JP5157275B2 - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の走行のための動力源として2種類の動力源を備えているハイブリッド車に関し、特に、内燃機関と、発電機としての機能を有する電動機と、それら内燃機関と電動機および出力部材との間でトルクの分配・合成あるいは伝達を行う伝動機構を備えているハイブリッド車を対象とする制御装置に関するものである。
この種のハイブリッド車の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されているハイブリッド駆動装置は、第1の回転要素(キャリア)および第2の回転要素(リングギヤ)および第3の回転要素(サンギヤ)を有する遊星歯車機構により構成される動力分配装置と、キャリアに連結されたエンジンと、リングギヤに連結された第2モータ・ジェネレータとを備えていて、エンジンの回転数が所定回転数未満となる場合に、遊星歯車機構の各回転要素同士の回転数差の増加を抑制するように構成されている。
さらに、この特許文献1に記載されているハイブリッド駆動装置は、エンジンのトルクにより駆動されて動力分配装置にオイルを供給するオイルポンプと、前記遊星歯車機構のサンギヤに連結された第1モータ・ジェネレータとを備えていて、エンジンが停止している場合には、第1モータ・ジェネレータのトルクによりオイルポンプを駆動し、動力分配装置へ供給される潤滑油量の低下を防止するようになっている。
また、特許文献2には、内燃機関(エンジン)を停止させた状態で電動機(モータ・ジェネレータ)を動作させる場合に、例えばエンジンのスロットルバルブや吸・排気弁を制御して、エンジンのポンピングロス(ポンプ損失)を低減するように構成されたハイブリッド車が記載されている。
特開2004−260932号公報 特開平9−4479号公報
上記の特許文献1に記載されているハイブリッド駆動装置のように、エンジンのトルクによりオイルポンプを駆動するように構成されている場合、エンジンの回転数が低くなり、それによりオイルポンプの回転数も低くなると、オイルポンプによって動力分配装置へ供給される潤滑油量が不足する可能性がある。そのため、特許文献1に記載されているハイブリッド駆動装置のように、エンジンの回転数が低い場合に、第1モータ・ジェネレータの回転数を正の方向(エンジンと同じ回転方向)へ上昇させるように制御することにより、動力分配装置を構成する遊星歯車機構の各ギヤ間の相対回転数を低下させるとともに、エンジンの回転数すなわちオイルポンプの回転数を上昇させて、遊星歯車機構の各ギヤの焼き付きを防止するために必要な潤滑油の供給量を確保するように構成されている。
すなわち、図7の共線図に示すように、動力分配装置を構成する遊星歯車機構のキャリアに連結されているエンジンの回転数が低い場合、サンギヤに連結されている第1モータ・ジェネレータの回転数を正の方向に上昇させることにより、キャリアすなわちエンジンの回転数が正の方向へ引き上げられる。その結果、サンギヤとキャリアとリングギヤとの間の相対回転数がそれぞれ小さくなり、動力分配装置で必要な潤滑油量が少なくなるとともに、エンジンの回転数が上昇させられることによってオイルポンプにより動力分配装置へ供給される潤滑油量が増大する。
しかしながら、エンジンの回転数が低い場合、特にエンジンが停止させられて第2モータ・ジェネレータのトルクにより車両を走行させるいわゆるモータ走行(EV走行)を行う場合、言い換えると、エンジンの回転を制御するスロットルバルブの開度が小さい場合、特にスロットルバルブが全閉にされてモータ走行を行う場合に、上記のように第1モータ・ジェネレータによりエンジン回転数を引き上げる制御を行った場合は、エンジンの吸気行程におけるシリンダ内部の負圧による大きなポンピングロス(ポンプ損失)が発生し、第1モータ・ジェネレータを駆動するための電力消費量が大幅に増大してしまう場合があった。
また、上記のように第1モータ・ジェネレータによりエンジン回転数を引き上げることによって、遊星歯車機構の各ギヤ間の相対回転数が低下して、言い換えると、各ギヤ間の回転数差が減少して、動力分配装置の必要潤滑油量が少なくなる。一方、オイルポンプによる潤滑油の供給量はエンジン回転数の上昇により増加するため、オイルポンプによる動力分配装置への潤滑油の供給が過剰になり、その分、オイルポンプの損失が増大してしまう場合があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、内燃機関の運転を停止して電動機の動力により車両を走行させるモータ走行時に、オイルポンプによる潤滑油の供給量を適切に制御するとともに、内燃機関のポンピングロスおよびオイルポンプの損失を低減することのできるハイブリッド車の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関と、発電機としての機能を有する2つの電動機と、前記内燃機関および各電動機の動力を合成もしくは分配して出力するとともに、第1回転要素および第2回転要素ならびに第3回転要素を有する遊星歯車機構によって構成された動力分配装置とを備え、前記動力分配装置へ潤滑油を供給するオイルポンプと前記内燃機関とが前記第1回転要素にそれぞれ連結され、いずれか一方の前記電動機が前記第2回転要素に連結され、他方の前記電動機が前記第3回転要素に連結されているハイブリッド車の制御装置において、前記内燃機関の運転を停止して前記電動機の出力するトルクにより車両を走行させるモータ走行時に、前記内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度を制御することにより、前記内燃機関が外部からのトルクにより回転させられる際に発生するポンピングロスを低減させるポンピングロス低減手段と、前記モータ走行時に、前記一方の電動機の回転を制御して前記オイルポンプの吐出量を制御することにより、車速に応じて前記動力分配装置で最低限必要とされる量の潤滑油を前記オイルポンプから前記動力分配装置へ供給する必要潤滑油量確保手段とを備えており、前記必要潤滑油量確保手段は、前記ポンピングロス低減手段による制御が実行されて、前記スロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が前記ポンピングロスを低減させるために必要な所定の開度以上開いた後に、前記オイルポンプの吐出量を制御するための前記一方の電動機の回転制御を実行する手段を含み、前記必要潤滑油量確保手段による制御が中止されて、前記内燃機関の回転数がゼロになった後に、前記スロットルバルブもしくは吸気バルブの開度を全閉もしくはアイドリング運転時に相当する開度だけ開いた状態に制御するポンピングロス低減制御中止手段を更に備えていることを特徴とするものである。
そして、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記モータ走行状態から前記内燃機関を運転して車両を走行させる状態へ切り換える場合に、前記必要潤滑油量確保手段による制御が中止され、前記内燃機関の回転が停止し、さらに前記ポンピングロス低減手段により前記スロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が全閉もしくはアイドリング運転時に相当する開度だけ開いた状態に制御された後に、前記内燃機関を始動する内燃機関始動手段を更に備えていることを特徴とする制御装置である。
請求項1の発明によれば、モータ走行が行われる場合に、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が制御されて、内燃機関のポンピングロスが低減される。そして、いずれか一方の電動機がモータとして駆動されて、その電動機の出力トルクが動力分配装置の遊星歯車機構を介してオイルポンプに伝達され、それによりオイルポンプが駆動されて動力分配装置に潤滑油が供給される。その際に動力分配装置に供給される潤滑油量が、車速に応じて変化する動力分配装置の潤滑および冷却のために必要な最小量となるように、前記一方の電動機の回転が制御される。そのため、モータ走行時に内燃機関の運転が停止している場合であっても、オイルポンプにより、車速に応じた適切な量の潤滑油を動力分配装置に供給することができ、動力伝達装置に必要以上に潤滑油が供給されてしまうことによるオイルポンプの損失を低減することができる。その結果、モータ走行時に、内燃機関のポンピングロスおよびオイルポンプの損失を低減して、電動機の電力消費量を低減することができる。
また、モータ走行時に、内燃機関のポンピングロスを低減するために、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が所定量以上開かれた後に、オイルポンプの吐出量すなわちオイルポンプの回転数を制御するための前記一方の電動機の回転制御が実行される。そのため、モータ走行時における前記一方の電動機の回転制御中に、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が制御されて内燃機関のポンピングロスが変化することにより生じる出力軸でのトルク変動を回避することができる。
また、モータ走行時に、オイルポンプの吐出量すなわちオイルポンプの回転数を制御するための前記一方の電動機の回転制御が中止されて、内燃機関の回転が停止した後に、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が、全閉の状態もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態に制御される。そのため、モータ走行時における前記一方の電動機の回転制御中に、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が制御されて内燃機関のポンピングロスが変化することにより生じる出力軸でのトルク変動を回避することができる。
そして、請求項2の発明によれば、モータ走行時に、内燃機関のポンピングロスを低減するために、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が所定量以上開かれた後に、オイルポンプの吐出量すなわちオイルポンプの回転数を制御するための前記一方の電動機の回転制御が実行される。その後、モータ走行状態から内燃機関単独の動力もしくは内燃機関と電動機との動力により車両を走行させる状態へ切り換えられる場合には、前記一方の電動機の回転制御が中止されて、内燃機関の回転が停止した後に、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が、全閉の状態もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態に制御される。そしてその後に、前記内燃機関の始動が開始される。そのため、モータ走行時における前記一方の電動機の回転制御中に、内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が制御されて内燃機関のポンピングロスが変化することにより生じる出力軸でのトルク変動を回避することができる。また、内燃機関を始動する際に、スロットルバルブもしくは吸気バルブが所定開度開いた状態、あるいは前記一方の電動機により内燃機関が所定回転数で回転している状態で点火されることにより発生する内燃機関の初爆時のショックを防止することができる。
つぎに、この発明を図を参照して具体的に説明する。図5は、この発明に係るハイブリッド車の駆動系統を示すスケルトン図であり、ここに示す例は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)形式のハイブリッド車Veの一例である。図5において、車両Veには動力源として内燃機関1が設けられている。内燃機関1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいは天然ガスエンジンなどの燃料を燃焼して動力を出力する動力機関であり、ここに示す例では、スロットル開度などの負荷を電気的に制御することが可能な電子スロットルバルブ1aを備えていて、所定の負荷に対して回転数を制御することにより燃費が最も良好な最適運転点に設定できる内燃機関である。以下、内燃機関1をエンジン1と記す。
エンジン1の出力側には、トランスアクスル2が連結されている。なお、エンジン1のクランクシャフト3は、車両Veの幅方向(図5の左右方向)に配置されている。トランスアクスル2は、ケーシング4を有し、ケーシング4の内部には、第1モータ・ジェネレータ(MG1)5、および第2モータ・ジェネレータ(MG2)6、およびデファレンシャル7、ならびに動力分配装置8が設けられている。第1モータ・ジェネレータ5および第2モータ・ジェネレータ6は、電力の供給によりトルクを出力する電動機としての機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能とを兼ね備えている。
第1モータ・ジェネレータ5は、ケーシング4に固定されたステータ9と、そのステータ9の内側に設けられたロータ10とを有している。また、ロータ10と中空シャフト11とが一体回転するように連結されている。前記動力分配装置8は、第1モータ・ジェネレータ5と第2モータ・ジェネレータ6との間に設けられており、この動力分配装置8は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構により構成されている。すなわち、動力分配装置8は、サンギヤ12と、そのサンギヤ12と同心状に配置されたリングギヤ13と、サンギヤ12およびリングギヤ13に噛合するピニオンギヤ14を保持したキャリア15とを有している。サンギヤ12は前記中空シャフト11の外周に形成されている。
中空シャフト11の内部にはメインシャフト16が設けられている。メインシャフト16は、クランクシャフト3と同心状に配置されており、クランクシャフト3からメインシャフト16に伝達されるトルクの上限値を決定するトルクリミッタ17が設けられている。また、クランクシャフト3からメインシャフト16に伝達されるトルクの変動を吸収するダンパ機構18が設けられている。さらにメインシャフト16には、前記キャリア15が連結されている。また、リングギヤ13にはドライブスプロケット19が連結されている。
一方、第2モータ・ジェネレータ6は、ケーシング4に固定されたステータ20と、そのステータ20の内側に設けられたロータ21とを有している。このロータ21には中空シャフト22が連結されている。中空シャフト22はメインシャフト16の外周側に配置されており、中空シャフト22とメインシャフト16とが相対回転可能に構成されている。そして、この中空シャフト22とリングギヤ13とが連結されている。
さらに、メインシャフト16と相互に平行に、カウンタドライブシャフト23およびカウンタドリブンシャフト24が設けられている。カウンタドライブシャフト23にはドリブンスプロケット25およびカウンタドライブギヤ26が形成されている。そして、ドライブスプロケット19およびドリブンスプロケット25にはチェーン27が巻き掛けられている。カウンタドリブンシャフト24にはカウンタドリブンギヤ28およびファイナルドライブピニオンギヤ29が形成されており、カウンタドリブンギヤ28とカウンタドライブギヤ26とが噛合されている。
さらに、デファレンシャル7は内部中空のデフケース30を有している。デフケース30は回転可能に構成されているとともに、デフケース30の外周にはリングギヤ31が設けられている。そして、ファイナルドライブピニオンギヤ29とこのリングギヤ31とが噛み合わされている。また、デフケース30の内部にはピニオンシャフト32が取り付けられており、このピニオンシャフト32には2つのピニオンギヤ33が取り付けられている。このピニオンギヤ33には2つのサイドギヤ34が噛み合わされている。2つのサイドギヤ34には別個にフロントドライブシャフト35が接続され、そして、各フロントドライブシャフト35は、左右の車輪(前輪)36が接続されている。
そして、オイルポンプ37が設けられており、このオイルポンプ37は、メインシャフト16のトルクより駆動される構成となっている。すなわち、オイルポンプ37のロータ軸が、メインシャフト16および動力分配装置8のキャリア15に連結されている。したがって、オイルポンプ37には、メインシャフト16を介してエンジン1の出力するトルクが伝達されるとともに、動力分配装置8を介して第1モータ・ジェネレータ5もしくは第2モータ・ジェネレータ6の出力するトルクが伝達される構成となっている。すなわち、このオイルポンプ37は、エンジン1の出力するトルクにより駆動されるとともに、動力分配装置を介して伝達される第1モータ・ジェネレータ5もしくは第2モータ・ジェネレータ6の出力するトルクにより駆動することもできる。そして、オイルポンプ37から吐出されたオイル(潤滑油)を動力分配装置8などに供給する油路(図示せず)が設けられている。
図6は、図5に示す車両Veの制御系統を示すブロック図である。電子制御装置(ECU)38には、リングギヤ回転数センサ39の信号、アクセルポジションセンサ40の信号、エンジン回転数センサ41の信号、補機負荷センサ42の信号、油温センサ43の信号、第1モータ・ジェネレータ5および第2モータ・ジェネレータ6の回転数を検知するモータ・ジェネレータ回転数センサ44の信号、前輪36もしくはフロントドライブシャフト35および後輪(図示せず)の回転数を検知する車輪速センサ45の信号などが入力される。補機負荷とは、エンジン1の動力を消費する補機の駆動要求を意味しており、例えば、エアコン用コンプレッサの駆動要求、発電要求などが含まれる。一方、電子制御装置38からは、エンジン1を制御する信号、第1モータ・ジェネレータ5を制御する信号、第2モータ・ジェネレータ6を制御する信号などが出力される。
前述したように、この発明で対象とするハイブリッド車は、エンジン1により駆動されるオイルポンプ37により、動力分配装置8や他の被潤滑部位にオイルを供給するように構成されている。そのため、エンジン1の運転を停止して、例えば第2モータ・ジェネレータ6の出力するトルクのみによって車両Veを走行させるいわゆるモータ走行(EV走行)の際に、オイルポンプ37の回転数が低下もしくは駆動が停止することによりオイルポンプ37の吐出量が減少し、動力分配装置8などの被潤滑部位に供給されるオイルが不足する可能性がある。このオイル供給量の不足を解消するために、第1モータ・ジェネレータ5を力行制御することにより、エンジン1の回転数すなわちオイルポンプ37の回転数を上昇させて、オイルポンプ37によるオイル供給量を増大することができる。
しかしながら、その場合、第1モータ・ジェネレータ5の出力トルクにより駆動(空転)されるエンジン1では、エンジン1の吸気行程の際のシリンダ内部の負圧によって大きな回転抵抗が生じ、その結果、この抵抗による損失すなわちエンジン1のポンピングロス(ポンプ損失)が発生してしまう。また、第1モータ・ジェネレータ5を力行制御することによりエンジン1すなわち動力分配装置8のキャリア15の回転数が引き上げられると、動力分配装置8のキャリア15およびサンギヤ12ならびにリングギヤ13の間の各相対回転数もしくは各回転数差がそれぞれ少なくなり、そのため第1モータ・ジェネレータ5によりキャリア15の回転数が引き上げられる以前の各相対回転数もしくは各回転数差が大きい場合と比較して、動力分配装置8において必要とされるオイル量が少なくなる。その結果、第1モータ・ジェネレータ5の出力トルクにより駆動されるオイルポンプ37によって動力分配装置8に供給されるオイル量が、実際に必要とされるオイル量よりも多くなって、その分オイルポンプ37の損失が増大してしまう。
そこで、この発明におけるハイブリッド車の制御装置は、第2モータ・ジェネレータ6の出力するトルクによるモータ走行時に、第1モータ・ジェネレータ5の回転を適切に制御することにより、エンジン1の回転数すなわちオイルポンプ37によるオイルの吐出量を制御して、動力分配装置8などの被潤滑部位に適切にオイルを供給することができ、また、モータ走行時におけるエンジン1のポンピングロスおよびオイルポンプ37の損失を低減することができるように構成されている。その制御の具体例を以下に説明する。
図1は、この発明における制御装置の制御例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図1において、先ず、車両Veに要求される走行状態(走行モード)が、モータ走行(EV走行)モードであるか否かが判断される(ステップS1)。
車両Veの走行モードとしてモータ走行モードが要求されたことにより、このステップS1で肯定的に判断された場合は、ステップS2へ進み、エンジン1の運転が停止させられるとともに、第2モータ・ジェネレータ6の回転が力行制御され、第2モータ・ジェネレータ6がトルクを出力することにより車両Veを走行させるモータ走行モードにおける制御が実行される。
続いて、車両Veの車速Vが所定の車速V0を越えたか否かが判断される(ステップS3)。ここでの所定の車速V0は、動力分配装置8の各ギヤやベアリングなどの被潤滑部位に、オイルポンプ37によるオイル(潤滑および冷却のための潤滑油)の供給が必要となる最低の車速として予め定められた所定値である。
車速Vが所定の車速V0を越えたことにより、このステップS3で肯定的に判断された場合は、ステップS4へ進み、エンジン1の電子スロットルバルブ1aのスロットル開度θを所定のスロットル開度θ0以上開く指令が出力される。言い換えると、実際のスロットル開度θを制御するための目標スロットル開度θ’が所定のスロットル開度θ0以上となるように設定される。ここでの所定のスロットル開度θ0は、エンジン1のいわゆるポンピングロス(ポンプ損失)を低減するために適当なスロットル開度として予め定められた所定値である。
上記のようなモータ走行時、エンジン1の運転が停止している際には、オイルポンプ37によるオイルの供給量が不足してしまうことを回避するため、第1モータ・ジェネレータ5を力行することにより、キャリア15すなわちエンジン1の回転数を上昇させ、オイルポンプ37のオイル吐出量を増大させる制御が実行される。このとき、電子スロットルバルブ1aのスロットル開度θが全閉もしくは所定のスロットル開度θ0よりも閉じた状態のままであると、前述したように、エンジン1の吸気行程の際にシリンダ内に大きな負圧が生じ、エンジン1を回転させる際の抵抗となって、エンジン1のポンピングロスが発生する。そのため、このステップS4で、スロットル開度θを所定のスロットル開度θ0以上開くことにより、第1モータ・ジェネレータ5の出力トルクにより駆動されるエンジン1のシリンダ内の負圧を低下させてポンピングロスを低減するいわゆるポンピングロス低減制御が実行される。
なお、エンジン1が、例えば吸気バルブ(動弁)の開閉タイミングを変更することが可能な可変動弁機構(もしくは可変動弁システム)を採用したエンジンである場合には、上記のように電子スロットルバルブ1aのスロットル開度θを所定のスロットル開度θ0以上開く制御の代わりに、吸気バルブの開き量を所定値以上開くことにより、ポンピングロス低減制御を実行することもできる。
スロットル開度θを所定のスロットル開度θ0以上開く指令が出力されると、実際のスロットル開度θが所定のスロットル開度θ0以上となったか否かが判断される(ステップS5)。実際のスロットル開度θが未だ所定のスロットル開度θ0以上になっていないことにより、このステップS5で否定的に判断された場合は、ステップS6へ進み、制御用フラグFが“1”に設定された後、このルーチンを一旦終了する。なお、制御用フラグFは、例えば、車両VeのイグニションスイッチがOFFの状態からONの状態にされた場合に、“0”に設定されるフラグである。
これに対して、実際のスロットル開度θが所定のスロットル開度θ0以上になったことにより、ステップS5で肯定的に判断された場合には、ステップS7へ進み、第1モータ・ジェネレータ5を力行制御することにより、オイルポンプ37によるオイルの吐出量を制御して動力分配装置8などの被潤滑部位に適切にオイルを供給するいわゆる必要潤滑油量確保制御が実行される。すなわち、前述のステップS4,S5で、ポンピングロス低減制御が実行されて、電子スロットルバルブ1aのスロットル開度θが、実質的に所定のスロットル開度θ0以上開いた状態になった後に、この必要潤滑油量確保制御が開始されるようになっている。
この必要潤滑油量確保制御について具体的に説明すると、先ず、現在の車速Vに対する動力分配装置8などの被潤滑部位への必要潤滑油量Qが求められる。この必要潤滑油量Qは、動力分配装置8の各ギヤやベアリングなどの被潤滑部位において、焼き付き等の不具合を生じさせないために最低限必要なオイルの供給量、言い換えると、焼き付き等の不具合を生じさせずに動力分配装置8などの被潤滑部位を動作させることができるオイルの最小供給量である。また、この必要潤滑油量Qは、車速Vの増減に応じて、すなわち動力分配装置8の動作状態に応じて、その値が増減するオイル量である。したがって、この必要潤滑油量Qは、例えば図2に示すような車速と必要潤滑油量との関係に基づいて予め設定されたマップから求めることができる。
ついで、上記の必要潤滑油量Qと、例えば図3に示すようなオイルポンプ回転数(すなわちエンジン回転数)とオイルポンプ吐出量との関係に基づいて予め設定されたマップとから、必要潤滑油量Qをオイルポンプ37により供給するために必要なエンジン回転数Neが求められる。すなわち、その時点の車速Vに応じた必要潤滑油量Qを、オイルポンプ37により供給する際のエンジン1の回転数Neが求められる。
エンジン回転数Neが求められると、エンジン1をエンジン回転数Neで駆動させるために必要な第1モータ・ジェネレータ5の回転数Nmg1、言い換えると、必要潤滑油量確保制御を実行する際の第1モータ・ジェネレータ5の目標回転数Nmg1が算出される。この第1モータ・ジェネレータ5の回転数Nmg1は、動力分配装置8のサンギヤ12とリングギヤ13との歯数比をρ(サンギヤ12の歯数をZs、リングギヤ13の歯数をZrとすると、ρ=Zs/Zr)、その時点の第2モータ・ジェネレータ6の回転数をNmg2とすると、
Nmg1={(1+ρ)×Ne−Nmg2}/ρ
として算出することができる。
そして、算出された第1モータ・ジェネレータ5の回転数Nmg1に基づいて、第1モータ・ジェネレータ5の回転が制御される。すなわち、必要潤滑油量確保制御が実行される。
なお、上記のような必要潤滑油量確保制御の実行時における動力分配装置8の遊星歯車機構の共線図を、図4に示してある。図4において、車両Veの車速が所定車速V0以下の低車速モータ(EV)走行(図4で実線で示す状態)から、第2モータ・ジェネレータ6の回転数を上昇させて車速を増大させ、車両Veの車速が所定車速V0よりも速くなった中・高車速モータ(EV)走行の状態になると、オイルポンプ37による動力分配装置8などの被潤滑部位へのオイルの供給が必要になるため、第1モータ・ジェネレータ5の回転数を上昇させることにより、エンジン回転数Neが引き上げられる(図4で破線で示す状態)。その結果、オイルポンプ37の回転数Nopも引き上げられ、そのオイルポンプ37のオイルの吐出量が増大する。また、この場合、エンジン1は、この必要潤滑油量確保制御の実行に先立って、上記のようにポンピングロス低減制御が実行されているため、エンジン1が空転する状態でその回転数Neが引き上げられる場合であっても、大きなポンピングロスは発生しない。
ステップS7で、上記のようにして必要潤滑油量確保制御が実行されると、制御用フラグFが“2”に設定され(ステップS8)、その後、このルーチンを一旦終了する。
一方、前述のステップS3で、車速Vが所定の車速V0以下であることにより否定的に判断された場合には、ステップS9へ進み、制御用フラグFが“1”に設定されているか否かが判断される。前述のように、ポンピングロス低減制御と必要潤滑油量確保制御とが逐次実行されると、制御用フラグFは“2”に設定されているため、このステップS9では、当初は否定的に判断される。
すなわち、その時点の制御用フラグFが“1”に設定されていないことにより、このステップS9で否定的に判断された場合は、ステップS10へ進み、制御用フラグFが“2”に設定されているか否かが判断される。その時点の制御用フラグFが“2”に設定されていないことにより、このステップS10で否定的に判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、その時点の制御用フラグFが“2”に設定されていることにより、ステップS10で肯定的に判断された場合には、ステップS11へ進み、必要潤滑油量確保制御、すなわち上記のような第1モーター・ジェネレータ5の回転制御を中止する、もしくは終了させる指令が出力される。
必要潤滑油量確保制御を中止(終了)する指令が出力されると、エンジン1の回転が完全に停止したか否か、すなわちエンジン1の回転数がゼロになったか否かが判断される(ステップS12)。エンジン1の回転数が未だゼロになっていないことにより、このステップS12で否定的に判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、エンジン1の回転数がゼロになったこと、すなわち、必要潤滑油量確保制御の中止(終了)が完了したこと、言い換えると、必要潤滑油量確保制御が実質的に終了したことにより、ステップS12で肯定的に判断された場合には、ステップS13へ進み、制御用フラグFが“1”に設定された後、このルーチンを一旦終了する。
そして、必要潤滑油量確保制御が実質的に終了すると、上記のように制御用フラグFは“1”に設定されているため、前述のステップS9で、肯定的に判断されるようになる。すなわち、ステップS9で、その時点の制御用フラグFが“1”に設定されていることにより肯定的に判断された場合には、ステップS14へ進み、電子スロットルバルブ1aのスロットル開度すなわち目標スロットル開度θ’が、全閉の状態、もしくはエンジン1のアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態に設定される。すなわち、前述のステップS4での指令により実行されるポンピングロス低減制御を中止(終了)する指令が出力される。
なお、前述したように、エンジン1が可変動弁機構(もしくは可変動弁システム)を採用したエンジンである場合には、上記のように電子スロットルバルブ1aのスロットル開度θを、全閉もしくはエンジン1のアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態にする制御の代わりに、吸気バルブの開き量を、全閉もしくはエンジン1のアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態にすることにより、ポンピングロス低減制御を実行することもできる。
スロットル開度θを全閉もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態にする指令、すなわちポンピングロス低減制御の中止(終了)指令が出力されると、実際のスロットル開度θが、全閉もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態になったか否かが判断される(ステップS15)。実際のスロットル開度θが未だ全閉もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態になっていないことにより、このステップS15で否定的に判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、実際のスロットル開度θが全閉もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態、すなわちポンピングロス低減制御の中止(終了)が完了した状態、言い換えると、ポンピングロス低減制御が実質的に終了した状態になったことにより、ステップS15で肯定的に判断された場合には、ステップS16へ進み、制御用フラグFが“0”に設定された後、このルーチンを一旦終了する。
このように、上記のステップS9以降の制御は、モータ走行時に、車速Vが所定車速V0以下となり、動力分配装置8などの被潤滑部位へオイルポンプ37によりオイルを供給する必要がなくなった場合に、ポンピングロス低減制御と必要潤滑油量確保制御とを終了させる際の制御であって、それらポンピングロス低減制御と必要潤滑油量確保制御との終了制御が逐次実行されるようになっている。
すなわち、モータ走行モードで、車速Vが所定車速V0以下となり、ポンピングロス低減制御と必要潤滑油量確保制御とを終了させる場合、先ず初めに、必要潤滑油量確保制御が終了させられて、エンジン1の回転が停止させられる。すなわちエンジン1の回転数Neがゼロにされる。そして、エンジン1の回転が実質的に停止した後、すなわちエンジン1の回転数Neが実質的にゼロになった後に、ポンピングロス低減制御が終了させられる。すなわち電子スロットルバルブ1aのスロットル開度が、全閉もしくはエンジン1のアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態にされる。
また一方、前述のステップS1で、車両Veの走行モードとしてモータ走行モードが要求されていないことにより否定的に判断された場合には、ステップS17へ進み、制御用フラグFが“1”に設定されているか否かが判断される。前述のように、制御の開始当初に車両VeのイグニションスイッチがOFFの状態からONの状態にされると、制御用フラグFは“0”に設定され、また、ポンピングロス低減制御と必要潤滑油量確保制御とが逐次実行されると、制御用フラグFは“2”に設定されている。そのため、このステップS17では、当初は否定的に判断される。
すなわち、このステップS17で、その時点の制御用フラグFが“1”に設定されていないことにより否定的に判断された場合は、ステップS18へ進み、制御用フラグFが“2”に設定されているか否かが判断される。その時点の制御用フラグFが“2”に設定されていることにより、このステップS18で肯定的に判断された場合は、ステップS19へ進み、必要潤滑油量確保制御、すなわち前述したような第1モーター・ジェネレータ5の回転制御の中止(終了)指令が出力される。
必要潤滑油量確保制御を中止(終了)指令が出力されると、エンジン1の回転が完全に停止したか否か、すなわちエンジン1の回転数がゼロになったか否かが判断される(ステップS20)。エンジン1の回転数が未だゼロになっていないことにより、このステップS20で否定的に判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、エンジン1の回転数がゼロになったこと、すなわち、必要潤滑油量確保制御の中止(終了)が完了したこと、言い換えると、必要潤滑油量確保制御が実質的に終了したことにより、ステップS20で肯定的に判断された場合には、ステップS21へ進み、制御用フラグFが“1”に設定された後、このルーチンを一旦終了する。
一方、上記のステップS18で、その時点の制御用フラグFが“2”に設定されていないことにより否定的に判断された場合には、ステップS22へ進み、エンジン1が始動させられ、エンジン1の出力するトルクにより、もしくはエンジン1の出力するトルクと第2モータ・ジェネレータ6の出力するトルクとにより車両Veを走行させる、いわゆるエンジン走行モードにおける制御が実行される(ステップS23)。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
そして、その時点の制御用フラグFが“1”に設定されていること、すなわち必要潤滑油量確保制御が実質的に終了していることにより、前述のステップS17で肯定的に判断された場合には、ステップS24へ進み、電子スロットルバルブ1aのスロットル開度すなわち目標スロットル開度θ’が、全閉の状態、もしくはエンジン1のアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態に設定される。すなわち、ポンピングロス低減制御を中止(終了)するための指令が出力される。
ポンピングロス低減制御の中止(終了)指令が出力されると、実際のスロットル開度θが、全閉もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態になったか否かが判断される(ステップS25)。実際のスロットル開度θが未だ全閉もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態になっていないことにより、このステップS25で否定的に判断された場合は、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、実際のスロットル開度θが全閉もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態、すなわちポンピングロス低減制御の中止(終了)が完了した状態、言い換えると、ポンピングロス低減制御が実質的に終了した状態になったことにより、ステップS25で肯定的に判断された場合には、ステップS26へ進み、制御用フラグFが“0”に設定された後、このルーチンを一旦終了する。
このように、上記のステップS18以降の制御は、モータ走行モードから、エンジン1単独、もしくはエンジン1と第2モータ・ジェネレータ6とが出力するトルクにより車両Veを走行させるエンジン走行モードへ切り換える場合に、ポンピングロス低減制御および必要潤滑油量確保制御を終了させる制御とエンジン1を始動させる制御とが、すなわち、ポンピングロス低減制御の終了制御と必要潤滑油量確保制御の終了制御とエンジン1のエンジン始動制御とが逐次実行されるようになっている。
具体的には、モータ走行モードで、ポンピングロス低減制御と必要潤滑油量確保制御とが実行されている状態からエンジン走行モードへ切り換える場合、先ず初めに、必要潤滑油量確保制御が終了させられて、エンジン1の回転が停止させられる。すなわちエンジン1の回転数Neがゼロにされる。そして、エンジン1の回転が実質的に停止した後、すなわちエンジン1の回転数Neが実質的にゼロになった後に、ポンピングロス低減制御が終了させられる。すなわち電子スロットルバルブ1aのスロットル開度が、全閉もしくはエンジン1のアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態にされる。そしてその後に、エンジン1のエンジン始動制御が実行される。
電子スロットルバルブ1aのスロットル開度が所定開度以上開いた状態、あるいは第1モータ・ジェネレータ5によりエンジン1が所定回転数以上で回転している状態で、エンジン1が始動させられて点火されると、通常のエンジン1の始動時の状態、すなわち電子スロットルバルブ1aのスロットル開度が所定開度より閉じた状態で、かつエンジン1の回転数が所定回転数未満の状態でのエンジン1の始動時と比較して、点火によるエンジン1の初爆時にショックが発生する場合がある。そこで、上記のようにポンピングロス低減制御の終了制御と必要潤滑油量確保制御の終了制御とエンジン1のエンジン始動制御とが逐次実行されることによって、エンジン1の始動(初爆)時のショックを防止し、モータ走行モードからエンジン走行モードへの切り換えをスムーズに行うことができる。
ここで上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前述したステップS4ないしS8,S14ないしS16,S17,S24ないしS26の機能的手段が、この発明のポンピングロス低減手段に相当し、また、ステップS7,S10ないしS13,S18ないしS21の機能的手段が、この発明の必要潤滑油量確保手段に相当し、そして、ステップS18ないしS26の機能的手段が、この発明の内燃機関始動手段に相当する。
以上のように、この発明におけるハイブリッド車の制御装置によれば、モータ走行が行われる場合に、エンジン1のスロットル開度が制御されて、エンジン1のポンピングロスが低減される。そして、第1モータ・ジェネレータ5がモータとして駆動されて、その第1モータ・ジェネレータ5の出力トルクが、動力分配装置8の遊星歯車機構を介して、エンジン1およびオイルポンプ37に伝達され、それによりオイルポンプ37が駆動されて動力分配装置8などの被潤滑部位へオイルが供給される。その際に動力分配装置8などの被潤滑部位へ供給されるオイル量が、車速に応じて変化する動力分配装置8などの被潤滑部位での潤滑および冷却のために必要な最小量となるように、第1モータ・ジェネレータ5の回転が制御される。
そのため、モータ走行時にエンジン1の運転が停止している場合であっても、オイルポンプ37により、車速に応じた適切な量のオイルを動力分配装置8などの被潤滑部位へ過不足なく供給することができ、動力分配装置8などの被潤滑部位へ必要以上にオイルが供給されてしまうことによるオイルポンプ37の損失を低減することができる。
したがって、モータ走行時に、エンジン1のポンピングロスおよびオイルポンプ37の損失を低減して、モータ走行時における第1モータ・ジェネレータ5の消費電力を低減することができ、その結果、バッテリに充電された電力の電力消費量を低減し、モータ走行による走行時間、あるいは走行距離を延長することができる。特に、外部の電力によりバッテリを充電するいわゆるプラグインシステムを採用したハイブリッド車にこの発明における制御装置を適用することによって、1回の充電により走行可能な距離あるいは時間を延長することができ、モータ走行の頻度が高くなるプラグインシステムを採用したハイブリッド車においても、好適に対応することが可能である。
また、モータ走行時に、先ず、ポンピングロス低減制御が実行された後、すなわちエンジン1のポンピングロスを低減するために、エンジン1のスロットル開度が所定量以上開かれた後に、必要潤滑油量確保制御、すなわちオイルポンプ37の吐出量を制御するための第1モータ・ジェネレータ5の回転制御が実行される。そして、それらポンピングロス低減制御と必要潤滑油量確保制御とが終了される場合には、先ず、必要潤滑油量確保制御が中止されてエンジン1の回転が停止した後に、ポンピングロス低減制御が中止されてエンジン1のスロットル開度が全閉の状態もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態に制御される。
そのため、モータ走行時における必要潤滑油量確保制御中、すなわち第1モータ・ジェネレータ5の回転制御中に、エンジン1のスロットル開度が制御されてエンジン1のポンピングロスが変化することにより生じる出力軸でのトルク変動を回避し、そのトルク変動により、ショックの発生や乗員へ違和感を与えてしまうことを回避することができる。
そして、モータ走行の状態からエンジン走行の状態に切り換える場合には、先ず、必要潤滑油量確保制御が中止されてエンジン1の回転が停止した後に、ポンピングロス低減制御が中止されてエンジン1のスロットル開度が、全閉の状態もしくはアイドリング運転時に設定される所定量だけ開いた状態に制御される。そしてその後に、エンジン1の始動が開始される。そのため、エンジン1を始動する際に、スロットル開度が所定量以上開いた状態、あるいは第1モータ・ジェネレータ5によりエンジン1が所定回転数以上で回転している状態でエンジン1が点火されることにより発生する初爆時のショックを防止することができる。その結果、モータ走行モードからエンジン走行モードへの切り換えをスムーズに行うことができる。
この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。 図1のフローチャートで示す制御を行う際に用いられるマップの一例を示す図である。 図1のフローチャートで示す制御を行う際に用いられるマップの一例を示す図である。 この発明の制御装置による制御を実行した際の動力分配装置の遊星歯車機構における運転状態を示す共線図である。 この発明で対象とするハイブリッド車の駆動系統の一例を模式的に示すスケルトン図である。 この発明で対象とするハイブリッド車の制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。 従来のハイブリッド車の制御装置による制御を実行した際の動力分配装置の遊星歯車機構における運転状態を示す共線図である。
符号の説明
1…エンジン(内燃機関)、 1a…電子スロットルバルブ、 5…第1モータ・ジェネレータ(電動機)、 6…第2モータ・ジェネレータ(電動機)、 8…動力分配装置、 12…サンギヤ(第2回転要素)、 13…リングギヤ(第3回転要素)、 15…キャリヤ(第1回転要素)、 37…オイルポンプ、 38…電子制御装置(ECU)。

Claims (2)

  1. 内燃機関と、発電機としての機能を有する2つの電動機と、前記内燃機関および各電動機の動力を合成もしくは分配して出力するとともに、第1回転要素および第2回転要素ならびに第3回転要素を有する遊星歯車機構によって構成された動力分配装置とを備え、前記動力分配装置へ潤滑油を供給するオイルポンプと前記内燃機関とが前記第1回転要素にそれぞれ連結され、いずれか一方の前記電動機が前記第2回転要素に連結され、他方の前記電動機が前記第3回転要素に連結されているハイブリッド車の制御装置において、
    前記内燃機関の運転を停止して前記電動機の出力するトルクにより車両を走行させるモータ走行時に、前記内燃機関のスロットルバルブもしくは吸気バルブの開度を制御することにより、前記内燃機関が外部からのトルクにより回転させられる際に発生するポンピングロスを低減させるポンピングロス低減手段と、
    前記モータ走行時に、前記一方の電動機の回転を制御して前記オイルポンプの吐出量を制御することにより、車速に応じて前記動力分配装置で最低限必要とされる量の潤滑油を前記オイルポンプから前記動力分配装置へ供給する必要潤滑油量確保手段と
    を備えており、
    前記必要潤滑油量確保手段は、前記ポンピングロス低減手段による制御が実行されて、前記スロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が前記ポンピングロスを低減させるために必要な所定の開度以上開いた後に、前記オイルポンプの吐出量を制御するための前記一方の電動機の回転制御を実行する手段を含み、
    前記必要潤滑油量確保手段による制御が中止されて、前記内燃機関の回転数がゼロになった後に、前記スロットルバルブもしくは吸気バルブの開度を全閉もしくはアイドリング運転時に相当する開度だけ開いた状態に制御するポンピングロス低減制御中止手段を更に備えている
    とを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
  2. 前記モータ走行状態から前記内燃機関を運転して車両を走行させる状態へ切り換える場合に、前記必要潤滑油量確保手段による制御が中止され、前記内燃機関の回転が停止し、さらに前記ポンピングロス低減手段により前記スロットルバルブもしくは吸気バルブの開度が全閉もしくはアイドリング運転時に相当する開度だけ開いた状態に制御された後に、前記内燃機関を始動する内燃機関始動手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。
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