JP2015200277A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 S101においてエンジンの充填効率を演算しS102においてエンジンの回転数を読み込んだ後、S103において排気還流弁が開いているか否かを判定する。S103において排気還流弁が開いていると判定すると、S104においてスロットル弁を閉じる方向に制御しているか否かを判定する。S104においてスロットル弁を閉じる方向に制御していると判定すると、S105において排気還流弁制御部は排気還流弁を閉じ、S106において放電制御部は点火プラグの放電時間を延長する制御を行う。これにより、点火プラグが有する電極への負担を低減しつつ、吸気マニホールド内に残留する還流排気を含む混合気を確実に燃焼し熱効率を向上することができる。
【選択図】 図4
Description
さらに、放電制御部は、排気還流弁が閉じられた後、吸気系の内部に残留する還流排気を含む気体が燃焼室に導入される間、点火プラグの放電時間を通常の放電時間より長くする。ここで、「通常の放電時間」とは、内燃機関が定常運転をしているとき点火プラグが燃焼室の混合気に点火するため放電する時間を指す。これにより、点火プラグには、燃焼室の混合気の点火に必要な放電を発生させるための電圧が継続して印加され、EGR率が比較的高く通常の放電時間では燃焼しにくい混合気を燃焼させる。
本発明の第1実施形態による「内燃機関の制御装置」としてエンジン制御装置1は、車両等に搭載されるエンジンシステムに適用される。エンジン制御装置1は、点火プラグ7、放電制御部30、「吸気調整弁」としてのスロットル弁13、「吸気調整弁制御部」及び「吸気調整弁判定手段」としてのスロットル弁制御部332、排気還流弁27、「排気還流弁制御部」及び「排気還流弁判定手段」としての排気還流弁制御部333などから構成されている。
電子制御ユニット32には、破線矢印で示すように、「クランク角度検出手段」としてのクランク位置センサ35、カム位置センサ36、水温センサ37、スロットル開度センサ38、及び、「吸気流量検出手段」としての吸気量センサ39などの各種センサからの検出信号が入力される。電子制御ユニット32は、これらの各種センサからの検出信号に基づき、実線矢印で示すように、スロットル弁13、インジェクタ15、排気還流弁27、及び、点火回路ユニット31などを駆動してエンジン12の運転状態を制御する。
図2に示すように、放電制御部30は、点火コイル40、点火回路ユニット31、電子制御ユニット32が有する放電制御信号出力部331などを含む。
一次コイル41は、一端が一定の直流電圧を供給可能な「直流電源」としてのバッテリ6の正極に接続されており、他端が点火スイッチ45を介して接地されている。以下、一次コイル41のバッテリ6と接続する側とは反対側を「接地側」という。
二次コイル42は、一次コイル41と磁気的に結合されている。二次コイル42の一端は点火プラグ7の一対の電極を介して接地されており、他端は整流素子43及び二次電流検出抵抗47を介して接地されている。
点火スイッチ45は、ゲートに入力される点火信号IGTに応じてオンオフ動作する。詳しくは、点火スイッチ45は、点火信号IGTの立ち上がり時にオンとなり、点火信号IGTの立ち下がり時にオフとなる。一次コイル41における一次電流I1は、点火スイッチ45により点火信号IGTに従って通電及び遮断が切り替えられる。
エネルギ蓄積コイル52は、一端がバッテリ6に接続され、他端が充電スイッチ53を介して接地されている。充電スイッチ53は、例えば、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)から構成されている。充電スイッチ53のドレインは、エネルギ蓄積コイル52に接続されている。充電スイッチ53のソースは、接地されている。充電スイッチ53のゲートは、充電スイッチ用ドライバ回路54に接続されている。充電スイッチ用ドライバ回路54は、充電スイッチ53をオンオフ駆動可能である。
整流素子55は、ダイオードで構成されており、コンデンサ56からエネルギ蓄積コイル52及び充電スイッチ53側への電流の逆流を防止する。
コンデンサ56は、一方の電極が整流素子55を介してエネルギ蓄積コイル52の接地側に接続されている。また、コンデンサ56の他方の電極は、接地されている。コンデンサ56は、DCDCコンバータ51によって昇圧された電圧を蓄電する。
整流素子59は、ダイオードで構成されており、点火コイル40からコンデンサ56への電流の逆流を防止している。
なお、図2では1気筒に対する構成のみを示しているが、実際には、放電スイッチ57以降の構成は気筒数分が並列して設けられている。すなわち、放電スイッチ57の手前で電流経路が気筒毎に分岐され、コンデンサ56に蓄積されたエネルギが各経路に分配される。
ここで、「コンデンサ電圧Vdc」は、コンデンサ56に蓄電された電圧を意味する。また、「投入エネルギP」は、コンデンサ56から放出され一次コイル41の低電圧側端子側から点火コイル40に供給されるエネルギを意味し、点火プラグ7における1回の放電における供給開始(最初の放電スイッチ信号SWdの立ち上がり)からの積算値を示す。
このようにして、点火信号IGTがHレベルに立ち上がっている時刻t1から時刻t2間に、点火コイル40が充電されるとともに、DCDCコンバータ51の出力によってコンデンサ56にエネルギが蓄積される。このエネルギの蓄積は、時刻t2までに終了する。
このとき、コンデンサ電圧Vdc、すなわち、コンデンサ56のエネルギ蓄積量は、充電スイッチ信号SWcのオンデューティ比及びオンオフ回数によって制御可能である。
時刻t2で点火放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない場合、二次電流I2は、破線BL1で示すように、時間経過とともに0[A]に近づき、放電を維持できない程度まで減衰すると放電は終了する。このような放電による点火方式を「通常放電」という。
すなわち、放電スイッチ信号SWdがオンになる毎に、コンデンサ56の蓄積エネルギにより一次電流I1が順次追加される。これに対応して、二次電流I2が順次追加される。これにより、実線SL1に示すように、二次電流I2は、目標二次電流I2*に一致するように維持される。
時刻t4でエネルギ投入期間信号IGWがLレベルに立ち下げられると、放電スイッチ信号SWdのオンオフ動作が停止し、一次電流I1及び二次電流I2はゼロとなる。
次に、S102において、現在のエンジン12における回転数を読み込む。S102では、クランク位置センサ35が検出するクランクシャフト18の角度に基づいて演算部34が事前に記憶しているマップからエンジン12の回転数を読み込む。
このように、エンジン制御装置1によるエンジン12の制御処理では、S101からS103におけるフローによって、燃焼室16の混合気の燃焼のしにくさを判定する。
S106において点火プラグ7の放電時間の延長制御を行った後、今回の燃焼サイクルにおけるエンジン12の制御処理を終了する。
図5に示すように、図4のフローによって点火プラグの放電時間を延長する場合、放電時間を延長しない場合に比べ一定値以上のトルクの変動が発生する頻度が減少する。このとき、放電時間を延長しない場合では、燃焼室において失火が発生している。
次に、本発明の第2実施形態について、図6、7に基づいて説明する。第2実施形態による内燃機関の制御装置は、点火プラグの放電時間の延長制御が第1実施形態と異なる。第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態におけるエンジン12の制御処理は、S101からS105については、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
図7では、エンジン12の回転数を横軸とし、充填効率を縦軸として示している。図7に記されている曲線SL3、SL4、SL5は、エンジン12の回転数と充填効率との関係において点火プラグ7の放電時間が延長される燃焼サイクルの回数の境界を示している。具体的には、曲線SL5と縦軸と横軸とによって囲まれる領域に含まれるエンジン12の回転数と充填効率との関係(例えば、点C5)では、点火プラグ7の放電時間が延長される燃焼サイクルの回数は比較的多くなる。逆に、曲線SL3と縦軸と横軸とによって囲まれる領域に含まれるエンジン12の回転数と充填効率との関係(例えば、点C3)では、点火プラグ7の放電時間が延長される燃焼サイクルの回数は比較的少なくなる。図7の傾向として、エンジン12の回転数が低くなるほど、また、充填効率が高くなるほど点火プラグ7の放電時間が延長される燃焼サイクルの回数は多くなる。
S207において点火プラグ7の放電時間の延長制御を継続する燃焼サイクルの回数を読み込んだ後、点火プラグ7の放電時間の延長制御を当該読み込んだ回数分行う。その後、エンジン12の制御処理を終了する。
次に、本発明の第3実施形態について、図8に基づいて説明する。第3実施形態による内燃機関の制御装置は、点火プラグの放電時間の延長制御が第1実施形態と異なる。第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態におけるエンジン12の制御処理は、S101からS105については、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
次に、S307において、点火プラグ7の放電時間を延長する制御を行う。S307では、放電制御信号出力部331は、点火プラグ7の放電時間を通常の放電時間より長くするようエネルギ投入期間信号IGWを出力する。このとき、S307における放電時間は、燃焼室16の混合気が燃焼可能な条件を読み込むことが可能なマップとS101からS103のフローの結果とに基づいて決定される。これにより、点火プラグ7の放電は、S306において進角側に制御されたタイミングから行われ、通常の放電時間より長い時間行われる。
S307において点火プラグ7の放電時間の延長制御を行った後、今回の燃焼サイクルにおけるエンジン12の制御処理を終了する。
そこで、第3実施形態によるエンジン制御装置では、S306において点火プラグ7の放電開始タイミングを進角側に移行する。これにより、進角側に移行した放電開始タイミングから比較的長い時間放電を継続することによって燃焼室16全体に火炎を広げることができる。したがって、第3実施形態では、第1実施形態と同じ効果を奏するとともに、トルクの変動を小さくすることができる。
次に、本発明の第4実施形態について、図9に基づいて説明する。第4実施形態による内燃機関の制御装置は、点火プラグの放電時間の延長制御に加えインジェクタの燃料噴射制御を行う点が第1実施形態と異なる。第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態におけるエンジン12の制御処理は、S101からS105については、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
S407においてインジェクタ15の噴射時間の延長制御を行った後、今回の燃焼サイクルにおけるエンジン12の制御処理を終了する。
次に、本発明の第5実施形態について、図10に基づいて説明する。第5実施形態による内燃機関の制御装置は、インジェクタによる燃料噴射制御を行う時期が第4実施形態と異なる。第4実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第5実施形態におけるエンジン12の制御処理は、S101からS105については、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
S507においてインジェクタ15の圧縮行程における燃焼噴射制御を行った後、今回の燃焼サイクルにおけるエンジン12の制御処理を終了する。
(ア)上述した実施形態では、排気還流弁が開いているか否かを排気還流弁制御部が出力する制御信号に基づいて判定するとした。しかしながら、排気還流弁の状態を判定する方法はこれに限定されない。充填効率及び回転数と排気還流弁の開閉との関係を示すマップに従って排気還流弁が開いているか否かを判定してもよい。また、排気還流弁の開度を検出する排気還流弁開度センサを別途設け、当該センサが出力する信号によって排気還流弁が開いているか否かを判定してもよい。
7 ・・・点火プラグ、
12 ・・・エンジン(内燃機関)、
13 ・・・スロットル弁(吸気調整弁)、
14 ・・・吸気マニホールド(吸気系)、
20 ・・・排気マニホールド(排気系)、
26 ・・・排気還流管(排気還流系)、
27 ・・・排気還流弁、
30 ・・・放電制御部、
332 ・・・スロットル弁制御部(吸気調整弁制御部)、
333 ・・・排気還流弁制御部。
Claims (8)
- 吸気を内燃機関の燃焼室に導入する吸気系(14)、前記燃焼室の排気を外部に導出する排気系(20)、及び、排気の一部を還流排気として前記吸気系に還流する排気還流系(26)を有する内燃機関(12)の燃焼を制御する内燃機関の制御装置(1)であって、
放電により前記内燃機関が有する燃焼室の混合気に点火する点火プラグ(7)と、
前記点火プラグに電気的に接続し、前記点火プラグの放電条件を変更可能な放電制御部(30)と、
前記吸気系に設けられ、前記吸気系の内部を流れる吸気の流量を調整する吸気調整弁(13)と、
前記吸気調整弁の開度を制御する吸気調整弁制御部(332)と、
前記吸気調整弁を閉じる方向に制御しているか否かを判定する吸気調整弁判定手段(332)と、
前記排気還流系に設けられ、前記排気還流系の内部を流れる還流排気の流量を調整する排気還流弁(27)と、
前記排気還流弁の開度を制御する排気還流弁制御部(333)と、
前記排気還流弁が開いているか否かを判定する排気還流弁判定手段(333)と、
を備え、
前記排気還流弁制御部は、前記排気還流弁判定手段によって前記排気還流弁が開いていると判定され、かつ、前記吸気調整弁判定手段によって前記吸気調整弁を閉じる方向に制御していると判定されると、前記排気還流弁を閉じ、
前記放電制御部は、前記排気還流弁制御部が前記排気還流弁を閉じた後、前記点火プラグの放電時間を通常の放電時間より長くすることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記放電制御部は、
直流電源(6)から供給される一次電流が流れる一次コイル(41)、及び、前記点火プラグの電極に接続され前記一次電流の通電及び遮断によって発生する二次電流が流れる二次コイル(42)を有する点火コイル(40)と、
前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され、点火信号(IGT)に従って前記一次電流の通電と遮断とを切り替える点火スイッチ(45)と、
前記点火スイッチによる前記一次電流の遮断によって前記点火プラグの放電を発生させた後の所定のエネルギ投入期間(IGW)において、放電を可能とするエネルギを前記点火コイルに継続的に投入するエネルギ投入手段(50)と、
前記放電時期判定手段と電気的に接続し、前記エネルギ投入手段による投入エネルギを制御する投入エネルギ制御手段(331)と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記エネルギ投入手段は、
第一制御端子、第一電源側端子、及び、前記一次コイルの他端に接続する第一接地側端子を有し、前記第一制御端子に入力された放電スイッチ信号(SWd)に基づいて前記第一電源側端子と前記第一接地側端子との間のオンオフを制御する放電スイッチ(57)と、
第二制御端子、前記第一電源側端子に接続する第二電源側端子、及び、接地されている第二接地側端子を有し、前記第二制御端子に入力された充電スイッチ信号(SWc)に基づいて前記第二電源側端子と前記第二接地側端子との間のオンオフを制御する充電スイッチ(53)と、
前記直流電源における非接地側出力端子と前記第二電源側端子とに接続するよう設けられ、前記充電スイッチのオンによってエネルギが蓄積されるエネルギ蓄積コイル(52)と、
を有し、
前記投入エネルギ制御手段は、
前記充電スイッチのオンにより前記エネルギ蓄積コイルにエネルギが蓄積されているとき前記点火スイッチのオフにより開始された前記点火プラグの放電中に前記充電スイッチのオフ及び前記放電スイッチのオンにより前記エネルギ蓄積コイルからエネルギを放出し、前記一次コイルの他端側から前記一次コイルに一次電流を供給するよう前記放電スイッチ及び前記充電スイッチを制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記放電制御部は、
直流電源から供給される一次電流が流れる一次コイル、及び、前記点火プラグの電極に接続され前記一次電流の通電及び遮断によって発生する二次電流が流れる二次コイルを有する複数の点火コイルと、
前記複数の点火コイルのそれぞれの前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され点火信号に基づいて前記一次電流の通電と遮断とを切り替える複数の点火スイッチと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記吸気系の内部を流れる吸気の流量を検出し、検出した吸気の流量に応じた吸気流量信号を出力する吸気流量検出手段(39)と、
前記内燃機関のクランクシャフト(18)の角度を検出し、検出した前記クランクシャフトの角度に応じたクランク角信号を出力するクランク角度検出手段(35)と、
前記吸気流量検出手段が出力する吸気流量信号に基づいて充填効率を演算し、前記クランク角度検出手段が出力するクランク角信号に基づいて前記内燃機関の回転数を読み込む演算部(34)と、
を備え、
前記放電制御部は、前記演算部が演算する充填効率及び前記演算部が読み込む前記内燃機関の回転数に基づいて決定される燃焼サイクルの回数に渡って前記点火プラグの放電時間を通常の放電時間より長くすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記放電制御部は、前記点火プラグの放電時期を進角側に広げることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するインジェクタ(15)と、
前記インジェクタの燃料噴射条件を制御する噴射制御部(334)と、
を備え、
前記噴射制御部は、前記放電制御部が前記点火プラグの放電時間を長くするとき、前記インジェクタにおける燃料の噴射時間を通常の噴射時間より長くすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するインジェクタと、
前記インジェクタの燃料噴射条件を制御する噴射制御部と、
を備え、
前記噴射制御部は、前記放電制御部が前記点火プラグの放電時間を長くするとき、前記インジェクタにおける燃料の噴射を前記内燃機関の圧縮行程中に行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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