処理体の表面に薄膜を堆積させるために真空雰囲気中の処理空間に対して成膜用の原料ガスと前記原料ガス以外のガスである支援ガスとを供給するシャワーヘッド構造において、
ガス噴射面を有するシャワーヘッド本体と、
前記シャワーヘッド本体内に形成されて前記原料ガスを拡散させる第1の拡散室と、
前記シャワーヘッド本体内に形成されて前記支援ガスを拡散させる第2の拡散室と、
前記第1の拡散室に連通されると共に、前記ガス噴射面に形成された複数の原料ガス噴射口と、
前記第2の拡散室に連通されると共に、前記原料ガス噴射口に接近して該原料ガス噴射口を囲むようにして前記ガス噴射面に形成された複数の第1支援ガス噴射口と、
を備えたことを特徴とするシャワーヘッド構造。 - 前記第1支援ガス噴射口は、前記原料ガス噴射口を囲むようにしてリング状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のシャワーヘッド構造。
- 前記第1支援ガス噴射口は、前記原料ガス噴射口の周囲を囲むようにして複数個配列されて全体で1つの噴射口ユニットとして形成されていることを特徴とする請求項1記載のシャワーヘッド構造。
- 前記第2の拡散室に連通されると共に、隣り合う2つの前記原料ガス噴射口の間に位置するように前記ガス噴射面に形成された第2支援ガス噴射口を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシャワーヘッド構造。
- 前記原料ガスは、高融点金属を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシャワーヘッド構造。
- 前記原料ガスは、有機金属材料ガスであることを特徴とする請求項5記載のシャワーヘッド構造。
- 前記支援ガスはO2 ガスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシャワーヘッド構造。
- 前記支援ガスは不活性ガスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシャワーヘッド構造。
- 被処理体の表面に所定の薄膜を堆積させる成膜装置において、
真空引き可能になされて内部に処理空間を形成する処理容器と、
前記処理容器内に設けられてその上に前記被処理体を載置する載置台と、
前記被処理体を加熱する加熱手段と、
前記処理容器の天井部に設けられた請求項1乃至8のいずれかに記載のシャワーヘッド構造と、
を備えたことを特徴とする成膜装置。
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