JP2005113274A - ドラフト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のドラフトローラ対から構成されるドラフト装置を使用するにあたり、把持力を維持しながら高速回転するローラにより生じる随伴気流が及ぼす悪影響を低減すると共に、前記随伴気流を有効利用して繊維束の拡がりを抑制することができるドラフトローラを備えるドラフト装置を提供することである。
【解決手段】 繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置であって、前記ローラ対を構成するローラ間端部に、ローラの回転に伴う随伴気流を挿通させると共に、前記気流がドラフトされて送り出される繊維束の拡がりを阻止する防止壁を形成する気流となる空気通路を形成する間隙を設ける構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維束(スライバともいう)を牽伸(ドラフトともいう)しながら送り出すドラフトローラを備えるドラフト装置に関するものである。
従来、ドラフト装置としては、スライバをニップして下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対にて構成されるローラドラフト装置が知られている。
また、前記ローラドラフト装置は、それぞれトップローラとボトムローラとのローラ対がスライバ送り方向に複数配設されていて、各ローラ対の回転速度を段々増加することによってドラフトを行うものであって、各トップローラを一体的に保持してボトムローラと接離自在に支持するドラフトクレードルが配設されている。
上記トップローラはゴムローラあるいはゴムが被覆されるローラであって、ボトムローラは金属製のローラである。またスライバを確実にドラフトするためには、前記ボトムローラとトップローラとの把持力が重要であり、固定して設置される金属製のボトムローラにトップローラを押圧して当接する構成とされている。
例えば、スライバ(繊維束)をドラフトして紡績糸を製造する紡績装置として種々の紡績装置が公知であり、最近では、中空ガイド軸体(中空スピンドル)と紡績ノズルを備えて300m/分以上の高速で紡績可能な紡績装置を備える紡績機も知られている。このような最近の紡績機等に代表される、スライバや紡績糸を高速で送るものにおいては、ドラフトも高速で行うために、各ドラフトローラの回転速度も速くなり、特にドラフト終端の送出しローラであるフロントローラ周速は著しく増大している。そのために、高速回転するフロントローラの周面に生じる随伴気流の影響も大きくなってきており、得られる紡績糸の品質のバラツキが大きくなって安定しない問題が生じている。
そのために、高速紡績装置において、随伴気流による繊維の拡散を防ぐために、フロントトップローラの両端を大きく切除して、有効ローラ幅を半分程度としたドラフト装置のフロントトップローラが公開されている。(例えば、特許文献1参照)
また、フロントトップローラに細溝を設けて随伴気流の流路を構成して、繊維が随伴気流に乗って広がるのを防止するとしたドラフト装置が公開されている。(例えば、特許文献2参照)
特開平7−126926号公報(第1−3頁、第3図) 実開平4−37271号公報(第1−7頁、第1図)
スライバや紡績糸の送り速度の高速化に伴い、フロントローラの回転数も飛躍的に増大してきている。そのために、従来から周知である溝付きローラタイプのフロントローラを使用したドラフト装置においても、その高速回転による悪影響が見られるようになった。
つまり、従来の比較的低速な紡績速度においては、随伴気流の影響を防止するために好適と思われてきた溝付きボトムローラとゴム製トップローラとによるドラフトローラが、前記送り速度が高速になるにつれて、随伴気流が横方向(ローラ軸方向)に拡散することより紡績糸の糸物性を乱していることが判って来た。
そのために、随伴気流による繊維の拡散を防ぐとした前述のドラフト装置では、高速回転する一対のフロントローラのニップ点付近から軸方向に逃げようとする随伴気流を、フロントローラの回転方向に逃がすための空間や溝部を形成するようにしている。しかし、この随伴気流を積極的に利用して横方向に逃げようとする繊維を繊維の送り出し方向に揃えようとするものではない。
本発明の目的は、複数のドラフトローラ対から構成されるドラフト装置を使用するにあたり、把持力を維持しながら高速回転するローラにより生じる随伴気流が及ぼす悪影響を低減すると共に、前記随伴気流を有効利用して繊維束の拡がりを抑制することができるドラフトローラを備えるドラフト装置を提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置であって、前記ローラ対を構成するローラ間端部に、ローラの回転に伴う随伴気流を挿通させると共に、前記気流がドラフトされて送り出される繊維束の拡がりを阻止する防止壁を形成する気流となる空気通路を形成する間隙を設けたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、ローラを高速回転して高速の随伴気流が生じても、前記随伴気流がローラ端部の段差部から繊維束の送り出し方向へ高速の空気流を形成することで、ドラフトされて送り出される繊維束の横方向への拡がりを抑制することができる。
請求項2に係る発明は、前記間隙がローラ対を構成するいずれか一方のローラに設けた段差であって、前記段差が、隙間が1mm以上で3mm以下であり、幅が6mm以上であることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、ドラフトローラの一方に段差を設けることで、ローラの高速回転によって生じる高速の随伴気流を確実に送り出す間隙を形成することができる。
請求項3に係る発明は、前記段差を設けるローラがゴムローラであって、ゴム厚みが3.5mm以上であり、ローラ両端部に、高さ1.5mm程度で幅が7mm程度の段差を形成していることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、ドラフトする繊維束の把持力を維持すると共に、ローラを高速回転しても随伴気流が繊維束を乱すことがない。
請求項4に係る発明は、前記ドラフト装置が旋回気流を作用させて紡績糸を紡出する空気紡績部を備える紡績機に適用されるローラドラフト装置であることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、高速紡績が可能な空気紡績機において、スライバを確実に把持すると共に、高速回転に伴って周囲の空気を乱すことのないフロントローラを備えるドラフト装置とすることができる。
上記説明したように本発明によれば、ローラドラフト装置を用いて高速紡績を行う紡績機であっても、ローラを高速回転する際に生じる随伴気流によりドラフトされながら送り出される繊維束が乱されることがない。またドラフトむらを生じない程度の把持力で繊維束をニップするので、紡出する糸物性を悪化させることがない。
把持力を維持しながら高速回転するローラにより生じる随伴気流が及ぼす悪影響を低減すると共に、前記随伴気流を有効利用して繊維束の拡がりを抑制することができるドラフトローラを備えるドラフト装置を得るという目的を、ローラ対を構成する一方のローラの両端部に段差を設けて、ローラの回転に伴う随伴気流を挿通させると共に、該段差を挿通する気流がドラフトされて送り出される繊維束の拡がりを阻止する防止壁を形成する構成とすることで実現した。
以下、本発明に係るドラフト装置の実施例について、図1から図9に基づいて詳細に説明する。
先ず、本発明が適用される紡績機Mについて図5により説明する。本紡績機Mは紡績ユニットUが多数配列された構成となっており、スライバLがドラフト装置DRに送られ紡績部Spにより紡績糸Yに形成された後、該紡績糸YはニップローラRn及びスラブキャッチャーZ等を経て巻取部WRに巻き取られ、パッケージPWを形成する。Pは糸継ぎを行う糸継装置であり、紡績機Mの長手方向に沿って紡績機Mの内部下方を走行するように構成されている。
また、図4に示すように各紡績ユニットUは、機台後部に配置されたケンスK内に収納されているスライバLがガイドGを経て、トランペットTを挿通しドラフト装置DRに搬送された後、段々送り速度が速くなるローラドラフト部を通過して所定太さに牽引され、紡績部Spにより紡績糸Yとなり、機台前面の巻取部WRに巻き取られ、パッケージPWを形成する構成である。
前記紡績部Spは紡績速度が300m/分以上の高速紡績が可能な、紡績ノズルと中空ガイド軸体とを備える空気紡績装置から形成されているが、これに限定されるものではなく、2段の空気紡績ノズルを備える紡績装置でもよい。また、紡績ノズルと一対の加然ローラとを備える、紡績速度が数百m/分の高速紡績が可能な紡績装置であってもよい。
さらには、高速ドラフトを行うその他の精紡機や粗紡機や練条機等のドラフト装置に本発明を適用することが可能である。
前記ドラフト装置DRは、図3に示すように、バックローラRb,サードローラRt,エプロンベルトEを有するミドルローラRm、及びフロントローラRfから構成される所謂4線式のドラフト装置であって、それぞれ上下一対のローラが送り方向に沿って配置される構成である。
該ドラフト装置DRは、スライバを挿通するガイドであるトランペットTを経て供給されるスライバLを所定の細さに引き延ばす装置であって、各ローラの回転速度を、上流側から下流側に向かって段々増加しながらスライバLを送ることによってドラフトを行う。所定の細さにドラフトされたスライバLは、紡績部Spに供給され、該紡績部Spにおいて紡績糸Yに形成される。
また、各ローラを構成している上下一対のローラはそれぞれ、紡績機の本体フレーム側に配設された下部ローラとなるボトムローラと、該ボトムローラと接離自在に構成されるトップローラとで構成されている。
そして、各トップローラであるバックトップローラRb1と、サードトップローラRt1と、ミドルトップローラRm1と、フロントトップローラRf1とは、ドラフトクレードル6に一体的に装着されており、支軸8を回転中心としてドラフトクレードル6全体が回動することで、各トップローラとボトムローラとの接離を行う構成である。
この回動操作はハンドル9を把持することで行い、ドラフトクレードル6を下に降ろした時に、ハンドル9の下部先端のフック部9aを固定ローラ10に係合させて、各ドラフトローラを構成する上下一対のトップローラとボトムローラの圧接状態を保持する構成とされている。この構成は従来からよく知られているローラドラフト装置と同じである。
各ドラフトローラ間の距離はドラフトされながら挿通するスライバLを構成する繊維の繊維長に係り、紡績原料であるスライバLの品質を替える毎に見直す寸法となっている。そのために、各ボトムローラのうち、フロントボトムローラRf2は機台フレームに固定しているが、ミドルボトムローラRm2とサードボトムローラRt2とバックボトムローラRb2とは、それぞれ機台フレーム11に対して、図3中の矢印方向にスライド自在に移動して、所定のローラ間隔で固定されるよう構成されている。
また、ドラフトクレードル6には、所定のローラ間ピッチが配設されたサイドガイド7が装着されており、該サイドガイド7に、それぞれのトップローラが所定のローラ間ピッチを配して一体的に装着される構成である。そのために、各トップローラ間の距離を替える時には、新たなピッチが配されているサイドガイド7に変更する必要がある。この時に、フロントローラRfの位置は固定されていて、各トップローラ間の距離を替える際の基準となる。
紡績装置は短繊維の集合体であるスライバLを、ドラフト装置DRにより所定の太さまで延伸した後で、紡績部にて撚り合わせて紡績糸Yを形成する装置である。そのために、紡績速度が高速化してくると、ドラフト装置DRの最終の送りローラであるフロントローラRf部において、高速回転するフロントローラ周面に生じる随伴気流の影響により、前記スライバLを構成している短繊維が飛散し易くなる。また、短繊維が飛散した状態で紡績を行うと、得られる紡績糸Yの太さにばらつきが生じると共に、糸品質が悪化する。
ここで、図1(a)により、ゴムローラであるフロントトップローラの両端部に段差を設けた本実施例のドラフトローラについて説明する。フロントボトムローラRf2は当接するフロントトップローラRf1を回転駆動する駆動ローラであって、所定の高さ突出して軸方向に平行な横溝を備える金属ローラである。フロントトップローラRf1は金属製シャフト1にベアリング2を介して装着されるスリーブ3にゴム層4を形成したゴムローラであって、該フロントトップローラRf1を前記フロントボトムローラRf2に押圧して当接させることで従動回転し、両ローラ間にニップする繊維束を把持して送り出すドラフトローラを構成する。
繊維束を確実に把持するためには所定の把持力が必要であって、前記フロントトップローラRf1をフロントボトムローラRf2に押圧した際に、フロントトップローラRf1のゴム層4が所定量押圧されて変形することが必要である。そのために、前記フロントトップローラRf1の厚みAは所定厚必要となる。
さらに、紡績速度が高速となりフロントローラの回転速度が増加すると、高速回転するローラ周面に随伴気流が生じる。また、ローラ周面に発生する随伴気流は両ローラのニップ点付近から軸方向(横方向)に拡散する。そのために、ドラフトされながら搬送される繊維束も横方向に拡散されることになる。
本実施例においては、ドラフトされながら搬送され紡績部Spに送り出される繊維束の横方向への拡散を防止するために、フロントトップローラRf1の両端部間に間隙を形成する段差5を設けて、該間隙を通過する空気流が繊維束の拡散を阻止する防止壁を形成する構成とした。
前記段差の大きさを種々変化させての紡績実験および空気流れの測定により、両ローラの周面に生じる随伴気流が繊維束乱れに悪影響を及ぼさないだけでなく、前記随伴気流を用いて繊維束が拡散しないように利用可能となる所定の段差大きさが存在することが明らかとなった。
段差5により形成される間隙の隙間Bを0mm、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mmと変化させ、幅Cを5mm、6mm、7mm、8mmと変化させてその時に紡出される糸物性を測定した。さらに、ゴム層の厚みAを2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mmと変化させてそれぞれの糸物性と空気流れの比較を行った。
その結果、紡績ノズルと中空ガイド軸体とを備える空気紡績装置を備える紡績部Spを装着する紡績機においては、隙間Bが1mm以上3mm以下、幅6mm以上の場合に効果が見られた。また特に、隙間Bが1.5mmで且つ幅7mm程度の段差を形成するドラフトローラで紡出される紡績糸の糸物性が安定して良好であることが判った。
これは、フロントローラRf出口部に吸引力を有する紡績ノズルを備える紡績装置において、フロントローラRfを構成するフロントトップローラRf1とフロントボトムローラRf2の高速回転によって生じる随伴気流を、ドラフトされながら送り出される繊維束が横方向に拡散するのを抑制する空気流れとして利用可能な空気通路を形成することが可能な間隙となる段差5をフロントローラ部に設けたためである。
また、図1(b)に示すように、前記段差をゴムローラであるフロントトップローラRf1ではなく、金属筋ローラであるフロントボトムローラRf2に設ける構成として、上記と同様な糸物性と空気流れの比較を行ったところ、所定の大きさの隙間であれば同等の効果を有することがわかった。
図2により空気流れについてさらに説明する。ドラフトされるスライバLはフロントローラRf出口から紡績部Spを構成する紡績ノズルSNに起因する吸引力により、前記紡績ノズルSNに吸引され、紡績部Spにて紡績糸Yを生成する。この時に、フロントローラRf出口部において、スライバ端部の一部の短繊維Laが横方向へ拡散しようとする。しかし、段差5を設けたフロントローラにおいては上述したように、ローラ周面に沿って生じる随伴気流F1が段差5により形成される間隙から吐き出されて、スライバLの進行方向へ直進的に送り出され空気流F2を形成する。
もちろん前記空気流F2は段差5による間隙形状により変動するが、紡績速度が300m/minを超える高速紡績においては、前記した隙間Bが1.5mmで且つ幅7mm程度の空気通路を形成することで、スライバLの一部短繊維の横方向への拡散を抑制する空気流F2を生成することができる。つまり、前記空気流F2は、ドラフトされて送り出される繊維束の拡がりを阻止する防止壁を形成することになる。
また、紡績糸Yの糸物性としての均斉度(糸ムラの程度を表しU%と称する)は、上記の一部繊維の拡散によるものと、高速でドラフトする際のドラフトむらにより生じるものとがあり、該ドラフトむらを抑制するには、ドラフトローラ部でのスライバの把持力を所定の値に維持することが重要である。
そのために、一部繊維の拡散を抑制する空気流F2を形成するだけでなく、スライバの把持力を維持するためには所定厚みのゴム厚Aが必要であり、実験の結果3.5mm以上のゴム厚において、前記U%の良好な紡績糸Yを得ることができた。
図6によりゴム厚Aを2.5mmから4.5mmまで変えた時の得られた紡績糸Yの糸物性を比較してみる。図からも明らかなように、テストA5(ゴム厚Aが2.5mm)ではU%が13.35でthin(−50%)が224であり、テストA4(ゴム厚Aが3.0mm)ではU%が13.01%でthin(−50%)が181と、共にU%が13%を超えている。しかしテストA3、A2、A1ではいずれのU%も12%台であり、さらにthin(−50%)の値も100〜120程度であって、ゴム厚Aが3.5mm以上で十分良好な糸物性であることが判る。
前記のthin(−50%)とは糸の太さが平均太さよりも50%以上細い部分の数を計測して糸長1000m(1Km)当たりの数字に表記したものであり、この数字が大きいと細い部分が多いことを表す。つまり紡績糸Yが一部繊維の拡散やドラフトむらのために、不良部分を多く含んでいることになる。
図6に示す糸物性は、紡績ノズルと中空ガイド軸体とを備える紡績部を有する紡績機において紡績速度が350m/minで、高さ(隙間)1.5mmで幅7mmの段差5を備えるフロントトップローラRf1を用いた紡績実験によるものである。また、ゴムローラであるフロントトップローラRf1のゴム厚を変えたテストA1からテストA5までのいずれの条件においても、紡績糸Yの糸強力や伸度は同等であって、差は見られない。しかし、均斉度U%やthin(−50%)等の糸ムラを表す数値に相違がみられ、フロントトップローラRf1のゴム厚みにより、糸ムラが増減することが明らかとなった。
つまり、フロントローラRfを構成するフロントトップローラRf1とフロントボトムローラRf2のいずれかのローラに段差を設けると共に、ゴムローラのゴム厚みを3.5mm以上にすることで、300m/min以上の高速紡績であっても、糸むらの小さい良好な糸物性の紡績糸Yを得ることができる。もちろん、前記段差をそれぞれのローラに設けて合計した段差が所定の大きさの間隙を形成する構成としてもよい。
しかし、材質が比較的柔らかいゴム製であるフロントトップローラRf1に所定寸法の段差を設けて所定の間隙を形成する構成とすれば、加工が容易となり好適である。
図7に示しているのは、段差の有無により、糸物性と操業性がどのように向上しているかを確認できた資料であり、テストB1は段差が無いゴム厚み3.5mmのフロントトップローラを用いた実験結果であり、テストB2は段差有りのローラであって、隙間1.5mmで幅7mmの段差を両側に備えるゴム厚が3.5mmのフロントトップローラを用いた実験結果である。テストB3は前記と同様な段差を備えるゴム厚が4.5mmのフロントトップローラによる実験結果を示している。
図からわかるように、糸強力はテストB1が220cNであり、テストB2が223、テストB3が228であるので、大差がなく同等である。しかし、均斉度U%やthin(−50%)等の糸むらには大きな差が見られ、特に細むらであるthin(−50%)の値が、テストB3では155であるが、テストB1では340であり、二倍以上に悪化している。そのために、紡績中の糸切れ回数(テストB3では7回、テストB2では13回であるが、テストB1では25回)や、紡績の後工程であるワーパー工程における糸切れ回数(テストB3では0.17回、テストB2では2.7回であるが、テストB1では10回)等の操業性に大きな差が見られ、いずれも段差が無い場合(テストB1の場合)には、糸切れ回数が極端に多くなっており、操業性が悪くなっている。
空気流れの様子を数値解析してシュミレーションした結果を図8、図9に示す。図8には高速回転するフロントローラRfにより生じる随伴気流の様子を示すシュミレーション結果であり、図9は紡績ノズルSNの吸引力を考慮した際の空気流れのシュミレーション結果である。
図8に示すC−1は隙間Bが3.5mmの段差の場合であり、C−2は隙間Bが2.5mmの段差の場合であり、C−3が隙間Bが1.5mmの場合であり、C−4が隙間Bが0.5mmの場合のシュミレーション結果である。また、隙間の幅はいずれも7mmに設定している。
隙間Bが0.5mmのC−4の場合では、随伴気流の多くは横方向に逃げる空気流faとなっており、スライバの送り出し方向への空気流fbは少ない。隙間Bが1.5mmのC−3の場合では、横方向に逃げる空気流faは極少なく、スライバの送り出し方向への空気流fbが多く、一部がローラの回転に追随する随伴流fcとなっている。また、C−2,C−1の場合では、横方向に逃げる空気流faは少ないが、ローラの回転に追随する随伴流fcが多くなっている。
図9は図8の条件に加えて紡績ノズルSNの吸引力を考慮したものであり、いずれの場合においても、ノズル方向へ向かう速い空気流fcが多くなっている。しかし、D−4に示す隙間0.5mmの場合では、横方向に逃げる空気流faが依然として多く、ノズル方向へ向かう空気流fcが少ないのが判る。
上記のシュミレーションの結果からも、隙間Bの大きさは狭くても広すぎても不都合が生じており、隙間Bは1.5mm程度が最適であることが判る。
上記したように、本発明に係るドラフト装置は、高速紡績を行っても、高速回転するフロントローラの周面に生じる随伴気流により、ドラフトされながら送り出されるスライバーが拡散されて乱されないように、前記随伴気流をスライバー送り出し方向への空気流に偏向する隙間となる段差を設けると共に、所定厚みのゴム層厚みを有するフロントトップローラとすることで、ドラフトむらを生じない程度の把持力を備えるドラフト装置とすることができる。
さらに、ゴム製のフロントトップローラに段差を設ける構成として、加工を容易とするだけでなく、交換作業も容易となるドラフト装置とすることができる。
フロントローラの断面拡大図であり、(a)にはトップローラに段差を設けた例を示し、(b)にはボトムローラに段差を設けた例を示している。 本発明に係る空気流れを示す平面図である。 ドラフト装置の全体側面図である。 本発明に係る紡績機の全体断面図である。 紡績機の全体を示す正面図である。 フロントトップローラのゴム厚に対する糸物性を示している。 糸物性と操業性の比較を示している。 高速回転するフロントローラRfにより生じる随伴気流の様子を示すシュミレーション結果である。 紡績ノズルSNの吸引力を考慮した際の空気流れのシュミレーション結果である。
符号の説明
5 段差(間隙となる)
A ゴムの厚み
B 隙間
C 幅(段差の)
DR ドラフト装置
F1 随伴気流
F2 空気流
Rf フロントローラ
Rf1 フロントトップローラ
Rf2 フロントボトムローラ
L スライバ
Y 紡績糸

Claims (4)

  1. 繊維束を下流側に送り込みつつ牽伸する複数のローラ対から構成されるドラフト装置であって、
    前記ローラ対を構成するローラ間端部に、ローラの回転に伴う随伴気流を挿通させると共に、前記気流がドラフトされて送り出される繊維束の拡がりを阻止する防止壁を形成する気流となる空気通路を形成する間隙を設けたことを特徴とするドラフト装置。
  2. 前記間隙がローラ対を構成するいずれか一方のローラに設けた段差であって、前記段差が、隙間が1mm以上で3mm以下であり、幅が6mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のドラフト装置。
  3. 前記段差を設けるローラがゴムローラであって、ゴム厚みが3.5mm以上であり、ローラ両端部に、高さ1.5mm程度で幅が7mm程度の段差を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載のドラフト装置。
  4. 前記ドラフト装置が旋回気流を作用させて紡績糸を紡出する空気紡績部を備える紡績機に適用されるローラドラフト装置であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のドラフト装置。
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