JP3976717B2 - ハイブリッド車の駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の駆動力源を有するハイブリッド車の駆動装置、特に、第1の駆動力源の動力を、回転装置および車輪に分配することの可能なハイブリッド車の駆動装置に関するものである。
従来、複数の駆動力源として、エンジンおよびモータを有するハイブリッド車の駆動装置が知られており、そのハイブリッド車の駆動装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1においては、エンジンのクランクシャフトにフライホイールが連結され、フライホイールにはスリップクラッチおよびダンパを経由して入力軸が連結されている。この入力軸はハウジングの内部に配置されており、ハウジングの内部には、モータおよびジェネレータが配置されている。そして、モータとジェネレータとの間には遊星歯車が設けられている。
この遊星歯車は、サンギヤと、リングギヤと、サンギヤおよびリングギヤに噛合するピニオンギヤを保持するキャリヤとを有しており、サンギヤはジェネレータのロータに連結され、キャリヤは入力軸に連結され、モータのロータはリングギヤに連結されている。さらに、リングギヤにはスプロケットが連結され、スプロケットにはサイレントチェーンが巻き掛けられている。そして、特許文献1の発明においては、エンジントルクが急激に変化したり、あるいはモータトルクが急激に変化した場合にスリップクラッチの滑りが生じて、各ロータの質量が大きいことなどに起因する共振を防止するようになっている。
特開平10−267114号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されているハイブリッド車の駆動装置においては、振動低減性能を一層向上させることが望まれていた。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、振動低減性能を向上させることの可能なハイブリッド車の駆動装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、第1の駆動力源の動力を回転装置および車輪に伝達する機能と、前記回転装置の動力を前記第1の駆動力源に伝達して、この第1の駆動力源の回転数を上昇させる機能とを兼備した動力分配装置と、前記第1の駆動力源とは別に設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する第2の駆動力源とを有するハイブリッド車の駆動装置において、前記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、この第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かに基づいて、前記回転装置から前記第1の駆動力源に至る動力伝達経路で生じる共振の程度を判断する共振判断手段と、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすい場合における前記第1の駆動力源の慣性質量よりも、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくい場合における前記第1の駆動力源の慣性質量を大きく設定する慣性質量制御手段とを有していることを特徴とするものである。ここで、「前記第1の駆動力源とは別に設けられた第2の駆動力源」には、「第1の駆動力源から車輪に至る動力の伝達経路と、第2の駆動力源から車輪に至る動力の伝達経路の一部が異なること」、「第1の駆動力源の動力発生原理と、第2の駆動力源の動力発生原理とが異なること」、「駆動力源が複数設けられていること」などの意味が含まれる。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記共振判断手段は、前記第1の駆動力源の回転抵抗、または、前記回転装置の出力の少なくとも一方に基づいて、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かを判断する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記共振判断手段は、前記第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値以上である場合に、前記第1の駆動力源の回転抵抗が小さく、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいと判断し、前記第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値未満である場合は、前記第1の駆動力源の回転抵抗が高く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくいと判断する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2の構成に加えて、前記共振判断手段は、前記回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値以上である場合は、前記回転装置の出力が高く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいと判断し、前記回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値未満である場合は、前記回転装置の出力が低く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくいと判断する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成に加えて、前記第1の駆動力源は、燃料の燃焼により回転するエンジンであり、前記エンジンへの燃料の供給が停止している場合に、前記回転装置の動力により前記エンジンの回転数を上昇させ、かつ、前記エンジンへ燃料を供給して燃焼させて前記エンジンを自律回転させる始動条件が成立したか否かを判断する始動条件判断手段を有し、前記共振判断手段は、前記始動条件が成立して前記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、この第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かを判断する手段を含むことを特徴とするものである。
各請求項において、「第1の駆動力源の回転数」は、「第1の駆動力源の回転速度」と等価のパラメータである。各請求項において、「共振の程度」には、共振の大小、共振の強弱、共振の振幅などの概念が含まれる。各請求項に記載されている「共振の程度を判断する」には、「共振が発生する以前に、共振の程度を予測もしくは推定すること」と、「共振が実際に発生してから、その共振の程度を検知すること」とが含まれる。また、各請求項において、「第1の駆動力源の慣性質量」とは「回転方向における慣性質量」を意味する。
請求項1の発明によれば、第1の駆動力源を車輪に伝達する場合と、回転装置の動力を第1の駆動力源に伝達する場合とで、共に同じ動力伝達経路を経由して動力が伝達される。そして、回転装置の動力により第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、この第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かに基づいて、前記回転装置から前記第1の駆動力源に至る動力伝達経路における共振の程度を判断する。そして、第1の駆動力源の回転数が上昇しやすい場合における前記第1の駆動力源の慣性質量よりも、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくい場合における前記第1の駆動力源の慣性質量を大きく設定する。したがって、第1の駆動力源の振動周波数と、回転装置から第1の駆動力源に至る動力伝達経路における振動周波数とが一致することが抑制され、共振の発生を抑制できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、第1の駆動力源の回転抵抗、または、回転装置の出力の少なくとも一方に基づいて、第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かが判断される。したがって、動力伝達経路における共振の程度を、一層確実に判断することが可能となる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、前記第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値以上である場合に、前記第1の駆動力源の回転抵抗が小さく、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいと判断される。これに対して、前記第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値未満である場合は、前記第1の駆動力源の回転抵抗が高く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくいと判断される
請求項4の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、前記回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値以上である場合は、前記回転装置の出力が高く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいと判断される。これに対して、前記回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値未満である場合は、前記回転装置の出力が低く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくいと判断される
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、エンジンへの燃料の供給が停止している場合に、前記回転装置の動力により前記エンジンの回転数を上昇させ、かつ、前記エンジンへ燃料を供給して燃焼させて前記エンジンを自律回転させる始動条件が成立して、前記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、この第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かを判断する。
つぎに、この発明を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、この発明を用いることの可能な車両の一例を示す。図1に示された車両Veは、F・R(フロントエンジン・リヤドライブ;エンジン前置き後輪駆動)形式のハイブリッド車(以下、「車両」と略記する)Veの概略構成図である。図1において、車両Veは、第1の駆動力源としてのエンジン(E/G)1を有している。エンジン1は燃料を燃焼させて、その熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置である。
前記エンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることができる。このエンジン1のクランクシャフト2は、車両Veの前後方向に配置された軸線(図示せず)を中心として回転可能であり、クランクシャフト2に用いる金属材料としては、例えば、機械構造用炭素鋼、合金鋼などが挙げられる。また、クランクシャフト2、具体的には、クランクシャフト2の後端にはフライホイール100が形成されている。フライホイール100に用いる金属材料としては、機械構造用炭素鋼などが挙げられる。
このフライホイール100の構成を図2に示す。フライホイール100は略円板形状を有しているとともに、フライホイール100には、回転中心A1を基準としてシリンダ101が形成されている。このシリンダ101は、フライホイール100の円周方向に沿って、略等間隔おきに複数配置されている。これらのシリンダ101は、フライホイール100の半径方向に沿って延ばされた長孔もしくは凹部もしくは溝部により構成されている。各シリンダ101内には可動マス(質量体)102が配置されており、各可動マス102は、シリンダ101内において、フライホイール100の半径方向に動作可能に構成されている。図2の例では、可動マス102が球形状となっているが、可動マス102はピストン形状(円柱形状)であってもよい。また、可動マス102の構成材料としては、例えば、機械構造用炭素鋼など、比重の高い材料を選択することが可能である。
また、シリンダ101内であって、可動マス102よりも内側には弾性部材103が配置されている。弾性部材103としては、例えば、圧縮ばねを用いることが可能である。この弾性部材103の押圧力により、可動マス102が、フライホイール100の半径方向で外側に向けて付勢される。一方、シリンダ101内であって、可動マス102よりも、フライホイール100の半径方向における外側には、油圧室104が形成されている。さらに、フライホイール100には、油路105が形成されており、その油路105の一端が油圧室104に接続されている。この油路105の他端は、クランクシャフト2に形成された油路(図示せず)または、後述するインプットシャフトに形成された油路(図示せず)に接続されている。上記構成のシリンダ101、可動マス102、弾性部材103、油圧室104、油路105、図示しない油路、後述する油圧制御装置などにより、慣性質量制御装置B1が構成されている。
一方、フライホイール100には、ダンパ機構3を経由してインプットシャフト4が連結されている。また、ケーシング5が設けられており、ケーシング5の内部には、モータ・ジェネレータ(MG)6およびモータ・ジェネレータ(MG)7が設けられている。このモータ・ジェネレータ6,7としては、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを兼備したモータ・ジェネレータを用いることができる。すなわち、エンジン1とモータ・ジェネレータ6,7とでは、動力の発生原理が異なる。一方のモータ・ジェネレータ6は、ステータ8およびロータ9を有しており、ステータ8はケーシング5に固定されている。
また、ケーシング5の内部には、動力分配装置10が設けられている。図1においては、この動力分配装置10の一例として、シングルピニオン形式の遊星歯車機構が示されている。すなわち、動力分配装置10は、中空シャフト11に形成されたサンギヤ12と、サンギヤ12と同心状に配置されたリングギヤ13と、サンギヤ12およびリングギヤ13に噛合するピニオンギヤ14を保持したキャリヤ15とを有している。そして、インプットシャフト4とキャリヤ15とが一体回転するように連結されている。また、インプットシャフト4は中空シャフト11内に配置され、インプットシャフト4と中空シャフト11とは相対回転可能である。
前記クランクシャフト2およびフライホイール100およびインプットシャフト4および動力分配装置10は同軸上に配置されている。また、車両Veの前後方向(クランクシャフト2の軸線方向)において、フライホイール100およびダンパ機構3と、動力分配装置10との間にモータ・ジェネレータ6が配置され、そのモータ・ジェネレータ6のロータ9の内部空間を通過するように、インプットシャフト4が配置されている。さらに、車両Veの前後方向におけるインプットシャフト4の後端に、動力分配装置10のキャリヤ15が連結されている。このように、インプットシャフト4は、車両Veの前後方向において、モータ・ジェネレータ6および動力分配装置10の配置長さ以上の長さを有する軸部材である。なお、インプットシャフト4に使用される金属材料としては、例えば、機械構造用合金鋼、炭素鋼、クロム鋼などが挙げられる。
一方、前記モータ・ジェネレータ7は、ステータ17およびロータ18を有している。ステータ17はケーシング5に固定されている。さらに、モータ・ジェネレータ6,7との間で電力の授受をおこなうことの可能な蓄電装置107が設けられている。蓄電装置107としては、二次電池、具体的にはバッテリ、キャパシタなどを用いることが可能である。
また、ケーシング5の内部、具体的には、モータ・ジェネレータ7からアウトプットシャフト(後述する)に至る動力伝達経路に変速機19が設けられている。図1においては、変速機19の一例として、遊星歯車機構を有する変速機が示されている。すなわち、変速機19は、同心状に配置されたサンギヤ20およびリングギヤ21と、一体回転する大径ピニオンギヤ22および小径ピニオンギヤ23と、ショートピニオンギヤ50と、大径ピニオンギヤ22および小径ピニオンギヤ23およびショートピニオンギヤ50を一体的に公転可能、かつ、個々のギヤ毎に自転可能に保持するキャリヤ24とを有している。
そして、ショートピニオンギヤ50がサンギヤ20およびリングギヤ21に噛合され、このショートピニオンギヤ50に大径ピニオンギヤ22が噛合されている。また、大径ピニオンギヤ22と一体回転する小径ピニオンギヤ23が設けられており、小径ピニオンギヤ23とサンギヤ28とが噛合されている。なお、サンギヤ28の歯数は、サンギヤ20の歯数よりも多く設定されている。このように、変速機19はラビニョ型遊星歯車機構を主体として構成されている。
前記キャリヤ24にはアウトプットシャフト25が一体回転するように連結され、インプットシャフト4とアウトプットシャフト25とが同軸上に配置されている。また、アウトプットシャフト25と、動力分配装置10のリングギヤ13とが一体回転するように連結されている。アウトプットシャフト25の外側には中空シャフト26が配置されており、アウトプットシャフト25と中空シャフト26とは相対回転可能である。この中空シャフト26とモータ・ジェネレータ7のロータ18とが一体回転するように連結されている。
さらに、中空シャフト26とサンギヤ20とが一体回転するように連結されている。さらにまた、サンギヤ28は中空シャフト26の外側に配置されており、サンギヤ28の回転を許可または規制するブレーキB1が設けられている。さらにまた、リングギヤ21の回転を許可または規制するブレーキB2が設けられている。この実施例においては、ブレーキB1,B2として油圧制御式の摩擦係合装置が用いられており、ブレーキB1,B2に対応して油圧室(図示せず)が別個に設けられている。
一方、アウトプットシャフト25と、デファレンシャル29の入力部材(図示せず)とが、プロペラシャフト(図示せず)により連結されている。また、デファレンシャル29の回転部材(図示せず)とドライブシャフト30とが連結されている。さらに、ドライブシャフト30には車輪31が連結されている。
つぎに、車両Veの制御系統について説明する。電子制御装置32が設けられており、電子制御装置32には、エンジン油温センサ53の信号、シフトポジションセンサ54の信号、車速センサ55の信号、加速要求検知センサ56の信号、制動要求検知センサ57の信号、エンジン回転数センサ58の信号、モータ・ジェネレータ6に供給可能な電力を検知する電力検知センサ106の信号、外気温センサ108の信号などが入力される。
前記エンジン油温センサ53は、エンジン1の潤滑装置で用いられる潤滑油の温度を検知するセンサである。また、シフトポジションセンサ54により検知されるシフトポジションとしては、例えば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションがある。ここで、PポジションおよびNポジションは、変速機19を動力伝達不可能な状態とする場合に選択されるポジションであり、DポジションおよびRポジションは、変速機19を動力伝達可能な状態とする場合に選択されるポジションである。また、加速要求検知センサ56は、アクセル開度またはスロットル開度を検知するセンサである。
電子制御装置32からは、エンジン1を制御する信号、モータ・ジェネレータ6を制御する信号、モータ・ジェネレータ7を制御する信号、油圧制御装置52を制御する信号などが出力される。油圧制御装置52は、変速機19のブレーキB1,B2に対応する各油圧室(図示せず)の油圧を制御する機能と、フライホイール100に形成された油圧室104の油圧を制御する機能とを有している。
図1に示す車両Veにおいては、例えば、Dポジションが選択されている場合に、電子制御装置32に入力される信号および電子制御装置32に記憶されているデータに基づいて、エンジン走行モード、電気自動車(EV)モード、ハイブリッドモードなどのモードを選択的に切換可能である。エンジン走行モードが選択された場合は、エンジン1に燃料が供給されて、エンジン1が自律回転する一方、モータ・ジェネレータ7への電力の供給が停止される。エンジン1が自律回転している場合、エンジントルクは、インプットシャフト4、キャリヤ15、リングギヤ13を経由してアウトプットシャフト25に伝達される。アウトプットシャフト25のトルクは、プロペラシャフト(図示せず)、デファレンシャル29、ドライブシャフト30を経由して車輪31に伝達されて、駆動力が発生する。
これに対して、電気自動車モードが選択された場合は、モータ・ジェネレータ7が電動機として起動され、モータ・ジェネレータ7のトルクが変速機19を経由させて車輪31に伝達される一方、エンジン1には燃料が供給されない。また、ハイブリッドモードが選択された場合は、エンジン1が自律回転し、かつ、モータ・ジェネレータ7に電力が供給され、エンジン1のトルクおよびモータ・ジェネレータ7のトルクが、共に車輪31に伝達される。
このように、図2に示す車両Veは、エンジントルクを、動力分配装置10を経由させて、車輪31とモータ・ジェネレータ6とに機械的に分配できるとともに、エンジン1またはモータ・ジェネレータ7のうちの少なくとも一方を駆動力源とすることのできる機械分配式のハイブリッド車である。さらに、エンジントルクを動力分配装置10に伝達する場合、エンジントルクの一部がモータ・ジェネレータ6に伝達されるとともに、動力分配装置10のサンギヤ12とキャリヤ15とリングギヤ13との差動機能により、モータ・ジェネレータ6が反力要素として機能する。したがって、モータ・ジェネレータ6の回転速度を制御することにより、エンジン回転数を無段階に(連続的に)制御することが可能である。つまり、動力分配装置10は無段変速機としての機能をも有している。ここで、モータ・ジェネレータ6の回転方向の正逆を切り換え可能であり、モータ・ジェネレータ6の力行または回生も切換可能である。モータ・ジェネレータ6が回生する場合は、発生した電力が蓄電装置107に充電される。
前記電気自動車モードまたはハイブリッドモードが選択された場合は、変速機19を制御するために、2種類の変速モードを選択可能であり、この変速モードに基づいて、変速機19の変速比が制御される。この変速モードは、車速、要求駆動力などに基づいて判断され、低速モードまたは高速モードのいずれかを選択できる。要求駆動力は、加速要求検知センサ56の信号に基づいて判断される。たとえば、車速が所定車速以下であり、かつ、要求駆動力が所定値以上である場合は、低速モードが選択される。これに対して、車速が所定車速を越え、かつ、要求駆動力が所定値未満である場合は、高速モードが選択される。
低速モードが選択された場合は、ブレーキB1が解放され、かつ、ブレーキB2が係合される。この低速モードが選択され、かつ、モータ・ジェネレータ7のトルクがサンギヤ20に伝達された場合は、リングギヤ21が反力要素となり、サンギヤ20のトルクが、キャリヤ24およびアウトプットシャフト25およびデファレンシャル29を経由して車輪31に伝達される。ここで、モータ・ジェネレータ7の回転速度よりも、アウトプットシャフト25の回転速度の方が低速となる。なお、低モードが選択された場合における変速機19の変速比は、「ロー(最大変速比)」である。
一方、高速モードが選択された場合は、ブレーキB2が解放され、かつ、ブレーキB1が係合される。モータ・ジェネレータ7が電動機として駆動され、かつ、高速モードが選択された場合は、サンギヤ28が反力要素となり、サンギヤ20のトルクが、キャリヤ24およびアウトプットシャフト25およびデファレンシャル29を経由して車輪31に伝達される。なお、モータ・ジェネレータ7の回転速度よりも、アウトプットシャフト25の回転速度の方が低速となる。そして、高速モードが選択された場合における変速機19の変速比は「ハイ(小変速比)」であり、低速モードが選択された場合に設定される変速機19の変速比よりも小さい。
さらに、Dポジションが選択され、かつ、車両Veが惰力走行する場合は、車両Veの運動エネルギを、車輪31からモータ・ジェネレータ6,7の少なくとも一方に伝達するとともに、モータ・ジェネレータ6,7の少なくとも一方で発生した電力を蓄電装置107に充電することが可能である。なお、シフトポジションとしてNポジションが選択された場合は、ブレーキB1,B2が共に解放される。
ところで、エンジン1への燃料の供給が停止している場合において、エンジン1を始動させる(クランキングさせる)条件が成立した場合は、モータ・ジェネレータ6に電力を供給して、モータ・ジェネレータ6を電動機として駆動させ、モータ・ジェネレータ6のトルクを、動力分配装置10、インプットシャフト4を経由させてエンジン1に伝達して、エンジン回転数を上昇させるとともに、燃料の供給および燃焼をおこない、エンジン回転数が自律回転可能な回転数となった場合に、モータ・ジェネレータ6によるクランキングを終了する。
このようにエンジン1を始動する場合において、フライホイール100の慣性質量を制御する一例を、図3のフローチャートに基づいて説明する。まず、電子制御装置32に入力される信号が処理され(ステップS1)、エンジン回転数が所定回転数以下であるか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2で肯定的に判断される場合としては、例えば、エンジン1で燃料の燃焼がおこなわれず、かつ、エンジン回転数が零である第1の場合と、エンジン1で燃料の燃焼がおこなわれていないが、エンジン回転数が零よりも高い第2の場合とが挙げられる。ここで、第1の場合としては、車両Veが停止している場合、つまり車速が零である場合が挙げられる。これに対して、第2の場合としては、車両Veが惰力走行しており、車両Veの運動エネルギによりエンジン1が空転している場合と、モータ・ジェネレータ7の動力により車両Veが走行し、モータ・ジェネレータ7の動力の一部がエンジン1に伝達されて、エンジン1が空転している場合とが挙げられる。なお、第2の場合に相当するエンジン回転数は、エンジン1で燃料の燃焼をおこなっても、エンジン1が自律回転することができない回転数である。
ステップS2で肯定的に判断された場合は、エンジン1を始動する条件が成立したか否かが判断される(ステップS3)。ステップS3の判断は、例えば、加速要求検知センサ56の信号などによりおこなわれる。このステップS3で肯定的に判断された場合は、エンジン油温が所定温度以上であるか否かが判断される(ステップS4)。このステップS4の意味は後述する。このステップS4で肯定的に判断された場合は、モータ・ジェネレータ6に供給可能な電力が所定値以上であるか否かが判断される(ステップS5)。このステップS5の意味は後述する。このステップS5で肯定的に判断された場合は、フライホイール100の慣性質量を「小」とする制御を実行し(ステップS6)、図1の制御ルーチンを終了する。
ここで、前記ステップS4ないしステップS6の技術的意味を説明する。前記ステップS4で肯定的に判断されるということは、エンジン1の可動部分に供給される潤滑油の粘度が所定値以下であり、エンジン1の回転抵抗が小さいことを意味する。また、ステップS5で肯定的に判断されるということは、モータ・ジェネレータ6の出力(トルク×回転数)を所定値以上に高めることが可能であり、エンジン1をクランキングするために必要なトルクを、モータ・ジェネレータ6で確保できることを意味する。つまり、ステップS4,S5で共に肯定判断されるということは、モータ・ジェネレータ6によるエンジン1のクランキングに際して、エンジン回転数が上昇しやすい条件が成立していることを意味する。
そこで、ステップS6では、フライホイール100の慣性質量を「小」とすることで、エンジン1の始動容易性を高めている。このステップS6においては、具体的には、フライホイール100の油圧室104の油圧を所定値以上に高めて、弾性部材103の押圧力に抗して可動マス102をフライホイール100の回転中心A1に向けて動作させることで、フライホイール100の慣性質量が低下される。フライホイール100の慣性質量が「小」に制御された場合は、エンジン1の振動周波数が高くなり、エンジン1の振動周波数と、エンジン1のクランキング時におけるインプットシャフト4の振動周波数とが同じになり、モータ・ジェネレータ6からエンジン1に至る動力伝達経路で共振が発生する可能性がある。しかしながら、エンジン回転数の上昇性能が高められているため、前記動力伝達経路で共振が発生する回転数領域となる時間を、極短時間とすることが可能である。言い換えれば、共振が発生する時間を短縮することが可能である。
前記ステップS5で否定的に判断されるということは、モータ・ジェネレータ6からエンジン1に伝達可能な実トルクが、所定値以下であることを意味する。言い換えれば、ステップS5で否定的に判断されるということは、ステップS5で肯定的に判断された場合に比べて、エンジン回転数が上昇しにくいことがある。そこで、ステップS5で否定的に判断された場合は、フライホイール100の慣性質量を「中」とする制御を実行し(ステップS7)、図3の制御ルーチンを終了する。ここで、慣性質量「小」<慣性質量「中」の関係にある。
ステップS7の処理における油圧室104の油圧は、ステップS6の処理における油圧室104の油圧よりも低圧に制御される。つまり、フライホイール100の半径方向において、ステップS6の制御に相当する可動マス102の位置よりも、ステップS7の制御に相当する可動マス102の位置の方が外側となる。このように、ステップS7の処理を実行して、フライホイール100の慣性質量を「中」にすると、エンジン1の振動周波数が、ステップS6の処理を実行した場合よりも低くなる。したがって、エンジン1の振動周波数と、動力伝達経路の振動周波数とが一致することを回避でき、動力伝達経路で共振が発生することを抑制できる。
一方、前記ステップS4で否定的に判断されるということは、クランキング抵抗が高いことを意味する。さらに、ステップS4で否定的に判断された場合は、モータ・ジェネレータ6に供給可能な電力が所定値以上であるか否かが判断される(ステップS8)。このステップS8で肯定的に判断されるということは、モータ・ジェネレータ6の出力を、エンジン1のクランキングに必要な目標出力に制御することが可能であり、クランキング抵抗が高くても、エンジン回転数の上昇性能を確保できることを意味する。そこで、ステップS8で肯定的に判断された場合は、ステップ6に進み、エンジン1の始動容易性を優先する。
これに対して、ステップS8で否定的に判断されるということは、モータ・ジェネレータ6の出力が、エンジン1のクランキングに必要な目標出力未満となることを意味する。そこで、ステップS8で否定的に判断された場合は、フライホイール100の慣性質量を「大」とする処理を実行し(ステップS9)、図3の制御ルーチンを終了する。ステップS9における油圧室104の油圧は、ステップS7における油圧室104の油圧よりも低圧に制御される。つまり、フライホイール100の半径方向において、ステップS7の処理を実行した場合における可動マス102の位置よりも、ステップS9の処理を実行した場合における可動マス102の位置の方が外側となる。その結果、ステップS9の処理を実行した場合におけるエンジン1の振動周波数は、ステップS7の処理を実行した場合におけるエンジン1の振動周波数よりも低くなり、動力伝達経路で共振が生じることを一層確実に抑制することが可能である。なお、前記ステップS2またはステップS3で否定的に判断された場合は、図3の制御ルーチンを終了する。
以上のように、この実施例においては、フライホイール100の油圧室104の油圧を制御することにより、フライホイール100の慣性質量を制御している。言い換えれば、フライホイール100の固有振動数を調整することが可能である。したがって、動力伝達経路で共振が生じることを抑制可能である。このため、「実施例の装置とは異なる共振抑制装置」、例えば、「ダンパ機構にトルクリミッタを設けて、所定値以上のトルクがエンジン1に伝達されることを防止し、共振を抑制する装置」などを、この実施例では設けずに済む。このため、「実施例とは異なる共振抑制装置」を設けた場合に生じる可能性がある不具合、つまり、「エンジントルクをモータ・ジェネレータ6または車輪31に伝達する場合に、トルクリミッタで滑りが生じてモータ・ジェネレータ6または車輪31に伝達されるトルクが低下するという不具合」を、この実施例では未然に回避することが可能である。したがって、この実施例では、車輪31に伝達されるトルクが低下して、車両Veの走行性能が低下することを抑制できる。また、この実施例では、エンジントルクの一部をモータ・ジェネレータ6に伝達し、モータ・ジェネレータ6で発電をおこなう場合に、モータ・ジェネレータ6における発電量の低下を抑制することが可能である。
さらに、従来では、トルクリミッタの滑りによる伝達トルクの低下を抑制するために、トルクリミッタのトルク容量を高く維持する一方、インプットシャフトのねじり剛性を、共振に耐えられるような剛性まで高めることも考えられていた。この場合、インプットシャフトの剛性を、トルクリミッタの伝達トルクのバラツキの上限に対応する値まで、高める必要があったが、インプットシャフトの剛性を高めることには限界があった。このため、従来は、伝達トルクの低下を抑制し、かつ、共振を抑制するという、相反する2つの課題を解決することは困難であった。しかしながら、この実施例によれば、トルクリミッタを用いずに済み、かつ、インプットシャフト4の剛性を高めずに済むため、相反する2つの課題を解決可能である。
なお、ステップS5,S8においては、モータ・ジェネレータ6に供給可能な電力を、蓄電装置107の充電状態から判断することも可能である。また、モータ・ジェネレータ7が発電機として起動され、モータ・ジェネレータ7で発電された電力が、蓄電装置107を経由することなくモータ・ジェネレータ6に供給される場合は、モータ・ジェネレータ7の発電量に基づいて、ステップS5,S8の判断をおこなうことも可能である。さらに、ステップS5,S8においては、外気温センサ108の信号に基づいて、モータ・ジェネレータ6に供給可能な電力を判断することも可能である。すなわち、蓄電装置107の電力が、低温時は低下する特性を利用する。
また、図3の制御ルーチンには示されていないが、車両Veが走行し、かつ、エンジン1が自律回転しているとともに、動力伝達経路で共振が発生せず、かつ、共振によるこもり音が生じないような車速において、加速要求が増加した場合は、フライホイール100の慣性質量を小さくする制御を実行することが可能である。このような制御により、エンジン回転数が上昇しやすくなり、車両Veの加速性能が向上し、かつ、エンジン1の燃費が向上する。さらに、図1に示す実施例において、ダンパ機構3として、トルクリミッタを有するものを用いることも可能である。
さらに、この実施例において、可動マス102の質量、弾性部材103のばね定数などを調整することにより、フライホイール100の慣性質量制御特性を変更可能である。したがって、車両の仕様などの変更などにより、フライホイール100を除くエンジン1の構成の変更、インプットシャフト4の長さ、外径、剛性、金属材料などを変更する場合でも、対応可能である。さらに、特に図示しないが、可動マス102をフライホイール100の半径方向で内側に押圧する弾性部材(図示せず)を設け、可動マス102をフライホイール100の半径方向で外側に押圧する油圧を生じさせる油圧室(図示せず)を設ける構成を採用することも可能である。さらに図1においては、エンジンの軸線が、車両の前後方向に配置されているが、エンジンの軸線が車両の左右方向(幅方向)に配置されたパワートレーンに対しても、この発明を適用可能である。さらに、動力分配装置としては、シングルピニオン形式の遊星歯車機構が用いられているが、動力分配装置としてダブルピニオン形式の遊星歯車機構を用いた車両においても、この実施例を実施可能である。
ここで、この実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、フライホイール100自体、またはフライホイール100を有するエンジン1が、この発明の第1の駆動力源に相当し、モータ・ジェネレータ6が、この発明の回転装置に相当し、モータ・ジェネレータ7が、この発明の第2の駆動力源に相当し、車両Veがこの発明のハイブリッド車に相当する。また、図3のフローチャートに示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS3が、この発明の始動条件判断手段に相当し、ステップS4,S5,S8が、この発明の共振判断手段に相当し、ステップS6,S7,S9が、この発明の慣性質量制御手段に相当する。また、図3に示すフローチャートにおいては、エンジン1の回転抵抗を示すパラメータである「エンジン油温」、およびモータ・ジェネレータ6の出力を示すパラメータである「モータ・ジェネレータ6への供給可能電力」に基づいて、「第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否か」を判断している。
また、ステップS4,S5,S6のルーチンと、ステップS4,S5,S7のルーチンとの関係を説明すると、ステップS4,S5を経由してステップS6に進むルーチンが、この発明の「第1の駆動力源の回転数が上昇しやすい場合」に相当し、ステップS4,S5を経由してステップS7に進むルーチンが、この発明の「第1の駆動力源の回転数が上昇しにくい場合」に相当する。
また、ステップS4,S8,S6のルーチンと、ステップS4,S8,S9のルーチンとの関係を説明すると、ステップS4,S8を経由してステップS6に進むルーチンが、この発明の「第1の駆動力源の回転数が上昇しやすい場合」に相当し、ステップS4,S8を経由してステップS9に進むルーチンが、この発明の「第1の駆動力源の回転数が上昇しにくい場合」に相当する。
さらに、ステップS4で肯定的に判断される場合が、この発明の「第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値以上である場合」に相当し、ステップS4で否定的に判断される場合が、この発明の「第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値未満である場合」に相当する。また、ステップS5で肯定的に判断される場合、またはステップS8で肯定的に判断される場合が、この発明の「回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値以上である場合」に相当し、ステップS5で否定的に判断される場合、またはステップS8で否定的に判断される場合が、この発明の「回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値未満である場合」に相当する。
さらに、特許請求の範囲の各請求項に記載された「制御手段」を、「制御器」または「制御用コントローラ」と読み替えることも可能である。この場合、図1に示された電子制御装置32が、「制御器」、「制御用コントローラ」に相当する。さらに特許請求の範囲の各請求項に記載された「制御手段」を「制御ステップ」と読み替え、「ハイブリッド車の駆動装置」を、「ハイブリッド車の駆動方法」と読み替えることも可能である。この場合、図2に示されたステップS1ないしS9が、制御ステップに相当する。
この実施例で開示された特徴的な構成を記載すれば、以下のとおりである。すなわち、第1の特徴的な構成は、第1の駆動力源の動力を回転装置および車輪に伝達する機能と、前記回転装置の動力を前記第1の駆動力源に伝達して、この第1の駆動力源の回転数を上昇させる機能とを兼備した動力分配装置と、前記第1の駆動力源とは別に設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する第2の駆動力源とを有するハイブリッド車の駆動装置において、前記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、前記回転装置から前記第1の駆動力源に至る動力伝達経路で生じる共振の程度を判断するとともに、その判断結果に基づいて、前記回転装置から第1の駆動力源に至る動力伝達経路(主としてインプットシャフト4)の振動周波数と、前記第1の駆動力源の振動周波数との対応関係を制御する振動周波数制御手段(ステップS1ないしステップS9)を備えていることを特徴とするをハイブリッド車の駆動装置である。
第2の特徴的な構成は、第1の駆動力源の動力を回転装置および車輪に伝達する機能と、前記回転装置の動力を前記第1の駆動力源に伝達して、この第1の駆動力源の回転数を上昇させる機能とを兼備した動力分配装置と、前記第1の駆動力源とは別に設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する第2の駆動力源とを有するハイブリッド車の駆動装置において、前記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、前記回転装置から前記第1の駆動力源に至る動力伝達経路で生じる共振の程度を判断するとともに、その判断結果に基づいて、前記回転装置から第1の駆動力源に至る動力伝達経路(主としてインプットシャフト4)の振動周波数と、前記第1の駆動力源の振動周波数との対応関係を制御する振動周波数制御器(または振動周波数制御用コントローラ・電子制御装置32)を備えていることを特徴とするをハイブリッド車の駆動装置である。
第3の特徴的な構成は、第1の駆動力源の動力を回転装置および車輪に伝達する機能と、前記回転装置の動力を前記第1の駆動力源に伝達して、この第1の駆動力源の回転数を上昇させる機能とを兼備した動力分配装置と、前記第1の駆動力源とは別に設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する第2の駆動力源とを有するハイブリッド車の駆動装置において、前記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、前記回転装置から前記第1の駆動力源に至る動力伝達経路で生じる共振の程度を判断するとともに、その判断結果に基づいて、前記回転装置から第1の駆動力源に至る動力伝達経路(主としてインプットシャフト4)の振動周波数と、前記第1の駆動力源の振動周波数との対応関係を制御する振動周波数制御ステップ(ステップS1ないしステップS9)を備えていることを特徴とするをハイブリッド車の駆動方法である。
第4の特徴的な構成は、第1の駆動力源の動力を回転装置および車輪に伝達する機能と、前記回転装置の動力を前記第1の駆動力源に伝達して、この第1の駆動力源の回転数を上昇させる機能とを兼備した動力分配装置と、前記第1の駆動力源とは別に設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する第2の駆動力源と、前記第1の駆動力源に形成された慣性質量体とを有し、前記第1の駆動力源および動力分配装置が同一軸線上に配置され、この軸線方向で、前記第1の駆動力源と動力分配装置との間に前記回転装置が配置されているとともに、動力分配装置が3つの回転要素から構成される遊星歯車機構を有しており、遊星歯車機構のいずれかの回転要素と第1の駆動力源とが軸部材(インプットシャフト4)により連結され、この軸部材が前記回転装置の内部空間を通過して配置されているハイブリッド車の駆動装置において、前記慣性質量体の慣性質量を制御する慣性質量制御装置が設けられていることを特徴とするハイブリッド車の駆動装置である。
この発明を実行可能なハイブリッド車のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。 図1に示すフライホイールの慣性質量制御装置の構成例を示す正面断面図である。 図1に示すフライホイールの慣性質量を制御する場合の制御例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…エンジン、 4…インプットシャフト、 6,7…モータ・ジェネレータ、 10…動力分配装置、 31…車輪、 100…フライホイール、 107…蓄電装置、 B1…慣性質量制御装置、 Ve…車両。

Claims (5)

  1. 第1の駆動力源の動力を回転装置および車輪に伝達する機能と、前記回転装置の動力を前記第1の駆動力源に伝達して、この第1の駆動力源の回転数を上昇させる機能とを兼備した動力分配装置と、前記第1の駆動力源とは別に設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する第2の駆動力源とを有するハイブリッド車の駆動装置において、
    記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、この第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かに基づいて、前記回転装置から前記第1の駆動力源に至る動力伝達経路で生じる共振の程度を判断する共振判断手段と、
    前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすい場合における前記第1の駆動力源の慣性質量よりも、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくい場合における前記第1の駆動力源の慣性質量を大きく設定する慣性質量制御手段と
    を有していることを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
  2. 記共振判断手段は、前記第1の駆動力源の回転抵抗、または、前記回転装置の出力の少なくとも一方に基づいて、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かを判断する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の駆動装置。
  3. 記共振判断手段は、前記第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値以上である場合に、前記第1の駆動力源の回転抵抗が小さく、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいと判断し、前記第1の駆動力源を潤滑する潤滑油の温度が所定値未満である場合は、前記第1の駆動力源の回転抵抗が高く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくいと判断する手段を含むことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の駆動装置。
  4. 記共振判断手段は、前記回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値以上である場合は、前記回転装置の出力が高く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいと判断し、前記回転装置に電力を供給する蓄電装置の電力が所定値未満である場合は、前記回転装置の出力が低く、前記第1の駆動力源の回転数が上昇しにくいと判断する手段を含むことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の駆動装置。
  5. 記第1の駆動力源は、燃料の燃焼により回転するエンジンを有し、
    前記エンジンへの燃料の供給が停止している場合に、前記回転装置の動力により前記エンジンの回転数を上昇させ、かつ、前記エンジンへ燃料を供給して燃焼させて前記エンジンを自律回転させる始動条件が成立したか否かを判断する始動条件判断手段を有し、
    前記共振判断手段は、前記始動条件が成立して前記回転装置の動力により前記第1の駆動力源の回転数を上昇させる場合に、この第1の駆動力源の回転数が上昇しやすいか否かを判断する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド車の駆動装置。
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