JP2010098158A - プラズマcvd装置用サセプタ及びその製造方法、並びに、プラズマcvd装置、並びにその保守方法、並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

プラズマcvd装置用サセプタ及びその製造方法、並びに、プラズマcvd装置、並びにその保守方法、並びに半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メンテナンスの頻度を低減し、長期間にわたり安定した成膜を可能にする、プラズマCVD装置用サセプタを提供すること。
【解決手段】本発明にかかるプラズマCVD装置用サセプタ100は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含むサセプタ基板110と、サセプタ基板110の上に、クラック122を有するように形成されたアルマイト層120と、クラック122の内部に形成された被覆層130と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマCVD装置用サセプタ及びその製造方法、並びに、プラズマCVD装置、並びにその保守方法、並びに半導体装置の製造方法に関する。
半導体プロセスに用いられるプラズマCVD装置などの成膜装置は、多くの性能が同時に求められている。求められる性能としては、成膜される膜の膜厚が面内で均一であること、長期間の安定動作が可能であること、および装置のメンテナンス頻度が低い、すなわちメンテナンスと次のメンテナンスまでの期間に、良好に成膜できる回数が多いこと、等が挙げられる。
たとえば、特開平10−340896号公報には、サセプタと称するウェハ載置台を粗面化し、その表面に窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、またはアルマイトを保護膜として形成したプラズマCVD装置が開示されている。このようにすると、ウェハ基板とサセプタの接触割合が低減され、成膜の再現性が高まる等の記載がある。
特開平10−340896号公報
しかしながら、サセプタに保護膜として、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、またはアルマイト等を設けると、該保護膜自体が損傷して装置の不具合を生じることがあった。たとえば、サセプタがアルミニウム等の金属で構成された場合は、サセプタおよび保護膜の熱膨張率の差によって、保護膜にクラックが生じて、アルミニウムが露出して、装置内部の電界を攪乱して成膜に不具合を生じるなどの問題があった。
本発明者らは、研究の結果、サセプタのアルミニウムが露出した状態で、たとえばメンテナンス時に、装置内でフッ素を含むプラズマを発生させると、フッ化アルミニウムが生成するという知見を得た。そして、当該フッ化アルミニウムが、装置内の他の部材等に付着して装置の成膜性能を低下させる一因となっていることを見出した。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の1つは、メンテナンスの頻度を低減し、長期間にわたり安定した成膜を可能にする、プラズマCVD装置用サセプタを提供することにある。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の1つは、メンテナンスの頻度を低減し、長期間にわたり安定した成膜を可能にする、プラズマCVD装置及びその保守方法を提供することにある。
本発明にかかるプラズマCVD装置用サセプタは、
アルミニウムまたはアルミニウム合金を含むサセプタ基板と、
前記サセプタ基板の上に、クラックを有するように形成されたアルマイト層と、
前記クラックの内部に形成された被覆層と、
を有する。
このようなプラズマCVD装置用サセプタは、プラズマCVD装置のメンテナンスの頻度を低減し、長期間にわたり安定した成膜を可能にすることができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置用サセプタにおいて、
前記被覆層は、窒化ケイ素を含むことができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置用サセプタの製造方法は、
アルミニウムまたはその合金を含み、表面にアルマイト層が形成された基板を準備する工程と、
前記基板を加熱して、前記アルマイト層にクラックを形成する工程と、
前記クラック内部に被覆層を形成する工程と、
を有する。
このようにすれば、プラズマCVD装置のメンテナンスの頻度を低減し、長期間にわたり安定した成膜を可能にすることができるプラズマCVD装置用サセプタを容易に製造することができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置用サセプタの製造方法において、
前記被覆層を形成する工程は、
前記クラック内部、および前記アルマイト層の表面に絶縁層を形成する工程と、
前記表面に形成された前記絶縁層を除去する工程と、
を含むことができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置用サセプタの製造方法において、
前記被覆層を形成する工程は、複数回行われることができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置の保守方法は、
シャワー板に対向する面にアルマイト層が形成されたサセプタを有するプラズマCVD装置の保守方法であって、
前記サセプタを加熱して前記アルマイト層にクラックを形成する工程と、
前記クラック内部に被覆層を形成する工程と、
を有する。
このようにすれば、プラズマCVD装置のメンテナンスの頻度を低減し、長期間にわたり安定した成膜を可能にすることができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置の保守方法において、
前記被覆層を形成する工程は、前記クラック内部、および前記アルマイト層の前記シャワー板に対向する表面に絶縁層を形成する工程と、
前記表面に形成された前記絶縁層を除去する工程と、
を含むことができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置の保守方法において、
前記絶縁層を除去する工程は、NFガスを含むプラズマを用いたエッチングによって行われることができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置の保守方法において、
前記絶縁層を形成する工程、および前記絶縁層を除去する工程は、当該プラズマCVD装置を用いて行われることができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置の保守方法において、
前記被覆層を形成する工程は、複数回行われることができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置の保守方法において、
前記被覆層は、窒化ケイ素を含むことができる。
本発明にかかる半導体装置の製造方法は、
上述の保守方法により保守されたプラズマCVD装置を用いて成膜を行う工程を有する。
このようにすれば、性能の良好な薄膜を有する半導体装置を長期間連続して安定して製造することができる。
本発明にかかるプラズマCVD装置は、
上述のプラズマCVD装置用サセプタを備えている。
このようなプラズマCVD装置は、性能の良好な薄膜を長期間連続して安定して形成することができる。
本発明にかかる半導体装置の製造方法は、
上述のプラズマCVD装置を用いて成膜を行う工程を有する。
このようにすれば、性能の良好な薄膜を有する半導体装置を長期間連続して安定して製造することができる。
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例として説明するものである。
1.プラズマCVD装置用サセプタおよびこれを備えたプラズマCVD装置
図1は、本実施形態にかかるプラズマCVD装置1000の要部を模式的に示す断面図である。図2および図7〜図10は、本実施形態にかかるプラズマCVD装置1000に備えられたプラズマCVD装置用サセプタ100(以下、サセプタ100ということがある。)を模式的に示す断面図である。図3は、サセプタ100を模式的に示す平面図である。
プラズマCVD装置1000は、図1に示すように、少なくとも、チャンバ10と、ガス導入管20と、排気管30と、シャワー板40と、サセプタ100とを有する。
チャンバ10は、プラズマCVD装置1000のCVD(Chemical Vapour Deposition)成膜を行うための空間を形成している。チャンバ10は、図1に示すように、少なくとも、ガス入口12、および排気口14を備えている。チャンバ10の形状は、図示の例では略矩形の断面を有するように描かれているが、他の形状であってもよい。チャンバ10は、一体的に形成されてもよく、また、複数の部品を組み立てて形成されていてもよい。チャンバ10は、後述するシャワー板40およびサセプタ100と電気的に絶縁されることができる。チャンバ10の材質は、導電性であっても絶縁性であってもよい。チャンバ10は、耐熱性、耐食性を有する材料で形成されることが好ましい。チャンバ10は、たとえば、モリブデン、タングステン、タンタル等の金属、耐熱ガラス、石英等の材料で形成されてもよい。チャンバ10は、内壁にライナーを有していてもよい。
ガス入口12は、外部からチャンバ10の内部へガスを導入するために、チャンバ10に設けられた開口である。ガス入口12は、導入されるガスが、シャワー板40の穴42を介して成膜空間に到達するように、シャワー板40の背面側に設けられることが好ましい。ガス入口12には、図に示したように、たとえば、ガス導入管20が接続される。ガス入口12を通じて、プラズマ状態のガスや、NF、BF、AsH、PH、GeF、SiFなどの反応性ガスを外部からチャンバ10内に供給することができる。
排気口14は、チャンバ10の内部の気体を排気するために、チャンバ10に設けられた開口である。排気口14は、チャンバ10の内部の気体を排気することができる限り、任意の位置に設けることができる。排気口14は、複数設けられてもよい。排気口14からは、大気、窒素等を排気することができる上、さらに、ガス入口12から過剰に供給されたガス、CVD等の反応によって生成したガス、および、エッチング(クリーニングを含む)によって生じたガスを排気することができる。排気口14には、たとえば、図に示したように排気管30が接続されることができる。
ガス導入管20は、チャンバ10のガス入口12に接続される。ガス導入管20は、気密性を確保できる配管またはその一部であることができる。ガス導入管20は、図示せぬ所望の用役配管、ボンベ等に接続される。また、ガス導入管20は、図示のように、ガスを分解するための分解室22を備えていてもよい。分解室22は、反応性のガスを分解またはプラズマ化する等の機能を有することができる。分解室22には、たとえば、図示のように電極26や、図示しない磁石等が付属していてもよい。ガス導入管20は、バルブ24を備えることができる。バルブ24は、複数備えられてもよい。バルブ24は、ガス導入管20内を流れるガスの流量を調節し、チャンバ10内に導入されるガスの量を制御することができる。
排気管30は、チャンバ10の排気口14に接続される。排気管30は、気密性を確保できる配管またはその一部であることができる。排気管30は、図示せぬ真空ライン、吸引ポンプ等に接続される。排気管30は、バルブ34を備えることができる。バルブ34は、複数備えられてもよい。バルブ34は、排気管30内を流れるガスの流量を調節し、チャンバ10内から排出されるガスの量を制御することができる。
シャワー板40は、チャンバ10内に設けられる。シャワー板40は、サセプタ100に対向するように設けられる。シャワー板40は、ガス入口12から導入されるガスを、サセプタ100の全体に向かって均一に流れるようにする機能を有する。シャワー板40は、一体的に形成されてもよく、また、複数の部品を組み立てて形成されていてもよい。シャワー板40は、複数の穴42を有する。穴42は、シャワー板40を貫通しており、シャワー板40の背面(図示の例では上側)の気体を正面(図示の例では下側)に導くことができる。シャワー板40の平面形状は、任意であるが、後述のサセプタ100の平面形状と同じ平面形状を有することが好ましい。このようにすれば、サセプタ100に対してより均一にガスを供給することができる。また、シャワー板40は、プラズマCVD装置1000のカソードとしての機能を持たせることもできる。シャワー板40は、たとえば、図示のように、チャンバ10に固定されて設けられる。また、シャワー板40は、ガス導入管20に固定され、チャンバ10と接しないように設けられてもよい。シャワー板40は、ガス入口12からチャンバ10内へガスが供給される際に、該ガスがシャワー板40の穴42を通過するように設けられる。なお、シャワー板40は、チャンバ10との間の絶縁が必要な場合は、図示のようにガスケット44等を介して固定されてもよい。シャワー板40の材質としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属、炭素系材料、およびケイ素を含む材料等が好適であり、反応性のガス等による腐食を抑制するために、表面に酸化アルミニウム、アルマイト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の腐食防止膜が形成されていてもよい。
サセプタ100は、チャンバ10内に、シャワー板40に対向するように設けられる。
サセプタ100は、サセプタ基板110と、サセプタ基板110のシャワー板40に対向する側の面に設けられたアルマイト層120と、サセプタ基板110のシャワー板40に対向する側の面に設けられ、アルマイト層120のクラック122を充填するように形成された被覆層130と、から構成される。プラズマCVD装置1000によって半導体ウエハ等に成膜を行う際、サセプタ100のアルマイト層120が形成された面の上に、半導体ウエハ等が載置または固定される。サセプタ100の上面には、半導体ウエハ等を吸引固定するための溝や、半導体ウエハ等の取り扱いを容易にするためのピン等の機構が設けられていてもよい。
サセプタ100の平面形状は、任意であるが、前述のシャワー板40の平面形状と同じ平面形状を有することが好ましい。このようにすれば、シャワー板40からくるガスをより均一に受けることができる。また、サセプタ100は、プラズマCVD装置1000のアノードとしての機能を持たせることができる。サセプタ100は、たとえば、図示のように、載置台50を介してチャンバ10に固定されて設けられる。サセプタ100のサセプタ基板110は、図示の例では、載置台50の上に固定されているが、載置台50と一体的であってもよい。また、サセプタ100は、チャンバ10との間の絶縁が必要な場合は、図示のようにガスケット52等を介して固定されてもよい。
サセプタ基板110は、サセプタ100の基体である。サセプタ基板110の材質は、アルミニウム、またはアルミニウム合金を含む。サセプタ基板110は、載置台50に、たとえば、ねじ止め等により固定される。このようにすれば、サセプタ100の交換等の際に、サセプタ基板110のみを交換することができる。サセプタ基板110と載置台50が別体である場合には、載置台50の材質としては、たとえば、モリブデン、タングステン、タンタル等の金属で形成されることができる。
アルマイト層120は、少なくとも、サセプタ基板110のシャワー板40に対向する側の面に設けられる。アルマイト層120は、サセプタ基板110のシャワー板40に対向する側の面以外の表面に設けられてもよい。また、サセプタ基板110が載置台50と一体的に形成されている場合においても、アルマイト層120は、サセプタ基板110のシャワー板40に対向する側の面以外の表面に形成されることができる。アルマイト層120は、サセプタ100の上に半導体ウエハ等が載置された際に、サセプタ基板110と半導体ウエハ等との間の絶縁を確保する機能を有する。また、アルマイト層120は、サセプタ基板110が、NF等の反応性のガスと接触して腐食することを防止する機能を有する。さらに、アルマイト層120は、サセプタ基板110が半導体ウエハ等との機械的な接触により損傷することを抑制する機能を有する。アルマイト層120の厚みは、1〜50μmが好ましく、20〜30μmがより好ましい。アルマイト層120の厚みが1μmよりも小さいと、上記の機能が十分に得られないことがあり、50μmよりも大きいと、表面の凹凸が増大したり被覆層130を形成しにくくなる場合がある。
アルマイト層120は、図2、および図3に示すようにクラック122を有するように形成される。クラック122は、アルマイト層120を貫通していてもよいし、アルマイト層120を貫通していなくてもよい。クラック122が形成される位置および数は、図3の例では、平面的に見て一様に複数形成されているが、このような形状に限定されず、単数であっても形成される位置に偏りを有していてもよい。クラック122の開口122aの幅は、1〜10μmが好ましい。開口122aの幅が1μmよりも小さいと、被覆層130を形成し難くなることがあり、また、サセプタ100が加熱された際に、被覆層130によって被覆されない新たな亀裂を生じることがある。また、開口122aの幅が10μmよりも大きいと、サセプタ100の表面の平坦性が損なわれる場合がある。後述するが、図2および図3では、クラック122の内部に被覆層130が形成されている。アルマイト層120の材質としては、アルミニウムの陽極酸化によって生成するアルミニウムの酸化物等を挙げることができる。
被覆層130は、少なくとも、サセプタ基板110のシャワー板40に対向する側の面に設けられる。被覆層130は、アルマイト層120のクラック122の内部に設けられる。被覆層130は、アルマイト層120のクラック122によって、露出するサセプタ基板110の表面を覆うように設けられる。被覆層130は、上述のアルマイト層120と同様の機能を有する。被覆層130の厚みは、サセプタ基板110が反応性ガスと接触しない程度の厚みを有すれば任意であるが、図2に示すように、アルマイト層120の厚みと近い厚みに形成されることがより好ましい。さらに、被覆層130の厚みは、クラック122の内部全体を充填するように形成されることが特に好ましい。このようにすれば、サセプタ100のシャワー板40に対向する側の面の平坦性が高まり、プラズマCVD装置1000によって形成される膜の膜厚を、面内でより均一にすることができる。また、被覆層130は、アルマイト層120のシャワー板40に対向する側の面に形成されていてもよい(たとえば、図7、図9、図10の被覆層130aを参照)。被覆層130の材質としては、絶縁性を有し、かつ、反応性ガス等の気体を透過しにくい性質を有するものが好ましく、たとえば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどが挙げられ、さらに、サセプタ基板110および/またはアルマイト層120との密着性が高い点、緻密な構造を有する点および形成が比較的容易な点等により、特に好ましくは窒化ケイ素である。
2.プラズマCVD装置の動作等
本実施形態にかかるプラズマCVD装置1000は、CVDによって、各種の薄膜を形成することが可能である。また、プラズマCVD装置1000は、たとえば、ガスの分解によって生じた副生成物等が、チャンバ内に付着したときに、これを除去するためのエッチング(クリーニング)を行うことができる。
プラズマCVD装置1000を用いたCVD成膜は、たとえば以下のように行うことができる。まず、サセプタ100の上に被成膜体(たとえば半導体ウエハ)を載置する。次に、チャンバ10内を減圧状態にして、所望の反応性ガス(たとえば、SiH、Si、SiHCl、BF、AsH、PH、GeF、SiFなど)を流量制御してシャワー板40を介して導入する。反応性ガスは、プラズマ化された状態で導入されてもよい。そして、たとえば、サセプタ100を接地電位とし、シャワー板40に高周波電圧を印加してグロー放電を生じさせる。このとき、反応性ガスが高電圧で加速された電子と衝突して、イオン化、励起、または分解され、イオンまたは中性ラジカルとなる。このようにして生じたイオンまたは中性ラジカルは、接地電位に置かれたウエハ等の被成膜体に入射し、表面反応によって被成膜体に所望の薄膜が形成される。
一方、プラズマCVD装置1000は、ガスを用いて成膜するため、当該ガスの反応副生成物を生成することがある。このような反応副生成物は、排気口14から排気されて除去される場合もあるが、チャンバ10内に堆積することも多い。また、チャンバ10内において、被成膜体以外の部位(たとえば、サセプタ100の被成膜体が載置されなかった部分)にも、不要な薄膜が形成されてしまうことがある。このような反応副生成物や不要な薄膜は、プラズマCVD装置1000を用いた成膜を繰り返すことにより増加する。そうすると、これらがパーティクルの原因となったり、形成する薄膜の膜厚の均一性を損ねる原因となることがある。そのため、プラズマCVD装置1000は、状況に応じてクリーニングと称する処理が行われる。
プラズマCVD装置1000のクリーニングは、たとえば以下のように行うことができる。被成膜体がチャンバ10内にない状態で、チャンバ10内を減圧状態にする。次に、所望のクリーニングガス(たとえば、NF、SF、Cなど)を流量制御して導入する。このとき、クリーニングガスとしては、除去したい異物(反応副生成物や不要な薄膜など)を気化させうるものを選択する。そして、該クリーニングガスによって、気化された異物は、排気口14から排気されて、チャンバ10内から除去される。
ここで、このようなクリーニングガスは、除去したい異物を気化させると同時に、チャンバ10内の部材に悪影響を及ぼすこともある。たとえば、プラズマCVD装置1000を用いたCVD成膜を行うときには、サセプタ100を加熱する場合がある。サセプタ基板110の上にアルマイト層120のみが形成され、被覆層130が形成されていないと、サセプタ基板110とアルマイト層120の熱膨張率の差によってアルマイト層120に亀裂が生じ、サセプタ基板110のアルミニウムやその合金がチャンバ10内に露出することがある。このようにアルミニウムやその合金がチャンバ10内で露出しているときに、NF等のフッ素系ガス用いてクリーニングを行うと、フッ素とアルミニウムが化合して、フッ化アルミニウムを生じることがある。フッ化アルミニウムが生じたときに、クリーニングの排気が不十分であると、フッ化アルミニウムがチャンバ10内に堆積してチャンバ10内の電界分布や、ガスの流れを乱すことがある。
本実施形態のプラズマCVD装置1000は、サセプタ100の表面がアルマイト層120および被覆層130によって覆われる構造を有するため、サセプタ基板110のアルミニウムまたはアルミニウム合金が、チャンバ10内で露出することが抑制される。そのため、フッ化アルミニウムの生成等の不具合が極めて生じにくくなっている。したがって、プラズマCVD装置1000のメンテナンスの頻度を低く抑えることが可能で、しかも性能の良好な薄膜を長期間連続して安定して形成することができる。
3.プラズマCVD装置用サセプタの製造方法
図4ないし図10は、本実施形態にかかるサセプタ100の製造工程を模式的に示す断面図である。
本実施形態のサセプタ100の製造方法は、アルミニウムまたはその合金を含み表面にアルマイト層120が形成された基板1を準備する工程と、基板1を加熱して、アルマイト層120にクラック122を形成する工程と、クラック122内部に被覆層130を形成する工程と、を有する。
まず、図4に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含むサセプタ基板110の上の全面にアルマイト層120aが形成された基板1を準備する。このような基板1は、市販品を準備してもよい。また、基板1は、サセプタ基板110を陽極酸化してアルマイト層120aを形成して作製してもよい。
次に、基板1を加熱して、アルマイト層120にクラック122を形成する工程を行う。基板1を加熱すると、図5および図6に示すように、アルマイト層120aにクラック122が形成される。この工程は、サセプタ基板110とアルマイト層120aの熱膨張率の差を利用している。本工程の加熱によって到達する基板1の温度は、アルマイト層120aにクラック122が発生する範囲であれば任意であるが、当該基板1を元に形成されるサセプタ100が成膜に用いられるときの温度(以下、これを「実使用温度」という。)に応じて好ましい範囲がある。基板1の温度は、実使用温度以上であって、実使用温度よりも40℃高い温度以下の範囲であることが好ましく、実使用温度以上であって、実使用温度よりも20℃高い温度以下の範囲であることがさらに好ましい。たとえば、実使用温度が400℃である場合は、本工程で基板1の温度は、400〜440℃とすることが好ましく、400〜420℃とすることがさらに好ましい。本工程の加熱によって到達する基板1の温度を上記の好ましい範囲にすれば、当該基板1を元に形成されるサセプタ100が成膜に用いられるとき(実使用時)に、アルマイト層120のクラック122の近傍で発生する応力を抑えることができる。本工程の加熱によって到達する基板1の温度が上記の好ましい範囲よりも低いと、実使用時にアルマイト層120のクラック122の近傍で発生する応力によって、アルマイト層120に不要な亀裂等が生じることがある。また、本工程の加熱によって到達する基板1の温度が上記の好ましい範囲よりも高いと、サセプタ基板110の変形や劣化が生じることがある。
形成されるクラック122の開口部122aの幅は、サセプタ基板110およびアルマイト層120の材質、および基板1が加熱される温度に依存するが、1〜10μmとなるように温度等が調整されることが望ましい。クラック122の開口部122aの幅が1μmよりも小さいと、後述の被覆層130を形成する工程において、クラック122の開口部122aが閉塞して、絶縁層132のクラック122の内部への成膜が困難になる場合がある。本工程は、大気中で行うことができるが、不要な酸化膜等の形成を抑えるために、減圧雰囲気で行われることが好ましい。また、本工程は、上述のプラズマCVD装置1000内で行われることがさらに好ましい。このようにすれば、以下に説明する工程を同一のチャンバ10内で一貫して行うことができ、また、本工程を減圧雰囲気で行うことが容易となる。さらに、本工程がプラズマCVD装置1000内で行われると、以下の工程を基板1を加熱した状態のまま行うことができる。このようにすれば、サセプタ基板110とアルマイト層120aの寸法差が大きい状態、すなわち、開口部122aがより開口した状態で、以下の工程を行うことができる。したがって、被覆層130のクラック122内部へのカバレッジをより良好にすることができる。
以下の工程は、基板1をプラズマCVD装置1000内に導入し、該装置を用いて行う場合について例示する。
次に、図7に示すように、クラック122の内部に絶縁層132を形成する工程を行う。絶縁層132は、被覆層130となるため、被覆層130の材質を用いて形成される。本工程は、クラック122を形成する工程で加熱された状態で、引き続き行われることがより好ましい。このようにすれば、クラック122の開口部122aの幅を冷却時に比較して大きい状態で絶縁層132を形成できる。そのため、サセプタ100の使用中の加熱等による不要な亀裂を生じにくくできる。図7に示すように、絶縁層132は、クラック122の内部および、アルマイト層120の上面(絶縁層132a)の両方に形成されてもよい。絶縁層132の形成は、CVDによって行うことができるが、蒸着やスパッタリング等によって形成してもよい。CVDによって形成する場合のチャンバ10内に導入されるガス種としては、所望の膜を形成しうるものであればよく、たとえば、窒化ケイ素の絶縁層132を形成する場合は、SiH、NH、およびNの混合ガスなどが挙げられる。本工程によって形成される絶縁層132(132a)の厚みとしては、たとえば、10〜500nmが好ましく、より好ましくは100〜300nmである。本工程で形成される絶縁層132の厚みが10nmよりも小さいと、絶縁層132が被覆層130となった際に、サセプタ基板110をクリーニングガス等から保護する効果が得られないことがあり、また、クラック122の全部を絶縁層132で充填する場合には、そのために必要な絶縁層132の成膜回数が多くなりすぎることがある。また、500nmよりも大きいと、クラック122の開口部122aが閉塞して、クラック122の内部への絶縁層132の成膜が困難になる場合がある。
以上の工程により、絶縁層132が形成され、当該絶縁層132が被覆層130となって、図7に示すような本実施形態のサセプタ100が製造される。そして、さらに、本実施形態のサセプタ100の製造方法において、必要に応じて以下の工程をさらに付加することができる。上述の工程によっては、絶縁層132によってクラック122の全部が充填されない場合がある。このような場合に、次に述べる工程を行うことによって、絶縁層132(被覆層130)によってクラック122の全部が充填されたサセプタ100を製造することができる。これにより、サセプタ100をプラズマCVD装置1000で使用した場合に、さらに電界の乱れ等を生じにくくすることができる。
たとえば、図7に示したように、サセプタ100のクラック122の内部全体に絶縁層132が形成されていない場合、さらに、以下に記す工程により、クラック122の中に絶縁層132を積層するように形成することができる。
まず、クラック122の開口122a付近に堆積した絶縁層132aによって開口122aが狭窄されている場合には、図8に示すように、アルマイト層120の上面に形成された絶縁層132aを除去する。この工程を行うと絶縁層132aが除去され、開口122aの狭窄が解消されるため、次の工程で形成される絶縁層132がクラック122の内部により堆積されやすくなる。絶縁層132aの除去は、たとえば、減圧状態でクリーニングガスと接触させる方法や、ドライエッチング法等によって行うことができる。この工程は、プラズマCVD装置1000を用いて行うことができ、その場合は、プラズマCVD装置1000のクリーニング処理と同様に行うことができる。この際、アルマイト層120の上面に形成された絶縁層132aの除去の速度は、クラック122の内部に形成された絶縁層132の除去の速度よりも大きい。そのため、アルマイト層120の上面に形成された絶縁層132aが除去されても、クラック122の内部に形成された絶縁層132は残存する。次いで、図9に示すように、クラック122の内部に絶縁層132を形成する。絶縁層132の形成方法は、すでに述べた通りである。
絶縁層132aを除去する工程、および絶縁層132を形成する工程を複数回繰り返すことによって、図10に示すように、クラック122の内部全体に絶縁層132を形成することができる。絶縁層132aを除去する工程、および絶縁層132を形成する工程を繰り返す回数は、アルマイト層120の厚み、および絶縁層132を形成する工程における一回あたりの層厚に依存するが、20〜80回、好ましくは40〜60回である。図10のように形成されたサセプタ100は、必要に応じて、アルマイト層120の上面が露出するまで絶縁層132aを除去してもよい。
以上のようにしてクラック122の内部に絶縁層132が形成され、この絶縁層132が被覆層130となり、表面がアルマイト層120および被覆層130によって覆われる構造を有するサセプタ100を製造することができる。
4.プラズマCVD装置の保守方法
本実施形態のプラズマCVD装置の保守方法を以下に例示する。プラズマCVD装置1000は、「2.プラズマCVD装置の動作等」の項で述べたように、各種の薄膜を形成することが可能で、また、チャンバ10内の異物を除去するためのエッチング(クリーニング)を行うことができる。しかしながら、一般に、プラズマCVD装置を一定期間運転すると、サセプタに摩耗等を生じることがある。すなわちサセプタは、消耗品であるため、これを交換する必要が生じる。プラズマCVD装置のサセプタを交換する際に、新しいサセプタとして、上述したサセプタ100を準備できる場合は、そのまま「1.プラズマCVD装置用サセプタおよびこれを備えたプラズマCVD装置」の項で述べたプラズマCVD装置1000を構成することができる。しかし、プラズマCVD装置のサセプタを交換する際に、新しいサセプタとして、上述したサセプタ100を準備できない場合は、そのままでは、上述のプラズマCVD装置1000の特徴を有することはできない。このような場合には、以下に述べるプラズマCVD装置の保守方法を行うことが極めて有効である。これにより、プラズマCVD装置のメンテナンスの頻度を低く抑えることが可能となり、製造プロセスのメンテナンスによる中断が減少し、製造プロセスの経済性を向上することができる。
本実施形態のプラズマCVD装置の保守は、「3.プラズマCVD装置用サセプタの製造方法」で述べたサセプタ100の製造を応用して行われる。本実施形態のプラズマCVD装置の保守方法は、シャワー板に対向する面にアルマイト層が形成されたサセプタを有するプラズマCVD装置の保守方法であって、サセプタを加熱してアルマイト層にクラックを形成する工程と、クラック内部に被覆層を形成する工程と、を有する。以下の記載において「3.プラズマCVD装置用サセプタの製造方法」で述べた部材については同じ符号を付し、実質的に同じ工程については説明を省略する。
本実施形態のプラズマCVD装置の保守方法は、メンテナンス(サセプタの交換)を行った際に、メンテナンス後の成膜等を行う前に、以下の工程を行うことに特徴を有する。
まず、基板1を準備する。基板1は、図4に示すような、サセプタ基板110の表面の全面にアルマイト層120aが形成されたものである。基板1は、市販品を準備してもよい。基板1は、新しいサセプタとして、劣化したサセプタに換えてプラズマCVD装置に設置される。以下、基板1は、新しいサセプタとして単にサセプタと称することがある。
次に、サセプタを加熱してアルマイト層120aにクラックを形成する工程を行う。この工程は「3.プラズマCVD装置用サセプタの製造方法」で述べた、基板1を加熱して、アルマイト層120にクラック122を形成する工程と同様である。
そして、クラック122内部に被覆層130を形成する工程を行う。この工程は、「3.プラズマCVD装置用サセプタの製造方法」の項で述べた、クラック122内部に被覆層130を形成する工程と同様である。さらに、任意的に、同項で述べたと同様に、絶縁層132aを除去する工程、および絶縁層132を形成する工程を行うことができる。また、これらの工程は、複数回繰り返すこともできる。
以上説明したプラズマCVD装置の保守方法は、メンテナンス(サセプタの交換)を行った際に、メンテナンス後の成膜等を行う前に、上記の各工程を行うことに特徴を有する。これにより、メンテナンス後、製造等を再開する前に、交換後の新しいサセプタを「1.プラズマCVD装置用サセプタおよびこれを備えたプラズマCVD装置」で述べたサセプタ100と同様の構成を有するものにすることができる。そのため、本実施形態のプラズマCVD装置の保守方法によれば、プラズマCVD装置のメンテナンスの頻度を低く抑えることが可能で、製造プロセスのメンテナンスによる中断が減少し、製造プロセスの経済性を向上することができる。
5.半導体装置の製造方法
本実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、「1.プラズマCVD装置用サセプタおよびこれを備えたプラズマCVD装置」で述べたプラズマCVD装置1000を用いて成膜を行う工程を有する。また、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、「4.プラズマCVD装置の保守方法」で述べた保守方法により保守されたプラズマCVD装置を用いて成膜を行う工程を有する。半導体装置の製造において、薄膜を形成する工程は広範に行われている。たとえば、MOS構造を有する電界効果型トランジスタ(MOSFET)は、半導体装置に形成される基本的な素子であるが、該素子における成膜工程としては、ゲート酸化膜の形成や、各種の配線の形成などがある。また、その他の半導体装置における成膜工程としては、キャパシタ等の誘電体層の形成工程などがある。このように成膜工程は、広範な半導体装置の製造において一般的に行われる工程である。
本実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、例示したような成膜工程を上述のプラズマCVD装置を用いて行うことに特徴を有している。また、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、このような成膜工程を上述の保守方法により保守されたプラズマCVD装置を用いて行うことに特徴を有している。
本実施形態にかかるプラズマCVD装置、および本実施形態にかかるプラズマCVD装置の保守方法によって保守されたプラズマCVD装置は、メンテナンスの頻度が低い。そのため、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、製造プロセスのメンテナンスによる中断が減少し、長期間にわたって安定して所望の半導体装置を製造することが可能である。
6.実施例および比較例
以下に実施例および比較例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例の試料は、サセプタを新品に交換した後、本発明の保守方法によって保守されたプラズマCVD装置を用いて、シリコンウエハ上に成膜した窒化ケイ素膜である。比較例の試料は、サセプタを新品に交換した後、本発明の保守方法を行わずに、シリコンウエハ上に成膜した窒化ケイ素膜である。
実施例で行った具体的な保守方法は、次のようにした。サセプタを新品に交換した後、プラズマCVD装置に装着した。チャンバ内を減圧(533Pa)するとともに、サセプタを420℃に加熱した。次いで、サセプタを加熱した状態で、200nmの膜厚となるように窒化ケイ素を成膜した。次いで、減圧状態のまま、クリーニングガスとして、NFをチャンバ内に導入した。クリーニングガスを停止し、チャンバ内を十分に排気した後、再び200nmの膜厚となるように窒化ケイ素を成膜した。この成膜およびクリーニング(エッチング)操作の組を50回連続して行った。
実施例および比較例には同一のプラズマCVD装置を用いた。プラズマCVD装置は、日本エー・エス・エム株式会社から市販されている形式「イーグル10」を用いた。実施例および比較例ともに、新品のサセプタは、同社から交換部品として購入したものを用いた。当該新品のサセプタは、アルミニウム基板の上に、アルマイト層のみが形成されたものである。アルマイト層の厚みは25μmであった。
実施例および比較例の試料は、サセプタの上にシリコンウエハを載置して成膜し、シリコンウエハを交換しながら、連続して、それぞれ、300枚および150枚作製した。なお、実施例の試料を300枚作製した後、サセプタの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)観察し、エネルギー分散型X線(EDX)分析を行ったところ、アルマイト層のクラックの中に、窒化ケイ素が充填されていることが確認でき、しかも窒化ケイ素とアルマイト層との間には段差がほとんどないことが分かった。また、クラックの平均的な幅は7μmであった。一方、比較例の試料を150枚作製した後、サセプタの表面をSEM観察し、EDX分析を行ったところ、アルマイト層のクラックの底部に、フッ化アルミニウムが堆積していることが確認され、しかもクラックは充填されておらず開口していた。
作製した実施例および比較例のすべての試料について、それぞれウエハ面内の複数の点において、窒化ケイ素膜の厚みを測定し、面内における最大膜厚、最小膜厚、および平均膜厚を求めた。そして、面内均一性として「(最大膜厚−最小膜厚)/平均膜厚/2」の値を求めた。面内均一性は、3%以下であれば良好であり、3%を超えると不良であるといえる。
図11は、縦軸に面内均一性をとり、横軸に連続成膜枚数をとって、実施例および比較例についてプロットしたグラフである。当該プロットは、5〜10枚毎のデータを抜き出したものである。図11のグラフを見ると、実施例の試料は、300枚連続で作製される間を通じて、面内均一性が極めて良好であった。しかも、実施例の試料は、300枚作製する間を通じて、面内均一性が大きく変化することなく、安定な成膜状態が維持されていた。したがって、実施例の試料は、300枚作製した時点で良好であるため、この時点ではプラズマCVD装置のメンテナンスを行う必要がないことが分かった。
これに対して、比較例の試料は、80枚目前後から後はすべて、面内均一性が3%を超えて不良となった。また、比較例では、150枚作製する間において、面内均一性が大きく変動した。比較例における面内均一性の変動は、たとえ面内均一性が良好な範囲であっても半導体等の製造プロセスにおいては望ましくないといえる。比較例の試料は、80枚程度作製した時点で不良となっているため、この時点でプラズマCVD装置のメンテナンスが必要な状態にあることが分かった。
以上のように、サセプタを新品に交換した後、本発明の保守方法によって保守されたプラズマCVD装置を用いることにより、シリコンウエハ上に窒化ケイ素膜を長期間にわたって、メンテナンスによる中断を行うことなく、良好に成膜できることが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
実施形態のプラズマCVD装置1000を模式的に示す断面図。 実施形態のプラズマCVD装置用サセプタ100を模式的に示す断面図。 実施形態のプラズマCVD装置用サセプタ100を模式的に示す平面図。 実施形態のサセプタ100の製造工程を模式的に示す断面図。 実施形態のサセプタ100の製造工程を模式的に示す断面図。 実施形態のサセプタ100の製造工程を模式的に示す断面図。 実施形態のサセプタ100及びその製造工程を模式的に示す断面図。 実施形態のサセプタ100及びその製造工程を模式的に示す断面図。 実施形態のサセプタ100及びその製造工程を模式的に示す断面図。 実施形態のサセプタ100及びその製造工程を模式的に示す断面図。 実施例及び比較例の面内均一性測定結果を示すグラフ。
符号の説明
1 基板、10 チャンバ、12 ガス入口、14 排気口、20 ガス導入管、
22 分解室、24 弁、26 電極、30 排気管、34 弁、40 シャワー板、
42 穴、44 ガスケット、50 載置台、52 ガスケット、
100 プラズマCVD装置用サセプタ、110 サセプタ基板、
120 アルマイト層、122 クラック、122a 開口部、
130,130a 被覆層、132,132a 絶縁層、1000 プラズマCVD装置

Claims (14)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金を含むサセプタ基板と、
    前記サセプタ基板の上に、クラックを有するように形成されたアルマイト層と、
    前記クラックの内部に形成された被覆層と、
    を有する、プラズマCVD装置用サセプタ。
  2. 請求項1において、
    前記被覆層は、窒化ケイ素を含む、プラズマCVD装置用サセプタ。
  3. アルミニウムまたはその合金を含み、表面にアルマイト層が形成された基板を準備する工程と、
    前記基板を加熱して、前記アルマイト層にクラックを形成する工程と、
    前記クラック内部に被覆層を形成する工程と、
    を有する、プラズマCVD装置用サセプタの製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記被覆層を形成する工程は、
    前記クラック内部、および前記アルマイト層の表面に絶縁層を形成する工程と、
    前記表面に形成された前記絶縁層を除去する工程と、
    を含む、プラズマCVD装置用サセプタの製造方法。
  5. 請求項3または請求項4において、
    前記被覆層を形成する工程は、複数回行われる、プラズマCVD装置用サセプタの製造方法。
  6. シャワー板に対向する面にアルマイト層が形成されたサセプタを有するプラズマCVD装置の保守方法であって、
    前記サセプタを加熱して前記アルマイト層にクラックを形成する工程と、
    前記クラック内部に被覆層を形成する工程と、
    を有する、プラズマCVD装置の保守方法。
  7. 請求項6において、
    前記被覆層を形成する工程は、前記クラック内部、および前記アルマイト層の前記シャワー板に対向する表面に絶縁層を形成する工程と、
    前記表面に形成された前記絶縁層を除去する工程と、
    を含む、プラズマCVD装置の保守方法。
  8. 請求項7において、
    前記絶縁層を除去する工程は、NFガスを含むプラズマを用いたエッチングによって行われる、プラズマCVD装置の保守方法。
  9. 請求項7または請求項8において、
    前記絶縁層を形成する工程、および前記絶縁層を除去する工程は、当該プラズマCVD装置を用いて行われる、プラズマCVD装置の保守方法。
  10. 請求項6ないし請求項9のいずれか一項において、
    前記被覆層を形成する工程は、複数回行われる、プラズマCVD装置の保守方法。
  11. 請求項6ないし請求項10のいずれか一項において、
    前記被覆層は、窒化ケイ素を含む、プラズマCVD装置の保守方法。
  12. 請求項6ないし請求項11のいずれか一項に記載の保守方法により保守されたプラズマCVD装置を用いて成膜を行う工程を有する、半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1または請求項2に記載のプラズマCVD装置用サセプタを備えたプラズマCVD装置。
  14. 請求項13に記載のプラズマCVD装置を用いて成膜を行う工程を有する、半導体装置の製造方法。
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