JP2005127304A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は内燃機関の制御装置に関し、燃焼状態の変動を抑制できるようにする。
【解決手段】 定常時(例えば冷間ファーストアイドル時)における燃焼状態を検出し、検出された燃焼状態が部分燃焼であるときには、燃焼状態に係わる制御パラメータ(例えば点火時期)の次回サイクルでの設定値をより部分燃焼する側(点火時期であれば遅角側)に調整する。逆に、検出された燃焼状態が急速燃焼であるときには、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値をより急速燃焼する側(点火時期であれば進角側)に調整する。燃焼状態は、機関のトルクに相関する出力パラメータに基づいて検出することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は内燃機関の制御技術に関し、特に、アイドル時における燃焼状態の変動の抑制に用いて好適な内燃機関の制御技術に関する。
内燃機関のアイドル時には、各気筒の燃焼状態にばらつきが生じるために内燃機関にはトルク変動がおきやすい。トルク変動はアイドル回転数を不安定にするとともに振動の原因となる。このようなアイドル時のトルク変動を抑制するための技術としては、従来、例えば特許文献1に記載された技術が知られている。
特許文献1に記載された技術では、アイドル時の各気筒の回転変動差を検出し、ある気筒の回転変動差が上限値を超えているときには、その気筒の噴射補正量を減量するとともに、他の気筒の噴射補正量を増量している。また、ある気筒の回転変動差が下限値よりも低いときには、その気筒の噴射補正量を増量するとともに、他の気筒の噴射補正量を減量している。また、噴射補正量を増量する場合に噴射補正量が上限値を超えたときには、代わりに点火時期補正量を進角し、噴射補正量を減量する場合に噴射補正量が下限値より低いときには、代わりに点火時期補正量を遅角している。
特許第2505304号公報 特開平11−107822号公報 特開平9−126035号公報
上記の従来技術によれば、暖機後のアイドルのように、気筒間の吸気分配の違い等によって多少の燃焼のばらつきが生じている状態では、その効果が見込まれると考えられる。
ところで、アイドルの中でも、特に冷間始動直後の冷間ファーストアイドルでは、燃費の観点からの要求によって空燃比がリーン化され、同じく燃費の観点からの要求と排気対策としての触媒暖機のために点火時期が遅角されており、その結果、燃焼は非常に不安定になっている。本出願に係る発明者らの実験によれば、冷間ファーストアイドルのような燃焼が非常に不安定な状況では、上記従来技術が想定していないような現象が生じていることが分かった。
図1は、冷間ファーストアイドルにおいて特別な制御を行わない場合に生じる特定気筒のトルク変化について示したグラフである。図1において上下2つの閾値ではさまれたトルク領域がアイドル時の適正トルク領域を示し、適正トルク領域よりも高い領域は急速燃焼領域、適正トルク領域よりも低い領域は部分燃焼領域を示している。ここでは、部分燃焼とは大きなトルクの発生しない燃焼を意味し、急速燃焼とは大きなトルクの発生する燃焼を意味するものとする。図中では適正トルク領域に入ったサイクルは白丸で示し、適正トルク領域から外れたサイクルは黒丸で示している。この図に示すように、部分燃焼によってトルクが低下した場合、次回のサイクルでは、その気筒の燃焼は急速燃焼となりトルクは急激に上昇する。逆に、急速燃焼によってトルクが上昇した場合には、次回のサイクルでは、その気筒の燃焼は部分燃焼となりトルクは急激に低下する。
部分燃焼の次のサイクルで急速燃焼が起きる理由としては、部分燃焼では燃料のエネルギーがトルクの発生に用いられなかった分だけ排気温度が高くなるため、次サイクルでの残留ガス割合が低下したり、未燃ガス温度が上昇したりするためだと考えられる。多くの残留HCの発生により次サイクルでの当量比が増大することも、次サイクルで急速燃焼が起きる理由の一つと考えられる。また、急速燃焼の次のサイクルで部分燃焼が起きるのは、以上の理由とは逆の理由によるものと考えられる。いずれにしても、冷間ファーストアイドルでは、部分燃焼と急速燃焼とが交互に起きており、これがトルク変動を誘発している。
上記従来技術では、特定の気筒のトルクが大きいときにはその気筒のトルクを小さくするように、逆に、トルクが小さいときには大きくするように、燃料噴射量や点火時期等の制御パラメータが調整される。このため、図1のように部分燃焼と急速燃焼とが交互に起きている状況において上記従来技術の制御が実施された場合には、急速燃焼によりトルクが上昇したときには、次回サイクルでの制御パラメータの設定値はトルクが低下するように調整され、次回サイクルで起きる部分燃焼が助長されてしまう。逆に、部分燃焼によりトルクが低下したときには、次回サイクルでの制御パラメータの設定値はトルクが上昇するように調整され、次回サイクルで起きる急速燃焼が助長されてしまう。つまり、冷間ファーストアイドルでは、上記従来技術の制御を実施したとしても燃焼状態の変動を有効に抑えることはできず、逆に燃焼状態の変動を助長してしまう可能性があった。燃焼状態の変動は、トルク変動を招いてドライバビリティを低下させてしまうだけでなく、排気ガス性能の悪化も招いてしまう虞がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃焼状態の変動を抑制できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
定常時における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
燃焼状態に係わる制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段とを備え、
前記制御パラメータ調整手段は、検出された燃焼状態が部分燃焼であるときには、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値をより部分燃焼する側に調整することを特徴としている。
第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
定常時における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
燃焼状態に係わる制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段とを備え、
前記制御パラメータ調整手段は、検出された燃焼状態が急速燃焼であるときには、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値をより急速燃焼する側に調整することを特徴としている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記燃焼状態検出手段は、機関のトルクに相関する出力パラメータに基づいて燃焼状態を検出することを特徴としている。
第4の発明は、第3の発明において、気筒間の定常的なトルク差を縮小するように各気筒のトルクを調整するトルク差補正手段を備え、
前記燃焼状態検出手段は、前記トルク差補正手段による気筒間のトルク差の補正後、前記出力パラメータに基づいて燃焼状態を検出することを特徴としている。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記燃焼状態検出手段は、前記出力パラメータの検出値と過去の検出値との比較に基づいて燃焼状態を検出することを特徴としている。
第6の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
定常時における機関のトルクに相関する出力パラメータを検出する出力パラメータ検出手段と、
前記出力パラメータの大小に係わる制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段とを備え、
前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータの検出値が所定範囲以下であれば、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値を前記出力パラメータがより小さくなる側に調整し、
前記出力パラメータの検出値が前記所定範囲以上であれば、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値を前記出力パラメータがより大きくなる側に調整することを特徴としている。
第7の発明は、第6の発明において、前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値のばらつきの程度を判定するばらつき判定手段を備え、
前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータのばらつきが所定程度よりも大きいと判定されたときに、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴としている。
第8の発明は、第7の発明において、前記ばらつき判定手段は、前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関によってばらつきの程度を判定し、
前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータの相関が負相関にあるときに、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴としている。
第9の発明は、第6乃至第8の何れか1つの発明において、前記制御パラメータ調整手段は、主となる制御パラメータを含む少なくとも2つの制御パラメータを調整可能であり、
前記主制御パラメータが所定の調整範囲内にあるときには、前記主制御パラメータの次回サイクルでの設定値を調整し、
前記主制御パラメータが所定の調整範囲を超えるときには、他の制御パラメータの次回サイクルでの設定値を調整することを特徴としている。
第10の発明は、第9の発明において、触媒暖機のための点火時期遅角制御の実行中か否かを判定する運転状態判定手段をさらに備え、
前記制御パラメータ調整手段は、前記点火時期遅角制御が実行されているときには、
前記出力パラメータの検出値が前記所定範囲をトルクが小さくなる側に外れていれば、前記主制御パラメータとしての点火時期の次回サイクルでの設定値を遅角し、
前記出力パラメータの検出値が前記所定範囲をトルクが大きくなる側に外れていれば、前記点火時期の進角度が所定程度を超えるまでは前記点火時期の次回サイクルでの設定値を進角し、前記点火時期の進角度が前記所定程度を超えるときには燃料噴射量の次回サイクルでの設定値を増量することを特徴としている。
第11の発明は、第6乃至第10の何れか1つの発明において、気筒間の定常的なトルク差を縮小するように各気筒のトルクを調整するトルク差補正手段を備え、
前記制御パラメータ調整手段は、前記トルク差補正手段による気筒間のトルク差の補正後、前記出力パラメータの検出値に基づいて前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴としている。
第12の発明は、第6乃至第11の何れか1つの発明において、前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータの検出値を過去の検出値によって相対値化し、前記相対値化された検出値に基づいて前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴としている。
第13の発明は、第8の発明において、前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関から燃料性状を判定する燃料性状判定手段を備えることを特徴としている。
第14の発明は、第6の発明において、前記制御パラメータが点火時期であって、前記出力パラメータの検出値と過去の平均値との乖離状態に応じて前記点火時期の次回サイクルでの設定値を調整するように前記制御パラメータ調整手段が構成されるとともに、
前記制御パラメータ調整手段による前記点火時期の調整量から燃料性状を判定する燃料性状判定手段を備えることを特徴としている。
第15の発明は、第8の発明において、前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関から触媒暖機のための点火時期の遅角補正量を決定する点火時期制御手段を備えることをしている。
第16の発明は、第8の発明において、前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関から機関の内部EGR量を決定する内部EGR量制御手段を備えることを特徴としている。
第1の発明によれば、燃焼状態が部分燃焼になったときには、燃焼状態に係わる制御パラメータの次回サイクルでの設定値がより部分燃焼する側に調整されるので、次回サイクルで急速燃焼が起きるのを抑制することができる。つまり、部分燃焼後に急速燃焼が起きるという燃焼状態の変動を抑制することができる。
第2の発明によれば、燃焼状態が急速燃焼になったときには、燃焼状態に係わる制御パラメータの次回サイクルでの設定値がより急速燃焼する側に調整されるので、次回サイクルで部分燃焼が起きるのを抑制することができる。つまり、急速燃焼後に部分燃焼が起きるという燃焼状態の変動を抑制することができる。
また、第3の発明によれば、機関のトルクに相関する出力パラメータに基づいた燃焼状態の検出により、機関の燃焼状態が急速燃焼であるか部分燃焼であるかを正確に判定することができる。
第4の発明によれば、気筒間に存在する定常的なトルク差によって機関の燃焼状態を急速燃焼或いは部分燃焼と誤判定してしまうことを防止することができる。
第5の発明によれば、出力パラメータの検出値と過去の検出値との比較に基づいて燃焼状態が検出されることで、検出値の絶対値精度によらず機関の燃焼状態が急速燃焼であるか部分燃焼であるかをより正確に判定することができる。
第6の発明によれば、機関のトルクに相関する出力パラメータの検出値が所定範囲以下であれば、出力パラメータの大小に係わる制御パラメータの次回サイクルでの設定値は出力パラメータがより小さくなる側に調整されるので、次回サイクルで出力パラメータが大きくなる方向にトルクが急変するのを抑制することができる。また、出力パラメータの検出値が所定範囲以上であれば、制御パラメータの次回サイクルでの設定値は出力パラメータがより大きくなる側に調整されるので、次回サイクルで出力パラメータが小さくなる方向にトルクが急変するのを抑制することができる。つまり、急速燃焼後に部分燃焼が起き、部分燃焼後に急速燃焼が起きるという燃焼状態の変動を抑制することができる。
第7の発明によれば、出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値のばらつきの程度が所定程度よりも大きいことが、制御パラメータの次回サイクルでの設定値が調整される条件になっているので、燃焼状態の変動が問題にならない状況での無駄な制御パラメータの調整を防止することができる。
第8の発明によれば、出力パラメータの相関が負相関にあるときに制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整が行われるので、急速燃焼と部分燃焼が交互に起きる状況でのみ制御パラメータを調整することができる。
第9の発明によれば、主制御パラメータが所定の調整範囲を超えるときには、他の制御パラメータの次回サイクルでの設定値が調整されるので、調整代が足りなくなることがなく、燃焼状態の変動を確実に抑制することができる。
第10の発明によれば、触媒暖機のための点火時期遅角制御が実行されている状況において、点火時期の進角度が所定程度を超えるときには、点火時期がそれ以上進角される代わりに燃料噴射量の次回サイクルでの設定値が増量されるので、点火時期遅角による触媒の暖機作用を維持しながら燃焼状態の変動を抑制することができる。
また、気筒間に定常的なトルク差がある場合には、出力パラメータの検出値にも気筒間で定常的な差が生じるが、第11の発明によれば、気筒間のトルク差が補正されることで出力パラメータの検出値に含まれる気筒間の定常的な差は縮小される。これにより、出力パラメータの検出値と所定範囲との比較において気筒間のトルク差による誤判定が防止されるので、制御パラメータを的確に調整して燃焼状態の変動を抑制することができる。
第12の発明によれば、出力パラメータの検出値が過去の検出値によって相対値化されることで、検出値に含まれる誤差は過去の検出値との間で相殺される。これにより、出力パラメータの検出値と所定範囲との比較において出力パラメータの絶対値精度に起因する誤判定が防止されるので、制御パラメータを的確に調整して燃焼状態の変動を抑制することができる。
ところで、燃料性状は燃焼状態に影響し、燃料が重質の場合には燃焼が不安定になって燃焼状態が変動しやすい。このとき、トルクの過去複数サイクルにおける値の相関関係は負相関を示す。したがって、第13の発明によれば、出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関を見ることで、燃料性状を正確に判定することができる。
燃料性状が変わると燃焼状態が変化するが、燃焼状態は出力パラメータの検出値と過去の平均値との乖離状態によって表される。したがって、第14の発明によれば、前記乖離状態に応じて点火時期の次回サイクルでの設定値が調整される際、その調整量から燃料性状を判定することで、燃料性状を正確に判定することができる。
また、第15の発明によれば、燃焼状態に応じた触媒の暖機制御が可能になる。例えば、負の相関がない安定した燃焼状態のときには点火時期の遅角補正量を大きくして触媒を早期に暖機することもできる。
第16の発明によれば、燃焼状態に応じた内部EGR量の制御が可能になる。例えば、負の相関がない安定した燃焼状態のときには内部EGR量を大きくしてNOxを低減することもできる。
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
図2〜図10は本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置について説明するための図である。本実施形態の内燃機関の制御装置は、ECU(Electronic Control Unit)として構成されている。ECU2は、複数のセンサの出力信号に基づき、内燃機関の運転状態に係わる各種アクチュエータを総合的に制御する。本実施形態では、図2に示すように、ECU2の入力側には、クランク角センサ6が接続され、その出力側には、点火プラグ8と燃料噴射弁10が接続されている。クランク角センサ6はクランク軸の近傍に設けられ、所定のクランク角位置でECU2に信号を出力している。ECU2は、クランク角センサ6から出力信号の供給を受けていると共に、点火プラグ8と燃料噴射弁10に対して駆動信号を供給している。なお、ECU2には、クランク角センサ6や上記のアクチュエータ8,10以外にも複数のセンサ(例えば筒内圧センサ)やアクチュエータが接続されているが、ここではその説明は省略する。また、点火プラグ8、燃料噴射弁10は気筒毎に設けられているが、ここでは代表してそれぞれ1つのみ示している。
図3〜図5は本実施形態においてECU2が行う制御の内容をフローチャートで示したものである。ECU2は、冷間ファーストアイドル時のように部分燃焼と急速燃焼とが交互に起こり得る状況において、気筒別に燃焼を安定化させることで燃焼状態の変動を抑制する気筒別燃焼安定化制御を実施する。この気筒別燃焼安定化制御の概要は、部分燃焼が起きたら、次回サイクルでの制御パラメータの設定値をより部分燃焼する側に調整し、急速燃焼が起きたら、次回サイクルでの制御パラメータの設定値をより急速燃焼する側に調整するというものである。前述したように部分燃焼の次回サイクルでは急速燃焼が起きやすく、急速燃焼の次回サイクルでは部分燃焼が起こることが予想されるので、このように制御パラメータを調整することで燃焼を安定化させ、燃焼状態の変動を抑制することが可能になると考えられる。
具体的には、先ず、気筒別燃焼安定化制御を実行するか否かの判定が実施される。上記のように制御パラメータの設定値を調整する場合、実際に燃焼状態に大きなばらつきが生じていない状況では、かえって燃焼を悪化させてしまう可能性がある。例えば、図1のグラフを用いて考えると、内燃機関の経年変化によってトルクが全体的に低下し、グラフ上ではトルクが部分燃焼領域に入ってしまう場合が想定される。このような場合に次回サイクルでの制御パラメータの設定値をより部分燃焼する側に調整してしまうと、部分燃焼がさらに助長されてしまいトルクが大きく低下してしまう可能性がある。そこで、ECU2は、実際に燃焼状態に大きなばらつきが生じている状況でのみ気筒別燃焼安定化制御を実施すべく、図3のフローチャートで示すルーチンを実行する。
図3は、気筒別燃焼安定化制御の実行の可否について判定するためのルーチン(制御実行判定ルーチン)を示している。図3のルーチンでは、先ず、気筒毎に過去mサイクル(例えば10サイクル)におけるトルクの相関係数が算出される(ステップ100)。図3のルーチンは、クランク角センサ6からの信号をトリガとして各気筒の1サイクル毎に所定のタイミングで実行されており、ステップ100での相関係数の算出はサイクル毎に逐次行われる。トルクは、例えば、以下に説明するように、クランク角センサ6から供給される出力信号(クランク角信号)から運動方程式に則って算出することができる。
以下の(1)式,及び(2)式は、クランク角センサ6から供給される出力信号からトルクを算出するための式である。
Ti=J×(dω/dt)+Tf+Tl ・・・(1)
Ti=Tgas+Tinertia ・・・(2)
上記の(1)式、(2)式において、Tiはエンジンの燃焼によってクランク軸に発生する図示トルクである。ここで、(2)式の右辺は図示トルクTiを発生させるトルクを示しており、(1)式の右辺は図示トルクTiを消費するトルクを示している。
(1)式の右辺において、Jは混合気の燃焼によって駆動される駆動部材の慣性モーメント、dω/dtはクランク軸の角加速度、Tfは駆動部のフリクショントルク、Tlは走行時に路面から受ける負荷トルク、を示している。ここで、J×(dω/dt)はクランク軸の角加速度に起因する動的な損失トルク(=Tac)である。フリクショントルクTfは、ピストンとシリンダ内壁の摩擦など各嵌合部の機械的な摩擦によるトルクであって、補機類の機械的な摩擦によるトルクを含むものである。負荷トルクTlは、走行時の路面状態などの外乱によるトルクである。冷間ファーストアイドル時はシフトギヤはニュートラル状態であるので、以下の説明ではTl=0とする。
また、(2)式の右辺において、Tgasはシリンダの筒内ガス圧によるトルク、Tinertiaはピストンなどの往復慣性質量による慣性トルクを示している。筒内ガス圧によるトルクTgasは、シリンダ内の混合気の燃焼によって発生するトルクである。燃焼状態を正確に推定するためには、筒内ガス圧によるトルクTgasを求める必要がある。
(1)式に示されるように、図示トルクTiは、角加速度に起因する動的な損失トルクJ×(dω/dt)、フリクショントルクTf、及び負荷トルクTlの和として求めることができる。しかし、(2)式に示されるように、図示トルクTiと筒内ガス圧によるトルクTgasは一致しないため、図示トルクTiから燃焼状態を正確に推定することはできない。
図8は、(2)式の各トルクとクランク角との関係を示す特性図である。図8において、縦軸は各トルクの大きさを、横軸はクランク角を示しており、図8中の一点鎖線は図示トルクTiを、実線は筒内ガス圧によるトルクTgasを、破線は往復慣性質量による慣性トルクTinertiaをそれぞれ示している。ここで、図8は4気筒の場合の特性を示したものであり、図8中のTDC、BDCは、4気筒のうちの1気筒のピストン34が上死点(TDC)、又は下死点(BDC)の位置にある場合のクランク角(0°,180°)を示している。内燃機関10が4気筒の場合、クランク軸が180°回転する度に1気筒づつ爆発行程が行われ、1回の爆発毎に図8中のTDCからBDCまでのトルク特性が繰り返し現れる。
図8中の実線に示すように、筒内ガス圧によるトルクTgasは、TDCからBDCの間で急激に増加し、減少する。ここで、Tgasの急激な増加は、爆発行程で燃焼室内の混合気が爆発するためである。爆発後、Tgasは減少し、他の圧縮行程或いは排気行程にある気筒の影響により、負の値となる。その後、クランク角がBDCに達するとシリンダの容積変化がゼロとなり、Tgasは0になる。
一方、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaは、筒内ガス圧によるトルクTgasとは無関係に、ピストンなど往復運動する部材の慣性質量によって発生する慣性トルクである。往復運動する部材は加減速を繰り返しており、Tinertiaはクランクが回転していれば角速度一定の場合であっても常に発生する。図8中の破線に示すように、クランク角がTDCの位置では往復運動する部材は停止しており、Tinertia=0である。クランク角がTDCからBDCに向かって進むと、往復運動する部材が停止状態から運動し始める。この際、これらの部材の慣性によってTinertiaは負の方向に増加する。クランク角が90°近傍に達した時点では、往復運動する部材が所定の速度で運動しているため、これらの部材の慣性によってクランク軸が回転する。従って、TinertiaはTDCとBDCの間で負の値から正の値へ変わる。その後、クランク角がBDCまで到達すると往復運動する部材は停止し、Tinertia=0となる。
(2)式に示されるように、図示トルクTiは筒内ガス圧によるトルクTgasと往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの和である。このため、図8の一点鎖線に示されるように、TDCとBDCの間では、図示トルクTiは混合気の爆発によるTgasの増加によって増加し、一旦減少した後、Tinertiaによって再び増加するという複雑な挙動を示している。
しかし、TDCからBDCまでのクランク角180°の区間に着目すると、この区間での往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの平均値は0となる。これは、往復慣性質量を有する部材が、クランク角0°〜90°とクランク角90°〜180°で反対の動きをするためである。従って、(1)式および(2)式の各トルクをTDCからBDCまでの平均値として算出すると、往復慣性質量による慣性トルクTinertia=0として計算することができる。これにより、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaが図示トルクTiに与える影響を排除することができ、正確な燃焼状態を簡単に推定することが可能となる。
そして、TDCからBDCまでの区間において各トルクの平均値を求めると、Tinertiaの平均値が0となるため、(2)式から、図示トルクTiの平均値と筒内ガス圧によるトルクTgasの平均値とが等しくなる。このため、図示トルクTiに基づいて正確に燃焼状態を推定することができる。
さらに、TDCからBDCまでの区間でクランク軸の角加速度の平均値を求めると、この区間でのTinertiaの平均値は0であるため、往復慣性質量が角加速度に与える影響を排除して角加速度を求めることができる。従って、燃焼状態のみに起因する角加速度を算出することができ、角加速度に基づいて正確に燃焼状態を推定することが可能となる。
次に、(1)式の右辺の各トルクを算出する方法を説明する。最初に、角加速度に起因する動的な損失トルクTac=J×(dω/dt)の算出方法を説明する。図9は、クランク軸の角加速度を求める方法を示す模式図であり、クランク角信号とトルク算出タイミングを示す図である。図9に示すように、本実施形態では、クランク軸の回転の10°毎にクランク角センサ6からクランク角信号が供給される。
ECU2は、角加速度に起因する動的な損失トルクTacをTDCからBDCまでの平均値として算出する。このために、本実施形態の装置は、TDCとBDCの2ヶ所のクランク角位置で角速度ω0(k),ω0(k+1)をそれぞれ求め、同時にクランク軸がTDCからBDCまで回転する時間Δt(k)を求める。
角速度ω0(k)を求める際には、例えば図9に示すように、クランク角がTDCの位置から前後10°づつ回転している間の時間Δt0(k),Δt10(k)をクランク角センサ6から検出する。そして、時間Δt0(k)+Δt10(k)の間にクランク軸が20°回転しているため、ω0(k)=(20/(Δt0(k)+Δt10(k))×(π/180)を演算することによってω0(k)[rad/s]を算出できる。同様に、ω0(k+1)を算出する際は、クランク角がBDCの位置から前後10°づつ回転している間の時間Δt0(k+1),Δt10(k+1)を検出する。そして、ω0(k+1)=(20/(Δt0(k+1)+Δt10(k+1)))×(π/180)を演算することによってω0(k+1)[rad/s]を算出できる。角速度ω0(k),ω0(k+1)を求めた後は、(ω0(k+1)−ω0(k))/Δt(k)を演算し、TDCからBDCまでクランク軸が回転する間の角加速度の平均値を算出する。
そして、角加速度の平均値を求めた後は、(1)式の右辺に従って、角加速度の平均値と慣性モーメントJを乗算する。これにより、クランク軸がTDCからBDCまで回転する間の動的な損失トルクJ×(dω/dt)の平均値を算出できる。なお、駆動部の慣性モーメントJは、駆動部品の慣性質量から予め求めておく。
次にフリクショントルクTfの算出方法を説明する。図10はフリクショントルクTfと内燃機関の機関回転数Ne、冷却水温thwとの関係を表したマップである。図10において、フリクショントルクTf、機関回転数Ne、冷却水温thwは、TDCからBDCまでクランク軸が回転した場合の平均値である。また、冷却水温は、thw1→thw2→thw3の順に高温になる。図10に示すように、フリクショントルクTfは機関回転数(Ne)が増えると増加し、また冷却水温thwが低くなると増加する。図10のマップは、機関回転数Ne、冷却水温thwをパラメータとして可変し、TDCからBDCまでクランク軸を回転させた際に発生するフリクショントルクTfを測定し、その平均値を算出することで予め作成しておく。そして、燃焼状態を推定する際には、TDCからBDCまでの区間における冷却水温の平均値、機関回転数の平均値を図10のマップに当てはめて、フリクショントルクTfの平均値を求める。この際、冷却水温は水温センサ(図示略)から、機関回転数はクランク角センサ6からそれぞれ検出する。
クランク角の変動に伴うフリクショントルクTfの挙動は非常に複雑であり、バラツキも大きい。しかし、フリクショントルクTfの挙動は主としてピストンの速度に依存しているため、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの平均値が0となる区間毎のフリクショントルクTfの平均値はほぼ一定している。従って、往復慣性質量による慣性トルクTinertiaの平均値が0となる区間(TDC→BDC)毎にフリクショントルクTfの平均値を求めることで、複雑な瞬時挙動を示すフリクショントルクTfを精度良く求めることができる。また、フリクショントルクTfをこの区間毎の平均値とすることで、図10に示すマップを正確に作成することができる。
また、上述したようにフリクショントルクTfには補機類の摩擦によるトルクが含まれる。ここで、補機類の摩擦によるトルクは、補機類が動作しているか否かによって値が異なる。例えば、補機の1つであるエアコンのコンプレッサには、エンジンの回転がベルト等によって伝達されており、エアコンが実際に動作していない状態であっても摩擦によるトルクが発生している。
一方、補機類を動作させた場合、例えばエアコンのスイッチをONした場合は、エアコンを動作させていない状態に比べてコンプレッサで消費されるトルクは大きくなる。このため、補機類の摩擦によるトルクが大きくなり、フリクショントルクTfの値も増大する。従って、フリクショントルクTfを正確に求めるためには、補機類の動作状態を検出し、補機類のスイッチがONしている場合には、図10のマップから求めたフリクショントルクTfの値を補正することが望ましい。
なお、極冷間始動時などにおいては、実際にフリクショントルクTfが発生している部位の温度と冷却水温との差を考慮して、フリクショントルクTfを補正することがより好適である。この場合、冷間始動後の機関始動時間、筒内流入燃料量等を考慮して補正を行うことが望ましい。
本実施形態では、上記の図示トルク(推定図示トルクとも言う)Tiが機関のトルクの代表値として用いられている。ECU2は各気筒についてトルク(図示トルクTi)を算出する。ECU2の内部にはメモリが備えられ、過去mサイクル分のトルクがメモリに記憶されている。メモリの記憶内容はサイクル毎に更新され、最新の過去mサイクルのトルクがメモリに記憶されるようになっている。
燃焼状態のばらつきは、図6を用いて評価することができる。図6は前回サイクルにおけるトルクを縦軸にとり、今回サイクルにおけるトルクを横軸にとったグラフであり、これによりサイクル間のトルクの相関関係が明らかになる。燃焼状態にばらつきがある場合において、気筒別燃焼安定化制御による効果がより顕著に発揮されるのは、部分燃焼と急速燃焼とが交互に起きている状況である。図1に示すようにトルクがサイクル毎に上下に変動している場合には、グラフ上の点は左上から右下に向かって並ぶ傾向を示す。このように左上から右下に向かってグラフ上の点が並ぶ傾向を示す場合には、相関係数はマイナスの値を示す。トルクのサイクル毎の上下変動が明確なほど、グラフ上の点は一本の直線上に集まってくるようになり、それに応じて相関係数は小さくなる。相関係数は、全ての点が左上から右下に向かう1本の直線上に乗ったときに最小になり、−1がその最小値である。
ステップ102では、ステップ100で算出した相関係数が所定の閾値(例えば−0.6)と比較され、相関係数が閾値よりも小さくなった場合には、過去mサイクルのトルクには負相関があると判定される。そして、負相関がある場合には、気筒別燃焼安定化制御を実施すべく制御実行フラグはONにされ(ステップ104)、負相関がない場合には、気筒別燃焼安定化制御を実施しないように制御実行フラグはOFFにされる(ステップ106)。
気筒別燃焼安定化制御は、具体的には、図4のフローチャートに示すルーチン(気筒別燃焼安定化制御ルーチン)によって実行される。図4のルーチンは、クランク角センサ6からの信号をトリガとして、図3のルーチンを実行した後の所定のタイミングで実行される。このルーチンでは、先ず、制御実行フラグがONになっているか否かを判定される(ステップ200)。そして、制御実行フラグがONになったときのみ、ステップ202以降の処理が実施される。
ステップ202では、内燃機関のトルクが算出される。ここでのトルクとしては、上述のようにクランク角センサ6から供給される出力信号から運動方程式に則って気筒別に算出される図示トルクを用いることができる。その他、各気筒に燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサを備えた内燃機関であれば、筒内圧センサから供給される出力信号とクランク角センサ6から供給される出力信号とに基づいて算出できる図示トルクを用いてもよい。また、公知の方法によりクランク角センサ6から供給される出力信号の変動、すなわち、クランク角速度からトルクを算出してもよい。
次のステップ204では、ステップ202で算出されたトルクの値から、内燃機関の燃焼状態が部分燃焼か否かが判定される。具体的には、算出されたトルクは所定の判定値T1と比較され、トルクが判定値T1よりも小さいときには、そのサイクルでの燃焼状態は部分燃焼であると判定される。判定値T1は適正トルク領域の下限値である。ステップ204で部分燃焼と判定された場合には、次回サイクルで起こることが予想される急速燃焼を抑制すべく、次回サイクルでの点火時期の設定値が所定の遅角補正量だけ遅角される(ステップ206)。
ステップ204で部分燃焼でないと判定された場合には、続いてステップ208の判定が行われる。ステップ208では、内燃機関の燃焼状態が急速燃焼か否かが判定される。具体的には、ステップ202で算出されたトルクは所定の判定値T2と比較され、トルクが判定値T2よりも大きいときには、そのサイクルでの燃焼状態は急速燃焼であると判定される。判定値T2は適正トルク領域の上限値であり、当然、判定値T1よりも大きい値である。ステップ208で急速燃焼と判定された場合には、次回サイクルで起こることが予想される部分燃焼を抑制すべく、次回サイクルでの点火時期の設定値が所定の進角補正量だけ進角される(ステップ210)。
ステップ208で急速燃焼と判定されなかった場合には、適正な燃焼状態にあると判断される。この場合、次回サイクルでの点火時期は現状の設定値に維持されるか、或いは、本制御以外の他の要因で決まる設定値に調整される。
ステップ206或いはステップ210の処理により補正された点火時期の設定値は、次回サイクルにおいて、点火プラグ8を駆動するドライバにセットされる。ただし、ステップ210において進角された点火時期の設定値については、所定の条件を満たす場合のみ、そのまま点火プラグ8の駆動ドライバにセットされる。その条件は、図5のルーチンにおいて定められている。
図5は、点火時期の遅角によって触媒暖機効果を保持するための制御ルーチン(触媒暖機効果保持制御ルーチン)を示している。内燃機関の排気通路に配置される触媒は、所定の活性温度にあるときに排気ガスの浄化性能を発揮するが、冷間始動時には触媒温度は活性温度よりも大きく低下している。このため、内燃機関の始動後は触媒を活性温度まで早期に昇温させる必要があり、その手段として点火時期の遅角によって排気温度を上昇させる手法が用いられている。このような状況では、ステップ210での点火時期の進角側への補正には限度があり、点火時期を進角側に補正しすぎると点火時期の遅角による排気温度の昇温効果が損なわれ、触媒を速やかに暖機できなくなってしまう。そこで、図5のルーチンでは、点火時期が所定量まで進角された場合には、点火時期に代えて他の制御パラメータ、具体的には燃料噴射量の設定値を調整することで、急速燃焼後の部分燃焼の抑制に対応するようにしている。
具体的には、先ず、現在、触媒の暖機のために点火時期の遅角が行われている否かが判定される(ステップ300)。点火時期の遅角は、排気温度センサの出力信号等に基づいて別の制御ルーチンで実行されている。点火時期遅角制御の内容については公知であるので、説明は省略する。ここでは、例えば、点火時期遅角制御の制御ルーチンにおいて、点火時期を遅角させる実行フラグがONになっていれば、点火時期の遅角が行われていると判定する。
ステップ300の判定において点火時期が遅角されている場合には、続いて、点火時期の進角補正の有無について判定される(ステップ302)。ここでは、図4のルーチンにおけるステップ210の処理が実行された場合に、点火時期が進角補正されたものと判定される。
点火時期が進角補正された場合には、ステップ304において、次の(3)式に従って進角補正積算値Sasの更新が行われる。
Sas=Sas+as ・・・(3)
上記(3)式中、左辺のSasは更新後の値であり、右辺のSasは更新前の値である。進角補正積算値Sasは、ベースの点火時期(上述の遅角制御において決定される点火時期の設定値)からの進角側への補正量であり、ステップ210の処理が実行される毎に更新される。進角補正積算値Sasに積算される進角補正量asは、ステップ210における進角補正量に等しい。なお、ステップ300の判定において点火時期が遅角されていないとき、或いは、触媒温度の活性温度への到達により途中で点火時期遅角制御が終了したときには、進角補正積算値Sasはゼロにリセットされる(ステップ310)。
次のステップ306では、進角補正積算値Sasが所定の閾値より大きいか否かが判定される。触媒の暖機効果は点火時期が進角補正されるほど小さくなるので、上記の閾値によって触媒の暖機効果を十分に得ることができる進角補正積算値の限度が定められている。進角補正積算値Sasが閾値よりも大きくなったときには、点火時期の進角補正は停止され、代わりに次回サイクルでの燃料噴射量の設定値が所定の増量補正量だけ増量される(ステップ308)。
ステップ308の処理が実行された場合、ステップ210で実施された点火時期の設定値の進角補正はキャンセルされる。次回サイクルでは、点火プラグ8の駆動ドライバには今回サイクルでの点火時期の設定値がそのままセットされる。また、ステップ308の処理により増量補正された燃料噴射量の設定値は、次回サイクルにおいて燃料噴射弁10を駆動するドライバにセットされる。
以上の制御が実行されることにより、内燃機関の燃焼状態が部分燃焼になったときには、次回サイクルでの点火時期の設定値が遅角側に補正されるので、次回サイクルで急速燃焼が起きるのを抑制することができる。逆に、燃焼状態が急速燃焼になったときには、次回サイクルでの点火時期の設定値が進角側に補正されるので、次回サイクルで部分燃焼が起きるのを抑制することができる。つまり、本実施形態の制御装置によれば、急速燃焼後に部分燃焼が起き、部分燃焼後に急速燃焼が起きることによる燃焼状態の変動を抑制することができ、ドライバビリティや排気浄化性能を向上させることができる。
図7は、冷間ファーストアイドルにおいて上記制御を実行した場合に生じる特定気筒のトルク変化について示したグラフである。図7において上下2つの閾値ではさまれたトルク領域が適正トルク領域を示し、適正トルク領域よりも高い領域は急速燃焼領域、適正トルク領域よりも低い領域は部分燃焼領域を示している。図中では適正トルク領域に入ったサイクルは白丸で示し、適正トルク領域から外れたサイクルは黒丸で示している。そして、図中に二重丸で示すサイクルは、気筒別燃焼安定化制御によってトルク変動が抑制されたサイクルを示している。ここでは一部で部分燃焼後が起きているが、その後の急速燃焼は確実に抑制されている。図1のグラフと比較すると明らかなように、全体のトルク変動は極めて低く抑えられている。
また、上記制御が実行される際、触媒暖機の観点から点火時期をそれ以上進角できない場合には、代わりに次回サイクルでの燃料噴射量の設定値が増量補正されるので、点火時期をそれ以上進角することなく次回サイクルで急速燃焼が起きるのを抑制することができる。つまり、本実施形態の制御装置によれば、点火時期遅角による触媒の暖機作用を維持しながらも、急速燃焼後に部分燃焼が起きることによる燃焼状態の変動を抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態においては、トルクによって燃焼状態を判断しているが、トルク以外の出力パラメータに基づいて燃焼状態を判断してもよい。例えば、燃焼割合、熱発生量、燃焼速度等が燃焼状態を判断するための出力パラメータとして用いることができる。何れも筒内圧センサを実装している内燃機関であれば、その出力信号に基づいて算出することができる。
また、上述の実施の形態では、点火時期を主制御パラメータとし、主に点火時期を調整することで燃焼状態を制御しているが、燃料噴射量を主制御パラメータとして燃焼状態を制御するようにしてもよい。さらに、点火時期や燃料噴射量以外にも燃焼状態に係わる制御パラメータであれば、燃焼状態の制御に用いることができる。例えば、燃料噴射量の噴射タイミングによっても燃焼状態を制御することができる。燃料噴射には、吸気弁が開いているときに噴射する同期噴射と吸気弁が閉じているときに噴射する非同期噴射とがあるが、同期噴射の場合には噴射燃料のポートウェットを減らして確実に燃焼室内に供給できる分、空燃比はリッチになる。したがって、同期噴射と非同期噴射とを切り換えることで空燃比を変更し、燃焼状態を変化させることができる。また、燃料噴射を同期噴射と非同期噴射とに分けて2回行い、各回の燃料噴射量の比率を調整するようにしてもよい。さらに、電磁駆動弁のように気筒毎に吸気量を調整できる手段を有する場合には、吸気量の調整によって燃焼状態を制御してもよい。
また、上述の実施の形態では、図3の制御実行判定ルーチンを各気筒の1サイクル毎に逐次実行するようにしているが、このように頻繁に実行するのではなく、運転毎(或いは冷間始動毎)に実行するようにしてもよい。つまり、運転毎に負相関の有無を判定して記憶しておき、次回の運転時には前回の運転時に記憶された負相関の有無に従い、制御実行フラグをONに設定したりOFFに設定したりするのでもよい。
また、図5の触媒暖機効果保持制御ルーチンでは、点火時期から燃料噴射量への制御パラメータの切り換え条件として、進角補正量の積算値を用いているが、点火時期の遅角による触媒暖機効果の低減度合いを表すものであれば他のパラメータを用いてもよい。例えば、進角補正回数によって切り換えを判定してもよい。さらに、図5のルーチンでは、点火時期から燃料噴射量へ制御パラメータを切り換えているが、調整によって部分燃焼を抑制できるものであれば燃料噴射量以外の他の制御パラメータへ切り換えてもよい。例えば、噴射量を変えることなく、非同期噴射による1回噴射から非同期噴射と同期噴射による2回噴射に切り換えるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、部分燃焼後の急速燃焼を抑制する制御(図4のルーチンにおけるステップ204,206)と、急速燃焼後の部分燃焼を抑制する制御(図4のルーチンにおけるステップ208,210)とを実行しているが、何れか一方の制御のみを実行するようにしてもよい。部分燃焼と急速燃焼との相関関係を考慮すれば、何れか一方を抑制することによって他方も抑制することができると考えられる。
さらに、上述の実施の形態では、図3〜図5の各ルーチンを冷間ファーストアイドル時に実行しているが、これらルーチンによる制御は、冷間ファーストアイドル時にしか効果が得られないものではない。つまり、燃焼状態が変動している状況であれば、上記ルーチンによる制御を実行することで燃焼状態の変動を抑制することができる。ただし、加速時や登坂時のように負荷が変動する状況では、燃焼状態は負荷の変動に応じて制御されており、このときの燃焼状態の変動は積極的な制御の結果生じたものであるので、このような状況では上記ルーチンによる制御を実行する必要はない。上記ルーチンによる制御が効果を発揮するのは、負荷の変動のない定常時において燃焼状態が変動している状況である。したがって、定常時であれば逐次、図3のルーチンを実行し、制御実行フラグがオンになれば図4のルーチンを実行するようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態においては、ECU2による上記ステップ204,206の処理の実行により、第1の発明の「制御パラメータ調整手段」が実現されている。また、ECU2による上記ステップ208,210の処理の実行により、第2の発明の「制御パラメータ調整手段」が実現されている。さらに、ECU2による上記ステップ204,206,208,210の処理の実行により、第6の発明の「制御パラメータ調整手段」が実現されている。また、ECU2による図3のルーチンの実行により、第7の発明及び第8の発明の「ばらつき判定手段」が実現されている。さらに、ECU2による上記ステップ304,306,308の処理の実行により、第9の発明の「制御パラメータ調整手段」が実現され、ECU2による上記ステップ302,304,306,308の処理の実行により、第10の発明の「制御パラメータ調整手段」が実現されている。また、ECU2による上記ステップ300の処理の実行により、第10の発明の「運転状態判定手段」が実現されている。
実施の形態2.
以下、図11を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、実施の形態1において、ECU2にさらに図11のルーチンを実行させることにより実現することができる。
自動車等の車両用の内燃機関としては、一般に複数の気筒を有する複数気筒エンジンが用いられている。このような複数気筒エンジンでは、通常、各気筒は同一構造であって且つ同一の制御が行われており、設計上は全ての気筒が同一トルクを出力するようになっている。しかしながら、実際は、インジェクタの燃料噴射特性のばらつき、タペットクリアランスのばらつきや気筒間の吸気干渉等による吸気量の不均一、各気筒の燃焼室容積やピストン形状等の製造上のばらつき等によって、気筒間には定常的なトルク差が生じている場合が多い。ここでいう定常的なトルク差とは、サイクル毎のトルク変動を平滑化して得られるトルク(例えば平均トルク)の差を意味している。
このような気筒間の定常的なトルク差は、燃焼状態の判定(実施の形態1におけるステップ204,208の判定)において誤判定を招く可能性がある。例えば、トルクが他の気筒と比較して定常的に高い気筒では、実際には適正な燃焼状態であるにもかかわらず、閾値との比較の上では適正トルク領域から急速燃焼領域に外れるために急速燃焼であると判定されてしまう可能性がある。逆に、実際には部分燃焼であるにもかかわらず、閾値との比較の上では適正トルク領域に入るために適正な燃焼状態であると判定されてしまう可能性がある。急速燃焼後に部分燃焼が起き、部分燃焼後に急速燃焼が起きることによる燃焼状態の変動を抑制するためには点火時期等の制御パラメータを的確に調整する必要があるが、そのためには、上記のような燃焼状態の誤判定を何らかの手段によって防止することが重要である。
図11は、本実施形態において、内燃機関の制御装置としてのECU2が実行するトルク差補正制御の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、図3のルーチンを実行する前に図11のルーチン(トルク差補正制御ルーチン)が実行される。図11に示すルーチンでは、先ず、所定の運転条件が成立したか否か判定される(ステップ400)。運転条件は、実施の形態1で説明した一連の燃焼安定化制御(図3乃至図5のフローチャートで表される制御)を実施するのにふさわしい内燃機関の運転状態を定めたものである。ここでは、冷間始動直後の冷間ファーストアイドル中であることを運転条件としている。
運転条件が成立している場合には、ステップ402に進み、燃焼安定化制御実施条件フラグがセットされているか、或いはクリアされているか判定される。燃焼安定化制御実施条件フラグは、後述するステップ404乃至ステップ408の処理によって燃焼安定化制御を実施するための条件が整ったときにセットされるフラグである。このフラグは、初期状態ではクリアされており、セット後はステップ400の運転条件が不成立になった場合(例えば、冷間ファーストアイドルが終了した場合)にクリアされる(ステップ412)。
ステップ402の判定で燃焼安定化制御実施条件フラグがクリアされている場合、まず、各気筒について過去Nサイクルの平均トルクが算出される(ステップ404)。そして、平均トルクに気筒間で差があるかないか判定される(ステップ406)。気筒間トルク差は、標準トルク(例えば、全気筒の平均トルク)に対する各気筒の平均トルクの偏差の有無によって判定される。ステップ406の判定の結果、気筒間トルク差が生じている場合には、各気筒のトルクが標準トルクになるように、燃料噴射量や点火時期が気筒別に補正される(ステップ408)。
ステップ400乃至ステップ408の処理は、ステップ408の処理により気筒間トルク差が解消されるまで繰り返し行われる。そして、気筒間トルク差が解消されることによりステップ406のNoルートに進み、燃焼安定化制御実施条件フラグがセットされる(ステップ410)。このフラグがセットされることにより、実施の形態1と同様、図3の制御実行判定ルーチンが実行される。
以上説明したトルク差補正制御ルーチンが制御実行判定ルーチンに先立ち実行されることにより、気筒間に存在する定常的なトルク差によって内燃機関の燃焼状態を誤判定してしまうことが防止される。したがって、本実施形態の制御装置によれば、気筒間トルク差による誤判定が防止される結果、点火時期や燃料噴射量などの制御パラメータを的確に調整して燃焼状態の変動をより確実に抑制することが可能になる。
なお、上述した実施の形態においては、ECU2による上記ステップ404,406,408の処理の実行により、第4の発明及び第11の発明の「トルク差補正手段」が実現されている。
実施の形態3.
以下、図12を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、実施の形態1において、ECU2に、図4のルーチンに代えて図12のルーチンを実行させることにより実現することができる。
実施の形態1では、クランク角センサ6から供給される出力信号に基づいて図示トルクを推定し、これを所定の判定値T1,T2と比較することで内燃機関の燃焼状態が部分燃焼か否か、或いは急速燃焼か否かを判定している。ところが、フリクショントルクのばらつきや経年変化、クランク角センサ6の信号精度などの影響により、トルクの絶対値精度を確保することは難しい。このため、上述のようにトルクの絶対値で閾値(判定値T1,T2)をもつ場合には、トルクの絶対値精度によっては誤判定の可能性がある。そこで、本実施形態では、トルクの絶対値精度に起因する誤判定を防止すべく、以下のような気筒別燃焼安定化制御ルーチンを実行する。
図12は、本実施形態において、内燃機関の制御装置としてのECU2が実行する気筒別燃焼安定化制御の流れを説明するためのフローチャートである。図12のルーチンは、クランク角センサ6からの信号をトリガとして、図3のルーチンを実行した後の所定のタイミングで実行される。なお、図では省略しているが、このルーチンでも、図3のルーチンでセットされる制御実行フラグがONになっているか否か判定し、制御実行フラグがONになったときのみ、ステップ500以降の処理が実施される。
ステップ500では、過去Nサイクルの平均トルクmtin(k)が気筒毎に算出される。ECU2の内部にはメモリが備えられ、過去Nサイクル分の各気筒のトルクTin(k-N)〜Tin(k-1)がメモリに記憶されている。平均トルクmtin(k)は、メモリに記憶されているトルクTin(k-N)〜Tin(k-1)の平均値として算出される。なお、括弧内のkはサイクル数を示している。
ステップ502では、今回サイクルにおける各気筒のトルクTin(k)が算出される。トルクTin(k)としては、実施の形態1と同様、クランク角の時間信号から運動方程式に則って気筒別に算出された図示トルクを用いることができる。また、筒内圧とクランク角とに基づき算出される図示トルクや、公知の方法である機関回転数の回転変動からトルクを算出してもよい。
次のステップ504では、今回トルクTin(k)の平均トルクmtin(k)に対する比であるトルク比率R(k){R(k)=Tin(k)/mtin(k)}が算出される。本実施形態では、このトルク比率R(k)が、内燃機関の燃焼状態が部分燃焼であるか否か、急速燃焼であるか否かを判定するための指標となる。
ステップ506では、ステップ504で算出されたトルク比率R(k)が所定の判定値R1と比較される。判定値R1は適正トルク領域の下限値に対応しており、1より小さい値に設定されている。トルク比率R(k)が判定値R1よりも小さいときには、そのサイクルでの燃焼状態は部分燃焼であると判定され、次回サイクルで起こることが予想される急速燃焼を抑制すべく、次回サイクルでの点火時期の設定値が遅角される(ステップ508)。点火時期の遅角補正量は、一定値に設定してもよく、トルク比率R(k)の大きさ、或いはトルク比率R(k)と判定値R1との差に応じた値に設定してもよい。
ステップ506で部分燃焼でないと判定された場合には、続いてステップ510の判定が行われる。ステップ510では、ステップ504で算出されたトルク比率R(k)が所定の判定値R2と比較される。判定値R2は適正トルク領域の上限値に対応しており、1より大きい値に設定されている。トルク比率R(k)が判定値R2よりも大きいときには、そのサイクルでの燃焼状態は急速燃焼であると判定され、次回サイクルで起こることが予想される部分燃焼を抑制すべく、次回サイクルでの点火時期の設定値が進角される(ステップ512)。点火時期の進角補正量は、一定値に設定してもよく、トルク比率R(k)の大きさ、或いはトルク比率R(k)と判定値R2との差に応じた値に設定してもよい。
ステップ510で急速燃焼と判定されなかった場合には、適正な燃焼状態にあると判断される。この場合、次回サイクルでの点火時期は現状の設定値に維持されるか、或いは、本制御以外の他の要因で決まる設定値に調整される。
点火時期の設定後は、ステップ514に進む。このステップではサイクル数kが一つ更新される。また、メモリの記憶内容が更新され、最新の過去Nサイクルのトルクがメモリに記憶される。
以上説明した気筒別燃焼安定化制御ルーチンの実行により、今回トルクTin(k)の平均トルクmtin(k)に対する比がとられることで、今回トルクTin(k)は過去のトルクTin(k-N)〜Tin(k-1)によって相対値化され、今回トルクTin(k)に含まれる誤差は過去のトルクTin(k-N)〜Tin(k-1)との間で相殺される。したがって、本実施形態の制御装置によれば、相対値であるトルク比率R(k)が内燃機関の燃焼状態が部分燃焼であるか否か、急速燃焼であるか否かを判定するための指標とされることでトルクTin(k)の絶対値精度に起因する誤判定は防止され、その結果、点火時期や燃料噴射量などの制御パラメータを的確に調整して燃焼状態の変動をより確実に抑制することが可能になる。
ところで、上述した実施の形態では、過去NサイクルのトルクTin(k-N)〜Tin(k-1)の平均値を平均トルクmtin(k)として算出しているが、急速燃焼や部分燃焼と判定されたサイクルのトルクは平均値の算出から除外してもよい。これによれば、平均トルクmtin(k)の値がサイクル毎に変動するのを抑制することができる。また、フィルタ処理を施すことによって平均トルクmtin(k)のサイクル毎の変動を抑制するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、トルク比率R(k)を燃焼状態の判定に用いているが、今回トルクTin(k)の前回トルクTin(k-1)に対する差を用いても良い。つまり、今回トルクTin(k)を過去の値によって相対値化した値であれば、今回トルクTin(k)に含まれる誤差は過去の値との間で相殺されるので、トルクTin(k)の絶対値精度に起因する誤判定を防止することができる。燃焼割合、熱発生量、燃焼速度等、トルク以外の出力パラメータに基づいて燃焼状態を判定することも可能であるが、この場合も、出力パラメータの検出値を過去の検出値によって相対値化し、相対値化された検出値に基づいて燃焼状態を判定すればよい。
また、説明は省略するが、上述した実施の形態にかかる気筒別燃焼安定化制御は、実施の形態1と同様、図5にフローチャートで示される触媒暖機効果保持制御を組み合わせることも可能である。さらに、実施の形態2にかかるトルク差補正制御を組み合わせることも可能である。
なお、上述した実施の形態においては、ECU2による上記ステップ500,502,504,506,510の処理の実行により、第5の発明の「燃焼状態検出手段」が実現されている。また、ECU2による図12のルーチンの実行により、第12の発明の「制御パラメータ調整手段」が実現されている。
実施の形態4.
以下、図13を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、実施の形態1において、ECU2に、図3乃至図5のルーチンに代えて図13のルーチンを実行させることにより実現することができる。
内燃機関の燃料として、通常の燃料(軽質燃料)に比べて揮発性の低い重質燃料が使用される場合がある。重質燃料が使用されている場合、吸気ポートの内壁面や吸気バルブの表面への燃料の付着量が多くなるため、空燃比はリーン傾向になる。特に壁面温度が低い冷間ファーストアイドル時には、壁面に付着した燃料の気化が進まないため、空燃比は大きくリーン化する。一般に、冷間ファーストアイドル時には燃費の観点からの要求によって空燃比はリーン化され、同じく燃費の観点からの要求と排気対策としての触媒暖機のために点火時期は遅角される。ところが、重質燃料の使用時にもこのような制御が行われると急激なトルクの落ち込みが発生し、ドライバビリティの悪化を招いてしまう。したがって、重質燃料が使用されている場合には、ドライバビリティの悪化を防止するために通常燃料の使用時とは異なる制御が必要となる。本実施形態では、重質燃料が使用される場合には燃焼が不安定になってトルク変動が大きくなることに着目し、以下に説明する手段によって燃料性状を判定し、その判定結果に基づいて燃焼の安定化を図るための制御を行っている。
図13は、本実施形態において、内燃機関の制御装置としてのECU2が実行する気筒別燃焼安定化制御の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態にかかる気筒別燃焼安定化制御も実施の形態1と同様に、燃焼が特に不安定になりやすい冷間ファーストアイドル中に実行される。
まず、ステップ600では、各気筒についてサイクル毎にトルクが検出される。トルク検出は所定の複数サイクル(例えば10サイクル)について行われる。トルクの検出方法(算出方法)は実施の形態1で説明したのと同様の方法を用いればよい。検出されたトルクは、ECU2の内部に備えられたメモリに記憶されていく。
ステップ602では、過去所定サイクルにおけるトルクの相関係数が算出される。前回サイクルにおけるトルクを縦軸にとって今回サイクルにおけるトルクを横軸にとったグラフを作成すると、トルクがサイクル毎に上下に変動している場合には、図6に示すようにグラフ上の点は左上から右下に向かって並ぶ傾向を示す。このときの負の傾きが大きいほど燃焼は不安定であり、使用されている燃料は重質燃料であると判定できる。また、このとき相関係数はマイナスの値を示し、トルクのサイクル毎の上下変動が明確なほど、グラフ上の点は一本の直線上に集まってくるようになり、それに応じて相関係数は小さくなる。
ステップ604では、ステップ602で算出した相関係数が所定の閾値(マイナス値)と比較される。そして、相関係数が閾値よりも小さい場合には、燃料性状は重質であると判定され(ステップ606)、トルクに係わる制御パラメータである点火時期及び燃料噴射量の設定値が重質燃料に応じた値に切り換えられる(ステップ608)。具体的には、点火時期は進角側に切り換えられ、燃料噴射量は空燃比がリッチ化するように増量される。冷間ファーストアイドル時には重質燃料は気化しにくく失火しやすいため、上記のように点火時期及び燃料噴射量の設定値が切り換えられることで燃焼は安定し、トルクの急激な落ち込みによるドライバビリティの悪化が防止される。
以上説明した気筒別燃焼安定化制御ルーチンの実行により、過去複数サイクルにおけるトルクの相関関係から燃料性状を判定することで、特別なセンサを用いることなく正確に燃料性状を判定することができる。そして、燃料が重質燃料の場合には、点火時期及び燃料噴射量が通常の設定から重質燃料に応じた設定に切り換えられるので、燃焼を安定させてドライバビリティの悪化を防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、ECU2による上記ステップ600,602,604の処理の実行により、第13の発明の「燃料性状判定手段」が実現されている。
実施の形態5.
以下、図14及び図15を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、実施の形態1において、ECU2に、図3乃至図5のルーチンに代えて図14のルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施形態にかかる気筒別燃焼安定化制御は、部分燃焼か急速燃焼かによって制御パラメータの設定値を調整する制御(実施の形態1にかかる気筒別燃焼安定化制御)に、燃料性状に応じて制御パラメータの設定値を切り換える制御(実施の形態4にかかる気筒別燃焼安定化制御)を組み合わせたものである。ただし、実施の形態4では、過去複数サイクルにおけるトルクの相関関係から燃料の質を判定しているのに対し、本実施形態では、制御パラメータの設定値を調整する際の調整量から燃料性状を判定するようになっている。
図14は、本実施形態において、内燃機関の制御装置としてのECU2が実行する気筒別燃焼安定化制御の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態にかかる気筒別燃焼安定化制御も実施の形態1と同様に、燃焼が特に不安定になりやすい冷間ファーストアイドル中に実行される。
まず、ステップ700では、各気筒についてサイクル毎にトルクが検出される。トルク検出は所定の複数サイクルについて行われ、検出されたトルクはECU2の内部に備えられたメモリに記憶されていく。次のステップ702では、過去所定サイクルにおけるトルクの相関係数が算出される。相関係数については上述のとおりである。ステップ704では、ステップ702で算出した相関係数が所定の閾値(マイナス値)と比較され、相関係数が閾値よりも小さくなった場合には、過去複数サイクルのトルクには負相関があると判定される。
ステップ704で負相関があると判定された場合には、ステップ706の処理が行われる。ステップ706では、まず、過去複数サイクルのトルクの平均値が算出され、平均トルクに対する今回トルクの乖離率(今回トルクから平均トルクを引き、それを平均トルクで割った値)が算出される。そして、図15に示すマップから乖離率に応じた点火時期補正量が算出される。図15において横軸が乖離率を示し、縦軸が点火時期補正量を示している。乖離率は今回トルクが平均トルクに等しいときに0になる。マップでは乖離率がRL(RL<0)からRH(RH>0)までの間は不感帯になっており、点火時期補正量はゼロになる。この不感帯は適正トルク領域に対応し、RL、RHはそれぞれ適正トルク領域の下限値、上限値に対応している。そして、乖離率がRHよりも大きくなったときには、点火時期補正量は乖離率の増加量に比例して進角側に増加するように設定され、乖離率がRLよりも小さくなったときには、点火時期補正量は乖離率の減少量に比例して遅角側に増加するように設定される。
ステップ708では、ステップ706で算出された点火時期補正量の大きさが所定の閾値(プラス値)と比較される。この閾値は、点火時期補正量から燃料性状が重質であるか否かを判定するための判定値である。燃料が重質燃料の場合にはトルクの変動が大きいため、図15に示すマップによって点火時期補正量は大き値に設定されることになる。したがって、点火時期補正量の大きさが所定の閾値を超えたら、燃料性状は重質であると判定することができる。
ステップ708の判定の結果、点火時期補正量が閾値以下の場合には、次回サイクルにおいて点火時期の補正が実行される(ステップ710)。一方、点火時期補正量が閾値を超えた場合には、使用されている燃料は重質燃料であると判定され(ステップ712)、トルクに係わる制御パラメータである点火時期及び燃料噴射量の設定値が重質燃料に応じた値に切り換えられる(ステップ714)。具体的には、点火時期は進角側に切り換えられ、燃料噴射量は空燃比がリッチ化するように増量される。冷間始動時には重質燃料は気化しにくく失火しやすいため、上記のように点火時期及び燃料噴射量の設定値が切り換えられることで燃焼は安定し、トルクの急激な落ち込みによるドライバビリティの悪化が防止される。
以上説明した気筒別燃焼安定化制御ルーチンの実行により、使用されている燃料が通常の軽質燃料の場合には、今回トルクの平均トルクに対する乖離率に応じて点火時期の次回サイクルでの設定値が調整されるので、トルク変動を速やかに抑制することができる。また、使用されている燃料が重質燃料の場合には、点火時期及び燃料噴射量が通常の設定から重質燃料に応じた設定に切り換えられるので、燃焼を安定させてドライバビリティの悪化を防止することができる。さらに、乖離率に応じて点火時期の次回サイクルでの設定値が調整される際、その調整量から燃料性状が判定されるので、特別なセンサを用いることなく正確に燃料性状を判定することができるという利点もある。
なお、上述した実施の形態においては、ECU2による上記ステップ706の処理の実行により、第14の発明の「制御パラメータ調整手段」が実現されるとともに、ECU2による上記ステップ708の処理の実行により、第14の発明の「燃料性状判定手段」が実現されている。
実施の形態6.
以下、図16を参照して、本発明の実施の形態6について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、実施の形態1において、ECU2に、図3乃至図5のルーチンに代えて図16のルーチンを実行させることにより実現することができる。
実施の形態5のように、今回トルクの乖離率に応じた点火時期補正量をマップによって予め設定しておくことで、トルク変動を速やかに抑制することが可能になる。ところが、乖離率に対する点火時期補正量の最適値は、内燃機関の機差、適合のずれ、経時変化、使用条件等によって少なからず変化する。このため、マップに従い点火時期補正量を決めて次回サイクルでの点火時期を調整したにもかかわらず、トルク変動が許容範囲に収まらない可能性がある。そこで、本実施形態では、内燃機関の機差等によらずトルク変動を確実に抑制にすべく、以下に説明するような気筒別燃焼安定化制御を実行する。
図16は、本実施形態において、内燃機関の制御装置としてのECU2が実行する気筒別燃焼安定化制御の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態にかかる気筒別燃焼安定化制御も実施の形態1と同様に、燃焼が特に不安定になりやすい冷間ファーストアイドル中に実行される。なお、ステップ800乃至ステップ804の処理は実施の形態4にかかるステップ700乃至ステップ704の処理と同処理であるので、その説明は省略する。
ステップ806では、過去複数サイクルのトルクの平均値が算出され、平均トルクに対する今回トルクの乖離率が算出される。そして、マップ(図15に示すマップ)から乖離率に応じた点火時期補正量が算出される。ステップ808では、マップから算出された点火時期補正量に従い、次回サイクルにおいて点火時期の補正が実行される。
本実施形態にかかる気筒別燃焼安定化制御ルーチンでは、点火時期補正の実行後、再度、過去複数サイクルのトルクの平均値が算出され、平均トルクに対する今回トルクの乖離率が算出される(ステップ810)。そして、次のステップ812では、ステップ810で算出された乖離率の大きさが所定の閾値と比較され、乖離率の大きさが所定の閾値よりも大きい、すなわち、トルク変動が許容範囲に収まっていないと判定された場合には、再びマップから乖離率に応じた点火時期補正量が算出され、算出された点火時期補正量に従い、次回サイクルにおいて点火時期の補正が実行される(ステップ814)。なお、点火時期補正量には図では省略しているが最大値と最小値が設定されており、点火時期が過剰に補正されることは防止されている。
以上説明した気筒別燃焼安定化制御ルーチンの実行により、点火時期の補正によってトルク変動が許容範囲に収まっていない場合には、トルク変動の状況に応じて再度、点火時期の補正が実行されるので、内燃機関の機差や経時変化等によらずトルク変動を確実に抑制することができる。なお、点火時期の再補正は一度に限定されず、トルク変動が許容範囲に収まるまで点火時期の再補正を繰り返し行うようにしてもよい。
本実施形態においても、実施の形態5と同様、ステップ806で算出される点火時期補正量から燃料性状を判定し、燃料が重質燃料の場合には、点火時期及び燃料噴射量の設定を重質燃料に応じた設定に切り換えるようにしてもよい。
実施の形態7.
以下、図17を参照して、本発明の実施の形態7について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、実施の形態1において、ECU2に、図3乃至図5のルーチンに代えて図17のルーチンを実行させることにより実現することができる。
冷間ファーストアイドル時には、排気温度を上昇させ触媒の温度を速やかに活性温度まで上昇させるべく、始動直後から点火時期を遅角させることが行われている。ところが、点火時期の遅角は上述のように燃焼の不安定化を招くため、点火時期を遅角しすぎるトルク変動によってドライバビリティを低下させてしまう。したがって、ドライバビリティとエミッションが両立する範囲で点火時期の遅角量を定めることが要求されるが、使用される燃料の性状によってトルク変動を招かない限界遅角量は変化するため、最適な遅角量を定めるのは難しい。本実施形態では、以下に説明するように、部分燃焼と急速燃焼の頻度から遅角量の余裕度を判断することで、最適な遅角量の設定を可能にした。
図17は、本実施形態において、内燃機関の制御装置としてのECU2が実行する気筒別点火時期遅角制御の流れを説明するためのフローチャートである。図17の気筒別点火時期遅角制御ルーチンは、燃焼が特に不安定になりやすい冷間ファーストアイドル中において、気筒毎に膨張行程単位(例えば4気筒では180度、6気筒では120度)で実行される。
最初のステップ900では、内燃機関が始動したか否か判定される。そして、内燃機関が始動したら、まず、トルクが算出される(ステップ902)。トルクの算出は実施の形態1で説明した方法で行われ、クランク角センサ6から供給される出力信号から運動方程式に則って気筒別に算出される図示トルク(推定図示トルク)が用いられる。
次のステップ904では、算出されたトルクから内燃機関の燃焼状態が急速燃焼か部分燃焼か、或いは適正な燃焼状態(通常燃焼)であるのかが判定される。トルクから内燃機関の燃焼状態を判定する方法は、上述の各実施形態で用いられている何れの方法を用いてもよい。ステップ904の判定の結果、通常燃焼と判定された場合には、カウント値N1に1が加算され(ステップ906)、急速燃焼或いは部分燃焼と判定された場合には、カウント値N2に1が加算される(ステップ908)。カウント値N1,N2はともに初期値は0であり、また、冷間ファーストアイドル状態から脱したときに0にリセットされる。
ステップ910では、二つのカウント値N1,N2の合計値と所定の閾値との比較が行われる。カウント値N1,N2の合計値は当該気筒の始動からのサイクル数を表しており、閾値は、ステップ912以降の処理において遅角量を算出するのに十分なデータが収集できる程度のサイクル数に設定されている。
ステップ910の判定の結果、カウント値N1,N2の合計値が閾値を超えたら、まず、ステップ912において急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合R(R=N2/N1)が算出される。そして、ステップ914では急速・部分燃焼割合Rと所定の閾値Roとの比較が行われる。閾値Roは、ドライバビリティとエミッションの双方が満足できるレベルにあるときの急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合を実験等によって求めた値である。
ステップ914の比較の結果、急速・部分燃焼割合Rが閾値Roを超える場合には、触媒の暖機のための遅角量SAの減算が行われる(ステップ916)。つまり、現在の遅角量SAから所定値αを減算された値が次回サイクルにおける遅角量SAとして設定される。これにより、次回サイクルでは点火時期は進角されることになり、燃焼の安定化が図られる。また、燃焼が安定することで、急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合Rは低下することになる。
一方、ステップ914の比較において急速・部分燃焼割合Rが閾値Ro以下と判定された場合には、触媒暖機遅角量SAの加算が行われる(ステップ918)。つまり、現在の遅角量SAに所定値αを加算された値が次回サイクルにおける遅角量SAとして設定される。これにより、次回サイクルでは点火時期はさらに遅角されることになり、エミッションの向上が図られる。また、点火時期の遅角により燃焼は不安定になるので、急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合Rは増加することになる。
以上説明した気筒別点火時期遅角制御ルーチンの実行により、急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合Rは閾値Roに収束することになる。したがって、本実施形態の制御装置によれば、点火時期の遅角量をドライバビリティとエミッションの双方を両立できる最適値に容易に調整することができる。
なお、点火時期の遅角量は気筒平均で算出することも可能である。ただし、空気量,燃料量,圧縮比,温度等には気筒毎のばらつきが存在するため、燃焼状態は気筒毎に異なっており、当然、最適な限界遅角量も気筒毎に異なっている。したがって、上述の実施形態のように気筒毎に急速燃焼、部分燃焼の発生頻度を算出し、気筒毎に点火時期の遅角量を補正することで、全ての気筒について最適な遅角量を実現することが可能になる。
上述した実施の形態においては、ECU2による図17のルーチンの実行により、第15の発明の「点火時期制御手段」が実現されている。
実施の形態8.
以下、図18を参照して、本発明の実施の形態8について説明する。
本実施形態の内燃機関の制御装置は、実施の形態1において、ECU2に、図3乃至図5のルーチンに代えて図18のルーチンを実行させることにより実現することができる。
クランク軸に対するカム軸の位相角を変化させることで吸気弁の開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング可変機構(以下、VVTという)が知られている。VVTを備えた内燃機関では、VVTにより吸気弁の開弁タイミングを進角させることで、吸気弁と排気弁の開時期のオーバーラップを大きくして内部EGR量を増加させ、これにより排気ガス中のNOxを低減することが可能である。しかしながら、冷間ファーストアイドル時のような燃焼が不安定な状況において過剰に内部EGR量を増加させると、燃焼をより不安定にしてしまいトルク変動によってドライバビリティを低下させてしまう。したがって、ドライバビリティとNOxが両立するような内部EGR量になるように吸気弁の開弁タイミングの進角量(以下、VVT進角量)を定めることが要求されるが、使用される燃料の性状によってトルク変動を招かない限界進角量は変化するため、最適なVVT進角量を定めるのは難しい。本実施形態では、以下に説明するように、部分燃焼と急速燃焼の頻度からVVT進角量の余裕度を判断することで、最適なVVT進角量の設定を可能にした。
図18は、本実施形態において、内燃機関の制御装置としてのECU2が実行する気筒別VVT進角制御の流れを説明するためのフローチャートである。図18の気筒別VVT進角制御ルーチンは、燃焼が特に不安定になりやすい冷間ファーストアイドル中において、気筒毎に膨張行程単位(例えば4気筒では180度、6気筒では120度)で実行される。なお、ステップ1000乃至ステップ1012の処理は実施の形態7にかかるステップ900乃至ステップ912の処理と同処理であるので、その説明は省略する。
ステップ1014では急速・部分燃焼割合Rと所定の閾値Roとの比較が行われる。ここでの閾値Roは、ドライバビリティとNOxの双方が満足できるレベルにあるときの急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合を実験等によって求めた値である。
ステップ1014の比較の結果、急速・部分燃焼割合Rが閾値Roを超える場合には、VVT進角量SAの減算が行われる(ステップ1016)。つまり、現在のVVT進角量SAから所定値αを減算された値が次回サイクルにおけるVVT進角量SAとして設定される。これにより、次回サイクルでは吸気弁の開弁タイミングは遅角されることになり、内部EGR量の減少によって燃焼の安定化が図られる。また、燃焼が安定することで、急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合Rは低下することになる。
一方、ステップ1014の比較において急速・部分燃焼割合Rが閾値Ro以下と判定された場合には、VVT進角量SAの加算が行われる(ステップ1018)。つまり、現在のVVT進角量SAに所定値αを加算された値が次回サイクルにおけるVVT進角量SAとして設定される。これにより、次回サイクルでは吸気弁の開弁タイミングはさらに進角されることになり、内部EGR量の増加によりNOxの低減が図られる。また、内部EGR量の増加により燃焼は不安定になるので、急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合Rは増加することになる。
以上説明した気筒別VVT進角制御ルーチンの実行により、急速燃焼、部分燃焼の通常燃焼に対する割合Rは閾値Roに収束することになる。したがって、本実施形態の制御装置によれば、VVT進角量をドライバビリティとNOxの双方を両立できる最適値に容易に調整することができる。
なお、VVT進角量は気筒平均で算出することも可能である。ただし、空気量,燃料量,圧縮比,温度等には気筒毎のばらつきが存在するため、燃焼状態は気筒毎に異なっており、当然、最適な限界進角量も気筒毎に異なっている。したがって、上述の実施形態のように気筒毎に急速燃焼、部分燃焼の発生頻度を算出し、気筒毎にVVT進角量を補正することで、全ての気筒について最適なVVT進角量を実現することが可能になる。
上述した実施の形態においては、ECU2による図18のルーチンの実行により、第16の発明の「内部EGR量制御手段」が実現されている。なお、上述の実施の形態では、VVTにより吸気弁の開弁タイミングを制御することで内部EGR量を制御しているが、VVTにより排気弁の閉弁タイミングを制御することでも内部EGR量を制御することができる。
冷間ファーストアイドル時に生じる特定気筒のトルク変化について示したグラフである。 本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行される制御実行判定ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行される気筒別燃焼安定化制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行される触媒暖機効果保持制御ルーチンのフローチャートである。 図1に示す状態におけるサイクル間のトルクの相関関係について示すグラフである。 冷間ファーストアイドル時に本発明にかかる制御を実行した場合に生じる特定気筒のトルク変化について示したグラフである。 図示トルク、筒内ガス圧によるトルク及び往復慣性質量による慣性トルクと、クランク角との関係を示す特性図である。 クランク角信号とトルク算出タイミングを示す模式図である。 フリクショントルクと機関回転数及び冷却水温との関係を表すマップを示す模式図である。 本発明の実施の形態2において実行されるトルク差補正制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行される気筒別燃焼安定化制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実行される気筒別燃焼安定化制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態5において実行される気筒別燃焼安定化制御ルーチンのフローチャートである。 平均トルクに対する今回トルクの乖離率から点火時期補正量を算出するためのマップである。 本発明の実施の形態6において実行される気筒別燃焼安定化制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態7において実行される気筒別点火時期遅角制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態8において実行される気筒別VVT進角制御ルーチンのフローチャートである。
符号の説明
2 ECU
6 クランク角センサ
8 点火プラグ
10 燃料噴射弁

Claims (16)

  1. 定常時における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
    燃焼状態に係わる制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段とを備え、
    前記制御パラメータ調整手段は、検出された燃焼状態が部分燃焼であるときには、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値をより部分燃焼する側に調整することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 定常時における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
    燃焼状態に係わる制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段とを備え、
    前記制御パラメータ調整手段は、検出された燃焼状態が急速燃焼であるときには、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値をより急速燃焼する側に調整することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼状態検出手段は、機関のトルクに相関する出力パラメータに基づいて燃焼状態を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 気筒間の定常的なトルク差を縮小するように各気筒のトルクを調整するトルク差補正手段を備え、
    前記燃焼状態検出手段は、前記トルク差補正手段による気筒間のトルク差の補正後、前記出力パラメータに基づいて燃焼状態を検出することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃焼状態検出手段は、前記出力パラメータの検出値と過去の検出値との比較に基づいて燃焼状態を検出することを特徴とする請求項3又は4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 定常時における機関のトルクに相関する出力パラメータを検出する出力パラメータ検出手段と、
    前記出力パラメータの大小に係わる制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段とを備え、
    前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータの検出値が所定範囲以下であれば、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値を前記出力パラメータがより小さくなる側に調整し、
    前記出力パラメータの検出値が前記所定範囲以上であれば、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値を前記出力パラメータがより大きくなる側に調整することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値のばらつきの程度を判定するばらつき判定手段を備え、
    前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータのばらつきが所定程度よりも大きいと判定されたときに、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴とする請求項6記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記ばらつき判定手段は、前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関によってばらつきの程度を判定し、
    前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータの相関が負相関にあるときに、前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴とする請求項7記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記制御パラメータ調整手段は、主となる制御パラメータを含む少なくとも2つの制御パラメータを調整可能であり、
    前記主制御パラメータが所定の調整範囲内にあるときには、前記主制御パラメータの次回サイクルでの設定値を調整し、
    前記主制御パラメータが所定の調整範囲を超えるときには、他の制御パラメータの次回サイクルでの設定値を調整することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 触媒暖機のための点火時期遅角制御の実行中か否かを判定する運転状態判定手段をさらに備え、
    前記制御パラメータ調整手段は、前記点火時期遅角制御が実行されているときには、
    前記出力パラメータの検出値が前記所定範囲をトルクが小さくなる側に外れていれば、点火時期の次回サイクルでの設定値を遅角し、
    前記出力パラメータの検出値が前記所定範囲をトルクが大きくなる側に外れていれば、前記点火時期の進角度が所定程度を超えるまでは前記点火時期の次回サイクルでの設定値を進角し、前記点火時期の進角度が前記所定程度を超えるときには燃料噴射量の次回サイクルでの設定値を増量することを特徴とする請求項9記載の内燃機関の制御装置。
  11. 気筒間の定常的なトルク差を縮小するように各気筒のトルクを調整するトルク差補正手段を備え、
    前記制御パラメータ調整手段は、前記トルク差補正手段による気筒間のトルク差の補正後、前記出力パラメータの検出値に基づいて前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記制御パラメータ調整手段は、前記出力パラメータの検出値を過去の検出値によって相対値化し、前記相対値化された検出値に基づいて前記制御パラメータの次回サイクルでの設定値の調整を行うことを特徴とする請求項6乃至11の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  13. 前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関から燃料性状を判定する燃料性状判定手段を備えることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の制御装置。
  14. 前記制御パラメータが点火時期であって、前記出力パラメータの検出値と過去の平均値との乖離状態に応じて前記点火時期の次回サイクルでの設定値を調整するように前記制御パラメータ調整手段が構成されるとともに、
    前記制御パラメータ調整手段による前記点火時期の調整量から燃料性状を判定する燃料性状判定手段を備えることを特徴とする請求項6記載の内燃機関の制御装置。
  15. 前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関から触媒暖機のための点火時期の遅角補正量を決定する点火時期制御手段を備えることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の制御装置。
  16. 前記出力パラメータの過去複数サイクルにおける検出値の相関から機関の内部EGR量を決定する内部EGR量制御手段を備えることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の制御装置。
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