JP2005105300A - 真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法、真空装置及びその部品 - Google Patents

真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法、真空装置及びその部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガス放出量の少ない真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法、真空装置及びその部品を提供する。
【解決手段】 真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法であって、ポーラス型陽極酸化処理をした後に、バリア型陽極酸化処理を行い、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てにバリア型陽極酸化皮膜を成長させることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法、真空装置及びその部品に関する。
従来の表面のガス放出係数の小さなアルミニウム又はアルミニウム合金製の耐食性真空容器の耐食処理方法として、例えば、特許文献1に開示されるような陽極酸化処理方法がある。この特許文献1には、被処理物を陽極酸化処理後に、100〜150℃、5〜20時間、真空中で加熱乾燥処理を施すことについて開示されている。
しかしながら、この方法で処理された被処理物は、再び大気に曝された後に真空状態に置かれると、被処理物表面からのガス放出量が増加するという問題があった。また、腐食性ガスやプラズマとの反応を全く起こさないというものではなく、使用中に腐食されると反応生成物が微粒子として発生し、例えば、半導体製造装置として用いられると不良品の原因となることがあった。
また、特許文献2には、耐食処理が施されたアルミニウム材が開示されており、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面にベーキング処理が施されたバリア型陽極酸化皮膜(無孔質陽極酸化皮膜)を形成することについて開示されている。
しかしながら、バリア型陽極酸化皮膜は、純アルミニウムの表面に一様な膜を形成できるものの、アルミニウム以外の金属が含まれた実用合金では、図4(a)に示されるように、合金中に存在するSi、Fe、Cu、Mg等の介在物3が存在するために、陽極酸化処理をしても同図(b)に示されるように皮膜2が介在物3により分断されたり、或いは、皮膜2から介在物3が欠落してボイド等の欠損4が発生したりして均一な膜厚を得ることが難しかった。その結果として、表面が凸凹状になり真の表面積を増加させたり、ガス溜まりが形成されたりして、被処理物からのガス放出量が増加するという問題があった。
また、特許文献3には、アルミニウム又はアルミニウム合金製真空チャンバ部材に、ポーラス型陽極酸化処理を施し、次いで、バリア型陽極酸化処理(非ポーラス型陽極酸化処理)を行うことが開示されている。
しかしながら、耐プラズマ性を良好とするためにポーラス型陽極酸化皮膜のポアの内表面全てが外気に対して曝されるようにして形成されていたために、真の表面積を増加させてしまい、ガス放出量の増加を引き起こしてしまうという問題があった。
特公平5−053870号公報(請求項1) 特開平9−184094号公報(請求項1) 特許第2900820号公報(請求項1)
そこで、本発明は、上記の課題を解決するもので、ガス放出量の少ない真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法、真空装置及びその部品を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討の結果、真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金に対して、ポーラス型陽極酸化処理を行い、その後、バリア型陽極酸化処理を行い、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てにバリア型陽極酸化皮膜を成長させることにより、合金中に含まれる介在物によるガス溜まりを減らし、被処理物表面の真の表面積を減らすことにより、被処理物表面からのガス放出量を低減できることを見出した。
即ち、本発明の真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法は、請求項1に記載の通り、真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法であって、ポーラス型陽極酸化処理をした後に、バリア型陽極酸化処理を行い、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てにバリア型陽極酸化皮膜を成長させることを特徴とする。
また、請求項2に記載の表面処理方法は、請求項1に記載の表面方法において、前記アルミニウム合金は、Al−Mg合金、Al−Si−Mg系合金、Al−Cu合金又はAl−Mn合金であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の表面処理方法は、請求項1に記載の表面方法において、前記ポーラス型陽極酸化処理の溶液に硫酸、シュウ酸、リン酸又はクロム酸を用いることを特徴とする。
また、請求項4に記載の表面処理方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の表面方法において、前記バリア型陽極酸化処理の溶液にアジピン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、酒石酸塩若しくはケイ酸塩又はこれらの混合液を用いることを特徴とする。
また、本発明の表面皮膜構造は、請求項5に記載の通り、真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面皮膜構造であって、前記アルミニウム又はアルミニウム合金に形成されたポーラス型陽極酸化皮膜のポア内には、バリア型陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の表面皮膜構造は、請求項5に記載の表面皮膜構造において、前記皮膜構造における前記皮膜表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さの20%〜100%が、前記ポーラス型陽極酸化皮膜であることを特徴とする。
また、本発明の真空装置の部品は、請求項7に記載の通り、請求項5又は6に記載の前記表面皮膜構造を備えたことを特徴とする。
また、本発明の真空装置は、請求項8に記載の通り、請求項7に記載の部品を備えることを特徴とする。
本発明によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金に対して、ポーラス型陽極酸化処理をした後に、バリア型陽極酸化処理を行うことにより、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内まで、バリア型陽極酸化皮膜を成長させ、合金中に含まれる介在物により形成されるガス溜まり部を減らし、被処理物表面の真の表面積を減らすことにより、真空装置又は真空装置に使用される部品の表面からのガス放出量を低減することができる。
本発明に使用される被処理物であるアルミニウム又はアルミニウム合金としては、特に制限されるものではないが、一例として、純アルミ系の1000系合金、Al−Cu系、Al−Cu−Mg系の2000系合金、Al−Mn系の3000系合金、Al−Si系の4000系合金、Al−Mg系の5000系合金、Al−Mg−Si系の6000系合金、Al−Zn−Mg−Cu系、Al−Zn−Mg系の7000系合金、7N01合金、Al−Fe−Mn系の8000系合金などが用いられ、成型用合金、構造用合金、電気用合金、AC1A、AC2A、AC3A、AC4Bなどの鋳造用合金を挙げることができる。
また、これらの合金に溶体化処理、時効処理などの様々な調質処理を施したものも用いられる。更に、これらのアルミニウム合金の表面にクラディングしたクラッド材も使用できる。
前記被処理物には、一般的には、前処理が施される。この前処理としては、特に制限されるものではないが、被処理物の表面に付着した油脂分を除去し、被処理物表面の不均質な酸化物皮膜が除去できるものであればよい。例えば、弱アルカリ性の脱脂液による脱脂処理を施し、水酸化ナトリウム溶液でアルカリエッチングを施し、硝酸水溶液中でデスマット処理を行う方法や、脱硝酸処理後に酸洗浄を行う方法等が適宜選択して用いられる。
次いで、前処理が施された被処理物に対して、被処理物表面に開口したポアを多数有するポーラス型陽極酸化皮膜を形成するためのポーラス型陽極酸化処理を行い、そして、前記ポーラス型陽極酸化皮膜の上に、ポアを形成することなくバリア層を有するバリア型陽極酸化皮膜を形成するためのバリア型陽極酸化処理を行う。
尚、本発明においてポーラス型陽極酸化処理とは、JIS H 0201のアルミニウム表面処理用語における陽極酸化皮膜細胞を形成する通常の陽極酸化処理をいい、電解溶液として、硫酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸のいずれか、或いは、これらの混合溶液を用いて、5〜200Vの電界電圧において行う。
また、本発明においてバリア型陽極酸化処理とは、具体的には、アジピン酸塩(例えば、アジピン酸アンモニウム)、ホウ酸塩(例えば、ホウ酸とホウ酸アンモニウムの混合したもの)、リン酸塩(例えば、リン酸二水素アンモニウム)、酒石酸塩、ケイ酸塩、フタル酸塩(例えば、フタル酸水素カリウム)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム)、クエン酸塩、クロム酸ナトリウム等の溶液のいずれかを用いるか、或いは、これらの混合溶液を用いて、60〜500Vの電界電圧で陽極酸化処理する方法等を挙げることができる。
前記ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内の全てに、前記バリア型陽極酸化皮膜を成長させることにより形成される皮膜構造における前記皮膜表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さに対して、前記ポーラス型陽極酸化皮膜が20〜100%の厚さであることが好ましい。20%未満であると、バリア型陽極酸化皮膜からのガス放出量が多くなり、100%以上とするとポアの一部が表面に露出するために不要なガスを吸着してしまうからである。
前記被処理物は、真空装置とその部品であるが、本発明において、部品とは、真空チャンバの構造材だけではなく、真空チャンバ内に配設されるガス拡散プレート(GDP)、クランパー、シャワーヘッド、サセプター、クランプリング、静電チャック等の部材であって、アルミニウム又はアルミニウム合金で製造されうるもの全てに適用可能である。
次に、本発明の表面処理方法について図1を参照して説明する。
図中1はアルミニウム合金、2はバリア型陽極酸化膜、3はアルミニウム合金中の介在物、4は欠損、5はポーラス型陽極酸化膜である。
本発明の表面処理方法は、同図(a)に示されるアルミニウム合金1に、前記ポーラス型陽極酸化処理を施し(同図(b))、その後、バリア型陽極酸化処理を施して、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内の全てにバリア型陽極酸化皮膜を成長させる(同図(c))ものである。
この過程において、介在物3は、同図(b)に示されるようにポーラス型陽極酸化処理に用いる酸性電解液により一部溶解される。この際、アルミニウム合金1は、酸化が進み溶液への溶解速度が遅くなるので、結果的に介在物3が選択的に除去され、欠損4の少ないバリア型陽極酸化皮膜2を形成することができる。
これにより、介在物3によりガス溜まりが形成されることを防ぐことができ、真の表面積を減少させることができる。その結果として、大気に曝されてもアルミニウム合金1の表面に不純物を吸着することがなく、真空状態においてガスの放出を減少させることができる。
以下、本発明の実施例について比較例とともに説明する。
まず、被処理物として、アルミニウム合金とアルミニウムを使用した例について説明する。
(実施例1)
実施例1は、被処理物であるA6061合金に対して、1Mの硫酸溶液を用い、処理液温度20℃、10Vで90秒間のポーラス型陽極酸化処理を行い、厚さ約130nmのポーラス型構造を成長させた後、被処理物を洗浄し、0.1Mアジピン酸アンモニウム溶液を使用して200V、最大電流密度5mAcm-2でバリア型陽極酸化処理を行い、バリア型陽極酸化皮膜を成長させて、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てに亘ってバリア型陽極酸化皮膜を成長させることにより被処理物に皮膜を形成した例である。
被処理物の表面皮膜構造は、図2にその断面図を示すように、ポア全てがバリア型陽極酸化皮膜によって被覆されており(表面皮膜構造の表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さに対して、ポーラス型陽極酸化皮膜の厚さが50%)、欠損が少なかった。
また、皮膜形成された被処理物を、昇温脱離法を用いて、室温から300℃まで温度を上げたときのガス放出量を測定したところ(以下、「ガス放出量」とする。)、0.8Pamであった。
(比較例1)
比較例1は、実施例1に対してポーラス型陽極酸化処理を行わず、バリア型陽極酸化処理のみを行った例である。
被処理物の表面皮膜は、図3にその断面図を示すように、合金中に存在する介在物により、分断され、或いは、介在物が脱落して欠損しており凹凸面が形成されていた。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、1.4Pamであった。
(実施例2)
実施例2は、被処理物である99.99%アルミニウムに対して、0.3Mのシュウ酸溶液を用い、処理液温度20℃、20Vで90秒間のポーラス型陽極酸化処理を行い、厚さ約130nmのポーラス型構造を成長させた以外は、実施例1と同じ処理を行い被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.3Pamであった。
(比較例2)
比較例2は、被処理物として99.99%アルミニウムを使用した以外は、比較例1と同じ処理を行い被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.5Pamであった。
上記実施例1、2及び比較例1、2の結果をまとめると下記表1の通りとなる。
Figure 2005105300
上記表1から、本実施例では、アルミニウム又はアルミニウム合金のいずれに対しても、ガス放出量の少ない皮膜を形成できることがわかった。
尚、アルミニウムの種類によってガス放出量が異なっているが、アルミニウム中に含まれる不純物に依存することによるものと考えられる。
次に、ポーラス陽極酸化皮膜の膜厚を変化させた例について説明する。
(実施例3a)
実施例3aは、被処理物であるA5052合金に対して、1Mの硫酸溶液を用い、処理液温度20℃、10Vで90秒間のポーラス型陽極酸化処理を行い、厚さ約130nmのポーラス型構造を成長させた後、被処理物を洗浄し、0.1Mアジピン酸アンモニウム溶液を使用して200V、最大電流密度5mAcm-2でバリア型陽極酸化処理を行い、バリア型陽極酸化皮膜を成長させて、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てに亘ってバリア型陽極酸化皮膜を成長させることにより被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.6Pamであった。また、表面皮膜構造の表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さに対して、ポーラス型陽極酸化皮膜の厚さは50%であった。
(実施例3b)
実施例3bは、ポーラス型陽極酸化処理の時間を40秒として厚さ約60nmのポーラス型構造を成長させた以外は、実施例3aと同じ条件で被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.8Pamであった。また、表面皮膜構造の表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さに対して、ポーラス型陽極酸化皮膜の厚さは20%であった。
(比較例3a)
比較例3aは、ポーラス陽極酸化処理を行わなかった以外は、実施例1と同じ条件で皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、1.1Pamであった。
(比較例3b)
比較例3bは、バリア型陽極酸化処理を行わなかった以外は、実施例2と同じ条件で皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、5.3Pamであった。
(比較例3c)
比較例3cは、ポーラス型陽極酸化処理を300秒として、約470nmのポーラス型陽極酸化皮膜を形成した以外は、実施例1と同じ条件で皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、12.0Pamであった。また、表面皮膜構造の表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さに対して、ポーラス型陽極酸化皮膜の厚さは170%であった。
上記実施例3a、3b及び比較例3a〜3cの結果をまとめると下記表2の通りとなる。
Figure 2005105300
表2から、実施例3a、3bでは、ガス放出量が比較例3a〜3cに比べて少なかった。このことから、表面皮膜構造の表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さに対して、ポーラス型陽極酸化皮膜の厚さは20〜100%であることが好ましいことがわかった。
次に、ポーラス型陽極酸化処理に使用する電解液及び/又はバリア型陽極酸化処理に使用する電解液を変更した例について説明する。
(実施例4)
実施例4は、被処理物であるA5052合金に対して、0.3Mのクロム酸溶液を用い、処理液温度20℃、10Vで90秒間のポーラス型陽極酸化処理を行い、厚さ約130nmのポーラス型構造を成長させた後、被処理物を洗浄し、0.1Mアジピン酸アンモニウム溶液を使用して200V、最大電流密度5mAcm-2でバリア型陽極酸化処理を行い、バリア型陽極酸化皮膜を成長させて、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てに亘ってバリア型陽極酸化皮膜を成長させることにより被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.7Pamであった。
(実施例5)
実施例5は、ポーラス型陽極酸化処理に使用する電解液を0.3Mのシュウ酸とした以外は、実施例4と同じ条件で被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.7Pamであった。
(実施例6)
実施例6は、バリア型陽極酸化処理に使用する電解液を0.1Mのホウ酸アンモニウムとした以外は、実施例4と同じ条件で被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.6Pamであった。
(実施例7)
実施例7は、バリア型陽極酸化処理に使用する電解液を0.1Mのリン酸水素アンモニウムとした以外は、実施例4と同じ条件で被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.5Pamであった。
(実施例8)
実施例8は、ポーラス型陽極酸化処理に使用する電解液を0.4Mのリン酸とした以外は、実施例4と同じ条件で被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、0.6Pamであった。
(実施例9)
実施例9は、被処理物として、A6061合金を使用した以外は、実施例5と同じ条件で被処理物に皮膜を形成した例である。
皮膜形成された被処理物のガス放出量を測定したところ、1.1Pamであった。
上記実施例5〜9の結果をまとめると下記表3の通りとなる。
Figure 2005105300
上記表3から、本実施例では、被処理物の合金の種類、ポーラス型陽極酸化処理に使用する電解液の種類、バリア型陽極酸化処理に使用する電解液の種類を変更しても、ガス放出量が少ないことがわかった。
尚、バリア型陽極酸化処理において、酒石酸アンモニウム溶液を使用しても同様の効果を得ることができることを確認した。
また、上記実施例では、ポーラス型陽極酸化処理、バリア型陽極酸化処理に直流を用いたが、両処理とも交流を用いても、どちらか一方の処理に交流を用いても同様な効果が得られることを確認した。
本発明の表面処理方法を説明するための(a)アルミニウム合金の断面図、(b)同ポーラス型陽極酸化処理後の断面図、(c)同バリア型陽極酸化処理後の断面図 実施例1において表面処理された被処理物の断面図 比較例1において表面処理された被処理物の断面図 従来のバリア型陽極酸化皮膜を形成する方法を説明するための(a)アルミニウム合金の断面図、(b)同陽極酸化処理後の断面図
符号の説明
1 アルミニウム合金
2 バリア型陽極酸化皮膜
3 アルミニウム合金中の介在物
4 欠損
5 ポーラス型陽極酸化膜

Claims (8)

  1. 真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法であって、ポーラス型陽極酸化処理をした後に、バリア型陽極酸化処理を行い、ポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てにバリア型陽極酸化皮膜を成長させることを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記アルミニウム合金は、Al−Mg合金、Al−Si−Mg系合金、Al−Cu合金又はAl−Mn合金であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記ポーラス型陽極酸化処理の溶液に硫酸、シュウ酸、リン酸若しくはクロム酸又はこれらの混合液を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理方法。
  4. 前記バリア型陽極酸化処理の溶液にアジピン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、酒石酸塩若しくはケイ酸塩又はこれらの混合液を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表面処理方法。
  5. 真空装置及びその部品に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金の表面皮膜構造であって、前記アルミニウム又はアルミニウム合金に形成されたポーラス型陽極酸化皮膜のポア内全てに、バリア型陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴とする表面皮膜構造。
  6. 前記皮膜構造における前記皮膜表面からポーラス型陽極酸化皮膜底面までの厚さに対して、前記ポーラス型陽極酸化皮膜が20〜100%の厚さであることを特徴とする請求項5に記載の表面皮膜構造。
  7. 請求項5又は6に記載の前記表面皮膜構造を備えたことを特徴とする真空装置の部品。
  8. 請求項7に記載の部品を備えることを特徴とする真空装置。
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