JP2005117779A - ハイブリッド車輌の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドライバに違和感を与えずにエンジンを始動可能なハイブリッド車輌の制御装置を提供する。
【解決手段】 ハイブリッド車輌は、プラネタリギヤユニットにより、エンジン2、第1モータ3、第2モータ4及び出力軸6が連結関係となっている。そのハイブリッド車輌の制御装置1には、エンジン2を駆動制御自在なエンジン制御手段20と、第1モータ3及び第2モータ4を駆動制御自在なモータ制御手段24とが備えられており、モータ制御手段24が、エンジン制御手段20によるエンジン2の停止制御中における走行中は、第1モータ3及び第2モータ4によってエンジン2を円滑に始動するための余力を残したモータ制限トルク以内で第1モータ3及び第2モータ4を駆動制御する。これにより、エンジン2を始動する際には、円滑にエンジン2を始動することが可能となり、ドライバに違和感を与えることを防ぐ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジン、第1モータ、第2モータ、及び出力軸が4つの回転要素を有する差動歯車機構によって連結関係にあるハイブリッド車輌であって、走行中にエンジンを停止制御し得るハイブリッド車輌の制御装置に係り、詳しくは、第1モータ及び第2モータによりエンジンの始動を行うようなハイブリッド車輌の制御装置に関する。
近年、環境問題等により燃費向上や排出ガス低減のために様々なタイプのハイブリッド車輌が提案されている。このようなハイブリッド車輌の中には、例えば2つのプラネタリギヤが連結された形のプラネタリギヤユニット(いわゆるラビニヨ型やシンプソン型)などを用いて4つの回転要素のそれぞれにエンジン(入力軸)、第1モータ、第2モータ、出力軸を連結した構成からなる2モータ式のスプリットハイブリッド車輌が提案されている(例えば特許文献1参照)。該ハイブリッド車輌においては、エンジンを駆動制御し、第1モータ乃至第2モータにより回生・力行しつつ走行する、いわゆるスプリット走行や、エンジンを停止制御し、第1モータ及び第2モータの駆動力で走行する、いわゆるEV走行などが可能となっている。
特開2001−309507号公報。
ところで、上記ハイブリッド車輌のEV走行状態からエンジンを始動する場合には、上述のようにエンジン、第1モータ、及び第2モータが連結関係にあるため、第1モータ乃至第2モータの回転数や出力トルクを制御することでエンジンをアイドル回転まで上昇させて始動することが可能である。即ち、例えばスタータなどの機構を設けることなく、エンジンの始動が可能であって、ハイブリッド車輌における部品数の低減、コンパクト化などを図ることができる。
しかしながら、第1モータ及び第2モータの出力、特にEV走行中に主に駆動車輪へトルクを出力する第2モータの出力トルクが大きな状態では、該第2モータの出力能力に余力が少なくなり、エンジンを始動するためにエンジン回転数を上昇させる時間が長くなってしまう(即ち、エンジン回転角加速度が小さくなってしまう。)。そのため、エンジンを速やかに(円滑に)始動することができなくなり、ドライバが要求する要求トルクに応じられなくなる虞があったり、エンジン共振回転数となる時間が長くなって車輌全体に振動を生じさせたりするような問題が生じる。
また反対に、エンジンを速やかに始動するために、一旦第2モータの出力トルクを下げることも考えられるが、車輌の加速が一旦減少することになると共に、ドライバの要求トルクに一時的に応じることができなくなり、つまりエンジンを始動する際にドライバに違和感を与える虞がある。
そこで本発明は、第1モータ及び第2モータによってエンジンを円滑に始動するための余力を残したモータ制限トルクを演算し、エンジンの停止制御中には、該モータ制限トルク以内で第1モータ及び第2モータを駆動制御することで、上記課題を解決したハイブリッド車輌の制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は、エンジン(2)に接続された入力軸(5)と、第1モータ(3)と、第2モータ(4)と、駆動車輪(12)に接続される出力軸(6)と、該入力軸(5)、該第1モータ(3)、該第2モータ(4)、及び該出力軸(6)にそれぞれ連結された4つの回転要素(S1及びS2、CR1及びR2、CR2、R1)を有する差動歯車機構(PU)と、を備えたハイブリッド車輌に用いられ、
前記エンジン(2)を駆動制御自在なエンジン制御手段(20)と、前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)を駆動制御自在なモータ制御手段(24)と、を備え、前記エンジン(2)を停止すると共に、前記ハイブリッド車輌が走行し得るように前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)を駆動制御し得、かつ前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)を駆動制御することにより前記エンジン(2)を始動し得るハイブリッド車輌の制御装置(1)において、
前記モータ制御手段(24)は、前記エンジン制御手段(20)による前記エンジン(2)の停止制御中にて、前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)によって前記エンジン(2)を円滑に始動するための余力を残したモータ制限トルク(例えばTMG2_lim)以内で前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の少なくとも一方を駆動制御する、
ことを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は、車速(V)に対応した前記モータ制限トルク(例えばTMG2_lim)が記録されている制限トルクマップ(31)を備え、
前記モータ制御手段(24)は、前記車速(V)に基づき前記制限トルクマップ(31)より読み出された前記モータ制限トルク(例えばTMG2_lim)以内で前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の少なくとも一方を駆動制御してなる、
請求項1記載のハイブリッド車輌の制御装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は、前記モータ制限トルク(例えばTMG2_lim)を随時演算する制限トルク演算手段(27)を備え、
前記モータ制御手段(24)は、前記制限トルク演算手段(27)により演算された前記モータ制限トルク(例えばTMG2_lim)以内で前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の少なくとも一方を駆動制御してなる、
請求項1記載のハイブリッド車輌の制御装置(1)にある。
請求項4に係る本発明は、前記モータ制御手段(24)は、前記第1モータ(3)の回転数(NMG1)を回転数制御し得る第1モータ制御手段(25)と、前記第2モータ(4)の出力トルク(TMG2)をトルク制御し得る第2モータ制御手段(26)と、を有してなり、
前記制限トルク演算手段(27)は、前記第2モータ制御手段(26)により駆動制御される前記第2モータ(4)の出力トルク(TMG2)によって前記エンジン(2)を始動する場合のエンジン回転角加速度(dωe)を演算し、該演算されたエンジン回転角加速度(dωe)に基づき前記モータ制限トルク(TMG2_lim)を演算してなる、
請求項3記載のハイブリッド車輌の制御装置(1)にある。
請求項5に係る本発明は、前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)に対して充放電自在なバッテリ(16)と、
前記バッテリ(16)の充電残量を検出自在なバッテリ残量検出手段(29)と、
前記バッテリ残量検出手段(29)により検出された前記バッテリ(16)の充電残量に応じて、前記モータ制限トルク(例えばTMG2_lim)を補正する制限トルク補正手段(30)と、を備えてなる、
請求項1ないし4のいずれか記載のハイブリッド車輌の制御装置(1)にある。
請求項6に係る本発明は、ドライバの要求するドライバ要求トルク(TFTG)を検出するドライバ要求トルク検出手段(28)と、
前記ドライバ要求トルク(TFTG)に基づき、前記エンジン(2)を停止した状態の前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の出力トルク(TMG1,TMG2)を演算するモータトルク演算手段(23)と、
前記モータトルク演算手段(23)により演算された前記エンジン(2)を停止した状態の前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の出力トルク(TMG1,TMG2)が、前記モータ制限トルク(例えばTMG2_lim)以上である場合に、前記エンジン(2)の始動を判定するエンジン始動判定手段(21)と、を備え、
前記エンジン制御手段(20)は、前記エンジン始動判定手段(21)の判定結果に基づき前記エンジン(2)を始動制御してなる、
請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリッド車輌の制御装置(1)にある。
請求項7に係る本発明は、前記モータトルク演算手段(23)により演算された前記エンジン(2)を停止した状態の前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の出力トルク(TMG1,TMG2)が、前記モータ制限トルク(例えばTMG2_lim)以内である場合に、前記エンジン(2)の停止を判定するエンジン停止判定手段(22)を備え、
前記エンジン制御手段(20)は、前記エンジン停止判定手段(22)の判定結果に基づき前記エンジン(2)を停止制御してなる、
請求項6記載のハイブリッド車輌の制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、モータ制御手段が、エンジン制御手段によるエンジンの停止制御中にて、第1モータ及び第2モータによってエンジンを円滑に始動するための余力を残したモータ制限トルク以内で第1モータ及び第2モータの少なくとも一方を駆動制御するので、エンジンを始動する際には、例えば一旦第1モータ及び第2モータの出力トルクを下げることなく、エンジンを円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
請求項2に係る本発明によると、モータ制御手段は、例えばモータ制限トルクを随時演算することなく、車速に基づき制限トルクマップより読み出されたモータ制限トルク以内で第1モータ及び第2モータの少なくとも一方を駆動制御することができるので、エンジンを始動する際には、エンジンを円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
請求項3に係る本発明によると、モータ制御手段は、制限トルク演算手段により演算されたモータ制限トルク以内で第1モータ及び第2モータの少なくとも一方を駆動制御することができるので、エンジンを始動する際には、エンジンを円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
請求項4に係る本発明によると、制限トルク演算手段が、第2モータ制御手段により駆動制御される第2モータの出力トルクによってエンジンを始動する場合のエンジン回転角加速度を演算し、該演算されたエンジン回転角加速度に基づきモータ制限トルクを演算するので、第1モータ及び第2モータによりエンジンを始動する際のエンジン回転角加速度を、円滑にエンジンを始動させるようなエンジン回転角加速度にすることができ、それによりエンジンを円滑に始動することができて、ドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
請求項5に係る本発明によると、制限トルク補正手段が、バッテリ残量検出手段により検出されたバッテリの充電残量に応じて、モータ制限トルクを補正するので、例えばバッテリの充電残量が減少することにより第1モータ乃至第2モータに供給する電圧が降下し、第1モータ乃至第2モータの出力可能なトルクが低くなる場合であっても、第1モータ乃至第2モータからエンジンを円滑に始動するためのトルクが出力できなくなることを防ぐことができる。それにより、エンジンを始動する際には、エンジンを円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
請求項6に係る本発明によると、ドライバ要求トルク検出手段がドライバの要求するドライバ要求トルクを検出し、モータトルク演算手段がドライバ要求トルクに基づき第1モータ及び第2モータの出力トルクを演算し、エンジン始動判定手段がモータトルク演算手段により演算された第1モータ及び第2モータの出力トルクが制限トルク演算手段により演算されたモータ制限トルク以上である場合にエンジンの始動を判定し、エンジン制御手段が、エンジン始動判定手段の判定結果に基づきエンジンを始動制御するので、第1モータ及び第2モータがモータ制限トルク以上になる前にエンジンを始動することができ、それによりエンジンを円滑に始動することができて、ドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
請求項7に係る本発明によると、エンジン停止判定手段がモータトルク演算手段により演算された第1モータ及び第2モータの出力トルクが制限トルク演算手段により演算されたモータ制限トルク以内である場合にエンジンの停止を判定し、エンジン制御手段がエンジン停止判定手段の判定結果に基づきエンジンを停止制御するので、エンジンを停止する際には、第1モータ及び第2モータの出力トルクをモータ制限トルク未満にすることができ、それにより、例えば直後にエンジンの始動が行われても、エンジンを円滑に始動することができて、ドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。図1は本発明に係るハイブリッド車輌の制御装置を示すブロック図、図2は本発明に係るハイブリッド車輌を示すスケルトン図、図3はハイブリッド車輌の制御装置の制御を示すフローチャート、図4は回転数が変化しない際の、エンジン、第1モータ、第2モータ及び出力軸のトルク関係を示す説明図、図5は回転数が変化する際の、エンジン、第1モータ、第2モータ及び出力軸のトルク関係を示す説明図である。
まず、本発明を適用し得るハイブリッド車輌を図2に沿って説明する。図2に示すように、ハイブリッド車輌には、エンジン(E/G)2と駆動車輪12との間に自動変速機としてのトランスミッション10が備えられている。該トランスミッション10は、第1モータ(MG1)3と、第2モータ(MG2)4と、2つのプラネタリギヤが連結された形のシンプソンタイプのプラネタリギヤユニット(差動歯車機構)PUとを有している。また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素として、サンギヤS1及びサンギヤS2、キャリヤCR2、キャリヤCR1及びリングギヤR2、リングギヤR1を有している。
該トランスミッション10の入力軸5には、上記エンジン2のクランク軸が連結されており、該入力軸5は上記プラネタリギヤユニットPUのキャリヤCR2に連結されている。該キャリヤCR2はピニオンP2を有しており、該ピニオンP2は、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合している。該サンギヤS2は、サンギヤS1に連結されていると共に、第1モータ3の(図示を省略した)ロータに連結軸3aを介して連結されている。サンギヤS1は、キャリヤCR1が有するピニオンP1に噛合しており、該ピニオンP1はリングギヤR1に噛合している。該リングギヤR1は、第2モータ4の(図示を省略した)ロータに連結軸4aを介して連結されている。また、該キャリヤCR1は、上記リングギヤR2に連結されており、該キャリヤCR1及び該リングギヤR2は、出力軸6に連結されており、該出力軸6は駆動車輪12に連結されている。
即ち、プラネタリギヤユニットPUの4つの回転要素であるサンギヤS1及びサンギヤS2、キャリヤCR2、キャリヤCR1及びリングギヤR2、リングギヤR1がそれぞれ噛合して連結関係になっており、順に第1モータ3の回転数、エンジン2の回転数、出力軸6の回転数、第2モータ4の回転数が比例関係となるように連結されている(例えば特許文献1の図9、図11、図13、図15参照)。
ついで、本発明に係るハイブリッド車輌の制御装置1について図1に沿って説明する。上記ハイブリッド車輌のトランスミッション10には、上記第1モータ3及び第2モータ4に電力の供給・回生を制御自在に行うインバータ回路15と、該インバータ回路15を介して電力供給・充電(回生)を自在に行うバッテリ16とが備えられている。
本ハイブリッド車輌の制御装置1には、制御部(ECU)Uが備えられており、該制御部Uには、駆動車輪12、或いは出力軸6の回転数を検出することにより車速を検出する車速センサ17と、不図示の運転席に備えられたアクセルペダルの角度を検出することによりアクセル開度を検出するアクセル回度センサ18とが接続されている。
また、該制御部Uには、上記エンジン2を例えばエンジン最適燃費マップEmapに基づき駆動制御自在なエンジン制御手段20が備えられており、また、第1モータ3を回転数制御やトルク制御により駆動制御自在な第1モータ制御手段25と、第2モータ4を回転数制御やトルク制御により駆動制御自在な第2モータ制御手段26とを有するモータ制御手段24が備えられている。
なお、上記第1モータ制御手段25及び第2モータ制御手段26は、インバータ回路15に指令し、該インバータ回路15により制御される電圧値・電流値によって第1モータ3及び第2モータ4の駆動制御を行うものであるが、本明細書中においては発明の理解を容易にするために、単に「第1モータ3及び第2モータ4を制御する」という。
そして、該制御部Uには、詳しくは後述するように本発明の要部となる、エンジン始動判定手段21と、エンジン停止判定手段22と、モータトルク演算手段23と、制限トルク演算手段27と、ドライバ要求トルク検出手段28、バッテリ残量検出手段29、制限トルク補正手段30とが備えられている。なお、本発明に係るハイブリッド車輌の制御装置1においては、詳しくは後述するように制限トルク演算手段27の替わりに制限トルクマップ31を備えているものであってもよい。
つづいて、エンジン2の駆動中で走行する際の制御について説明する。例えばハイブリッド車輌が走行状態である際は、まず、上記車速センサ17により車速Vが検出される。すると、該車速Vから出力軸6の回転数Nが演算される。
一方、ドライバ要求トルク検出手段28は、上記車速Vと、アクセル開度センサ18により検出されるアクセル開度Adとに基づき、例えば不図示のマップなどから、ドライバが要求している車輌全体として出力軸6より出力する目標駆動トルク(ドライバ要求トルク)TFTGを決定する(例えば特許文献1の図5参照)。
次にエンジン制御手段20は、車速Vと目標駆動トルクTFTGとに基づき、エンジン2より出力する必要なエンジン出力EPOWを車速Vに基づく出力軸回転数Noと目標駆動トルクTFTGとの積(EPOW=No×TFTG)より演算する。そして、エンジン最適燃費マップEmapに基づきエンジン2が燃費効率上の最適な運転状態となる最適燃費曲線と、上記演算されたエンジン出力EPOWとから、目標エンジン回転数NETGと目標エンジントルクTETGとを決定する(即ちEPOW=NETG×TETG)(例えば特許文献1の図6参照)。
なお、例えばバッテリ16の充電残量が少ない場合は、該バッテリ16に充電するための分の充電量αを補正する形で上記エンジン出力EPOWを演算し(EPOW=No×TFTG+α)、例えば反対にバッテリ16の充電残量が多い場合は、該バッテリ16より電力消費を行う分の放電量βを補正する形で上記エンジン出力EPOWを演算し(EPOW=No×TFTG−β)、これら補正されたエンジン出力EPOWに基づき目標エンジン回転数NETGと目標エンジントルクTETGとを決定する。
つづいて、第1モータ制御手段25は、上述のように演算された出力軸6の回転数Nと、エンジン制御手段20により決定された目標エンジン回転数NETGとに基づき、上記プラネタリギヤユニットPUの(リングギヤR2とキャリヤCR2とサンギヤS2との)ギヤ比の比例関係から第1モータ3の回転数(以下、「MG1回転数」という。)NMG1を演算し、該第1モータ3がMG1回転数NMG1になるように、例えばインバータ回路15の電流値・電圧値に基づき、或いは例えば第1モータ3に設けられた不図示の回転数センサにより検出される回転数に基づき、該第1モータ3のフィードバック制御を行う(回転数制御)。
また、該第1モータ制御手段25は、第1モータ3を該MG1回転数NMG1に制御するために発生する該第1モータ3の出力トルク(以下、「MG1トルク」という。)TMG1を、例えばインバータ回路15における電流値・電圧値などから演算する。なお、この際、第1モータ3の回転方向とトルク出力方向とが、同方向であれば第1モータ3において出力制御となり(即ち電力消費)、反対方向であれば第1モータ3において回生制御となる。
ついで、第2モータ制御手段26は、上記目標駆動トルクTFTGと、上記目標エンジントルクTETGと、上記MG1トルクTMG1とに基づき、プラネタリギヤユニットPUの(キャリヤCR1及びリングギヤR2と、キャリヤCR2と、サンギヤS1及びサンギヤS2と、リングギヤR1との)ギヤ比の比例関係と、上記出力軸6に目標駆動トルクTFTGが出力されるように第2モータ4の出力トルク(以下、「MG2トルク」という。)TMG2を演算し、該MG2トルクTMG2になるように第2モータ4の駆動制御を行う(トルク制御)。
そして、上記エンジン制御手段20によってエンジン2を、上記目標エンジン回転数NETG及び上記目標エンジントルクTETGになるように駆動制御すると、出力軸6(駆動車輪12)に略目標駆動トルクTFTGとなる駆動トルクTが出力される。
また、例えば車速Vが変化する場合、(車速Vが一定であってもアクセル開度Adに基づき)エンジン回転数Nが変化する場合などは、MG1回転数NMG1及びMG2回転数NMG2が変化することになる。すると、上記第1モータ3のロータ、連結軸3a、サンギヤS1及びサンギヤS2には、MG1回転数NMG1の変化に応じて慣性モーメントIMG1が発生し、また、上記第2モータ4のロータ、連結軸4a、リングギヤR1には、MG2回転数NMG2の変化に応じて慣性モーメントIMG2が発生する。またこの際、各慣性モーメントIMG1,IMG2と各回転角加速度dωMG1,dωMG2に応じて、それぞれイナーシャトルクIMG1×dωMG1,IMG2×dωMG2が発生する。
そこで、上述した第2モータ制御手段26によりMG2トルクTMG2を演算する際に、イナーシャトルクIMG1×dωMG1,IMG2×dωMG2の分を補正する形で該MG2トルクTMG2を演算し、該補正された形で演算されたMG2トルクTMG2に基づき第2モータ4を制御する。これにより、第1モータ3及び第2モータ4に回転数変化が生じる場合でも、ドライバに対する走行フィーリングを悪化させずに、トルク制御を行うことができる。なお、イナーシャトルクIMG1×dωMG1の分を演算する際は、サンギヤS1に対するリングギヤR1のギヤ比に応じて演算することができる。
ついで、本発明の要部となるエンジン2の停止制御中における走行中、いわゆるEV走行時の制御について説明する。例えば不図示の運転席などに設けられたイグニッションキーがONされると、図3に示すように、本発明に係るハイブリッド車輌の制御装置1の制御が開始される(S1)。
例えば詳しくは後述するエンジン停止判定手段22によりエンジン2の停止が判定されると(S2のNo)、エンジン制御手段20によりエンジン2が停止するように制御される。すると、図4に示すように、目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTETGは0となり、0回転である目標エンジン回転数と車速Vに基づく出力軸6の回転数Noとに基づき、第1モータ制御手段25により第1モータ3が制御されてMG1回転数NMG1になるように回転数制御される(つまりMG1回転数NMG1は逆回転となる)。
また、第2モータ制御手段26は、上記目標駆動トルクTFTGと、上記回転数制御されている第1モータ3のMG1トルクTMG1とに基づき、プラネタリギヤユニットPUのギヤ比の比例関係とから上記出力軸6に目標駆動トルクTFTGが出力されるようにMG2トルクTMG2を演算し、該MG2トルクTMG2になるように第2モータ4の駆動制御を行う。これにより、上記アクセル開度Adに基づくドライバの要求トルクである目標駆動トルクTFTG通りの駆動トルクToが出力軸6に出力される。
なおこの際、MG1トルクTMG1とMG2トルクTMG2と駆動トルクToとの関係は、エンジン回転数Neが0のままである状態を維持するため、即ちプラネタリギヤユニットPUの各回転要素の回転数が上昇しないようにするため、以下に示す数式(1)の関係となる。
Figure 2005117779
また、MG1トルクTMG1とMG2トルクTMG2との関係は、プラネタリギヤユニットPUの各回転要素のギヤ比の関係から、以下に示す数式(2)の関係となる。
Figure 2005117779
なお、aはリングギヤR1とキャリヤCR1とのギヤ比、bはリングギヤR2とキャリヤCR2とのギヤ比、cはサンギヤS2とキャリヤCR2とのギヤ比である。
そして、上記式(1)及び式(2)の関係から、駆動トルクToを出力するためのMG2トルクTMG2は、以下に示す数式(3)により演算される。
Figure 2005117779
つづいて、エンジン2を円滑に始動するための第2モータ4の制限トルクについて説明する。EV走行時においては、制限トルク演算手段27により第2モータ4の制限トルク(モータ制限トルク)TMG2_limが演算される。
詳細に説明すると、例えばエンジン2を停止した状態からエンジン2を始動するためには、図5に示すように、エンジン2がトルクを出力していないため、引き摺りトルク−Teが発生する。また、エンジン2を例えばアイドル回転数まで上昇させるため、エンジン2と、第1モータ3(連結軸3a、サンギヤS1、及びサンギヤS2)と、第2モータ4(連結軸4a、リングギヤR1)とには、それぞれ回転数変化が発生するので、それぞれの回転角加速度に応じたイナーシャトルクIe×dωe,IMG1×dωMG1,IMG2×dωMG2が発生する。そのため、駆動トルクToがそのままである際の、エンジン2、第1モータ3、第2モータ4におけるトルク作用をプラネタリギヤユニットPUの各回転要素のギヤ比の関係に基づき示すと、以下に示す数式(4)の関係となる。
Figure 2005117779
また、第2モータ4の回転角加速度dωMG2は、ギヤ比の関係からエンジン2の回転角加速度dωeに置き換えると、以下に示す数式(5)の関係となる。
Figure 2005117779
更に、第1モータ3の回転角加速度dωMG1は、ギヤ比の関係からエンジン2の回転角加速度dωeに置き換えると、以下に示す数式(6)の関係となる。
Figure 2005117779
これら式(4)、式(5)、式(6)から、エンジン2の回転角加速度dωeを示すと、以下に示す数式(7)の関係となる。
Figure 2005117779
即ち、EV走行時における駆動トルクToは、式(3)で示すようにMG2トルクTMG2に比例するが、式(7)に示すように、MG2トルクTMG2が大きくなるほど、エンジン2の回転角加速度dωeが小さくなり、つまりエンジン回転数Neが上昇し難くなる。そこで、エンジン2を円滑に始動するため、即ちエンジン2を所定時間内にアイドル回転数まで上昇させるためには、第2モータ4のMG2トルクTMG2に制限を設けて余力を残しておく必要がある。
ここで、例えば第1モータ3が最大トルクであるMG1トルクTMG1_maxを出力している場合を想定して、上記式(7)に基づき第2モータ4の制限トルクTMG2_limを示すと、以下に示す数式(8)の関係となる。
Figure 2005117779
一方、エンジン2をアイドル回転数(例えば800rpm)まで上昇させる時間をt(例えば0.5秒)とすると、エンジン2の回転角加速度dωeは、dωe=アイドル回転数[rpm]×2π÷60/t[sec]により求めることができるため、アイドル回転数と、エンジン2をアイドル回転数まで上昇させる時間tとを設定することで、第2モータ4の制限トルクTMG2_limを設定することができる。
なお、上述したエンジン2の引き摺りトルク−Teは、例えばエンジン2が低温である場合など、エンジンオイルの粘性によって、その大きさが変化するので、つまりエンジン2の引き摺りトルク−Teの変化量に応じて制限トルクTMG2_limも補正する形となることが好ましい(式(4)、式(7)、及び式(8)参照)。
そして、図3に示すように、EV走行時、つまりエンジン制御手段20によりエンジン2が停止制御されている間は、第2モータ4のMG2トルクTMG2を制限トルクTMG2_lim以内に制限しておき(S3)、リターンする(S6)。なお、勿論、第2モータ4のMG2トルクTMG2は、制限トルクTMG2_lim以内であれば、目標駆動トルク(ドライバ要求トルク)TFTGに応じて出力される。
また、第2モータ4のMG2トルクTMG2が制限トルクTMG2_lim以内に制限されるので、このEV走行時に出力軸6に出力されるEV走行最大トルクTo_EVは、以下に示す数式(9)の関係となる。
Figure 2005117779
以上の説明においては、制限トルク演算手段27により第2モータ4の制限トルクTMG2_limを演算して得るものについて説明したが、あらかじめ演算しておき、制限トルクマップ31として備えておいてもよい。この際、車速Vに応じてMG1回転数NMG1、MG2回転数NMG2、出力軸回転数Noが変化するため、エンジン2を始動する際のイナーシャトルクIMG1×dωMG1,IMG2×dωMG2も変化することになるので、制限トルクマップ31には、車速V(即ち出力軸回転数No)に対応した制限トルクTMG2_limをあらかじめ演算して記録しておく。そして、車速Vに基づき制限トルクTMG2_limを読み出すことで、随時演算することなく、制限トルクTMG2_limを求めることができる。
つづいて、バッテリ16の充電残量(SOC)に応じて制限トルクTMG2_limを補正する際について説明する。例えばインバータ回路15内などに昇圧回路が備えられていないものにあっては、バッテリ16の充電残量が低下するにつれて、第1モータ3乃至第2モータ4に供給する電圧が降下することになる。即ち第2モータ4に供給される電圧が降下することは、たとえ第2モータ4のMG2トルクTMG2が制限トルクTMG2_lim以内であっても、第2モータ4からエンジン2を円滑に始動するためのトルクが出力できない場合が生じる。
そこで、バッテリ残量検出手段29によりバッテリ16の充電残量を検出し、該検出されたバッテリ16の充電残量に応じて(即ち充電残量が低下して第2モータ4に供給する電圧が降下した分に応じて)、制限トルク補正手段30が制限トルク演算手段27により演算された制限トルクTMG2_limが低くなるように補正する。これにより、第2モータ4からエンジン2を円滑に始動するためのトルクが出力できなくなることを防ぐことができる。
なお、上述した制限トルクマップ31より制限トルクTMG2_limを読み出して求める場合であっても、同様に制限トルク補正手段30により演制限トルクTMG2_limを補正することで、第2モータ4からエンジン2を円滑に始動するためのトルクが出力できなくなることを防ぐことができる。
つづいて、エンジン2を始動する際について説明する。上述したEV走行時においては、モータトルク演算手段23によって、目標駆動トルク(ドライバ要求トルク)TFTGに応じて出力されるべき第1モータ3及び第2モータ4の出力トルク、特に上記式(3)に基づきエンジン2が停止している際のMG2トルクTMG2が演算される。なお、MG2トルクTMG2が演算されると、上記式(1)及び式(2)に基づき、MG1トルクTMG1も決定されるので、本実施の形態では、MG2トルクTMG2だけを演算した場合について説明する。
例えばEV走行中にモータトルク演算手段23により演算されたMG2トルクTMG2が、上記制限トルク演算手段27により演算された制限トルクTMG2_lim以上となると、即ち第2モータ4によりエンジン2が円滑に始動できなくなるので、エンジン始動判定21によりエンジン2の始動が判定され、該判定に基づきエンジン制御手段20が該エンジン2を始動制御する(S2のYes)。これにより、第2モータ4のMG2トルクTMG2が制限トルクTMG2_lim以上となることはなく、エンジン2が円滑に始動される。
また、このエンジン2が始動された状態、つまり上述したエンジン2の駆動中で走行する状態では、MG2トルクTMG2が制限トルクTMG2_lim以上であって、つまりドライバ要求トルクTFTGがEV走行最大トルクTo_EVよりも大きいので(S4のYes)、そのままリターンされる(S6)。
つづいて、エンジン2を停止する際について説明する。上述したエンジン2の駆動中で走行する状態においても、モータトルク演算手段23によって、エンジン2が停止したている際の(即ちエンジン2が停止した場合を仮定して)、目標駆動トルク(ドライバ要求トルク)TFTGに応じて出力されるべきMG2トルクTMG2が演算される。
このようにモータトルク演算手段23により演算されたMG2トルクTMG2が、上記制限トルク演算手段27により演算された制限トルクTMG2_lim以内となると、つまりドライバ要求トルクTFTGがEV走行最大トルクTo_EVよりも小さくなり(S4のNo)、例えばエンジン2を停止した直後であっても第2モータ4によりエンジン2を円滑に始動できるので、エンジン停止判定22によりエンジン2の停止が判定され(S5)、該判定に基づきエンジン制御手段20が該エンジン2を停止制御し、リターンする(S6)。これにより、第2モータ4のMG2トルクTMG2が制限トルクTMG2_lim以上となることはなく、必ずエンジン2が円滑に始動される。以降、ハイブリッド車輌の走行中においては、ハイブリッド車輌の制御装置1によって、図3に示す制御が繰り返し行われる。
以上説明したように本発明に係るハイブリッド車輌の制御装置1によると、モータ制御手段24が、エンジン制御手段20によるエンジン2の停止制御中にて、エンジン2を円滑に始動するための余力を残した制限トルクTMG2_lim以内で第2モータ4を駆動制御するので、エンジン2を始動する際には、例えば一旦第1モータ3及び第2モータ4の出力トルクを下げることなく、エンジン2を円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
また、モータ制御手段24は、例えば制限トルクTMG2_limを随時演算することなく、車速Vに基づき制限トルクマップ31より読み出された制限トルクTMG2_lim以内で第2モータ4を駆動制御することができるので、エンジン2を始動する際には、エンジン2を円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
更に、モータ制御手段24は、制限トルク演算手段27により随時演算された制限トルクTMG2_lim以内で第2モータ4を駆動制御することができるので、エンジン2を始動する際には、エンジン2を円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
また、制限トルク演算手段27が、第2モータ制御手段26により駆動制御される第2モータ4のMG2トルクTMG2によってエンジン2を始動する場合のエンジン回転角加速度dωeを演算し、該演算されたエンジン回転角加速度dωeに基づきモータ制限トルクTMG2_limを演算するので、第1モータ3及び第2モータ4によりエンジン2を始動する際のエンジン回転角加速度dωeを、円滑にエンジン2を始動させるようなエンジン回転角加速度dωeにすることができ、それによりエンジン2を円滑に始動することができて、ドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
更に、制限トルク補正手段30が、バッテリ残量検出手段29により検出されたバッテリ16の充電残量に応じて、制限トルクTMG2_limを補正するので、例えばバッテリ16の充電残量が減少することにより第2モータ4に供給する電圧が降下し、第2モータ4の出力可能なトルクが低くなる場合であっても、第2モータ4からエンジン2を円滑に始動するためのトルクが出力できなくなることを防ぐことができる。それにより、エンジン2を始動する際には、エンジン2を円滑に始動することができ、それによりドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
また、ドライバ要求トルク検出手段28がドライバの要求するドライバ要求トルクTFTGを検出し、モータトルク演算手段23がドライバ要求トルクTFTGに基づき第2モータ4のMG2トルクTMG2を演算し、エンジン始動判定手段21がモータトルク演算手段23により演算されたMG2トルクTMG2が制限トルク演算手段27により演算されたモータ制限トルクTMG2_lim以上である場合にエンジン2の始動を判定し、エンジン制御手段20が、エンジン始動判定手段21の判定結果に基づきエンジン2を始動制御するので、第2モータ4がモータ制限トルクTMG2_lim以上になる前にエンジン2を始動することができ、それによりエンジン2を円滑に始動することができて、ドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
更に、エンジン停止判定手段22がモータトルク演算手段23により演算された第2モータ4のMG2トルクTMG2が制限トルク演算手段27により演算されたモータ制限トルクTMG2_lim以内である場合にエンジン2の停止を判定し、エンジン制御手段20がエンジン停止判定手段22の判定結果に基づきエンジン2を停止制御するので、エンジン2を停止する際には、第2モータ4のMG2トルクTMG2をモータ制限トルクTMG2_lim未満にすることができ、それにより、例えば直後にエンジン2の始動が行われても、エンジン2を円滑に始動することができて、ドライバに違和感を与えることを防ぐことができる。
なお、本実施の形態においては、第2モータ4の制限トルクTMG2_limを演算し、EV走行時の第2モータ4を該制限トルクTMG2_lim以内に制御するものについて説明したが、これに限らず、第1モータ3のMG1トルクTMG1と第2モータ4のMG2トルクTMG2との比例関係から(式(1)及び式(2)参照)、第1モータ3の制限トルクを演算し、EV走行時の第1モータ3を該制限トルク以内に制御するものであっても、同様に制御することが可能である。
また、以上に説明したトランスミッション10の制御においては、第1モータ制御手段32により第1モータ3を回転数制御し、第2モータ制御手段33により第2モータ4をトルク制御するものについて説明したが、反対に第2モータ制御手段33により第2モータ4を回転数制御し、第1モータ制御手段32により第1モータ3をトルク制御するようにしてもよい。
更に、以上に説明したハイブリッド機構20においては、いわゆるシンプソンタイプのプラネタリギヤユニットPUを用いたものを説明したが、例えばラビニヨタイプのプラネタリギヤユニットを用いてもよく、更に、例えばプラネタリギヤを2つ用いたものであってもよく、つまり4つの回転要素を有してそれら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1モータ、第2モータ、及び出力軸を連結関係にするものであれば、どのようなものであってもよい。
また、本ハイブリッド機構20においては、上述のように4つの回転要素を有する差動歯車機構(プラネタリギヤユニットPU)を備えたものを一例として説明したが、例えば5つの回転要素を有して、4つの回転要素のそれぞれにエンジン、第1モータ、第2モータ、及び出力軸を連結する他に、5つ目の回転要素に例えばブレーキなどを連結するようなハイブリッド機構に本発明を用いてもよい。更に、例えば6つの回転要素を有している差動歯車機構を備えたハイブリッド機構に本発明を用いるものであってもよく、つまり少なくとも4つ以上の回転要素を有する差動歯車機構を備えたハイブリッド機構であれば、どのようなものに本発明を用いてもよい。
本発明に係るハイブリッド車輌の制御装置を示すブロック図。 本発明に係るハイブリッド車輌を示すスケルトン図。 ハイブリッド車輌の制御装置の制御を示すフローチャート。 回転数が変化しない際の、エンジン、第1モータ、第2モータ及び出力軸のトルク関係を示す説明図。 回転数が変化する際の、エンジン、第1モータ、第2モータ及び出力軸のトルク関係を示す説明図。
符号の説明
1 ハイブリッド車輌の制御装置
2 エンジン
3 第1モータ
4 第2モータ
5 入力軸
6 出力軸
12 駆動車輪
20 エンジン制御手段
21 エンジン始動判定手段
22 エンジン停止判定手段
23 モータトルク演算手段
24 モータ制御手段
25 第1モータ制御手段
26 第2モータ制御手段
27 制限トルク演算手段
28 ドライバ要求トルク検出手段
29 バッテリ残量検出手段
30 制限トルク補正手段
31 制限トルクマップ
PU 差動歯車機構(プラネタリギヤユニット)
S1 回転要素(サンギヤ)
S2 回転要素(サンギヤ)
CR1 回転要素(キャリヤ)
CR2 回転要素(キャリヤ)
R1 回転要素(リングギヤ)
R2 回転要素(リングギヤ)
MG1 第1モータの回転数
MG1 第1モータの出力トルク
MG2 第2モータの出力トルク
MG2_lim モータ制限トルク
FTG ドライバ要求トルク
dωe エンジン回転角加速度
dωMG1 第1モータの回転角加速度
dωMG2 第2モータの回転角加速度
V 車速

Claims (7)

  1. エンジンに接続された入力軸と、第1モータと、第2モータと、駆動車輪に接続される出力軸と、該入力軸、該第1モータ、該第2モータ、及び該出力軸にそれぞれ連結された4つの回転要素を有する差動歯車機構と、を備えたハイブリッド車輌に用いられ、
    前記エンジンを駆動制御自在なエンジン制御手段と、前記第1モータ及び前記第2モータを駆動制御自在なモータ制御手段と、を備え、前記エンジンを停止すると共に、前記ハイブリッド車輌が走行し得るように前記第1モータ及び前記第2モータを駆動制御し得、かつ前記第1モータ及び前記第2モータを駆動制御することにより前記エンジンを始動し得るハイブリッド車輌の制御装置において、
    前記モータ制御手段は、前記エンジン制御手段による前記エンジンの停止制御中にて、前記第1モータ及び前記第2モータによって前記エンジンを円滑に始動するための余力を残したモータ制限トルク以内で前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方を駆動制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置。
  2. 車速に対応した前記モータ制限トルクが記録されている制限トルクマップを備え、
    前記モータ制御手段は、前記車速に基づき前記制限トルクマップより読み出された前記モータ制限トルク以内で前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方を駆動制御してなる、
    請求項1記載のハイブリッド車輌の制御装置。
  3. 前記モータ制限トルクを随時演算する制限トルク演算手段を備え、
    前記モータ制御手段は、前記制限トルク演算手段により演算された前記モータ制限トルク以内で前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方を駆動制御してなる、
    請求項1記載のハイブリッド車輌の制御装置。
  4. 前記モータ制御手段は、前記第1モータの回転数を回転数制御し得る第1モータ制御手段と、前記第2モータの出力トルクをトルク制御し得る第2モータ制御手段と、を有してなり、
    前記制限トルク演算手段は、前記第2モータ制御手段により駆動制御される前記第2モータの出力トルクによって前記エンジンを始動する場合のエンジン回転角加速度を演算し、該演算されたエンジン回転角加速度に基づき前記モータ制限トルクを演算してなる、
    請求項3記載のハイブリッド車輌の制御装置。
  5. 前記第1モータ及び前記第2モータに対して充放電自在なバッテリと、
    前記バッテリの充電残量を検出自在なバッテリ残量検出手段と、
    前記バッテリ残量検出手段により検出された前記バッテリの充電残量に応じて、前記モータ制限トルクを補正する制限トルク補正手段と、を備えてなる、
    請求項1ないし4のいずれか記載のハイブリッド車輌の制御装置。
  6. ドライバの要求するドライバ要求トルクを検出するドライバ要求トルク検出手段と、
    前記ドライバ要求トルクに基づき、前記エンジンを停止した状態の前記第1モータ及び前記第2モータの出力トルクを演算するモータトルク演算手段と、
    前記モータトルク演算手段により演算された前記エンジンを停止した状態の前記第1モータ及び前記第2モータの出力トルクが、前記モータ制限トルク以上である場合に、前記エンジンの始動を判定するエンジン始動判定手段と、を備え、
    前記エンジン制御手段は、前記エンジン始動判定手段の判定結果に基づき前記エンジンを始動制御してなる、
    請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリッド車輌の制御装置。
  7. 前記モータトルク演算手段により演算された前記エンジンを停止した状態の前記第1モータ及び前記第2モータの出力トルクが、前記モータ制限トルク以内である場合に、前記エンジンの停止を判定するエンジン停止判定手段を備え、
    前記エンジン制御手段は、前記エンジン停止判定手段の判定結果に基づき前記エンジンを停止制御してなる、
    請求項6記載のハイブリッド車輌の制御装置。

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