JP2005113525A - 鉄骨梁ダンパー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 鉄骨梁ダンパー3は、対をなす端部部材4a及び降伏点の低い鋼材パネル4bとを備える制震ダンパー本体4と、対をなす連結部材5により構成され、両者は締結手段7を介して着脱可能に締結される。これら鉄骨梁ダンパー3は、隣り合うRCコアウォール2aの両者に互いに対向するように突出して設けられている鉄筋コンクリート造のブラケット6に、連結部材5の他端を根巻きされることにより、RCコアウォール2aに対して剛に接合されている。これらは、地震時に鋼材パネル4bが先行降伏して損傷した際に、地震後に制震ダンパー本体4のみを締結手段7の開放及び締結により容易に取替えでき、メンテナンスが容易で地震後の復旧作業を迅速に実施できるものである。
【選択図】 図2
Description
一方、鉄骨造の柱を備える構造物に対して制震ダンパーを組み込む際には、間柱に組み込む方法しか適用できないため、上述するような制震ダンパーを梁に組み込むことのできる構成が望まれている。
また、地震等が生じた際には、制震ダンパー本体を構成する降伏点の低い鋼材パネルが先行して降伏することによりせん断変形を起こしてエネルギーを効率よく吸収するため、大きな制震効果を得ることが可能となる。
さらに、地震後には、前記制震ダンパー本体と連結部材とを連結している前記締結手段の開放及び締結により、損傷が集中している前記鋼材パネルを含む制震ダンパー本体を新たな制震ダンパー本体に容易に取り替ることが可能となる。
このように、鉄骨梁ダンパーは制震装置としての制震機能を維持しつつ、施工からメンテナンスに至るまで鉄骨梁ダンパーに係る作業性を大幅に向上することが可能となる。
また、これに限らず鉄骨造の柱2bどうしに挟まれた区間S3のように、隣り合う柱2bの両者に架け渡される鉄骨梁としても用いられている。
本実施の形態では、区間S1のようなRCコアウォール2aに架け渡される短スパンの境界梁ダンパーの場合、隣り合う鉛直部材2が鉄筋コンクリート造の場合、区間S3のような柱2bが鉄骨造である場合の各々の鉛直部材2に架け渡される鉄骨梁ダンパー3について以下に詳述する。
第1の実施の形態では、鉄骨梁ダンパー3の中でも前記RCコアウォール2aどうしに挟まれた区間S1に適用されている、いわゆる境界梁ダンパーを例に挙げて詳述する。
図2に示すように、鉄骨梁ダンパー3は、制震ダンパー本体4、及び該制震ダンパー本体4の両端部に配置され鉄骨梁ダンパー3の両端部を構成する対をなす連結部材5により構成される。
なお、本実施の形態では、端部部材4aの部材厚を鋼材パネル4bと比較して厚い形状に成形しており、より鋼材パネル4bに変形が集中しやすい構成としている。
また、前記鋼材パネル4bは、制震ダンパー本体4を構成する前記端部部材4aよりも降伏点の低い鋼材であれば極軟鋼にこだわるものではなく、軟鋼や一般鋼等によりなる鋼材を用いても良い。
該ブラケット6は、鉄筋コンクリート造に構築されており、隣り合う前記RCコアウォール2aの両者に対をなして互いに対向するように突出して設けられている。対向する該ブラケット6の端面6aどうしの距離は、前記制震ダンパー本体4の部材長と比較して長い間隔を有するものの、鉄骨梁ダンパー3の部材長と比較して短い間隔を有しており、前記鉄骨梁ダンパー3を配置した際には、前記連結部材5の他端が、該ブラケット6に根巻きされるように埋設される構成となっている。
なお、本実施の形態では、前記アンカー筋8に頭部付き鉄筋を用いることとし、RCコアウォール2aへの収まり長さを短くするとともに、定着強度を高める構成としているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、同様の効果が得られる部材であれば何れをアンカー筋8に適用しても良い。
第1の実施の形態では、鉄骨梁ダンパー3の中でも前記RCコアウォール2aどうしに挟まれた区間S1に適用されている境界梁ダンパーを例に挙げてその構成を詳述したが、該鉄骨梁ダンパー3は、必ずしも短スパンの隣り合うRCコアウォール2aに適用するのみでなく、何れの隣り合う鉄筋コンクリート造の鉛直部材2を架け渡すように構築しても良い。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、鉛直部材2が鉄筋コンクリート造である場合に架け渡す鉄骨梁ダンパー3を示したが、第3の実施の形態では、鉛直部材2が鉄骨造である場合に架け渡す鉄骨梁ダンパー3を、図1の区間S3に適用されているような隣り合う鉄骨造の柱2bを架け渡す場合を例に挙げて以下に詳述する。
これら制震ダンパー本体4と連結部材5との連結構造も第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であり、対をなす前記連結部材5の一端と端部部材4aの端部とを当設させるとともに、上フランジ同一高さとなるよう位置あわせを行った上で、締結手段7を介して締結するもので、これにより鉄骨梁ダンパー3が構成されている。
このような構成の鉄骨梁ダンパー3は、地震等が発生した際には前記柱2bより直に水平力を伝達され、第1の実施の形態と同様に、前記制震ダンパー本体4が先行して降伏しせん断変形を起こしてエネルギー吸収することにより制震効果を得るものである。
なお、連結部材5及び端部部材4aが、第1の実施の形態と比較してウェブの広い面積を有していることから、柱2bから作用される水平力を局部集中することなくウェブの広い面積で分散して伝達されるため、鉄骨梁ダンパー3における端部の曲げ耐力が確保されて制震ダンパー本体4の制震性能をより向上できるものである。
また、地震等が生じた際には、制震ダンパー本体4を構成する降伏点の低い前記鋼材パネル4bが先行して降伏することによりせん断変形を起こしてエネルギーを効率よく吸収するため、大きな制震効果を得ることが可能となる。
さらに、地震後には、前記制震ダンパー本体4と連結部材5とを連結している前記締結手段7の開放及び締結により、損傷が集中している前記鋼材パネル4bを含む制震ダンパー本体4を新たな制震ダンパー本体4に容易に取り替ることが可能となる。
このように、鉄骨梁ダンパー3は制震装置としての制震機能を維持しつつ、施工からメンテナンスに至るまで鉄骨梁ダンパー3に係る作業性を大幅に向上することが可能となる。
2 鉛直部材
2a RCコアウォール
2b 柱
3 鉄骨梁ダンパー
4 制震ダンパー本体
5 連結部材
6 ブラケット
7 締結手段
8 アンカー筋
Claims (5)
- 隣り合う鉛直部材間に架け渡される鉄骨梁ダンパーであって、
上下フランジを有する形鋼よりなり、前記鉛直部材に直交して対をなして同一直線上に配置される端部部材、及び該端部部材に比べて降伏点の低い鋼材よりなり、対をなす前記端部部材の間にこれらと上端面を同一直線上に配置されて端部部材に連結する鋼材パネルを備える制震ダンパー本体と、
上下フランジを有する形鋼よりなり、上フランジが前記制震ダンパー本体を構成する端部部材の上フランジと同一平面を形成する高さに位置するとともに、一端が前記端部部材の端部に当接するように配置される対をなす連結部材により構成されてなり、
該連結部材の一端が、当接する前記端部部材の端部と締結手段を介して締結されるとともに、
該連結部材の他端が、鉛直部材の側部に剛に接合されることを特徴とする鉄骨梁ダンパー。 - 請求項1に記載の鉄骨梁ダンパーにおいて、
前記鉛直部材が、鉄筋コンクリート造よりなり、
該連結部材の他端が、隣り合う前記鉛直部材の側部で互いに対向するように配置される鉄筋コンクリート造のブラケットに根巻きされることにより、鉛直部材の側部に剛に接合されることを特徴とする鉄骨梁ダンパー。 - 請求項2に記載の鉄骨梁ダンパーにおいて、
前記連結部材と前記端部部材が、鋼材パネルと比較して大きいウェブ高さを有することを特徴とする鉄骨梁ダンパー。 - 請求項2または3に記載の鉄骨梁ダンパーにおいて、
前記鉛直部材の側部には、一端が突出したアンカー筋を備えており、
該アンカー筋の一端と前記連結部材の他端に重ね継ぎ手を形成した上で、これらを前記ブラケットで根巻きすることを特徴とする鉄骨梁ダンパー。 - 請求項1に記載の鉄骨梁ダンパーにおいて、
前記鉛直部材が鉄骨造よりなり、
前記連結部材と前記端部部材が、鋼材パネルと比較して高いウェブ高さを有するとともに、前記連結部材の他端を前記鉛直部材の側部に固着手段を介して固着することにより、剛に接合されることを特徴とする鉄骨梁ダンパー。
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