JP3852416B2 - ハイブリッド駆動装置の制御装置 - Google Patents

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    • F16H3/727Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1の動力源および第2の動力源を有するハイブリッド駆動装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数の動力源、例えば、燃料の燃焼により動力を出力するエンジンと、電力の供給により動力を出力する電動機とを有するハイブリッド車が提案されている。このようなハイブリッド車においては、各種の条件に基づいて、エンジンおよび電動機を制御することにより、燃費の向上および騒音の低減および排気ガスの低減を図り得るとされている。
【0003】
上記のように、複数の動力源を搭載したハイブリッド車の一例が、特開平11−117782号公報(特許文献1)に記載されている。この公報に記載されたハイブリッド車は、エンジンおよび第1のモータおよび第2のモータおよびプラネタリギヤを有している。プラネタリギヤは、サンギヤおよびリングギヤと、サンギヤおよびリングギヤに噛合するピニオンギヤと、このピニオンギヤを保持するキャリヤとを有している。そして、サンギヤと第1のモータとが連結され、キャリヤとエンジンとが連結され、リングギヤと第2のモータとが連結されている。また、リングギヤの動力がデファレンシャルを経由して駆動輪に伝達されるように構成されている。
【0004】
この公報に記載されたハイブリッド車においては、リングギヤに出力すべき動力と、補機の駆動に必要な動力との総和により必要動力を算出し、必要動力を動力伝達効率で割って、エンジンから出力すべき動力を算出している。そして、求めた動力に基づいて、エンジンの目標トルクと目標回転数とを設定している。なお、エンジン回転数は種々の要因により制限され得ることが記載され、主な要因としてプラネタリギヤの回転数制限が挙げられている。この回転数制限は車速に応じて変化することが記載されている。そして、車速に応じてエンジン回転数の使用可能領域の上限値および下限値が図示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−117782号公報(段落番号0021および段落番号0022、段落番号0029ないし段落番号0034、段落番号0045ないし段落番号0054、図1、図6、図10)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に記載されているハイブリッド車において、プラネタリギヤの回転要素の回転数が高まり、回転要素同士の回転数差が大きくなると、プラネタリギヤの焼き付きが発生する恐れがあった。
【0007】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、第1の動力源および第2の動力源に連結された遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差が大きくなり、焼き付きが生じることを抑制することのできるハイブリッド駆動装置の制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満となる場合は、前記遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を抑制する回転数差抑制手段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1の発明によれば、第1の動力源が所定回転数未満であり、第1の動力源に連結されている第1の回転要素と、他の回転要素との回転数差が大きくなりやすい場合でも、第1の回転要素と他の回転要素との回転数差の増加が抑制される。
【0010】
請求項2の発明は、第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、車両が高速走行し、かつ、前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、前記第2の動力源を駆動して前記車両の駆動力を発生させる場合は、前記回転装置のトルクにより前記潤滑装置を駆動する潤滑手段を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、車両が高速走行し、かつ、第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる場合でも、回転装置のトルクにより潤滑装置が駆動されて、遊星歯車装置に供給される潤滑油量の低下が抑制される。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を前記回転装置のトルクにより抑制する回転数差抑制手段を、更に有していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の作用が生じる他に、遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加が、回転装置のトルクにより抑制される。
【0014】
請求項4の発明は、第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、前記潤滑油が所定温度未満であり、かつ、前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満であり、かつ、前記第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる場合は、前記回転装置のトルクにより前記潤滑装置を駆動する潤滑手段を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4の発明によれば、潤滑油が所定温度未満である時に第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる場合でも、回転装置のトルクにより潤滑装置が駆動されて、遊星歯車装置に供給される潤滑油量の低下が抑制される。
【0016】
請求項5の発明は、第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、前記潤滑油温が所定油温未満である場合に、前記遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を抑制する回転数差抑制手段を備えていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項5の発明によれば、潤滑油温が所定油温未満である場合は、遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加が抑制されて、潤滑油の必要量の増加が抑制される。
【0018】
請求項6の発明は、第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、前記第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる制御が所定期間以上継続する場合は、前記回転装置のトルクにより前記潤滑装置を駆動する潤滑手段を備えていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項6の発明によれば、第1の動力源の回転数が所定回転数未満となる場合でも、回転装置のトルクにより潤滑装置が駆動されて、遊星歯車装置に供給される潤滑油量の低下が抑制される。
【0020】
各請求項の発明において、「遊星歯車装置に潤滑油を供給する」には「遊星歯車装置を潤滑油で潤滑すること、および遊星歯車装置を潤滑油で冷却すること」が含まれる。各請求項の発明において、「第1の駆動力源の回転数が所定回転数未満」には、「第1の駆動力源の回転数が零」が含まれる。また、各請求項の発明において、「第1の駆動力源の回転数」には「第1の駆動力源の自律回転数」および「第1の駆動力源の空転回転数」が含まれる。また各請求項の発明において、「回転数」は「回転速度」と等価のパラメータである。
【0021】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の具体例を、図面に基づいて説明する。図2に示すパワートレーンは、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)形式のハイブリッド車の一例である。図1において、車両VEには動力源としてのエンジン1が設けられており、エンジン1の出力側には、トランスアクスル2が連結されている。なお、エンジン1のクランクシャフト3は、車両VEの幅方向(左右方向)に配置されている。
【0022】
トランスアクスル2は、ケーシング4を有し、ケーシング4の内部には、第1のモータ・ジェネレータ(MG)5と第2のモータ・ジェネレータ(MG)6とデファレンシャル7と動力分配装置8とが設けられている。第1のモータ・ジェネレータ5および第2のモータ・ジェネレータ6は、電力の供給によりトルクを出力する電動機としての機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能とを備えている。
【0023】
第1のモータ・ジェネレータ5は、ケーシング4に固定されたステータ9と、ステータの内側に設けられたロータ10とを有している。また、ロータ10と中空シャフト11とが一体回転するように連結されている。前記動力分配装置8は、第1のモータ・ジェネレータ5と第2のモータ・ジェネレータ6との間に設けられており、この動力分配装置8は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車装置により構成されている。すなわち、動力分配装置8は、サンギヤ12と、サンギヤ12と同心状に配置されたリングギヤ13と、サンギヤ12およびリングギヤ13に噛合するピニオンギヤ14を保持したキャリヤ15とを有している。サンギヤ12は前記中空シャフト11の外周に形成されている。
【0024】
前記中空シャフト11の内部にはメインシャフト16が設けられている。メインシャフト16は、クランクシャフト3と同心状に配置されており、クランクシャフト3からメインシャフト16に伝達されるトルクの上限値を決定するトルクリミッタ17が設けられている。また、クランクシャフト3からメインシャフト16に伝達されるトルクの変動を吸収するダンパ機構18が設けられている。さらにメインシャフト16には、前記キャリヤ15が連結されている。また、リングギヤ13にはドライブスプロケット19が連結されている。
【0025】
一方、第2のモータ・ジェネレータ6は、ケーシング4に固定されたステータ20と、ステータ20の内側に設けられたロータ21とを有している。このロータ21には中空シャフト22が連結されている。中空シャフト22はメインシャフト16の外周側に配置されており、中空シャフト22とメインシャフト16とが相対回転可能に構成されている。この中空シャフト22とリングギヤ13とが連結されている。
【0026】
さらに、メインシャフト16と相互に平行に、カウンタドライブシャフト23およびカウンタドリブンシャフト24が設けられている。カウンタドライブシャフト23にはドリブンスプロケット25およびカウンタドライブギヤ26が形成されている。そして、ドライブスプロケット19およびドリブンスプロケット25にはチェーン27が巻き掛けられている。カウンタドリブンシャフト24にはカウンタドリブンギヤ28およびファイナルドライブピニオンギヤ29が形成されており、カウンタドリブンギヤ28とカウンタドライブギヤ26とが噛合されている。
【0027】
さらに、デファレンシャル7は内部中空のデフケース30を有している。デフケース30は回転可能に構成されているとともに、デフケース30の外周にはリングギヤ31が設けられている。そして、ファイナルドライブピニオンギヤ29とリングギヤ31とが噛み合わされている。また、デフケース30の内部にはピニオンシャフト32が取り付けられており、ピニオンシャフト32には2つのピニオンギヤ33が取り付けられている。このピニオンギヤ33には2つのサイドギヤ34が噛み合わされている。2つのサイドギヤ34には別個にフロントドライブシャフト35が接続され、各フロントドライブシャフト35には、左右の車輪(前輪)36が接続されている。
【0028】
一方、オイルポンプ37が設けられており、オイルポンプ37は、メインシャフト16のトルクより駆動される構成となっている。また、オイルポンプ37から吐出されたオイル(潤滑油)を動力分配装置8などに供給する油路(図示せず)が設けられている。

【0029】
図3は、図2に示す車両VEの制御回路を示すブロック図である。電子制御装置38には、リングギヤ回転数センサ39の信号、アクセルポジションセンサ40の信号、エンジン回転数センサ41の信号、補機負荷センサ42の信号、油温センサ43の信号、第1のモータ・ジェネレータ5および第2のモータ・ジェネレータ6の回転数を検知するモータ・ジェネレータ回転数センサ44の信号などが入力される。前記補機負荷とは、エンジン1の動力を消費する補機の駆動要求を意味しており、補機負荷には、エアコン用コンプレッサの駆動要求、発電要求などが含まれる。電子制御装置38からは、エンジン1を制御する信号、第1のモータ・ジェネレータ5を制御する信号、第2のモータ・ジェネレータ6を制御する信号などが出力される。
【0030】
つぎに、車両VEの制御について説明する。電子制御装置38に入力される信号、および電子制御装置38に記憶されているデータに基づいて、エンジン1および第1のモータ・ジェネレータ5および第2のモータ・ジェネレータ6が制御される。例えば、車両VEが停止してる時にエンジン1を始動する場合は、第1のモータ・ジェネレータ5が電動機として駆動される。すると、リングギヤ13が反力要素となってキャリヤ15が回転し、キャリヤ15のトルクがメインシャフト16を経由してクランクシャフト3に伝達され、エンジン1がクランキングされる。そして、燃料の噴射および燃焼により、エンジン1が自律回転する。
【0031】
車両VEを走行させる場合は、エンジン1または第2のモータ・ジェネレータ6の少なくとも一方を動力源とすることができる。エンジン1および第2のモータ・ジェネレータ6の駆動・停止を制御するために、「エンジン走行モード」と「EV(Electric Vehicleの略称)走行モード」と「ハイブリッドモード」とを選択的に切り換え可能である。「エンジン走行モード」とは、エンジン1を駆動させ、かつ、第2のモータ・ジェネレータ6を停止させるモードである。また、「EV走行モード」とは、第2のモータ・ジェネレータ6を駆動させ、かつ、エンジン1への燃料の供給を停止するモードである。さらに、「ハイブリッドモード」とは、エンジン1および第2のモータ・ジェネレータ6を共に駆動させるモードである。
【0032】
つぎに、エンジン1または第2のモータ・ジェネレータ6が駆動された場合の動力伝達作用を説明する。エンジン1を駆動させるモードが選択されると、エンジン1のトルクがメインシャフト16を経由して動力分配装置8に伝達される。動力分配装置8に伝達されたトルクは、リングギヤ13、ドライブスプロケット19、チェーン27、カウンタドライブシャフト23、カウンタドリブンシャフト24を経由してデファレンシャル7に伝達される。デファレンシャル7に入力されたトルクは、フロントドライブシャフト35を経由して車輪36に伝達される。また、第2のモータ・ジェネレータ6を駆動させるモードが選択されると、第2のモータ・ジェネレータ6のトルクが、中空シャフト22からドライブスプロケット19に伝達される。
【0033】
さらに、エンジン1の自律回転中に、エンジントルクの一部を第1のモータ・ジェネレータ5に伝達して第1のモータ・ジェネレータ5を発電機として機能させ、発生した電気エネルギを蓄電装置(図示せず)に充電することもできる。さらにまた、車両の惰力走行時には、車両VEの走行エネルギによる車輪36の回転トルクを、動力分配装置8を経由させて第1のモータ・ジェネレータ5または第2のモータ・ジェネレータ6に伝達し、第1のモータ・ジェネレータ5または第2のモータ・ジェネレータ6を発電機として機能させ、発生した電気エネルギを蓄電装置に充電することもできる。
【0034】
一方、車両VEを後進走行(後退)させる場合は、第2のモータ・ジェネレータ6を駆動する。ここで、第2のモータ・ジェネレータ6の回転方向は、車両VEが前進走行する場合とは逆に制御される。なお、インプットシャフト16にトルクが伝達されると、オイルポンプ37が駆動されて、オイルポンプ37から吐出されたオイルが、動力分配装置8に供給される。このようにして、動力分配装置8を構成するギヤ同士の噛み合い部分が、オイルにより潤滑および冷却される。
【0035】
ここで、図2および図3に示された構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ14およびキャリヤ15が、この発明の第1の回転要素に相当し、リングギヤ13が、この発明の第2の回転要素に相当し、サンギヤ12が、この発明の第3の回転要素に相当し、動力分配装置8が、この発明の遊星歯車装置に相当し、エンジン1が、この発明の第1の動力源に相当し、第2のモータ・ジェネレータ6が、この発明の第2の動力源に相当し、第1のモータ・ジェネレータ5が、この発明の回転装置に相当し、オイルポンプ37が、この発明の潤滑装置に相当する。
【0036】
ところで、図2のパワートレーンにおいては、エンジントルクによりオイルポンプ37が駆動され、かつ、エンジン回転数が所定回転数未満であると、オイルポンプ37から吐出されるオイル量が減少し、動力分配装置8を構成するギヤの焼き付きが生じる可能性がある。このような不都合の対策として、以下に述べる各種の制御例を実行可能である。
【0037】
(第1の制御例)
この第1の制御例は、請求項1の発明に対応する制御例であり、第1の制御例のルーチンを、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、リングギヤ13の回転数Nrが算出される(ステップS1)。このリングギヤ13の回転数は、モータ・ジェネレータ回転数センサ44の信号により算出可能である。また、ステップS1の処理結果に基づいて、車速を算出することも可能である。このステップS1についで、アクセルペダルポジションセンサ40の信号が処理される(ステップS2)。このステップS2の処理結果から、運転者の車速制御意図を判断することが可能である。
【0038】
このステップS2についで、リングギヤ13から車輪36に伝達する動力Prの目標値が算出される(ステップS3)。このステップS3では、具体的には、ステップS1およびステップS2の処理結果に基づいて、リングギヤ13から出力するトルクの目標値と、リングギヤ13の回転数の目標値とが算出される。このステップS3についで、必要動力Pnが算出される(ステップS4)。この必要動力Pnは、ステップS3の算出結果と、補機負荷センサ45の信号の処理結果とに基づいて算出される。
【0039】
このステップS4についで、エンジン1から出力する動力Peの目標値が算出される(ステップS5)。エンジン1から出力する動力Peは、ステップS4で算出された必要動力Pnと、エンジン1からリングギヤ13に伝達される動力の伝達効率とに基づいて算出される。このステップS5の処理結果に基づいて、エンジン回転数Ne*の目標値と、エンジントルクTe*の目標値とが算出される(ステップS6)。
【0040】
このステップS6についで、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数Ng*の目標値を算出する(ステップS7)。この第1のモータ・ジェネレータ5の回転数Ng*は、
Ng*={(1+ρ)Ne*−Nr}/ρ
として算出される。上記の式において、ρは、第1のモータ・ジェネレータ5のトルクをリングギヤ13に伝達する場合における動力分配装置8の変速比である。
【0041】
この動力分配装置8の変速比ρは、
ρ=Zs/Zr
として算出される。ここで、Zsはサンギヤ12の歯数であり、Zrはリングギヤ13の歯数である。上記のステップS7についで、図4のマップに基づいてエンジン1の制御、第1のモータ・ジェネレータ5および第2のモータ・ジェネレータ6の制御を実行し(ステップS8)、図1の制御ルーチンのスタートに戻る。このステップS8の処理を具体的に説明する。図4に示すマップには、エンジン回転数と第2のモータ・ジェネレータ6の回転数とに対応して、差動領域A1が示されている。
【0042】
差動領域A1とは、動力分配装置8を構成する回転要素の各回転数を制御する領域を意味する。また、線分B1はエンジン回転数の最大値であり、線分C1は第2のモータ・ジェネレータ6の回転数の最大値であり、線分D1はピニオンギヤ14の回転数の最小値であり、線分E1はピニオンギヤ14の回転数の最大値であり、線分F1はサンギヤ12の回転数の最大値であり、線分G1は制限境界である。
【0043】
第2のモータ・ジェネレータ6の回転数の最大値は、電流値などにより決定される特性である。つぎに、ピニオンギヤ14の回転数について説明する。動力分配装置8のサンギヤ12は、第1のモータ・ジェネレータ5の特性による回転数の制限値が存在し、ピニオンギヤ14の回転数の最大値は、サンギヤ12の回転数の制限値のもとで、リングリヤ13の回転数に応じて変化する。リングギヤ13の回転数は、車速と等価のパラメータである。
【0044】
また、線分G1は、エンジン回転数が所定回転数Ne1未満であり、かつ、第2のモータ・ジェネレータ6の回転数が所定回転数Nmg2以上である部分に設定されている。これらの線分B1ないし線分G1により取り囲まれた部分に、差動領域A1が設定されている。また差動領域A1から線分G1を隔てて非差動領域H1が設定されている。非差動領域H1とは、差動領域A1を選択しない領域、言い換えれば、動力分配装置8を構成する回転数を、第1のモータ・ジェネレータ5により制御しない領域を意味する。
【0045】
上記ピニオンギヤ14の回転数Npの最小値は、
Np=−A
であり、なお、ピニオンギヤ14の回転数Npの最大値は、
Np=C
であり、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数Ngは、
Ng=B
である。各式において、A、B、Cは定数である。
【0046】
前述のステップS8においては、エンジン回転数が所定回転数Ne1未満である場合に、非差動領域H1が選択されないような処理を実行する。つまり、差動領域A1が選択される。このように、第1の制御例においては、エンジン1が自律回転しており、かつ、エンジン回転数Ne*の目標値が所定回転数Ne1未満である場合は、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数を制御することにより、非作動領域H1を選択しないように制御することにより、ギヤ同士の回転にともなう摺動部分、およびギヤ同士の噛み合い部分の焼き付きを抑制するために必要なオイル量を低減することができる。見方を変えれば、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数を高めて、オイルポンプ37の回転数を高めて、オイルポンプ37のオイルオイル吐出量を増加すると言い換えることもできる。
【0047】
定性的に説明すれば、動力分配装置8で必要なオイル量と、動力分配装置8に供給されるオイル量との差を、可及的に小さくすることができる。したがって、動力分配装置8の潤滑性能および冷却性能の低下を抑制でき、各ギヤの焼き付きを回避することができる。ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS7,S8が、この発明の回転数差抑制手段に相当する。また、「動力分配装置8の機械的な要因により決定される差動領域よりも、狭い差動領域にすること」、または「回転数の差を小さくすること」が、この発明の「回転数差の増加を抑制する」に相当する。さらに「オイル」がこの発明の「潤滑油」に相当する。
【0048】
(第2の制御例)
この第2の制御例は、請求項2および請求項3の発明に対応する制御例である。この第2の制御例のルーチンを、図5のフローチャートに基づいて説明する。図5のフローチャートにおいて、図1のフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。図5のフローチャートにおいては、ステップS7についで、要求運転領域が、図6のマップの領域S1であるか否かが判断される(ステップS11)。領域S1とは、エンジン1に燃料を供給せず、かつ、第2のモータ・ジェネレータ6を電動機として駆動させ、第2のモータ・ジェネレータ6のトルクを車輪36に伝達する領域を意味する。
【0049】
例えば、車両VEが高速走行し、かつ、前述したエンジン走行モードからEV走行モードに切り換える場合は、ステップS11で肯定的に判断される。ステップS11で肯定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数を上昇させて、エンジン1の空転回転数を上昇させ、ピニオンギヤ14の回転数Npを、図6の線分E1上に設定し(ステップS12)、図5の制御ルーチンのスタートに戻る。
【0050】
つまり、車両VEが高速走行し、かつ、エンジン1への燃料の供給を停止する場合は、動力分配装置8の各ギヤの回転数差が大きくなりやすいが、この図5の制御例では、第1のモータ・ジェネレータ5のトルクによりオイルポンプ37を駆動することにより、オイルポンプ37から動力分配装置8に供給されるオイル量の低下を防止することができる。また、動力分配装置8を構成するギヤ同士の回転数差の増加を抑制することができる。したがって、動力分配装置8を構成する各ギヤの焼き付きを抑制することができる。
【0051】
なお、ステップS11で否定的に判断された場合は、通常制御を実行し(ステップS13)、図5の制御ルーチンのスタートに戻る。ここで、通常制御とはステップS6,S7の処理に対応する制御を意味する。また、図5のフローチャートに示す機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS11,S12が、この発明の潤滑装置制御手段に相当する。
【0052】
(第3の制御例)
この第3の制御例は、請求項4の発明に対応する制御例である。第4の制御例のルーチンを、図7のフローチャートに基づいて説明する。図7のフローチャートにおいて、図1のフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付してある。図7の制御ルーチンにおいては、ステップS7についで、オイルポンプ37から動力分配装置8に供給されるオイルの油温tが、油温センサ43により検知される(ステップS21)。このステップS21についで、油温tが所定油温t1未満であり、かつ、エンジン回転数Ne*の目標値が所定エンジン回転数Ne1未満であるか否かが判断される(ステップS22)。
【0053】
オイルの油温tが低い場合は、粘度が高まり、動力分配装置8に供給されるオイル量が減少する。また、エンジン回転数が低い場合は、オイルポンプ37の吐出量が減少し、動力分配装置8に供給されるオイル量が減少する。このため、動力分配装置8の各ギヤの焼き付きが生じる可能性がある。そこで、ステップS22で肯定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数を上昇させて、エンジン回転数を、前述した図4のエンジン回転数Ne1以上に上昇させて(ステップS23)、図7の制御ルーチンのスタートに戻る。なお、所定油温t1、所定エンジン回転数Ne1は定数である。
【0054】
このようにして、オイルポンプ37から動力分配装置8に供給されるオイル量の低下を防止することができる。また、動力分配装置8を構成するギヤ同士の回転数差の増加を抑制することができる。したがって、動力分配装置8を構成する各ギヤの焼き付きを抑制することができる。なお、ステップS22で否定的に判断された場合は、通常制御を実行し(ステップS24)、図7の制御ルーチンのスタートに戻る。ここで、通常制御とはステップS6,S7の処理に対応する制御を意味する。また、図7のフローチャートに示す機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS21ないしS23が、この発明の潤滑装置制御手段に相当する。また、「所定油温t1」が、この発明の「所定温度」に相当する。なお、潤滑油の温度は、エンジンの冷却水温、または外気温、または潤滑油の粘度から、間接的に判断することも可能である。
【0055】
(第4の制御例)
この第4の制御例は、請求項5の発明に対応する制御例である。第4の制御例のルーチンを、図8のフローチャートに基づいて説明する。図8のフローチャートにおいて、図1のフローチャートおよび図7のフローチャートと同じ処理については、図1および図7と同じステップ番号を付してある。図8においては、ステップS21についで、油温tが所定油温t1未満であるか否かが判断される(ステップS31)。なお、所定油温t1は定数である。このステップS31で肯定的に判断されるということは、オイルの粘度が高いことを意味する。そこで、ステップS31で肯定的に判断された場合は、ステップS32の処理を実行し、この制御ルーチンのスタートに戻る。これに対して、ステップS31で否定的に判断された場合は、ステップS33の処理を実行し、図8の制御ルーチンのスタートに戻る。
【0056】
ステップS32,S33の処理を、図9のマップに基づいて説明する。図9のマップの符号は、図4のマップの符号と同じ符号を用いている。図9のマップにおいては、ピニオンギヤ14の回転数の最小値として、線分D1および線分D1aが示され、ピニオンギヤ14の回転数の最大値として、線分E1および線分E1aが示されている。ここで、線分D1および線分E1が、ステップS33の処理で用いられる線分であり、線分D1aおよび線分E1aが、ステップS32の処理で用いられる線分である。そして、線分D1aおよび線分E1aは、線分D1と線分E1との間に配置されている。つまり、線分D1aと線分E1aとの距離は、線分D1と線分E1との距離よりも短い。さらに、線分D1と線分E1との間に差動領域A1が設定され、線分D1aと線分E1aとの間に差動領域A1aが設定されている。
【0057】
言い換えれば、ピニオンギヤ14の回転数の絶対値を小さくすることにより、動力分配装置8を潤滑するために必要なオイル量を低減し、動力分配装置8を構成するギヤの焼き付きを抑制している。なお、ピニオンギヤ14の最大値および最小値は、ピニオンギヤ14の正転側および逆転側の限界を意味する。
【0058】
そして、ステップS32においては、線分D1aおよび線分E1aに基づいて、第1のモータ・ジェネレータ5の制御、および第2のモータ・ジェネレータ6の制御、およびエンジン1の制御が実行される。これに対して、ステップS33においては、線分D1および線分E1に基づいて、第1のモータ・ジェネレータ5の制御、および第2のモータ・ジェネレータ6の制御、およびエンジン1の制御が実行される。
【0059】
このように、オイルの油温tが所定油温t1未満である場合に選択される差動領域A1aは、オイルの油温tが所定油温t1以上である場合に選択される差動領域A1よりも狭い。したがって、オイルの油温tが所定油温t1未満である場合に、動力分配装置8に供給するべきオイルの不足が生じることを抑制でき、動力分配装置8を構成する各ギヤの焼き付きを抑制できる。ここで、図8に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS21,S31,S32が、この発明の回転数差抑制手段に相当する。
【0060】
(第5の制御例)
この第5の制御例は、請求項6の発明に対応する制御例である。第5の制御例のルーチンを、図10のフローチャートに基づいて説明する。図10のフローチャートにおいて、図1のフローチャートと同じ処理については、図1と同じステップ番号を付してある。図10においては、ステップS7についでステップS41の処理がおこなわれる。このステップS41においては、電子制御装置38に入力される信号およびデータに基づく処理、具体的には、ステップS1ないしステップS7の処理に基づいて、第1のモータ・ジェネレータ5および第2のモータ・ジェネレータ6およびエンジン1が制御される。
【0061】
ステップS41についで、エンジン回転数Neが所定回転数Ne1未満であるか否かが判断される(ステップS42)。例えば、▲7▼第2のモータ・ジェネレータ6が駆動され、かつ、エンジン1が自律回転しているが、エンジン回転数が低い場合、または▲8▼第2のモータ・ジェネレータ6が駆動されているが、エンジン1への燃料の供給が停止されている場合は、ステップS42で肯定的に判断される。このステップS42で肯定的に判断された場合は、カウンタKを、
K=K+1
とする処理がおこなわれる(ステップS43)。このカウンタKとは、図10のルーチンを実行中に、ステップS42で肯定的に判断された回数を意味する。ステップS43についで、
K>K1
であるか否かが判断される。K1は所定回数である。
【0062】
ステップS44で肯定的に判断された場合は、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数を上昇させて、エンジン回転数をNe1以上に制御し、かつ、カウンタKをリセットし(ステップS45)、図10の制御ルーチンのスタートに戻る。例えばエンジン1が自律回転している場合は、エンジン1が自律回転している状態のまま、第1のモータ・ジェネレータ5のトルクにより、エンジン回転数が高められる。これに対して、エンジン1に燃料の供給がおこなわれていない場合は、第1のモータ・ジェネレータ5の回転数を上昇させて、エンジン1の空転回転数を上昇させる。
【0063】
前記ステップS44で否定的に判断された場合は、通常制御を実行し(ステップS46)、図10の制御ルーチンのスタートに戻る。ここで、このステップS46で実行される制御は、ステップS41で実行される制御と同じである。一方、前記ステップS42で否定的に判断された場合は、カウンタKをリセットし(ステップS47)、ステップS46に進む。
【0064】
このように、第5の制御例においては、第2のモータ・ジェネレータ6が駆動されていることを前提とし、▲1▼エンジン回転数Neが所定回転数Ne1未満である状態で、所定時間が経過した場合、または、▲2▼エンジン回転数Neが所定回転数Ne1未満である状態で、車両VEが所定距離以上走行した場合、はステップS45に進み、一時的にオイルポンプ37のオイル吐出量を増加することができる。したがって、第5の制御例においても、第1の制御例と同様の作用効果を得ることができる。
【0065】
ここで、図10に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS42ないしステップS45が、この発明の潤滑手段に相当する。また、「第2のモータ・ジェネレータ6が駆動されていることを前提とし、▲7▼エンジン回転数Neが所定回転数Ne1未満である状態で、所定時間が経過した場合、または、▲8▼エンジン回転数Neが所定回転数Ne1未満である状態で、車両VEが所定距離以上走行した場合、」が、この発明の「第1の動力源を停止し、かつ、第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる状態が所定期間以上継続する場合」に相当する。
【0066】
なお、図2に示す実施例においては、エンジン1とオイルポンプ37との間に、第1のモータ・ジェネレータ5および第2のモータ・ジェネレータ6が配置されているとともに、第1のモータ・ジェネレータ5と第2のモータ・ジェネレータ6との間に動力分配装置8が配置されているが、各要素同士の配置位置関係は、図2示す構成以外の構成の車両においても、各制御例を実行可能である。例えば、エンジンと第1のモータ・ジェネレータとの間にオイルポンプが配置されている構成の車両が挙げられる。また、エンジンのクランクシャフトが車両の前後方向に配置され、エンジンおよび第1のモータ・ジェネレータおよび第2のモータ・ジェネレータと、後輪とが動力伝達可能に連結された構成の車両、つまり、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)形式の車両においても、各制御例を実行可能である。さらに、遊星歯車装置はダブルピニオン形式の遊星歯車装置であてもよい。
【0067】
ここで、上記の制御例で説明した特徴的な構成を記載する。まず、第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満か否かを判断する回転数判断手段と、この回転数判断手段の判断結果に基づいて、前記遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差を、前記回転装置のトルクにより制御する回転数差抑制手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置である。
【0068】
さらに、第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、車輪に伝達するべき必要動力を算出する必要動力算出手段(ステップS4)と、算出された必要動力に基づいて、第1の動力源の回転数の目標値を算出する目標回転数算出手段(ステップS5,S6)と、前記遊星歯車装置に供給するべき潤滑油の目標量を算出する必要潤滑油量判断手段(ステップS11、ステップS22、ステップS31、ステップS42,S43,S44)と、目標回転数算出手段の算出結果および必要潤滑油量判断手段の判断結果に基づいて、前記第1の駆動力源の回転数を制御する回転数制御手段(ステップS12,S13、ステップS23,S24、ステップS32,S33、ステップS45,S46)とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置である。
【0069】
また、特許請求の範囲に記載された各請求項において、「回転数差抑制手段」を、「回転数差抑制器」または「回転数差抑制コントローラ」と読み替え、「潤滑手段」を、「潤滑器」または「潤滑コントローラ」と読み替えることも可能である。また、「回転数差抑制手段」を、「回転数差抑制ステップ」と読み替え、「潤滑手段」を、「潤滑ステップ」と読み替え、「ハイブリッド駆動装置の制御装置」を、「ハイブリッド駆動装置の制御方法」と読み替えることも可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、第1の動力源が所定回転数未満となる場合でも、第1の回転要素と他の回転要素との回転数差の増加を抑制することができる。したがって、遊星歯車装置の焼き付きを抑制することができる。
【0071】
請求項2の発明によれば、車両が高速走行し、かつ、第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる場合においても、回転装置のトルクにより潤滑装置を駆動するため、遊星歯車装置に供給される潤滑油量の低下を抑制することができる。したがって、遊星歯車装置の焼き付きを抑制することができる。
【0072】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を抑制することができ、遊星歯車装置の焼き付きを、一層確実に抑制することができる。
【0073】
請求項4の発明によれば、潤滑油が所定温度未満となり、かつ、第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる場合であっても、回転装置のトルクにより潤滑装置を駆動することができる。したがって、遊星歯車装置に供給される潤滑油量の低下を抑制することができ、遊星歯車装置の焼き付きを抑制することができる。
【0074】
請求項5の発明によれば、潤滑油が所定温度未満となり、潤滑油の粘度が高まった場合でも、遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を抑制することができ、潤滑油の必要量の増加を抑制することができる。したがって、遊星歯車装置の焼き付きを抑制することができる。
【0075】
請求項6の発明によれば、第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる期間が所定期間以上継続する場合は、回転装置のトルクにより潤滑装置を駆動することで、遊星歯車装置に供給される潤滑油量の低下を抑制することができる。したがって、遊星歯車装置の焼き付きを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の制御例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明の各制御例を実行可能な車両のパワートレーンを示すスケルトン図である。
【図3】 図2に示す車両の制御系統を示すブロック図である。
【図4】 図1に示すフローチャートで用いるマップの一例である。
【図5】 この発明の第2の制御例を示すフローチャートである。
【図6】 図5に示すフローチャートで用いるマップの一例である。
【図7】 この発明の第3の制御例を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の第4の制御例を示すフローチャートである。
【図9】 図8のフローチャートで用いるマップの一例である。
【図10】 この発明の第5の制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 5…第1のモータ・ジェネレータ、 6…第2のモータ・ジェネレータ、 8…動力分配装置、 12…サンギヤ、 13…リングギヤ、 14…ピニオンギヤ、 15…キャリヤ、 37…オイルポンプ。

Claims (6)

  1. 第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、
    前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満となる場合は、前記遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を抑制する回転数差抑制手段を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
  2. 第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、
    車両が高速走行し、かつ、前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、前記第2の動力源を駆動して前記車両の駆動力を発生させる場合は、前記回転装置のトルクにより前記潤滑装置を駆動する潤滑手段を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
  3. 前記遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を前記回転装置のトルクにより抑制する回転数差抑制手段を、更に有していることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド駆動装置の制御装置。
  4. 第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、
    前記潤滑油が所定温度未満であり、かつ、前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満であり、かつ、前記第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる場合は、前記回転装置のトルクにより前記潤滑装置を駆動する潤滑手段を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
  5. 第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、
    前記潤滑油温が所定油温未満である場合に、前記遊星歯車装置の回転要素同士の回転数差の増加を抑制する回転数差抑制手段を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
  6. 第1の回転要素および第2の回転要素および第3の回転要素を有する遊星歯車装置と、前記第1の回転要素に連結された第1の動力源と、前記第2の回転要素に連結された第2の動力源と、前記第3の回転要素に連結された回転装置と、前記第1の回転要素のトルクにより駆動され、かつ、前記遊星歯装置に潤滑油を供給する潤滑装置とを有するハイブリッド駆動装置の制御装置において、
    前記第1の動力源の回転数が所定回転数未満となり、かつ、前記第2の動力源を駆動して車両の駆動力を発生させる制御が所定期間以上継続する場合は、前記回転装置のトルクにより前記潤滑装置を駆動する潤滑手段を備えていることを特徴とするハイブリッド駆動装置の制御装置。
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