JP2005110354A - モータの制御方法及びモータの制御装置 - Google Patents

モータの制御方法及びモータの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】位置角の推定誤差の影響を受けにくい制御を提供し、以てモータの回転制御を安定とするが小さく、以てモータの回転制御を安定とする。
【解決手段】逆突極性が大きいほど、回転角速度ωが大きいほど、電圧制限円の半径V0に対して主磁束ψaが大きいほど、位置角の変動が電圧ベクトルの位相角δに与える影響が小さい。つまり電流軌跡の楕円がd軸へと扁平するほど、また楕円が小さくなるほど、その中心が原点から離れるほど、位置角の変動が電圧ベクトルの位相角に与える影響が小さい。よって永久磁石を有する回転子を用いたモータにおいて、中でも埋め込み永久磁石型のブラシレスDCモータのように逆突極性が大きいモータにおいて、更に垂下制御が行われるような高速運転において、電圧位相角δは回転子の位置角の誤差の影響を受けにくい。
【選択図】図2

Description

この発明はモータを制御する技術に関し、特にモータの回転子の回転に伴って回転する座標系を導入し、モータに供給すべき電流を、回転子の磁極方向たるd軸及びこれと電気的に直交するq軸についての成分として捉える場合の当該電流の指令値を求める技術に関する。
従来から、モータに供給すべき電流を、上述のd軸成分(いわゆるd軸電流)及びq軸成分(いわゆるq軸電流)とに分けて、モータの駆動を制御する手法が知られている。この際、モータの回転子の位置を角度で示す位置角や、回転子の速度及びその指令値を用いて、d軸電流及びq軸電流の指令値がそれぞれ生成される。そして回転子の位置角の検出は、例えばモータに実際に供給される電流等によって推定される。
d軸電流の指令値id *とq軸電流の指令値iq *との比に対応する電流位相角指令値β*を決定する手法は例えば非特許文献1に、回転子の位置角の推定は例えば非特許文献2及び特許文献1に、それぞれ紹介されている。
ところで、特に回転速度が上昇した場合に、モータの端子電圧が電源から供給される電圧を超えないように電流位相角指令値β*を増大させる、弱め界磁制御が公知である。しかしながら電源から供給可能な電流にも上限があり、弱め界磁によってもモータの端子電圧ができない程に回転速度が上昇した場合、電流位相角指令値β*を増大させるのを止め、速度を低下させるために垂下制御が行われる。よって電流位相角指令値β*がどのような値に達した場合にこの垂下制御を開始するかを決定することは重要な技術である。
なお、垂下制御については例えば特許文献2に紹介されている。また後述する電圧位相角に関して特許文献3〜5がある。
特開2002−186279号公報 特開2002−138966号公報 特開平10−14276号公報 特開平8−191589号公報 特開平4−275091号公報 森本茂雄、弓削靖、武田洋次、平紗多賀男「PMモータの機器定数と出力範囲」、電気学会論文誌D、110巻11号、第1171乃至第1176頁(平成2年) 陳志謙、冨田睦雄、道木慎二、大熊繋「突極型ブラシレスDCモータのセンサレス位置推定法と安定性の検討」、平成10年電気学会産業応用部門全国大会論文集、No.59、1998年、第179乃至第182頁
電流位相角指令値β*は回転座標系上のq軸からの電流指令値のベクトルの位相角として捉えられるので、当該回転座標系のq軸,d軸が正しく得られる必要がある。そしてd軸は回転子の位置角だけ固定系座標軸から傾く。よって位置角の推定誤差が大きくなれば垂下制御の要否が不安定となり、ひいてはモータの回転速度、トルクも不安定になるという問題が生じる。
そこで本発明は、位置角の推定誤差の影響を受けにくい制御を提供し、以てモータの回転制御を安定とすることを目的とする。
この発明にかかるモータの制御方法の第1の態様は、(a)モータ(5)の回転子の回転速度(ω)とその指令値(ω*)とに基づいて、前記回転子の回転に伴って回転する座標系における前記回転子の磁極方向たる第1軸についての電流指令値である第1の電流指令値(id1 *)と、前記磁極方向と電気的に直交な方向たる第2軸についての電流指令値である第2の電流指令値(iq1 *)とを生成するステップと、b)前記第1の電流指令値及び前記第2の電流指令値並びに前記回転子の位置(θ)に基づいて前記モータの回転を制御する電流(ix)を供給するステップとを備える方法である。そして前記モータに供給される電圧は、その絶対値を一定値(V0)に保ちつつ、その前記第2軸からの位相角(δ)が所定の位相角を越えないよう、前記ステップ(a)において第1の制御を行う。
この発明にかかるモータの制御方法の第2の態様は、第1の態様のモータの制御方法であって、前記回転子は界磁を得るための永久磁石を備える。
この発明にかかるモータの制御方法の第3の態様は、第1又は第2の態様のモータの制御方法であって、前記モータのインダクタンスの前記第1軸成分である第1のインダクタ(Ld)よりも、前記インダクタンスの前記第2軸成分である第2のインダクタ(Lq)の方が大きい。
この発明にかかるモータの制御方法の第4の態様は、第1乃至第3の態様のいずれか一つのモータの制御方法であって、前記モータに供給される電圧の前記位相角(δ)がπ/2近傍に設定される。
この発明にかかるモータの制御方法の第5の態様は、第1乃至第4の態様のいずれか一つのモータの制御方法であって、前記回転速度が所定値よりも高い場合には、前記ステップ(a)において前記第1の垂下制御を行い、前記回転速度が所定値よりも低い場合には、前記第1の電流指令値(id1 *)の絶対値を前記第2の電流指令値(iq1 *)の絶対値で除した値の逆正接(β*)が、所定の他の位相角を越えないよう、前記ステップ(a)において第2の制御を行う。
この発明にかかるモータの制御方法の第6の態様は、第1乃至第5の態様のいずれか一つのモータの制御方法であって、前記ステップ(a)は(a−1)前記回転速度(ω)及びその前記指令値(ω*)とに基づいて、前記モータのトルク指令値(τ*)を生成するステップと、(a−2)前記トルク指令値(τ*)に基づいて前記第1の電流指令値(id1 *)及び前記第2の電流指令値(iq1 *)とを生成するステップとを有する。そして、前記ステップ(a−1)において、前記電圧の前記位相角(δ)が所定の位相角に達した場合には前記トルク指令値を上昇させない。
この発明にかかるモータの制御装置の第1の態様は、モータ(5)の回転子の回転速度(ω)とその指令値(ω*)とに基づいて、前記回転子の回転に伴って回転する座標系における前記回転子の磁極方向たる第1軸についての電流指令値である第1の電流指令値(id1 *)と、前記磁極方向と電気的に直交な方向たる第2軸についての電流指令値である第2の電流指令値(iq1 *)とを生成する指令電流生成ブロック(10)と、前記第1の電流指令値及び前記第2の電流指令値並びに前記回転子の位置(θ)に基づいて前記モータの回転を制御する電流(ix)を供給する電流制御部(3)とを備える。そして、前記モータに供給される電圧は、その絶対値が最大値(V0)以下に制限されつつ、その前記第2軸からの位相角(δ)が所定の位相角を越えないよう、前記指令電流生成ブロックにおいて第1の制御を行う。
この発明にかかるモータの制御装置の第2の態様は、第1の態様のモータの制御装置であって、前記回転子は界磁を得るための永久磁石を備える。
この発明にかかるモータの制御装置の第3の態様は、第1又は第2の態様のモータの制御装置であって、前記モータのインダクタンスの前記第1軸成分である第1のインダクタ(Ld)よりも、前記インダクタンスの前記第2軸成分である第2のインダクタ(Lq)の方が大きい。
この発明にかかるモータの制御装置の第4の態様は、第1乃至第3の態様のいずれか一つのモータの制御装置であって、前記モータに供給される電圧の前記位相角(δ)がπ/2近傍に設定される。
この発明にかかるモータの制御装置の第5の態様は、第1乃至第4の態様のいずれか一つのモータの制御装置であって、前記電流指令値生成ブロック(10)は、前記回転速度が所定値よりも高い場合には、前記第1の垂下制御を行い、前記回転速度が所定値よりも低い場合には、前記第1の電流指令値(id1 *)の絶対値を前記第2の電流指令値(iq1 *)の絶対値で除した値の逆正接(β*)が、所定の他の位相角を越えないよう第2の制御を行う。
この発明にかかるモータの制御装置の第6の態様は、第1乃至第5の態様のいずれか一つのモータの制御装置であって、前記電流指令値生成ブロック(10)は前記回転速度(ω)及びその前記指令値(ω*)とに基づいて、前記モータのトルク指令値(τ*)を生成する速度制御部(1)と、前記トルク指令値(τ*)に基づいて前記第1の電流指令値(id1 *)及び前記第2の電流指令値(iq1 *)とを生成する電流指令値とを有する。そしてして前記速度制御部においては、前記電圧の前記位相角(δ)が所定の位相角に達した場合には前記トルク指令値を上昇させない。
この発明にかかるモータの制御方法の第1乃至第3の態様及びモータの制御装置の第1乃至第3の態様によれば、回転子の位置角の誤差による出力トルクへの影響が小さいので、第1の制御を、ひいてはモータの回転制御を安定にできる。
この発明にかかるモータの制御方法の第4の態様及びモータの制御装置の第4の態様によれば、モータに供給される電圧の第2軸からの位相角は回転子の位置角の誤差の影響を受けにくい。
この発明にかかるモータの制御方法の第5の態様及びモータの制御装置の第5の態様によれば、電圧ベクトルの位相角、電流ベクトルの位相角のうち、回転子の位置角の誤差の影響を受けにくい方に基づいて、制御を行うことができる。
この発明にかかるモータの制御方法の第6の態様及びモータの制御装置の第6の態様によれば、トルクを上昇させないことにより、回転速度についての垂下制御を行う。
図1は本発明にかかるモータの制御技術が適用可能な構成を例示するブロック図である。当該構成は、速度制御部1、電流指令部2、電流制御部3、位置検出部4、モータ5を備えており、モータ5を除いてはモータの制御装置として把握することができる。また当該構成においてモータの制御方法を実施することができる。
速度制御部1と電流指令部2とは相まって、モータ5の回転子の回転速度(ここでは角速度)ωとその指令値ω*とに基づいて、d軸電流指令値id1 *と、q軸電流指令値iq1 *とを生成する。よって速度制御部1と電流指令部2とを纏めて指令電流生成ブロック10として把握することができる。
より詳細には、速度制御部1が回転角速度ωとその指令値ω*とに基づいて、トルク指令値τ*を生成する。この際、回転角速度の指令値ω*が上昇しても、電流指令部2、電流制御部3からそれぞれ後述する垂下指令S2,S3のいずれか一方が与えられれば、トルク指令値τ*の上昇は行わない。
電流指令部2はトルク指令値τ*と、電流位相指令値β*に基づいてd軸電流指令値id1 *と、q軸電流指令値iq1 *とを生成する。但し電流位相指令値β*=tan-1(−id1 */iq1 *)である。この際、モータ5に与えられる電圧の絶対値が一定値V0を越えると電流制御部3から後述する過電圧検出信号S1が電流指令部2に与えられ、電流位相指令値β*を増大させて弱め界磁制御を行う。
電流制御部3は、電流指令部2から得られたd軸電流指令値id *及びq軸電流指令値iq *並びに回転子の位置角θに基づいてモータ5の回転を制御する電流ixを供給する。
位置検出部4は、モータ5に供給された電流ixや電圧vxに基づいて位置角θを推定によって検出し、また回転角速度ωをも求める。
電流ix及び電圧vxは、例えばモータ5がU相、V相、W相の三相についてのモータであれば、U相電流iu、V相電流iv、W相電流iwの総称及びU相電圧vu、V相電圧vv、W相電圧vwの総称に、それぞれ相当する。
ブラシレスDCモータの回路方程式は、d軸及びq軸からなる回転座標系において式(1)で示される。
Figure 2005110354
但しモータに与えられる電圧のd軸成分(いわゆるd軸電圧)vd及びq軸成分(いわゆるq軸電圧vq)、モータに与えられる電流のd軸成分(いわゆるd軸電流)id及びq軸成分(いわゆるq軸電流iq)、d軸方向のインダクタンス成分(いわゆるd軸インダクタンス)Ld、q軸方向のインダクタンス成分(いわゆるq軸インダクタンス)Lq、電機子抵抗R、回転子の主磁束ψaを導入した。但し突極性がない場合には、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとが等しい。
さて、d軸電流idやq軸電流iqの変化に対して、一般に回転角速度ωの変化は緩やかであることに基づき時間微分の項を無視し、垂下制御を行う際には回転角速度ωが大きいことに基づいて電機子抵抗Rにおける電圧降下を無視すると、式(1)は式(2)で近似される。
Figure 2005110354
さて、垂下制御を行う際には、既に弱め界磁によって、モータに与えられる電圧は電圧制限に達しているため、d軸電圧vd及びq軸電圧vqは式(3)を満足している。
Figure 2005110354
式(2)を式(3)へ代入すると式(4)が得られる。これはモータに与えられる電圧の電圧ベクトルVaの終点を半径V0の電圧制限円上に載せつつ、d軸電流idやq軸電流が変化する軌跡、即ち電流ベクトルの終点を表している。電圧制限円は例えば電流制御部3の最大出力電力によって決定される。
Figure 2005110354
図2はこの軌跡(図2及び以下では「電流軌跡」と称す)を示すグラフであり、参考までに電圧制限円を附記している。大きい方の電流軌跡L1及び小さい方の電流軌跡L2は、それぞれ回転角速度ω1,ω2に対応しており、ω1<ω2の関係にある。
電流軌跡L1,L2は中心を共通とし、その中心のd軸座標がid0であり、q軸座標が0である。また電流軌跡L1はd軸での最大値id11及び最小値id12を採り、q軸での最大値iq1及び最小値−iq1を採る。また電流軌跡L2はd軸での最大値id21及び最小値id22を採り、q軸での最大値iq2及び最小値−iq2を採る。これらの値を式(5)に示す。
Figure 2005110354
一般に、回転子が界磁を得るための永久磁石を備える場合には主磁束ψaが正であり、よって電流軌跡L1,L2の中心は負のd軸上にある。
また電流軌跡L1,L2は式(4)から解るように楕円である。d軸径はd軸インダクタンスLdに反比例し、q軸径はq軸インダクタンスLqに反比例する。そして回転子が界磁を得るための永久磁石を備える場合には一般にLd≦Lqであるので、式(6)が成立し、電流軌跡L1,L2はd軸径よりも長軸径が長い長円または真円となる。
Figure 2005110354
またそのd軸径及びq軸径は共に回転角速度ωに反比例する。よって式(7)が成立し、回転角速度ωが高いほど、q軸径は短くなる。
Figure 2005110354
さて、トルクτは回転角速度ωが一定であれば、電流ベクトルと電圧ベクトルとのスカラー積に比例するので、電圧ベクトルVaのq軸に対する位相角δ(=tan-1(−vd/vq):以下「電圧位相角δ」と称す)を導入して、トルクτはδ=π/2近傍で最大となる。この場合、δ=π/2近傍ではq軸電圧vqは非常に小さく、よって電流ベクトルの終点は式(4)から(id0,V0/(ωLq))近傍にあることが解る。
図3はこのような電流ベクトル、電圧ベクトルについて示すベクトル図である。電流位相角βが、回転子の位置角θの誤差θeの影響を受けて変動Δβを生じる場合、電圧位相角δの変動Δδは大きい。モータ5の出力トルクは電流によって決定されるので、電圧位相角δを用いて電流ベクトルを制御する方が、電流位相角βを用いて電流ベクトルを制御する場合よりも、回転子の位置角θの誤差θeの影響を受けにくい。
電圧位相角δについては式(2)を用いて式(8)が成立する。但し電圧位相角δがπ/2近傍にあることと、これによって、電圧制限円上で電圧ベクトルが動く限りにおいてq軸電流iqはV0/(ωLq)近傍にあることを用いて近似した。
Figure 2005110354
回転角速度ωが大きい場合には電流軌跡は小さな楕円(真円を含む)となり、電圧位相角δの変動に対する電流位置角βの変動は小さくなる。よって回転角速度ωが所定値よりも大きい場合には電圧位相角δに基づいて、小さい場合には電流位相角βに基づいて、それぞれ垂下制御を開始することが望ましい。この所定値は例えば上述のように式(8)の値を1として求めることができる。
以上のことから、電流制御部S1は、d軸電流指令値id *及びq軸電流指令値iq *から式(1)に基づいてd軸電圧vd及びq軸電圧vqを求め、更に電圧位相角δ=tan-1(−vd/vq)を求める。そして電圧位相角δが所定の位相角(例えば70〜120度の範囲の中でのある値)を越えないよう、速度制御部1へと垂下指令S3を与える。これはつまり、電圧位相がオーバーしないための指令である。
上述のように、回転角速度が小さい領域では、電流位相角指令値β*に基づいて垂下制御をおこなってもよい。例えば電流位相角指令値β*が、所定の他の位相角を越えないよう、速度制御部1へと垂下指令S2を与える。これはつまり、電流位相がオーバーしないための指令である。
以上のように、電圧ベクトルの位相角に基づいて制御を行うことにより、回転子の位置角の誤差の影響を受けにくくして垂下制御を開始することができる。
垂下指令S2,S3のいずれかを受けた速度制御部1は、回転角速度指令値ω*が上昇していても、トルク指令値τ*の上昇をさせない。これにより垂下指令S2を受けた場合には電流位相角指令値β*が、垂下指令S3を受けた場合には電圧位相角δが、それぞれ固定される。負荷トルクが上昇してもトルク指令値τ*が上昇しないので回転角速度ωは低下する。
図5は本発明の効果を例示するグラフである。横軸には時間を採り、縦軸には回転角速度ω、トルク実値τ、電圧位相角δ、電流位相角指令値β*、電流位相角実値βを採っている。
同図(a)(b)は回転子の位置角θに対して、等しい正の誤差が生じている場合を、同図(c),(d)は回転子の位置角θに対して、等しい負の誤差が生じている場合を、それぞれ示している。また同図(a)(c)は電圧位相角δに基づいて垂下制御を開始した場合を、同図(a)(d)は電流位相角指令値β*に基づいて垂下制御を開始した場合を、それぞれ示している。
同図(a)においては、垂下制御が電圧位相角δが100度に達してから開示するように設定されており、同図(b)においては、同図(a)の結果において回転開始から200秒経過後の電流位相指令値β*(約60度)と同じ電流位相指令値β*が得られるように調整されていることを示している。
上記のごとく調節された二つの制御方法について検討する。同図(a)(c)を比較すると、電圧位相角δに基づいて垂下制御を開始した場合は回転子の位置角θに対して生じた誤差が正であっても負であっても、回転開始から200秒経過後の回転速度は86.5(rps)から85(rps)へとわずかしか異なっていない。
これに対して、同図(b)を見ると、回転子の位置角θに対して生じた誤差が正であり、電流位相角指令値β*に基づいて垂下制御を開始した場合には、電圧位相角δに基づいて垂下制御を開始した場合と同様に、回転開始から200秒経過後の回転速度は86.5(rps)である。しかし同図(d)を見ると、回転開始から200秒経過後の回転速度は79(rps)となり、大きく異なっている。
このように、電圧位相角δに基づく制御の方が、位置角の誤差に対して安定した制御を行うことができることが解る。
本発明にかかるモータの制御技術を例示するブロック図である。 電流軌跡を示すグラフである。 本発明の実施の形態における動作を示すベクトル図である。 本発明の実施例を示すグラフである。
符号の説明
1 速度制御部
2 電流指令部
3 電流制御部
4 位置検出部
5 モータ
10 電流指令値生成ブロック
S1 過電圧検出信号
S2 垂下指令(電流位相オーバー)
S3 垂下指令(電圧位相オーバー)

Claims (12)

  1. (a)モータ(5)の回転子の回転速度(ω)とその指令値(ω*)とに基づいて、前記回転子の回転に伴って回転する座標系における前記回転子の磁極方向たる第1軸についての電流指令値である第1の電流指令値(id1 *)と、前記磁極方向と電気的に直交な方向たる第2軸についての電流指令値である第2の電流指令値(iq1 *)とを生成するステップと、
    (b)前記第1の電流指令値及び前記第2の電流指令値並びに前記回転子の位置(θ)に基づいて前記モータの回転を制御する電流(ix)を供給するステップと
    を備える方法であって、
    前記モータに供給される電圧は、その絶対値が最大値(V0)以下に制限されつつ、その前記第2軸からの位相角(δ)が所定の位相角を越えないよう、前記ステップ(a)において第1の制御を行う、モータの制御方法。
  2. 前記回転子は界磁を得るための永久磁石を備える、請求項1記載のモータの制御方法。
  3. 前記モータのインダクタンスの前記第1軸成分である第1のインダクタ(Ld)よりも、前記インダクタンスの前記第2軸成分である第2のインダクタ(Lq)の方が大きい、請求項1又は請求項2に記載のモータの制御方法。
  4. 前記モータに供給される電圧の前記位相角(δ)がπ/2近傍に設定される、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のモータの制御方法。
  5. 前記回転速度が所定値よりも高い場合には、前記ステップ(a)において前記第1の垂下制御を行い、
    前記回転速度が所定値よりも低い場合には、前記第1の電流指令値(id1 *)の絶対値を前記第2の電流指令値(iq1 *)の絶対値で除した値の逆正接(β*)が、所定の他の位相角を越えないよう、前記ステップ(a)において第2の制御を行う、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のモータの制御方法。
  6. 前記ステップ(a)は
    (a−1)前記回転速度(ω)及びその前記指令値(ω*)とに基づいて、前記モータのトルク指令値(τ*)を生成するステップと、
    (a−2)前記トルク指令値(τ*)に基づいて前記第1の電流指令値(id1 *)及び前記第2の電流指令値(iq1 *)とを生成するステップと
    を有し、
    前記ステップ(a−1)において、前記電圧の前記位相角(δ)が所定の位相角に達した場合には前記トルク指令値を上昇させない、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のモータの制御方法。
  7. モータ(5)の回転子の回転速度(ω)とその指令値(ω*)とに基づいて、前記回転子の回転に伴って回転する座標系における前記回転子の磁極方向たる第1軸についての電流指令値である第1の電流指令値(id1 *)と、前記磁極方向と電気的に直交な方向たる第2軸についての電流指令値である第2の電流指令値(iq1 *)とを生成する指令電流生成ブロック(10)と、
    前記第1の電流指令値及び前記第2の電流指令値並びに前記回転子の位置(θ)に基づいて前記モータの回転を制御する電流(ix)を供給する電流制御部(3)と
    を備え、
    前記モータに供給される電圧は、その絶対値が最大値(V0)以下に制限されつつ、その前記第2軸からの位相角(δ)が所定の位相角を越えないよう、前記ステップ(a)において第1の制御を行う、モータの制御装置。
  8. 前記回転子は界磁を得るための永久磁石を備える、請求項7記載のモータの制御装置。
  9. 前記モータのインダクタンスの前記第1軸成分である第1のインダクタ(Ld)よりも、前記インダクタンスの前記第2軸成分である第2のインダクタ(Lq)の方が大きい、請求項7又は請求項8に記載のモータの制御装置。
  10. 前記モータに供給される電圧の前記位相角(δ)がπ/2近傍に設定される、請求項7乃至請求項9のいずれか一つに記載のモータの制御装置。
  11. 前記電流指令値生成ブロック(10)は、
    前記回転速度が所定値よりも高い場合には、前記第1の垂下制御を行い、
    前記回転速度が所定値よりも低い場合には、前記第1の電流指令値(id1 *)の絶対値を前記第2の電流指令値(iq1 *)の絶対値で除した値の逆正接(β*)が、所定の他の位相角を越えないよう第2の制御を行う、請求項7乃至請求項10のいずれか一つに記載のモータの制御装置。
  12. 前記電流指令値生成ブロック(10)は
    前記回転速度(ω)及びその前記指令値(ω*)とに基づいて、前記モータのトルク指令値(τ*)を生成する速度制御部(1)と、
    前記トルク指令値(τ*)に基づいて前記第1の電流指令値(id1 *)及び前記第2の電流指令値(iq1 *)とを生成する電流指令値と
    を有し、
    前記速度制御部においては、前記電圧の前記位相角(δ)が所定の位相角に達した場合には前記トルク指令値を上昇させない、請求項7乃至請求項11のいずれか一つに記載のモータの制御装置。
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