JP2005109436A - 抵抗不良評価装置、抵抗不良評価方法及び抵抗不良評価装置の製造方法 - Google Patents

抵抗不良評価装置、抵抗不良評価方法及び抵抗不良評価装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体集積回路装置における抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を簡単且つ高精度で検出できるようにし、それによって歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価できるようにする。
【解決手段】 ウェハ100の各チップ領域101毎に、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持つ抵抗不良評価パターン102が設けられている。抵抗不良評価パターン102の長さをAとし、製品となる半導体集積回路装置110に搭載された抵抗素子111の合計長さをBとすると、チップ領域101の1つに含まれる抵抗不良評価パターン102の数はB/Aの1/100倍以上で且つ10倍以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、抵抗不良評価装置、抵抗不良評価方法及び抵抗不良評価装置の製造方法に関し、特に、半導体集積回路装置の製造過程において該装置に搭載される抵抗素子やコンタクトの抵抗上昇不良を検出するためのモニター装置、それを使用した抵抗上昇不良の評価方法、及び該モニター装置の製造方法に関する。
近年、半導体集積回路装置を製造するにあたって、微細化、高集積化、高速化、及び使用されるウェハの大口径化が進んでいる。
製造される半導体集積回路装置の微細化及び高集積化に伴って、使用されているゲート電極配線、金属配線、ソース領域及びドレイン領域となる不純物層(以下、ソース/ドレイン不純物層と称する)若しくは下層配線層と上層配線層とを接続するコンタクト等における断線不良、又は配線間のショート不良が製造歩留まり低下の大きな要因となってきている。また、高集積化又は高速化に起因して、搭載されているトランジスタや抵抗素子(例えばゲート電極配線、金属配線又はソース/ドレイン不純物層等)の特性ばらつきも製造歩留まり低下の大きな要因となる。すなわち、半導体集積回路装置の製造歩留まりを向上させると共に該装置の高速化を実現するためには、特に、トランジスタ特性のばらつきを含む抵抗体(抵抗素子)のばらつきを抑えなくてはならない。
従来、トランジスタを構成するゲート電極配線やトランジスタ上の金属配線等の不良としては、完全な断線不良や配線間のショート不良が主に取り扱われてきた。また、断線不良やショート不良の量(欠陥数)を測定評価することによって、半導体集積回路装置の歩留まり予測が行なわれてきている。
断線不良及びショート不良の評価方法としては、数10cm〜数m程度の長い配線を引き回して櫛状及び蛇状のパターンを作成することにより、評価対象となるレーヤ(配線層)の歩留まりを評価する方法がある(例えば非特許文献1参照)。
図25は、従来の櫛状(Comb)及び蛇状(Serp)の配線パターンの一例を示している。非特許文献1の歩留まり評価方法においては、図25に示すCombパッド間の抵抗を測定することにより断線不良を検出すると共に、同図に示すCombパッドとSerpパッドとの間のリーク電流を測定することによりショート不良を検出する。特に断線不良については、歩留まり評価が可能となるように非常に長い配線を仮想的に引き回しているため、完全な断線不良の検出が対象となり、配線の一部分(ある箇所)での抵抗上昇(抵抗変動)は検出対象とはならない。
一方、抵抗体のばらつき評価方法として、形成されるパターンの寸法を電気的に測定することにより、ゲート電極配線等の寸法ばらつきの影響を評価する方法も提案されている(例えば非特許文献2参照)。このような寸法ばらつきは、抵抗体のばらつきやトランジスタ特性のばらつきを生じて歩留まり低下の原因となるので、寸法ばらつきの影響の評価も重要となる。
ところで、ゲート電極配線、金属配線、又は不純物層と配線層とを接続するコンタクト等が完全には断線していない場合であっても、言い換えると、これらの構成要素内での電気的接続は保たれているものの部分的に抵抗上昇が起きている(つまり構成要素内の特定箇所の抵抗が上昇している)場合にも不良が発生する。そして、このような不良も、歩留まり低下や信頼性低下の要因となる。本願においては、これらの構成要素(抵抗素子及びコンタクト等)が断線には至っておらず内部での電気的接続が保たれているが部分的に抵抗上昇している(結局のところ抵抗素子全体としての抵抗も増大する)不良を抵抗上昇不良(抵抗変動不良)又はソフトオープン不良と称する。これに対して、抵抗素子やコンタクトが完全に断線している不良を断線不良又はハードオープン不良と称する。
最近の半導体集積回路装置の微細化、高集積化及び高速化に伴って、遅延時間のマージンが少なくなってきているため、配線等の抵抗素子における一部の箇所に生じた抵抗上昇不良が歩留まり低下及び信頼性低下の要因となってしまう。
例えば、ゲート電極配線の形成においては、一般的に、ポリシリコン電極上にサリサイドプロセスを用いてシリサイド層を形成する。このポリシリコン電極上のシリサイド層が断線した場合、ゲート電極配線全体としては下層のポリシリコン電極によって電気的に接続が維持されるため、シリサイド層が断線した箇所において抵抗上昇不良が生じて歩留まり低下や信頼性低下の原因となる。
同様に、下層の金属配線又はトランジスタのソース/ドレイン不純物層等と上層の配線層とを接続するコンタクトについても、その一部の箇所で抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)が発生する場合がある。すなわち、抵抗体のばらつき変動の1つであるコンタクト抵抗の変動つまりコンタクト抵抗の上昇も、歩留まり低下や信頼性不良の大きな要因となっている。
一方、最近の半導体集積回路装置に使用されているコンタクトの数は膨大な数となっている。例えば、0.13μmルールの面積40mm2 程度のチップであれば、トランジスタと配線層とを接続するコンタクトの数は2000万個程度にもなる。従って、モニター装置(評価装置)を使用してコンタクトの歩留まり評価を行なう場合にも、1000万個程度のコンタクト数について評価を行なう必要がある。
従来、コンタクトの歩留まり評価においては、完全な断線不良(ハードオープン不良)を検出対象として歩留まり評価が実施されてきた。具体的には、このような歩留まり評価のために大規模なコンタクトチェーンよりなる抵抗パターン(コンタクト数が10万個程度)を作成し、該コンタクトチェーンの断線不良(ハードオープン不良)を評価してきた。
図26(a)及び(b)は、従来のコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示しており、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるa−a’線の断面図である。
図26(a)及び(b)に示すように、シリコン基板1の上に絶縁膜2を介してポリシリコン層又はアモルファスシリコン層よりなる複数の下層配線3が形成されている。絶縁膜2の上及び各下層配線3の上には層間絶縁膜4が形成されていると共に層間絶縁膜4には、各下層配線3と接続する複数のコンタクト電極(コンタクトホール)5が形成されている。また、層間絶縁膜4の上には、各コンタクト電極5と接続する複数の上層金属配線6が形成されている。複数の下層配線3と複数の上層金属配線6とが複数のコンタクト電極5によって接続されることにより、図26(a)に示すように、コンタクトチェーン抵抗パターンが構成される。尚、図26(a)において、シリコン基板1、絶縁膜2及び層間絶縁膜4の図示を省略している。また、絶縁膜2及び下層配線3に代えて、シリコン基板1の表面部にトランジスタのソース/ドレイン不純物層を形成し、該ソース/ドレイン不純物層と上層配線とを接続するコンタクト電極を形成してもよい。
図26(a)及び(b)に示すコンタクトチェーン抵抗パターン内のコンタクト数は10万個程度である。評価対象のコンタクト不良が完全な断線(ハードオープン)であるならば、コンタクトチェーン抵抗が無限大になったことをもって不良の検出が可能となる。
しかしながら、1つのコンタクトの抵抗のみが不良となって例えば抵抗の大きさが正常値の10倍の値になったとしても、その抵抗上昇不良がコンタクトチェーン抵抗パターン全体の抵抗に及ぼす変動の大きさ(割合)は1/10000程度にしかならないため、通常の測定によって、コンタクトチェーン内の1つのコンタクトに生じた抵抗上昇不良を検出(判断)することは困難である。
この問題を解決するために、256列16行(コンタクト総数4096個)のクロスコンタクトアレイを作製して8bitのバイナリーカウンター及び256bitのデコーダーを用いることにより、各コンタクトの抵抗を測定評価する方法が提案されている(例えば非特許文献3参照)。この方法を用いると、抵抗変動が小さい抵抗異常も検出可能となるので、歩留まり評価を実施することができる。
Charles Weber 、"Standard Defect Monitor" 、1988 IEEE Proceedings on Microelectronic Test Structures、Vol.1 、No.1、1988年 2月、p.114-119 Andrew Grenville et al. 、"Electrical Critical Dimension Metrology for 100-nm Linewidths and Below" 、In Optical Microlithography XIII、Proceedings of SPIE 、Vol.4000、2000年、p.452-459 Takeshi Hamamoto et.al、"Measurement of Contact Resistance Distribution Using a 4k-Contacts Array"、IEEE Transactions on Semiconductor Manufacturing、Vol.9 、No.1、1996年 2月、p.9-14
しかしながら、前述の抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)の評価は、完全な断線不良(ハードオープン不良)の評価と比べて難しい。例えば、断線不良の場合には電気抵抗が非常に高くなるか又は電気抵抗が無限大となるため、非特許文献1に記載されるように、仮想的に非常に長い配線を引き回して不良評価や欠陥密度評価を実施することが可能となる。ところが、仮想的に非常に長い配線を引き回して不良評価を実施しても、抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)の検出は困難である。なぜなら、ソフトオープン箇所の抵抗上昇分が長い配線全体の抵抗値に埋もれてしまうため、該抵抗上昇分の検出を行なうことができないからである。
また、非特許文献2や非特許文献3に記載された方法は、コンタクトアレイ等を形成するためのプロセスTAT(ターン・アラウンド・タイム)が非常に長くなるという欠点を持っている。すなわち、これらの従来技術においては、評価装置を形成するためのプロセスTATが半導体集積回路装置を形成する場合と同程度になるため、プロセス改善のための評価結果のフィードバックに膨大な時間を要するという問題がある。
前記に鑑み、本発明は、ゲート電極配線若しくは金属配線等の一部の箇所で、又は不純物層等と配線層とを接続する多数のコンタクトのうちの少なくとも1つで生じた抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を簡単に検出できる抵抗不良評価装置(モニター装置)を提供すると共に、該モニター装置を使用したソフトオープン不良の評価方法及び該モニター装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らは、抵抗不良評価パターンの長さやコンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数を、抵抗素子の一箇所やコンタクトの1つで生じた抵抗変動成分(抵抗上昇成分)を検出できる長さやコンタクト数まで低減して抵抗素子やコンタクトのソフトオープン不良を検出可能にすると共に、集積回路装置の歩留まり評価が可能な数の抵抗不良評価パターンやコンタクトチェーン抵抗パターンをウェハ上に多数形成して抵抗測定及び歩留まり評価を実施する方法を想到した。
具体的には、本発明に係る第1の抵抗不良評価装置は、集積回路装置の構成要素の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域毎に又は各ショット領域毎に、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる評価パターンを有し、チップ領域の1つ又はショット領域の1つに含まれる評価パターンの数は、集積回路装置の歩留まり予測ができるように設定されている。
また、本発明に係る第2の抵抗不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域毎に又は各ショット領域毎に、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持つ抵抗不良評価パターンを有し、抵抗不良評価パターンの長さをAとし、半導体集積回路装置に搭載された抵抗素子の合計長さをBとすると、チップ領域の1つ又はショット領域の1つに含まれる抵抗不良評価パターンの数は、B/Aの1/100倍以上で且つ10倍以下である。
また、本発明に係る第3の抵抗不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持つ抵抗不良評価パターンと、抵抗不良評価パターンの抵抗値を決定する寸法、膜厚及び抵抗率のうちの少なくとも1つを校正するために用いられる校正用パターンとを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されている。尚、各ブロック内において、校正用パターンは抵抗不良評価パターンの近傍、具体的には抵抗不良評価パターンから500μm以下の範囲内に配置されることが好ましい。
第3の抵抗不良評価装置において、抵抗不良評価パターンの長さをAとし、半導体集積回路装置に搭載された抵抗素子の合計長さをBとすると、チップ領域の1つ又はショット領域の1つに含まれる抵抗不良評価パターンの数は、B/Aの1/100倍以上で且つ10倍以下であることが好ましい。
第3の抵抗不良評価装置において、抵抗不良評価パターン及び校正用パターンにはそれぞれ独立したプロービング用パッドが設けられていることが好ましい。
第2又は第3の抵抗不良評価装置において、抵抗不良評価パターンの長さAは、抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じている抵抗不良評価パターンの第1の抵抗値と抵抗変動不良が存在しない抵抗不良評価パターンの第2の抵抗値との差である抵抗変動成分が第2の抵抗値に対して2%以上になるように設定されることが好ましい。尚、第2又は第3の抵抗不良評価装置において、前記の抵抗変動成分の大きさ(割合)は1倍(100%)以下であることが好ましい。すなわち、一般的に、評価パターンの抵抗ばらつきが目標値に対して±10%程度以内の変動であれば評価パターンが良品であるという評価を行なうので、100%以下の抵抗変動成分の大きさを検出できればよい。また、完全な断線が生じた場合には検出される抵抗変動成分の大きさは無限大倍(∞%)になるので、従来の長配線パターンである櫛状(Comb)及び蛇状(Serp)の配線パターンを用いて抵抗不良評価を行なうことができる。従って、このような従来の長配線パターンによる抵抗不良評価と区別するためには、第2又は第3の抵抗不良評価装置において、前記の抵抗変動成分の大きさ(割合)は100倍(10000%)以下であってもよい。
第2又は第3の抵抗不良評価装置において、抵抗素子は、MOSトランジスタ本体、バイポーラトランジスタ本体、pn接合ダイオード、MOSトランジスタのゲート電極配線若しくはソース/ドレイン不純物層、金属配線、不純物層と配線層とを接続するコンタクト、又は配線層同士を接続するビアであってもよい。
本発明に係る第4の抵抗不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、シリサイド層の断線に起因する抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層からなる第1校正用パターンとを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されている。
本発明に係る第5の抵抗不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、シリサイド層の断線に起因する抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子の5倍以上の幅のシリコン含有層からなる第2校正用パターンとを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されている。
本発明に係る第6の抵抗不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、シリサイド層の断線に起因する抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子の5倍以上の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる第3校正用パターンとを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されている。
本発明に係る第7の抵抗不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、シリサイド層の断線に起因する抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層からなる第1校正用パターンと、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子の5倍以上の幅のシリコン含有層からなる第2校正用パターンとを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されている。
第7の抵抗不良評価装置において、各ブロックに、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗不良評価パターンと異なる2種類以上の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる複数の他の抵抗不良評価パターンと、第1校正用パターンと同一の長さを持ち且つ第1校正用パターンと異なる2種類以上の幅のシリコン含有層からなる複数の他の第1校正用パターンとをさらに有してもよい。
第7の抵抗不良評価装置において、各ブロックに、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子の5倍以上の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる第3校正用パターンをさらに有していてもよい。
本発明に係る第8の抵抗不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、シリサイド層の断線に起因する抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子と同一の幅のシリコン含有層からなる第1校正用パターンと、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗素子の5倍以上の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる第3校正用パターンとを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されている。
第4〜第8の抵抗不良評価装置のいずれか1つにおいて、抵抗不良評価パターンの長さAは、抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じている抵抗不良評価パターンの第1の抵抗値と抵抗変動不良が存在しない抵抗不良評価パターンの第2の抵抗値との差である抵抗変動成分が第2の抵抗値に対して2%以上になるように設定され、半導体集積回路装置に搭載された抵抗素子の合計長さをBとすると、チップ領域の1つ又はショット領域の1つに含まれる抵抗不良評価パターンの数は、B/Aの1/10倍以上で且つ10倍以下であることが好ましい。尚、第4〜第8の抵抗不良評価装置のいずれか1つにおいて、前記の抵抗変動成分の大きさ(割合)は1倍(100%)以下であることが好ましい。すなわち、一般的に、評価パターンの抵抗ばらつきが目標値に対して±10%程度以内の変動であれば評価パターンが良品であるという評価を行なうので、100%以下の抵抗変動成分の大きさを検出できればよい。また、完全な断線が生じた場合には検出される抵抗変動成分の大きさは無限大倍(∞%)になるので、従来の長配線パターンである櫛状(Comb)及び蛇状(Serp)の配線パターンを用いて抵抗不良評価を行なうことができる。従って、このような従来の長配線パターンによる抵抗不良評価と区別するためには、第4〜第8の抵抗不良評価装置のいずれか1つにおいて、前記の抵抗変動成分の大きさ(割合)は100倍(10000%)以下であってもよい。
また、第4〜第8の抵抗不良評価装置において、各ブロック内で各校正用パターンは抵抗不良評価パターンの近傍、具体的には抵抗不良評価パターンから500μm以下の範囲内に配置されることが好ましい。
本発明に係る第1の抵抗不良評価方法は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、本発明に係る第7の抵抗不良評価装置を使用して、各ブロック内の抵抗不良評価パターン、第1校正用パターン及び第2校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内又は各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、第2校正用パターンの幅の設計値をDRとし、第1の工程で測定された第1校正用パターン及び第2校正用パターンのそれぞれの抵抗値をR1及びR2として、各ブロックにおける抵抗不良評価パターンの電気的換算寸法ECDを、 ECD=DR×R2/R1
に従って算出する第2の工程と、第2の工程で算出された電気的換算寸法ECD及び第1の工程で測定された抵抗不良評価パターンの抵抗値RをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成するか、又は、抵抗不良評価パターンの長さをAとして、各ブロックにおける抵抗不良評価パターンのシート抵抗値Rsを、
Rs=R×ECD/A
に従って算出し、算出されたシート抵抗値Rs及び第2の工程で算出された電気的換算寸法ECDをそれぞれY軸及びX軸にプロットすることによってグラフを作成する第3の工程と、第3の工程で作成されたグラフに基づいて、抵抗不良評価パターンの抵抗値R又はシート抵抗値Rsが離散的に上昇したポイントを抽出することにより、抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えている。
第1の抵抗不良評価方法において、各ブロックには、抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ抵抗不良評価パターンと異なる2種類以上の幅のシリコン含有層及びシリサイド層からなる複数の他の抵抗不良評価パターンと、第1校正用パターンと同一の長さを持ち且つ第1校正用パターンと異なる2種類以上の幅のシリコン含有層からなる複数の他の第1校正用パターンとがさらに設けられており、第1の工程は、各ブロック内の各他の抵抗不良評価パターン及び各他の第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内又は各ショット領域内における複数の箇所で測定する工程を含んでいてもよい。
本発明に係る第2の抵抗不良評価方法は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、本発明に係る第4の抵抗不良評価装置を使用して、各ブロック内の抵抗不良評価パターン及び第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内又は各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、第1の工程で測定された各ブロックにおける抵抗不良評価パターン及び第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値をRR及びr1とし、第1の工程で測定されたウェハ面内における全ての第1校正用パターンの抵抗値の平均値をr1(Ave) として、抵抗不良評価パターンの抵抗値RRの補正値RR'(1)を、
RR'(1)=RR×r1(Ave) /r1
に従って算出する第2の工程と、第2の工程で算出された補正値RR'(1)のウェハ面内又は各チップ領域内若しくは各ショット領域内における分布図を作成する第3の工程と、第3の工程で作成された分布図に基づいて、補正値RR'(1)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えている。
本発明に係る第3の抵抗不良評価方法は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、本発明に係る第6の抵抗不良評価装置を使用して、各ブロック内の抵抗不良評価パターン及び第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内又は各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、第1の工程で測定された各ブロックにおける抵抗不良評価パターン及び第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値をRR及びr3とし、第1の工程で測定されたウェハ面内における全ての第3校正用パターンの抵抗値の平均値をr3(Ave) として、抵抗不良評価パターンの抵抗値RRの補正値RR'(2)を、
RR'(2)=RR×r3(Ave) /r3
に従って算出する第2の工程と、第2の工程で算出された補正値RR'(2)のウェハ面内又は各チップ領域内若しくは各ショット領域内における分布図を作成する第3の工程と、第3の工程で作成された分布図に基づいて、補正値RR'(2)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えている。
本発明に係る第4の抵抗不良評価方法は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、本発明に係る第8の抵抗不良評価装置を使用して、各ブロック内の抵抗不良評価パターン、第1校正用パターン及び第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内又は各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、第1の工程で測定された各ブロックにおける抵抗不良評価パターン、第1校正用パターン及び第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値をRR、r1及びr3とし、第1の工程で測定されたウェハ面内における全ての第1校正用パターンの抵抗値及び全ての第3校正用パターンの抵抗値のそれぞれの平均値をr1(Ave) 及びr3(Ave) として、抵抗不良評価パターンの抵抗値RRの補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3)をそれぞれ、
RR'(1)=RR×r1(Ave) /r1
RR'(2)=RR×r3(Ave) /r3
RR'(3)=RR×r1(Ave) ×r3(Ave) /(r1×r3)
に従って算出する第2の工程と、第2の工程で算出された補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3) のそれぞれのウェハ面内又は各チップ領域内若しくは各ショット領域内における分布図を作成する第3の工程と、第3の工程で作成された各分布図に基づいて、補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えている。
第2又は第4の抵抗不良評価方法において、第2の工程において、平均値r1(Ave) に代えて、第1の工程で測定されたチップ領域の1つ若しくはショット領域の1つにおける全ての第1校正用パターンの抵抗値の平均値r1shot(Ave) 、又は第1の工程で測定されたブロックの1つにおける全ての第1校正用パターンの抵抗値の平均値r1block(Ave)を用いてもよい。
第3又は第4の抵抗不良評価方法において、第2の工程において、平均値r3(Ave) に代えて、第1の工程で測定されたチップ領域の1つ若しくはショット領域の1つにおける全ての第3校正用パターンの抵抗値の平均値r3shot(Ave) 、又は第1の工程で測定されたブロックの1つにおける全ての第3校正用パターンの抵抗値の平均値r3block(Ave)を用いてもよい。
本発明に係る第1の抵抗不良評価装置の製造方法は、第3〜第8の抵抗不良評価装置のいずれか1つの製造方法であって、評価対象となる抵抗素子は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線であって、ウェハよりなる基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜上にシリコン含有層を堆積する工程と、第1のマスクパターンを用いてシリコン含有層に対してエッチングを行なうことにより、シリコン含有層を抵抗不良評価パターン及び校正用パターンのそれぞれの形状にパターンニングする工程と、パターニングされたシリコン含有層の側面にサイドウォールを形成した後、シリサイド化を防止するための第2の絶縁膜を堆積する工程と、第2のマスクパターンを用いて第2の絶縁膜に対してエッチングを行なうことにより、第2の絶縁膜を除去したシリサイド化領域と、第2の絶縁膜を残存させたシリサイド化防止領域とを設定する工程と、サリサイドプロセスを用いてシリサイド化領域のシリコン含有層の上部にシリサイド層を形成することによってゲート電極配線を形成する工程とを備えている。
本発明に係る第2の抵抗不良評価装置の製造方法は、第3〜第8の抵抗不良評価装置のいずれか1つの製造方法であって、評価対象となる抵抗素子は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するソース/ドレイン不純物層であって、ウェハよりなる半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、第1のマスクパターンを用いて第1の絶縁膜に対してエッチングを行なうことにより、第1の絶縁膜を抵抗不良評価パターン及び校正用パターンのそれぞれの形状にパターンニングする工程と、パターニングされた第1の絶縁膜をマスクとして、半導体基板に対してエッチングを行なってトレンチを形成する工程と、トレンチ内に第2の絶縁膜を埋め込む工程と、CMPにより第2の絶縁膜の表面を平坦化した後、第1の絶縁膜を除去してトレンチ分離を形成する工程と、トレンチ分離が形成されていない半導体基板の露出表面部に対して不純物を導入することによって不純物層を形成した後、半導体基板上に、シリサイド化を防止するための第3の絶縁膜を堆積する工程と、第2のマスクパターンを用いて第3の絶縁膜に対してエッチングを行なうことにより、第3の絶縁膜を除去したシリサイド化領域と、第3の絶縁膜を残存させたシリサイド化防止領域とを設定する工程と、サリサイドプロセスを用いてシリサイド化領域の不純物層の上部にシリサイド層を形成することによってソース/ドレイン不純物層を形成する工程とを備えている。
本発明に係るコンタクト不良評価装置は、半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、ウェハの各チップ領域毎に又は各ショット領域毎に、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数を持つコンタクトチェーン抵抗パターンを有し、コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数をnとし、半導体集積回路装置に搭載されたコンタクトの総数をNとすると、チップ領域の1つ又はショット領域の1つに含まれるコンタクトチェーン抵抗パターンの数は、N/nの1/10倍以上で且つ10倍以下である。
本発明のコンタクト不良評価装置において、コンタクトチェーン抵抗パターンは、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに配置されており、各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの近傍に、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値を決定する下地パターンの抵抗値を校正するために用いられ且つ評価対象のコンタクト間パターン長Lと同等のコンタクト間パターン長L1、コンタクト間パターン長L1よりも長いコンタクト間パターン長L2及びコンタクト間パターン長L2よりも長いコンタクト間パターン長L3のそれぞれを持つ複数の第1校正用パターンを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されていることが好ましい。
本発明のコンタクト不良評価装置において、コンタクトチェーン抵抗パターンは、ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに配置されており、各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの近傍に、評価対象のコンタクト径dよりも小さいコンタクト径d1、コンタクト径dと同等のコンタクト径d2及びコンタクト径dよりも大きいコンタクト径d3のそれぞれを持つ複数の第2校正用パターンを有し、ウェハ面内及び各チップ領域又は各ショット領域のそれぞれの内部において各ブロックは均一に配置されていることが好ましい。
尚、本発明のコンタクト不良評価装置において、各ブロック内で各校正用パターンはコンタクトチェーン抵抗パターンの近傍、具体的にはコンタクトチェーン抵抗パターンから500μm以下の範囲内に配置されることが好ましい。
本発明のコンタクト不良評価装置において、コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数nは、抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じているコンタクトチェーン抵抗パターンの第1の抵抗値と抵抗変動不良が存在しないコンタクトチェーン抵抗パターンの第2の抵抗値との差である抵抗変動成分が第1の抵抗値に対して1%以上になるように設定されることが好ましい。尚、本発明のコンタクト不良評価装置において、前記の抵抗変動成分の大きさ(割合)は1倍(100%)以下であることが好ましい。すなわち、一般的に、評価パターンの抵抗ばらつきが目標値に対して±10%程度以内の変動であれば評価パターンが良品であるという評価を行なうので、100%以下の抵抗変動成分の大きさを検出できればよい。また、完全な断線が生じた場合には検出される抵抗変動成分の大きさは無限大倍(∞%)になるので、従来の大規模なコンタクトチェーン抵抗パターンを用いて抵抗不良評価を行なうことができる。従って、このような従来の大規模なコンタクトチェーン抵抗パターンによる抵抗不良評価と区別するためには、本発明のコンタクト不良評価装置において、前記の抵抗変動成分の大きさ(割合)は100倍(10000%)以下であってもよい。
本発明のコンタクト不良評価装置において、コンタクトは、コンタクトホール内に高融点金属膜又は金属膜を埋め込むことによって形成されたコンタクト電極であってもよい。
本発明のコンタクト不良評価装置において、コンタクトの下地パターンは、ゲート電極配線層、ソース/ドレイン不純物層又は下層金属配線層であってもよい。
本発明に係る第1のコンタクト不良評価方法は、半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良を評価する評価方法であって、本発明のコンタクト不良評価装置であって校正用パターンを有するコンタクト不良評価装置を使用して、各ブロック内のコンタクトチェーン抵抗パターン及び各第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内又は各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、第1の工程で測定された各ブロックにおける各第1校正用パターンの抵抗値をコンタクト間パターン長L1、L2及びL3のそれぞれについてr1、r2及びr3として、コンタクト間パターン長L1、L2及びL3並びに各第1校正用パターンの抵抗値r1、r2及びr3をそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成し、作成したグラフのY切片の値から、当該ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンを構成するコンタクトの1つ当たりの抵抗値rcを算出する第2の工程と、第1の工程で測定された各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとして、第2の工程で算出されたコンタクトの1つ当たりの抵抗値rc及びコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値RcをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成するか、又は、第2の工程で算出されたコンタクトの1つ当たりの抵抗値rc及び単位面積当たりのコンタクト抵抗値ρcを用いて、各ブロックにおける電気的換算コンタクト径dを、
d=(ρc/(π×rc))1/2
に従って算出すると共に、第1の工程で測定された各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとして、算出された電気的換算コンタクト径d又はその逆数及びコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値RcをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成する第3の工程と、第3の工程で作成されたグラフに基づいて、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcが離散的に上昇したポイントを抽出することにより、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えている。
本発明に係る第2のコンタクト不良評価方法は、半導体集積回路装置に搭載されているコンタクトの抵抗変動不良を評価する評価方法であって、本発明のコンタクト不良評価装置であって校正用パターンを有するコンタクト不良評価装置を使用して、各ブロック内のコンタクトチェーン抵抗パターン及び各第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内又は各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、第1の工程で測定された各ブロックにおける各第1校正用パターンの抵抗値をコンタクト間パターン長L1、L2及びL3のそれぞれについてr1、r2及びr3として、コンタクト間パターン長L1、L2及びL3並びに各第1校正用パターンの抵抗値r1、r2及びr3をそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成し、作成したグラフの傾きの値から、当該ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruを算出する第2の工程と、第1の工程で測定された各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとし、第2の工程で算出されたウェハ面内における全てのコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値をRu(Ave) として、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcの補正値Rc’を、
Rc’=Rc×Ru(Ave) /Ru
に従って算出する第3の工程と、第3の工程で算出された補正値Rc’のウェハ面内又は各チップ領域内若しくは各ショット領域内における分布図を作成する第4の工程と、第4の工程で作成された分布図に基づいて、補正値Rc’が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第5の工程とを備えている。
第2のコンタクト不良評価方法において、第3の工程において、平均値Ru(Ave) に代えて、第2の工程で算出されたチップ領域の1つ若しくはショット領域の1つにおける全てのコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値Rushot(Ave) 、又は第2の工程で算出されたブロックの1つにおける全てのコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値Rublock(Ave)を用いてもよい。
本発明に係る第1のコンタクト不良評価装置の製造方法は、本発明のコンタクト不良評価装置であって校正用パターンを有するコンタクト不良評価装置の製造方法である。具体的には、ウェハよりなる基板上に、コンタクトチェーン抵抗パターン及び校正用パターンのそれぞれの下地パターンを形成する工程と、下地パターンが形成された基板上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜に、各下地パターンに達する複数のホールを形成する工程と、各ホールに導電体膜を埋め込んで複数のコンタクトを形成する工程と、各コンタクトの上及び絶縁膜の上に上層配線を形成する工程とを備えている。
本発明に係る第2のコンタクト不良評価装置の製造方法は、本発明のコンタクト不良評価装置であって校正用パターンを有するコンタクト不良評価装置の製造方法である。具体的には、ウェハよりなる基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に第1の導電体膜を形成する工程と、第1のマスクパターンを用いて前記第1の導電体膜に対してエッチングを行なうことにより、前記コンタクトチェーン抵抗パターン及び前記校正用パターンのそれぞれの下地パターンを形成する工程と、前記下地パターンが形成された前記基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、第2のマスクパターンを用いて前記層間絶縁膜に対してエッチングを行なって、前記各下地パターンに達する複数のホールを形成する工程と、前記各ホールに第2の導電体膜を埋め込む工程と、前記各ホール内の前記第2の導電体膜を残しつつ、前記各ホールの外側の前記第2の導電体膜をCMPにより除去して複数のコンタクトを形成する工程と、前記各コンタクトの上及び前記層間絶縁膜の上に第3の導電体膜を形成する工程と、第3のマスクパターンを用いて前記第3の導電体膜に対してエッチングを行なうことにより上層配線を形成する工程とを備えている。
本発明によると、評価装置となるウェハの各チップ領域毎に又は各ショット領域毎に、集積回路装置の構成要素の抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる評価パターンが設けられていると共に、チップ領域の1つ又はショット領域の1つに含まれる評価パターンの数は、集積回路装置の歩留まり予測ができるように設定されている。このため、集積回路装置の構成要素における抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を正確に評価することができると共に、各チップ領域又は各ショット領域における各評価パターンについての抵抗測定を行ない、該測定結果に基づいてソフトオープン不良の数を検出することにより、集積回路装置の歩留まり評価を行なうことが可能になる。すなわち、製造される集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価することができる。
具体的には、本発明に係る抵抗不良評価装置、該評価装置を使用した抵抗不良評価方法及び該評価装置の製造方法によると、抵抗不良評価パターンが、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持つため、抵抗素子の一部分における抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を正確に評価することができる。また、各チップ領域又は各ショット領域に、抵抗素子の歩留まり評価を行なえる数の抵抗不良評価パターンが配置されているため、各チップ領域又は各ショット領域における各抵抗不良評価パターンについての抵抗測定を行ない、該測定結果に基づいてソフトオープン不良の数を検出することにより、抵抗素子の歩留まり評価を行なうことが可能になる。従って、製造される半導体集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価することができる。
特に、MOS(metal oxide semiconductor )トランジスタにおけるゲート電極配線となるポリシリコン膜上又はソース/ドレイン不純物層上にサリサイドプロセスにより形成されたシリサイド層の断線については、シリサイド層の下側に不純物がドーピングされたポリシリコン膜又は不純物層が存在するため、シリサイド層が断線しても完全な断線(ハードオープン)とはならない。すなわち、ポリシリコン膜又は不純物層が所定の抵抗値を有しているため、シリサイド層が断線した場合、ゲート電極配線全体又はソース/ドレイン不純物層全体としては部分的な抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を生じる。このようなソフトオープン不良は、本発明に係る抵抗不良評価装置及び該評価装置を使用した抵抗不良評価方法により正確に検出されるため、該検出結果に基づいて、ソフトオープン不良を考慮した歩留まり評価が可能となる。
同様に、本発明に係るコンタクト不良評価装置、該評価装置を使用したコンタクト不良の評価方法及び該評価装置の製造方法によると、コンタクトチェーン抵抗パターンが、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数を持つため、コンタクトの一部分、例えば、多数のコンタクトのうちの1つのコンタクトにおけるソフトオープン不良を正確に評価することができる。また、各チップ領域又は各ショット領域に、集積回路装置に搭載された全コンタクトについての歩留まり評価を行なえる数のコンタクトチェーン抵抗パターンが配置されているため、各チップ領域又は各ショット領域における各コンタクトチェーン抵抗パターンについての抵抗測定を行ない、該測定結果に基づいてソフトオープン不良の数を検出することにより、コンタクトの歩留まり評価を行なうことが可能になる。従って、製造される半導体集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価することができる。
また、本発明に係る抵抗不良評価装置又はコンタクト不良評価装置の製造方法によると、非常に短いプロセスTATでソフトオープン不良の評価装置を製造できるため、評価結果を直ちにフィードバックすることが可能になるので、プロセス改善に要する時間を短縮できるという非常に大きな効果が得られる。
ところで、本発明に係る抵抗不良評価装置においては、半導体集積回路装置に搭載された全ての抵抗素子の合計長さに相当する数の抵抗不良評価パターンが設けられていると共に、各抵抗不良評価パターンが、ソフトオープン不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを有している。ここで、本発明に係る抵抗不良評価方法においては、これらの抵抗不良評価パターンのそれぞれについて測定評価を行なうため、測定ポイントの数が膨大になる。例えば、後述する実施形態においては1ウェハ当たり91800箇所の測定を実施することになる。今後も、歩留まり評価対象の半導体集積回路装置の高密度化が進む状況において、抵抗素子における微弱な抵抗変動を捉えたいという要求のために、測定の必要がある抵抗不良評価パターンの数もさらに増加すると考えられる。一方、今後の測定技術の進歩によって測定評価時間は更に短縮化されると予想されるので、測定ポイント数の増大が測定評価時間の過度な増大をもたらすことはないと考えられる。従って、本発明に係る抵抗不良評価装置を使用した抵抗不良評価方法は、今後とも最も簡単且つ有効な方法と考えられる。
同様に、本発明に係るコンタクト不良評価装置においては、半導体集積回路装置の全コンタクト数に相当する数のコンタクトチェーン抵抗パターンが設けられていると共に、各コンタクトチェーン抵抗パターンは、ソフトオープン不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数を持つ。ここで、本発明に係るコンタクト不良評価方法においては、これらのコンタクトチェーン抵抗パターンのそれぞれについて測定評価を行なうため、測定ポイントの数が膨大になる。今後も、歩留まり評価対象の半導体集積回路装置の高密度化が進む状況において、非常に多数のコンタクト中の一部のコンタクトにおける微弱な抵抗変動を捉えたいという要求のために、測定の必要がある抵抗不良評価パターンの数もさらに増加すると考えられる。一方、今後の測定技術の進歩によって測定評価時間は更に短縮化されると予想されるので、測定ポイント数の増大が測定評価時間の過度な増大をもたらすことはないと考えられる。従って、本発明に係るコンタクト不良評価装置を使用したコンタクト不良評価方法は、今後とも最も簡単且つ有効な方法と考えられる。
尚、前述のように、ゲート電極配線となるポリシリコン膜上又はソース/ドレイン不純物層となるシリコン層上におけるシリサイド層の断線の場合を例として本発明の効果を説明した。しかし、本発明のソフトオープン不良の検出方法又はその検出結果を用いた歩留まり評価方法は、アルミニウム若しくは銅等よりなる金属配線のソフトオープン不良評価、トランジスタの不純物層等と配線層とを接続するコンタクトのソフトオープン不良評価、又は金属配線同士を接続するビア部のソフトオープン不良評価にも応用することが可能であり、それによって得られる効果も非常に大きい。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る抵抗不良評価装置(抵抗不良モニター装置)、具体的には、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ(評価用ウェハ)上に設けられる評価装置について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本実施形態の抵抗不良モニター装置の1チップ領域(又は後述する1ショット領域)の平面図を示す。図1(a)に示すように、チップ領域101(以下、単にチップ101と称する)内に、ソフトオープン不良となる抵抗変動成分が検出可能な大きさ(長さ又は幅)を持つ抵抗体である抵抗不良評価パターン102が、半導体集積回路装置の歩留まり評価が可能な数だけ均一に配置されている。言い換えると、本実施形態の抵抗不良評価パターン102の長さは、後述するように、抵抗値の測定精度によって決まる所定の長さよりも小さく設定されている。ここで、抵抗不良評価パターン102は、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子と実質的に同一の構造(第1〜第10の実施形態では材料構成及び膜厚等を意味するが、特に断らない限り、幅及び長さは構造に含めないものとする)を持つ。具体的には、本実施形態では、抵抗不良評価パターン102として、シリサイド化されたゲート電極配線である、長さ280μm、幅0.1μmの抵抗体をチップ101の内部に1800個配置した。
図1(b)は、図1(a)に示す本実施形態の抵抗不良モニター装置(1チップ領域に設けられている)がウェハ面内に均一に配置されている様子を示している。図1(b)に示すように、本実施形態では、ウェハ100の主面上の51箇所にチップ101が配置されている。従って、1ウェハ当たり、1800個×51=91800個の抵抗不良評価パターン102が配置されていることになる。
図1(c)及び図1(d)はそれぞれ抵抗不良評価パターン102の一例を示している。図1(c)に示すように、抵抗不良評価パターン102は、例えば、実質的に抵抗体となる長さAのライン部分102aと、該ライン部分102aの両端に1つずつ接続された2つの端子102bとから構成されていてもよい。また、図1(d)に示すように、抵抗不良評価パターン102は、例えば、実質的に抵抗体となる長さAのライン部分102aと、該ライン部分102aの両端に2つずつ接続された4つの端子102bとから構成されていてもよい。尚、以下の説明においては、特に断らない限り、実質的に抵抗体となるライン部分102aの長さAを抵抗不良評価パターン102の長さとする。
本実施形態では、抵抗不良評価パターン102として、図1(c)に示す2端子の抵抗体を用いるものとする。但し、これに代えて、図1(d)に示す4端子の抵抗体を用いてもよいし、又はその他の抵抗体としてコンタクト抵抗体若しくはビア抵抗体等を用いてもよい。また、抵抗不良評価パターン102としてMOSトランジスタ等を用いてもよい。
ここで、図1(c)に示す抵抗不良評価パターン102の長さAの設定方法について、図1(e)及び図1(f)を参照しながら説明する。図1(e)に示すように、抵抗不良が発生していない(正常な)長さAの抵抗不良評価パターン102の抵抗値をRAとし、図1(f)に示すように、抵抗不良103が少なくとも1箇所で生じている長さAの抵抗不良評価パターン102の抵抗値をRBとした場合、抵抗不良評価パターン102の長さAは、
(RB−RA)/RA×100≧2%
を満たすように設定される。具体的には、本実施形態ではA=280μmとした。この理由については図2(a)〜(f)を用いて後述する。
次に、図1(a)に示すチップ101の内部に設ける必要がある抵抗不良評価パターン102の数について図1(g)を参照しながら説明する。図1(g)は、評価対象の抵抗素子111が搭載されている半導体集積回路装置110の概略平面図である。ここで、半導体集積回路装置110は、例えば製品用ウェハの各チップ領域又は各ショット領域に設けられるものである。また、評価対象の抵抗素子111として、例えば、MOSトランジスタのゲート電極配線が選択された場合、チップ101上の抵抗不良評価パターン102の数を、半導体集積回路装置110に搭載されている全てのゲート電極配線パターンの合計長さに相当する数に設定する必要がある。
尚、本実施形態において、半導体集積回路装置で使用されているゲート電極配線は、実質的にMOSトランジスタのゲート電極として機能する部分、及びトランジスタ同士を接続する配線として機能する部分等の全てを含むものとする。また、実際の半導体集積回路装置で使用されているゲート電極配線においては、最小の設計ルールの配線幅を持つ部分と、それよりも太い配線幅を持つ部分とが混在しているが、本実施形態では、集積回路内のほとんどの領域で使用されており且つ不良が最も発生しやすい最小の設計ルールの配線幅を持つゲート電極配線のみを評価対象とし、その合計長さ(総距離)をBとする。
本実施形態の特徴の1つは、抵抗不良評価パターン102の長さをAとし、集積回路装置における評価対象の抵抗素子の総距離をBとした場合に、チップ101内に挿入する必要がある抵抗不良評価パターン102の数を、B/Aで計算される値の1/100倍以上で且つ10倍以下の範囲に設定することである。具体的には、本実施形態では、前述の範囲にある1800個の抵抗不良評価パターン102を1つのチップ101の内部に配置した。但し、ソフトオープン不良を考慮した歩留まり評価においては、チップ101内に挿入する必要がある抵抗不良評価パターン102の数を、B/Aで計算される値の1/10倍以上で且つ10倍以下の範囲に設定することがより好ましい。この理由については図3を用いて後述する。
次に、図2(a)〜(f)を参照しながら本実施形態における抵抗不良評価パターン102の長さAの設定の仕方について、ゲート電極配線上のシリサイド層の断線不良に起因するソフトオープン不良を評価する場合を例として詳細に説明する。
図2(a)は、シリサイド層が断線していない正常な抵抗不良評価パターンの平面図であり、図2(b)は、シリサイド層が1箇所で断線している抵抗不良評価パターンの平面図であり、図2(c)は、図2(a)におけるa−a’線の断面図であり、図2(d)は、図2(b)におけるb−b’線の断面図である。
図2(b)に示すように、抵抗不良評価パターン102は、下層のポリシリコン層104と上層のシリサイド層105とから構成されている。また、図2(c)及び(d)に示すように、シリサイド層105に断線103が生じても、下層のポリシリコン層104によって電気的な接続が維持されるため、抵抗不良評価パターン102全体としては断線せずに部分的な抵抗上昇を生じる。
ここで、抵抗不良評価パターン102の長さAの値として設定された、前述の280μmが妥当であるかどうかは次のように判断される。尚、評価対象となる抵抗素子は幅0.1μmのゲート電極配線である。また、0.1μm幅のポリシリコン電極上のシリサイド層断線による抵抗上昇値(測定値)rは2kΩである。一方、パターン長さAが280μm、幅が0.1μmの正常な(シリサイド層断線のない)ゲート電極配線の抵抗値RAは16kΩである。従って、パターン長さAが280μm、幅が0.1μmでシリサイド層断線を1箇所生じているゲート電極配線の抵抗値RBは18kΩとなる。よって、抵抗変動成分の大きさ(割合)は、
(RB−RA)/RA×100=12.5%
となり、これは前述の閾値(2%)以上の値であるため、抵抗不良評価パターンの長さAを280μmに設定することが妥当であることが分かる。
図2(e)は、抵抗不良評価パターンの長さAと、正常なゲート電極配線抵抗値RA及び不良が1箇所生じているゲート電極配線抵抗値RBとの関係を示す表である。また、図2(f)は、抵抗不良評価パターンの長さAに対する、(RB−RA)/RA×100の依存性を示すグラフである。
図2(e)及び(f)に示すように、抵抗不良評価パターンの長さAが大きくなるに従って、該パターン内の1箇所で生じた不良を抵抗値の測定結果を用いて検出することが困難になる。ここで、本実施形態において不良となる抵抗変動成分の測定可能範囲として設定した、(RB−RA)/RA×100≧2%が満たされるのは、抵抗不良評価パターンの長さAが1750μm以下の場合である。すなわち、A=1750μmである場合、図2(e)に示すように、RA=100Ω、RB=102Ωとなるため、これらの抵抗測定値の差(正確には該差のRAに対する比率、つまり抵抗変動成分)である2%を正確に検出する必要がある。従って、抵抗値の測定精度が2%程度である場合、抵抗変動成分が2%以上にならなければ、ソフトオープン不良を精度良く検出することができなくなる。それに対して、本実施形態においては、抵抗不良評価パターンの長さAを280μmに設定しているため、抵抗変動成分が12.5%と10%以上の値を持つため、不良検出が非常に容易になる。
次に、図3を参照しながら本実施形態における1チップ内での抵抗不良評価パターンの必要数の設定方法について、ゲート電極配線上のシリサイド層の断線不良を例として詳細に説明する。
例えば図1(g)に示すような半導体集積回路装置110において、評価対象の抵抗素子111としてゲート電極配線が搭載されているものとする。最近の半導体集積回路装置(ULSI)では、MOSトランジスタに使用されるゲート電極配線の合計長さ(総距離)はメートル(m)オーダーとなる。ここで、本実施形態で評価される半導体集積回路装置110のゲート電極配線(最小ルールで作製されたゲート電極配線)の総配線長Bは1mであるとする。この場合、1チップ内での抵抗不良評価パターンの必要数は次のように設定される。まず、半導体集積回路装置の総配線長Bを抵抗不良評価パターンの長さA(=280μm)により除することによって、B/Aの値として3571という値が算出される。前述のように、本実施形態では、B/Aの値である3571の1/100倍(36個)以上で且つ10倍(35710個)以下の範囲の個数の抵抗不良評価パターンを1チップ内に挿入する。具体的には、本実施形態においては、3571個の約半数の1800個の抵抗不良評価パターンを1チップ内に挿入する。
図3は、トータル配線長L(半導体集積回路装置に搭載されたゲート電極配線の総距離又は抵抗不良モニター装置における抵抗不良評価パターンの総距離)と、総パターンの歩留まり(半導体集積回路装置又は抵抗不良モニター装置の1チップ領域の歩留まり)Y(単位:%)との関係を示す図である。尚、図3において、トータル配線長Lを横軸に、総パターンの歩留まりYを縦軸に表している。ここで、1チップ内のトータル配線長をL、1チップ内の抵抗不良評価パターン数をN、抵抗不良評価パターンの長さをAとすると、N=L/Aが成り立つ。また、長さ280μmの抵抗不良評価パターンの不良発生率をλとすると、1チップ領域の抵抗不良モニター装置における総パターンの歩留まりYについて、
Y=EXP(−λ×N)
が成り立つ。この総パターンの歩留まりYの計算式を用いて、長さ280μmの抵抗不良評価パターンの不良発生率λが100ppmであった場合の総パターンの歩留まりYを様々なトータル配線長Lについて算出した結果を図3に示している。
図3に示すように、製品となる半導体集積回路装置のトータル配線長Lが1m(1.0×106 μm)である場合、製品の歩留まりが約70%であることが分かる。従って、抵抗不良モニター装置のトータル配線長Lが製品と同じく1mである場合には同じ歩留まりが得られるので、その結果を用いて製品の歩留まりを評価することが可能になる。この場合には、前述のように、抵抗不良評価パターン数Nが3571個である必要がある。それに対して、本実施形態ではN=1800個に設定しており、この場合、図3に示すように、抵抗不良モニター装置のトータル配線長Lは280μm×1800=0.504mとなるので、総パターンの歩留まりYは約84%となる。この値は、歩留まりの換算式を用いて製品の歩留まり評価(歩留まり予測)を実施するために十分な値となっている。
すなわち、抵抗不良評価パターンの長さをAとし、集積回路装置における評価対象の抵抗素子の総距離をBとした場合に、1チップ内に挿入する必要がある抵抗不良評価パターンの数を、B/Aで計算される値の1/100倍以上で且つ10倍以下の範囲に設定すると、抵抗不良モニター装置について得られる歩留まりに基づいて製品の歩留まり評価を行なうことができる。
また、1チップ内に挿入する必要がある抵抗不良評価パターンの数を、B/Aで計算される値の1/10倍以上で且つ10倍以下の範囲に設定すると、抵抗不良モニター装置について得られる歩留まりに基づいて製品の歩留まり評価をより正確に行なうことができる。言い換えると、1チップ内に挿入する必要がある抵抗不良評価パターンの数を、B/Aで計算される値の1/10倍よりも小さくした場合には、製品の歩留まり予測の見積もり精度が若干悪くなる。
以上に説明したように、第1の実施形態に係る抵抗不良モニター装置によると、抵抗不良評価パターン102が、ソフトオープン不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持つため、半導体集積回路装置における評価対象の抵抗素子における抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を正確に評価することができる。また、ウェハ100上の各チップ101に、抵抗素子の歩留まり評価を行なえる数の抵抗不良評価パターン102が配置されているため、各チップ101における各抵抗不良評価パターン102についての抵抗測定を行ない、該測定結果に基づいてソフトオープン不良の数を検出することにより、抵抗素子の歩留まり評価を行なうことが可能になる。従って、ソフトオープン不良を考慮した製品(半導体集積回路装置)の歩留まり評価、つまり製品歩留まりに対するソフトオープン不良の影響評価も可能となる。
尚、第1の実施形態において、半導体集積回路装置と対応する1チップ領域(チップ101)を単位としてウェハ上に抵抗不良モニター装置を設けた。しかし、これに代えて、リソグラフィ工程の1回の露光領域である1ショット領域を単位としてウェハ上に抵抗不良モニター装置を設けてもよい。ここで、図4に示すように、1ショット領域101Aは複数のチップ101を含んでいてもよい。この場合、1ショット領域101Aは、抵抗不良評価パターンが設けられない領域を有していてもよい。同様に、本実施形態においても、チップ101が、抵抗不良評価パターンが設けられない領域を有していてもよい。
また、第1の実施形態において、不良となる抵抗変動成分の測定可能範囲を、
(RB−RA)/RA×100≧2%(RA:正常なゲート電極配線抵抗値、RB:不良が1箇所生じているゲート電極配線抵抗値)に設定したが、この範囲が特に限定されないことは言うまでもない。また、(RB−RA)/RA×100は100%以下であることが好ましい。すなわち、一般的に、評価パターンの抵抗ばらつきが目標値に対して±10%程度以内の変動であれば評価パターンが良品であるという評価を行なうので、100%以下の抵抗変動成分の大きさを検出できればよい。また、完全な断線が生じた場合には検出される抵抗変動成分の大きさは無限大倍(∞%)になるので、従来の長配線パターンである櫛状(Comb)及び蛇状(Serp)の配線パターンを用いて抵抗不良評価を行なうことができる。従って、このような従来の長配線パターンによる抵抗不良評価と区別するためには、(RB−RA)/RA×100は10000%以下であってもよい。
また、第1の実施形態において、抵抗不良評価パターンにおいて抵抗変動不良が1箇所で生じることを前提としたが、抵抗不良評価パターンにおいて抵抗変動不良が2箇所以上で生じる場合にも本実施形態を応用できることは言うまでもない。
また、第1の実施形態において、評価対象の抵抗素子がMOSトランジスタのゲート電極配線である場合を対象とした。しかし、本実施形態は、これに限られるものではなく、他の抵抗素子、例えば、MOSトランジスタ本体(トランジスタ構造の全体という意味:以下同じ)、バイポーラトランジスタ本体、pn接合ダイオード、MOSトランジスタのソース/ドレイン不純物層、金属配線、不純物層と配線層とを接続するコンタクト、又は配線層同士を接続するビア等を対象としてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る抵抗不良評価装置(抵抗不良モニター装置)、具体的には、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ(評価用ウェハ)上に設けられる評価装置について、図面を参照しながら説明する。
図5(a)は、本実施形態の抵抗不良モニター装置の1チップ領域(又は1ショット領域)の平面図を示す。図5(a)に示すように、チップ領域101(以下、単にチップ101と称する)は複数のブロック120に区画されている。
図5(b)は、図5(a)に示す本実施形態の抵抗不良モニター装置(1チップ領域)がウェハ面内に均一に配置されている様子を示している。図5(b)に示すように、本実施形態では、ウェハ100の主面上の51箇所にチップ101が配置されている。
図5(c)は、図5(a)に示す本実施形態の抵抗不良モニター装置の1ブロックの内部の様子を示している。本実施形態の特徴は、図5(c)に示すように、チップ101上の各ブロック120に、ソフトオープン不良となる抵抗変動成分が検出可能な大きさ(長さ又は幅)を持ち且つ評価対象の抵抗素子と実質的に同一の構造を持つ抵抗不良評価パターン102(詳しくは第1の実施形態参照)と、抵抗不良評価パターン102の抵抗値を決定する寸法、膜厚及び抵抗率等のうちの少なくとも1つを校正するために用いられる校正用パターン121(具体的には、実質的に抵抗体となるライン部分の幅が異なる2種類の校正用パターンからなる校正用パターン群)とが設けられていることである。すなわち、校正用パターン121によって抵抗不良評価パターン102の抵抗値のばらつきを補正することができる。ここで、各ブロック120内において、校正用パターン121は抵抗不良評価パターン102の近傍、具体的には、抵抗不良評価パターン102から500μm以下の範囲内に配置されることが好ましい。
以上のように、本実施形態の抵抗不良モニター装置においては、抵抗不良評価パターン102と校正用パターン121とから1つのブロック120が構成され、該ブロック120が1チップ領域(又は1ショット領域)内に均一に配置され、該チップ領域(チップ101)がウェハ100の主面内に均一に配置されている。
第2の実施形態に係る抵抗不良モニター装置によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、以下のような効果が得られる。すなわち、校正用パターン121を用いて評価対象となる抵抗不良評価パターン102の抵抗値の測定結果をウェハ面内又はチップ領域(又はショット領域)内で補正することができる。具体的には、ウェハ面内又はチップ領域(又はショット領域)内における抵抗不良評価パターン102の寸法、膜厚又は抵抗率のばらつきを、ウェハ面内又はチップ領域(又はショット領域)内のそれぞれのポイントで補正できるため、抵抗不良評価パターン102の抵抗評価をより高精度で行なうことができる。従って、ソフトオープン不良をより精度良く検出することができる。
尚、第2の実施形態においては、図5(c)に示すように、抵抗不良評価パターン102及び校正用パターン121にそれぞれ独立したプロービング用パッド(端子)を設けた。これにより、抵抗不良評価パターン102及び校正用パターン121のそれぞれの抵抗値の測定精度が向上するという効果が得られる。しかし、これに代えて、図6(a)又は図6(b)に示すように、抵抗不良評価パターン102及び校正用パターン121に、共用のプロービング用パッドを設けてもよいことは言うまでもない。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る抵抗不良評価装置(抵抗不良モニター装置)、具体的には、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ(評価用ウェハ)上に設けられる評価装置について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る抵抗不良モニター装置の第1の特徴は、第1の実施形態と同様に、1チップ領域(又は1ショット領域)内に、ソフトオープン不良となる抵抗変動成分が検出可能な大きさ(長さ又は幅)を持ち且つ評価対象の抵抗素子と実質的に同一の構造を持つ抵抗不良評価パターンが、半導体集積回路装置の歩留まり評価が可能な数だけ配置されていることである。
また、本実施形態に係る抵抗不良モニター装置の第2の特徴は、第2の実施形態と同様に、チップ領域(又はショット領域)が複数のブロックに区画されており、各ブロック内に抵抗不良評価パターンと共に校正用パターン(校正用パターン群)が配置されていることである。これにより、測定された抵抗不良評価パターンの抵抗値を精度良く校正することができる。
以上のように、本実施形態に係る抵抗不良モニター装置は、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせた抵抗不良モニター装置である。
従って、抵抗不良評価パターンの長さをAとし、半導体集積回路装置に搭載された評価対象の抵抗素子の合計長さ(総距離)をBとすると、本実施形態に係る抵抗不良モニター装置における1つのチップ領域(又はショット領域)内に挿入する必要がある抵抗不良評価パターンの数は、B/Aの1/100倍以上で且つ10倍以下の範囲の個数である。
また、抵抗変動不良が発生していない(正常な)長さAの抵抗不良評価パターンの抵抗値をRAとし、抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じている長さAの抵抗不良評価パターンの抵抗値をRBとした場合、抵抗不良評価パターンの長さAは、例えば
(RB−RA)/RA×100≧2%
を満たすように、言い換えると、抵抗変動不良となる抵抗変動成分の大きさ(割合)が2%以上になるように設定される。
ここで、チップ領域(又はショット領域)に必要数量の抵抗不良評価パターンを挿入する際に、図7(a)に示すように、抵抗不良評価パターン102と校正用パターン(校正用パターン群)121とが配置されたブロック120を1単位として、前述の必要数量に対応した数のブロック120を1チップ領域(又は1ショット領域)内に均一に配置してもよい。このとき、「1チップ領域(又は1ショット領域)における抵抗不良評価パターンの必要数量」=「1チップ領域(又は1ショット領域)内に配置されるブロックの数」である。
或いは、チップ領域(又はショット領域)に必要数量の抵抗不良評価パターンを挿入する際に、図7(b)に示すように、各ブロック120内に配置する抵抗不良評価パターン102の個数を増やしてもよい。この場合、「1チップ領域(又は1ショット領域)における抵抗不良評価パターンの必要数量」=「1チップ領域(又は1ショット領域)内に配置されるブロックの数」×「1ブロック内に配置される抵抗不良評価パターンの数」である。
第3の実施形態に係る抵抗不良モニター装置によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、第2の実施形態と同様の効果も得られる。すなわち、評価対象となる抵抗不良評価パターン102の抵抗値の測定結果を、校正用パターン121を用いてウェハ面内又はチップ領域(又はショット領域)内で補正することができる。このため、抵抗不良評価パターンの抵抗評価を高精度で行なうことができるので、ソフトオープン不良をより精度良く検出することができる。
また、第3の実施形態に係る抵抗不良モニター装置によると、半導体集積回路装置内の抵抗素子の合計長さ(総距離)に相当する数の抵抗不良評価パターン102が1チップ領域(又は1ショット領域)内に配置されているため、製品(半導体集積回路装置)歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価することができる。
尚、第2又は第3の実施形態において、評価対象の抵抗素子の種類は特に限定されるものではなく、例えば、MOSトランジスタ本体、バイポーラトランジスタ本体、pn接合ダイオード、MOSトランジスタのゲート電極配線若しくはソース/ドレイン不純物層、金属配線、不純物層と配線層とを接続するコンタクト、又は配線層同士を接続するビア等であってもよい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る抵抗不良評価装置(抵抗不良モニター装置)、具体的には、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ(評価用ウェハ)上に設けられる評価装置について、図面を参照しながら説明する。尚、第4の実施形態に係る抵抗不良モニター装置は、半導体集積回路装置のゲート電極配線に用いられている、ポリシリコン電極とその上に形成されたシリサイド層との積層構造における該シリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良の評価を実施する抵抗不良モニター装置である。
図8(a)は、本実施形態の抵抗不良モニター装置の1チップ領域(又は1ショット領域)の平面図を示す。図8(a)に示すように、チップ領域101(以下、単にチップ101と称する)は複数のブロック120に区画されている。
図8(b)は、図8(a)に示す本実施形態の抵抗不良モニター装置(1チップ領域)がウェハ面内に均一に配置されている様子を示している。図8(b)に示すように、本実施形態では、ウェハ100の主面上の51箇所にチップ101が配置されている。
図8(c)は、図8(a)に示す本実施形態の抵抗不良モニター装置の1ブロックの内部の様子を示している。本実施形態の特徴は、図8(c)に示すように、チップ101上の各ブロック120に、ソフトオープン不良となる抵抗変動成分が検出可能な大きさ(長さ又は幅)を持ち且つ評価対象の抵抗素子と実質的に同一の構造を持つ抵抗不良評価パターン102(詳しくは第1の実施形態参照)と、抵抗不良評価パターン102の抵抗値を決定する寸法、膜厚及び抵抗率等のうちの少なくとも1つを校正するために用いられる第1の校正用パターン121A及び第2の校正用パターン121Bとが設けられていることである。すなわち、各校正用パターン121A及び121Bによって抵抗不良評価パターン102の抵抗値のばらつきを補正することができる。ここで、各ブロック120内において、各校正用パターン121A及び121Bは抵抗不良評価パターン102の近傍、具体的には、抵抗不良評価パターン102から500μm以下の範囲内に配置されることが好ましい。
尚、抵抗不良評価パターン102の長さをAとし、半導体集積回路装置に搭載された評価対象の抵抗素子の合計長さ(総距離)をBとすると、本実施形態に係る抵抗不良モニター装置における1つのチップ領域(又はショット領域)内に挿入する必要がある抵抗不良評価パターン102の数は、B/Aの1/100倍以上で且つ10倍以下の範囲の個数(より好ましくはB/Aの1/10倍以上で且つ10倍以下の範囲の個数)である。
また、抵抗変動不良が発生していない(正常な)長さAの抵抗不良評価パターンの抵抗値をRAとし、抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じている長さAの抵抗不良評価パターンの抵抗値をRBとした場合、抵抗不良評価パターンの長さAは、例えば
(RB−RA)/RA×100≧2%
を満たすように、つまり、抵抗変動不良となる抵抗変動成分の大きさ(RB−RA)が正常な抵抗不良評価パターンの抵抗値RAに対して2%以上になるように設定される。
以下、抵抗不良評価パターン102、第1の校正用パターン121A及び第2の校正用パターン121Bのそれぞれの詳細について図面を参照しながら説明する。図8(d)及び(e)は、抵抗不良評価パターン102の平面図及び断面図であり、図8(f)及び(g)は、第1の校正用パターン121Aの平面図及び断面図であり、図8(h)及び(i)は、第2の校正用パターン121Bの平面図及び断面図である。
図8(d)に示すように、抵抗不良評価パターン102は、不良評価対象となる抵抗素子と対応するパターンであって、そのゲート幅は抵抗素子と同じ0.1μmであり、その長さ(実質的に抵抗体となるライン部分の長さ)Aは280μmに設定されている。ここで、抵抗測定を2端子測定により実施するために、抵抗不良評価パターン102の両端には、プロービング用パッドとして80μm×80μmサイズのパッドが設けられている。また、図8(d)においては図示を省略しているが、抵抗不良評価パターン102は、図8(e)に示すように、ウェハよりなるシリコン基板131上の絶縁膜132の上に形成されていると共にポリシリコン電極133とその上に形成されたシリサイド層134との積層構造を有している。また、ポリシリコン電極133の側面にはサイドウォール絶縁膜135が形成されている。また、シリサイド層134は、ポリシリコン電極133を構成するシリコン層の上部をサリサイドプロセスによりシリサイド化することによって形成されたものである。尚、抵抗不良評価パターン102は、ポリシリコン電極133上のシリサイド層134の断線及びそれに起因する抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を検出するために使用される。
次に、図8(f)に示すように、第1の校正用パターン121Aは、抵抗不良評価パターン102の抵抗値を校正するためのパターンであって、そのゲート幅及び長さは抵抗不良評価パターン102と同じ(本実施形態ではそれぞれ0.1μm及び280μm)に設定されている。ここで、抵抗不良評価パターン102と同様に、抵抗測定を2端子測定により実施するために、第1の校正用パターン121Aの両端には、プロービング用パッドとして80μm×80μmサイズのパッドが設けられている。また、図8(f)においては図示を省略しているが、抵抗不良評価パターン102と同様に、第1の校正用パターン121Aも、図8(g)に示すように、ウェハよりなるシリコン基板131上の絶縁膜132の上に形成されている。但し、抵抗不良評価パターン102と異なり、第1の校正用パターン121Aはポリシリコン電極133の単層構造よりなる。言い換えると、ポリシリコン電極133の上部はシリサイド化されていない。具体的には、第1の校正用パターン121Aにおいては、図8(g)に示すように、ポリシリコン電極133上にシリサイド化防止絶縁膜136を設けることによってシリサイド化を防止している。但し、プロービング用パッドの表面はシリサイド化されている。
次に、図8(h)に示すように、第2の校正用パターン121Bは、抵抗不良評価パターン102の抵抗値を校正するためのパターンであって、その長さは抵抗不良評価パターン102と同じ(本実施形態では280μm)に設定されている。但し、第2の校正用パターン121Bは、第1の校正用パターン121Aのゲート幅が0.1μmであるのに対して、1.0μmという太いゲート幅を有する。ここで、抵抗不良評価パターン102と同様に、抵抗測定を2端子測定により実施するために、第2の校正用パターン121Bの両端には、プロービング用パッドとして80μm×80μmサイズのパッドが設けられている。また、図8(h)においては図示を省略しているが、抵抗不良評価パターン102と同様に、第2の校正用パターン121Bも、図8(i)に示すように、ウェハよりなるシリコン基板131上の絶縁膜132の上に形成されている。但し、抵抗不良評価パターン102と異なり、第2の校正用パターン121Bはポリシリコン電極133の単層構造よりなる。言い換えると、第1の校正用パターン121Aと同様に、ポリシリコン電極133の上部はシリサイド化されていない。具体的には、第2の校正用パターン121Bにおいては、図8(i)に示すように、ポリシリコン電極133上にシリサイド化防止絶縁膜136を設けることによってシリサイド化を防止している。但し、プロービング用パッドの表面はシリサイド化されている。尚、第2の校正用パターン121Bは1.0μmという太いゲート幅を持つため、リソグラフィ工程におけるウェハ面内及び各チップ領域(又は各ショット領域)内の寸法ばらつきの影響をほとんど受けない。
以上のように構成された第4の実施形態に係る抵抗不良モニター装置によると、第1の校正用パターン121Aの測定抵抗値と第2の校正用パターン121Bの測定抵抗値とを比較評価することにより、ウェハ面内及び各チップ領域(又はショット領域)内における抵抗不良評価パターン102の寸法ばらつきを評価することが可能となる。言い換えれば、第1の校正用パターン121A及び第2の校正用パターン121Bを用いることにより、各校正用パターンについて測定した抵抗値に基づいて、ウェハ面内及び各チップ領域(又はショット領域)内の色々なポイントにおける抵抗不良評価パターン102の電気的換算寸法(ECD:詳細は第7の実施形態参照)を抽出することができる。これにより、各ポイントでの抵抗不良評価パターン102の測定抵抗値を各ポイントでのECDを用いて補正することが可能となるので、抵抗不良評価パターン102の抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を高精度に検出することが可能となる。
尚、第4の実施形態において、評価対象の抵抗素子並びに抵抗不良評価パターン102、第1の校正用パターン121A及び第2の校正用パターン121Bのそれぞれを構成するポリシリコン電極に代えて、他のシリコン含有層からなる電極を用いてもよい。
また、第4の実施形態において、抵抗不良評価パターン102の抵抗上昇不良の検出精度を向上させるためには、第2の校正用パターン121Bは、評価対象の抵抗素子の少なくとも5倍以上のゲート幅を有していることが好ましい。
また、第4の実施形態において、評価対象の抵抗素子として、MOSトランジスタにおけるシリサイド化されたゲート電極配線を対象としたが、これに代えて、MOSトランジスタにおけるシリサイド化されたソース/ドレイン不純物層を対象としてもよい。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係る抵抗不良モニター装置について図面を参照しながら説明する。
第5の実施形態に係る抵抗不良モニター装置が第4の実施形態と異なっている点は以下の通りである。
図9は、本実施形態の抵抗不良モニター装置の1ブロックの内部の様子を示している。図9に示すように、本実施形態と第4の実施形態との間の第1の相違点は、チップ101上の各ブロック120に、不良評価対象となる抵抗素子と同じゲート幅(本実施形態では0.1μm)を持つ抵抗不良評価パターン102に加えて、該ゲート幅と異なる少なくとも2種類のゲート幅(本実施形態では0.09μm及び0.11μm)を持つ他の抵抗不良評価パターン102が設けられていることである。他の抵抗不良評価パターン102の長さ及びその構造は抵抗不良評価パターン102と同じである。また、本実施形態と第4の実施形態との間の第2の相違点は、チップ101上の各ブロック120に、不良評価対象となる抵抗素子と同じゲート幅(本実施形態では0.1μm)を持つ第1の校正用パターン121Aに加えて、該ゲート幅と異なる少なくとも2種類のゲート幅(本実施形態では0.09μm及び0.11μm)、つまり他の抵抗不良評価パターン102と同じゲート幅を持つ他の第1の校正用パターン121Aが設けられていることである。他の第1の校正用パターン121Aの長さ及びその構造は第1の校正用パターン121Aと同じである。
第5の実施形態によると、第4の実施形態の効果に加えて次のような効果が得られる。すなわち、複数種類の幅を持つ抵抗不良評価パターン102及び第1の校正用パターン121Aを用いることにより、評価対象の抵抗素子における抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)の寸法依存性をさらに精度良く評価することが可能となる。言い換えると、抵抗不良評価パターン102の測定抵抗値における寸法ばらつきを補正できると共に抵抗不良評価パターン102の測定抵抗値における寸法依存性を評価できるので、ソフトオープン不良の評価を精度良く実施することができる。
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置について図面を参照しながら説明する。
第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置が第4の実施形態と異なっている点は以下の通りである。
図10は、本実施形態の抵抗不良モニター装置の1ブロックの内部の様子を示している。図10に示すように、本実施形態と第4の実施形態との間の相違点は、チップ101上の各ブロック120に、第4の実施形態と同様の抵抗不良評価パターン102、第1の校正用パターン121A及び第2の校正用パターン121Bに加えて、第3の校正用パターン121Cが設けられていることである。具体的には、第3の校正用パターン121Cは、抵抗不良評価パターン102の抵抗値を校正するためのパターンであって、その長さは抵抗不良評価パターン102と同じ(本実施形態では280μm)に設定されている。但し、第3の校正用パターン121Cは、第1の校正用パターン121Aのゲート幅が0.1μmであるのに対して、1.0μmという太いゲート幅を有する。ここで、抵抗不良評価パターン102と同様に、抵抗測定を2端子測定により実施するために、第3の校正用パターン121Cの両端には、プロービング用パッドとして80μm×80μmサイズのパッドが設けられている。また、図示を省略しているが、抵抗不良評価パターン102と同様に、第3の校正用パターン121Cも、ウェハよりなるシリコン基板上の絶縁膜の上に形成されている。但し、第1及び第2の校正用パターン121A及び121Bと異なり、第3の校正用パターン121Cは、抵抗不良評価パターン102と同様に、ポリシリコン電極とその上に形成されたシリサイド層との積層構造を持つ。言い換えると、第3の校正用パターン121Cにおいては、プロービング用パッドの表面を含むポリシリコン電極の上部がシリサイド化されている。
第6の実施形態によると、以上のような第3の校正用パターン121C、つまりシリサイド化された1.0μm幅の太いゲート電極配線の抵抗を測定評価することにより、寸法ばらつきに影響されることなくシリサイド層の抵抗値を評価することが可能となる。すなわち、ポリシリコン層上のシリサイド層は一般的にはサリサイドプロセスを用いて作製されるため、サリサイド工程でスパッタリングされたシリサイド層形成用高融点金属膜の膜厚によってシリサイド層の抵抗が変化する。従って、第3の校正用パターン121Cを用いることにより、ウェハ面内及びチップ領域(又はショット領域)内における抵抗不良評価パターン102のシリサイド層のシート抵抗ばらつき(高融点金属膜のスパッタリング膜厚のばらつき)を評価することが可能となる。言い換えれば、ウェハ面内及びチップ領域(又はショット領域)内における抵抗不良評価パターン102のシリサイド層の抵抗ばらつき成分を補正することが可能となる。
尚、第6の実施形態において、第5の実施形態と同様に、チップ101上の各ブロック120に、不良評価対象となる抵抗素子と同じゲート幅を持つ抵抗不良評価パターン102に加えて、該ゲート幅と異なる少なくとも2種類のゲート幅を持つ他の抵抗不良評価パターン102が設けられていてもよい。また、チップ101上の各ブロック120に、不良評価対象となる抵抗素子と同じゲート幅を持つ第1の校正用パターン121Aに加えて、該ゲート幅と異なる少なくとも2種類のゲート幅つまり他の抵抗不良評価パターン102と同じゲート幅を持つ他の第1の校正用パターン121Aが設けられていてもよい。
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態に係る抵抗不良評価方法(抵抗不良モニター方法)、具体的には、第4の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を用いた、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価する方法について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態に係る抵抗不良モニター方法は、半導体集積回路装置のゲート電極配線に用いられている、ポリシリコン電極とその上に形成されたシリサイド層との積層構造における該シリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良の評価を実施する抵抗不良モニター方法である。
まず、第1の工程において、図8(a)〜(i)に示す、第4の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を用いて、各ブロック120内の抵抗不良評価パターン102、第1校正用パターン121A及び第2校正用パターン121Bのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内(又は各ショット領域内)における複数の箇所で測定する。ここで、第4の実施形態と同様に、抵抗不良評価パターン102はシリサイド層を有すると共にその幅及び長さは0.1μm及び280μmであり、第1校正用パターン121Aはシリサイド層を含まないと共にその幅及び長さは0.1μm及び280μmであり、第2校正用パターン121Bはシリサイド層を含まないと共にその幅及び長さは1.0μm及び280μmである。
次に、第2の工程において、第2校正用パターン121Bの幅の設計値をDR(本実施形態では1.0μm)とし、第1の工程で測定された同一ブロック120内の第1校正用パターン121A及び第2校正用パターン121Bのそれぞれの抵抗値をR1及びR2として、当該ブロック120における抵抗不良評価パターン102の電気的換算寸法ECDを、
ECD=DR×R2/R1 ・・・ (式1)
に従って算出する。
図11(a)は、第2の工程で算出された電気的換算寸法ECDのウェハ面内分布を示し、図11(b)及び(c)は、当該ECDのウェハセンターチップ(図11(a)のR1)内分布及びウェハノッチ側チップ(図11(a)のR2)内分布を示している。図11(a)〜(c)に示すように、ウェハ面内又はチップ領域(若しくはショット領域)内において電気的換算寸法(ECD)は0.082μmから0.097μmまでばらついている。また、図11(b)及び(c)に示すように、チップ領域内に限っても、3σ=6%程度のばらつき又は(Max−Min)/2Ave=4.5%程度のばらつきが存在していることがわかる。
次に、第3の工程において、第2の工程で算出された電気的換算寸法ECD及び第1の工程で測定された抵抗不良評価パターン102の抵抗値RをそれぞれX軸及びY軸にプロットする。
図12(a)は、第3の工程でのプロットにより得られたグラフである。図12(a)に示すように、抵抗不良評価パターン102の抵抗値Rはパターン寸法に強く依存している。すなわち、本実施形態のような、第1校正用パターン121Aと第2校正用パターン121Bとを用いた寸法抽出(寸法補正)を実施しなかった場合には、抵抗不良評価パターン102の抵抗値Rのばらつきの中に抵抗変動不良(ソフトオープン不良)に伴う抵抗上昇成分が埋もれてしまってソフトオープン不良の正確な評価を行なうことができない。
それに対して、本実施形態では、第3の工程において、図12(a)に示すように、寸法ばらつきの影響を考慮して、電気的換算寸法(ECD)に対する抵抗不良評価パターン102の抵抗値(R)をプロットする。続いて、第4の工程において、第3の工程で得られたグラフに基づいて、抵抗不良評価パターン102の抵抗値Rが離散的に上昇したポイントを抽出することにより、抵抗不良評価パターン102におけるソフトオープン不良を検出することが可能となる。具体的には、本実施形態では、抵抗変動不良(ソフトオープン不良)に伴う抵抗変動成分の値は約2kΩであった。
以上に説明したように、第7の実施形態によると、電気的換算寸法(ECD)に対する抵抗不良評価パターンの抵抗値(R)のプロットの結果に基づいて、抵抗不良評価パターン102の抵抗値Rが離散的に上昇したポイントを抽出するため、抵抗不良評価パターン102の不良、具体的にはシリサイド層の断線不良(ソフトオープン不良)を正確に検出することが可能となる。尚、第1の工程で測定された抵抗不良評価パターン102の抵抗値Rについても、図11(a)〜(c)に示すようなウェハマップ化又はチップマップ化(若しくはショットマップ化)を行なうことが可能であり、該マップに基づいて、ウェハ面内又はチップ領域内(若しくはショット領域内)のどこでソフトオープン不良が発生しているかを評価することも可能である。すなわち、ソフトオープン不良の数を検出することにより、集積回路装置の歩留まり評価を行なうことが可能になる。言い換えると、製造される集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価することができる。
尚、第7の実施形態において、第3の工程で電気的換算寸法(ECD)に対する抵抗不良評価パターンの抵抗値(R)のプロットを実施する代わりに、以下のような処理を実施してもよい。すなわち、抵抗不良評価パターン102の長さをAとして、第1の工程で各ブロック120毎に測定された抵抗不良評価パターン102の抵抗値(R)及び第2の工程で各ブロック120毎に算出された電気的換算寸法(ECD)を用いて、各ブロック120における抵抗不良評価パターン102のシート抵抗値Rsを、
Rs=R×ECD/A ・・・ (式2)
に従って算出する。続いて、電気的換算寸法ECD及び算出された抵抗不良評価パターン102のシート抵抗値RsをそれぞれX軸及びY軸にプロットする。図12(b)は、当該プロットにより得られたグラフである。図12(b)に示すように、抵抗不良評価パターン102の抵抗値(R)をシート抵抗値(Rs)に換算し直すことによって、ソフトオープン不良の分離をより容易に行なうことができる。具体的には、電気的換算寸法(ECD)に対する抵抗不良評価パターン102のシート抵抗値(Rs)をプロットした後、該プロットにより得られたグラフに基づいて、抵抗不良評価パターン102のシート抵抗値(Rs)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、抵抗不良評価パターン102におけるソフトオープン不良を検出することが可能となる。このように、電気的換算寸法(ECD)に対する抵抗不良評価パターンのシート抵抗値(Rs)のプロットの結果に基づいて、抵抗不良評価パターンのシート抵抗値(Rs)が離散的に上昇したポイントを抽出することによっても、抵抗不良評価パターン102の不良、具体的にはシリサイド層の断線不良(ソフトオープン不良)を正確に検出することが可能となる。尚、抵抗不良評価パターン102のシート抵抗値(Rs)についても、図11(a)〜(c)に示すようなウェハマップ化又はチップマップ化(若しくはショットマップ化)を行なうことが可能であり、該マップに基づいて、ウェハ面内又はチップ領域内(若しくはショット領域内)のどこでソフトオープン不良が発生しているかを評価することも可能である。
また、第7の実施形態において、第1の工程で、第4の実施形態に係る抵抗不良モニター装置に代えて、第5の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を用いてもよい。具体的には、各ブロック120に、不良評価対象となる抵抗素子と同じゲート幅(本実施形態では0.1μm)を持つ抵抗不良評価パターン102に加えて、該ゲート幅と異なる少なくとも2種類のゲート幅を持つ他の抵抗不良評価パターンが設けられていてもよい。他の抵抗不良評価パターンの長さ及びその構造は抵抗不良評価パターン102と同じである。また、各ブロック120に、不良評価対象となる抵抗素子と同じゲート幅を持つ第1の校正用パターン121Aに加えて、該ゲート幅と異なる少なくとも2種類のゲート幅、つまり他の抵抗不良評価パターンと同じゲート幅を持つ他の第1の校正用パターンが設けられていてもよい。他の第1の校正用パターンの長さ及びその構造は第1の校正用パターン121Aと同じである。本実施形態において、前述のような第5の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を用いる場合、第1の工程で、各ブロック120内の抵抗不良評価パターン102、第1校正用パターン121A及び第2校正用パターン121Bのそれぞれの抵抗値に加えて、各ブロック120内の他の抵抗不良評価パターン及び他の第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内(又は各ショット領域内)における複数の箇所で測定する。このようにすると、複数種類の幅を持つ抵抗不良評価パターン及び第1の校正用パターンを用いて、評価対象の抵抗素子における抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)の寸法依存性をさらに精度良く評価することが可能となる。言い換えると、抵抗不良評価パターンの測定抵抗値における寸法ばらつきを補正できると共に抵抗不良評価パターンの測定抵抗値における寸法依存性を評価できるので、ソフトオープン不良の評価を精度良く実施することができる。
(第8の実施形態)
以下、本発明の第8の実施形態に係る抵抗不良評価方法(抵抗不良モニター方法)、具体的には、第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を用いた、半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価する方法について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態に係る抵抗不良モニター方法は、半導体集積回路装置のゲート電極配線に用いられている、ポリシリコン電極とその上に形成されたシリサイド層との積層構造における該シリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良の評価を実施する抵抗不良モニター方法である。
まず、第1の工程において、図10に示す、第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を用いて、各ブロック120内の抵抗不良評価パターン102、第1校正用パターン121A及び第3校正用パターン121Cのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内(又は各ショット領域内)における複数の箇所で測定する。ここで、第6の実施形態と同様に、抵抗不良評価パターン102はシリサイド層を有すると共にその幅及び長さは0.1μm及び280μmであり、第1校正用パターン121Aはシリサイド層を含まないと共にその幅及び長さは0.1μm及び280μmであり、第3校正用パターン121Cはシリサイド層を有すると共にその幅及び長さは1.0μm及び280μmである。
次に、第2の工程において、第1の工程で測定された各ブロック120における抵抗不良評価パターン102、第1校正用パターン121A及び第3校正用パターン121Cのそれぞれの抵抗値をRR、r1及びr3とし、第1の工程で測定されたウェハ面内における全ての第1校正用パターン121Aの抵抗値及び全ての第3校正用パターン121Cの抵抗値のそれぞれの平均値をr1(Ave) 及びr3(Ave) として、抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRの補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3)をそれぞれ、
RR'(1)=RR×r1(Ave) /r1 ・・・ (式3)
RR'(2)=RR×r3(Ave) /r3 ・・・ (式4)
RR'(3)=RR×r1(Ave) ×r3(Ave) /(r1×r3) ・・・ (式5)
に従って算出する。
尚、補正値RR'(1)は抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRを寸法補正した値であり、補正値RR'(2)は抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRをシート抵抗補正(シリサイド層のシート抵抗ばらつき成分の補正)した値、補正値RR'(3)は抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRを寸法補正し且つシート抵抗補正した値である。
図13(a)〜(e)は、抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRに対する補正の概念及び補正前後の抵抗値の違いを説明するための図である。具体的には、図13(a)〜(d)は、抵抗不良評価パターン102の抵抗値RR(実データ)、補正値RR'(1)(寸法補正値)、補正値RR'(2)(シート抵抗補正値)及び補正値RR'(3)(寸法補正及びシート抵抗補正をした値)のそれぞれの累積度数分布のばらつき(抵抗値ばらつき)を模式的に示した図であり、図13(e)は、抵抗値RR、補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3)のそれぞれの累積度数分布のばらつきを重ね合わせて示した図である。
本実施形態においては、ウェハ面内及びチップ領域内(又はショット領域内)の寸法ばらつきの方がシリサイド層のシート抵抗ばらつきと比べて大きかったため、補正前後の各抵抗値の累積度数分布のばらつきについて、補正前のばらつきをa、寸法補正後のばらつきをb、シート抵抗補正後のばらつきをc、両方補正(寸法補正+シート抵抗補正)後のばらつきをdとすると、図13(a)〜(d)に示すように、各ばらつきの大小関係はa>c>b>dのようになった。すなわち、各補正を行なうことによって、図13(e)に示すように、累積度数分布がシャープな形状になること、つまり補正による効果が得られることを確認できた。
次に、第3の工程において、第2の工程で算出された補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3)のそれぞれのウェハ面内における分布図を作成する。このとき、ウェハ面内の分布図に代えて、各チップ領域内又は各ショット領域内における分布図を作成してもよい。続いて、第4の工程において、第3の工程で作成された各分布図に基づいて、補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、抵抗不良評価パターン102の抵抗変動不良の検出を行なう。
図14(a)は、第1の工程で測定された抵抗不良評価パターン102の抵抗値RR(補正前)のウェハ面内分布を示し、図14(b)は、第2の工程で算出された抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRの補正値RR'(1)(寸法補正値)のウェハ面内分布を示している。図14(a)と図14(b)とを比較すると、図14(a)(寸法補正前)に見られるチップ領域(又はショット領域)内の抵抗ばらつきが、図14(b)(寸法補正後)には見られなくなっている。これにより、(式3)に示す寸法補正を行なうことによって、ウェハ面内及び各チップ領域内(又は各ショット領域内)における抵抗不良評価パターン102の抵抗変動不良の評価をより正確に行なえることがわかる。尚、図14(b)に示す補正値RR'(1)(寸法補正値)のウェハ面内分布からは、12箇所で抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)が生じていることを検出できる。
また、図15(a)は、第2の工程で算出された抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRの補正値RR'(2)(シート抵抗補正値)のウェハ面内分布を示し、図15(b)は、第2の工程で算出された抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRの補正値RR'(3)(寸法補正及びシート抵抗補正をした値)のウェハ面内分布を示している。図14(a)と図15(a)及び(b)とを比較すると、図14(a)(寸法補正前)に見られるチップ領域(又はショット領域)内の抵抗ばらつきが、図15(a)(シート抵抗補正後)及び図15(b)(寸法補正及びシート抵抗補正をした後)には見られなくなっている。これにより、(式4)に示すシート抵抗補正又は(式5)に示す寸法補正及びシート抵抗補正を行なうことによって、ウェハ面内及び各チップ領域内(又は各ショット領域内)における抵抗不良評価パターン102の抵抗変動不良の評価をより正確に行なえることがわかる。また、図15(a)に示す補正値RR'(2)(シート抵抗補正値)のウェハ面内分布及び図15(b)に示す補正値RR'(3)(寸法補正及びシート抵抗補正をした値)のウェハ面内分布からは、図14(b)に示す補正値RR'(1)のウェハ面内分布と同様に、12箇所で抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)が生じていることを検出できる。
以上に説明したように、第8の実施形態によると、第1校正(寸法補正)用パターン121A及び第3校正(シート抵抗補正)用パターン121Cを用いることによって、抵抗不良評価パターン102の測定抵抗値RRを正確に補正することが可能になるので、抵抗不良評価パターン102の不良、具体的にはシリサイド層の断線不良(ソフトオープン不良)を正確に評価することが可能となる。
尚、第8の実施形態の第2の工程(特に(式3)及び(式5))において、平均値r1(Ave) に代えて、第1の工程で測定されたチップ領域の1つ若しくはショット領域の1つにおける全ての第1校正用パターン121Aの抵抗値の平均値r1shot(Ave) 、又は第1の工程で測定されたブロックの1つ(当該ブロック内には複数の第1校正用パターン121Aが配置されているものとする)における全ての第1校正用パターン121Aの抵抗値の平均値r1block(Ave)を用いてもよい。同様に、第8の実施形態の第2の工程(特に(式4)及び(式5))において、平均値r3(Ave) に代えて、第1の工程で測定されたチップ領域の1つ若しくはショット領域の1つにおける全ての第3校正用パターン121Cの抵抗値の平均値r3shot(Ave) 、又は第1の工程で測定されたブロックの1つ(当該ブロック内には複数の第3校正用パターン121Cが配置されているものとする)における全ての第3校正用パターン121Cの抵抗値の平均値r3block(Ave)を用いてもよい。
また、第8の実施形態において、第1校正用パターン121A及び第3校正用パターン121Cの両方を用いて抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRを補正したが、これに代えて、第1校正用パターン121A及び第3校正用パターン121Cのいずれか一方だけを用いて抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRを補正してもよいことは言うまでもない。すなわち、抵抗不良評価パターン102及び第1校正用パターン121A又は第3校正用パターン121Cのそれぞれの抵抗値の測定と、補正値RR'(1)又は補正値RR'(2)の算出と、該算出結果に基づく分布図の作成と、該分布図に基づく抵抗変動不良の検出とを行なってもよい。
また、第8の実施形態において、図10に示す、第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置(1ブロック分)における第2校正用パターン121Bを用いて、抵抗不良評価パターン102の抵抗値RRに対して、ポリシリコン電極のシート抵抗ばらつきの補正を行なってもよい。
(第9の実施形態)
以下、本発明の第9の実施形態に係る抵抗不良評価装置(抵抗不良モニター装置)の製造方法、具体的には、第2〜第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置における抵抗不良評価パターン102及び校正用パターン121(複数種類ある場合は少なくとも1種類の校正用パターン)を形成する方法について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタにおけるシリサイド化されたゲート電極配線に生じるソフトオープン不良を評価するための抵抗不良モニター装置の製造を対象とする。
図16(a)〜(g)は、第9の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図16(a)に示すように、評価用ウェハよりなる半導体基板151上に第1の絶縁膜152を形成した後、図16(b)に示すように、第1の絶縁膜152上に例えばポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜等のシリコン膜153を堆積する。
続いて、図16(c)に示すように、リソグラフィ工程を用いて抵抗不良評価パターン形成領域及び校正用パターン形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクとして、シリコン膜153に対してエッチングを行なうことにより、シリコン膜153を抵抗不良評価パターン及び校正用パターンのそれぞれの形状にパターンニングする。
次に、図16(d)に示すように、パターニングされたシリコン膜153Aの側面にサイドウォール絶縁膜154を形成した後、図16(e)に示すように、シリサイド化を防止するための第2の絶縁膜155を堆積し、その後、リソグラフィ工程を用いてシリサイド化防止領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクとして、第2の絶縁膜155に対してエッチングを行なう。これにより、第2の絶縁膜155をエッチング除去したシリサイド化領域と、第2の絶縁膜155を残存させたシリサイド化防止領域とを設定することができる。
次に、図16(f)に示すように、サリサイドプロセスを用いてシリサイド化領域のシリコン膜153Aの上部にシリサイド層156を形成することによってゲート電極配線構造を完成させる。このとき、第2の絶縁膜155によって、シリサイド化防止領域のシリコン膜153Aの上部にシリサイド層156が形成されることを防止する。
尚、図示は省略しているが、抵抗不良モニター装置の製造後に行なわれる抵抗不良評価パターン及び校正用パターンのそれぞれの抵抗測定において表面リーク電流の影響を防止するために、シリサイド層156の形成後に更に新たな絶縁膜を堆積すると共に該絶縁膜における測定パッド(プロービング用パッド)の上側部分のみを除去してもよい。また、プローバー針の接触によって測定パッド部にリーク電流が発生することを防止するために、測定パッド上に層間膜を形成すると共に該層間膜にコンタクトホールを形成した後に該コンタクトホールに新たな金属パッドを設けてもよい。
以上のように、第9の実施形態に係るプロセスにより、ゲート電極配線の抵抗不良(具体的にはシリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良)の検出を目的とした抵抗不良モニター装置、例えば図16(g)に示すような、シリサイド層156を有し且つ幅及び長さが0.1μm及び280μmである抵抗不良評価パターンと、シリサイド層156を含まず且つ幅及び長さが0.1μm及び280μmである第1校正用パターンと、シリサイド層156を含まず且つ幅及び長さが1.0μm及び280μmである第2校正用パターンとを有する抵抗不良モニター装置を製造することができる。
このように、第9の実施形態によると、半導体集積回路装置の製造(MOSトランジスタ形成、コンタクト形成又は多層配線形成等を含む)と比較して、第2〜第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を非常に短いプロセスTATで製造することができる。すなわち、シリコン膜153をパターンニングする工程、及びシリサイド化を防止するための第2の絶縁膜155をパターンニングする工程の最小限2回のリソグラフィ工程のみによって抵抗不良モニター装置の製造が可能となる。これにより、非常に短いプロセスTATで本発明の各抵抗不良モニター装置を製造できるため、ゲート電極配線の抵抗変動不良(シリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良)を早期に評価できるので、該評価結果をプロセス対策に早期にフィードバックすることが可能となる。
尚、本実施形態において、評価用ウェハである半導体基板151を用いたが、評価用ウェハが半導体基板に限られないことは言うまでもない。
また、本実施形態において、ゲート電極配線の構成材料としてポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜を用いたが、他のシリコン含有膜を用いてもよいことは言うまでもない。
(第10の実施形態)
以下、本発明の第10の実施形態に係る抵抗不良評価装置(抵抗不良モニター装置)の製造方法、具体的には、第2〜第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置における抵抗不良評価パターン102及び校正用パターン121(複数種類ある場合は少なくとも1種類の校正用パターン)を形成する方法について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態は、半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタにおけるシリサイド化されたソース/ドレイン不純物層に生じるソフトオープン不良を評価するための抵抗不良モニター装置の製造を対象とする。
図17(a)〜(h)は、第10の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図17(a)に示すように、評価用ウェハよりなる半導体基板161上に第1の絶縁膜162を形成した後、リソグラフィ工程を用いて抵抗不良評価パターン形成領域及び校正用パターン形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成し、その後、該レジストパターンをマスクとして、第1の絶縁膜162に対してエッチングを行なうことにより、図17(b)に示すように、第1の絶縁膜162を抵抗不良評価パターン及び校正用パターンのそれぞれの形状にパターンニングする。続いて、パターンニングされた第1の絶縁膜162Aをマスクとして、半導体基板161に対してエッチングを行なってトレンチ161aを形成する。
次に、図17(c)に示すように、トレンチ161a内に第2の絶縁膜163を埋め込んだ後、図17(d)に示すように、CMP(化学的機械研磨)により第2の絶縁膜163を平坦化し、その後、第1の絶縁膜162Aを除去してトレンチ分離163Aを形成する。続いて、図17(e)に示すように、トレンチ分離163Aが形成されていない半導体基板161の露出表面部(トレンチ分離163Aが形成されていない部分)に対して不純物をイオン注入により導入した後に熱処理を行なうことによって、半導体基板161の露出表面部に不純物層164を形成する。
続いて、図17(f)に示すように、半導体基板161上に、シリサイド化を防止するための第3の絶縁膜165を堆積した後、リソグラフィ工程を用いてシリサイド化防止領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクとして、第3の絶縁膜165に対してエッチングを行なう。これにより、第3の絶縁膜165をエッチング除去したシリサイド化領域と、第3の絶縁膜165を残存させたシリサイド化防止領域とを設定することができる。
次に、図17(g)に示すように、サリサイドプロセスを用いてシリサイド化領域の不純物層(シリコン層)164の上部にシリサイド層166を形成することによってソース/ドレイン不純物層構造を完成させる。このとき、第3の絶縁膜165によって、シリサイド化防止領域の不純物層164の上部にシリサイド層166が形成されることを防止する。
尚、図示は省略しているが、抵抗不良モニター装置の製造後に行なわれる抵抗不良評価パターン及び校正用パターンのそれぞれの抵抗測定において表面リーク電流の影響を防止するために、シリサイド層166の形成後に更に新たな絶縁膜を堆積すると共に該絶縁膜における測定パッド(プロービング用パッド)の上側部分のみを除去してもよい。また、プローバー針の接触によって測定パッド部にリーク電流が発生することを防止するために、測定パッド上に層間膜を形成すると共に該層間膜にコンタクトホールを形成した後に該コンタクトホールに新たな金属パッドを設けてもよい。
以上のように、第10の実施形態に係るプロセスにより、サリサイドプロセスによってシリサイド化されたソース/ドレイン不純物層の抵抗変動不良(具体的にはシリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良)の検出を目的とした抵抗不良モニター装置、例えば図17(h)に示すような、シリサイド層166を有する抵抗不良評価パターンと、シリサイド層166を含まず且つ抵抗不良評価パターンと同一の幅を持つ第1校正用パターンと、シリサイド層166を含まず且つ抵抗不良評価パターンの少なくとも5倍以上の幅を持つ第2校正用パターンとを有する抵抗不良モニター装置を製造することができる。
このように、第10の実施形態によると、半導体集積回路装置の製造(MOSトランジスタ形成、コンタクト形成又は多層配線形成等を含む)と比較して、第2〜第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置を非常に短いプロセスTATで製造することができる。すなわち、トレンチ分離163Aを形成するための第1の絶縁膜162をパターンニングする工程、及びシリサイド化を防止するための第3の絶縁膜165をパターンニングする工程の最小限2回のリソグラフィ工程のみによって抵抗不良モニター装置の製造が可能となる。これにより、非常に短いプロセスTATで本発明の各抵抗不良モニター装置を製造できるため、ゲート電極配線の抵抗変動不良(シリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良)を早期に評価できるので、該評価結果をプロセス対策に早期にフィードバックすることが可能となる。
尚、本実施形態において、評価用ウェハである半導体基板161は、例えばシリコン基板等のシリコン含有基板(表面にシリコン含有層が形成された基板を含む)であることが好ましい。
また、以上の第1〜第10の実施形態の説明では、主にゲート電極配線又はソース/ドレイン不純物層におけるシリサイド層の断線をソフトオープン不良として説明してきた。しかし、以上の本発明によるソフトオープン不良の検出方法又は歩留まり評価方法は、シリサイド層の断線に起因するソフトオープン不良の評価に限らず、アルミニウム又は銅等からなる金属配線のソフトオープン不良の評価にも有用である。また、トランジスタ等の不純物層と上層の配線層とを接続するコンタクト部等のソフトオープン不良、又は金属配線同士を接続するビア部のソフトオープン不良等の評価にも応用することができる。さらに、MOSトランジスタ本体、バイポーラトランジスタ本体又はpn接合ダイオード等の電流値異常についても広義の抵抗素子の抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)と考えれば、以上の本発明によるソフトオープン不良の検出方法又は歩留まり評価方法を前記のトランジスタ又はダイオード等の異常検出にも役立てることが可能となり、その効果は非常に大きい。
(第11の実施形態)
以下、本発明の第11の実施形態に係るコンタクト抵抗不良評価装置(コンタクト抵抗不良モニター装置)、具体的には、半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良を評価するためにウェハ(評価用ウェハ)上に設けられる評価装置について、図面を参照しながら説明する。
図18(a)は、本実施形態のコンタクト抵抗不良モニター装置の1チップ領域(又は1ショット領域)の平面図を示す。図18(a)に示すように、チップ領域201(以下、単にチップ201と称する)は複数(本実施形態では例えば25000個)のブロック202に区画されていると共に、各ブロック202の内部には、コンタクト不良の評価パターンとしてのコンタクトチェーン抵抗パターンが1つずつ設けられている。尚、本実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンのそれぞれは、評価対象のコンタクトに生じる抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数を持つ。言い換えると、本実施形態の各コンタクトチェーン抵抗パターンは、後述するように、抵抗値の測定精度によって決まる所定の数以下のコンタクト数(本実施形態では例えば198個)を持つ。また、本実施形態の各コンタクトチェーン抵抗パターンは、評価対象のコンタクトと実質的に同一の構造を持つコンタクトから構成されている。
図18(b)は、図18(a)に示す本実施形態のコンタクト抵抗不良モニター装置(1チップ領域に設けられている)がウェハ面内に均一に配置されている様子を示している。図18(b)に示すように、本実施形態では、ウェハ200の主面上の51箇所にチップ201が配置されている。従って、1ウェハ当たり、25000個×51=1275000個のコンタクトチェーン抵抗パターンが配置されていることになる。尚、ウェハ200の面内及び各チップ201(又は各ショット領域)の内部において各ブロック202は均一に配置されている。
図18(c)は、本実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示す平面図であり、図18(d)は、図18(c)のc−c’線の断面図である。
図18(c)及び(d)に示すように、例えばシリコンよりなる基板211上の絶縁膜212の上には、例えばポリシリコン層又はアモルファスシリコン層よりなる複数の下層配線213が形成されている。絶縁膜212の上及び各下層配線213の上には層間絶縁膜214が形成されていると共に層間絶縁膜214には、各下層配線213と接続する複数のコンタクト電極(コンタクトホール)215が形成されている。また、層間絶縁膜214の上には、各コンタクト電極215と接続する複数の上層金属配線216が形成されている。複数の下層配線213と複数の上層金属配線216とが複数のコンタクト電極215によって接続されることにより、図18(c)に示すように、コンタクトチェーン抵抗パターンが構成される。尚、図18(c)においては、シリコン基板211、絶縁膜212及び層間絶縁膜214の図示を省略している。また、絶縁膜212及び下層配線213に代えて、シリコン基板211の表面部にトランジスタのソース/ドレイン不純物層を形成し、該ソース/ドレイン不純物層と上層配線とを接続するコンタクト電極を形成してもよい。
ここで、図18(c)に示すコンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数nの設定例について、図19を参照しながら説明する。
図19に示すように、複数の下層配線213と複数の上層金属配線216とが複数のコンタクト電極215によって接続されてなるコンタクトチェーン抵抗パターンにおいて、1つのコンタクト電極215Aが不良となった場合を考える。ここで、正常な1つのコンタクト電極215の抵抗値がrcであるのに対して、不良コンタクト電極215Aの抵抗値がrc+Δrであるとすると、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcは全コンタクト数をnとして、
Rc=n×rc+Δr
となる。従って、例えば1つのコンタクト電極215の不良に起因する抵抗変動成分を、コンタクトチェーン抵抗パターンの全抵抗Rcに対して1%以上の精度で検出しようとした場合、
(Δr/Rc)×100=(Δr/(n×rc+Δr))×100≧1%
で表される関係が成立する必要がある。すなわち、
n≦99×Δr/rc
が満たされなければならない。
従って、1つの正常なコンタクト電極の抵抗rc=20Ω/Co(/Coは1つのコンタクト電極当たりという意味)、1つの不良コンタクト電極の抵抗変動成分Δr=40Ω/Coとした場合に、1つのコンタクト電極の不良に起因する抵抗変動成分をコンタクトチェーン抵抗パターンの全抵抗に対して1%の精度で検出するためには(つまり1つの正常なコンタクト電極の抵抗値に対する1つの不良コンタクト電極の抵抗変動成分の比率がΔr/rc=2倍である場合にも該抵抗変動を検出するためには)、コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数nは、
n=99×40/20=198個
でなければならない。本実施形態では、以上のような理由から、コンタクト数n=198個のコンタクトチェーン抵抗パターンを形成した。
次に、前述の198個のコンタクト数を持つコンタクトチェーン抵抗パターンの1チップ領域(又は1ショット領域)内での配置パターン数Pの算出方法について説明する。
最近の半導体集積回路装置のコンタクト数は膨大な数であり、例えば0.13μmルールの面積40mm2 程度のチップにおいては、トランジスタと配線層との間を接続するコンタクトの数は500万〜3000万個程度にも達する。例えば、N=1000万個のコンタクト数を有する半導体集積回路装置Aにおけるコンタクト不良を評価する場合においてコンタクト数N=1000万個と完全に対応するコンタクトチェーン抵抗パターンの必要パターン数P0は、
P0=N/n=1×107 /198=50505個
と計算される。
本実施形態では、コンタクトチェーン抵抗パターンの配置パターン数Pを、このN/nで計算される値の1/10倍以上で且つ10倍以下の範囲に設定する。具体的には、本実施形態では、前述の範囲にある、N/nの約半分に相当する配置パターン数P=25000個(25000個のコンタクトチェーン抵抗パターンに含まれるコンタクトの総数は25000×198=約490万個)を選択した。この理由は以下の通りである。
図20は、総コンタクト数N(半導体集積回路装置に搭載されたコンタクトの総数又はコンタクト抵抗不良モニター装置における全コンタクトチェーン抵抗パターンに含まれるコンタクトの総数)と、総コンタクトの歩留まり(半導体集積回路装置又はコンタクト抵抗不良モニター装置の1チップ領域の歩留まり)Yield(単位:%)との関係を示す図である。尚、図20において、総コンタクト数Nを横軸に、総コンタクトの歩留まりYieldを縦軸に表している。ここで、1コンタクトの不良発生率をλとすると、1チップ領域のコンタクト抵抗不良モニター装置における総コンタクトの歩留まりYieldについて、
Yield=EXP(−λ×N)
が成り立つ。この総コンタクトの歩留まりYieldの計算式を用いて、1コンタクトの不良発生率λが1ppb(ppb:10億分の1)、10ppb、100ppb及び1000ppbのそれぞれであった場合の総コンタクトの歩留まりYieldを様々な総コンタクト数Nについて算出した結果を図20に示している。
図20に示すように、コンタクト抵抗不良モニター装置の総コンタクト数Nが製品(半導体集積回路装置)と同じく1000万個である場合には同じ歩留まりが得られるので、その結果を用いて製品の歩留まりを評価することが可能になる。この場合には、前述のように、コンタクトチェーン抵抗パターンのパターン数が50505個である必要がある。それに対して、本実施形態ではN=25000個に設定しており、この場合、図20に示すように、コンタクト抵抗不良モニター装置の総コンタクト数Nは490万個となるので、総コンタクトの歩留まりYieldは製品の歩留まりよりも高く算出されるが、該算出値は、歩留まりの換算式を用いて製品の歩留まり評価(歩留まり予測)を実施するために十分な値となっている。
すなわち、コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数をnとし、集積回路装置における評価対象のコンタクトの総数をNとした場合に、1チップ内に挿入する必要があるコンタクトチェーン抵抗パターンの数を、N/nで計算される値の1/10倍以上で且つ10倍以下の範囲に設定すると、コンタクト抵抗不良モニター装置について得られる歩留まりに基づいて製品の歩留まり予測を行なうことができる。
以上に説明したように、第11の実施形態に係るコンタクト不良モニター装置によると、コンタクトチェーン抵抗パターンが、抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数を持つ。具体的には、本実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンは、コンタクトの1つにおける抵抗変動成分Δr(但しコンタクトの1つの抵抗値をrcとしてΔr/rc=2倍)をコンタクトチェーン抵抗パターンの全抵抗に対して1%の精度で検出できるコンタクト数を持つ。このため、コンタクトの一部分、例えば、多数のコンタクトのうちの1つのコンタクトにおけるソフトオープン不良を正確に評価することができる。また、ウェハ200上の各チップ201に、半導体集積回路装置に搭載された全コンタクトについての歩留まり評価を行なえる数(本実施形態では例えば25000個)のコンタクトチェーン抵抗パターンが配置されている。このため、各チップ201における各コンタクトチェーン抵抗パターンについての抵抗測定を行ない、該測定結果に基づいてソフトオープン不良の数を検出することにより、半導体集積回路装置に搭載された全コンタクトの歩留まり評価を行なうことが可能になる。具体的には、1コンタクト当たりΔr/rc=2倍以上の抵抗変動不良であるソフトオープン不良を考慮した製品(半導体集積回路装置)の歩留まり評価、つまり製品歩留まりに対するソフトオープン不良の影響評価も可能となる。
尚、第11の実施形態において、半導体集積回路装置と対応する1チップ領域(チップ201)を単位としてウェハ上にコンタクト不良モニター装置を設けた。しかし、これに代えて、リソグラフィ工程の1回の露光領域である1ショット領域を単位としてウェハ上にコンタクト不良モニター装置を設けてもよい。この場合、1ショット領域は、コンタクトチェーン抵抗パターンが設けられない領域を有していてもよい。同様に、本実施形態においても、チップ201が、コンタクトチェーン抵抗パターンが設けられない領域を有していてもよい。
また、第11の実施形態において、不良となる抵抗変動成分の測定可能範囲を、
(Δr/Rc)×100=(Δr/(n×rc+Δr))×100≧1%(Rc:コンタクトチェーン抵抗パターンの全抵抗(=n×rc+Δr)、n:コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数、rc:正常な1つのコンタクト電極の抵抗値、Δr:1つの不良コンタクト電極に生じた抵抗変動成分)に設定したが、この範囲が特に限定されないことは言うまでもない。また、(Δr/Rc)×100は1倍(100%)以下であることが好ましい。すなわち、一般的に、評価パターンの抵抗ばらつきが目標値に対して±10%程度以内の変動であれば評価パターンが良品であるという評価を行なうので、100%以下の抵抗変動成分の大きさを検出できればよい。また、完全な断線が生じた場合には検出される抵抗変動成分の大きさは無限大倍(∞%)になるので、従来の大規模なコンタクトチェーン抵抗パターンを用いて抵抗不良評価を行なうことができる。従って、このような従来の大規模なコンタクトチェーン抵抗パターンによる抵抗不良評価と区別するためには、(Δr/Rc)×100が10000%以下であってもよい。
また、第11の実施形態において、コンタクトチェーン抵抗パターンにおいて抵抗変動不良が1箇所で生じることを前提としたが、コンタクトチェーン抵抗パターンにおいて抵抗変動不良が2箇所以上で生じる場合に本実施形態を応用できることは言うまでもない。
また、第11の実施形態において、評価対象のコンタクトの種類は特に限定されるものではなく、例えばコンタクトホール内に高融点金属膜又は金属膜を埋め込むことによって形成されたコンタクト電極であってもよい。また、評価対象のコンタクトの下地パターン(該コンタクトの下部と電気的に接続される導電体)の種類も特に限定されるものではなく、例えばゲート電極配線層、ソース/ドレイン不純物層又は下層金属配線層であってもよい。
(第12の実施形態)
以下、本発明の第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良評価装置(コンタクト抵抗不良モニター装置)、具体的には、半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良を評価するためにウェハ(評価用ウェハ)上に設けられる評価装置について、図面を参照しながら説明する。
尚、本実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置においても、第11の実施形態と同様に(図18(b)参照)、ウェハ200上の複数箇所(例えば51箇所)に配置された各チップ201内に、評価対象のコンタクトに生じる抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数(例えば198個)を持つコンタクトチェーン抵抗パターンが設けられている。ここで、各コンタクトチェーン抵抗パターンは、評価対象のコンタクトと実質的に同一の構造を持つコンタクトから構成されている。また、各チップ201は、第11の実施形態と同様に(図18(a)参照)、半導体集積回路装置の歩留まり評価が可能な数(例えば25000個)のブロック202に区画されていると共に、各ブロック202の内部には、コンタクト不良の評価パターンとしてのコンタクトチェーン抵抗パターンが1つずつ設けられている。従って、本実施形態におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの総数は、1ウェハ当たり25000個×51箇所=1275000個である。
図21(a)は、本実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示す平面図である。尚、図21(a)において、図18(c)に示す第11の実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンと同一の部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。ここで、図21(a)に示すコンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数はn個であり、該コンタクトチェーン抵抗パターンにおける下層配線213(下地パターン)によって電気的に接続されているコンタクト電極215同士の距離(以下、単にパターン長と称する)、つまり評価対象の半導体集積回路装置のパターン長はLである。
図21(b)〜(d)は、各ブロック202におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの近傍に設けられる複数の第1校正用パターンの一例を示す平面図である。各第1校正用パターンは、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値を決定する下地パターンの抵抗値を校正するために用いられる。尚、図21(b)〜(d)において、図18(c)に示す第11の実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンと同一の部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。ここで、図21(b)に示す第1校正用パターンは、評価対象のパターン長Lと同等のパターン長L1を持ち、図21(c)に示す第1校正用パターンは、パターン長L1よりも長いパターン長L2を持ち、図21(d)に示す第1校正用パターンは、パターン長L2よりも長いパターン長L3を持つ。尚、各第1校正用パターンのコンタクト数はいずれもm個である。
以上に説明したように、第12の実施形態によると、第11の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、同じブロック202内に、1つのコンタクトチェーン抵抗パターンに加えて、L1、L2及びL3の異なる3種類のパターン長を持つ校正用パターンを設けるため、1つのコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値に影響を及ぼす下地パターン(例えばポリシリコン電極配線層又はソース/ドレイン不純物層)の抵抗値のばらつきを校正することが可能となる。このため、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗評価を高精度で行なうことができるので、ソフトオープン不良をより精度良く検出することができる。
尚、第12の実施形態において、コンタクトチェーン抵抗パターン又は校正用パターンの下地パターン、つまり評価対象のコンタクトの下地パターンの種類は特に限定されるものではなく、例えばゲート電極配線層、ソース/ドレイン不純物層又は下層金属配線層であってもよい。
また、第12の実施形態において、評価対象パターン長Lを含む3種類のパターン長を持つ第1校正用パターン群を用いたが、第1校正用パターン群におけるパターン長の種類数及び各パターン長の大きさは特に限定されるものではない。
(第13の実施形態)
以下、本発明の第13の実施形態に係るコンタクト抵抗不良評価装置(コンタクト抵抗不良モニター装置)、具体的には、半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良を評価するためにウェハ(評価用ウェハ)上に設けられる評価装置について、図面を参照しながら説明する。
尚、本実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置においても、第12の実施形態と同様に、ウェハ200上の複数箇所(例えば51箇所)に配置された各チップ201内に、評価対象のコンタクトに生じる抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数(例えば198個)を持つコンタクトチェーン抵抗パターンが設けられている。ここで、各コンタクトチェーン抵抗パターンは、評価対象のコンタクトと実質的に同一の構造を持つコンタクトから構成されている。また、各チップ201は、半導体集積回路装置の歩留まり評価が可能な数(例えば25000個)のブロック202に区画されていると共に、各ブロック202の内部には、コンタクト不良の評価パターンとしてのコンタクトチェーン抵抗パターンが1つずつ設けられている。従って、本実施形態におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの総数は、1ウェハ当たり25000個×51箇所=1275000個である。
図22(a)は、本実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示す平面図である。尚、図22(a)において、図18(c)に示す第11の実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンと同一の部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。ここで、図22(a)に示すコンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数はn個であり、該コンタクトチェーン抵抗パターンを構成するコンタクト電極215の径、つまり評価対象の半導体集積回路装置のコンタクト径はdである。
図22(b)〜(d)は、各ブロック202におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの近傍に設けられる複数の第2校正用パターンを示す平面図である。各第2校正用パターンは、コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト径に対する依存性を評価するために用いられる。尚、図22(b)〜(d)において、図18(c)に示す第11の実施形態のコンタクトチェーン抵抗パターンと同一の部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。ここで、図22(b)に示す第2校正用パターンは、評価対象のコンタクト径dよりも小さいコンタクト径d1を持ち、図22(c)に示す第2校正用パターンは、評価対象のコンタクト径dと同等のコンタクト径d2を持ち、図22(d)に示す第2校正用パターンは、評価対象のコンタクト径dよりも大きいコンタクト径d3を持つ。尚、各第2校正用パターンのコンタクト数はいずれもm個である。
以上に説明したように、第13の実施形態によると、第11の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、同じブロック202内に、1つのコンタクトチェーン抵抗パターンに加えて、d1、d2及びd3の異なる3種類のコンタクト径を持つ校正用パターンを設けるため、該各校正用パターンの抵抗値を測定することによって、ウェハ面内及びチップ領域内又はショット領域内におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値に対するコンタクト寸法ばらつきの影響を校正することができる。また、コンタクト寸法のマージン評価が可能となる。
尚、第13の実施形態において、コンタクトチェーン抵抗パターン又は校正用パターンの下地パターン、つまり評価対象のコンタクトの下地パターンの種類は特に限定されるものではなく、例えばゲート電極配線層、ソース/ドレイン不純物層又は下層金属配線層であってもよい。
また、第13の実施形態において、評価対象コンタクト径dを含む3種類のコンタクト径を持つ第2校正用パターン群を用いたが、第2校正用パターン群におけるコンタクト径の種類数及び各コンタクト径の大きさは特に限定されるものではない。
また、第13の実施形態において、ブロック202内に、1つのコンタクトチェーン抵抗パターン及び第2校正用パターン群に加えて、第12の実施形態の第1校正用パターン群を設けてもよい。
(第14の実施形態)
以下、本発明の第14の実施形態に係るコンタクト抵抗不良評価方法(コンタクト抵抗不良モニター方法)、具体的には、第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置を用いた、半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良(ソフトオープン不良)を評価する方法について、図面を参照しながら説明する。ここで、第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置においては、各ブロック内に、1つのコンタクトチェーン抵抗パターンに加えて、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値を決定する下地パターン(例えばゲート電極配線層又はソース/ドレイン不純物層)の抵抗値を校正するために用いられる、L1(=評価対象パターン長L)、L2及びL3の異なる3種類のパターン長を持つ第1校正用パターン群が設けられている。
まず、第1の工程において、図21(a)〜(d)に示す、第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置を用いて、ウェハ面内及びチップ領域内又はショット領域内に均一に配置された各ブロック内におけるコンタクトチェーン抵抗パターン及び前述の各第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内(又は各ショット領域内)における複数の箇所で測定する。
次に、第2の工程において、第1の工程で測定された各ブロックにおける各第1校正用パターンの抵抗値をパターン長L1、L2及びL3のそれぞれについてr1、r2及びr3として、パターン長L1、L2及びL3並びに各第1校正用パターンの抵抗値r1、r2及びr3をそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成する。図23(a)は、このようにして作成されたグラフの一例を示す図である。続いて、作成したグラフのY切片の値(=Rr)から、当該ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンを構成するコンタクトの1つ当たりの抵抗値rcを、
rc=Rr/m
に従って算出する。尚、mは各第1校正用パターンのコンタクト数であり、本実施形態ではm=2である。ここで、コンタクト1つ当たりの抵抗値rcの算出において、コンタクト同士を接続する上側パターン(例えば図21(a)〜(d)に示す上層金属配線216)の抵抗値は無視できる程度の大きさである。
次に、第3の工程において、第1の工程で測定された各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとして、第2の工程で算出されたコンタクトの1つ当たりの抵抗値rc及びコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値RcをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成する。図23(b)は、このようにして作成されたグラフの一例を示す図である。図23(b)からわかるように、ウェハ面内及びチップ領域内又はショット領域内において、コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト径のばらつき等が存在しているため、コンタクト1つ当たりの抵抗値rcがばらつく。従って、このようなrcのばらつきに対するコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcのプロットを行なうことにより、測定結果の中から、抵抗値Rcが離散的に上昇したコンタクトチェーン抵抗パターンを抽出することが可能となる。言い換えると、コンタクトチェーン抵抗パターン中の1つのコンタクトの抵抗値が上昇して抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)が発生している場合に、当該抵抗上昇不良が発生しているコンタクトチェーン抵抗パターンを抽出することが可能となる。
そこで、第3の工程に続いて第4の工程において、第3の工程で作成されたグラフに基づいて、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcが離散的に上昇したポイントを抽出することにより、コンタクトチェーン抵抗パターンのソフトオープン不良の検出を行なう。
以上に説明したように、第14の実施形態によると、第12の実施形態の校正用パターンを導入することによって、第12の実施形態と同様の効果が得られる。具体的には、パターン長が異なる第12の実施形態の校正用パターンを使用することによって、下地パターン(例えばポリシリコン電極配線層又はソース/ドレイン不純物層)の抵抗値の成分を除去して、測定ポイント(ブロック)におけるRr(Y切片の値)又はrc(コンタクトの1つ当たりの抵抗値)を精度良く求めることができる。その結果、ウェハ面内及びチップ領域内又はショット領域内におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値に対するコンタクト径のばらつき等の影響を除くことができる。このため、コンタクト径依存性を考慮したコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値プロットが可能となり、その結果、コンタクトチェーン抵抗パターンのソフトオープン不良を検出することが可能となる。また、ソフトオープン不良の数を検出することにより、半導体集積回路装置の歩留まり評価を行なうことが可能になる。言い換えると、製造される半導体集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価することができる。
尚、第14の実施形態において、第3の工程でコンタクト1つ当たりの抵抗値rcに対するコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcのプロットを実施する代わりに、以下のような処理を実施してもよい。すなわち、第2の工程で算出されたコンタクト1つ当たりの抵抗値rc及び単位面積当たりのコンタクト抵抗値(所定値)ρcを用いて、各ブロックにおける電気的換算コンタクト径dを、
d=(ρc/(π×rc))1/2 ・・・ (式6)
に従って算出する。続いて、第1の工程で測定された各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとして、算出された電気的換算コンタクト径d又はその逆数及びコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値RcをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成する。図23(c)は、このようにして作成されたグラフの一例を示している。尚、図23(c)において、電気的換算コンタクト径dの逆数1/dをX軸に、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値RcをY軸にそれぞれプロットしている。このように第3の工程で作成されたグラフに基づいて、第4の工程において、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcが離散的に上昇したポイントを抽出することによっても、コンタクトチェーン抵抗パターンのソフトオープン不良の検出を行なうことができる。
(第15の実施形態)
以下、本発明の第15の実施形態に係るコンタクト抵抗不良評価方法(コンタクト抵抗不良モニター方法)、具体的には、第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置を用いた、半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良(ソフトオープン不良)を評価する方法について、図面を参照しながら説明する。ここで、第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置においては、各ブロック内に、1つのコンタクトチェーン抵抗パターンに加えて、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値を決定する下地パターン(例えばゲート電極配線層又はソース/ドレイン不純物層)の抵抗値を校正するために用いられる、L1(=評価対象パターン長L)、L2及びL3の異なる3種類のパターン長を持つ第1校正用パターン群が設けられている。
まず、第14の実施形態と同様に、第1の工程において、図21(a)〜(d)に示す、第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置を用いて、ウェハ面内及びチップ領域内又はショット領域内に均一に配置された各ブロック内におけるコンタクトチェーン抵抗パターン及び前述の各第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、ウェハ面内及び各チップ領域内(又は各ショット領域内)における複数の箇所で測定する。
次に、第2の工程において、第1の工程で測定された各ブロックにおける各第1校正用パターンの抵抗値をパターン長L1、L2及びL3のそれぞれについてr1、r2及びr3として、パターン長L1、L2及びL3並びに各第1校正用パターンの抵抗値r1、r2及びr3をそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成する。このようにして作成されたグラフは、図23(a)に示す第14の実施形態のグラフと同様である。続いて、作成したグラフの傾きから、当該ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値を算出する。ここで、下地パターンの単位長さ当たり抵抗値の算出において、コンタクト同士を接続する上側パターン(例えば図21(a)〜(d)に示す上層金属配線216)の抵抗値は無視できる程度の大きさである。言い換えると、作成したグラフの傾きは、コンタクト抵抗及び上側パターンの抵抗を除いた下地パターンの抵抗値(単位長さ当たり抵抗値)、例えばゲート電極配線層の単位長さ当たり抵抗値Rg又はソース/ドレイン不純物層の単位長さ当たり抵抗値Rdを表している。
次に、第3の工程において、第1の工程で測定された各ブロックにおけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとし、第2の工程で算出されたウェハ面内における全てのコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値をRu(Ave) として、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcの補正値Rc’を、
Rc’=Rc×Ru(Ave) /Ru ・・・ (式7)
に従って算出する。具体的には、下地パターンがゲート電極配線層である場合には、Ru=Rg、Ru(Ave) =Rg(Ave) として、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcの補正値Rc’を、
Rc’=Rc×Rg(Ave) /Rg ・・・ (式8)
に従って算出する。また、下地パターンがソース/ドレイン不純物層である場合には、Ru=Rd、Ru(Ave) =Rd(Ave) として、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcの補正値Rc’を、
Rc’=Rc×Rd(Ave) /Rd ・・・ (式9)
に従って算出する。
次に、第4の工程において、第3の工程で算出された補正値Rc’のウェハ面内又は各チップ領域内若しくは各ショット領域内における分布図を作成する。
次に、第5の工程において、第4の工程で作成された分布図に基づいて、補正値Rc’が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗変動不良の検出を行なう。
以上に説明したように、第15の実施形態によると、第14の実施形態と同様に、第12の実施形態の校正用パターンを用いることによって、第12の実施形態と同様の効果が得られる。具体的には、パターン長が異なる第12の実施形態の校正用パターンを使用することによって、測定ポイント(ブロック)におけるRu(下地パターンの単位長さ当たり抵抗値)を精度良く求めることができる。その結果、ウェハ面内及びチップ領域内又はショット領域内におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値に対する下地パターンの抵抗値のばらつき等の影響を除くことができる。すなわち、コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcを正確に補正することが可能になるので、コンタクトチェーン抵抗パターンのソフトオープン不良を検出することが可能となる。また、ソフトオープン不良の数を検出することにより、半導体集積回路装置の歩留まり評価を行なうことが可能になる。言い換えると、製造される半導体集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響を評価することができる。
尚、第15の実施形態の第3の工程(特に(式7)〜(式9))において、平均値Ru(Ave) (又はそれと対応するRg(Ave) 若しくはRd(Ave) )に代えて、第2の工程で算出されたチップ領域の1つ若しくはショット領域の1つにおける全てのコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値Rushot(Ave) (又はそれと対応するRgshot(Ave) 若しくはRdshot(Ave) )、又は第2の工程で算出されたブロックの1つにおける全てのコンタクトチェーン抵抗パターンの下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値Rublock(Ave)(又はそれと対応するRgblock(Ave)若しくはRdblock(Ave))を用いてもよい。
(第16の実施形態)
以下、本発明の第16の実施形態に係るコンタクト抵抗不良評価装置(コンタクト抵抗不良モニター装置)の製造方法、具体的には、第12又は第13の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置におけるコンタクトチェーン抵抗パターン及び校正用パターン(複数種類ある場合は少なくとも1種類の校正用パターン)を形成する方法について図面を参照しながら説明する。
図24(a)〜(e)は、第16の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図24(a)に示すように、評価用ウェハよりなるシリコン基板251上に絶縁膜252を形成した後、絶縁膜252上に例えばポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜等よりなる第1の導電体膜253を堆積する。
続いて、図24(b)に示すように、リソグラフィ工程を用いてコンタクトチェーン抵抗パターン形成領域及び校正用パターン形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクとして、第1の導電体膜253に対してエッチングを行なうことにより、コンタクトチェーン抵抗パターン及び校正用パターンのそれぞれの下地パターン253Aを形成する。ここで、図示は省略しているが、必要に応じて、下地パターン253Aの側面にサイドウオール絶縁膜を形成する工程又は下地パターン253Aの上部をシリサイド化する工程を実施する。
続いて、図24(c)に示すように、下地パターン253Aが形成されたシリコン基板251上に層間絶縁膜254を堆積する。
次に、図24(d)に示すように、リソグラフィ工程を用いてコンタクト形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜254に対してドライエッチングを行なって、各下地パターン253Aに達する複数のコンタクトホールを形成する。その後、該各コンタクトホールに例えば高融点金属膜よりなる第2の導電体膜を埋め込んだ後、該各コンタクトホール内に埋め込まれた第2の導電体膜を残しつつ、前記各コンタクトホールの外側の第2の導電体膜、つまり層間絶縁膜254上の第2の導電体膜をCMPにより除去して複数のコンタクト電極255を形成する。
最後に、図24(e)に示すように、各コンタクト電極255の上及び層間絶縁膜254の上に、配線形成用の金属膜よりなる第3の導電体膜を堆積した後、リソグラフィ工程を用いて配線形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジストパターンをマスクとして、第3の導電体膜に対してドライエッチングを行なうことにより、各コンタクト電極255と電気的に接続する複数の上層金属配線256を形成する。これにより、複数の下地パターン253Aと複数の上層金属配線256とが複数のコンタクト電極255によって接続されてなるコンタクトチェーン抵抗パターン及び校正用パターンが完成する。
以上に説明したように、第16の実施形態によると、半導体集積回路装置の製造(MOSトランジスタ形成、コンタクト形成又は多層配線形成等を含む)と比較して、第12又は第13の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置を非常に短いプロセスTATで製造することができる。すなわち、下地パターン253Aを形成するために第1の導電体膜253をパターンニングする工程、コンタクトホールを形成するために層間絶縁膜254をパターンニングする工程、及び上層金属配線256を形成するために第3の導電体膜をパターンニングする工程の最小限3回のリソグラフィ工程のみによってコンタクト抵抗不良モニター装置の製造が可能となる。これにより、非常に短いプロセスTATで本発明の各コンタクト抵抗不良モニター装置を製造できるため、コンタクトの抵抗変動不良(ソフトオープン不良)を早期に且つ簡単に評価できるので、半導体集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響評価を迅速に行なうことができる。すなわち、ソフトオープン不良の評価結果をプロセス対策に早期に且つタイムリーにフィードバックすることが可能となる。
尚、本実施形態において、評価用ウェハであるシリコン基板251を用いたが、評価用ウェハが半導体基板に限られないことは言うまでもない。
また、本実施形態において、コンタクトして、コンタクトホール内に高融点金属膜を埋め込むことによってコンタクト電極255を形成したが、コンタクトの種類は特に限定されるものではなく、コンタクト電極255に代えて、コンタクトホール内に例えば銅等の金属膜を埋め込むことによってコンタクト電極を形成してもよい。また、下地パターン253Aの種類も特に限定されるものではなく、ポリシリコン層又はアモルファスシリコン層よりなるゲート電極配線層に代えて、例えばソース/ドレイン不純物層又はアルミニウム若しくは銅等よりなる下層金属配線層を形成してもよい。
本発明は、抵抗不良又はコンタクト不良の評価装置、それを用いた評価方法及びその評価装置の製造方法に関し、集積回路装置に搭載される抵抗素子若しくはコンタクトの抵抗上昇不良(ソフトオープン不良)を検出し又は集積回路装置の歩留まりに対するソフトオープン不良の影響等を評価する場合に有用である。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の1チップ領域の平面図であり、(b)は(a)に示す抵抗不良モニター装置がウェハ面内に均一に配置されている様子を示す図であり、(c)及び(d)はそれぞれ(a)に示す抵抗不良モニター装置における抵抗不良評価パターンの一例を示す図であり、(e)及び(f)はそれぞれ(c)に示す抵抗不良評価パターンの長さの設定方法を説明するための図であり、(g)は(a)に示すチップの内部に設ける必要がある抵抗不良評価パターンの数を説明するための図である。 (a)〜(f)は本発明の第1の実施形態に係る抵抗不良モニター装置における抵抗不良評価パターンの長さの設定方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の1チップ領域における抵抗不良評価パターン数の設定方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る抵抗不良モニター装置におけるショット領域を説明するための図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の1チップ領域の平面図であり、(b)は(a)に示す抵抗不良モニター装置がウェハ面内に均一に配置されている様子を示す図であり、(c)は(a)に示す抵抗不良モニター装置におけるブロック内の様子を示す図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る抵抗不良モニター装置における抵抗不良評価パターン及び校正用パターンに共用のプロービング用パッドを設けた様子を示す図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明の第3の実施形態に係る抵抗不良モニター装置におけるブロック内の様子を示す図である。 (a)は本発明の第4の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の1チップ領域の平面図であり、(b)は(a)に示す抵抗不良モニター装置がウェハ面内に均一に配置されている様子を示す図であり、(c)は(a)に示す抵抗不良モニター装置におけるブロック内の様子を示す図であり、(d)及び(e)は(a)に示す抵抗不良モニター装置における抵抗不良評価パターンの平面図及び断面図であり、(f)及び(g)は(a)に示す抵抗不良モニター装置における第1の校正用パターンの平面図及び断面図であり、(h)及び(i)は(a)に示す抵抗不良モニター装置における第2の校正用パターンの平面図及び断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る抵抗不良モニター装置におけるブロック内の様子を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る抵抗不良モニター装置におけるブロック内の様子を示す図である。 (a)は本発明の第7の実施形態に係る抵抗不良モニター方法における第2の工程で算出された電気的換算寸法ECDのウェハ面内分布を示す図であり、(b)及び(c)は当該ECDのウェハセンターチップ内分布及びウェハノッチ側チップ内分布を示す図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明の第7の実施形態に係る抵抗不良モニター方法における第3の工程でのプロットにより得られたグラフを示す図である。 (a)〜(e)は本発明の第8の実施形態に係る抵抗不良モニター方法における抵抗不良評価パターンの抵抗値に対する補正の概念及び補正前後の抵抗値の違いを説明するための図である。 (a)は本発明の第8の実施形態に係る抵抗不良モニター方法における第1の工程で測定された抵抗不良評価パターンの抵抗値(補正前)のウェハ面内分布を示す図であり、(b)は本発明の第8の実施形態に係る抵抗不良モニター方法における第2の工程で算出された抵抗不良評価パターンの抵抗値の補正値RR'(1)(寸法補正値)のウェハ面内分布を示す図である。 (a)は本発明の第8の実施形態に係る抵抗不良モニター方法における第2の工程で算出された抵抗不良評価パターンの抵抗値の補正値RR'(2)(シート抵抗補正値)のウェハ面内分布を示す図であり、(b)は本発明の第8の実施形態に係る抵抗不良モニター方法における第2の工程で算出された抵抗不良評価パターンの抵抗値の補正値RR'(3)(寸法補正及びシート抵抗補正をした値)のウェハ面内分布を示す図である。 (a)〜(g)は本発明の第9の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(h)は本発明の第10の実施形態に係る抵抗不良モニター装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 (a)は本発明の第11の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置の1チップ領域の平面図であり、(b)は(a)に示すコンタクト抵抗不良モニター装置がウェハ面内に均一に配置されている様子を示す図であり、(c)は(a)に示す抵抗不良モニター装置におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示す平面図であり、(d)は(c)のc−c’線の断面図である。 本発明の第11の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置におけるコンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数の設定方法を説明するための図である。 本発明の第11の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置の1チップ領域におけるコンタクトチェーン抵抗パターン数の設定方法を説明するための図である。 (a)は本発明の第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示す平面図であり、(b)〜(d)は本発明の第12の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置における第1校正用パターン群の一例を示す平面図である。 (a)は本発明の第13の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置におけるコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示す平面図であり、(b)〜(d)は本発明の第13の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置における第2校正用パターン群の一例を示す平面図である。 (a)は本発明の第14又は第15の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター方法における第2の工程で作成されたグラフの一例を示す図であり、(b)及び(c)はそれぞれ本発明の第14の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター方法における第3の工程で作成されたグラフの一例を示す図である。 (a)〜(e)は本発明の第16の実施形態に係るコンタクト抵抗不良モニター装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 従来の櫛状(Comb)及び蛇状(Serp)の配線パターンの一例を示す図である。 (a)は従来のコンタクトチェーン抵抗パターンの一例を示す平面図であり、(b)は(a)におけるa−a’線の断面図である。
符号の説明
100 ウェハ
101 チップ
101A ショット領域
102 抵抗不良評価パターン
102a ライン部分
102b 端子
103 抵抗不良
104 ポリシリコン層
105 シリサイド層
110 半導体集積回路装置
111 抵抗素子
120 ブロック
121 校正用パターン
121A 第1の校正用パターン
121B 第2の校正用パターン
121C 第3の校正用パターン
131 シリコン基板
132 絶縁膜
133 ポリシリコン電極
134 シリサイド層
135 サイドウォール絶縁膜
136 シリサイド化防止絶縁膜
151 半導体基板
152 第1の絶縁膜
153 シリコン膜
153A パターニングされたシリコン膜
154 サイドウォール絶縁膜
155 第2の絶縁膜
156 シリサイド層
161 半導体基板
161a トレンチ
162 第1の絶縁膜
162A パターンニングされた第1の絶縁膜
163 第2の絶縁膜
163A トレンチ分離
164 不純物層
165 第3の絶縁膜
166 シリサイド層
200 ウェハ
201 チップ
202 ブロック
211 基板
212 絶縁膜
213 下層配線
214 層間絶縁膜
215 コンタクト電極
215A 不良コンタクト電極
216 上層金属配線
251 シリコン基板
252 絶縁膜
253 第1の導電体膜
253A 下地パターン
254 層間絶縁膜
255 コンタクト電極
256 上層金属配線

Claims (34)

  1. 集積回路装置の構成要素の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域毎に又は各ショット領域毎に、前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる評価パターンを有し、
    前記チップ領域の1つ又は前記ショット領域の1つに含まれる前記評価パターンの数は、前記集積回路装置の歩留まり予測ができるように設定されていることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  2. 半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域毎に又は各ショット領域毎に、前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持つ抵抗不良評価パターンを有し、
    前記抵抗不良評価パターンの長さをAとし、前記半導体集積回路装置に搭載された前記抵抗素子の合計長さをBとすると、前記チップ領域の1つ又は前記ショット領域の1つに含まれる前記抵抗不良評価パターンの数は、B/Aの1/100倍以上で且つ10倍以下であることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  3. 半導体集積回路装置に搭載される抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持つ抵抗不良評価パターンと、前記抵抗不良評価パターンの抵抗値を決定する寸法、膜厚及び抵抗率のうちの少なくとも1つを校正するために用いられる校正用パターンとを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  4. 前記抵抗不良評価パターンの長さをAとし、前記半導体集積回路装置に搭載された前記抵抗素子の合計長さをBとすると、前記チップ領域の1つ又は前記ショット領域の1つに含まれる前記抵抗不良評価パターンの数は、B/Aの1/100倍以上で且つ10倍以下であることを特徴とする請求項3に記載の抵抗不良評価装置。
  5. 前記抵抗不良評価パターン及び前記校正用パターンにはそれぞれ独立したプロービング用パッドが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の抵抗不良評価装置。
  6. 前記抵抗不良評価パターンの長さAは、
    抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じている前記抵抗不良評価パターンの第1の抵抗値と抵抗変動不良が存在しない前記抵抗不良評価パターンの第2の抵抗値との差である抵抗変動成分が前記第2の抵抗値に対して2%以上になるように設定されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の抵抗不良評価装置。
  7. 前記抵抗素子は、MOSトランジスタ本体、バイポーラトランジスタ本体、pn接合ダイオード、MOSトランジスタのゲート電極配線若しくはソース/ドレイン不純物層、金属配線、不純物層と配線層とを接続するコンタクト、又は配線層同士を接続するビアであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の抵抗不良評価装置。
  8. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、前記シリサイド層の断線に起因する前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層からなる第1校正用パターンとを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  9. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、前記シリサイド層の断線に起因する前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子の5倍以上の幅の前記シリコン含有層からなる第2校正用パターンとを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  10. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、前記シリサイド層の断線に起因する前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子の5倍以上の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる第3校正用パターンとを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  11. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、前記シリサイド層の断線に起因する前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層からなる第1校正用パターンと、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子の5倍以上の幅の前記シリコン含有層からなる第2校正用パターンとを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  12. 前記各ブロックに、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗不良評価パターンと異なる2種類以上の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる複数の他の抵抗不良評価パターンと、前記第1校正用パターンと同一の長さを持ち且つ前記第1校正用パターンと異なる2種類以上の幅の前記シリコン含有層からなる複数の他の第1校正用パターンとをさらに有していることを特徴とする請求項11に記載の抵抗不良評価装置。
  13. 前記各ブロックに、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子の5倍以上の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる第3校正用パターンをさらに有していることを特徴とする請求項11又は12に記載の抵抗不良評価装置。
  14. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに、前記シリサイド層の断線に起因する前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できる長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる抵抗不良評価パターンと、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子と同一の幅の前記シリコン含有層からなる第1校正用パターンと、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗素子の5倍以上の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる第3校正用パターンとを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする抵抗不良評価装置。
  15. 前記抵抗不良評価パターンの長さAは、
    抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じている前記抵抗不良評価パターンの第1の抵抗値と抵抗変動不良が存在しない前記抵抗不良評価パターンの第2の抵抗値との差である抵抗変動成分が前記第2の抵抗値に対して2%以上になるように設定され、
    前記半導体集積回路装置に搭載された前記抵抗素子の合計長さをBとすると、前記チップ領域の1つ又は前記ショット領域の1つに含まれる前記抵抗不良評価パターンの数は、B/Aの1/10倍以上で且つ10倍以下であることを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載の抵抗不良評価装置。
  16. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、
    請求項11に記載の抵抗不良評価装置を使用して、前記各ブロック内の前記抵抗不良評価パターン、前記第1校正用パターン及び前記第2校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、前記ウェハ面内及び前記各チップ領域内又は前記各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、
    前記第2校正用パターンの幅の設計値をDRとし、前記第1の工程で測定された前記第1校正用パターン及び前記第2校正用パターンのそれぞれの抵抗値をR1及びR2として、前記各ブロックにおける前記抵抗不良評価パターンの電気的換算寸法ECDを、
    ECD=DR×R2/R1
    に従って算出する第2の工程と、
    前記第2の工程で算出された前記電気的換算寸法ECD及び前記第1の工程で測定された前記抵抗不良評価パターンの抵抗値RをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成するか、又は、
    前記抵抗不良評価パターンの長さをAとして、前記各ブロックにおける前記抵抗不良評価パターンのシート抵抗値Rsを、
    Rs=R×ECD/A
    に従って算出し、算出された前記シート抵抗値Rs及び前記第2の工程で算出された前記電気的換算寸法ECDをそれぞれY軸及びX軸にプロットすることによってグラフを作成する第3の工程と、
    前記第3の工程で作成されたグラフに基づいて、前記抵抗不良評価パターンの抵抗値R又は前記シート抵抗値Rsが離散的に上昇したポイントを抽出することにより、前記抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えていることを特徴とする抵抗不良評価方法。
  17. 前記各ブロックには、前記抵抗不良評価パターンと同一の長さを持ち且つ前記抵抗不良評価パターンと異なる2種類以上の幅の前記シリコン含有層及び前記シリサイド層からなる複数の他の抵抗不良評価パターンと、前記第1校正用パターンと同一の長さを持ち且つ前記第1校正用パターンと異なる2種類以上の幅の前記シリコン含有層からなる複数の他の第1校正用パターンとがさらに設けられており、
    前記第1の工程は、前記各ブロック内の前記各他の抵抗不良評価パターン及び前記各他の第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、前記ウェハ面内及び前記各チップ領域内又は前記各ショット領域内における複数の箇所で測定する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の抵抗不良評価方法。
  18. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、
    請求項8に記載の抵抗不良評価装置を使用して、前記各ブロック内の前記抵抗不良評価パターン及び前記第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、前記ウェハ面内及び前記各チップ領域内又は前記各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記抵抗不良評価パターン及び前記第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値をRR及びr1とし、前記第1の工程で測定された前記ウェハ面内における全ての前記第1校正用パターンの抵抗値の平均値をr1(Ave) として、前記抵抗不良評価パターンの抵抗値RRの補正値RR'(1)を、
    RR'(1)=RR×r1(Ave) /r1
    に従って算出する第2の工程と、
    前記第2の工程で算出された前記補正値RR'(1)の前記ウェハ面内又は前記各チップ領域内若しくは前記各ショット領域内における分布図を作成する第3の工程と、
    前記第3の工程で作成された前記分布図に基づいて、前記補正値RR'(1)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、前記抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えていることを特徴とする抵抗不良評価方法。
  19. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、
    請求項10に記載の抵抗不良評価装置を使用して、前記各ブロック内の前記抵抗不良評価パターン及び前記第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、前記ウェハ面内及び前記各チップ領域内又は前記各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記抵抗不良評価パターン及び前記第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値をRR及びr3とし、前記第1の工程で測定された前記ウェハ面内における全ての前記第3校正用パターンの抵抗値の平均値をr3(Ave) として、前記抵抗不良評価パターンの抵抗値RRの補正値RR'(2)を、
    RR'(2)=RR×r3(Ave) /r3
    に従って算出する第2の工程と、
    前記第2の工程で算出された前記補正値RR'(2)の前記ウェハ面内又は前記各チップ領域内若しくは前記各ショット領域内における分布図を作成する第3の工程と、
    前記第3の工程で作成された前記分布図に基づいて、前記補正値RR'(2)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、前記抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えていることを特徴とする抵抗不良評価方法。
  20. 半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線及びソース/ドレイン不純物層のうちの少なくとも一方であり且つシリコン含有層とその上に形成されたシリサイド層とからなる抵抗素子の抵抗変動不良を評価する評価方法であって、
    請求項14に記載の抵抗不良評価装置を使用して、前記各ブロック内の前記抵抗不良評価パターン、前記第1校正用パターン及び前記第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、前記ウェハ面内及び前記各チップ領域内又は前記各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記抵抗不良評価パターン、前記第1校正用パターン及び前記第3校正用パターンのそれぞれの抵抗値をRR、r1及びr3とし、前記第1の工程で測定された前記ウェハ面内における全ての前記第1校正用パターンの抵抗値及び全ての前記第3校正用パターンの抵抗値のそれぞれの平均値をr1(Ave) 及びr3(Ave) として、前記抵抗不良評価パターンの抵抗値RRの補正値RR'(1)、補正値RR'(2)及び補正値RR'(3)をそれぞれ、
    RR'(1)=RR×r1(Ave) /r1
    RR'(2)=RR×r3(Ave) /r3
    RR'(3)=RR×r1(Ave) ×r3(Ave) /(r1×r3)
    に従って算出する第2の工程と、
    前記第2の工程で算出された前記補正値RR'(1)、前記補正値RR'(2)及び前記補正値RR'(3)のそれぞれの前記ウェハ面内又は前記各チップ領域内若しくは前記各ショット領域内における分布図を作成する第3の工程と、
    前記第3の工程で作成された前記各分布図に基づいて、前記補正値RR'(1)、前記補正値RR'(2)及び前記補正値RR'(3)が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、前記抵抗不良評価パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えていることを特徴とする抵抗不良評価方法。
  21. 前記第2の工程において、前記平均値r1(Ave) に代えて、前記第1の工程で測定された前記チップ領域の1つ若しくは前記ショット領域の1つにおける全ての前記第1校正用パターンの抵抗値の平均値r1shot(Ave) 、又は前記第1の工程で測定された前記ブロックの1つにおける全ての前記第1校正用パターンの抵抗値の平均値r1block(Ave)を用いることを特徴とする請求項18又は20に記載の抵抗不良評価方法。
  22. 前記第2の工程において、前記平均値r3(Ave) に代えて、前記第1の工程で測定された前記チップ領域の1つ若しくは前記ショット領域の1つにおける全ての前記第3校正用パターンの抵抗値の平均値r3shot(Ave) 、又は前記第1の工程で測定された前記ブロックの1つにおける全ての前記第3校正用パターンの抵抗値の平均値r3block(Ave)を用いることを特徴とする請求項19又は20に記載の抵抗不良評価方法。
  23. 請求項3〜15のいずれか1項に記載の抵抗不良評価装置の製造方法であって、
    評価対象となる前記抵抗素子は、前記半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するゲート電極配線であって、
    前記ウェハよりなる基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜上にシリコン含有層を堆積する工程と、
    第1のマスクパターンを用いて前記シリコン含有層に対してエッチングを行なうことにより、前記シリコン含有層を前記抵抗不良評価パターン及び前記校正用パターンのそれぞれの形状にパターンニングする工程と、
    パターニングされた前記シリコン含有層の側面にサイドウォールを形成した後、シリサイド化を防止するための第2の絶縁膜を堆積する工程と、
    第2のマスクパターンを用いて前記第2の絶縁膜に対してエッチングを行なうことにより、前記第2の絶縁膜を除去したシリサイド化領域と、前記第2の絶縁膜を残存させたシリサイド化防止領域とを設定する工程と、
    サリサイドプロセスを用いて前記シリサイド化領域の前記シリコン含有層の上部にシリサイド層を形成することによってゲート電極配線を形成する工程とを備えていることを特徴とする抵抗不良評価装置の製造方法。
  24. 請求項3〜15のいずれか1項に記載の抵抗不良評価装置の製造方法であって、
    評価対象となる前記抵抗素子は、前記半導体集積回路装置に搭載されるMOSトランジスタを構成するソース/ドレイン不純物層であって、
    前記ウェハよりなる半導体基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
    第1のマスクパターンを用いて前記第1の絶縁膜に対してエッチングを行なうことにより、前記第1の絶縁膜を前記抵抗不良評価パターン及び前記校正用パターンのそれぞれの形状にパターンニングする工程と、
    パターニングされた前記第1の絶縁膜をマスクとして、前記半導体基板に対してエッチングを行なってトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチ内に第2の絶縁膜を埋め込む工程と、
    CMPにより前記第2の絶縁膜の表面を平坦化した後、前記第1の絶縁膜を除去してトレンチ分離を形成する工程と、
    前記トレンチ分離が形成されていない前記半導体基板の露出表面部に対して不純物を導入することによって不純物層を形成した後、前記半導体基板上に、シリサイド化を防止するための第3の絶縁膜を堆積する工程と、
    第2のマスクパターンを用いて前記第3の絶縁膜に対してエッチングを行なうことにより、前記第3の絶縁膜を除去したシリサイド化領域と、前記第3の絶縁膜を残存させたシリサイド化防止領域とを設定する工程と、
    サリサイドプロセスを用いて前記シリサイド化領域の前記不純物層の上部にシリサイド層を形成することによってソース/ドレイン不純物層を形成する工程とを備えていることを特徴とする抵抗不良評価装置の製造方法。
  25. 半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良を評価するためにウェハ上に設けられた評価装置であって、
    前記ウェハの各チップ領域毎に又は各ショット領域毎に、前記抵抗変動不良となる抵抗変動成分を測定できるコンタクト数を持つコンタクトチェーン抵抗パターンを有し、
    前記コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数をnとし、前記半導体集積回路装置に搭載された前記コンタクトの総数をNとすると、前記チップ領域の1つ又は前記ショット領域の1つに含まれる前記コンタクトチェーン抵抗パターンの数は、N/nの1/10倍以上で且つ10倍以下であることを特徴とするコンタクト不良評価装置。
  26. 前記コンタクトチェーン抵抗パターンは、前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに配置されており、
    前記各ブロックにおける前記コンタクトチェーン抵抗パターンの近傍に、前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値を決定する下地パターンの抵抗値を校正するために用いられ且つ評価対象のコンタクト間パターン長Lと同等のコンタクト間パターン長L1、前記コンタクト間パターン長L1よりも長いコンタクト間パターン長L2及び前記コンタクト間パターン長L2よりも長いコンタクト間パターン長L3のそれぞれを持つ複数の第1校正用パターンを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする請求項25に記載のコンタクト不良評価装置。
  27. 前記コンタクトチェーン抵抗パターンは、前記ウェハの各チップ領域又は各ショット領域を区画する複数のブロックのそれぞれに配置されており、
    前記各ブロックにおける前記コンタクトチェーン抵抗パターンの近傍に、評価対象のコンタクト径dよりも小さいコンタクト径d1、前記コンタクト径dと同等のコンタクト径d2及び前記コンタクト径dよりも大きいコンタクト径d3のそれぞれを持つ複数の第2校正用パターンを有し、
    前記ウェハ面内及び前記各チップ領域又は前記各ショット領域のそれぞれの内部において前記各ブロックは均一に配置されていることを特徴とする請求項25に記載のコンタクト不良評価装置。
  28. 前記コンタクトチェーン抵抗パターンのコンタクト数nは、
    抵抗変動不良が少なくとも1箇所で生じている前記コンタクトチェーン抵抗パターンの第1の抵抗値と前記抵抗変動不良が存在しない前記コンタクトチェーン抵抗パターンの第2の抵抗値との差である抵抗変動成分が前記第1の抵抗値に対して1%以上になるように設定されることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載のコンタクト不良評価装置。
  29. 前記コンタクトは、コンタクトホール内に高融点金属膜又は金属膜を埋め込むことによって形成されたコンタクト電極であることを特徴とする請求項25〜28のいずれか1項に記載のコンタクト不良評価装置。
  30. 前記コンタクトの下地パターンは、ゲート電極配線層、ソース/ドレイン不純物層又は下層金属配線層であることを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載のコンタクト不良評価装置。
  31. 半導体集積回路装置に搭載されるコンタクトの抵抗変動不良を評価する評価方法であって、
    請求項26に記載のコンタクト不良評価装置を使用して、前記各ブロック内の前記コンタクトチェーン抵抗パターン及び前記各第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、前記ウェハ面内及び前記各チップ領域内又は前記各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記各第1校正用パターンの抵抗値を前記コンタクト間パターン長L1、L2及びL3のそれぞれについてr1、r2及びr3として、前記コンタクト間パターン長L1、L2及びL3並びに前記各第1校正用パターンの抵抗値r1、r2及びr3をそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成し、作成したグラフのY切片の値から、当該ブロックにおける前記コンタクトチェーン抵抗パターンを構成するコンタクトの1つ当たりの抵抗値rcを算出する第2の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとして、前記第2の工程で算出された前記コンタクトの1つ当たりの抵抗値rc及び前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値RcをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成するか、又は、
    前記第2の工程で算出された前記コンタクトの1つ当たりの抵抗値rc及び単位面積当たりのコンタクト抵抗値ρcを用いて、前記各ブロックにおける電気的換算コンタクト径dを、
    d=(ρc/(π×rc))1/2
    に従って算出すると共に、前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとして、算出された電気的換算コンタクト径d又はその逆数及び前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値RcをそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成する第3の工程と、
    前記第3の工程で作成されたグラフに基づいて、前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcが離散的に上昇したポイントを抽出することにより、前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第4の工程とを備えていることを特徴とするコンタクト不良評価方法。
  32. 半導体集積回路装置に搭載されているコンタクトの抵抗変動不良を評価する評価方法であって、
    請求項26に記載のコンタクト不良評価装置を使用して、前記各ブロック内の前記コンタクトチェーン抵抗パターン及び前記各第1校正用パターンのそれぞれの抵抗値を、前記ウェハ面内及び前記各チップ領域内又は前記各ショット領域内における複数の箇所で測定する第1の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記各第1校正用パターンの抵抗値を前記コンタクト間パターン長L1、L2及びL3のそれぞれについてr1、r2及びr3として、前記コンタクト間パターン長L1、L2及びL3並びに前記各第1校正用パターンの抵抗値r1、r2及びr3をそれぞれX軸及びY軸にプロットすることによってグラフを作成し、作成したグラフの傾きの値から、当該ブロックにおける前記コンタクトチェーン抵抗パターンの前記下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruを算出する第2の工程と、
    前記第1の工程で測定された前記各ブロックにおける前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値をRcとし、前記第2の工程で算出された前記ウェハ面内における全ての前記コンタクトチェーン抵抗パターンの前記下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値をRu(Ave) として、前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗値Rcの補正値Rc’を、
    Rc’=Rc×Ru(Ave) /Ru
    に従って算出する第3の工程と、
    前記第3の工程で算出された前記補正値Rc’の前記ウェハ面内又は前記各チップ領域内若しくは前記各ショット領域内における分布図を作成する第4の工程と、
    前記第4の工程で作成された前記分布図に基づいて、前記補正値Rc’が離散的に上昇したポイントを抽出することにより、前記コンタクトチェーン抵抗パターンの抵抗変動不良の検出を行なう第5の工程とを備えていることを特徴とするコンタクト不良評価方法。
  33. 前記第3の工程において、前記平均値Ru(Ave) に代えて、前記第2の工程で算出された前記チップ領域の1つ若しくは前記ショット領域の1つにおける全ての前記コンタクトチェーン抵抗パターンの前記下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値Rushot(Ave) 、又は前記第2の工程で算出された前記ブロックの1つにおける全ての前記コンタクトチェーン抵抗パターンの前記下地パターンの単位長さ当たり抵抗値Ruの平均値Rublock(Ave)を用いることを特徴とする請求項32に記載のコンタクト不良評価方法。
  34. 請求項26〜30のいずれか1項に記載のコンタクト不良評価装置の製造方法であって、
    前記ウェハよりなる基板上に、前記コンタクトチェーン抵抗パターン及び前記校正用パターンのそれぞれの下地パターンを形成する工程と、
    前記下地パターンが形成された前記基板上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に、前記各下地パターンに達する複数のホールを形成する工程と、
    前記各ホールに導電体膜を埋め込んで複数のコンタクトを形成する工程と、
    前記各コンタクトの上及び前記絶縁膜の上に上層配線を形成する工程とを備えていることを特徴とするコンタクト不良評価装置の製造方法。
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