JP2005121190A - パワートレーンのオイル供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オイル必要部に供給されるオイル量が低下することを抑制することのできるパワートレーンのオイル供給装置を提供する。
【解決手段】 車両の駆動力要求を含む所定条件に基づいて、駆動力源から車輪に至るパワートレーンの運転状態を制御するとともに、パワートレーンの動作により輸送されるオイルが、オイル必要部に供給される構成となっているパワートレーンのオイル供給装置において、オイル必要部に供給されるオイル量を判断するオイル量判断手段(ステップS2)と、所定条件およびオイル必要部に供給されるオイル量に基づいて、パワートレーンの運転状態を制御することにより、オイル必要部に供給されるオイル量を調整するパワートレーン制御手段(ステップS2,S3,S4,S5,S6)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、オイル必要部にオイルを供給するパワートレーンのオイル供給装置に関するものである。
従来から、車両に搭載されるパワートレーンでは、各種の回転要素がケーシングの内部に設けられており、ケーシングの内部の潤滑油がケーシングの外部に漏れたり、ケーシングの外部の異物がケーシングの内部に侵入したりすることを防止するために、密封装置が設けられている。この密封装置としては、回転要素に接触してシール面を形成する密封装置が知られている。このような接触式の密封装置においては、シール面で回転要素と密封装置とが摺動するため、シール面に潤滑油を供給する必要がある。
このような密封装置用の潤滑装置を有する内燃機関の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された内燃機関においては、シリンダブロックの軸孔に設けた軸受メタルにより、クランク軸が支持されている。またシリンダブロックの外側にオイルシールが設けられている。このオイルシールは、オイルシールケース、スリンガ、ダストシール、リップ、支持板を有する。そして、オイルシールケースがシリンダブロックに固定され、ダストシールおよびリップが支持板に固定され、この支持板がオイルシールケースに固定されている。なお、スリンガはクランク軸に圧入され、ダストシールおよびリップがスリンガに接触する構成となっている。さらに、シリンダブロックと、オイルシールケースとの間にパッキンが介在されて、パッキンの突出部分により、オイル溜まりが形成される。そして、クランク軸の回転により遠心力で跳ね飛ばされる潤滑油が、オイル溜まりに溜まる。このように、特許文献1では、パッキンにより堰を構成して、シール機能と注油機能とをパッキンに持たせることができるので、オイルシールの焼き付きを阻止できるとされている。
特開平9−195742号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている内燃機関のオイルシール潤滑装置では、内燃機関の運転状態によっては、オイル溜まりに供給される潤滑油量が低下して、オイルシールを潤滑する機能が低下する可能性があった。
この発明は上記課題を解決するためのもので、オイル必要部に供給されるオイル量が低下することを抑制することのできるパワートレーンのオイル供給装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両の駆動力要求を含む所定条件に基づいて、駆動力源から車輪に至るパワートレーンの運転状態を制御するとともに、前記パワートレーンの動作により輸送されるオイルが、オイル必要部に供給される構成となっているパワートレーンのオイル供給装置において、前記オイル必要部に供給されるオイル量を判断するオイル量判断手段と、前記所定条件および前記オイル必要部に供給されるオイル量に基づいて、前記パワートレーンの運転状態を制御することにより、前記オイル必要部に供給されるオイル量を調整するパワートレーン制御手段とを備えていることを特徴とするものである。ここで、オイル必要部には、オイルにより冷却または潤滑される部位と、オイルにより冷却または潤滑される部位に、オイルを導く油路とが含まれる。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記オイル必要部に供給されるオイル量が所定量以下となる場合は、前記オイル必要部に供給されるオイル量が増加するように、前記パワートレーンの運転状態を制御する機能を、前記パワートレーン制御手段が有していることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記パワートレーンは、前記駆動力源の動力をモータ・ジェネレータおよび前記車輪に分配する動力分配装置を有しており、前記動力分配装置は差動回転可能な3つの回転要素を有し、第1の回転要素が前記駆動力源に連結され、第2の回転要素が前記モータ・ジェネレータに連結され、第3の回転要素が前記車輪に連結されているとともに、前記モータ・ジェネレータは、前記駆動力源から前記動力分配装置に伝達されるトルクに応じた反力トルクを生成する機能を有し、前記モータ・ジェネレータの動力が、前記オイルを輸送する回転部材を経由して、前記第2の回転要素に伝達されるように構成され、前記パワートレーンの運転状態を制御する機能には、前記モータ・ジェネレータの出力を制御して、前記駆動力源と、前記第3の回転要素との間における変速比を制御することにより、前記オイル必要部に供給されるオイル量を調整する機能が含まれることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3の構成に加えて、前記パワートレーンの運転状態を制御する機能には、前記駆動力源と、前記第3の回転要素との間における変速比を制御して、前記オイル必要部に供給されるオイル量を調整する場合に、前記車両の駆動力の変化を抑制するように、前記モータ・ジェネレータの出力および前記駆動力源の出力を制御する機能が含まれることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3または4の構成に加えて、前記オイル必要部には、前記駆動力源から前記動力分配装置に至る経路に配置された動力伝達部材に接触して、シール面を形成する密封装置が含まれることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5の構成に加えて、前記モータ・ジェネレータが配置され、かつ、隔壁により仕切られたモータ・ジェネレータ収納室と、前記隔壁に形成され、かつ、前記動力伝達部材が配置される軸孔とを有しており、前記密封装置が前記隔壁に取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、車両の駆動力要求を含む所定条件およびオイル必要部に供給されるオイル量の判断結果に基づいて、パワートレーンの運転状態を制御することが可能である。したがって、オイル必要部に供給されるオイル量の低下を抑制できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、オイル必要部に供給されるオイル量が所定量以下となる場合は、オイル必要部に供給されるオイル量を増加することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、モータ・ジェネレータの出力を制御することにより、駆動力源の反力トルクを生成して、第1の回転要素と第3の回転要素との間の変速比を制御する場合に、オイルがオイル必要部に供給される。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、オイル必要部に供給されるオイル量を調整する場合に、車両の駆動力が変化することを抑制するように、モータ・ジェネレータの出力および駆動力源の出力を制御することが可能である。
請求項5の発明によれば、請求項3または4の発明と同様の効果を得られる他に、動力伝達部材と密封装置とが接触してシール面が形成される。そして、駆動力源の回転数が高くなり、シール面の摺動抵抗が高まった場合にも、シール面に供給されるオイル量の減少を抑制できる。
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得られる他に、回転部材の回転によりオイルがモータ・ジェネレータ収納室に供給され、そのオイルがモータ・ジェネレータ収納室から漏れることが、密封装置により抑制される。そして、シール面がオイルにより潤滑されるため、密封装置の耐久性の低下を抑制できる。
つぎに、この発明の具体例を図面に基づいて説明する。図2は、この発明のオイル供給装置を有する車両のパワートレーンを示すスケルトン図である。図2に示された車両は、FF(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車Veである。図2において、1はエンジンであり、このエンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはメタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。
この実施例においては、便宜上、エンジン1としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン1は、燃料の燃焼によりクランクシャフト2から動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置などを備えた公知のものである。クランクシャフト2は車両の幅方向に、かつ、水平に配置され、クランクシャフト2の後端部にはフライホイール3が形成されている。
このエンジン1の外壁には、中空のトランスアクスルケース4が取り付けられている。トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト5、第1のモータ・ジェネレータ6、動力分配装置7、変速機構8、第2のモータ・ジェネレータ9が設けられている。インプットシャフト5はクランクシャフト2と同軸上に配置されている。インプットシャフト5におけるクランクシャフト2側の端部には、クラッチハブ10がスプライン嵌合されている。
そして、フライホイール3とインプットシャフト5との間の動力伝達経路にはトルクリミッタ11が設けられている。また、フライホイール3とインプットシャフト5との間におけるトルク変動を抑制・吸収するダンパ機構12が設けられている。前記第1のモータ・ジェネレータ6は、インプットシャフト5の外側に配置され、第2のモータ・ジェネレータ9は、第1のモータ・ジェネレータ6よりもエンジン1から遠い位置に配置されている。
すなわち、エンジン1と第2のモータ・ジェネレータ9との間に第1のモータ・ジェネレータ6が配置されている。第1のモータ・ジェネレータ6および第2のモータ・ジェネレータ9は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼備している。第1のモータ・ジェネレータ6および第2のモータ・ジェネレータ9は、共に正回転と逆回転とを切り換え可能である。さらに、第1のモータ・ジェネレータ6および第2のモータ・ジェネレータ9に電力を供給する電力供給装置(図示せず)が設けられている。電力供給装置としては、バッテリ、キャパシタなどの蓄電装置、あるいは公知の燃料電池などを用いることができる。
前記トランスアクスルケース4の内部には、トランスアクスルケース4に連続する隔壁50,51が形成されている。隔壁50,51はインプットシャフト5の軸線方向で異なる位置に配置されている。具体的には、軸線方向において、エンジン1と隔壁51との間に、隔壁50が配置されている。この隔壁50,51により仕切られたモータ・ジェネレータ収納室52が形成されており、モータ・ジェネレータ収納室52内に、第1のモータ・ジェネレータ6が配置されている。また、前記隔壁50により、モータ・ジェネレータ収納室52と他の収納室55とが仕切られている。この収納室55には、前記クラッチハブ10、ダンパ機構12、トルクリミッタ11などが配置されている。
第1のモータ・ジェネレータ6は、トランスアクスルケース4側に固定されたステータ13と、回転自在なロータ14とを有している。ステータ13は、鉄心15と、鉄心15に巻かれたコイル16とを有している。一方、インプットシャフト5の外周には、中空シャフト17が取り付けられている。そして、インプットシャフト5と中空シャフト17とが相対回転可能に構成されているとともに、ロータ14と中空シャフト17とが一体回転するように連結されている。さらに、隔壁50の内周には軸受53が取り付けられ、隔壁51の内周には軸受54が取り付けられている。そして、軸受53,54により中空シャフト17が回転可能に保持されている。
前記軸受53付近の構成を図3の断面図に基づいて説明する。前記インプットシャフト5には軸線A1方向に油路56が形成されており、油路56から分岐した油路57はインプットシャフト5の外周面に開口されている。また、中空シャフト17の内部にはニードル軸受58が設けられており、ニードル軸受58によりインプットシャフト5が支持されている。前記軸受53は、内輪59および外輪60を有しており、内輪59が中空シャフト17の外周に嵌合固定され、外輪60が隔壁50の筒部61に嵌合固定されている。
一方、インプットシャフト5の軸線方向において、インプットシャフト5の開口部62と、収納室55との間に相当する位置に、隔壁55の側面63が形成されている。この側面63は軸線A1と直交し、かつ、軸線A1を中心として環状に形成されている。この側面63は軸受53と対面する位置および向きに配置されている。そして、軸線A1を中心とする半径方向において、側面63は開口部62よりも外周側に配置されている。また、隔壁50には軸孔64が形成され、この軸孔64にインプットシャフト5の一部が配置されている。そして、隔壁50であって軸孔64を形成する内周面に、オイルシール65が取り付けられている。オイルシール65はシールリップ66を有しており、シールリップ66とインプットシャフト5の外周面とが接触して、シール面B1を形成している。オイルシール65は、ゴム状弾性体、言い換えればエラストマーなどの材料により構成されている。
一方、図2に示すように、インプットシャフト5の軸線方向において、動力分配装置7は、第1のモータ・ジェネレータ6と第2のモータ・ジェネレータ9との間に設けられている。この動力分配装置7は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構7Aを有している。すなわち、遊星歯車機構7Aは、サンギヤ18と、サンギヤ18と同心状に配置されたリングギヤ19と、サンギヤ18およびリングギヤ19に噛合するピニオンギヤ20を保持したキャリヤ21とを有している。
このように構成された動力分配装置7の3つの回転要素、つまり、サンギヤ18、リングギヤ19、キャリヤ21は、相互に差動回転可能である。そして、サンギヤ18と中空シャフト17とが一体回転するように連結され、キャリヤ21とインプットシャフト5とが一体回転するように連結されている。なお、リングギヤ19は、インプットシャフト5と同軸上に配置された環状部材(言い換えれば円筒部材)22の内周側に形成されており、この環状部材22の外周側にはカウンタドライブギヤ23が形成されている。
一方、インプットシャフト5の外周には、中空シャフト24が回転可能に取り付けられており、この中空シャフト24の外周側に前記第2のモータ・ジェネレータ9が配置されている。第2のモータ・ジェネレータ9は、トランスアクスルケース4に固定されたステータ25と、回転自在なロータ26とを有している。ステータ25は、鉄心27と、鉄心27に巻かれたコイル28とを有している。また、ロータ26と中空シャフト24とが一体回転可能に連結されている。このように、第1のモータ・ジェネレータ6と動力分配装置7と、第2のモータ・ジェネレータ9とが同心状に配置されている。
前記変速機構8は、インプットシャフト5の軸線方向において、動力分配装置7と第2のモータ・ジェネレータ9との間に配置されており、この変速機構8は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構8Aを有している。すなわち、遊星歯車機構8Aは、サンギヤ29と、サンギヤ29と同心状に配置され、かつ、環状部材22の内周に形成されたリングギヤ30と、サンギヤ29およびリングギヤ30に噛合するピニオンギヤ31を保持したキャリヤ32とを有している。このキャリヤ32はトランスアクスルケース4側に固定されている。また環状部材22を回転可能に保持する軸受33が設けられている。さらに、インプットシャフト5であって、エンジン1とは反対側の端部にはオイルポンプ67が設けられている。オイルポンプ67は、インプットシャフト5および中空シャフト24と動力伝達可能に連結されている。オイルポンプ67の吐出口は油路56に連通されている。そして、オイルポンプ67は、インプットシャフト5または中空シャフト24のうち、いずれか一方、具体的には回転数が高い方の回転要素により駆動される構成となっている。
一方、前記トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト5と平行なカウンタシャフト34が設けられている。カウンタシャフト34には、カウンタドリブンギヤ35およびファイナルドライブピニオンギヤ36が形成されている。そして、カウンタドライブギヤ23とカウンタドリブンギヤ35とが噛合されている。さらに、トランスアクスルケース4の内部にはデファレンシャル37が設けられており、デファレンシャル37は、デフケース38の外周側に形成されたファイナルリングギヤ39と、デフケース38に対してピニオンシャフト40を介して取り付けられた連結された複数のピニオンギヤ41と、複数のピニオンギヤ41に噛合されたサイドギヤ42と、サイドギヤ42に連結された2本のフロントドライブシャフト43とを有している。各フロントドライブシャフト43には前輪(車輪)44が連結されている。このように、トランスアクスルケース4の内部に、変速機構8およびデファレンシャル37を一括して組み込んだ、いわゆるトランスアクスルを構成している。
さらに、図4に示すように、車両全体を制御する電子制御装置100が設けられており、この電子制御装置100は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。この電子制御装置100に対して、イグニッションスイッチ101の信号、エンジン回転数センサ102の信号、ブレーキスイッチ103の信号、車速センサ104の信号、アクセル開度センサ105の信号、シフトポジションセンサ106の信号、第1のモータ・ジェネレータ6および第2のモータ・ジェネレータ9の回転数を検出するレゾルバ107の信号、蓄電装置の充電量を検知する充電量センサ108の信号などが入力される。シフトポジションセンサ106により検知されるシフトポジションとしては、パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジションなどがある。これに対して、電子制御装置100から、エンジン1の出力を制御する信号、第1のモータ・ジェネレータ6および第2のモータ・ジェネレータ9の出力を制御する信号などが出力される。
上記のように構成されたハイブリッド車Veにおいては、電子制御装置100に入力される信号、および電子制御装置100に記憶されているデータに基づいて、エンジン1の出力、第1のモータ・ジェネレータ6および第2のモータ・ジェネレータ9の出力が制御される。例えば、エンジン始動条件が成立した場合は、第1のモータ・ジェネレータ6が電動機として起動され、第1のモータ・ジェネレータ6のトルクによりエンジン1がクランキングされるとともに、燃料の供給および燃焼が実行されて、エンジン回転数が自律回転可能な回転数となった時点で、第1のモータ・ジェネレータ6によるクランキングが終了する。
また、車速、アクセル開度から判断されるハイブリッド車Veの駆動力要求、シフトポジションなどの条件に基づいて、エンジン走行モード、ハイブリッドモード、電気自動車モードなどの各種のモードを選択的に切り換えることが可能であるとともに、エンジン1で負担するべきトルク、第2のモータ・ジェネレータ9で負担するべきトルクなどが判断される。
前記駆動力要求が所定値以上あり、かつ、エンジン走行モードが選択された場合は、エンジン1が運転状態に制御されるとともに、エンジン1から出力されたトルクは、インプットシャフト5を経由して動力分配装置7のキャリヤ21に伝達される。ここで、第1のモータ・ジェネレータ6が反力要素として機能するように制御されて、エンジントルクがリングギヤ19に伝達される。
具体的には、第1のモータ・ジェネレータ6は発電機として起動されて回生トルクを生成し、エンジントルクに応じた反力トルクが確保される。そして、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を制御すると、動力分配装置7を構成する回転要素の差動作用により、キャリヤ21およびエンジン回転数と、リングギヤ19の回転数との比、すなわち変速比を、無段階に制御することが可能である。すなわち、動力分配装置7は、無段変速機としての機能を有している。
一方、電子制御装置100には、図5に示すようなエンジン制御マップが記憶されている。このエンジン制御マップには最適燃費線F1が設定されており、この最適燃費線F1は、エンジン回転数およびエンジントルクをパラメータとして、エンジン1の燃料消費率が良い高トルク域を定めたものである。そして、前述した駆動力要求に応じてエンジン1で負担するべきトルクを算出し、その算出結果に基づき、エンジン回転数を制御する場合において、第1のモータ・ジェネレータ6の出力を制御して、動力分配装置7を無段変速機として機能させることにより、エンジン1の運転状態を、最適燃費線F1に沿った運転状態に近づける制御が実行される。
このようにして、リングギヤ19に伝達されたエンジントルクは、カウンタドライブギヤ23、カウンタドリブンギヤ35、カウンタシャフト34、ファイナルドライブピニオンギヤ36、デファレンシャル37を介して前輪44に伝達されて、駆動力が発生する。以上のように、動力分配装置7は、エンジン1から出力された動力を機械的に第1のモータ・ジェネレータ6および車輪44に分配する機能を有しており、その意味で、ハイブリッド車Veは機械分配式のハイブリッド車であるといえる。なお、エンジン走行モードが選択された場合は、第2のモータ・ジェネレータ9からは動力が出力されない。
これに対して、ハイブリッドモードが選択された場合は、エンジン1が運転され、かつ、第2のモータ・ジェネレータ9が電動機として起動する。第2のモータ・ジェネレータ9の動力が、中空シャフト24を介して変速機構8のサンギヤ29に伝達されると、キャリヤ32が反力要素として作用するとともに、サンギヤ29の回転速度が減速され、かつ、サンギヤ29の回転方向とは逆方向にリングギヤ30を回転させる方向に動力が伝達される。つまり、ハイブリッドモードが選択された場合は、エンジン1の動力および第2のモータ・ジェネレータ9の動力が、動力分配装置7で合成されて、車輪44に伝達される。
さらに、電気自動車モードが選択された場合は、第2のモータ・ジェネレータ9の動力が、前述と同様にして車輪44に伝達される一方、エンジン1における燃料の供給が停止される。なお、駆動力要求が所定値以下となり、ハイブリッド車Veが惰力走行する場合は、ハイブリッド車Veの運動エネルギに対応する動力が、車輪44から第1のモータ・ジェネレータ6および第2のモータ・ジェネレータ9に伝達されるとともに、第1のモータ・ジェネレータ6または第2のモータ・ジェネレータ9の少なくとも一方を発電機として起動させて、発生した電力を蓄電装置に充電することが可能である。
さらにまた、エンジンモードまたはハイブリッドモードが選択され、かつ、蓄電装置の充電量が不足している場合は、エンジン出力を増加することにより、第1のモータ・ジェネレータ6の発電量を増加して、蓄電装置の充電量を増加する制御を実行することも可能である。
上記のようなパワートレーンの制御を実行する場合において、動力分配装置7の回転要素の運転状態、言い換えれば、動作点の一例を、図6の共線図に基づいて説明する。図6においては、縦軸に各回転要素の回転方向および回転数が示され、横軸に各回転要素が示されている。具体的には、サンギヤ18および第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が「S」で示され、キャリヤ21およびエンジン回転数が「C」で示され、リングギヤ19の回転数が「R」で示されている。この図6の共線図は、ドライブポジションが選択されて、ハイブリッド車Veが前進走行する場合の一例であり、リングギヤ19の回転方向が正回転となっている。また、エンジン1の回転方向は正回転に限定され、第1のモータ・ジェネレータ6の回転方向は、エンジン回転数に応じて、正回転と逆回転とで切り換え可能である。
図6においては、第1のモータ・ジェネレータ6が正回転する場合の一例が、線分C1で示され、第1のモータ・ジェネレータ6が逆回転する場合の一例が、線分C2で示されている。また、線分C1,C2共に、リングギヤ19の回転数が同一である場合に相当する。
つぎに、モータ・ジェネレータ収納室52に対する潤滑油の供給機能を説明する。前記オイルポンプ67が駆動されると、オイルポンプ67から吐出されたオイルが、油路56および油路57を経由して、インプットシャフト5と中空シャフト17との間に供給される。インプットシャフト5と中空シャフト17との間のオイル、言い換えれば、潤滑油は、開口部62を経由して中空シャフト17の外部に排出されるとともに、中空シャフト17の回転にともなう遠心力で、潤滑油が外側に飛ばされる。この潤滑油により軸受53が潤滑されるとともに、この潤滑油により第1のモータ・ジェネレータ6が冷却される。ここで、オイルシール65が設けられているため、モータ・ジェネレータ収納室52に供給された潤滑油が、収納室55に漏れることを抑制できる。なお、収納室55内の異物が、モータ・ジェネレータ収納室52に侵入することを防止する機能をも、オイルシール65は有している。
一方、インプットシャフト5が回転すると、インプットシャフト5とシールリップ66とが摺動する。このインプットシャフト5とシールリップ66との摺動部分、具体的にはシール面B1に、以下のようにして潤滑油が供給される。すなわち、中空シャフト17の回転にともなう遠心力で飛ばされた潤滑油の一部が、隔壁50の側面63に付着するとともに、潤滑油の自重でオイルシール65側に移動し、その潤滑油がシール面B1に供給される。その結果、オイルシール65の焼き付き摩耗などが抑制され、オイルシール65の耐久性が向上する。このように、中空シャフト17の回転にともなう遠心力により飛ばされる潤滑油の一部がシール面B1に供給されるため、シール面B1に供給される潤滑油量は、中空シャフト17の回転数、言い換えれば、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数により変化する。したがって、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が所定回転数以下である場合は、シール面B1に供給されるオイル量が所定値以下となり、シール面B1で潤滑不足が発生する可能性がある。
そこで、この実施例においては、動力分配装置7の動作点を算出するためのパラメータとして、前述した最適燃費線の他に、シール面B1における潤滑油量を加える制御を実行することで、シール面B1における潤滑不足を抑制することが可能である。以下、動力分配装置7の動作点を算出する場合に、潤滑油量をパラメータとして用いる場合の制御例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
前述したエンジンモードまたはハイブリッドモードが選択されている場合において、図5のマップに基づいて、第1の動作点を算出する(ステップS1)。このステップS1においては、具体的には、エンジン1の動作点である出力、すなわち、トルクおよび回転数と、第1のモータ・ジェネレータ6の動作点である出力、すなわち、トルク(反力トルク)および回転数とが算出される。このステップS1についで、前記第1の動作点を選択した場合に、シール面B1に所定量Q1以上の潤滑油が供給されるか否かが判断される(ステップS2)。
このステップS2の処理には、例えば、図7に示すマップが用いられる。図7に示すマップは、シール面B1に供給される潤滑油量と、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数との関係の一例を示すマップである。図7においては、第1のモータ・ジェネレータ6が正回転し、かつ、所定回転数Nxを越えている場合、または、第1のモータ・ジェネレータ6が逆回転し、かつ、所定回転数nxを越えている場合は、潤滑油量が所定量Q1以上となることが示されている。
このため、第1のモータ・ジェネレータ6が正回転し、かつ、所定回転数Nx以下である場合、または、第1のモータ・ジェネレータ6が逆回転し、かつ、所定回転数nx以下である場合は、ステップS2で否定的に判断される。これに対して、第1のモータ・ジェネレータ6が正回転し、かつ、所定回転数Nxを越えている場合、または、第1のモータ・ジェネレータ6が逆回転し、かつ、所定回転数nxを越えている場合は、ステップS2で肯定的に判断される。
そして、ステップS2で否定的に判断された場合は、「ステップS2で否定的に判断された回数」をカウントアップされる(ステップS3)。ついで、このステップS3でカウントアップされた回数が、所定回数Nを越えたか否かが判断される(ステップS4)。このステップS4で肯定的に判断された場合は、前記第1の動作点から、第2の動作点に変更する処理をおこない(ステップS5)、図1に示すルーチンを終了する。
このステップS5においては、まず、シール面B1に供給される潤滑油量が所定値Q1以上となるように、第2の動作点が設定される。第1のモータ・ジェネレータ6が正回転している場合は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数として、所定回転数Nxを越える値を選択する。例えば、図6の共線図に示すように、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を線分C1に相当する回転数から、線分C3に相当する回転数に高める。一方、第1のモータ・ジェネレータ6が逆回転している場合は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数として、所定回転数nxを越える値を選択する。例えば、図6の共線図に示すように、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を線分C2に相当する回転数から、線分C4に相当する回転数に高める。
このように、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を制御すると、エンジン回転数も線分C3またはC4に相当する回転数に変化する。ここで、エンジン回転数が、線分C1に相当する回転数から、線分C3に相当する回転数に変化する場合に、車両の駆動力が変化することを抑制する制御を、ステップS5で実行する。例えば、動力分配装置7の動作点が、線分C1から線分C3に切り換えられて、エンジン回転数が上昇する場合は、エンジントルクを低下させる制御を実行する。これに対して、動力分配装置7の動作点が、線分C2から線分C4に切り換えられて、エンジン回転数が低下する場合は、エンジントルクを上昇させる制御を実行する。さらに、このようなエンジントルクの変化にともない、第1のモータ・ジェネレータ6で負担するべき反力トルクの目標値が変化するため、第1のモータ・ジェネレータ6の実際の反力トルクを、この目標値に近づける制御も、ステップS5で実行される。
なお、ステップS4で否定的に判断された場合は、図1の制御ルーチンを終了する。さらに、ステップS2で肯定的に判断された場合は、ステップS3でカウントアップされた回数をリセットし(ステップS6)、図1の制御ルーチンを終了する。
つぎに、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ6の動作点の算出パラメータに、潤滑油量を含める場合の他の制御例を、図8に基づいて説明する。まず、前述と同様にして、図5のマップに基づき第1の動作点を算出する(ステップS10)とともに、エンジン回転数Neが「零」になるか否かが判断される(ステップS11)。このステップS11で否定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転方向が正回転であるか否かが判断される(ステップS12)。このステップS12で肯定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が、所定回転数Nx以下であるか否かが判断される(ステップS13)。このステップS13の処理の意味は、図5のマップを参照して述べた図1のステップS2の処理の意味と同じである。
ステップS13で肯定的に判断された場合は、「第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が、所定回転数Nx以下である」と判断された回数が、カウントアップされる(ステップS14)。ついで、「ステップS14でカウントアップされた回数が所定回数Nを越えているか否か」が判断される(ステップS15)。このステップS15で肯定的に判断された場合は、シール面B1における潤滑油量を増加するために、第1の動作点から第3の動作点に変更する処理をおこなう(ステップS16)。このステップS16においては、例えば、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数Ngを次式(1)により算出する。
Ng=Ng+ΔN/t1 ・・・(1)
上記式(1)において、左項のNgは、シール面B1における潤滑油量が、所定量Q1以上となる第1のモータ・ジェネレータ6の目標回転数であり、右項のNgは、第1のモータ・ジェネレータ6の現在の回転数であり、ΔNは、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数の目標増加量であり、t1は所定時間を示す。上記式(1)は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を、現在の回転数から、目標回転数に急激に上昇させるのではなく、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を、ステップS15で肯定的に判断された時点から、所定時間t1に亘って徐々に上昇させることを意味する。
ついで、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数の上昇を開始する時点から、上記所定時間t1のカウントアップを開始し(ステップS17)、カウントアップされる時間が、所定時間t1以上になったか否かが判断される(ステップS18)。ステップS18で肯定的に判断された場合は、それ以後、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が、ステップS16で算出された目標回転数に維持される。また、ステップS18で肯定的に判断された場合は、その時点から、所定時間t2のカウントアップが開始される(ステップS19)。
この所定時間t2は、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ6の動作点を、第1の動作点に戻すことを想定したものである。すなわち、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が、ステップS16で算出された目標回転数に制御されてから、「所定時間」を経過すれば、その後に、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を、第1の動作点に対応する回転数に戻した場合でも、シール面B1における所期の潤滑性能を維持できる、という実験的なデータに基づいて、前記「所定時間」として所定時間t2を設定している。
ステップS19についで、カウントアップされる時間が、所定時間t2以上になったか否かが判断される(ステップS20)。このステップS20で肯定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を、現在の第1の動作点に対応する回転数まで低下させる場合に、その目標回転数が次式(2)により算出される(ステップS21)。
Ng=Ng−ΔN/t3 ・・・(2)
上記式(2)において、左項のNgは、第1の動作点に対応する第1のモータ・ジェネレータ6の目標回転数であり、右項のNgは、第1のモータ・ジェネレータ6の現在の回転数であり、ΔNは、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数の目標減少量であり、t3は所定時間を示す。上記式(2)は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を、現在の回転数から、目標回転数に急激に低下させるのではなく、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数を所定時間t3に亘って徐々に低下させることを意味する。そして、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数の低下を開始する時点から、所定時間t3のカウントアップを開始するとともに(ステップS22)、カウントアップされる時間が所定時間t3以上になったか否かが判断される(ステップS23)。ステップS23で肯定的に判断された場合は、各ステップでカウントアップされた時間がリセットされ(ステップS24)、図8に示すルーチンを終了する。
なお、ステップS23で否定的に判断された場合、または、ステップS20で否定的に判断された場合、または、ステップS18で否定的に判断された場合、または、ステップS15で否定的に判断された場合は、図8に示すルーチンを終了する。さらに、前記ステップS13で否定的に判断された場合は、シール面B1における潤滑油量が充分であるため、各処理で実行された時間のカウンタをリセットし(ステップS25)、図8に示すルーチンを終了する。
一方、ステップS12で否定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が、所定回転数nx以下であるか否かが判断される(ステップS26)。このステップS26の処理の意味は、図5のマップを参照して述べた図1のステップS2の処理の意味と同じである。このステップS26で肯定的に判断された場合は、ステップS14に進む。すなわち、ステップS13で肯定的に判断された場合と、ステップS26で肯定的に判断された場合とを比較すると、第1のモータ・ジェネレータ6の回転方向が逆であるという点が異なるだけで、ステップS14ないしステップS24で実行される処理は同じである。なお、ステップS26で否定的に判断された場合は、ステップS25に進む。さらに、ステップS11で肯定的に判断されるということは、電気自動車モードが選択されて、エンジン1が停止することを意味するため、ステップS25に進む。
ところで、ステップS11とステップS12との間に、前述した制御とは異なる制御を割り込ませる(ステップS27)ことも可能である。この割り込み制御は、ドライバーの操作による駆動力要求の変化を、上記の制御に反映させるためにおこなわれる。このステップS27においては、例えば、車速およびアクセル開度の変化程度、具体的には、変化量、変化割合、変化率、変化速度などが所定値以下である場合は、前述した第1の動作点における第1のモータ・ジェネレータ6の回転方向が、ステップS11以前の回転方向と同じに制御される。
これに対して、ステップS27において、駆動力要求の変化程度が所定値以上である場合は、第1のモータ・ジェネレータの回転方向が、ステップS11以前の回転方向とは、逆の回転方向に切り換えられる。なお、図1および図8の制御例では、第1の動作点を最適燃費線に基づいて算出する例を説明しているが、第1の動作点を、最適燃費線および蓄電装置の充電量に基づいて算出することも可能である。例えば、蓄電装置の充電量が不足している場合は、蓄電装置に充電される電力が増加するように、エンジン出力を増加する制御が実行される。
なお、図8の制御ルーチンを実行する場合、ステップS16およびステップS21で算出される第1のモータ・ジェネレータ6の目標回転数となるように、第1のモータ・ジェネレータ6の実回転数を制御した場合、エンジン回転数が変化して、車両の駆動力が変化する可能性がある。このため、第1のモータ・ジェネレータ6の回転数が変化し、かつ、エンジン回転数が変化しても車両の駆動力が同一となるように、エンジントルクの目標値が、ステップS16、ステップS21で算出されることは、図1の制御例の場合と同じである。また、このように、エンジントルクが制御された場合、第1のモータ・ジェネレータ6で負担するべき反力トルクの目標値が変化するため、第1のモータ・ジェネレータ6の実際の反力トルクを、目標値に近づける制御をステップS16およびステップS21で実行することも、図1の制御例と同じである。
このように、図1または図8の制御を実行すれば、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ6の動作点を算出するプログラム中に、シール面B1に供給される潤滑油量に基づく動作点の算出プログラムを加えることにより、オイルシール65の潤滑性能を向上することが可能である。したがって、オイルシール65自体をコストアップすることなく、オイルシール65のシール性能を確保することが可能である。
なお、図1および図8の制御例においては、「潤滑油量が所定値以下になる」と判断された回数をカウントアップし、そのカウントアップされた回数に基づいて、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ6の出力を制御しているが、ステップS3またはステップS14で「潤滑油量が所定値以下になる」と判断された時点からの経過時間または走行距離をカウントアップし、ステップS4またはステップS15で、経過時間または走行距離が所定値以上であるか否かを判断し、その判断結果に基づいて、第1のモータ・ジェネレータ6の動作点を制御するルーチンを採用することも可能である。このようなルーチンを採用する場合、ステップS18,S19,S20,S22,S23で、カウントアップされた回数に代えて、「カウントアップされてからの経過時間」または「カウントアップされてからの走行距離」が用いられることは勿論である。また、動力分配装置7としてダブルピニオン形式の遊星歯車機構が用いられている車両においても、図1および図8に示す制御例を実行可能である。さらに、図1および図8の制御例においては、制御のパラメータとして「回転数」を挙げているが、回転数に代えて、回転数と等価のパラメータである「回転速度」を用いることも可能である。
ここで、前述した図1に示す機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS1の処理が、この発明のオイル量判断手段に相当し、ステップS3ないしステップS6の処理が、この発明のパワートレーン制御手段に相当する。また、図8に示す機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS13およびステップS26の処理が、この発明のオイル量判断手段に相当し、ステップS14ないしステップS24の処理、およびステップS25の処理が、この発明のパワートレーン制御手段に相当する。
また、この実施例で説明した事項と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、「車速およびアクセル開度」に基づいて、この発明の「車両の駆動力制御要求」が判断され、「車両の駆動力要求および蓄電装置の蓄電量」が、この発明の「所定条件」に相当し、中空シャフト17が、この発明の「パワートレーンに含まれる回転部材」に相当し、動力分配装置7の動作点または運転状態、より具体的には、エンジン1の出力、第1のモータ・ジェネレータ6の回転方向および出力などが、この発明の「パワートレーンの運転状態」に相当し、シール面B1が、この発明の「オイル必要部」に相当し、潤滑油量がこの発明の「オイル量」に相当する。
さらに、エンジン1が、この発明の駆動力源に相当し、この発明のパワートレーンには、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ6および動力分配装置7が含まれている。また、第1のモータ・ジェネレータ6が、この発明のモータ・ジェネレータに相当し、サンギヤ18およびリングギヤ19およびキャリヤ21が、この発明の「3つの回転要素」に相当し、キャリヤ21が、この発明の第1の回転要素に相当し、サンギヤ18が、この発明の第2の回転要素に相当し、リングギヤ19が、この発明の第3の回転要素に相当し、インプットシャフト5が、この発明の「動力伝達部材」に相当し、オイルシール65が、この発明の「密封装置」に相当する。
なお、特許請求の範囲に記載されている「オイル量判断手段」を、「オイル量判断器」または「オイル量判断用コントローラ」と読み替え、「パワートレーン制御手段」を、「パワートレーン制御器」または「パワートレーン制御用コントローラ」と読み替えることも可能である。この場合、電子制御装置100が、「オイル量判断器」、「オイル量判断用コントローラ」、「パワートレーン制御器」、「パワートレーン制御用コントローラ」に相当する。さらに、特許請求の範囲に記載されている「オイル量判断手段」を、「オイル量判断ステップ」と読み替え、「パワートレーン制御手段」を、「パワートレーン制御ステップ」と読み替え、「パワートレーンのオイル供給装置」を、「パワートレーンのオイル供給方法」と読み替えることも可能である。
この発明に係るオイル供給装置の制御例を示すフローチャートである。 図1に示す制御例を実行可能なオイル供給装置を有するハイブリッド車のパワートレーンを示すスケルトン図である。 図2に示されたオイル供給装置の断面図である。 図2に示すハイブリッド車の制御系統を示すブロック図である。 図2に示すハイブリッド車の制御に用いられるエンジン制御マップの一例を示す図である。 図2に示された動力分配装置の回転要素の状態を示す共線図である。 図2に示されたパワートレーンにおいて、第1のモータ・ジェネレータの回転数と、潤滑油量との関係の一例を示すマップである。 この発明に係るオイル供給装置の他の制御例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…エンジン、 6…第1のモータ・ジェネレータ、 7…動力分配装置、 17…中空シャフト、 18…サンギヤ、 19…リングギヤ、 21…キャリヤ、 44…車輪、 50…隔壁、 52…モータ・ジェネレータ収納室、 64…軸孔、 65…オイルシール、 100…電子制御装置、 B1…シール面、 Ve…ハイブリッド車。

Claims (6)

  1. 車両の駆動力要求を含む所定条件に基づいて、駆動力源から車輪に至るパワートレーンの運転状態を制御するとともに、前記パワートレーンの動作により輸送されるオイルが、オイル必要部に供給される構成となっているパワートレーンのオイル供給装置において、
    前記オイル必要部に供給されるオイル量を判断するオイル量判断手段と、
    前記所定条件および前記オイル必要部に供給されるオイル量に基づいて、前記パワートレーンの運転状態を制御することにより、前記オイル必要部に供給されるオイル量を調整するパワートレーン制御手段と
    を備えていることを特徴とするパワートレーンのオイル供給装置。
  2. 前記オイル必要部に供給されるオイル量が所定量以下となる場合は、前記オイル必要部に供給されるオイル量が増加するように、前記パワートレーンの運転状態を制御する機能を、前記パワートレーン制御手段が有していることを特徴とする請求項1に記載のパワートレーンのオイル供給装置。
  3. 前記パワートレーンは、前記駆動力源の動力をモータ・ジェネレータおよび前記車輪に分配する動力分配装置を有しており、前記動力分配装置は差動回転可能な3つの回転要素を有し、第1の回転要素が前記駆動力源に連結され、第2の回転要素が前記モータ・ジェネレータに連結され、第3の回転要素が前記車輪に連結されているとともに、前記モータ・ジェネレータは、前記駆動力源から前記動力分配装置に伝達されるトルクに応じた反力トルクを生成する機能を有し、前記モータ・ジェネレータの動力が、前記オイルを輸送する回転部材を経由して、前記第2の回転要素に伝達されるように構成され、
    前記パワートレーンの運転状態を制御する機能には、前記モータ・ジェネレータの出力を制御して、前記駆動力源と、前記第3の回転要素との間における変速比を制御することにより、前記オイル必要部に供給されるオイル量を調整する機能が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のパワートレーンのオイル供給装置。
  4. 前記パワートレーンの運転状態を制御する機能には、前記駆動力源と、前記第3の回転要素との間における変速比を制御して、前記オイル必要部に供給されるオイル量を調整する場合に、前記車両の駆動力の変化を抑制するように、前記モータ・ジェネレータの出力および前記駆動力源の出力を制御する機能が含まれることを特徴とする請求項3に記載のパワートレーンのオイル供給装置。
  5. 前記オイル必要部には、前記駆動力源から前記動力分配装置に至る経路に配置された動力伝達部材に接触して、シール面を形成する密封装置が含まれることを特徴とする請求項3または4に記載のパワートレーンのオイル供給装置。
  6. 前記モータ・ジェネレータが配置され、かつ、隔壁により仕切られたモータ・ジェネレータ収納室と、前記隔壁に形成され、かつ、前記動力伝達部材が配置される軸孔とを有しており、前記密封装置が前記隔壁に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載のパワートレーンのオイル供給装置。
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