JP2005121866A - 光学ベンチ、光学モジュール、および光学ベンチの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学素子を搭載する光学ベンチにおいて、形成される導電性材料層の組成を安定化させ、光学素子の実装効率を高めると共に、実装の信頼性を向上させる。
【解決手段】 Si基板11と、このSi基板11上に形成される配線13と、Si基板11上の配線13に接続されて形成され、光学素子をダイボンディング等により接合するためのAu−Sn膜14と、Au−Sn膜14の周りに形成され、Au−Sn膜14の溶融領域を規定する樹脂膜15とを備え、このAu−Sn膜14は、金錫(Au-Sn)の合金粒子を含むペーストを用いた印刷により形成される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば光学素子を搭載するための光学ベンチ、およびその製造方法等に係り、より詳しくは、導電性材料層を有する光学ベンチ、およびその製造方法等に関する。
近年、光通信技術の進展に伴い、例えばネットワークに用いられる種々の部品、デバイス、およびそれらを用いた光学モジュールのニーズが高まっており、活発な研究開発が行われている。特に、光ファイバ、レンズ、レーザダイオード等の部品を適宜組み合わせたモジュールは、その基本コンポーネントとして多用されている。
このような光学モジュールの従来技術として、例えば、Si基板上に溝を設け、その溝に球状のレンズを位置決めして固定し、また、Si基板上に所定の配線が形成される光学モジュールがある(例えば、特許文献1参照)。このような光学モジュールとしては幾つかの形態が存在するが、中でも、3次元加工技術であるマイクロマシニング(MEMS)によりSiウェハに対して溝を形成し、これにファイバやレンズを埋め込み固定する方式が量産性に優れた方法として注目されている。このMEMSにより形成された光学モジュール用の基板は、シリコンオプティカルベンチ(ベンチ、光学ベンチ)と呼ばれ、一つのキーデバイスとなっている。
特開2002−162542号公報(第3〜4頁、図10)
これらの光学モジュールに用いられる光学デバイスは、例えば光増幅や合分波等に使用され、用途に応じて種々の形態があるが、光信号発生源としてのレーザダイオード(LD)などの光源を備えて形成されることが多い。例えばレーザダイオードの光学ベンチへの搭載は、耐熱性および接続の信頼性の観点から、一般的に、金錫(Au-Sn)を用いて行われる。このAu-Snからなる接続用パッドの形成は、従来、蒸着またはスパッタなどの薄膜堆積によって行われている。
しかしながら、かかる接続用パッドの生成では、数μmの厚膜を形成する必要があり、工程に極めて時間がかかると共に、パッドパターンを形成するためにフォトリソグラフィのプロセスが必要となり、製造価格および時間の増大を招いていた。また、上記特許文献1のように、蒸着等によりAu-Sn膜を形成する場合には、通常、AuおよびSnの原料ペレット等を別々に用意し、二元薄膜形成により成膜することが必要となることから、組成が完全には均一になり難く、そのために微妙な溶融温度のばらつきや溶融金属の流動の不均一を招いてしまい、レーザダイオード等の光学デバイスの実装に支障を来たすことがあった。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、光学ベンチ上に、光学部品搭載のための導電性材料層を印刷により形成することにある。
また他の目的は、例えば、金錫(Au-Sn)からなる導電性材料層の印刷に伴う厚さを均一化し、高さばらつきをμmオーダー以下にして、レーザダイオード等の光学デバイスの実装を可能にした光学ベンチを提供することにある。
更に他の目的は、光学素子を搭載する光学ベンチにおいて、形成される導電性材料層の組成を安定化させ、光学素子の実装効率を高めると共に、実装の信頼性を向上させることにある。
また更に他の目的は、光学ベンチの製造に際して、プロセス効率を向上させ、歩留まりを高めると共に、工程時間を短縮することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される光学ベンチは、基板と、この基板上に形成される配線と、基板上の配線に接続されて形成され、光学素子をダイボンディング等により接合するための導電性材料層と、導電性材料層の周りに形成され、導電性材料層の溶融領域を規定する樹脂膜等の非金属膜とを備え、この導電性材料層は、金錫(Au-Sn)の合金粒子を含むペーストを用いた印刷により形成されることを特徴としている。
更に他の観点から把えると、本発明が適用される光学ベンチは、基板と、この基板上に形成される配線と、基板上の配線に接続されて形成され、光学素子を接合するための導電性材料層と、この導電性材料層を囲む領域を形成する非金属膜とを含む。ここで、この非金属膜は、導電性材料層よりも厚さが薄いことを特徴とすれば、レーザダイオード等の光学素子を接合する際に障害とならない点で好ましい。
また、本発明が適用される光学モジュールは、基板上に配線が形成されると共に、配線上に導電性材料層を有する光学ベンチと、この光学ベンチにおける導電性材料層を介して接合される光学素子とを含み、この光学ベンチに設けられる導電性材料層は、金錫(Au-Sn)の合金粒子を含むペーストを用いた印刷により形成されることを特徴とすることができる。ここで、この光学ベンチは、導電性材料層の溶融領域を規定する非金属膜を有することを特徴としており、また、この導電性材料層は、合金粒子のサイズが平均粒径にして3μm以上20μm以下であることを特徴とすることができる。ここで、この光学素子は、例えばレーザダイオードであり、本発明が適用される光学モジュールは、光軸方向であるy方向のみならず、高さ方向(z方向)も精密に位置合わせをすることが要求されるものを精度良く接合することが可能である。
更に、本発明を製造方法のカテゴリから把えると、本発明は、光学素子が接合される光学ベンチの製造方法であって、基板上に配線を形成する配線工程と、この配線工程により配線が形成された基板上に、金錫(Au-Sn)の合金粒子を含むペーストを印刷する印刷工程と、この印刷工程により印刷されたペーストを加熱溶融してAu-Sn膜を形成する加熱溶融工程とを含み、この印刷工程によりペーストが印刷される領域は、光学素子を接合するために定められる接合領域よりも小さく、加熱溶融工程によりペーストが濡れ広がることにより、金錫(Au-Sn)の合金粒子が接合領域まで及ぶことを特徴とすることができる。
ここで、本発明は、このペーストが加熱溶融工程により濡れ広がる範囲を規定する部材を基板上に形成するエリア部材形成工程を更に含む。また、このエリア部材形成工程は、印刷工程の前に、接合領域が開口される樹脂膜を印刷することを特徴とすれば、溶融されて形成される領域をシャープに形成できる点で好ましい。更に、このエリア部材形成工程は、ペーストが加熱溶融工程により濡れ広がった後のAu-Sn膜の厚さよりも薄い厚さで形成されることを特徴とすれば、光学素子の搭載、接合に支障を来たすことがない点で優れている。
本発明によれば、光学素子を搭載する光学ベンチにおいて、例えば、金錫(Au-Sn)からなる導電性材料層のパッド形成を印刷で行うことが可能となり、プロセス効率が向上して歩留まりが高まり、また、工程時間を短縮することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1(a),(b)は、本実施の形態が適用される光学ベンチの構成を示した図である。図1(a)は光学ベンチの上面図であり、図1(b)は光学ベンチの側面図である。本実施の形態が適用される光学ベンチ(シリコンオプティカルベンチ)10は、シリコンウェハであるSi基板11に、例えばレンズ等の光学部品を位置決めした状態で搭載するための深溝である溝12が形成される。また、Si基板11上には、メッキによって形成され、所定の形状からなる配線13を有している。更に、本実施の形態が適用される光学ベンチ10では、例えば、光学素子(光学部品、光学デバイス)であるレーザダイオード(LD)をダイボンディングするための導電性材料層として、金錫膜(Au-Sn膜)14が形成されている。
図2は、光学ベンチ10に配線13が形成された断面構造を示した図である。ここでは、酸化膜付きのSi基板11上に、接着層となるニッケル/クロム膜(Ni/Cr膜)21が、例えば0.1μmずつスパッタにより連続成膜されている。この上に、無電解メッキにより堆積された例えばリン濃度13%のニッケルリン膜(Ni-P膜)22が3μm程度の厚さに堆積される。次いでこの上にレジストが塗布され、マスクを用いてパターン形成された後、塩酸によりNi-P膜22およびNi/Cr膜21がエッチングされて配線の基本パターンが形成される。この配線基本パターンの寸法精度としては±2μm以内程度が好ましい。この基本パターン上に無電解メッキにより金膜(Au膜)23が0.5μm程度、成膜されて、配線13が作製される。配線3の寸法精度は±3μm以内程度が好ましい。この後、レジストを塗布、パターニングした後、フッ酸を用いて溝加工が行われる領域の酸化膜が除去され、KOHなどを用いた異方性エッチングにより、レンズ搭載用の溝12が形成される。
図3(a),(b)は、配線13上に形成されるAu-Sn膜14を説明するための図である。図3(a)は、金錫(Au-Sn)ペーストをSi基板11の配線13上に印刷した状態、即ち、加熱溶融前の状態を示している。また、図3(b)は、加熱溶融後に生成されるAu-Sn膜14の状態を示している。本実施の形態では、先ず、加熱溶融時の下地に対する印刷の濡れ広がりの度合を測定し、これを基に印刷ペースト(金属)である金錫(Au-Sn)ペーストの量を調整することにより、厚さ(高さ)の均一化を図っている。すなわち、下地材料と表面性状、加熱温度と時間、および印刷金属量が一定であれば、膜厚をほぼ一定に制御することができることを利用するものである。かかる場合に、印刷エリアは、所定のダイボンディングエリア(接合領域)よりも小さくなる。即ち、本来の必要なパッドサイズ(Au-Sn膜14のサイズ)は、図3(b)の点線で示すような例えば500μm角であるのに対し、印刷時点のパターンは、図3(a)に示すように、例えば250μm角となっている。また、このときの高さとして、図3(b)に示すAu-Sn膜14では厚さ5μm程度が必要であるのに対し、図3(a)に示す状態では、厚さが40μmで印刷される。
ここで、この調整においては、金錫(Au-Sn)ペーストにおけるAu-Sn粒子のサイズが小さい程、精度が上がる傾向にあるが、その一方で、表面積が増大するために表面酸化膜の割合が相対的に増加することになり、レーザダイオード(LD)等の搭載において適正に溶融接合し難くなる問題が生じる。平均粒径が3μmより小さくなると、この問題が特に顕著になるため実用的でない。また、平均粒径が20μmより大きくなると、前述の調整の精度が極度に悪くなる。したがって粒子サイズは3μm以上20μm以下が適する。図3(a),(b)に示す例では、金錫(Au-Sn)ペーストとして、粉末含有量が堆積比で50%、平均粒子径が20μmのものを用いている。このような粉末含有量および粒子サイズを採用すると、加熱溶融後における広がり面積のムラが抑制できたことが実験により確認できた。このように、本実施の形態では、金錫(Au-Sn)ペーストの粉末含有量や平均粒径を特定し、更に、リフローにより溶融させて表面を平滑化させた場合を考慮して、印刷の厚さ(高さ)を一定にすべく、印刷条件を設定している。即ち、本実施の形態によれば、かかる条件にて印刷されたAu-Sn膜14を用い、極めて高精度のアライメントが要求されるレーザダイオードを実装することが可能となる。
尚、粒子サイズとして、平均粒径25μmの金錫(Au-Sn)ペーストを用いて、前述と同様の印刷実験を行った結果、加熱溶融後の広がり面積にムラが生じ、ダイボンディングエリアが安定して形成できなかった。一方、粒子サイズが小さい、平均粒径が2.5μmの金錫(Au-Sn)ペーストを用いた場合には、酸化物の量が増えたために溶融が不十分となり、表面平滑性が悪くなると共に、レーザダイオード搭載時の接合が十分に行われなかった。従って、レーザダイオード等の光学部材を搭載する光学ベンチ10に対して用いられる金錫(Au-Sn)ペーストは、粒子サイズが3μm以上20μm以下であることが好ましいと言える。
[実施の形態2]
実施の形態2では、Au-Sn印刷を行う下地金属層(導電性材料層)の領域(エリア)を非金属の膜を用いて規定することにより、精度をより向上させる例について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図4(a),(b)は、本実施の形態2が適用される光学ベンチ10の構成を示した図である。図4(a)は光学ベンチ10の上面図であり、図4(b)は光学ベンチ10の側面図である。本実施の形態が適用される光学ベンチ10は、配線13上に、非金属の膜である樹脂膜15が形成され、印刷された金錫(Au-Sn)ペーストが溶融して形成すべき領域(エリア)が規定されている。樹脂膜15によって形成される領域は、抜きパターンで開口させて範囲規定される。即ち、開口パターンを有する樹脂膜15を先に印刷し、その後、この開口内にAu-Sn膜14を印刷形成している。この樹脂膜15としては、例えば、UV硬化のエポキシ樹脂が用いられ、厚さ約2μm程度で形成される。その他の条件は、実施の形態1と同様である。その結果、図4(a)に示すように、シャープな外形ラインを有する、正確なパターンを得ることができた。
図5(a)〜(c)は、樹脂膜15によって形成される開口に金錫(Au-Sn)ペーストを印刷した後、リフロー工程を経て形成されるAu-Sn膜14を説明するための図である。印刷される金錫(Au-Sn)ペーストの平均粒径等は、実施の形態1と同様なものが用いられる。加熱溶融工程であるリフロー工程は、例えば赤外線や熱風等を用いたリフロー炉を用いて、基板と部品の半田付けを行う工程であり、本実施の形態では、半田である金錫(Au-Sn)ペーストを溶融させ、配線13に接合させている。図5(a)では、印刷された樹脂膜15の開口内に、金錫(Au-Sn)ペーストを印刷した状態が示されている。この印刷の範囲と厚さは、実施の形態1と同程度、即ち、250μm角で印刷後の厚さは40μm程度が好ましい。その後、リフロー工程により金錫(Au-Sn)ペーストが溶融すると、溶融された金錫(Au-Sn)ペーストは、非金属の膜である樹脂膜15に対してほとんど親和性を有さないため、濡れ範囲は実質的に、樹脂膜15の開口内に制限される。
この非金属の膜である樹脂膜15は、形成されるAu-Sn膜14より薄い膜で良いことから、例えばレーザダイオード搭載、接合の妨げになることはない。本実施の形態では、Au-Sn膜14を厚さ5μm程度、必要とした場合に、樹脂膜15を厚さ約2μm程度に形成している。但し、厳密には、図5(b)に示すように、境界付近で樹脂膜15上に若干盛り上がる部分が生じることがあるが、接合状態ではないことから、洗浄やエア吹き付け等によって簡単に除去し、図5(c)に示すような、シャープな外形ラインを有するAu-Sn膜14を形成することができる。また、開口周囲部にバリ状の突起が生じることがあり得るが、これは接合時に簡単にメルトし、妨げとなるレベルではない。
尚、開口パターンを規定するための非金属の膜としては、樹脂やレジストなどの有機膜およびフィラー含有有機膜、あるいは各種酸化物や窒化物などの無機膜を任意に用いることができるが、Au-Sn接合時の加熱温度350−400℃に耐えることが必要である。本実施の形態では、前述のように、UV硬化のエポキシ樹脂を用いて樹脂膜15を形成している。また、状況により、この樹脂膜15は、Au-Sn膜14を形成した後に、除去もしくは残したままにされる。除去する場合は、他の配線13およびSi基板11を侵食することがないようにエッチング材料に留意する必要がある。この意味で、開口パターンを規定するための非金属の膜として、樹脂膜15を用い、溶剤を用いて除去することが好ましい。
図6は、実施の形態2による光学ベンチ10の製造方法を説明するための図である。ここでは、まず、ステップ101にて準備されたSiウェハに、CrスパッタとNiスパッタが実行され(ステップ102)、接着層となるNi/Cr膜21が形成される。このNi/Cr膜21の形成工程では、例えば、Ni膜とCr膜とを0.1μmずつ、スパッタにより連続成膜している。次に、無電解メッキにより、Niメッキとして、例えば3μm程度の厚さにNi-P膜22が形成される(ステップ103)。次いで、レジストが塗布されマスクを用いてパターニング(パターン形成)が行われ、例えば、塩酸によりNi-P膜22およびNi/Cr膜21をエッチングして、配線13の基本パターンが形成される(ステップ104)。その後、レジストは剥離される。
次に、レジストが剥離されたNi-P膜22の上に、無電解メッキによりAu膜23が、例えば0.5μm程度、成膜されて(ステップ105)、配線13が作製される。このAu無電解メッキ工程では、パターン上にマスクレスで無電解メッキがなされる。このように、本実施の形態では、これらのメッキ方法として、無電解メッキを使用し、反応速度を低めに設定することにより、残留歪が小さくかつ均一性の高い膜が得られ、応力集中による腐食の加速を実質的に生じにくくしている。また、無電解メッキを用いて膜を積層堆積する場合、一層目のみをエッチングしてパターニングしておくことで、後続の層はその上に同一パターンで堆積していくことができる。その結果、積層膜の場合に比べエッチング作業が行い易くなり、また寸法精度を高めることができ、プロセス効率を向上させることができる。このようにして、配線工程が実行される。
その後、エリア部材形成工程として、パッドエリアを規定する樹脂膜15を印刷する(ステップ106)。開口パターニングとしての樹脂膜15は、マスク印刷、マスク方式薄膜形成、およびフォトリソグラフィなどの各種方法によって、UV硬化エポキシ樹脂を厚さ2μm程度となるように形成される。その後、印刷工程として、粉末含有量が堆積比50%で、平均粒子径が20μmの金錫(Au-Sn)ペーストが、250μm角で印刷後厚さが40μm程度になるように印刷される(ステップ107)。この印刷の後、リフロー炉に通して加熱する(ステップ108)。この加熱溶融工程であるリフロー工程では、窒素雰囲気中で380℃、2分の加熱が行われる。この加熱により金錫(Au-Sn)ペーストは、樹脂膜15の開口パターン内で均一にメルトする。図5(b)のように、図の点線に示す外形縁部に、加熱時に溶融したAu-Sn金属の流動による若干のダレが生じる場合がある。その後、エア吹付け等の洗浄工程により(ステップ109)、樹脂膜15上に乗り上げたAu-Sn金属が除去され、厚さ5μmのAu-Sn膜14がほぼ500μm角の所定サイズで形成される。尚、加熱後の洗浄は、市販のフラックス洗浄液を用いて行った。
ステップ109のAu-Sn洗浄の後、KOH等の強アルカリを用いた深溝の形成を行う。レジスト塗布とパターニングが実行され、次いで、フッ酸エッチング工程にて、溝12が形成されるパターンに合わせて、Si基板11上に当初から形成されている酸化膜(SiO2)がフッ酸を用いて除去される(ステップ110)。その後、レジストが除去された後、強アルカリであるKOHを用いた異方性エッチングが行われ、レンズ搭載用の深溝である溝12が形成される(ステップ111)。このように、配線13の加工は溝12の加工前、即ち、Si基板11のウェハ表面に酸化膜の付いた状態で行われることから、従来、必要であった高温の酸化処理が不要であり、工程時間を著しく短縮することが可能となった。
尚、図6に示す製造方法では、実施の形態2を中心に説明したが、ステップ106に示す「パッドエリア規定印刷」のためのエリア部材形成工程等を除き、実施の形態1の光学ベンチ10も、同様な工程を用いて製造することができる。
次に、実施の形態1および2のようにして製造された光学ベンチ10を用いた光学モジュールについて説明する。
図7(a),(b)は、本実施の形態が適用される光学モジュールの一例を示した図である。図7に示す光学モジュール50は、光学ベンチ10における溝12内に、光学部品として、例えば石英製結合レンズであるレンズ51が搭載されている。また、光学ベンチ10の配線13の一部に形成されたAu-Sn膜14の上に、光学駆動部品として、光学素子であるレーザダイオード52が実装されている。図7に示す光学モジュール50の実装例では、Au-Sn膜14にてレーザダイオード52が所定位置に接合(ダイボンディング)された後、レンズ51が位置決めされる。その後、レンズ51は、接着剤等を用いてSi基板11に固定される。本実施の形態では、上述した作業工程によって光学ベンチ10が作製されることから、配線13の精度が±3μm以内と高く、その結果として、光学モジュール50における組み立て整合性を向上させることが可能となる。尚、光学モジュール50に搭載される他の光学部品/駆動部品としては、ファイバ、ミラー、フィルタ、スイッチ等がある。
以上、詳述したように、本実施の形態(実施の形態1および2)では、レーザダイオード等の光学デバイス(光学素子)の実装に際し、粒子状のAu-Sn材料を用いてペーストを作製し、これを印刷にてパターン形成することで、光学ベンチ10を形成している。これによって、従来の多層薄膜方式で形成されていたパッドと異なり、組成が極めて安定していることから、繰り返し毎のバラツキを実質的に生じさせず、非常に安定した状態にて、レーザダイオード等の光学デバイスを実装することができる。レーザダイオード等の実装においては、レンズ、ファイバその他の部材と低損失で光結合する必要があるため、極めて高精度のアライメントが必要になる。このため、光軸方向をy方向とした場合のz方向、即ち高さ方向(厚さ方向)をも精密に位置合わせする必要がある。このとき、ただ単に、Au-Snを付加してリフローにより溶融させただけでは、表面を平滑化させる際に、溶融時の濡れ広がり具合が微妙な条件の違いによってばらついてしまい、厚さ(高さ)を一定に保つことが困難となる。しかしながら、本実施の形態では、Au-Sn膜14の形成に用いられる金錫(Au-Sn)ペーストについて、Au-Sn合金粒子のサイズを3μm以上30μm以下、好ましくは20μm以下と規定することで、表面を平滑化させた際の、溶融時の濡れ広がり具合を安定化させることができる。
また、金錫(Au-Sn)ペーストの印刷に際し、例えばマスクを用い、最終的に必要となる接合領域(ダイボンディング領域)よりも小さく、また、広がりを考慮して厚さを所定量よりも高くして印刷した。即ち、印刷後、加熱溶融されて濡れ広がることにより、実質的に必要となるダイボンディング領域に及ぶように調整して印刷される。これによって、精度良く光学デバイスを実装することが可能となる。
更に、本実施の形態2では、金錫(Au-Sn)ペーストの印刷に際し、溶融領域を定めるための開口パターンとして、非金属膜である樹脂膜15を印刷するように構成した。また、この樹脂膜15の高さは、最終的に必要となるAu-Sn膜14の厚さ(例えば5μm)に対して、例えば、2μmと低く設定されている。所謂ダムとして機能する樹脂膜15の高さを一定以上に高くすると、レーザダイオード等の光学素子の搭載・接合に支障を来たすために、この高さは必然的に制限されてくる。このダム部分を、例えば白金(Pt)等の金属で形成すると、このダム部分が接合状態になってしまい、ダム効果を十分に得ようとすると、ダムの高さを一定以上に高くする必要がある。即ち、金属材料でダム部分を形成すると、これを越えて流れ広がる溶融金属を防ぎきることができなくなり、光学デバイスに適用する際に要求される膜厚を一定に保つことが困難となる。本実施の形態2では、所謂ダムとして機能する、高さの低い、非金属膜である樹脂膜15を形成することで、光学デバイスに適用する際に要求される一定範囲にAu-Sn膜14の膜厚を維持することが可能となる。また、Au-Sn膜14の形成範囲も、樹脂膜15の開口パターンにならって、極めてシャープなものとすることができ、光学部材を搭載するベンチとしての性能を更に向上させることが可能となる。
本発明の活用例としては、光学素子を搭載する光学ベンチ、光学ベンチに光学素子が搭載された光学モジュール、およびこれらの製造への活用が考えられる。
(a),(b)は、本実施の形態が適用される光学ベンチの構成を示した図である。 光学ベンチに配線が形成された断面構造を示した図である。 (a),(b)は、配線上に形成されるAu-Sn膜を説明するための図である。 (a),(b)は、本実施の形態2が適用される光学ベンチの構成を示した図である。 (a)〜(c)は、樹脂膜によって形成される開口に金錫(Au-Sn)ペーストを印刷した後、リフロー工程を経て形成されるAu-Sn膜を説明するための図である。 実施の形態2による光学ベンチの製造方法を説明するための図である。 (a),(b)は、本実施の形態が適用される光学モジュールの一例を示した図である。
符号の説明
10…光学ベンチ(シリコンオプティカルベンチ)、11…Si基板、12…溝、13…配線、14…金錫膜(Au-Sn膜)、15…樹脂膜、21…ニッケル/クロム膜(Ni/Cr膜)、22…ニッケルリン膜(Ni-P膜)、23…金膜(Au膜)、50…光学モジュール、51…レンズ、52…レーザダイオード

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成される配線と、
    前記基板上の前記配線に接続されて形成され、光学素子を接合するための導電性材料層とを備え、
    前記導電性材料層は、金錫(Au-Sn)の合金粒子を含むペーストを用いた印刷により形成されることを特徴とする光学ベンチ。
  2. 前記導電性材料層は、前記合金粒子のサイズが平均粒径にして3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光学ベンチ。
  3. 前記導電性材料層の周りに形成され、当該導電性材料層の溶融領域を規定する非金属膜を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の光学ベンチ。
  4. 基板と、
    前記基板上に形成される配線と、
    前記基板上の前記配線に接続されて形成され、光学素子を接合するための導電性材料層と、
    前記導電性材料層を囲む領域を形成する非金属膜と
    を含む光学ベンチ。
  5. 前記非金属膜は、前記導電性材料層よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項4記載の光学ベンチ。
  6. 基板上に配線が形成されると共に、当該配線上に導電性材料層を有する光学ベンチと、
    前記光学ベンチにおける前記導電性材料層を介して接合される光学素子とを含み、
    前記光学ベンチに設けられる前記導電性材料層は、金錫(Au-Sn)の合金粒子を含むペーストを用いた印刷により形成されることを特徴とする光学モジュール。
  7. 前記光学ベンチは、前記導電性材料層の溶融領域を規定する非金属膜を有することを特徴とする請求項6記載の光学モジュール。
  8. 前記光学ベンチに設けられる前記導電性材料層は、前記合金粒子のサイズが平均粒径にして3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項6記載の光学モジュール。
  9. 前記光学素子は、レーザダイオードであることを特徴とする請求項6記載の光学モジュール。
  10. 光学素子が接合される光学ベンチの製造方法であって、
    基板上に配線を形成する配線工程と、
    前記配線工程により配線が形成された基板上に、金錫(Au-Sn)の合金粒子を含むペーストを印刷する印刷工程と、
    前記印刷工程により印刷された前記ペーストを加熱溶融してAu-Sn膜を形成する加熱溶融工程と、を含み、
    前記印刷工程により前記ペーストが印刷される領域は、前記光学素子を接合するために定められる接合領域よりも小さく、前記加熱溶融工程により当該ペーストが濡れ広がることにより、金錫(Au-Sn)の合金粒子が当該接合領域まで及ぶことを特徴とする光学ベンチの製造方法。
  11. 前記ペーストが前記加熱溶融工程により濡れ広がる範囲を規定する部材を前記基板上に形成するエリア部材形成工程を更に含むことを特徴とする請求項10記載の光学ベンチの製造方法。
  12. 前記エリア部材形成工程は、前記印刷工程の前に、前記接合領域が開口される樹脂膜を印刷することを特徴とする請求項11記載の光学ベンチの製造方法。
  13. 前記エリア部材形成工程は、前記ペーストが前記加熱溶融工程により濡れ広がった後の前記Au-Sn膜の厚さよりも薄い厚さで形成されることを特徴とする請求項11記載の光学ベンチの製造方法。
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