JP2005109434A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体素子を大型化したとき、半導体装置の放熱性を向上させる。
【解決手段】 本発明にかかる半導体装置は、同一面側に正負一対の電極を有する半導体素子と、該電極が導電部材105を介して対向される導体配線108、109を有する支持基板103と、を有する半導体装置において、導体配線108、109は、支持基板103の主面に垂直な方向から見て、電極の何れか一方の電極に接合する導電部材105を有する第一の領域と、該第一の領域の少なくとも一部を包囲し他方の電極に接合する導電部材105を有する第二の領域とを有することを特徴とする。また、第一の領域内で導電部材105が載置されている領域は、第二の領域内で導電部材105が載置されている領域より広い。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子を利用した半導体装置およびその製造方法に関わり、特に発光効率が高く、高輝度に発光可能な信頼性の高い発光装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
同一面側に正負両電極が設けられている半導体素子チップの電極形成面を支持基板の導体配線に対向させ、導電性部材を介して接合し、半導体素子と支持基板とを電気的および機械的に接続する実装方法がある。このような実装方法を本明細書中では「フリップチップ実装」と呼ぶこととする。
半導体素子は、通常、超音波を利用して支持基板の導体配線にフリップチップ実装される。以下、超音波接合方式について説明する。まず、半導体素子を載置可能な支持基板の主面に設けられる導体配線にバンプを形成する。次に、同一面側に正負一対の電極が設けられている半導体素子の電極面を該バンプと対向させ、半導体素子の正負両電極とバンプとを接触させる。最後に、支持基板と半導体素子の電極面との間隔が狭くなるように半導体素子に圧力を加えながら、半導体素子を介してバンプに超音波振動を当てる。このときの圧力と超音波振動による摩擦熱でバンプの支持基板および正負両電極面との接触部分が融解し、バンプは導体配線と半導体素子の電極とを接合する。このようにして、バンプを介して支持基板の導体配線と半導体素子の正負両電極とを接合し、両者の電気的導通が図られる。
このように、半導体発光素子がフリップチップ実装された発光装置の一例として、特開2003−8083号公報に記載の発光装置が挙げられる。特許文献1に開示される半導体発光素子は、正負一対の電極を有する面の大部分を占める正電極上に多数のバンプが配列され、同一の支持基板(以下、「サブマウント」と呼ぶことがある。)の導体配線に複数の半導体発光素子がフリップチップ実装されている。これにより、発光輝度の高い発光装置とすることができる。
また、従来のフリップチップ実装において、半導体素子を支持基板と接合した後、半導体素子と支持基板との間に生じた隙間を埋めるように、その隙間に樹脂(以下、「アンダフィル樹脂」と呼ぶ。)が注入される(例えば、特開2001−244299号公報参照。)。これにより、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
特開2003−8083号公報。
特開2001−244299号公報。
しかしながら、半導体素子を大型化したとき、あるいは上述のように同一の支持基板に多数の半導体素子を実装したとき、発光装置の外部へ効率よく放熱を行うことができず、発光装置の高輝度化に限界がある。
例えば、特許文献1に開示される発光装置のサブマウントは、外部の電極および発光素子の正電極(負電極)と電気的に接続する第1の導体配線と、該第1の導体配線から絶縁され上記発光素子の正電極と負電極とを電気的に接続する第2の導体配線とを有する。ここで、上記第1の導体配線は、フリップチップ実装された発光素子側から見て、サブマウント上に形成された導体配線の領域のうち、発光素子が対向している領域の外側に、外部の電極と接続するため、さらに広く延伸する領域を有し、サブマウントの主面を広く被覆している。一方、上記第2の導体配線は、フリップチップ実装された発光素子側から見て、ほぼ完全に発光素子に覆われており、外気との接触面積も小さいため、発光素子の放熱を効率よく行うことができない。したがって、サブマウントにフリップチップ実装された発光素子から発生する熱は、バンプを経由して、上記第1の導体配線から主に放熱されることとなる。しかしながら、このような発光装置において、サブマウントを絶縁性材料としたとき、ある発光素子の正電極側からの放熱は、上記第2の導電部材を介して、その発光素子と電気的に接続する別の発光素子の負電極方向へ成されやすく、発光装置の内部に熱が籠もってしまう。したがって、このような従来の発光装置においては、その発光装置の放熱特性に限界があり、発光装置のさらなる高輝度化を行うことができない。
また、半導体素子を支持基板と接合した後、アンダフィル樹脂が注入されると、例えば、特許文献1に開示される発光装置のように、複数個のバンプにて半導体素子をフリップチップ実装したとき、支持基板の主面方向から見て外側のバンプが障害となって、内側の方まで樹脂が注入されず、空間が残ることがあり、残された空間は、発光装置の信頼性を低下させる原因となる。特に、ゲル状のシリコーン樹脂のように柔らかい樹脂を用いた場合には混入した気泡が移動しやすく、発光装置の光学特性に悪影響を及ぼすことがある。このように後工程で樹脂を注入すると、隙間を完全に埋めることができず、作業性を低下させ、発光装置の信頼性を低下させる。
上述したような問題を解決するための本発明は、同一面側に正負一対の電極を有する半導体素子と、該半導体素子の各電極が対向され導電部材を介して接合される導体配線を有する支持基板と、を有する半導体装置において、上記導体配線は、上記支持基板の主面に垂直な方向から見て、上記半導体素子の電極の何れか一方の電極に接合する導電部材を有する第一の領域と、該第一の領域の少なくとも一部を包囲し上記半導体素子の他方の電極に接合する導電部材を有する第二の領域とを有することを特徴とする。これにより、半導体素子からの放熱を効率よく行うことができ、半導体装置の信頼性および発光装置の発光輝度を向上させることができる。
また、上記第1の領域内にて導電部材が載置される領域は、第2の領域内にて導電部材が載置される領域より広い。これにより、半導体素子からの放熱を上記第1の領域から発光素子の外部へ効率よく行うことができ、半導体装置の信頼性および発光装置の発光輝度を向上させることができる。
また、上記半導体素子は、p型半導体側の正電極およびn型半導体側の負電極を有し、発光観測面方向から見て、該負電極が該正電極の間にあるようにそれぞれの電極が交互に配されている。これにより、本発明にかかる導体配線を有する支持基板に対して安定に実装でき、また、電極間を流れる電流が均一になることにより発光素子の発光面からの発光が均一になるため好ましい。
また、上記n型半導体は、発光観測面方向から見て、上記導電部材が載置され互いに対向する隅部と、該隅部から半導体素子の内側方向に向かって細くなる括れ部と、該括れ部から延びる延伸部とを有するように露出される。これにより、発光素子の発光に寄与しないn側半導体の領域を減らし、p側半導体の領域を相対的に増やすことで発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。
また、本願発明は、上記支持基板と上記半導体素子との間に載置される樹脂層が上記導電部材を包囲することが好ましい。このように構成することにより、支持基板、半導体素子および導電部材の間の隙間がなくなり、半導体装置の放熱性を向上させることができる。
また、上記正負一対の電極は、複数の領域にそれぞれ分割されており、半導体発光素子のp型半導体層側に設けられる電極の数は、n型半導体層側に設けられる電極の数より多い。このように構成することにより、半導体発光素子の発光として観測されないn型半導体層側の電極の数を減らし、発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。
また、上記半導体発光素子のp型半導体層側に設けられる電極の面積は、発光観測面方向から見てn型半導体層側に設けられる電極より大きい。このように構成することにより、発熱量が大きいp型半導体層付近の放熱性が向上するため、信頼性高く高輝度な発光装置とすることができる。
また、上記半導体素子として複数の発光素子を上記支持基板に実装するとき、その発光素子と、該発光素子と近接する別の発光素子との間隙は、樹脂層により封止されており、それらの発光素子の発光観測面側は、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する波長変換部材により被覆されている。これにより、発光観測方位によって色度がほぼ均一な発光装置とすることができる。
また、少なくとも前記半導体素子は、封止部材で被覆されており、上記樹脂層は、上記封止部材より熱伝導率が高いことが好ましい。このように構成することにより、半導体素子から樹脂層を介して支持基板方向への放熱性を向上させることができる。
また、上記樹脂層は、フィラーを含有することが好ましい。このように構成することにより、樹脂層の熱伝導性が高まり、更に放熱性が向上された半導体装置とすることができる。
また、本願発明は、同一面側に正電極および負電極を有する半導体素子と、該電極が導電部材を介して対向される導体配線を有する支持基板と、少なくとも支持基板と半導体素子との間に載置され導電部材を包囲する樹脂層と、を有する半導体装置の製造方法において、硬化状態において弾力性を有し、導体配線の一部が露出される貫通孔を備える樹脂層を孔版印刷にて支持基板に形成する第一の工程と、貫通孔内にて、少なくとも二つの導電部材を導体配線に形成する第二の工程と、半導体素子の電極を導電部材と対向させ、支持基板方向に押圧を加えることにより半導体素子の電極と導電部材とを接合させる第三の工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。このような製造方法とすることにより、作業性を向上させることができる。
また、本願発明は、同一面側に正電極および負電極を有する半導体素子と、該電極が導電部材を介して対向される導体配線を有する支持基板と、少なくとも支持基板と半導体素子との間に載置され導電部材を包囲する樹脂層と、を有する半導体装置の製造方法において、硬化状態において弾力性を有し、導体配線の一部が露出される貫通孔を備える樹脂層を孔版印刷にて支持基板に形成する第一の工程と、半導体素子の電極に対し、少なくとも二つの導電部材を形成する第二の工程と、導電部材と導体配線を対向させ、支持基板方向に押圧を加えることにより導電部材と導体配線とを接合させる第三の工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。このような製造方法とすることにより、作業性を向上させることができる。特に、半導体素子の形成工程において導電部材を電極に形成することにより、作業性を向上させることができる。
上述したように、本発明は、同一の支持基板にフリップチップ実装された複数の半導体素子からの放熱を効率よく行うことができ、従来と比較して、発光装置の高輝度化を実現することができる。また、本発明は、硬化状態で柔らかく弾力性を有する部材を、発光素子と支持基板との間に有しており、放熱効果が向上するだけでなく、光取り出し効率が向上する。また、硬化状態で柔らかく弾力性を有する部材を樹脂層として、予め支持基板に成型した後、LEDチップの電極を支持基板の導体配線に接合することにより、従来のように接合した後に樹脂層を形成する場合と比較して作業性が向上する。
同一面側に正負一対の電極を有する半導体素子と、該電極が導電部材を介して対向される導体配線を有する支持基板と、を有する半導体装置において、本発明者は種々の検討の結果、支持基板の主面に垂直な方向から見て、導体配線が、半導体素子の電極の何れか一方の電極に接合する導電部材を有する第一の領域と、該第一の領域の少なくとも一部を包囲し他方の電極に接合する導電部材を有する第二の領域とを有することにより上記課題を解決するに至った。
即ち、半導体素子として半導体発光素子を例にとると、図2に示されるように、支持基板に正負一対の導体配線が施されており、半導体発光素子のp側電極に接合する導電部材を有する正電極の領域と、半導体発光素子のn側電極に接合する導電部材を有する負電極の領域とを有する。さらに、鍵状あるいは櫛状に形成された正電極および負電極の領域は、互いの領域の少なくとも一部を包囲し合っており、正電極の領域内において導電部材が載置されている領域は、負電極の領域内において導電部材が載置されている領域より広い。また、正電極の領域内にて載置されている導電部材は、負電極の領域内において載置されている導電部材より多い。
このように構成することにより、例えば半導体発光素子の発光領域、即ち、p型半導体層の上方により多くのバンプを配置し、発光装置の放熱性を向上させることができる。また、例えば、発光観測面方向から見て半導体発光素子の両隅に負電極側のバンプ、半導体発光素子の中央部付近に正電極側のバンプを分布させたときに、半導体発光素子の内側に籠もりやすい発熱を外部へ効果的に放熱させることができる。さらに、発光素子と支持基板との間に充填される樹脂層により、発光素子と支持基板との間に隙間がなくなり、発光素子から支持基板への放熱性が向上する。
従来、発光素子と支持基板との間に生じた隙間を埋めることを目的として、発光素子を支持基板と接合した後、隙間に樹脂が注入されている。このとき、例えば、発光素子を複数個のバンプにて支持基板に接合したとき、支持基板の主面方向から見て外側のバンプが障害となって、内側の方まで樹脂が注入されず、空間が残ることがある。このように後工程で樹脂を注入すると、隙間を完全に埋めることができず、作業性を低下させる。
そこで、同一面側に正電極および負電極を有する半導体素子と、該電極が導電部材を介して対向される導体配線を有する支持基板と、少なくとも支持基板と半導体素子との間に載置され導電部材を包囲する樹脂層と、を有する半導体装置の製造方法において、本発明者は種々の検討の結果、少なくとも以下の工程を含む形成方法とすることにより、上記課題を解決するに至った。
即ち、A;硬化状態において弾力性を有し、導体配線の一部が露出される貫通孔を備える樹脂層をスクリーン印刷、孔版印刷、メタルマスク法のような方法にて支持基板に形成する第一の工程、B;樹脂層に設けた貫通孔内にて、半導体素子の正電極および負電極の面積に対応するように、少なくとも二つの導電部材を導体配線に形成する第二の工程、C;半導体素子の電極を導電部材と対向させ、支持基板方向に押圧を加えることにより半導体素子の電極と導電部材とを超音波接合方式にて接合させる第三の工程、である。
あるいは、別の実施の形態として、上記構成Bに代えて、b;半導体素子の電極に対し、少なくとも二つの導電部材を形成する工程、上記構成Cに代えて、c;導電部材と導体配線を対向させ、支持基板方向に押圧を加えることにより導電部材と導体配線とを接合させる工程、とを有することを特徴とすることにより上記課題を解決するに至った。半導体素子の電極に対し、少なくとも二つの導電部材を形成する工程は、半導体素子を形成する工程において、蒸着法、スパッタリング法等により行うこともできる。
上述したように、本発明における形成方法では、特に、フリップチップボンディング前に予め孔版印刷にて樹脂層を形成することにより、従来技術と比較して大幅に作業性を向上させることができる。以下、本形態における各構成について詳述する。
[半導体素子]
本発明における半導体素子は、発光素子、受光素子、およびそれらの半導体素子を過電圧による破壊から守る保護素子、あるいはそれらを組み合わせたものとすることができる。ここでは特に、発光素子として、LEDチップについて説明する。LEDチップを構成する半導体発光素子としては、ZnSeやGaNなど種々の半導体を使用したものを挙げることができるが、蛍光物質を使用する場合には、その蛍光物質を効率良く励起できる短波長が発光可能な窒化物半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が好適に挙げられる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。
窒化物半導体を使用した場合、半導体用基板にはサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO等の材料が好適に用いられる。結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成させるためにはサファイア基板を用いることが好ましい。このサファイア基板上にMOCVD法などを用いて窒化物半導体を形成させることができる。サファイア基板上にGaN、AlN、GaAlN等のバッファ層を形成し、その上にpn接合を有する窒化物半導体を形成させる。
窒化物半導体を使用したpn接合を有する発光素子の例として、バッファ層上に、n型窒化ガリウムで形成した第1のコンタクト層、n型窒化アルミニウム・ガリウムで形成させた第1のクラッド層、窒化インジウム・ガリウムで形成した活性層、p型窒化アルミニウム・ガリウムで形成した第2のクラッド層、p型窒化ガリウムで形成した第2のコンタクト層を順に積層させたダブルへテロ構成などが挙げられる。
窒化物半導体は、不純物をドープしない状態でn型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望のn型窒化物半導体を形成させる場合は、n型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。一方、p型窒化物半導体を形成させる場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせる。窒化物半導体は、p型ドーパントをドープしただけではp型化しにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱やプラズマ照射等により低抵抗化させることが好ましい。
p型半導体層には、発光素子に投入された電流をp型半導体層の全面に広げるための拡散電極が設けられる。さらに、拡散電極およびn型半導体層には、バンプや導電性ワイヤのような導電部材と接続するp側台座電極およびn側台座電極がそれぞれ設けられる。
本形態において、発光素子は、p型半導体側の正電極およびn型半導体側の負電極を有し、発光観測面方向から見て、負電極が正電極の間にあるようにそれぞれの電極が交互に配されている。これにより、本発明にかかる導体配線を有する支持基板に対して安定に実装できるだけでなく、電極間を流れる電流が均一になることにより発光素子の発光面からの発光が均一になるため好ましい。また、上記n型半導体は、発光観測面方向から見て、上記導電部材が載置され互いに対向する隅部と、該隅部から半導体素子の内側方向に向かって細くなる括れ部と、互いに対向する括れ部同士を結ぶ延伸部とを有するように露出される。これにより、発光素子の発光に寄与しないn側半導体の領域を減らし、p側半導体の領域を相対的に増やすことで発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。以下、本形態における発光素子について詳細に説明する。
図8および図9は、本形態における半導体発光素子の上面図である。特に、図9は、図8に示される半導体発光素子のp側拡散電極110、およびn型半導体の隅部111にp側台座電極106およびn側台座電極107をそれぞれ形成した状態を示す上面図である。図9に示されるように、半導体発光素子101のp側およびn側台座電極の大きさは、フリップチップ実装時に圧着されたバンプ一個当たりの大きさに対応させ、そのバンプの大きさに対して必要以上に大きくならない最小限の大きさとされる。これにより、バンプに使用される金属が発光素子内部からの光を遮光あるいは吸収することがなくなり、発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。また、p側およびn側台座電極の形状は、ドット状に配置されるバンプに合わせて楕円形状あるいはドット状に配列される。一方、p側およびn側台座電極が形成されていない領域は、発光素子内からの光取り出しを考慮して、拡散電極、p型あるいはn型半導体層が露出させてある。
拡散電極あるいはp側台座電極、およびn側台座電極の形成は、エッチング等の方法によりn型半導体を露出させた後、蒸着法やスパッタリング法により行う。ここで、n型半導体が互いに平行なストライプ状に露出されるように形成し、拡散電極や台座電極を発光素子に形成する。これにより、本発明にかかる導体配線を有する支持基板に対して安定に実装でき、また、電極間を流れる電流が均一になることにより発光素子の発光面からの発光が均一になるため好ましい。
図8に示されるように、発光観測面側から見て、露出されたn型半導体の領域は、発光素子の両隅に隅部111を有する。その隅部111には、n側台座電極107が形成され、互いに対向するように一対設けられる。さらに、隅部111の領域から発光素子の内側方向に向かって徐々に幅が細くなっている括れ部分を有する。さらに、本形態における発光素子は、n側台座電極が形成される一方の隅部における括れ部から、その隅部に対向する他方の隅部における括れ部まで直線状に延びる延伸部112を有している。
また、発光観測面方向から見たとき、p側の拡散電極の幅は、発光素子中央部分において露出されたn型半導体領域の幅より広い。また、n型半導体は、p側拡散電極あるいはp型半導体の間に露出され、その露出されたn型半導体(主に上記延伸部112)およびp側拡散電極110が交互に配されている。したがって、p型半導体層にストライプ状に設けられるp側の拡散電極のストライプ列数は、同じくストライプ状に露出されるn型半導体の領域の列数より多い。このように、本形態にかかる発光素子は、括れ部分および延伸部を有することによりp側の拡散電極の領域面積を大きくすることができ、発光素子に投入される電流を均一に拡散させ、その電流量を増大させることができる。したがって、本形態にかかる発光素子は、発光素子からの放熱性を向上させ、従来と比較して高輝度な発光装置を構成することができる。
一般に、発光素子は、p型半導体層から下層の半導体積層構造における発熱を如何に放熱させるかが素子の放熱性を向上させる上で問題となる。従って、上述したように、p側台座電極に接合するバンプの配置面積を、n側台座電極に接合するバンプの配置面積より大きくするような導体配線とすることにより、発光素子の放熱性を向上させることができる。さらに、発光素子の発光に寄与しないn型半導体の露出領域を減らし、p型半導体の領域およびp側拡散電極の領域を相対的に増やすことで発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。
本形態において、p側およびn側台座電極の材料は、バンプに含有される材料の少なくとも一種を含有することが好ましい。すなわち、バンプがAuを材料とするときは、p側およびn側台座電極の材料、特にバンプとの接合面となる最上層の材料は、AuまたはAuを含む合金とする。例えば、p側およびn側台座電極は、W/Pt/AuやRh/Pt/Auとされ、それぞれの金属の厚みは数百Å〜数千Åである。なお、本明細書中において、記号「A/B」は、金属Aおよび金属Bが順にスパッタリングあるいは蒸着のような方法により積層されることを示す。
また、p型半導体層側全面に形成される拡散電極は、発光素子の出光を発光素子の透光性基板方向へ反射させる材料とすることが好ましい。例えば、Ag、Al、Rh、Rh/Irが挙げられる。その他、p型半導体層の全面にITO(インジウム(In)とスズ(Sn)の複合酸化物)、ZnOのような酸化物導電膜や、Ni/Au等の金属薄膜を透光性電極として形成させることができる。
基板にサファイア等の透光性の絶縁性基板を用いた場合、正負両電極形成後、半導体ウエハから所望の大きさ、形状のチップ状にカットすることで、同一面側に正負両電極が設けられた窒化物半導体チップが得られ、発光素子を形成することができる。
[支持基板]
本形態における支持基板とは、少なくとも発光素子の電極に対向する面に導体配線が施され、フリップチップ実装された発光素子を固定・支持するための部材である。さらに、支持基板をリード電極に導通させるときには、発光素子に対向する面からリード電極に対向する面にかけて導電部材により導体配線が施される。本形態における導体配線は、支持基板に対して、正負一対の配線パターンが絶縁分離されて互いに一方を包囲するように形成される。特に、本形態における導体配線は、支持基板の主面に垂直な方向(即ち、発光装置の発光観測面方向)から見て、発光素子の電極の何れか一方の電極に接合する導電部材を有する第一の領域と、該第一の領域の少なくとも一部を包囲し発光素子の他方の電極に接合する導電部材を有する第二の領域とを有することを特徴とする。例えば、本形態における導体配線は、発光装置の発光観測面方向から見て、発光素子の正電極に接合するバンプを有する正の極性領域と、該正の極性領域の少なくとも一部を包囲し発光素子の負電極に接合するバンプを有する負の極性領域とを有し、正の極性領域内でバンプが載置されている領域は、負の極性領域内で導電部材が載置されている領域より広い。さらに、正の極性領域内におけるバンプの数は、負の極性領域内におけるバンプの数より多い。
導体配線の材料とする金属は、Auや銀白色の金属であるAlなどとされる。反射率の高い銀白色の金属とすることにより、発光素子からの光が支持基板と反対側の方向に反射され、発光装置の光取り出し効率が向上するため好ましい。ここで、導体配線の材料とする金属は、金属相互間の接着性の良さ、いわゆる濡れ性等を考慮して選択されることが好ましい。例えば、Auバンプを介して、Auを含むLEDチップの電極とを超音波ダイボンドにより接合するとき、導体配線は、AuまたはAuを含む合金とする。
支持基板の材料は、発光素子と熱膨張係数がほぼ等しいもの、例えば窒化物半導体発光素子に対して窒化アルミニウムが好ましい。このような材料を使用することにより、支持基板と発光素子との間に発生する熱応力の影響を緩和することができる。あるいは、支持基板の材料は、静電保護素子の機能を備えさせることもでき安価でもあるシリコンが好ましい。
保護素子の機能を備えるサブマウントの一例として、例えば、Siダイオード素子のn型シリコン基板内に選択的に不純物イオンの注入を行うことによりp型半導体領域を形成し、逆方向ブレークダウン電圧が所定の電圧に設定する。このSiダイオード素子のp型半導体領域及びn型シリコン基板(n型半導体領域)の上に、Alよりなるp電極及びn電極が形成され、p電極の一部がボンディングパッドとなり、n電極の一部がボンディングパッドとなる。なお、n電極の一部をボンディングパッドとせずに、n型シリコン基板の下面の上には、パッケージ等の支持基板のリード電極と電気的に接続するためのAuよりなるn電極を形成してもよい。これにより、n電極側はワイヤを用いることなく電気的接続を行うことができる。
保護素子の機能を備えるサブマウントの他の一例として、Siダイオード素子であり、複数のn型半導体領域およびp型半導体領域が一方の主面方向に形成されているサブマウントが挙げられる。さらに、銀白色の金属を材料(例えば、Al、Ag)とする反射膜が上記複数の半導体領域に電気的に接続するように形成される。また、上記反射膜の一部の領域は、金属材料が蒸着あるいはスパッタリングされることにより、電極とすることができる。その電極は、バンプが載置され、あるいは発光素子の電極と直接接合することができる。また、p型半導体領域および反射膜が形成されていないn型半導体領域の一部は、例えば、SiOのような絶縁膜により被覆されている。また、サブマウントは、裏面に、金属材料が蒸着あるいはスパッタリングされた電極を有することができる。
半導体発光素子は、上記保護素子の機能を備えるサブマウントに対してフリップチップ実装される。すなわち、サブマウントのn型半導体領域の電極にAuバンプを載置した後、半導体発光素子のp側台座電極およびn側台座電極が、Auバンプを介して対向される。次に、超音波、熱および荷重を加えることにより、半導体発光素子とサブマウント部材とが電気的および機械的に接続される。サブマウント部材のSiダイオード素子と半導体発光素子の回路構成は、2つのダイオードの直列接続による双方向ダイオードと、半導体発光素子との並列接続となる。これにより、半導体発光素子は、順方向・逆方向の過電圧から保護され、信頼性の高い半導体装置とすることができる。
さらに、支持基板に対し、発光素子の実装に悪影響を与えない箇所に、孔や凹凸形状を設けることが好ましい。このような形状を設けることにより、半導体素子からの熱は支持から効率よく放熱することができる。支持基板の厚さ方向に少なくとも一つ以上の貫通孔を設け、貫通孔の内壁面に導体配線が延材するように形成すると、放熱性がさらに向上するため好ましい。なお、本形態における支持基板の導体配線は、導電性ワイヤを介してリード電極と接続されるが、一方の主面から他方の主面に施された導体配線とリード電極とを接合部材により接続する構成としても構わない。
支持基板に設けた導体配線と半導体素子の電極との接続は、例えばAu、共晶材(Au−Sn、Ag−Sn)、ハンダ(Pb−Sn)、鉛フリーハンダ等の接合部材によって超音波接合を行う。また、導体配線とリード電極とを直接接続する構成とするとき、支持基板の裏面に設けた導電性パターンとリード電極との接続は、例えばAuペースト、Agペースト等の接合部材によって行う。
[導電部材]
本発明において、LEDチップの正負両電極と支持基板の導体配線との接合に使用される導電部材は、正負両電極および導体配線と同一材料を少なくとも一種有するバンプと呼ばれる金属材料である。例えば、超音波ボンディングにおいて一般的に使用されるAuバンプ、Sn−Pb、Auを含む合金、鉛フリー半田等からなるバンプである。ここで、Auのように発光素子からの光を一部吸収するようなバンプを選択したときには、バンプの表面に銀白色のメッキが形成されていることが好ましい。あるいは、バンプ近傍の樹脂層中における拡散剤の濃度を増加させることが好ましい。なお、これらの構成は、発光素子の電極として反射率の高い銀箔色の金属を含む構成としたときには、特に必須でない。また、バンプは、本発明におけるLEDチップの電極に含まれる金属元素であって、樹脂層の貫通孔底部から露出された導体配線にも含まれる金属元素を少なくとも一種含むことが好ましい。このようにすることにより、発光素子の電極、導電部材および導体配線の接合強度が向上するため好ましい。特に、本願発明における導電部材は、支持基板の導体配線に適量設けられることにより、正電極および負電極の何れか一方に接続する導電部材が、支持基板に平行な方向において、他方の電極に接続する導電部材より大きいことが好ましい。例えば、発光素子における活性層上部、即ち、p型半導体層の電極に接合される複数の導電部材は、他の電極に設けられる複数の導電部材と比較して、支持基板の主面に平行な方向から見たとき、一個あたりの大きさが大きくすることが好ましい。このように構成することにより、発光素子からの放熱性を向上させることができる。また、バンプの数を調整すると、LEDチップの正負両電極と支持基板との接合強度が高まり、信頼性の高い発光装置とすることができる。
[樹脂層]
(第一の形態における樹脂層)
本形態における樹脂層は、硬化状態において弾力性を有する部材、例えばシリコーン樹脂により形成される。硬化状態において弾力性を有する部材としては、バンプの数も考慮しながら、半導体素子の電極と導体配線とをバンプを介して接合した際、それらの接合力の方が、収縮した部材の弾性力よりも十分大きく、接合強度の低下を招かない弾力性を有する部材が選択される。
半導体素子の実装前に支持基板に形成した樹脂層は、支持基板におけるバンプ形成箇所から開口方向に広くなる形状(テーパー形状)の貫通孔を少なくとも二つ有し、半導体素子の実装時に導電部材を包囲可能な厚さを有する樹脂層である。該樹脂層の全体の外形は、支持基板の主面方向から見て、直方体型の他、円柱型、多角柱型等いかなる形でもよく、複数の貫通孔が存在している。また、LEDチップ実装前の貫通孔の形状は、円錐状、三角錐状、四角錐状等の多角錐状、等種々の形状とすることができる。
本形態では、硬化状態において弾力性を有する部材として、硬化後の硬度(JIS−A)32、無色透明のシリコーン樹脂が使用されるが、これに限定されない。例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素のようなフィラーを含むシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等が挙げられる。特に、シリコーン樹脂は、発熱量の多い発光素子としたときにも変色や劣化しないため好ましい。樹脂の量は、発光素子の正負両電極と支持基板との間に生じた隙間を埋めることができる量である。シリコーン樹脂は硬化状態において柔らかく弾力性に富むため、樹脂層を成型した後、LEDチップを、その基板側から押さえつけるようにして超音波接合すると、樹脂層は、僅かに変形してLEDチップ表面に密着し、樹脂層は、LEDチップの正負両電極から支持基板間にかけて隙間なく存在する状態に変形する。従って、LEDチップの電極面あるいは側面と樹脂との間に空気がほとんど存在せず、発光素子から出光する光が空気によって複雑に屈折したり、発光素子からの熱が熱伝導率の低い空気を介して放熱したりすることはないため、光取り出し効率が向上し、放熱効果も高まる。従来は、LEDチップを支持基板にダイボンドした後、LEDチップの電極面と支持基板との間に生じた隙間を埋めるためにLEDチップの横方向から溶融状態の樹脂を流し込む作業が必要であったが、完全に隙間無く樹脂を流し込むのは非常に手間のかかる作業であり、作業性を低下させていた。しかし、本発明においては、反射層を支持基板上に樹脂にて予め成型した後、LEDチップをダイボンドすることにより作業性を向上させることができる。
硬化状態において弾力性を有する樹脂層は、孔版印刷、スクリーン印刷、メタルマスク印刷法、フォトレジスト法により形成することができる。その他、種々の形状(円錐状、三角錐状、四角錐状等の逆テーパー形状)を有する成型用型を利用して成型される。特に、複数の発光素子をフリップチップ実装するとき、上記形成方法によれば量産性に優れるため好ましい。
本形態における樹脂層には、発光装置の発光輝度を向上させるために拡散剤を含有させることもできる。樹脂層に含有される拡散剤は、発光素子から放出される光のうち発光観測面側に放出される光の散乱吸収を少なくし、樹脂層側に向かう光を多く散乱させることで発光装置の発光輝度を向上させるものである。このような拡散剤としては、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化バリウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機部材やメラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの有機部材、およびそれらの混合物が好適に用いられる。
同様に、外来光や発光素子からの不要な波長をカットするフィルター効果を持たすために各種着色剤を添加させることもできる。さらに、発光素子からの発光波長によって励起され蛍光を発する蛍光物質を含有させることもできる。また、樹脂の放熱特性を向上させる熱伝導材料として、アルミナ、シリカ等、各種フィラーを含有させることもできる。さらに、樹脂層の熱応力を緩和させるため、さらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム及びそれらの複合混合物等が樹脂層に混入されてもよい。半導体素子、樹脂層を封止部材にて被覆する構成とするとき、樹脂層は、封止部材より熱伝導率が高いことが好ましい。このように構成することにより、半導体素子の発熱は、主に樹脂層を経由して支持基板方向へ放熱する。従って、放熱性の高い半導体装置とすることができる。
(第二の形態における樹脂層)
同一の支持基板に対して複数の発光素子がフリップチップ実装されるとき、発光素子と、その発光素子に隣接する別の発光素子との間に間隙が生じる。仮に、それらの発光素子を波長変換部材にて被覆しようとすると、波長変換部材は、隙間にも入り込み、隙間に存在する蛍光体の量が他の発光素子の周辺と比較して相対的に多くなる。したがって、発光装置は、全方位に渡って色度が均一な発光を観測することができなくなる。
そこで、本形態においては、上記隙間を封止する透光性の樹脂層を形成した後、複数の発光素子の光出射面側を被覆するように波長変換部材を均一な厚みで形成する。これにより、発光素子からの光が照射される波長変換部材自体の厚み(実際には、含有される蛍光体の量)は、発光観測面側において、ほぼ等しくなる。したがって、本形態の発光装置は、発光観測方位によって色度が均一な光学特性に優れた発光装置とすることができる。以下、図面を参照しながら、第二の形態における樹脂層について詳細に説明する。
図10および図11は、本形態にかかる発光装置の一実施例を示す模式的な断面図である。本形態において、フリップチップ実装された発光素子と発光素子との間に生じた間隙は、透光性の樹脂層104aにより封止される。さらに、それらの発光素子の光出射面(例えば、LEDチップの透光性基板面)および樹脂層の上面は、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光体を含有する波長変換部材115により被覆されている。
本形態における樹脂層104aは、樹脂が発光素子とその発光素子に隣接する別の発光素子との間隙に充填され、硬化されることにより形成されることが好ましい。例えば、樹脂の充填方法は、孔版印刷、スクリーン印刷、ポッティングあるいはメタルマスク印刷法などによることができる。あるいは、このような形成方法に限定されることなく、上記隙間に嵌合するように別工程で成型された透光性の部材を樹脂層104aの代わりに配置させてもよい。あるいは、上述したように、フリップチップ実装前に形成する樹脂層104(すなわち、第一の形態における樹脂層)を上記隙間が生じる箇所にも形成し、本形態における樹脂層104aとしても構わない。
本形態における樹脂層の樹脂材料は、上述の第一の形態における樹脂層と同様である。また、発光素子の側面から出射した光を波長変換部材の方向へ拡散させるため、上述の拡散剤を含有させることもできる。また、樹脂層の熱伝導率を向上させるため、上述のフィラーを含有させることもできる。
本形態における樹脂層104aは、図10に示されるように、上記発光素子の少なくとも側面を被覆することが好ましい。このように側面を被覆することにより、波長変換部材115が、その形成工程において発光素子の側面側に入り込むことを防ぐことができる。また、樹脂層104aの上面は、発光素子の上面(例えば、LEDチップの透光性基板面)とほぼ同一平面とすることが好ましい。
さらに、透光性の樹脂層は、上記隙間を封止するだけでなく、さらに発光素子の光出射面となる主面側を均一な厚みで被覆しても構わない。図11は、本形態にかかる発光装置の一実施例を示す模式的な断面図である。図11に示されるように、例えば、発光素子と発光素子の隙間を樹脂層104aにて封止し、それらの発光素子の光出射面、例えばLEDチップの透光性基板面を被覆する樹脂層104bを形成した後、樹脂層104bに対して波長変換部材115を均一な厚みで積層させる。これにより、発光観測方位によって色度が均一な光学特性に優れた発光装置とすることができる。また、発光素子と蛍光体とを樹脂層を介して離間させることにより、発熱による蛍光体の劣化およびその発光輝度低下を抑制し、発光効率の高い発光装置とすることができる。
[封止部材]
本発明において、封止部材は、半導体素子および樹脂層を封止し、半導体素子と樹脂層との隙間を埋め、さらに半導体素子などを外部環境からの外力、塵芥や水分などから保護するために設けることができる。封止部材は、形状を種々変化させることによって発光素子から放出される光の指向特性を種々選択することができる。即ち、封止部材の形状を凸レンズ形状、凹レンズ形状とすることによってレンズ効果をもたすことができる。そのため、所望に応じて、ドーム型、発光観測面側から見て楕円状、立方体、三角柱など種々の形状を選択することができる。
光半導体素子用の具体的封止部材としては、耐光性、透光性に優れたエポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂、シリコーン樹脂などの有機物質や硝子など無機物質を選択することができる。また、封止部材に発光素子からの光を拡散させる目的で酸化アルミニウム、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化珪素などを含有させることもできる。同様に外来光や発光素子からの不要な波長をカットするフィルター効果を持たすために各種着色剤を添加させることもできる。さらに、発光素子からの発光波長によって励起され蛍光を発する蛍光物質を含有させる。また、封止樹脂の内部応力を緩和させる各種フィラーを含有させることもできる。
[異方性導電層]
本形態において、発光素子は、正負一対の電極が設けられた電極形成面側が支持基板の導体配線と対向するように載置され、連続した異方性導電層を介してフリップチップ実装されてもよい。即ち、上述した樹脂層に変えて、該樹脂層と同じ位置に異方性導電層が形成される半導体装置としても構わない。
本発明において異方性導電層は、熱可塑性又は熱硬化性を有する有機物又は無機物からなる接着剤中に、発光素子からの光を効率よく反射することが可能であって、かつ導電性を有する導電粒子が分散されている。具体的導電粒子として、Ni粒子や、プラスチック、シリカ等の粒子表面にNiやAu等からなる金属コートを有するものが挙げられる。本発明において導電粒子の含有量は、前記接着剤に対して0.3vol%以上1.2vol%以下が好ましく、このような異方性導電層は、発光素子を実装する際の加熱及び加圧により容易に層の膜厚方向間において高い導電性を得ることができる。一方、層の面方向では導電粒子の充填量が少ないため導電粒子同士の接触による隣接電極間の短絡が発生せず高い絶縁性を維持することができる。より好ましくは、異方性導電層において1mm当たりの粒子数が3500個以上5000個以下であると、各電極間のピッチが狭い小型発光素子を信頼性高く基面上の外部電極と微細接続することができる。更に、異方性導電層にて発光素子からの光を効率よく反射散乱させることができる。
本形態において、上記異方性導電層は、それぞれ対向した発光素子表面と導体配線との間を密閉していると共に、発光素子の側方端面の一部を直接被覆している。これにより、発光素子から発光される光の一部を異方性導電層中に取り込み、上記異方性導電層中の導電粒子にて反射散乱し、発光装置の正面方向へ光を取り出すことができる。また、LEDチップの電極面と導体配線との間には異方性導電層の存在により、隙間が全く存在せず、光取り出し効率が向上し、放熱効果も高まる。
本発明の一実施例における発光装置の形成方法として、液状の異方性導電層材料が、外部電極表面に予め形成したバンプを適度に覆い、かつチップの大きさ程度に広がる状態にした後に超音波接合を行う方法をとる。このような形成方法とすると、チップの電極面と外部電極表面は、異方性導電層に含まれる接着剤、およびバンプの両方を介して接合されるため、その接合強度が倍増する。更には、所望の形状に電極を折り曲げる工程を行う際に発光装置全体に外力が加わった場合であっても、弾力性に富んだ樹脂を含む異方性導電層にて応力が緩和され上記接合を保持することができるので、信頼性の高い発光装置とすることが可能である。
[蛍光体]
本発明では、半導体素子として発光素子を使用した場合、発光素子の半導体素子構造中、発光素子を被覆する封止部材、発光素子がフリップチップ実装されたサブマウントを他の支持体に固着させるダイボンド材、発光素子と支持基板の周囲に設けられる上述した樹脂層、サブマウントおよびパッケージのような支持基体など、各構成部材中および/または各構成部材の周辺に無機蛍光体や有機蛍光体のような種々の蛍光物質を配置または含有させることができる。特に、封止部材と組み合わされる蛍光物質は、封止部材の発光観測面側表面を被覆するようにシート状に設けられる他、封止部材の発光観測面側表面および発光素子から離間させた位置に、蛍光体を含む層、シート、キャップあるいはフィルターとして封止部材の内部に設けることもできる。また、フリップチップ実装された発光素子を被覆するように形成される波長変換部材は、蛍光体を含む結着材を材料として、メタルマスクやスクリーン版によるスクリーン印刷や孔版印刷により形成されることが好ましい。このように形成することにより、発光素子の周囲に均一な膜厚を有する波長変換部材を形成することが容易にできる。
本願発明に利用可能な蛍光体は、発光素子から放出される可視光や紫外光の一部を吸収し、その吸収した光の波長と異なる波長を有する光を発光するものである。特に、本形態に用いられる蛍光体は、少なくとも発光素子から発光された光によって励起され、波長変換した光を発光する蛍光体をいい、該蛍光体を固着させる結着剤とともに波長変換部材を構成する。結着剤としては、例えば、エポキシ樹脂のような透光性樹脂や、耐光性の高いシリコーン樹脂や金属アルコキシドを出発原料としてゾルゲル法により生成される透光性無機材料とすることもできる。
発光素子からの光と、蛍光体が発光した光が補色関係などにある場合、それぞれの光を混色させることで白色系の混色光を発光することができる。具体的には、発光素子からの光と、それによって励起され発光する蛍光体の光がそれぞれ光の3原色(赤色系、緑色系、青色系)に相当する場合や発光素子が発光した青色系の光と、それによって励起され発光する蛍光体の黄色系の光が挙げられる。
発光装置の発光色は、蛍光体と、蛍光体の結着剤として働く各種樹脂やガラス等の無機部材との比率、蛍光体の比重、蛍光体の量および形状などを種々調整すること、及び発光素子の発光波長を選択することにより、混色光の色温度を変化させ電球色領域の光など任意の白色系の色調を提供させることができる。発光装置の外部には、発光素子からの光と蛍光体からの光がモールド部材を効率よく透過することが好ましい。
このような蛍光体は、気相や液相中で自重によって沈降するため、気相や液相中に分散させ均一に放出させ、特に液相中においては懸濁液を静置させることで、より均一性の高い蛍光体を持つ層を形成させることができる。さらに、所望に応じて複数回繰り返すことにより所望の蛍光体量を形成することができる。
以上のようにして形成される蛍光体は、発光装置の表面上において一層からなる波長変換部材中に二種類以上存在してもよいし、二層からなる波長変換部材中にそれぞれ一種類あるいは二種類以上存在してもよい。このようにすると、異なる種類の蛍光体からの光の混色による白色光が得られる。この場合、各蛍光物質から発光される光をより良く混色しかつ色ムラを減少させるために、各蛍光体の平均粒径及び形状は類似していることが好ましい。
ここで、本明細書中における蛍光体の粒径とは、体積基準粒度分布曲線により得られる値であり、体積基準粒度分布曲線は、レーザ回折・散乱法により蛍光体の粒度分布を測定し得られるものである。具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、濃度が0.05%であるヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に蛍光体を分散させ、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000A)により、粒径範囲0.03μm〜700μmにて測定し得られたものである。
本実施の形態において使用される蛍光体は、YAG系蛍光体に代表されるアルミニウム・ガーネット系蛍光体と、赤色系の光を発光可能な蛍光体、特に窒化物系蛍光体とを組み合わせたものを使用することもできる。これらのYAG系蛍光体および窒化物系蛍光体は、混合して波長変換部材中に含有させてもよいし、複数の層から構成される波長変換部材中に別々に含有させてもよい。以下、それぞれの蛍光体について詳細に説明していく。
(アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
本実施の形態に用いられるアルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、Alを含み、かつY、Lu、Sc、La、Gd、Tb、Eu及びSmから選択された少なくとも一つの元素と、Ga及びInから選択された一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体であり、LEDチップから発光された可視光や紫外線で励起されて発光する蛍光体である。
例えば、YAlO:Ce、YAl12:Ce、YAl:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、Tb2.95Ce0.05Al12、Y2.90Ce0.05Tb0.05Al12、Y2.94Ce0.05Pr0.01Al12、Y2.90Ce0.05Pr0.05Al12等が挙げられる。さらに、本実施の形態において、特にYを含み、かつCeあるいはPrで付活され組成の異なる二種類以上のイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「YAG系蛍光体」と呼ぶ。))が利用される。特に、高輝度且つ長時間の使用時においては(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce(0≦x<1、0≦y≦1、但し、Reは、Y,Gd,Laからなる群より選択される少なくとも一種の元素である。)などが好ましい。
(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体は、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起スペクトルのピークが470nm付近などにさせることができる。また、発光ピークも530nm付近にあり720nmまで裾を引くブロードな発光スペクトルを持たせることができる。
本発明の発光装置において、蛍光体は、2種類以上の蛍光体を混合させてもよい。即ち、上述したYAG系蛍光体について言えば、Al、Ga、Y、La及びGdやSmの含有量が異なる2種類以上の(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体を混合させてRGBの波長成分を増やすことができる。また、現在のところ半導体発光素子の発光波長には、バラツキが生ずるものがあるため2種類以上の蛍光体を混合調整させて所望の白色系の混色光などを得ることができる。具体的には、発光素子の発光波長に合わせて色度点の異なる蛍光体の量を調整し含有させることでその蛍光体間と発光素子で結ばれる色度図上の任意の点を発光させることができる。
発光層に窒化物系化合物半導体を用いた発光素子から発光した青色系の光と、青色光を吸収させるためボディーカラーが黄色である蛍光体から発光する緑色系の光と、赤色系の光とを混色表示させると所望の白色系発光色表示を行うことができる。本形態にかかる発光装置は、この混色光を発光させるため、蛍光体の粉体やバルクをエポキシ樹脂、アクリル樹脂或いはシリコーン樹脂などの各種樹脂や酸化珪素、酸化アルミニウムなどの透光性無機物中に含有させることもできる。このように蛍光体が含有されたものは、発光素子からの光が透過する程度に薄く形成させたドット状のものや層状ものなど用途に応じて種々用いることができる。蛍光体と透光性無機物との比率や塗布、充填量を種々調整すること及び発光素子の発光波長を選択することにより白色を含め電球色など任意の色調を提供させることができる。
また、2種類以上の蛍光体をそれぞれ発光素子からの入射光に対して順に配置させることによって効率よく発光可能な発光装置とすることができる。即ち、反射部材を有する発光素子上には、長波長側に吸収波長があり長波長に発光可能な蛍光体が含有された色変換部材と、それよりも長波長側に吸収波長がありより長波長に発光可能な色変換部材とを積層などさせることで反射光を有効利用することができる。
YAG系蛍光体を使用すると、放射照度として(Ee)=0.1W・cm−2以上1000W・cm−2以下の発光素子と接する或いは近接して配置された場合においても高効率に十分な耐光性を有する発光装置とすることができる。
本実施の形態に用いられるセリウムで付活された緑色系が発光可能なYAG系蛍光体では、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpも510nm付近にあり700nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。一方、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体である赤色系が発光可能なYAG系蛍光体でも、ガーネット構造であり熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpが600nm付近にあり750nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。
ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで発光スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、発光スペクトルが長波長側へシフトする。このように組成を変化することで発光色を連続的に調節することが可能である。したがって、長波長側の強度がGdの組成比で連続的に変えられるなど窒化物半導体の青色系発光を利用して白色系発光に変換するための理想条件を備えている。Yの置換が2割未満では、緑色成分が大きく赤色成分が少なくなり、8割以上では、赤み成分が増えるものの輝度が急激に低下する。また、励起吸収スペクトルについても同様に、ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで励起吸収スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、励起吸収スペクトルが長波長側へシフトする。YAG系蛍光体の励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長より短波長側にあることが好ましい。このように構成すると、発光素子に投入する電流を増加させた場合、励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長にほぼ一致するため、蛍光体の励起効率を低下させることなく、色度ズレの発生を抑えた発光装置を形成することができる。
アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、以下のような方法で製造することができる。まず、蛍光体は、Y、Gd、Ce、La、Al、Sm、Pr、Tb及びGaの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ce、La、Sm、Pr、Tbの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450°Cの温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得、次に焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通すことで得ることができる。また、別の実施の形態の蛍光体の製造方法では、蛍光体の原料を混合した混合原料とフラックスからなる混合物を、大気中又は弱還元雰囲気中にて行う第一焼成工程と、還元雰囲気中にて行う第二焼成工程とからなる、二段階で焼成することが好ましい。ここで、弱還元雰囲気とは、混合原料から所望の蛍光体を形成する反応過程において必要な酸素量は少なくとも含むように設定された弱い還元雰囲気のことをいい、この弱還元雰囲気中において所望とする蛍光体の構造形成が完了するまで第一焼成工程を行うことにより、蛍光体の黒変を防止し、かつ光の吸収効率の低下を防止できる。また、第二焼成工程における還元雰囲気とは、弱還元雰囲気より強い還元雰囲気をいう。このように二段階で焼成すると、励起波長の吸収効率の高い蛍光体が得られる。従って、このように形成された蛍光体にて発光装置を形成した場合に、所望とする色調を得るために必要な蛍光体量を減らすことができ、光取り出し効率の高い発光装置を形成することができる。
組成の異なる2種類以上のセリウムで付活されたアルミニウム・ガーネット系蛍光体は、混合させて用いても良いし、それぞれ独立して配置させても良い。蛍光体をそれぞれ独立して配置させる場合、発光素子から光をより短波長側で吸収発光しやすい蛍光体、それよりも長波長側で吸収発光しやすい蛍光体の順に配置させることが好ましい。これによって効率よく吸収及び発光させることができる。
(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、一般式(Lu1−a−b(Al1−cGa12(但し、RはCeを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素である。MはSc、Y、La、Gdから選択される少なくとも1種の元素であり、0.0001≦a≦0.5、0≦b≦0.5、0.0001≦a+b<1、0≦c≦0.8である。)で表される蛍光体である。例えば、組成式が(Lu0.99Ce0.01Al12、(Lu0.90Ce0.10Al12、(Lu0.99Ce0.01(Al0.5Ga0.512で表される蛍光体である。
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「LAG系蛍光体」と呼ぶことがある。)は、次のようにして得られる。蛍光体原料として、ルテチウム化合物、希土類元素Rの化合物、希土類元素Mの化合物、アルミニウム化合物及びガリウム化合物を用い、各化合物について上記一般式の割合になるように秤取し、混合するか、又はこれら蛍光体原料にフラックスを加えて混合し、原料混合物を得る。この原料混合物をルツボに充填後、還元性雰囲気中、1200〜1600℃で焼成し、冷却後、分散処理することにより、上記一般式で表される本発明の蛍光体を得る。
蛍光体原料として、酸化物又は熱分解により酸化物となる炭酸塩、水酸化物等の化合物が好ましく用いられる。また、蛍光体原料として、蛍光体を構成する各金属元素を全部又は一部含む共沈物を用いることもできる。例えば、これらの元素を含む水溶液にアルカリ、炭酸塩等の水溶液を加えると共沈物が得られるが、これを乾燥又は熱分解して用いることができる。また、フラックスとしてはフッ化物、ホウ酸塩等が好ましく、蛍光体原料100重量部に対し0.01〜1.0重量部の範囲で添加する。焼成雰囲気は、付活剤のセリウムが酸化されない還元性雰囲気が好ましい。水素濃度が3.0体積%以下の水素・窒素の混合ガス雰囲気がより好ましい。焼成温度は1200〜1600℃が好ましく、目的の中心粒径の蛍光体を得ることができる。より好ましくは1300〜1500℃である。
上記一般式において、Rは付活剤であり、Ceを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素であって、具体的には、Ce、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lrである。RはCeのみでもよいが、CeとCe以外の希土類元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素とを含んでいてもよい。Ce以外の希土類元素は、共付活剤として作用するためである。ここで、Rには、CeがR全量に対し70mol%以上含有されていることが好ましい。a値(R量)は、0.0001≦a≦0.5が好ましく、0.0001未満では発光輝度が低下し、0.5を越えても濃度消光によって発光輝度が低下する。より好ましくは、0.001≦a≦0.4、さらに好ましくは、0.005≦a≦0.2である。b値(M量)は、0≦b≦0.5が好ましく、より好ましくは0≦b≦0.4であり、さらに好ましくは0≦b≦0.3である。例えば、MがYの場合、b値が0.5を越えると長波長紫外線〜短波長可視光、特に360〜410nm励起による発光輝度が非常に低下してしまう。c値(Ga量)は、0≦c≦0.8が好ましく、より好ましくは0≦c≦0.5であり、さらに好ましくは0≦c≦0.3である。c値が0.8を越えると発光波長は短波長にシフトし、発光輝度が低下する。
LAG系蛍光体の中心粒径は1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜50μmの範囲であり、さらに好ましくは5〜15μmの範囲である。1μmより小さい蛍光体は、凝集体を形成しやすい傾向にある。これに対し、5〜50μmの粒径範囲の蛍光体は、光の吸収率及び変換効率が高く、光変換部材も形成しやすい。このように、光学的に優れた特徴を有する粒径の大きな蛍光体を含有させることにより、発光装置の量産性も向上する。また、上記中心粒径値を有する蛍光体が頻度高く含有されていることが好ましく、頻度値は20%〜50%が好ましい。このように粒径のバラツキが小さい蛍光体を用いることにより、より色ムラが抑制され良好な色調を有する発光装置が得られる。
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体は300nm〜550nmの波長域の紫外線又は可視光により効率よく励起され発光することから、光変換部材に含有される蛍光体として有効に利用することができる。さらに、組成式の異なる複数種のLAG系蛍光体、又はLAG系蛍光体を他の蛍光体とともに用いることにより、発光装置の発光色を種々変化させることができる。半導体発光素子からの青色系の発光と、該発光を吸収し黄色系の発光する蛍光体からの発光との混色により、白色系の混色光を発光する従来の発光装置は、発光素子からの光の一部を透過させて利用するため、構造自体を簡略化できると共に出力向上を行いやすいという利点がある。その一方、上記発光装置は、2色の混色による発光であるため、演色性が十分でなく、改良が求められている。そこで、LAG系蛍光体を利用して白色系の混色光を発する発光装置は、従来の発光装置と比較してその演色性を向上させることができる。また、LAG系蛍光体は、YAG系蛍光体と比較して温度特性に優れるため、劣化、色ずれの少ない発光装置を得ることができる。
(窒化物系蛍光体)
本発明で使用される蛍光体は、Nを含み、かつBe、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnから選択された少なくとも一つの元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfから選択された少なくとも一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された窒化物系蛍光体も利用することができる。また、本実施の形態に用いられる窒化物系蛍光体としては、LEDチップから発光された可視光、紫外線、及びYAG系蛍光体からの発光を吸収することによって励起され発光する蛍光体をいう。例えば、SrSi:Eu,Pr、BaSi:Eu,Pr、MgSi:Eu,Pr、ZnSi:Eu,Pr、SrSi10:Eu,Pr、BaSi10:Eu,Ce、MgSi10:Eu,Ce、ZnSi10:Eu,Ce、SrGe:Eu,Ce、BaGe:Eu,Pr、MgGe:Eu,Pr、ZnGe:Eu,Pr、SrGe10:Eu,Ce、BaGe10:Eu,Pr、MgGe10:Eu,Pr、ZnGe10:Eu,Ce、Sr1.8Ca0.2Si:Eu,Pr、Ba1.8Ca0.2Si:Eu,Ce、Mg1.8Ca0.2Si:Eu,Pr、Zn1.8Ca0.2Si:Eu,Ce、Sr0.8Ca0.2Si10:Eu,La、Ba0.8Ca0.2Si10:Eu,La、Mg0.8Ca0.2Si10:Eu,Nd、Zn0.8Ca0.2Si10:Eu,Nd、Sr0.8Ca0.2Ge10:Eu,Tb、Ba0.8Ca0.2Ge10:Eu,Tb、Mg0.8Ca0.2Ge10:Eu,Pr、Zn0.8Ca0.2Ge10:Eu,Pr、Sr0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Pr、Ba0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Pr、Mg0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Y、Zn0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Y、SrSi:Pr、BaSi:Pr、SrSi:Tb、BaGe10:Ceなどが挙げられるがこれに限定されない。窒化物蛍光体に含有される希土類元素は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luのうち少なくとも1種以上が含有されていることが好ましいが、Sc、Sm、Tm、Ybが含有されていてもよい。これらの希土類元素は、単体の他、酸化物、イミド、アミド等の状態で原料中に混合する。希土類元素は、主に安定な3価の電子配置を有するが、Yb、Sm等は2価、Ce、Pr、Tb等は4価の電子配置を有する。酸化物の希土類元素を用いた場合、酸素の関与が蛍光体の発光特性に影響を及ぼす。つまり酸素を含有することにより発光輝度の低下を生じる場合もある。その反面、残光を短くするなどの利点もある。但し、Mnを用いると粒径を大きくすることができ、発光輝度の向上を図ることができる。
例えば、共付活剤としてLaを使用する。酸化ランタン(La)は、白色の結晶で、空気中に放置すると速やかに炭酸塩に代わるため、不活性ガス雰囲気中で保存する。
例えば、共付活剤としてPrを使用する。酸化プラセオジム(Pr11)は、通常の希土類酸化物Zと異なり、非化学量論的酸化物で、プラセオジムのシュウ酸塩、水酸化物、炭酸塩などを空気中で焼く800℃に加熱するとPr11の組成をもつ黒色の粉体として得られる。Pr11はプラセオジム化合物合成の出発物質となり、高純度のものも市販されている。
特に本発明に係る蛍光体は、Mnが添加されたSr−Ca−Si−N:Eu、Ca−Si−N:Eu、Sr−Si−N:Eu、Sr−Ca−Si−O−N:Eu、Ca−Si−O−N:Eu、Sr−Si−O−N:Eu系シリコーンナイトライドである。この蛍光体の基本構成元素は、一般式LSi(2/3X+4/3Y):Eu若しくはLSi(2/3X+4/3Y−2/3Z):Eu(Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれか。)で表される。一般式中、X及びYは、X=2、Y=5又は、X=1、Y=7であることが好ましいが、任意のものも使用できる。具体的には、基本構成元素は、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Eu、SrSi:Eu、CaSi:Eu、SrCa1−XSi10:Eu、SrSi10:Eu、CaSi10:Euで表される蛍光体を使用することが好ましいが、この蛍光体の組成中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれかである。SrとCaは、所望により配合比を変えることができる。蛍光体の組成にSiを用いることにより安価で結晶性の良好な蛍光体を提供することができる。
発光中心に希土類元素であるユウロピウムEuを用いる。すなわち、本蛍光体は、母体のアルカリ土類金属系窒化ケイ素に対して、Eu2+を付活剤として用いる。たとえば、ユウロピウム単体、窒化ユウロピウムを用いることが好ましい。但し、Mnを添加した場合は、その限りではない。
添加物であるMnは、Eu2+の拡散を促進し、発光輝度、エネルギー効率、量子効率等の発光効率の向上を図る。Mnは、原料中に含有させるか、又は、製造工程中にMn単体若しくはMn化合物を含有させ、原料と共に焼成する。
蛍光体には、基本構成元素中に、若しくは、基本構成元素とともに、Mg、Ga,In,Li、Na,K、Re、Mo、Fe,Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。これらの元素は、粒径を大きくしたり、発光輝度を高めたりする等の作用を有している。また、B、Al、Mg、Cr及びNiは、残光を抑えることができるという作用を有している。
このような窒化物系蛍光体は、発光素子によって発光された光の一部を吸収して黄から赤色領域の光を発光する。窒化物系蛍光体をYAG系蛍光体と共に使用して、発光素子により発光された光と、窒化物系蛍光体による黄色から赤色光とが混色により暖色系の白色系の混色光を発光する発光装置を提供する。窒化物系蛍光体の他に加える蛍光体には、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質が含有されていることが好ましい。前記イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質を含有することにより、所望の色度に調節することができるからである。セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質は、発光素子光の一部を吸収して黄色領域の光を発光する。ここで、発光素子により発光された光と、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の黄色光とが混色により白色系の混色光を発する。従って、このイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と赤色発光する蛍光体とを、透光性を有するコーティング部材中に一緒に混合し、発光素子により発光された青色光とを組み合わせることにより白色系の混色光を発光する発光装置を提供することができる。特に好ましいのは、色度が色度図における黒体放射の軌跡上に位置する白色系の発光装置である。但し、所望の色温度の発光装置を提供するため、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の蛍光体量と、赤色発光の蛍光体量を適宜変更することもできる。この白色系の混色光を発光する発光装置は、特殊演色評価数R9の改善を図っている。従来の青色発光素子とセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質との組合せのみの白色系発光装置は、色温度Tcp=4600K付近において特殊演色評価数R9がほぼ0に近く、赤み成分が不足していた。そのため特殊演色評価数R9を高めることが解決課題となっていたが、本発明において赤色発光の蛍光体をイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と共に用いることにより、色温度Tcp=4600K付近において特殊演色評価数R9を40付近まで高めることができる。
次に、本発明に係る蛍光体((SrCa1−XSi:Eu)の製造方法を説明するが、本製造方法に限定されない。上記蛍光体には、Mn、Oが含有されている。
原料のSr、Caを粉砕する。原料のSr、Caは、単体を使用することが好ましいが、イミド化合物、アミド化合物などの化合物を使用することもできる。また原料Sr、Caには、B、Al、Cu、Mg、Mn、MnO、Mn、Alなどを含有するものでもよい。原料のSr、Caは、アルゴン雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。粉砕により得られたSr、Caは、平均粒径が約0.1μmから15μmであることが好ましい。Sr、Caの純度は、2N以上であることが好ましい。より混合状態を良くするため、金属Ca、金属Sr、金属Euのうち少なくとも1以上を合金状態としたのち、窒化し、粉砕後、原料として用いることもできる。
原料のSiを粉砕する。原料のSiは、単体を使用することが好ましいが、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。例えば、Si、Si(NH、MgSiなどである。原料のSiの純度は、3N以上のものが好ましいが、Al、Mg、金属ホウ化物(CoB、NiB、CrB)、酸化マンガン、HBO、B、CuO、CuOなどの化合物が含有されていてもよい。Siも、原料のSr、Caと同様に、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。Si化合物の平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
次に、Sr、Caを、窒素雰囲気中で窒化する。Sr、Caは、混合して窒化しても良いし、それぞれ個々に窒化しても良い。これにより、Sr、Caの窒化物を得ることができる。また、原料のSiを、窒素雰囲気中で窒化して、窒化ケイ素を得る。
Sr、Ca若しくはSr−Caの窒化物を粉砕する。Sr、Ca、Sr−Caの窒化物を、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。
同様に、Siの窒化物、Euの化合物Euを粉砕する。Euの化合物として、酸化ユウロピウムを使用するが、金属ユウロピウム、窒化ユウロピウムなども使用可能である。このほか、原料のZは、イミド化合物、アミド化合物を用いることもできる。粉砕後のアルカリ土類金属の窒化物、窒化ケイ素及び酸化ユウロピウムの平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
上記原料中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。また、Mg、Zn、B等の上記元素を以下の混合工程において、配合量を調節して混合することもできる。これらの化合物は、単独で原料中に添加することもできるが、通常、化合物の形態で添加される。この種の化合物には、HBO、Cu、MgCl、MgO・CaO、Al、金属ホウ化物(CrB、Mg、AlB、MnB)、B、CuO、CuOなどがある。
上記粉砕を行った後、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euを混合し、Mnを添加する。これらの混合物は、酸化されやすいため、Ar雰囲気中、又は、窒素雰囲気中、グローブボックス内で、混合を行う。
最後に、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euの混合物をアンモニア雰囲気中で、焼成する。焼成により、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Euで表される蛍光体を得ることができる。ただし、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする蛍光体の組成を変更することができる。
焼成は、管状炉、小型炉、高周波炉、メタル炉などを使用することができる。焼成温度は、1200から1700℃の範囲で焼成を行うことができるが、1400から1700℃の焼成温度が好ましい。焼成は、徐々に昇温を行い1200から1500℃で数時間焼成を行う一段階焼成を使用することが好ましいが、800から1000℃で一段階目の焼成を行い、徐々に加熱して1200から1500℃で二段階目の焼成を行う二段階焼成(多段階焼成)を使用することもできる。蛍光体の原料は、窒化ホウ素(BN)材質のるつぼ、ボートを用いて焼成を行うことが好ましい。窒化ホウ素材質のるつぼの他に、アルミナ(Al)材質のるつぼを使用することもできる。
以上の製造方法を使用することにより、目的とする蛍光体を得ることが可能である。本発明の実施例において、赤みを帯びた光を発光する蛍光体として、特に窒化物系蛍光体を使用するが、本発明においては、上述したYAG系蛍光体と赤色系の光を発光可能な蛍光体とを備える発光装置とすることも可能である。このような赤色系の光を発光可能な蛍光体は、波長が400〜600nmの光によって励起されて発光する蛍光体であり、例えば、YS:Eu、LaS:Eu、CaS:Eu、SrS:Eu、ZnS:Mn、ZnCdS:Ag,Al、ZnCdS:Cu,Al等が挙げられる。このようにYAG系蛍光体とともに赤色系の光を発光可能な蛍光体を使用することにより発光装置の演色性を向上させることが可能である。
以上のようにして形成されるアルミニウム・ガーネット系蛍光体、および窒化物系蛍光体に代表される赤色系の光を発光可能な蛍光体は、発光素子の周辺において一層からなる波長変換部材中に二種類以上存在してもよいし、二層からなる波長変換部材中にそれぞれ一種類あるいは二種類以上存在してもよい。このような構成にすると、異なる種類の蛍光体からの光の混色による混色光が得られる。この場合、各蛍光物質から発光される光をより良く混色しかつ色ムラを減少させるために、各蛍光体の平均粒径及び形状は類似していることが好ましい。また、窒化物系蛍光体は、YAG系蛍光体により波長変換された光の一部を吸収してしまうことを考慮して、窒化系蛍光体がYAG系蛍光体より発光素子に近い位置に配置されるように波長変換部材を形成することが好ましい。このように構成することによって、YAG蛍光体により波長変換された光の一部が窒化物系蛍光体に吸収されてしまうことがなくなり、YAG系蛍光体と窒化物系蛍光体とを混合して含有させた場合と比較して、混色光の演色性を向上させることができる。
(アルカリ土類金属珪酸塩)
本実施の形態における発光装置は、発光素子が発光した光の一部を吸収し、その吸収した光の波長と異なる波長を有する光を発光する蛍光体として、ユウロピウムで付活されたアルカリ土類金属珪酸塩を有することもできる。アルカリ土類金属珪酸塩は、青色領域の光を励起光とし、暖色系の混色光を発光する発光装置とすることができる。該アルカリ土類金属珪酸塩は、以下のような一般式で表されるアルカリ土類金属オルト珪酸塩が好ましい。
(2−x−y)SrO・x(Ba,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
(2−x−y)BaO・x(Sr,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0.01<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
ここで、好ましくは、a、b、cおよびdの値のうち、少なくとも一つが0.01より大きい。
本実施の形態における発光装置は、アルカリ土類金属塩からなる蛍光体として、上述したアルカリ土類金属珪酸塩の他、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、または次式で示されるアルカリ土類金属−マグネシウム−二珪酸塩を有することもできる。
Me(3−x−y)MgSi:xEu,yMn(式中、0.005<x<0.5、0.005<y<0.5、Meは、Baおよび/またはSrおよび/またはCaを示す。)
次に、本実施の形態におけるアルカリ土類金属珪酸塩からなる蛍光体の製造工程を説明する。
アルカリ土類金属珪酸塩の製造のために、選択した組成に応じて出発物質アルカリ土類金属炭酸塩、二酸化珪素ならびに酸化ユウロピウムの化学量論的量を密に混合し、かつ、蛍光体の製造に常用の固体反応で、還元性雰囲気のもと、温度1100℃および1400℃で所望の蛍光体に変換する。この際、0.2モル未満の塩化アンモニウムまたは他のハロゲン化物を添加することが好ましい。また、必要に応じて珪素の一部をゲルマニウム、ホウ素、アルミニウム、リンで置換することもできるし、ユウロピウムの一部をマンガンで置換することもできる。
上述したような蛍光体、即ち、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、YS:Eu3+の一つまたはこれらの蛍光体を組み合わせることによって、以下の表に実施例として示されるように、所望の色温度を有する発光色および高い色再現性を得ることができる。
Figure 2005109434
(その他の蛍光体)
本実施の形態において、蛍光体として紫外から可視領域の光により励起されて発光する蛍光体も用いることができ、具体例として、以下の蛍光体が挙げられる。
(1)Eu、MnまたはEuとMnで付活されたアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体;例えば、M(PO(Cl、Br):Eu(但し、MはSr、Ca、Ba、Mgから選択される少なくとも一種)、Ca10(POClBr:Mn,Euなどの蛍光体。
(2)Eu、MnまたはEuとMnで付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体;例えば、BaMgAl1627:Eu、BaMgAl1627:Eu,Mn、SrAl1425:Eu、SrAl:Eu、CaAl:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mnなどの蛍光体。
(3)Euで付活された希土類酸硫化物蛍光体;例えば、LaS:Eu、YS:Eu、GdS:Euなどの蛍光体。
(4)(Zn、Cd)S:Cu、ZnGeO:Mn、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、MgAs11:Mn、(Mg、Ca、Sr、Ba)Ga:Eu、Ca10(POFCl:Sb,Mn、や(5)Euで付活された有機錯体蛍光体。
また、これらの蛍光体は、一層からなる波長変換部材中に単独で用いても良いし、混合して用いてもよい。さらに、二層以上が積層されてなる波長変換部材中にそれぞれ単独で用いても良いし、混合して用いてもよい。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されるものではない。
図1は、本実施例にかかる半導体装置について、図3のX−Xにおける模式的な断面図である。図2は、本実施例にかかる支持基板に導体配線を施した状態を示す模式的な上面図である。図3は、本実施例にかかる支持基板に発光素子をフリップチップボンディングした状態を示す模式的な上面図である。なお、図3は発光素子を発光観測面側から見た状態を示しており、p側台座電極106、n側台座電極107およびバンプ105が透光性基板から透けて見えている。さらに、図4は、実施例における発光装置の回路構成を模式的に示す。
本実施例における発光装置100は、2つの半導体発光素子101が同一のサブマウント103にバンプ105により、フリップチップ実装されてなる。本実施例における発光素子は、活性層として単色性発光ピークが可視光である475nmのIn0.2Ga0.8N半導体を有する窒化物半導体素子を用いる。より詳細に説明すると、発光素子であるLEDチップは、洗浄させたサファイア基板上にTMG(トリメチルガリウム)ガス、TMI(トリメチルインジウム)ガス、窒素ガス及びドーパントガスをキャリアガスと共に流し、MOCVD法で窒化物半導体を成膜させることにより形成させることができる。ドーパントガスとしてSiHとCpMgを切り替えることによってn型窒化物半導体やp型窒化物半導体となる層を形成させる。
本実施例のLEDチップの素子構造としては透光性基板であるサファイア基板上に、アンドープの窒化物半導体であるGaN層、Siドープのn型電極が形成されたn型コンタクト層となるn型GaN層、アンドープの窒化物半導体であるGaN層を積層させ、さらに、バリア層となるGaN層、井戸層となるInGaN層を1セットとして5セット積層して最後にバリア層となるGaN層を積層させて活性層とし、該活性層は多重量子井戸構造としてある。さらに、活性層上にはMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるp型GaN層を順次積層させた構成としてある。(なお、サファイア基板上には低温でGaN層を形成させバッファ層とさせてある。また、p型半導体は、成膜後400℃以上でアニールさせてある。)
エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、p型コンタクト層およびn型コンタクト層の各表面を露出させる。次に、p型コンタクト層上にRh、Irを材料とするスパッタリングを順に行い、拡散電極110がストライプ状に露出されたp型コンタクト層のほぼ全面に設けられる。このような電極とすることにより、拡散電極110を流れる電流がp型コンタクト層の広範囲に広がるようにし、およびLEDチップの発光効率を向上させることができる。また、発光素子からの光が全面の電極にて反射されサファイア基板の方向から出射されるため、フリップチップ実装された発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。
さらに、W、Pt、Auを材料とするスパッタリングを順に行い、拡散電極110およびn型コンタクト層の一部に対し、積層させp側台座電極とn側台座電極を同時に形成させる。ここで、p側台座電極とn側台座電極を同時に形成させることで、電極を形成するための工程数を減らすことができる。本実施例において、n型台座電極のバンプ接合位置は、短冊状のn型台座電極の両隅であり、LEDチップの両隅である。また、エッチングにより露出されたn型半導体層は、図8に示されるように、発光観測面側の上面方向からみて、n型台座電極107が形成される隅部111の位置から発光素子の中央方向に向かって細くなった括れ部分113を有する。また、互いに対向する一対の括れ部分113を結ぶように延伸部112を有する。さらに、その延伸部112を挟むような位置に、p側の半導体層、拡散電極あるいはp側台座電極が形成されている。
図1に示すように、本発明の一実施例に使用される支持基板103は、窒化アルミニウムのプレートにAuを材料とする導体配線108、109が施され、バンプ105を介してp側台座電極106およびn側台座電極107とそれぞれ対向する正負一対の電極が絶縁分離されている。ここで、本実施例における導体配線は、正負一対の電極が互いに一部を包囲するように櫛状に形成されている。このような形状とすることにより、フリップチップ実装された半導体発光素子からの放熱性を向上させることができる。さらに、LEDチップのp側台座電極106に対向する領域の面積は、n側台座電極107に対向する領域の面積より大きい。また、本実施例における発光素子は、図4の回路図に示されるように二つの発光ダイオードが並列接続とされたものである。このように並列接続とすることにより、直列接続とした場合と比較して、導体配線が簡略化され、放熱性を向上させることができる。
また、本実施例において樹脂層104とされるシリコーン樹脂は、貫通孔が設けられ、貫通孔の底面に導体配線が露出されている。そして、本実施例にかかる発光装置はLEDチップの正負一対の両電極がフリップチップ実装により、Auバンプを介してAuを材料とする導体配線とフリップチップボンディングされてなる。以下、本実施例における発光装置の製造方法を説明する。
(工程1)
窒化アルミニウムを材料とするウエハの所定の位置に、導体配線となるAu層をメッキにより形成する。本実施例における導体配線は、図2に示されるように、LEDチップの正電極が対向する正の導体配線、およびLEDチップの負電極が対向する負の導体配線が絶縁分離され、互いに一部を包囲するように形成されている。例えば、図2に示される支持基板は、上述したLEDチップが2つ隣接されてフリップチップ実装される支持基板である。支持基板に配される正(+)極側の導体配線は、外部電極(図示せず)の正極側に接続される領域から、上記複数のLEDチップのうち一方のLEDチップ(A)のp側台座電極に対向する位置を経由して他方のLEDチップ(B)のp側台座電極に対向する位置まで延伸している。同様に、支持基板に配される負(−)極側の導体配線は、LEDチップ(A)およびLEDチップ(B)の一方のn側台座電極に対向する領域から、外部電極(図示せず)の負極側に接続される領域、およびLEDチップ(B)の他方のn側台座電極に対向する領域を経由して、LEDチップ(A)の他方のn側台座電極に対向する領域まで延伸している。したがって、支持基板に形成される導体配線は、LEDチップの電極形成面と対向する領域において、LEDチップの実装方向から見ると、正負の導体配線が互いに挟まれる状態で形成されており、2つのLEDチップは図4の回路図に示されるように並列接続とされることとなる。また、導体配線のうちLEDチップの正電極と対向する領域の面積は、LEDチップの負電極と対向する領域より大きく、載置されるバンプの数も多くされる。
また、支持基板に垂直な方向から見て、正極側の導体配線の外縁は、負極側の導体配線の方向に凸な多数の円弧状の形状を有し、一方、負極側の導体配線の外縁部は、正極側の凸な円弧状の外縁に対応するような凹形状を有する。
(工程2)
導体配線を有する支持基板の一方の主面に対して、シリコーン樹脂を材料としてスクリーン印刷を行う。バンプ形成箇所には貫通孔が設けられ導体配線の表面が露出されるようにスクリーン印刷を行い、樹脂層を形成する。シリコーン樹脂が硬化した後、スクリーン版を取り外すとシリコーン樹脂を材料とした樹脂層がバンプ形成個所を除いた導体配線に対して成型される。ここで、バンプ形成箇所を設けるための貫通孔の内壁はテーパー形状である。このような形状とすることによりバンプを設置しやすくすることができる。また、樹脂層は僅かに変形するだけでLEDチップの表面に密着し、樹脂層はバンプを包囲し、LEDチップと支持基板との間にかけて存在することとなる。
(工程3)
複数の貫通孔の底面に露出された導体配線に対して、Auを材料とするバンプをバンプボンダーによりボンディングする。ここで、p型台座電極に対向する領域には、その表面積に対応するように、n型台座電極に対向する領域より多くのバンプが形成される。また、p型台座電極を接合するバンプを内側に配列させ、そのバンプを両端から囲むように、n型台座電極を接合するバンプを、LEDチップの両隅に対応する位置に配列させる。本実施例では、p型台座電極を接合するバンプを24個、n型台座電極を接合するバンプを12個とし、1×2mmの大きさの発光素子に対して、最大径が約105μm、最大高さが約40μmのAuバンプをボンディングする。
(工程4)
LEDチップの正負両電極面が、バンプの直上にてそれぞれ対向するようにLEDチップを樹脂層の上面に載せる。次に、LEDチップの正負両電極面をバンプと接触させ、LEDチップの基板の側から加圧しながら超音波を当てることにより、バンプを介してLEDチップの正負両電極と導体配線とを対向させて接合する。このとき、シリコーン樹脂は、柔らかく弾力性に富むため、圧力によって収縮し、また、LEDチップの電極面の隙間にもよく入り込む。また、貫通孔内のバンプ数は、ダイボンドにより押し縮められたシリコーン樹脂の弾性力よりもLEDチップの電極と、導体配線との接合力のほうが十分大きくなるように、ダイボンド前に予め調節しておく。このようにすると、LEDチップが、シリコーン樹脂の弾性力によって支持基板とは逆の方向へ押し戻されることが無く、LEDチップの電極と導体配線との接合の強度は一定に保たれ、LEDチップの電極と導体配線との導通が断たれることはないため、信頼性の高い発光装置とすることができる。
(工程5)
最後に、所望の数のLEDチップが含まれるように、支持基板をカットし、パッケージに搭載して導電性ワイヤを介して外部電極と接続させ、発光装置とする。なお、カット後の支持基板の形状は、矩形の他、如何なる形状でも構わない。
本実施例の発光装置とすることにより、発光素子からの熱が籠もりやすいLEDチップ内側の熱を、載置されるバンプの数が相対的に多く、広い導体配線にて放熱させることになるため、発光素子からの放熱性が向上し、高輝度発光が可能かつ信頼性の高い発光装置とすることができる。
また、本実施例のような構成にした発光装置は、LEDチップの電極面および側面と反射層の間に隙間がほぼ無くなる。従来、LEDチップと支持基板との間に隙間が生じると、LEDチップから出光した光が、隙間に存在する空気によって複雑に屈折することで光取り出し効率の低下を招来し、さらに、熱伝導率の低い空気を介して発光素子から放熱することにより放熱効果の低下を招いた。しかしながら、本実施例においては上記隙間が生じないため、発光装置の光取り出し効率が向上し、放熱効果も高まる。
図5は、本実施例にかかる支持基板に導体配線を施した状態を示す模式的な上面図である。図6は、本実施例にかかる支持基板にLEDチップをフリップチップボンディングした状態を示す模式的な上面図である。なお、図6はLEDチップを透光性基板側から見た状態を示しており、p側台座電極、n側台座電極およびバンプが透けて見えている。さらに、図7は、実施例における発光装置の回路構成を模式的に示す。
本実施例は、実施例1と同様に、複数のLEDチップを同一の支持基板にフリップチップ実装した発光装置である。より具体的に説明すると、本実施例にかかる発光装置は、実施例1で述べたLEDチップが並列繋ぎとなるような配列を一セットとし、四セット分が配列され、各セットが直列接続となるようにさせてある。したがって、本実施例における支持基板上の導体配線は、外部の正電極(図示せず)および端っこに実装される発光素子の正電極と接続する正極側の導体配線(本実施例においては「第一の導体配線」と呼ぶ。)と、外部の負電極(図示せず)および端っこに実装される発光素子の負電極と接続する負極側の導体配線(本実施例においては「第二の導体配線」と呼ぶ。)と、発光素子の正電極と負電極とを電気的に接続させ、各セットを直列接続とさせる第三の導体配線114とを有する。ここで、支持基板上において、各セットを直列接続とさせる第三の導体配線114は、支持基板に垂直な方向から見て、互いに正電極側のパターンが負電極側のパターンの一部を包囲するように櫛状(鍵状)に配されている。さらに、第三の導体配線114は、上述の特許文献に開示される従来の発光装置と比較して広く配することができる。したがって、本実施例により、発光素子が多数実装されたときにも放熱性を向上させ、高輝度な発光装置とすることができる。
スクリーン版を設置した状態で、フィラーとして酸化アルミニウムを含むシリコーン樹脂材料を後工程で形成するバンプの高さ以上までスキージングし、スクリーン印刷を行う。その他は、上記実施例と同様に発光装置を形成する。本実施例のように構成することにより、さらに放熱効果を高めることができる。
先にLEDチップの電極にバンプを形成し、支持基板に設けた樹脂層の貫通孔から露出させた導体配線に対向させて超音波接合をする他は、上記実施例と同様に発光装置を形成する。本実施例の形成方法とすることにより、他の実施例と同様の効果が得られる。
図12は、本実施例における発光装置に利用される発光素子の上面図であり、図13は、サブマウントの上面図である。また、図14は、サブマウントに発光素子がフリップチップ実装された本実施例にかかる発光装置の上面図である。
本実施例にかかる発光装置は、上面から見て六角形のサブマウントに対し、四つの発光素子チップが2×2のマトリックス状に近接されてフリップチップ実装されてなる。以下、本実施例の発光装置における各構成部材について詳述する。
図12に示されるように、本実施例にかかる発光素子は、p側台座電極としてRh/Pt/Auがp側拡散電極(ITO)に対して楕円形状に形成される。また、n側台座電極としてW/Pt/Auが露出されたn型半導体に対して形成される。このようにする他は、実施例1と同様の発光素子とする。
本実施例におけるサブマウントは、Siダイオード素子であり、複数のp型半導体領域およびn型半導体領域が一方の主面方向に形成されている。さらに、n型半導体領域の一部は、反射膜兼電極として、Alが5000Åの厚みで蒸着され、その上にさらに電極としてTi/Auが、それぞれ3000Å/7000Åの厚みで蒸着されている。また、反射膜が形成されている領域を除き、p型半導体領域およびn型半導体領域は、SiOからなる絶縁膜により被覆されている。また、サブマウントは、裏面に、Al/Ti/Agが順に蒸着された電極を有する。
発光素子がフリップチップ実装される側から本実施例にかかるサブマウントを見ると、反射膜兼電極(Al)の導電性パターンが正負一対配され、その上に、上記電極(Ti/Au)が楕円状に複数形成されている。本実施例において、楕円状の電極の個数は、一つの発光素子について、正電極の接合用に12個、その12個を挟むように負電極の接合用に6個それぞれ形成される。また、正負の導電性パターンは、上述の実施例1と同様、サブマウントの主面に垂直な方向から見て、互いにその一部を包囲するように対向して延伸する部分を有し、櫛状あるいは鍵状に形成されている。すなわち、サブマウントに配される導電性パターンは、発光素子201と対向する領域において、発光素子の正電極が対向する導体配線204aが、発光素子の負電極が対向する導体配線204bの間となるように配されている。また、発光素子の正電極が対向する導電性パターンの面積は、発光素子の負電極が対向する導電性パターンの面積より広い。また、正負の導電パターンが絶縁分離され発光素子が対向する領域において、それら正負の導電パターンの外縁は、凹凸状あるいは波状になっている。
図14に示されるように、本実施例の発光素子201は、そのp側およびn側台座電極がサブマウント205の楕円状電極203に対向され、荷重、熱および加圧により、サブマウントに対し機械的および電気的に接続される。なお、本実施例における発光素子は、透光性基板に半導体が積層された半導体発光素子であり、図14に示されるように、透光性基板側から見ると、発光素子の半導体あるいは電極が透過して観察される。本実施例により、発光素子からの放熱が効率よく行え、高輝度な発光装置とすることができる。
本願発明にかかる発光装置は、高輝度かつ放熱性および信頼性に優れるため、室内照明、車のヘッドライト等の車載照明に利用可能である。
図1は、本発明の一実施例にかかる模式的な断面図である。 図2は、本発明の一実施例にかかる模式的な上面図である。 図3は、本発明の一実施例にかかる模式的な上面図である。 図4は、本発明の一実施例にかかる回路図である。 図5は、本発明の一実施例にかかる模式的な上面図である。 図6は、本発明の一実施例にかかる模式的な上面図である。 図7は、本発明の一実施例にかかる回路図である。 図8は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な上面図である。 図9は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な上面図である。 図10は、本発明の一実施例にかかる模式的な断面図である。 図11は、本発明の一実施例にかかる模式的な断面図である。 図12は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な上面図である。 図13は、本発明の一実施例にかかる支持基板の模式的な上面図である。 図14は、本発明の一実施例にかかる発光装置の模式的な上面図である。
符号の説明
100、200・・・発光装置
101・・・半導体発光素子
102・・・導体配線
103、202・・・支持基板
104、104a、104b・・・樹脂層
105・・・バンプ
106・・・p側台座電極
107・・・n側台座電極
108、204a・・・正極の導体配線
109、204b・・・負極の導体配線
110・・・拡散電極
111・・・隅部
112・・・延伸部
113・・・括れ部
114・・・第三の導体配線
115・・・波長変換部材
203・・・楕円状電極
205・・・ダイオード素子

Claims (10)

  1. 同一面側に正負一対の電極を有する半導体素子と、該半導体素子の各電極が対向され導電部材を介して接合される導体配線を有する支持基板と、を有する半導体装置において、
    前記導体配線は、前記支持基板の主面に垂直な方向から見て、前記半導体素子の電極の何れか一方の電極に接合する導電部材を有する第一の領域と、該第一の領域の少なくとも一部を包囲し前記半導体素子の他方の電極に接合する導電部材を有する第二の領域とを有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1の領域内にて前記導電部材が載置される領域は、前記第2の領域内にて前記導電部材が載置される領域よりも広い請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記半導体素子は、p型半導体側の正電極およびn型半導体側の負電極を有し、該負電極が該正電極の間にあるようにそれぞれの電極が交互に配されている請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記n型半導体は、前記導電部材が載置され互いに対向する隅部と、該隅部から半導体素子の内側方向に向かって細くなる括れ部と、該括れ部から延びる延伸部とを有するように露出される請求項1乃至3に記載の半導体装置。
  5. 前記支持基板と前記半導体素子との間に、前記導電部材を包囲するように載置される樹脂層を有する請求項1乃至4に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体素子と、該半導体素子に隣接する別の半導体素子との間隙は、樹脂層により封止されており、それらの半導体素子は、該半導体素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する波長変換部材により被覆されている請求項1乃至5に記載の半導体装置。
  7. 少なくとも前記半導体素子は、封止部材で被覆されており、前記樹脂層は、前記封止部材より熱伝導率が高い請求項1乃至6に記載の半導体装置。
  8. 前記樹脂層は、フィラーを含有する請求項1乃至7に記載の半導体装置。
  9. 同一面側に正負一対の電極を有する半導体素子と、該電極が導電部材を介して対向される導体配線を有する支持基板と、少なくとも前記支持基板と前記半導体素子との間に載置され前記導電部材を包囲する樹脂層と、を有する半導体装置の製造方法において、
    硬化状態において弾力性を有し、前記導体配線の一部が露出される貫通孔を備える樹脂層を孔版印刷にて前記支持基板に形成する第一の工程と、
    前記貫通孔内にて、少なくとも二つの導電部材を前記導体配線に形成する第二の工程と、
    前記半導体素子の電極を前記導電部材と対向させ、前記支持基板方向に押圧を加えることにより前記半導体素子の電極と前記導電部材とを接合させる第三の工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 同一面側に正負一対の電極を有する半導体素子と、該電極が導電部材を介して対向される導体配線を有する支持基板と、少なくとも前記支持基板と前記半導体素子との間に載置され前記導電部材を包囲する樹脂層と、を有する半導体装置の製造方法において、
    硬化状態において弾力性を有し、前記導体配線の一部が露出される貫通孔を備える樹脂層を孔版印刷にて前記支持基板に形成する第一の工程と、
    前記半導体素子の電極に対し、少なくとも二つの導電部材を形成する第二の工程と、
    前記導電部材と前記導体配線を対向させ、前記支持基板方向に押圧を加えることにより前記導電部材と前記導体配線とを接合させる第三の工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

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