JP2015200255A - 点火制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグの放電の電圧を簡素な構成で検出することの可能な点火制御装置を提供する。【解決手段】 点火プラグ7への電力供給を制御する点火制御装置30は、点火プラグ7が放電を発生した後の所定のエネルギ投入期間に、点火プラグ7が放電を継続可能な所定電圧を、点火コイル40の有する一次コイル41に断続して印加する。この点火制御装置30は、一次コイル41に印加される一次電圧V1が昇圧されている期間に、その一次コイル41に流れる一次電流I1に応じて、点火コイル40の有する二次コイル42から点火プラグ7に印加される二次電圧V2を検出する。これにより、点火制御装置30は、二次電圧V2を直接検出するセンサを設けることなく、二次電圧V2を検出することが可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、点火プラグへの電力供給を制御する点火制御装置に関する。
従来、内燃機関の混合気に着火放電を行う点火プラグへの電力供給を制御する点火制御装置が知られている。
特許文献1には、点火コイルから点火プラグに印加される電圧を検出し、その検出した電圧がエンジンの運転状態に基づいて設定された基準値よりも大きい場合に異常信号を出力する装置が記載されている。この装置は、点火プラグの電極間のギャップが大きくなるに従い点火プラグの放電に必要となる電圧が高くなることから、点火コイルから点火プラグに印加される電圧に基づいて点火プラグの劣化を検出している。
特開平8−106970号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、点火コイルから点火プラグに印加される数十kVの電圧を低下するための電圧変換器を備えている。したがって、この装置は、電圧変換器のコストが高くなると共に、体格が大型化することが懸念される。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、点火プラグの放電電圧を簡素な構成で検出することの可能な点火制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、点火プラグの放電発生後に点火コイルの有する一次コイルに所定電圧を断続して印加する点火制御装置において、その所定電圧が昇圧されている期間に一次コイルに流れる一次電流に応じて、点火プラグに印加される二次電圧を検出することを特徴とする。
これにより、点火制御装置は、二次電圧を直接検出するセンサを設けることなく、一次電圧を検出する一次電圧センサと、一次電流を検出する一次電流センサのみで二次電圧を検出する。一次電圧センサと一次電流センサは、二次電圧を直接検出するセンサに比べて、体格が小型のものを使用することが可能である。したがって、点火制御装置は、点火プラグが放電を継続する際の二次電圧を簡素な構成で検出することができる。
本発明の第1実施形態による点火制御装置が適用されるエンジンシステムの概略構成図である。 第1実施形態による点火制御装置の回路図である。 点火制御装置の基本動作を説明したタイムチャートである。 一次電圧、一次電流、二次電流、これらの計算値、及び二次電圧を示す実験データである。 一次電流と二次電圧の関係を示す実験データである。 一次電圧、一次電流及び二次電流の計算値と、二次電圧との関係を示す実験データである。 第1実施形態の点火制御装置が行う処理を説明したフローチャートである。 燃焼室の気流の速さとエネルギ投入期間との関係を示すグラフである。 第2実施形態の点火制御装置が行う処理を説明したフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による点火制御装置は、内燃機関の混合気に着火放電を行う点火プラグへの電力供給を制御するものである。以下の説明では、特許請求の範囲に記載の「内燃機関」を「エンジン」という。
[エンジンシステムの構成]
まず、エンジンシステムの概略構成について図1を参照して説明する。
エンジンシステム10は火花点火式のエンジン13を備えている。エンジン13は、例えば4気筒等の多気筒エンジンであり、図1では1気筒の断面のみを図示している。以下に説明する構成は、図示しない他の気筒にも同様に設けられている。
エンジン13は、スロットル弁14を通じて吸気マニホールド15から供給される空気と燃料噴射弁16から噴射される燃料との混合気を燃焼室17で燃焼させ、その燃焼時の爆発力によりピストン18を往復運動させる。このピストン18の往復運動は、クランクシャフト19により回転運動に変換されて出力される。燃焼ガスは、排気マニホールド20等を通じて大気中に放出される。
燃焼室17の入口であるシリンダヘッド21の吸気ポートには吸気弁22が設けられ、また燃焼室17の出口であるシリンダヘッド21の排気ポートには排気弁23が設けられている。吸気弁22とスロットル弁14との間に設けられた気流制御弁24は、吸気ポートから燃焼室17に導入される気流により燃焼室17にタンブル流を形成可能である。
燃焼室17の混合気の点火は、点火制御装置30によって点火プラグ7の電極間に火花放電を発生させることにより行われる。点火制御装置30は、制御装置(ECU)32の指令に基づき点火回路ユニット31を動作させて点火コイル40から点火プラグ7に高電圧を印加することにより、燃焼室17で火花放電を発生させる。
点火プラグ7は、エンジン13の燃焼室17で所定のギャップを隔てて対向する一対の電極(図2参照)を有し、上記ギャップで絶縁破壊を生させる高電圧が一対の電極間に印加されると火花放電を発生する。以下の説明において、「高電圧」とは、点火プラグ7が一対の電極間に放電を発生し得る電圧をいう。
制御装置32は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポート等からなるマイクロコンピュータによって構成されている。制御装置32は、エンジンの各種センサ、並びに、図2に示す一次電圧センサ441、一次電流センサ44及び二次電流センサ47などから検出信号が入力される。制御装置32は、上述したセンサからの検出信号に基づき、点火回路ユニット31等を制御する。
[点火制御装置の構成]
次に、点火制御装置30の構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、点火制御装置30は、点火コイル40、点火回路ユニット31及び制御装置32などを含み、点火プラグ7への電力供給を制御する。
点火コイル40は、一次コイル41、二次コイル42及び整流素子43を有し、公知の昇圧トランスを構成している。
一次コイル41は、一端が、一定の直流電圧を供給可能な「直流電源」としてのバッテリ6の正極に接続され、他端が点火スイッチ45を介して接地されている。なお、以下、一次コイル41の反バッテリ側を「接地側」という。
二次コイル42は、一次コイル41と磁気回路を共有しており、一端が点火プラグ7の一対の電極を介して接地され、他端がバッテリ6に接続されている。即ち、二次コイル42は、一端と他端とが閉回路を構成していればよい。
一次コイル41に流れる電流を一次電流I1といい、一次電流I1の通電及び遮断によって発生し、二次コイル42に流れる電流を二次電流I2という。図中に矢印で示すように、一次電流I1は、一次コイル41から点火スイッチ45に向かう方向の電流を正とし、二次電流I2は、二次コイル42から点火プラグ7に向かう方向の電流を正とする。
点火コイル40は、一次コイル41を流れる電流の変化に応じた相互誘導作用により二次コイル42に高電圧を発生させ、この高電圧を点火プラグ7に印加する。
点火回路ユニット31は、点火スイッチ(イグナイタ)45、エネルギ投入部50、二次電流保持回路48、一次電圧センサ441、一次電流センサ44及び二次電流センサ47等を有している。この点火回路ユニット31は、同一の回路基板に設けることが可能である。
点火スイッチ45は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成されており、コレクタが点火コイル40の一次コイル41の接地側に接続され、エミッタが接地され、ゲートが制御装置32に接続されている。コレクタは、整流素子46を介してエミッタに接続されている。
点火スイッチ45は、制御装置32からゲートに入力される点火信号IGTに応じてオンオフ動作する。詳しくは、点火スイッチ45は、点火信号IGTの立ち上がり時にオンとなり、点火信号IGTの立ち下がり時にオフとなる。一次コイル41に流れる一次電流I1は、点火信号IGTに従い、点火スイッチ45により通電及び遮断が切り替えられる。
「エネルギ投入手段」としてのエネルギ投入部50は、DCDCコンバータ51、コンデンサ56、放電スイッチ57、放電スイッチ用ドライバ回路58及び整流素子59を有している。
DCDCコンバータ51は、エネルギ蓄積コイル52、充電スイッチ53、充電スイッチ用ドライバ回路54、及び整流素子55から構成されている。DCDCコンバータ51は、バッテリ6の電圧を昇圧し、コンデンサ56に供給する。
エネルギ蓄積コイル52は、一端がバッテリ6に接続され、他端が充電スイッチ53を介して接地されている。充電スイッチ53は、例えばMOSFET金属酸化物半導体電界効果トランジスタで構成されており、ドレインがエネルギ蓄積コイル52に接続され、ソースが接地され、ゲートがドライバ回路54に接続されている。ドライバ回路54は、充電スイッチ53をオンオフ駆動可能である。
整流素子55は、ダイオードで構成されており、コンデンサ56からエネルギ蓄積コイル52及び充電スイッチ53側への電流の逆流を防止する。
充電スイッチ53がオンしたとき、エネルギ蓄積コイル52に誘起電流が流れ、電気エネルギが蓄積される。また、充電スイッチ53がオフしたとき、エネルギ蓄積コイル52に蓄積された電気エネルギがバッテリ6の直流電圧に重畳してコンデンサ56側へ放出される。充電スイッチ53がオンオフ動作を繰り返すことで、エネルギ蓄積コイル52にてエネルギの蓄積と放出が繰り返され、バッテリ電圧が昇圧される。
コンデンサ56は、一方の電極が整流素子55を介してエネルギ蓄積コイル52と充電スイッチ53との間の配線に接続され、他方の電極が接地されている。コンデンサ56は、DCDCコンバータ51によって昇圧された電圧を蓄電する。
放電スイッチ57は、例えばMOSFETで構成されており、ドレインがコンデンサ56に接続され、ソースが一次コイル41の接地側に接続され、ゲートがドライバ回路58に接続されている。ドライバ回路58は、放電スイッチ57をオンオフ駆動可能である。
整流素子59は、ダイオードで構成されており、一次コイル41からコンデンサ56への電流の逆流を防止している。
一次電圧センサ441は一次コイル41の電圧を検出し、一次電流センサ44は一次コイル41の電流を検出する。二次電流センサ47は、二次コイル42の二次電流I2を検出する。一次電圧センサ441、一次電流センサ44及び二次電流センサ47の信号は制御装置32に入力される。
また、二次電流センサ47の信号は、「二次電流保持手段」としての二次電流保持回路48に入力される。二次電流保持回路48は、二次電流I2を目標値(「維持目標電流値I2*」という。)に一致させようとするフィードバック制御により、放電スイッチ57のオンデューティ比を決定し、ドライバ回路58に指令する。
制御装置32は、エンジンの負荷及び回転数等から定められる運転領域に応じて放電を良好に維持可能な程度の電流に維持目標電流値I2*を設定する。制御装置32は、維持目標電流値I2*を指示するための目標二次電流信号IGAを生成し、二次電流保持回路48を介してドライバ回路58に出力する。
また、制御装置32は、各種センサから取得したエンジン13の運転情報に基づいて、点火開示時期を定める点火信号IGT、及び、エネルギ投入部50から点火コイル40にエネルギ投入を行うエネルギ投入期間を定めるエネルギ投入期間信号IGWを生成する。制御装置32は、目標二次電流信号IGA、点火信号IGT及びエネルギ投入期間信号IGWを、点火回路ユニット31に出力する。
点火信号IGTは、点火スイッチ45のゲートと、充電スイッチ用ドライバ回路54に入力される。点火スイッチ45は、点火信号IGTが入力されている期間、オンとなる。ドライバ回路54は、点火信号IGTが入力されている期間、充電スイッチ53のゲートに対し、充電スイッチ53をオンオフ制御する充電スイッチ信号SWcを繰り返し出力する。本実施形態では、充電スイッチ信号SWcは、周期が一定でオンデューティ比が可変である矩形波パルス信号である。
エネルギ投入期間信号IGWは、放電スイッチ用ドライバ回路58に入力される。ドライバ回路58は、エネルギ投入期間信号IGWが入力されている期間、放電スイッチ57のゲートに対し、放電スイッチ57をオンオフ制御する放電スイッチ信号SWdを繰り返し出力する。ドライバ回路58は、二次電流保持回路48から入力される目標二次電流信号IGAに基づき、放電スイッチ信号SWdのオンデューティ比を変更する。本実施形態では、放電スイッチ信号SWdは、周期が一定でオンデューティ比が可変である矩形波パルス信号である。
[点火制御装置の作動]
次に、点火制御装置30の作動について図3のタイムチャートを参照して説明する。図3のタイムチャートは、共通の時間軸を横軸とし、縦軸に上から順に、点火信号IGT、エネルギ投入期間信号IGW、コンデンサ電圧Vdc、一次電流I1、二次電流I2、投入エネルギP、充電スイッチ信号SWc、放電スイッチ信号SWdの時間変化を示している。
ここで、「コンデンサ電圧Vdc」はコンデンサ56に蓄電された電圧を意味する。また、「投入エネルギP」は、コンデンサ56から放出され、一次コイル41の低電圧側端子側から点火コイル40に供給されるエネルギを意味し、1回の点火タイミング中における供給開始最初の放電スイッチ信号SWdの立ち上がりからの積算値を示す。
図3の記載において、「一次電流I1」及び「二次電流I2」は、図2に示す矢印方向の電流を正の値とし、矢印と反対方向の電流を負の値とする。以下の説明において、負の電流の大小に言及する場合、「電流の絶対値」を基準として大小を表す。すなわち、負領域において、電流値が0[A]から離れ絶対値が大きくなるほど「電流が増加又は上昇する」といい、0[A]に近づき絶対値が小さくなるほど「電流が減少又は低下する」という。
また、エネルギ投入期間信号IGWが出力されている時刻t3−t4の期間における二次電流I2の制御目標値を、「維持目標電流値I2*」とする。維持目標電流値I2*は、エンジンの負荷及び回転数等から定められる運転領域に応じて放電を良好に維持可能な程度の電流値に設定される。本実施形態では、波形の最大値を目標値とするが、他の実施形態では、波形の最大値と最小値との中間値を目標値としてもよく、又は最小値を目標値としてもよい。
時刻t1にて点火信号IGTがHハイレベルに立ち上がると、点火スイッチ45がオンされる。このとき、エネルギ投入期間信号IGWはLローレベルであるので放電スイッチ57はオフされている。これにより、一次コイル41に一次電流I1が通電される。
また、点火信号IGTがHレベルに立ち上がっている間、矩形波パルス状の充電スイッチ信号SWcが、充電スイッチ53のゲートに入力される。これにより、充電スイッチ53のオン後のオフ期間に、コンデンサ電圧Vdcがステップ状に上昇する。
このようにして、点火信号IGTがHレベルに立ち上がっている時刻t1−t2間に、点火コイル40が充電されるとともに、DCDCコンバータ51の出力によってコンデンサ56にエネルギが蓄積される。このエネルギの蓄積は、時刻t2までに終了する。
なお、コンデンサ電圧Vdc、すなわちコンデンサ56のエネルギ蓄積量は、充電スイッチ信号SWcのオンデューティ比、及びオンオフ回数によって制御可能である。
その後、時刻t2にて点火信号IGTがLレベルに立ち下げられ、点火スイッチ45がオフされると、それまで一次コイル41に通電していた一次電流I1が急激に遮断される。すると自己誘電作用により一次コイル41に電圧が発生し、これと同時に磁気回路及び磁束を共有している二次コイル42に相互誘導作用によって高電圧が発生し、点火プラグ7の電極間にて放電が発生する。放電が発生すると、二次コイル42に二次電流I2が流れる。
時刻t2で放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない場合、二次電流I2は、破線で示すように、時間経過とともに0[A]に近づき、放電を維持できない程度まで減衰すると放電は終了する。このような放電による点火方式を「通常点火」という。
それに対し本実施形態では、時刻t2の直後の時刻t3にエネルギ投入期間信号IGWがHレベルに立ち上がることで、充電スイッチ53がオフの状態で放電スイッチ57がオンされる。これにより、コンデンサ56に蓄積されたエネルギが放出され、一次コイル41の接地側に投入される。これにより、放電中に、「投入エネルギPに起因する一次電流I1」が通電する。なお、投入エネルギPは、時刻t2までに蓄積されたコンデンサ電圧Vdcが高いほど大きいものとなる。
このとき、二次コイル42には、時刻t2−t3間に通電されていた二次電流I2に対し、投入エネルギPの投入による一次電流I1の通電に伴う追加分の二次電流I2が同じ極性で重畳される。この二次電流I2の重畳は、時刻t3−t4の間、放電スイッチ57がオンされるごとに行われる。
すなわち、放電スイッチ信号SWdがオンになるごとに、コンデンサ56に蓄積されたエネルギにより一次電流I1が順次追加投入され、これに対応して、二次電流I2が順次追加される。これにより、二次電流I2は、維持目標電流値I2*に一致するように維持される。
時刻t4でエネルギ投入期間信号IGWがLレベルに立ち下がると、放電スイッチ信号SWdのオンオフ動作が停止し、一次電流I1、二次電流I2ともにゼロとなる。
このように、時刻t2における放電の後、「一次コイル41の接地側」から点火コイル40にエネルギを投入する制御方式を、本明細書において「エネルギ投入制御」という。
一方、周知の多重放電方式のように、一次コイル41のバッテリ6側にエネルギを投入する方式、或いは二次コイル42の点火プラグ7と反対側から点火コイル40にエネルギを投入する方式を包括して「従来の多重放電方式」という。上述した「エネルギ投入制御」は、「従来の多重放電方式」に比べ、低電圧側からエネルギを投入することにより、放電が継続可能な最低限のエネルギを効率良く投入しつつ、放電アークが維持される状態を一定期間持続させることができる。
[第1実施形態の特徴]
ところで、混合気をリーン燃焼する際、エンジン13の燃焼サイクルごとのばらつきにより燃焼室17内で発生するタンブル流が弱くなることがある。この場合、点火プラグ7の放電アークが気流によって伸ばされず、その伸長量が小さくなる。この放電アークの伸長量がエンジンの運転状態に応じて要求される要求量よりも小さいと、希薄混合気に対する着火性が悪化し、失火によりトルク変動率が増大する、又は燃焼悪化によりNOx排出量が増大する等の問題が発生するおそれがある。
放電アークの伸長量は、点火コイル40の二次コイル42から点火プラグ7の電極に印加される二次電圧V2により検出可能である。これは、点火プラグ7の電極に流れる二次電流I2を一定とした場合、点火プラグ7の放電アークの伸長量が大きくなる程、その放電アークの電路の抵抗が大きくなるので、それに伴って二次電圧V2が大きくなるからである。しかし、点火コイルから点火プラグ7に印加される二次電圧V2を直接検出する場合、体格の大きい高価な電圧変換器が必要になる。
そこで、第1実施形態の点火制御装置30は、一次電圧を検出する一次電圧センサ441と、一次電流I1を検出する一次電流センサ44と、二次電流I2を検出する二次電流センサ47の信号により、点火プラグ7が放電を継続する際の二次電圧V2を検出することを特徴とする。これにより、点火制御装置30は、二次電圧V2を簡素な構成で検出し、その二次電圧V2により放電アークの伸長量を検出することが可能である。
さらに、第1実施形態の点火制御装置30は、点火プラグ7の放電アークの伸長量がエンジンの運転状態に応じて要求される要求量よりも小さいことを検出すると、点火プラグ7の放電の維持期間を延長することを特徴とする。これにより、放電アークを伸長させ、混合気への着火性を高めることが可能になる。したがって、点火制御装置30は、燃焼サイクルのばらつきにより気流の弱いサイクルが生じたときでも、混合気に安定して着火することで、内燃機関のトルク変動を抑制することができる。また、点火制御装置30は、安定した着火を得ることで、エミッションの排出を低減することができる。
以下、本実施形態の点火制御装置30が、一次電流I1、又は、一次電圧V1と一次電流I1と二次電流I2の計算値(V1×I1/I2)に基づいて、二次電圧V2を検出可能であることについて説明する。
図4は、エンジンの運転中に、点火プラグ7が放電を行った際の実験データである。図4では、共通の時間軸を横軸として、(A)から(E)の順に、一次電圧V1、一次電流I1、二次電流I2、これらの計算値(V1×I1/I2)、及び二次電圧V2を示している。なお、この実験において、点火プラグ7の電極が露出するエンジンの燃焼室17には吸気ポートから流入する空気により気流が発生した条件である。また、この実験における二次電圧V2は、直接計測したものである。
時刻t1から時刻t2の間、点火スイッチ45がオンされ、時刻t2で点火スイッチ45がオフされる。これにより、図4(B)に示すように、時刻t1から時刻t2の間、一次コイル41に一次電流I1が通電され、時刻t2を過ぎると一次電流I1は0になる。このとき、図4(A)に示すように、時刻t2で、一次コイル41に、自己誘電作用により電圧が発生する。これと同時に、図4(E)に示すように二次コイル42に相互誘導作用によって高電圧が発生し、点火プラグ7の電極間にて放電が発生する。これにより、図4(C)に示すように二次コイル42に二次電流I2が流れる。
時刻t2の直後、時刻t3から時刻t4の間に、エネルギ投入期間信号IGWが立ち上がり、エネルギ投入部50の放電スイッチ57がオン、オフされる。そのため、図4(A)に示すように、放電スイッチ57がオンの間、一次コイル41に断続的に電圧が印加される。
このエネルギ投入部50の放電スイッチ57のオン、オフは、図4(C)に示す二次電流I2を維持目標電流値I2*(例えば−0.3A)に一致させようとするフィードバック制御により行われる。
即ち、図4(A)及び(C)に示すように、放電スイッチ57のオンにより、一次コイル41に電圧が印加され、電磁誘導により二次電流I2が上昇する。次に二次電流I2が維持目標電流値I2*(例えば−0.3A)になると、エネルギ投入部50の放電スイッチ57がオフされて、一次コイル41の電圧が0となり、二次電流I2が低下する。次に二次電流I2が所定値(例えば−0.2A)になると、再び放電スイッチ57がオンされ、一次コイル41に電圧が印加されて、二次電流I2が上昇する。エネルギ投入部50は、エネルギ投入期間信号IGWが立ち上がっている時刻t3から時刻t4の間、この動作を繰り返す。
時刻t4でエネルギ投入期間信号IGWが立ち下がると、エネルギ投入部50の放電スイッチ57のオンオフ動作が停止する。
図4(E)の矢印Pに示したように、時刻t3から時刻t4の間、二次電圧V2は徐々に増加している。これは、気流により放電アークが伸長していることを示すものである。つまり、上述したフィードバック制御により二次電流I2が一定に保たれているので、放電アークの伸長により電路の抵抗が大きくなるに従い、二次電圧V2が増加するのである。
図4(B)の矢印Qに示したように、時刻t3から時刻t4の間、一次電流I1も、徐々に増加している。また、図4(D)の矢印Rに示したように、時刻t3から時刻t4の間、V1×I1/I2の計算値も、徐々に増加している。このことから、一次電流I1と、V1×I1/I2の計算値は、二次電圧V2と相関関係があると考えられる。
次に、一次電流I1と二次電圧V2との関係を図5に示し、V1×I1/I2の計算値と二次電圧V2との関係を図6に示す。
図5は、時刻t3から時刻t4の間、エネルギ投入部50の放電スイッチ57がオンのときの一次電流I1と、二次電圧V2の値を複数回検出し、プロットしたものである。図5の実線Sに示すように、一次電流I1の値が大きいほど、二次電圧V2の値も大きい。したがって、点火制御装置30は、二次電圧V2を直接検出することなく、一次電流I1に基づいて二次電圧V2を検出することが可能である。
図6は、時刻t3から時刻t4の間、エネルギ投入部50の放電スイッチ57がオンのときのV1×I1/I2の計算値と、二次電圧V2の値を複数回検出し、プロットしたものである。図6の実線Tに示すように、V1×I1/I2の計算値が大きいほど、絶対値としての二次電圧V2の値も大きい。したがって、点火制御装置30は、二次電圧V2を直接検出することなく、V1×I1/I2の計算値に基づいて二次電圧V2を検出することが可能である。
なお、一次電流I1と二次電圧V2との関係よりも、V1×I1/I2の計算値と絶対値の二次電圧V2との関係の方が、比例関係により近いものになっている。そのため、点火制御装置30は、一次電流I1に基づいて二次電圧V2を検出することも可能であるが、V1×I1/I2の計算値に基づいて二次電圧V2を検出することにより、その検出精度を高めることが可能である。
この第1実施形態の説明では、点火制御装置30は、V1×I1/I2の計算値に基づいて二次電圧V2を検出する。
後に説明する第2実施形態では、点火制御装置30は、一次電流I1に基づいて二次電圧V2を検出する。
本実施形態の点火制御装置30が点火プラグ7への電力供給を行う際の処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、図7では、ステップを「S」と表示している。
また、以下の説明において、点火制御装置30が有する制御装置32は、期間設定手段81、二次電圧検出手段82、期間延長手段83として機能する(図1参照)。
点火制御装置30は、この処理をエンジン13の運転の開始と共に実行する。
処理が開始されると、ステップ10で制御装置32は、エンジンの運転状態に応じて、目標二次電流信号IGA、点火信号IGT、及び、エネルギ投入期間信号IGWを生成し、点火回路ユニット31に出力する。上述したように、目標二次電流信号IGAは、維持目標電流値I2*を定め、点火信号IGTは点火開示時期を定め、エネルギ投入期間信号IGWはエネルギ投入期間を定めるものである。
なお、制御装置32がエネルギ投入期間信号IGWを生成する際、制御装置32は期間設定手段81として機能する。
次にステップ11で点火制御装置30は、点火信号IGTに基づき点火プラグ7により点火放電を行い、目標二次電流信号IGA及びエネルギ投入期間信号IGWに基づき放電を一定期間維持する。
ステップ12からステップ14で制御装置32は、二次電圧検出手段82として機能し、次の処理を行う。
まず、ステップ12で制御装置32は、一次電流センサ44の出力から一次電流I1を検出し、一次電圧センサ441の出力から一次電圧V1を検出し、及び二次電流センサ47の出力から二次電流I2を検出する。
続いてステップ13で制御装置32は、一次電圧V1が昇圧されている期間の一次電圧V1と、その期間の一次電流I1と、その期間の二次電流I2を、次の「式1」にて演算する。
V1×I1/I2・・・(式1)
なお、制御装置32は、一次電圧V1が昇圧されている期間の一次電圧V1、一次電流I1及び二次電流I2を検出する代わりに、エネルギ投入部50の放電スイッチ57がオンされている期間の一次電圧V1、一次電流I1及び二次電流I2を検出してもよい。
また、制御装置32は、エネルギ投入期間中、一次電圧V1が昇圧されるごとに、上述した演算を継続して行う。
次にステップ14で制御装置32は、マップを参照し、上記の「式1」にて演算した値に対応する二次電圧V2を検出する。このマップは、図6で示した実線Tと同等のものであり、予め制御装置32に記憶されているか、或いはエンジンの運転中に学習により制御装置32に記憶される。
制御装置32は、エネルギ投入期間中、一次電圧V1が昇圧されるごとに、継続して二次電圧V2の検出を行う。
ステップ15で制御装置32は、ステップ14で検出した二次電圧V2の所定時間の上昇率を検出する。
続いてステップ16で制御装置32は、二次電圧V2の上昇率が基準電圧の上昇率よりも大きいか否かを判定する。ここで基準電圧の上昇率とは、エンジンの運転状態に応じて要求される放電アークの伸長量を確保可能な二次電圧V2の上昇率をいう。即ち、二次電圧V2の上昇率が、この基準電圧の上昇率を満たす場合、放電アークが混合気に着火燃焼させるために適正に伸長しているといえる。
一方、二次電圧V2の上昇率が基準電圧の上昇率を満たさない場合、例えば気流の速さが設定の範囲よりも遅いことなどの要因により、放電アークが十分に伸長していないといえる。
二次電圧V2の上昇率が基準上昇率と同じか、又は、それよりも大きい場合(ステップ16:YES)、処理は終了する。
一方、二次電圧V2の上昇率が基準上昇率よりも小さい場合(ステップ16:NO)、処理はステップ17に移行する。
ステップ17で制御装置32は期間延長手段83として機能し、ステップ10で定めたエネルギ投入期間を延長し、エネルギ投入期間信号IGWの立ち下がりのタイミングを遅らす。なお、エネルギ投入期間を延長する時間は、一律の時間を設定しておいてもよく、或いは、二次電圧V2の上昇率に応じて延長する時間を変えてもよい。
エネルギ投入期間を延長した後、処理は一旦終了する。この処理は、エンジンの燃焼サイクル毎に繰り返し実行される。
次に、上述したステップ14から処理終了迄の処理について、図8を参照して説明する。
図8(A)は、燃焼室17の気流が適正な速さの場合の二次電圧V2の時間変化を示し、図8(B)は、燃焼室17の気流が設定よりも弱い場合の二次電圧V2の時間変化を示している。
図8(A)において、ステップ14の処理により検出した二次電圧V2の推移を破線P1に示し、基準電圧を一点鎖線P3に示す。
図8(B)において、ステップ14の処理により検出した二次電圧V2の推移を破線P2に示し、基準電圧を一点鎖線P3に示す。
なお、基準電圧を示す一点鎖線P3は、図8(A)と図8(B)で同一の傾斜角である。
図8(A)では、二次電圧の推移を示す破線P1の上昇率は、基準電圧を示す一点鎖線P3の上昇率より僅かに大きい。そのため、気流が適正の範囲内にあり、放電アークが混合気に着火燃焼させるために適正に伸長しているといえる。したがって、エネルギ投入期間信号IGWは、ステップ10で定めた時刻t4で立ち下がる。
一方、図8(B)では、二次電圧の推移を示す破線P2の上昇率は、基準電圧を示す一点鎖線P3の上昇率よりも小さい。そのため、気流が設定よりも弱く(遅く)、放電アークの伸長が短いと考えられる。この場合、制御装置32は、エネルギ投入期間を延長し、エネルギ投入期間信号IGWの立ち下がりのタイミングを、時刻t4から時刻t5に遅らせる。
これにより、点火制御装置30は、燃焼サイクルのばらつきにより気流の弱いサイクルが生じたときでも、混合気に安定して着火することで、エンジンのトルク変動を抑制することができる。また、点火制御装置30は、安定した着火を得ることで、エミッションの排出を低減することができる。
[第1実施形態の作用効果]
第1実施形態の点火制御装置30は、次の作用効果を奏する。
(1)第1実施形態では、点火制御装置30は、点火プラグ7の放電発生後のエネルギ投入期間において、エネルギ投入部50により一次コイルの電圧が昇圧されている期間の一次電圧V1、一次電流I1及び二次電流I2に応じて、二次電圧V2を検出する。
これにより、点火制御装置30は、二次電圧V2を直接検出するセンサを設けることなく、二次電圧V2を検出する。一次電圧センサ441と一次電流センサ44は、二次電圧V2を直接検出するセンサに比べて、体格が小型のものを使用することが可能である。したがって、点火制御装置30は、エネルギ投入期間の二次電圧V2を簡素な構成で検出することができる。
また、点火制御装置30は、一次電圧V1が昇圧されている期間の一次電流I1のみに応じて二次電圧V2を検出することに比べ、一次電圧V1、一次電流I1及び二次電流I2に応じて二次電圧V2を検出することで、その検出精度を高めることができる。
(2)第1実施形態では、制御装置32は、二次電圧検出手段82として機能し、V1×I1/I2の計算値に応じて二次電圧V2を検出する。
これにより、点火制御装置30は、V1×I1/I2の値と、V2の値との相関関係により、二次電圧V2を正確に検出することができる。
(3)第1実施形態では、二次電流保持回路48は、二次電流センサ47が検出値した二次電流I2が一定に保持されるように、エネルギ投入部50の有する放電スイッチ57のオン、オフを制御する。
これにより、エンジンの燃焼室17の気流により点火プラグ7の放電アークが伸長する際、その放電アークの電路の抵抗の変化に応じて二次電流I2が一定に保持される。したがって、点火制御装置30は、エネルギ投入期間に点火プラグ7の電極間の放電を最小限の電流値で維持することができる。
(4)第1実施形態では、制御装置32は、期間延長手段83として機能し、二次電圧V2の上昇率が所定の上昇率よりも小さい場合、当初設定したエネルギ投入期間を延長する。
二次電圧V2の上昇率が小さい場合、燃焼室17の気流が弱く、放電アークの伸長量が目標とする伸長量よりも短いことが考えられる。この場合、エネルギ投入期間を延長することで、放電アークを伸長させることが可能である。したがって、点火制御装置30は、燃焼サイクルのばらつきにより気流の弱いサイクルが生じたときでも、混合気に安定して着火することで、内燃機関のトルク変動を抑制することができる。また、点火制御装置30は、安定した着火を得ることで、エミッションの排出を低減することができる。
(5)第1実施形態では、エネルギ投入部50、一次電圧センサ441、一次電流センサ44及び二次電流センサ47は、点火回路ユニット31内の同一の回路基板に設けられる。
一次電圧センサ441、一次電流センサ44及び二次電流センサ47は、二次電圧V2を直接検出するセンサに比べて、小型のものを使用することが可能である。そのため、これらのセンサとエネルギ投入部50等を点火回路ユニット31内の同一の回路基板に設けることで、製造コストを低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図9に示す。第2実施形態において上述した第1実施形態と実質的に同一の構成及び処理には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、点火制御装置30は、一次電圧V1を検出する一次電圧センサ441の信号と、一次電流I1を検出する一次電流センサ44の信号により、点火プラグ7が放電を継続する際の二次電圧V2を検出する。これにより、点火制御装置30は、第1実施形態の構成よりも簡素な構成で二次電圧V2を検出し、その二次電圧V2により放電アークの伸長量を検出することが可能である。
以下、第2実施形態の点火制御装置30が行う処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。
ステップ10からステップ11の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップ11の後、ステップ20で制御装置32は、二次電圧検出手段82として機能し、一次電圧センサ441の出力から一次電圧V1を検出し、一次電流センサ44の出力から一次電流I1を検出する。
このとき、制御装置32は、エネルギ投入期間中、一次電圧V1が昇圧されるごとに、一次電流I1の検出を継続して行う。
なお、制御装置32は、一次電圧V1が昇圧されている期間の一次電流I1を検出する代わりに、エネルギ投入部50の放電スイッチ57がオンされている期間の一次電流I1を検出してもよい。
次にステップ21で制御装置32は、マップを参照し、一次電圧V1が昇圧されている期間の一次電流I1に対する二次電圧V2を検出する。このマップは、図5で示した実線Sと同等のものであり、予め制御装置32に記憶されているか、或いはエンジンの運転中に学習により制御装置32に記憶される。
制御装置32は、エネルギ投入期間中、一次電圧V1が昇圧されるごとに、継続して二次電圧V2の検出を行う。
これ以降、ステップ15からステップ17の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一であるので、説明を省略する。
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態では、点火制御装置30は、点火プラグ7の放電発生後のエネルギ投入期間において、エネルギ投入部50により一次コイルの電圧が昇圧されている期間の一次電流I1に応じて、二次電圧V2を検出する。
これにより、点火制御装置30は、二次電圧V2を直接検出するセンサを設けることなく、一次電圧センサ441と、一次電流センサ44のみで二次電圧V2を検出する。したがって、点火制御装置30は、エネルギ投入期間の二次電圧V2を、上述した第1実施形態の構成よりも簡素な構成で検出することができる。
(その他の実施形態)
(ア)上記実施形態では、エネルギ投入部50によるエネルギ投入制御は、図3に示したように、点火信号IGTのHレベル中に充電スイッチ信号SWcをオンオフしてコンデンサ電圧Vdcを蓄積した後、エネルギ投入期間に一次コイル41の接地側にエネルギを投入した。これに対し、他の実施形態では、例えば、エネルギ投入期間に充電スイッチ信号SWcと放電スイッチ信号SWdとを交互にオンオフ制御することにより、充電スイッチ信号SWcがオンのときにエネルギ蓄積コイル52が蓄積したエネルギを、その都度一次コイル41の接地側に投入するようにしてもよい。その場合、コンデンサ56を備えなくてもよい。
(イ)上記実施形態では、二次電流保持回路48は、二次電流センサ47により検出した二次電流I2を維持目標電流値I2*に一致させるようとするフィードバック制御を行った。これに対し、他の実施形態では、例えば、二次電流保持回路48を備えることなく、二次電流I2をフィードフォワード制御してもよい。
(ウ)他の実施形態では、点火回路ユニット31は、制御装置32を収容するケースに収容するか、あるいは点火コイル40を収容するケースに収容してもよい。
(エ)他の実施形態では、点火スイッチ45及びエネルギ投入部50は、別々のケースに収容してもよい。例えば、点火コイル40を収容するケースに点火スイッチ45を収容し、また、制御装置32を収容するケースにエネルギ投入部50を収容してもよい。
(オ)点火スイッチは、IGBTに限らず、比較的耐圧の高い他のスイッチング素子で構成してもよい。また、充電スイッチ53及び放電スイッチ57は、MOSFETに限らず、他のスイッチング素子で構成してもよい。
(カ)直流電源は、バッテリ6に限らず、例えば交流電源をスイッチングレギュレータ等によって安定化した直流安定化電源等で構成してもよい。
(キ)上記実施形態では、エネルギ投入部50は、DCDCコンバータ51によって、バッテリ6の電圧を昇圧した。これに対し、他の実施形態では、点火制御装置30がハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される場合には、主機バッテリの出力電圧をそのまま、或いは降圧して、投入エネルギとして用いてもよい。
(ク)上記実施形態では、燃焼室17内にタンブル流を形成可能なエンジン13について説明した。これに対し、他の実施形態では、エンジンは、燃焼室にスワール流等の気流を形成するものであってもよい。
このように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
7 ・・・点火プラグ
30 ・・・点火制御装置
40 ・・・点火コイル
44 ・・・一次電流センサ
441・・・一次電圧センサ
45 ・・・点火スイッチ
50 ・・・エネルギ投入手段(エネルギ投入部)
81 ・・・期間設定手段
82 ・・・二次電圧検出手段

Claims (6)

  1. 内燃機関(13)の混合気に着火放電を行う点火プラグ(7)への電力供給を制御する点火制御装置(30)において、
    直流電源(6)から一次電流が供給される一次コイル(41)、及び、前記一次コイルの通電及び遮断により励起された電圧を前記点火プラグに印加する二次コイル(42)を有する点火コイル(40)と、
    前記内燃機関の点火要求に応じて一次電流の通電と遮断とを切り替える点火スイッチ(45)と、
    前記点火プラグが放電を発生した後の所定のエネルギ投入期間に、前記点火プラグが放電を継続可能な所定電圧を前記一次コイルに断続して印加するエネルギ投入手段(50)と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記エネルギ投入期間を設定する期間設定手段(81)と、
    前記一次コイルに印加される一次電圧を検出する一次電圧センサ(441)と、
    前記一次コイルに流れる一次電流を検出する一次電流センサ(44)と、
    前記エネルギ投入手段により一次電圧が昇圧されている期間に前記一次コイルに流れる一次電流に応じて、前記二次コイルから前記点火プラグに印加される二次電圧を検出する二次電圧検出手段(82)と、を備えることを特徴とする点火制御装置。
  2. 前記二次コイルに流れる二次電流を検出する二次電流センサ(47)をさらに備え、
    前記二次電圧検出手段は、前記エネルギ投入手段により一次電圧が昇圧されている期間の一次電圧、その期間の一次電流、及び、その期間の二次電流に応じて、二次電圧を検出することを特徴とする請求項1に記載の点火制御装置。
  3. 前記エネルギ投入手段により一次電圧が昇圧されている期間の一次電圧をV1、その期間の一次電流をI1、その期間の二次電流をI2、及び、前記二次電圧検出手段が検出する二次電圧をV2とすると、
    前記二次電圧検出手段は、V1×I1/I2に応じてV2を検出することを特徴とする請求項2に記載の点火制御装置。
  4. 前記二次コイルに流れる二次電流を検出する二次電流センサと、
    前記二次電流センサの検出値した二次電流が一定に保持されるように、前記エネルギ投入手段が前記一次コイルに所定電圧を印加するスイッチ(57)をオン及びオフする時間を制御する二次電流保持手段(48)を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の点火制御装置。
  5. 前記二次電圧検出手段が検出した二次電圧の上昇率が所定の上昇率より小さい場合、前記期間設定手段が設定した前記エネルギ投入期間を延長する期間延長手段(83)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の点火制御装置。
  6. 前記エネルギ投入手段、前記一次電圧センサ、前記一次電流センサ及び前記二次電流センサは、同一の回路基板に設けられることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の点火制御装置。
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