JP2005114115A - 回転ダンパー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハウジング(11,41)と、このハウジング(11,41)内に収容されたシリコーンオイル21と、ハウジング(11,41)内に収められ、ハウジング(11,41)から一部が突出する軸部32にハウジング(11,41)内のシリコーンオイル21中を移動する抵抗部36が設けられたローター31と、軸部32とハウジング(41)との間からシリコーンオイル21が漏れるのを防止するOリング51と、からなる回転ダンパーDにおいて、ハウジング(41)に形成する軸部32が貫通する貫通孔42の大きさを、Oリング51を軸部32とハウジング(41)との間へ挿入可能で、かつ、Oリング51の最大外径よりも小さくする。
【選択図】 図1
Description
なお、ハウジングは、ケースと、キャップとで構成されている。
そして、ハウジングから突出する軸部には、被駆動歯車が取り付けられる。
また、組立時にキャップをケースに溶着する際にハウジング内に空気が混入することにより、ハウジング内に混入した空気に起因してトルクにバラツキが発生し、トルク精度が一定しなくなる。
(1)ハウジングと、このハウジング内に収容された粘性流体と、前記ハウジング内に収められ、前記ハウジングから一部が突出する軸部に前記ハウジング内の前記粘性流体中を移動する抵抗部が設けられたローターと、前記軸部と前記ハウジングとの間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシールリングと、からなる回転ダンパーにおいて、前記ハウジングに形成する前記軸部が貫通する貫通孔の大きさを、前記シールリングを前記軸部と前記ハウジングとの間へ挿入可能で、かつ、前記シールリングの最大外径よりも小さくしたことを特徴とする。
(2)(1)の回転ダンパーにおいて、前記シールリングは前記軸部と前記ハウジングとの間を移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
(3)(1)または(2)の回転ダンパーにおいて、前記ハウジングの前記貫通孔に連なる内面は前記貫通孔へ向かって上昇する面を有することを特徴とする。
(4)(1)から(3)のいずれか1つの回転ダンパーにおいて、前記粘性流体をシリコーンオイルとし、前記シールリングはエチレンプロピレンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムのいずれか1つで形成されていることを特徴とする。
(5)(1)から(3)のいずれか1つの回転ダンパーにおいて、前記粘性流体をシリコーンオイルとし、前記シールリングはエチレンプロピレンジエンゴムで形成されていることを特徴とする。
(6)(1)から(5)のいずれか1つの回転ダンパーにおいて、前記軸部と前記ハウジングとの少なくとも一方に、前記軸部と前記ハウジングとの間から前記シールリングが抜けるのを防止する抜け止め突出部を設けたことを特徴とする。
(7)(1)から(6)のいずれか1つの回転ダンパーにおいて、前記ハウジングから突出する前記軸部に取り付けられた被制動歯車の下面で、前記軸部と前記ハウジングとの間から前記シールリングが抜けるのを防止することを特徴とする。
(8)(1)から(6)のいずれか1つの回転ダンパーにおいて、前記ハウジングから突出する前記軸部が取り付けられる被制動部材で、前記軸部と前記ハウジングとの間から前記シールリングが抜けるのを防止することを特徴とする。
したがって、ハウジング内の圧力上昇を小さくすることができるとともに、ハウジング内に混入する空気を少なくすることができるので、トルクのバラツキを小さくしてトルク精度を向上させることができる。
そして、シールリングを、軸部とハウジングとの間を移動可能に取り付けたので、シールリングが移動することによってハウジング内の圧力上昇をさらに小さくすることができ、トルクのバラツキをさらに小さくしてトルク精度をさらに向上させることができる。
さらに、ハウジングの貫通孔に連なる内面に貫通孔へ向かって上昇する面を設けたので、ハウジング内の空気が抜け易くなってハウジング内に混入する空気をさらに少なくすることができることにより、トルクのバラツキをさらに小さくしてトルク精度をさらに向上させることができる。
そして、粘性流体をシリコーンオイルとし、シールリングを、非膨潤性を有するエチレンプロピレンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムのいずれか1つで形成したり、または、粘性流体をシリコーンオイルとし、シールリングを、非膨潤性を有するエチレンプロピレンジエンゴムで形成したので、温度変化に対する、シールリングに起因したトルク変動を小さくすることができ、寒冷地でも不具合なく使用することができる。
さらに、軸部とハウジングとの少なくとも一方に、軸部とハウジングとの間からシールリングが抜けるのを防止する抜け止め突出部を設けたり、さらに、ハウジングから突出する軸部に取り付けられた被制動歯車の下面で、軸部とハウジングとの間からシールリングが抜けるのを防止したり、または、ハウジングから突出する軸部が取り付けられる被制動部材で、軸部とハウジングとの間からシールリングが抜けるのを防止したので、シールリングが軸部とハウジングとの間から抜けにくくなり、軸部とハウジングとの間から粘性流体が漏れるのを確実に防止することができる。
図1はこの発明の第1実施例である回転ダンパーの左側を断面として左側半断面図である。
なお、断面は左右対称であるとともに、正面図も左右対称である。
なお、ハウジングは、ケース11と、キャップ51とで構成されている。
そして、底部13の下側の外縁、円筒壁部14に対応する部分には、肉抜き凹部13aが設けられている。
また、円筒壁部14の上側には、円筒壁部14の内周面を延長した面を内周面とする、周回した薄肉突出円筒部分14aが設けられている。
なお、15はケース本体12内に形成された収容部を示し、シリコーンオイル21を収容する部分であり、薄肉突出円筒部分14aから下側の部分に相当する。
そして、軸部32には、底面にケース11の軸支部16が回転可能に係合する円筒形状の窪み33が設けられ、キャップ41から突出する部分に、IカットされたIカット段部34が設けられ、Iカットされた平面部分(垂直面)にそれぞれ水平方向の嵌合溝35が設けられている。
なお、貫通孔42の大きさは、Oリング51をローター31の軸部32とキャップ41との間へ挿入可能で、かつ、Oリング51の最大外径よりも小さくされている。
そして、キャップ41の貫通孔42に連なる内面(下側面、下面)は、貫通孔42へ向かって上昇する円錐面41aとされている。
また、被駆動歯車61には、Iカット状の取付孔62が中心に設けられ、この取付孔62の平面部分に、ローター31の軸部32に設けた嵌合溝35に嵌合する嵌合突条63が設けられている。
まず、ローター31の軸部32、窪み33および抵抗部36にシリコーンオイル21を塗布した後、窪み33内へケース11の軸支部16を嵌合させるように、収容部15内へ軸部32の一部および抵抗部36を収容する。
そして、収容部15内へ適量のシリコーンオイル21を注入した後、貫通孔42内へ軸部32を挿入しながら薄肉突出円筒部分14aをキャップ41の嵌合凹溝44内に嵌合させ、ケース11の開口をキャップ41で閉塞する。
このようにしてケース11の開口をキャップ41で閉塞すると、薄肉突出円筒部分14a内の空気は円錐面41a伝いに移動して軸部32とキャップ41との間を通ってほとんどケース11外へ排出され、薄肉突出円筒部分14aとキャップ41とは密着する。
そして、軸部32とキャップ41との間へOリング51を圧入することにより、軸部32とキャップ41との間からシリコーンオイル21が漏れるのを防止する。
次に、キャップ51から突出した軸部32を被駆動歯車61の取付孔62内へ圧入させると、嵌合突条63が嵌合溝35に嵌合することにより、回転ダンパーDの組立が終了する。
なお、Oリング51は、軸部32とキャップ41との間を上下方向へ移動可能に取り付けられている。
そして、被駆動歯車61は、軸部32とキャップ41との間からOリング51が抜けないように、キャップ41と僅かな隙間をおいて対向するように取り付けられている。
まず、ローター31が回転すると、シリコーンオイル21中で抵抗部36が回転し、抵抗部36にシリコーンオイル21の粘性抵抗およびせん断抵抗が作用するので、ローター31の回転を制動する。
したがって、ローター31に取り付けられた被駆動歯車61が噛み合う歯車、ラックなどの回転または移動を制動してその回転または移動をゆっくりとさせる。
したがって、ハウジング内の圧力上昇を小さくすることができるとともに、ハウジング内に混入する空気を少なくすることができるので、トルクのバラツキを小さくしてトルク精度を向上させることができる。
そして、Oリング51を、軸部32とキャップ41との間を移動可能に取り付けたので、Oリング51が移動することによってハウジング内の圧力上昇をさらに小さくすることができ、トルクのバラツキをさらに小さくしてトルク精度をさらに向上させることができる。
さらに、キャップ41の貫通孔42に連なる内面を貫通孔42へ向かって上昇する円錐面41aとしたので、ハウジング内の空気が抜け易くなってハウジング内に混入する空気をさらに少なくすることができることにより、トルクのバラツキをさらに小さくしてトルク精度をさらに向上させることができる。
そして、粘性流体をシリコーンオイル21とし、Oリング51を、非膨潤性を有するエチレンプロピレンジエンゴムで形成したので、温度変化に対する、Oリング51に起因したトルク変動を小さくすることができ、寒冷地でも不具合なく使用することができる。
さらに、キャップ41から突出する軸部32に取り付けた被制動歯車61の下面で、軸部32とキャップ41との間からOリング51が抜けるのを防止したので、Oリング51が軸部32とキャップ41との間から抜けにくくなり、軸部32とキャップ41との間からシリコーンオイル21が漏れるのを確実に防止することができる。
そして、この第2実施例においては、軸部32とキャップ41との間からOリング51が抜けるのを、キャップ41に設けた抜け止め突出部43で防止している。
この第2実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
そして、抜け止め突出部43の上面を傾斜面43aとしたので、この傾斜面43aをガイド面とすることにより、軸部32とキャップ41との間へOリング51が挿入(圧入)し易くなる。
なお、図4の断面は左右対称であるとともに、正面図も左右対称である。
そして、この第3実施例においては、軸部32とキャップ41との間からOリング51が抜けるのを、被駆動歯車61に設けた環状突壁64で防止している。
そして、キャップ41に円錐面41aを設けた例を示したが、キャップの下面の一部に、貫通孔へ向かって上昇する面(案内面、案内溝)を設けても、同様な効果を得ることができる。
さらに、軸部32とキャップ41との間からOリング51が抜けるのを防止する抜け止め突出部43を、キャップ41に設けた例を示したが、同様に機能する抜け止め突出部を軸部に設けたり、抜け止め突出部を軸部およびキャップに設けても、同様な効果を得ることができる。
この場合、抜け止め突出部は必ずしも連続して周回していなくとても、すなわち、抜け止め突出部を周方向へ所定間隔で複数設けても、同様な効果を得ることができる。
また、キャップ41から突出する軸部32に取り付けられた被制動歯車61の下面(環状突起64)で、軸部32とキャップ41との間からOリング51が抜けるのを防止する例を示したが、キャップ41から突出する軸部32に取り付けられる被制動部材、例えば、軸などで軸部32とキャップ41との間からOリング51が抜けるのを防止する構成としても、同様な効果を得ることができる。
そして、ケース11に軸支部16を設け、軸部32に窪み33を設けてローター31を回転可能に支持する例を示したが、ケースに窪みを設け、軸部に軸支部を設ける構成としてもよい。
また、複数の抵抗部36を2つとした例を示したが、2つ以上であれば、3つでも、4つでもよい。
そして、軸部32に抵抗部36を一体成形した例を示したが、軸部と抵抗部とを別々に成形し、例えば、角軸と角孔との関係で一体的に回転するように構成してもよい。
11 ケース(ハウジング)
12 ケース本体
13 底部
13a 肉抜き凹部
14 円筒壁部
14a 薄肉突出円筒部分
15 収容部
16 軸支部
17 取付フランジ
18 取付孔
21 シリコーンオイル(粘性流体)
31 ローター
32 軸部
33 窪み
34 Iカット段部
35 嵌合溝
36 抵抗部
41 キャップ(ハウジング)
41a 円錐面
42 貫通孔
43 抜け止め突出部
43a 傾斜面
43b 水平面
44 嵌合凹溝
51 Oリング(シールリング)
61 被駆動歯車
62 取付孔
63 嵌合突条
64 環状突壁
Claims (8)
- ハウジングと、
このハウジング内に収容された粘性流体と、
前記ハウジング内に収められ、前記ハウジングから一部が突出する軸部に前記ハウジング内の前記粘性流体中を移動する抵抗部が設けられたローターと、
前記軸部と前記ハウジングとの間から前記粘性流体が漏れるのを防止するシールリングと、
からなる回転ダンパーにおいて、
前記ハウジングに形成する前記軸部が貫通する貫通孔の大きさを、前記シールリングを前記軸部と前記ハウジングとの間へ挿入可能で、かつ、前記シールリングの最大外径よりも小さくした、
ことを特徴とする回転ダンパー。 - 請求項1に記載の回転ダンパーにおいて、
前記シールリングは前記軸部と前記ハウジングとの間を移動可能に取り付けられている、
ことを特徴とする回転ダンパー。 - 請求項1または請求項2に記載の回転ダンパーにおいて、
前記ハウジングの前記貫通孔に連なる内面は前記貫通孔へ向かって上昇する面を有する、
ことを特徴とする回転ダンパー。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記粘性流体をシリコーンオイルとし、
前記シールリングはエチレンプロピレンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムのいずれか1つで形成されている、
ことを特徴とする回転ダンパー。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記粘性流体をシリコーンオイルとし、
前記シールリングはエチレンプロピレンジエンゴムで形成されている、
ことを特徴とする回転ダンパー。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記軸部と前記ハウジングとの少なくとも一方に、前記軸部と前記ハウジングとの間から前記シールリングが抜けるのを防止する抜け止め突出部を設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記ハウジングから突出する前記軸部に取り付けられた被制動歯車の下面で、前記軸部と前記ハウジングとの間から前記シールリングが抜けるのを防止する、
ことを特徴とする回転ダンパー。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記ハウジングから突出する前記軸部が取り付けられる被制動部材で、前記軸部と前記ハウジングとの間から前記シールリングが抜けるのを防止する、
ことを特徴とする回転ダンパー。
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