JP2005105401A - 耐蝕性を高めるステンレス鋼の電解研磨法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ステンレス鋼表面に対する電解研磨法において、僅かの添加量でステンレス鋼の耐蝕性を飛躍的に向上させる添加物により、人体に悪影響を与えるフッ化物の中性塩の使用を最小限に抑えること。
【解決手段】 1重量%以上の硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、もしくは、それらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩の群から選ばれた一種または二種以上を組み合わせたものに、フッ化クロムを添加した溶液を電解液とし、処理すべきステンレス鋼と電極の間に通水性不織布をはさんで交流にて電解することを特徴とする電解研磨法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 1重量%以上の硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、もしくは、それらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩の群から選ばれた一種または二種以上を組み合わせたものに、フッ化クロムを添加した溶液を電解液とし、処理すべきステンレス鋼と電極の間に通水性不織布をはさんで交流にて電解することを特徴とする電解研磨法である。
【選択図】 なし
Description
この発明は、ステンレス鋼の溶接後の焼け取り等に用いられるステンレス鋼表面に対する電解研磨法において、電解液に特定材料を添加することにより加工後の耐蝕性を格段に向上させることのできる電解研磨法に関するものである。
金属加工法として金属を電解液と接触させながら直流又は交流電圧を印加して加工する電解加工が広く用いられており、ステンレス鋼においても、例えばステンレス鋼の溶接後の焼け取り部分を表面研磨する方法として電解加工による電解研磨法が行なわれているが、ステンレス鋼に含有されるクロムが有害な六価クロムとして溶出して環境を汚染することがないように用いられる電解液や印加電圧に工夫を施した電解研磨法が行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、電解研磨法は直流、交流、交直併用などさまざまな通電方法で行われているが、交流電解法が処理速度が速いため普及している。しかし、この交流電解研磨ではワーク表面で陽極酸化反応が起こらないためステンレス鋼表面に不動態膜を生成できず耐蝕性を増大させることが難しかった。
ここで、交流電解法を用いた場合であってもステンレス鋼表面に耐蝕性に優れた不動態化被膜を形成する方法として、電解液にフッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム又はフッ化水素酸を添加した方法が発明されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
上記特許文献2や特許文献3に記載された電解研磨法によりステンレス鋼の耐蝕性は向上した。
しかし、フッ化物の中性塩は有毒であるため、電解液の取扱いや廃液処理の容易さの観点からでこれらの添加物の量の削減が求められてきている。
そこで、発明者は、上記の課題を解決できるような電解液への添加物を種々研究して検討した結果、僅かの添加量でステンレス鋼の耐蝕性を飛躍的に向上させる添加物を見出し、人体に悪影響を与えるフッ化物の中性塩の使用を最小限に抑える電解研磨法の発明に至った。
上記の課題を解決するため、この発明は、1重量%以上の硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、もしくは、それらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩の群から選ばれた一種または二種以上を組み合わせたものに、フッ化クロムを添加した溶液を電解液とし、処理すべきステンレス鋼と電極の間に通水性不織布をはさんで交流にて電解するステンレス鋼の電解研磨法である。
この発明は、電解液の中にフッ化クロムを添加することによりステンレス表面にフッ化鉄と酸化クロムの極薄膜を生成させてステンレス表面の耐蝕性を向上させることに成功した。
添加するフッ化クロムの添加量は、特に限定されないが、その発明の目的からして、ステンレス鋼の耐蝕性を向上させることができる範囲内で添加量を少量に抑えるのが望ましい。
具体的には、フッ化カリウムやフッ化ナトリウム、フッ化アンモニウムを0.5重量%〜1重量%添加した場合とほぼ同程度の耐蝕性を、この発明のフッ化クロムだと0.4重量%の添加で得ることができた。
0.4%程度のフッ化クロムを添加しただけで耐蝕性が格段に向上したが、これは電解液中のフッ素がステンレス鋼の主成分である鉄と反応してフッ化鉄、クロムが電解時に発生する酸素と反応して酸化クロムとなりこれらの酸化物が極薄膜となりステンレス表面を覆うことにより耐蝕性を向上させると推測される。
この効果により、従来法の電解液に比較して、毒性を有するフッ化物の中性塩を削減でき、電解液の取扱い性の向上や廃液の処理コストの低減を図ることができた。
電極の先の不織布に10%の硫酸ソーダを電解液として染み込ませたものと、10%の硫酸ソーダに0.4%のフッ化クロムを添加したものを電解液として染み込ませたものを、それぞれオーステナイト系ステンレスであるSUS304(30mm×90mm×1.6mm)に押し当て20Vの交流電流を印加した後10%の塩化第二鉄水溶液に浸漬し24時間後の重量減少比を比べてみた。
10%の硫酸ソーダを電解液としたものは測定前重量が31.285g、測定後重量が28.987g減少が7.0%であるのに対してフッ化クロムを0.4重量%添加した電解液で処理したものは測定前重量が31.426g、測定後重量が30.998g減少が1.1%と明らかな耐蝕性の向上が確認された。
Claims (1)
- 1重量%以上の硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、もしくは、それらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩の群から選ばれた一種または二種以上を組み合わせたものに、フッ化クロムを添加した溶液を電解液とし、処理すべきステンレス鋼と電極の間に通水性不織布をはさんで交流にて電解することを特徴とする電解研磨法。
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JP2003344430A JP2005105401A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | 耐蝕性を高めるステンレス鋼の電解研磨法 |
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JP2003344430A Pending JP2005105401A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | 耐蝕性を高めるステンレス鋼の電解研磨法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102409390A (zh) * | 2011-12-08 | 2012-04-11 | 北京七星华创电子股份有限公司 | 一种软磁不锈钢电化学抛光的溶液及方法 |
CN104959684A (zh) * | 2015-05-27 | 2015-10-07 | 南京航空航天大学 | 一种导电率可调的雾化介质电火花放电烧蚀与电解复合加工方法 |
RU2765553C1 (ru) * | 2020-11-18 | 2022-02-01 | Публичное Акционерное Общество "Одк-Сатурн" | Электролит для электролитно-плазменного полирования деталей из жаропрочных сплавов |
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2003
- 2003-10-02 JP JP2003344430A patent/JP2005105401A/ja active Pending
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