JP2005112697A - ニッケルとコバルトを含む澱物の溶解方法 - Google Patents

ニッケルとコバルトを含む澱物の溶解方法 Download PDF

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義昭 井原
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Abstract

【課題】ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物から、低塩素濃度のニッケルとコバルトの混合硫酸水溶液を得る際に、ニッケルとコバルトを高収率かつ低コストで溶解することができる方法を提供する。
【解決手段】前記澱物をスラリー化した後、該スラリーに硫酸を添加して、60〜100℃の温度で、pHを0.5〜2.0の範囲に調整して、該澱物を溶解するとともに塩素を気化除去する第一の工程、及び第一の工程で得られる処理液に、硫酸および還元剤を添加して、pHを0.5〜2.0、かつ酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を450〜550mVに調整して、未溶解の金属水酸化物を溶解する第二の工程を含むことを特徴とする澱物の溶解方法などで提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケルとコバルトを含む澱物の溶解方法に関し、さらに詳しくは、ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物から、低塩素濃度のニッケルとコバルトの混合硫酸水溶液を得る際に、ニッケルとコバルトを高収率かつ低コストで溶解する方法に関する。
従来、ニッケル塩類は、めっき原料、触媒、電池材料などとして使用されているが、近年、より高純度なニッケル塩類が市場から求められるようになっている。したがって、ニッケル塩類として、最も広く使用される硫酸ニッケルの製造においては、ニッケルを含む原料を溶解して得られる粗硫酸ニッケル水溶液からの不純物元素の除去が、非常に重要になっている。この中で、特に不純物元素として、鉄、銅、亜鉛等の金属カチオンと塩素等のアニオンがが含有されていない高純度なニッケル塩類が望まれている。
従来、硫酸ニッケルの製造においては、例えば、以下の方法で不純物元素の除去が行われる。まず、ニッケルを含む原料を硫酸に溶解して、得られる粗硫酸ニッケル水溶液中の鉄、銅、コバルトなどの不純物元素を除去する。次に、不純物元素を除去した水溶液を加熱蒸発させることにより濃縮し、続いて冷却して硫酸ニッケルの結晶を析出させる。高純度な硫酸ニッケルを製造するためには、晶析前の硫酸ニッケル水溶液中の不純物元素を低下させることが重要である。通常、硫酸ニッケルの製造の原料には、ニッケルの他に鉄、銅、亜鉛などの金属不純物元素が含まれており、さらにニッケルの浸出工程又は精製分離工程での酸化剤等による塩素等が含まれる。これら不純物元素は、原料を溶解するときにニッケルとともに溶解液に浸出されるので、金属カチオンとともに、塩素イオン等のア二オンも完全に除去されなければ高純度の硫酸ニッケル水溶液は得られない。
金属カチオンの除去方法としては、沈殿法、溶媒抽出法、イオン交換法など種々の方法が提案されており、粗硫酸ニッケル水溶液からは比較的容易に除去することができる。一方、塩素イオン等のアニオンは、一般に除去が困難である。例えば、電解酸化により液中の塩素イオンを除去する方法が試みられているが、電流効率及びニッケル収率の問題があり実用的でない。
ところで、ニッケル精錬では、ニッケルの主製品は金属ニッケルであり、ニッケル塩類の製造には、通常は副産物が原料として用いられる。例えば、コバルトの回収工程で得られる下記の混合澱物を用いると経済的に有利である。
従来、コバルトをニッケル水溶液から分離回収する方法として、塩素ガスを用いてコバルトイオンと鉄イオンを酸化して3価とし、その後中和して水酸化物として分離する方法が広く実施されている。この方法によれば、コバルトおよび鉄は水酸化第二コバルトおよび鉄として沈殿している。また、水溶液中のコバルト及び鉄を十分に分離除去する条件で行うと、ニッケルの一部が酸化され、水酸化第二ニッケルとして共沈殿する。
このとき、ニッケル精錬で使用されている水溶液には多くの場合、多量の塩素イオンを含んでおり、さらに酸化剤として塩素を使用することから、一部のコバルトおよび鉄は塩素を含む化合物として沈殿する。また、澱物には塩素イオンを含む母液の付着もあり、上記の方法によって得られる混合澱物の塩素品位は、1〜10重量%と高い。そこで、前記混合澱物を溶解前に澱物を水で洗浄することで付着した塩素を水溶液から除去しても、なお0.5〜5重量%の塩素が含まれている。したがって、粗硫酸ニッケル水溶液の原料として用いるためには、さらに塩素の分離除去が不可欠である。
この解決策として、塩素を気化除去する方法が提案されている。例えば、少なくとも塩素と、水酸化第二ニッケルと、水酸化第二コバルトとを含む混合物をスラリー化し、該スラリーに硫酸を添加して温度60℃以上で溶液pHが2.0以下となるように制御しながら溶解させ、塩素分を除去する方法(例えば、特許文献1参照)である。
この提案によって、低塩素濃度のニッケル及びコバルトの混合硫酸水溶液が得られ、ニッケル及びコバルトの30〜90%を溶解することができるが、未溶解のニッケル及びコバルト水酸化物が残留するという課題があった。このため、この操作後、還元剤を用いて溶解を継続してニッケルとコバルトの還元溶解を進めることが回収率の向上のため有効であると記載されているが、その具体的な条件については言及されていない。また、この方法を行った場合には、未溶解分の残留度合によっては、還元溶解に用いる還元剤コストが上昇することが懸念される。
以上の状況から、ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物から、ニッケルとコバルトを高収率かつ低コストで溶解する方法が求められている。
特開2000−203848号公報(第1〜6頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物から、低塩素濃度のニッケルとコバルトの混合硫酸水溶液を得る際に、ニッケルとコバルトを高収率かつ低コストで溶解する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物を硫酸で溶解する方法について、鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で、塩素を気化除去する第一の工程及び未溶解の金属水酸化物を溶解する第二の工程を行ったところ、ニッケルとコバルトを高収率かつ低コストで溶解できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物から、ニッケルとコバルトを溶解する方法であって、
前記澱物をスラリー化した後、該スラリーに硫酸を添加して、60〜100℃の温度で、pHを0.5〜2.0の範囲に調整して、該澱物を溶解するとともに塩素を気化除去する第一の工程、及び
第一の工程で得られる処理液に、硫酸および還元剤を添加して、pHを0.5〜2.0、かつ酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を450〜550mVに調整して、未溶解の金属水酸化物を溶解する第二の工程、を含むことを特徴とする澱物の溶解方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1又は2の発明において、第一の工程のpHが、0.5〜1.0であることを特徴とする澱物の溶解方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、第二の工程の酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)が、500〜550mVであることを特徴とする澱物の溶解方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1又は2の発明において、第二の工程で用いる還元剤が、亜硫酸ガスであることを特徴とする澱物の溶解方法が提供される。
本発明のニッケルとコバルトを含む澱物の溶解方法は、ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む混合澱物から、低塩素濃度のニッケルとコバルトの混合硫酸水溶液を得る際に、ニッケルとコバルトを高収率かつ低コストで溶解することができる方法であり、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明のニッケルとコバルトを含む澱物の溶解方法を詳細に説明する。
本発明のニッケルとコバルトを含む澱物の溶解方法は、ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物から、ニッケルとコバルトを溶解する方法であって、前記澱物をスラリー化した後、該スラリーに硫酸を添加して、60〜100℃の温度で、pHが0.5〜2.0の範囲に調整して、該澱物を溶解するとともに塩素を気化除去する第一の工程、及び第一の工程で得られる処理液に、硫酸および還元剤を添加して、pHが0.5〜2.0、かつ酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)が450〜550mVに調整して、未溶解の金属水酸化物を溶解する第二の工程を含む。
本発明において、pHを所定の範囲に調整して第一の工程を行うことと、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を所定の範囲に調整して第二の工程を行うこととが特に重要である。これによって、第一の工程において塩素を気化除去するとともにニッケルとコバルトの水酸化物を十分に溶解し、未溶解の金属水酸化物を低減して、第二の工程において還元剤の利用効率を上げて使用量を低減することができる。すなわち、第一の工程では、3価の水酸化物として最も不安定なニッケルが鉄に対して優先的に溶解する条件が選ばれる。また、第二の工程では、ニッケルとコバルトを還元して澱物を完全に溶解する条件が選ばれる。
本発明において原料として用いるニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物は、特に限定されるものではなく、ニッケル、コバルト、鉄等が3価で含有される水酸化物が用いられるが、例えば、ニッケル精錬プロセスにおいて副生するニッケルとコバルトの混合澱物が好ましい。前記混合澱物は、不純物元素としてコバルト、鉄等を含む水溶液に塩素ガス等の酸化剤を添加して生成される、水酸化第二ニッケルと水酸化第二コバルトが主成分であり、鉄換算で1〜10重量%の水酸化第二鉄の他、1〜10重量%の塩素を含む澱物である。なお、通常コバルトに対して0.5〜3倍のニッケルが含有される。
本発明の第一の工程は、上記澱物のスラリーに硫酸を添加して、温度60〜100℃で、pHを0.5〜2.0の範囲に調整して、該澱物を溶解するとともに塩素を気化除去する工程である。
上記第一の工程では、下記の式1及び2の反応式にしたがって、水酸化第二ニッケル、水酸化第二コバルトが溶解するとともに、塩素ガスが生成し気化除去される。
式1:2Ni(OH)+6H+2Cl → 2Ni2++6HO+Cl
式2:2Co(OH)+6H+2Cl → 2Co2++6HO+Cl
前記反応は、酸を添加して澱物を溶解する際に、3価の水酸化物の還元反応と塩素イオンの酸化反応とが並行して起こることを利用している。したがって、上記澱物を水あるいは酸性水溶液でスラリー化して、これに硫酸を添加してpHを下げることによって、ニッケル、コバルトを2価イオンとして溶解するとともに、塩素の除去が行える。
上記第一の工程のpHは、0.5〜2.0に調整されるが、0.5〜1.0がより好ましい。すなわち、上記反応式より、低pH領域において反応が進行しやすいので、硫酸添加量を増加させることでpHを低下させ、金属水酸化物をより多く浸出することができる。ここで、pHが0.5未満では、硫酸使用量が増加し、後続の混合硫酸水溶液の精製工程での中和剤使用量の増加を招く。一方、pHが2.0を超えると、得られる混合硫酸水溶液の塩素濃度を十分に、例えば0.5g/L以下に低下することができない。また、pHが0.5〜1.0で、85〜90%のニッケル溶解率が得られる。
上記第一の工程の温度は、60〜100℃である。すなわち、硫酸水溶液中への塩素の溶解度は温度の上昇に伴ない低下するので、より高温度が好ましい。60℃未満では、得られる混合硫酸水溶液の塩素濃度を十分に、例えば0.5g/L以下に低下することができない。一方、100℃を超えると、加圧容器が必要になる。
上記第一の工程のスラリー濃度は、特に限定されるものではなく、高濃度のほうが生産効率が高く望ましいが、スラリーの分散性と反応性から、300〜600g/Lが好ましい。
本発明の第二の工程は、第一の工程で得られる処理液に、硫酸および還元剤を添加して、pHを0.5〜2.0、かつ酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を450〜550mVに調整して、未溶解の金属水酸化物を溶解する工程である。
上記第二の工程では、還元剤として亜硫酸ガスを用いる場合、下記の式3及び4の反応式にしたがって、第一の工程で未溶解の水酸化第二ニッケル、水酸化第二コバルトが溶解される。
式3:2Ni(OH)+SO+HSO → 2NiSO+4H
式4:2Co(OH)+SO+HSO → 2CoSO+4H
前記反応では、未溶解の水酸化第二ニッケル及び水酸化第二コバルトが亜硫酸ガスによって還元溶解される。ここで、第一の工程で得られる処理液に、硫酸を添加してpHを調整し、かつ還元剤を添加して酸化還元電位を調整して、反応が進行される。
このときの還元剤使用量と酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)の関係を、具体例で説明する。図1は、第二の工程における亜硫酸ガス使用量と反応ORP(酸化還元電位)との関係の一例を示す。この関係は、Ni品位18.5重量%及びCo品位27.7重量%の澱物を含む水酸化第二ニッケルと水酸化第二コバルトの混合物スラリー3200Lに対して、濃度70重量%の硫酸775Lを添加した後、亜硫酸ガスを添加し完全に溶解させた際に求められたものである。図1より、還元剤使用量は、反応ORPを調整することで制御することができることが分る。
上記第二の工程の酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)は、450〜550mVに調整されるが、500〜550mVがより好ましい。すなわち、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)が550mVを超えると、還元性が低いので未溶解のニッケルとコバルトの水酸化物の還元溶解が十分でない。一方、450mV未満では、還元剤の使用量が増加し、還元剤コスト及び未反応還元剤を中和するための薬剤コストが問題になる。したがって、500〜550mVが、低コストでニッケルとコバルトを優先的に還元溶解できるので好ましい。
上記第二の工程のpHは、0.5〜2.0に調整される。ここで、pHの調整には、第一の工程で残留する未溶解の水酸化第二ニッケルと水酸化第二コバルトが完全に溶解する条件が選ばれる。なお、この条件では、鉄の水酸化物もほぼ完全に溶解することができる。
上記第二の工程で用いる還元剤としては、特に限定されるものではなく、酸性水溶液中で酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を550mV以下に低下することができるものが用いられるが、特に、硫酸水溶液の汚染源にならない亜硫酸ガスが好ましい。
上記第二の工程の温度は、特に限定されるものではなく、50〜100℃が好ましい。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例で用いた金属の分析は、ICP発光分析法で行った。
(実施例1)
水酸化第二ニッケルと水酸化第二コバルトからなる澱物を用いて、該澱物を硫酸で溶解して塩素を気化除去する第一の工程と、第一の工程で未溶解の金属水酸化物を溶解する第二の工程を行った。
まず、Ni品位28重量%、Co品位18重量%及びCl品位1重量%の組成である水酸化第二ニッケルと水酸化第二コバルトを含む澱物を用いて、第一の工程を行った。ここで、スラリー濃度を450g/Lに調整した前記澱物のスラリー3200Lを70℃の温度に加熱した。次に、濃度70重量%の硫酸の600L(pH1.1に設定)を添加して、2時間撹拌処理を行った。反応後のスラリーの一部を採取し、ニッケルとコバルトの溶解率、及び硫酸水溶液(終液)の塩素濃度を求めた。結果を表1に示す。
次いで、上記反応後のスラリーを用いて、第二の工程を行った。ここで、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を460mVに制御しながら、亜硫酸ガスを吹きこみ、同時にpHが1.2になるように硫酸を添加して調節して、7時間撹拌処理を行った。反応後のスラリーの一部を採取し、ニッケルとコバルトの溶解率、亜硫酸ガス使用量を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
第一の工程で用いた前記硫酸の使用量が775L(pH0.8に設定)であること以外は、実施例1と同様に行い、ニッケルとコバルトの溶解率、硫酸水溶液の塩素濃度及び亜硫酸ガス使用量を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
第一の工程で用いた前記硫酸の使用量が775Lであることと、第二の工程の酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)が525mVであること以外は、実施例1と同様に行い、ニッケルとコバルトの溶解率、硫酸水溶液の塩素濃度及び亜硫酸ガス使用量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2005112697
(実施例4)
Ni品位24.8重量%及びCo品位27.7重量%の組成である水酸化第二ニッケルと水酸化第二コバルトからなる澱物を用いてスラリーを得たこと以外は、実施例1と同様に行い、ニッケルとコバルトの溶解率、硫酸水溶液の塩素濃度及び亜硫酸ガス使用量を求めた。結果を表2に示す。なお、前記スラリーの液部の組成は、Ni濃度5.7g/L、Co濃度0.87g/L及びCl濃度3.74g/Lであった。
(実施例5)
Ni品位19.4重量%及びCo品位27.1重量%の組成である水酸化第二ニッケルと水酸化第二コバルトからなる澱物を用いてスラリーを得たことと、第一の工程で用いた前記硫酸の使用量が950L(pH0.4に設定)であることと、第二の工程の酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)が500mVであること以外は、実施例1と同様に行い、ニッケルとコバルトの溶解率、硫酸水溶液の塩素濃度及び亜硫酸ガス使用量を求めた。結果を表2に示す。なお、前記スラリーの液部の組成は、Ni濃度1.5g/L、Co濃度0.41g/L及びCl濃度4.92g/Lであった。
Figure 2005112697
表1又は表2より、実施例1〜5では、各工程が本発明の条件にしたがって行われたので、高ニッケル及びコバルト溶解率が得られること、第一の工程のpHを低下することによって、亜硫酸ガス使用量を低減して同等の溶解率が得られることが分る。また、得られた硫酸水溶液の塩素濃度は0.2g/L以下に低下することが分る。
以上より明らかなように、本発明のニッケルとコバルトを含む澱物の溶解方法は、ニッケル精錬分野のニッケルとコバルトを含む混合澱物からニッケルとコバルトの回収する方法として利用される。
第二の工程における亜硫酸ガス使用量と反応ORP(酸化還元電位)との関係の一例を示す図である。

Claims (4)

  1. ニッケル、コバルトその他の3価の金属水酸化物からなりかつ塩素を含む澱物から、ニッケルとコバルトを溶解する方法であって、
    前記澱物をスラリー化した後、該スラリーに硫酸を添加して、60〜100℃の温度で、pHを0.5〜2.0の範囲に調整して、該澱物を溶解するとともに塩素を気化除去する第一の工程、及び
    第一の工程で得られる処理液に、硫酸および還元剤を添加して、pHを0.5〜2.0、かつ酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を450〜550mVに調整して、未溶解の金属水酸化物を溶解する第二の工程、を含むことを特徴とする澱物の溶解方法。
  2. 第一の工程のpHが、0.5〜1.0であることを特徴とする請求項1に記載の澱物の溶解方法。
  3. 第二の工程の酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)が、500〜550mVであることを特徴とする請求項1又は2に記載の澱物の溶解方法。
  4. 第二の工程で用いる還元剤が、亜硫酸ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の澱物の溶解方法。
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