JP2005129280A - 複合可撓電線体 - Google Patents

Abstract

【課題】 電流容量を大きくすると共に、一方側にのみ屈曲を可能とする。
【解決手段】 フラットケーブル１は合成樹脂から成る２枚の絶縁シート２、３により複数本の金属箔導体４が挟着され、全体として帯状に形成し、絶縁シート２、３に対する熱処理により横断面が円弧状に形成されている。そして、フラットケーブル１の弯曲内面側には、複数本の被覆電線５がフラットケーブル１の長手方向に沿って接着されている。
このように構成した複合可撓電線体においては、フラットケーブル１は内側の絶縁シート３側に屈曲することはできるが、外側に屈曲することは困難であり、被覆電線５もフラットケーブル１に追従して、全体として一方向側にしか屈曲することはできない。また、大きな電流は被覆電線５を用いて通電することができる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、例えば移動体の移動に対し、屈曲によって追従可能な複合可撓電線体に関するものである。

例えば、自動車のスライドドア、可動ウインドウなどにおいては、ヒータやモータに対して給電を必要とする場合がある。

電線を移動体の移動に追従させる場合に、通常の電線は何れの方向に対しても屈曲可能である。しかし、複雑な移動が要求される場合には、屈曲の方向が定まらないことがあり、付近の部材に絡まったり、捻れたりして疲労し易く、耐久性に欠けることがある。

このような問題を解決するために、特許文献１には断面を円弧状に弯曲して、一方向にのみ弯曲し得るようにすると共に耐屈曲性を向上させるフラットケーブルが開示されている。

しかしフラットケーブルにおいては、大きな電流を通電するだけの電流容量を備えていないのが普通である。

特開平６−３３８１８５号公報

本発明の目的は、上述した問題点を解消し、一方向側にのみ屈曲可能にすると共に、大きな電流容量を持つ複合可撓電線体を提供することにある。

上記目的を達成するための本発明に係る複合可撓電線体は、合成樹脂から成る２枚の絶縁シートにより金属箔導体を挟着した帯状のフラットケーブルの横断面を円弧状に弯曲し、該弯曲内面に複数本の被覆電線を沿わせたことを特徴とする。

本発明に係る複合可撓電線体は、フラットケーブルの横断面を円弧状に弯曲し、この弯曲内面に被覆電線を沿わせたため、被覆電線を用いて電流容量を大きくできる。

またフラットケーブルの円弧の内面側にのみ屈曲可能となり、不要な捻れ、膨らみなどが生じないので、操作性が良好となり、かつ耐久性が向上する。

本発明に係る複合可撓電線体においては、前記被覆電線は前記フラットケーブルの表面に接着したことを特徴とする。

本発明に係る複合可撓電線体においては、前記フラットケーブル、被覆電線に合成樹脂から成る可撓性を有する筒体を被覆したことを特徴とする。

本発明に係る複合可撓電線体においては、前記筒体は断面偏平状としたことを特徴とする。

図１は実施例１の斜視図を示している。フラットケーブル１は合成樹脂から成る２枚の絶縁シート２、３により複数本の金属箔導体４が挟着され、全体として帯状に形成されている。そして、フラットケーブル１の弯曲内面側には、複数本の被覆電線５がフラットケーブル１の長手方向に沿って接着されている。

このフラットケーブル１には並列された複数本の金属箔導体４を絶縁シート２、３によって接着し、図２に示すように絶縁シート２、３を所望幅の帯形状に切断して製作される。

次いで、図３に示すように絶縁シート２、３に対する熱処理により、フラットケーブル１の横断面は円弧状に形成される。例えば、絶縁シート２、３の厚みは下側の絶縁シート２が上側の絶縁シート３よりも厚くされており、肉厚が薄い側の絶縁シート２が内側になって弯曲されている。これは肉厚が薄い絶縁シート２を内側にした方が弯曲が容易となるためである。

このように構成した複合可撓電線体６においては、フラットケーブル１は内側の絶縁シート３側に屈曲することはできるが、外側に屈曲することは困難である。従って、被覆電線５もフラットケーブル１に追従して、全体として一方向側にしか屈曲することはできない。

また、微弱な電流で済む信号などはフラットケーブル１の金属箔導体４により通電し、大きな電流は被覆電線５を用いて通電する。

この複合可撓電線体６を円弧の内面同士が向き合うようにして、図４に示すようにＵ字状に折り返し、一端を固定体７に接続し、他端を移動体８と結合すると、移動体８の移動につれ、複合可撓電線体６はこのＵ字状を維持しながら点線に示すように整然と追従する。

図５は実施例２の断面図を示し、フラットケーブル１と被覆電線５に対し、合成樹脂から成り可撓性を有する筒体９が被覆されている。

この筒体９はフラットケーブル１、被覆電線５の損傷などを防止すると共に水の浸入を防ぎ、寒冷地等ではフラットケーブル、被覆電線５が硬化することを防止することができる。なお、この場合に筒体９を断面を偏平状にしておくと屈曲がより容易となる。

実施例１の斜視図である。 フラットケーブルの製造時の断面図である。 フラットケーブルを製造時に弯曲させた状態の断面図である。 作用説明図である。 実施例２の断面図である。

符号の説明

１ フラットケーブル
２、３ 絶縁シート
４ 金属箔導体
５ 被覆電線
６ 複合可撓電線体
７ 固定体
８ 移動体
９ 筒体

Claims (4)

1. 合成樹脂から成る２枚の絶縁シートにより金属箔導体を挟着した帯状のフラットケーブルの横断面を円弧状に弯曲し、該弯曲内面に複数本の被覆電線を沿わせたことを特徴とする複合可撓電線体。
2. 前記被覆電線は前記フラットケーブルの表面に接着したことを特徴とする請求項１に記載の複合可撓電線体。
3. 前記フラットケーブル、被覆電線に合成樹脂から成る可撓性を有する筒体を被覆したことを特徴とする請求項１又は２に記載の複合可撓電線体。
4. 前記筒体は断面偏平状としたことを特徴とする請求項３に記載の複合可撓電線体。

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