JP2005104288A - 車両のステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車体フレームにステアリングシャフト12を回転自在に取付け、このステアリングシャフト12の下部にステアリングアーム66を介してタイロッド、ナックルアームを取付け、ナックルアームにそれぞれ車輪を回転自在に取付けた車両において、ステアリングシャフト12を複数のシャフト(アッパシャフト71、ミドルシャフト73及びロアシャフト75)に分割し、これらの分割したシャフト71,73,75をそれぞれフック式ジョイント(第1フック式ジョイント72及び第2フック式ジョイント74)で連結した。
【選択図】 図2
Description
図12(a),(b)は従来の車両のステアリング装置を示す要部側面図であり、(a)において、ステアリング装置としての前輪操向装置200は、ヘッドパイプ201に回転自在にステアリング軸202を取付け、このステアリング軸202の下端部に連結部材203を取付け、この連結部材203にリンク機構204を介してステアリングステム206を取付けたものであり、ステアリングステム206を前輪側に連結する。
ハンドルを切って車体中心線CLに対して上部リンク208を左右に角度αだけスイングさせると、下部リンク213は車体中心線CLに対して左右に角度βだけスイングする。即ち、ステアリング軸202の回転角度がαであるとき、ステアリングステム206の回転角度βは、ステアリング軸202の回転角度αより小さくなる。
することにある。
更に、フック式ジョイントによってステアリングシャフトに突出部が出来ないため、ステアリング装置の小型化・コンパクト化が図れ、ステアリングシャフトの周囲に大きなスペースを必要としないため、ステアリングシャフト周りのコンパクト化も図れる。
ステアリングシャフトの軸線を側面視で屈曲させ、各フック式ジョイントの入力側ヨークに対して出力側ヨークを傾斜させて、入力側ヨークの回転角度と出力側ヨークの回転角度とを異ならせ、ハンドルの回転角度よりもステアリングアームの回転角度を小さくする。
軸線の屈曲角度を、例えば、大きくして、バーハンドルの操舵角に対するステアリングアームの揺動角をより小さくする。
図1は本発明に係る車両の側面図であり、車両10は、車体フレーム11の前部に分割式のステアリングシャフト12を取付け、このステアリングシャフト12の上部にハンドル13を取付けることで、左右の車輪としての前輪14,15(手前側の符号14のみ示す。)を操舵し、車体フレーム11の後部に支持アーム17,18を介して、エンジン21及びこのエンジン21の後部に一体的に取付けた変速機22からなるパワーユニット23を取付け、このパワーユニット23の出力軸に後輪24,26(手前側の符号24のみ示す。)を取付け、車体フレーム11の上部にタンデムシート27を取付けた二人乗り用四輪車である。
ステアリング装置60は、ステアリングシャフト12と、このステアリングシャフト12の上端部に取付けたハンドル支持部材61,61(手前側の符号61のみ示す。)と、このハンドル支持部材61に取付けたハンドル13と、ステアリングシャフト12を回転自在に支持するために車体フレーム11(図1参照)に取付けた第1支持部材62〜第4支持部材65と、ステアリングシャフト12の下端に取付けたステアリングアーム66とを備える。
第1フック式ジョイント72は、アッパシャフト71に取付けた入力側ヨーク91と、十字軸92と、入力側ヨーク91に十字軸92を介して連結するとともにミドルシャフト73にボルト93で取付けた出力側ヨーク94と、入力側ヨーク91及び十字軸92のそれぞれの間並びに出力側ヨーク94及び十字軸92のそれぞれの間に介在させたニードルベアリング96・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ。)と、ニードルベアリング96の端部をシールするシール部材97・・・とからなる不等速形自在軸継手である。なお、第2フック式ジョイント74(図1参照)は、第1フック式ジョイント72と基本構造が同一であり、説明は省略し、各部の符号は第1フック式ジョイント72のものを使用する。
ステアリング装置60は、ステアリングアーム66と、前輪14,15をそれぞれ回転自在に支持するナックルアーム111,112とにタイロッド113,114を渡したものである。なお、116は車両前後方向に延ばした直線、117は直線116を通り且つハンドル13の回転中心となる点、118は直線116を通り且つステアリングアーム66の回転中心となる点、121,122はタイロッド113,114のスイング軸とするためにステアリングアーム66に設けたボールジョイント、123,124はタイロッド113,114の軸線である。
図1において、前輪14,15(符号15は不図示)を車両前方に向け、且つハンドル13を左右に延ばしたときに、図3に示したように、入力側ヨーク91の中心線102を水平とする。この状態を、車両が前方へ直進するときのステアリング装置の直進状態(以下同じ。)とする。
図7は本発明に係るステアリング装置の作用を示す第1作用図であり、アッパシャフトとミドルシャフトとのそれぞれの回転角度の関係を示すグラフである。グラフの縦軸はミドルシャフトの回転角度、即ち出力軸回転角度α2(単位:°)、横軸はアッパシャフトの回転角度、即ち入力軸回転角度α1(単位:°)を示し、太線は実施例、細線は比較例(入力軸回転角度α1と出力軸回転角度α2とが同一となる線である。)を示す。入力軸回転角度α1がα1=0(ゼロ)のときが直進状態である。なお、このときのジョイント角はθ1=40°とした。
図8は本発明に係るステアリング装置の作用を示す第2作用図であり、アッパシャフトとロアシャフトとのそれぞれの回転角度の関係を示すグラフである。グラフの縦軸はロアシャフトの回転角度、即ち出力軸回転角度α3(単位:°)、横軸はアッパシャフトの回転角度、即ち入力軸回転角度α1(単位:°)を示し、太線は実施例、細線は比較例(入力軸回転角度α1と出力軸回転角度α3とが同一となる線である。)を示す。入力軸回転角度α1がα1=0(ゼロ)のときが直進状態である。なお、このときのジョイント角はθ1=θ2=40°とした。
従って、図7及び図8において、フック式ジョイントを1個よりも2個にした方が、入力軸回転角度に対する出力軸回転角度をより一層小さくすることができる。
出力軸回転遅れ角度、即ち(α1−α3)は、(α1−α2)と同様の傾向で増減し、(α1−α2)に対してほぼ2倍となる。
ハンドル13を、例えば想像線で示す直進状態から実線位置まで矢印Aで示すように、右に角度α1(図8に示した入力軸回転角度α1である。)だけ切ると、ステアリングアーム66は直線116に対して角度α3(図8に示した出力軸回転角度α3である。)だけ回転し、このステアリングアーム66の回転に伴って、タイロッド113,114及びナックル111,112を介して前輪14,15がそれぞれ直進状態から矢印B,Cで示すように操舵される。なお、点118と支軸121,122とを結ぶ線分をそれぞれ127,128とすると、これらの線分127,128とタイロッド113,114の軸線123,124とのなす角度はトグル角β1,β2である。
(a)は、ステアリングシャフト220をアッパシャフト221、ミドルシャフト222及びロアシャフト223とに3分割し、アッパシャフト221とミドルシャフト222とをフック式ジョイント225で連結し、ミドルシャフト222とロアシャフト223とをフック式ジョイント226で連結したことを示す。なお、θ3はジョイント角である。
図11(a),(b)は本発明に係るステアリング装置の原理を示す説明図であり、フック式ジョイントの入力側ヨークの回転角度と出力側ヨークの回転角度との差が生じる理由について説明する。
まず、図2において、第1フック式ジョイント72の入力側ヨーク91が軸線76を中心にして回転すると、入力側ヨーク91は回転運動し、軌跡として円を描く。
このときに、回転運動をする入力側ヨーク91を、出力側ヨーク94側の軸線77方向から見ると、入力側ヨーク91は軌跡として水平方向に長径を有する楕円を描く。
図11(a)に示した円131は、上記の入力側ヨーク91の円軌跡、図11(a)に示した楕円132は、上記の入力側ヨーク91の楕円軌跡である。
従って、線分134の長さを1とすると、線分135の長さはcosθ1となる。即ち、(a)に戻って、円131の直径を1とすると、楕円132の短径はcosθ1となる。
中心点CLと点143(及び点146)との水平方向の距離をx、中心点CLと点143との鉛直方向の距離をy1、中心点CLと点146との鉛直方向の距離をy2とすると、回転角度α1と回転角度α2との関係は、[数3]に示すように求まる。
ステアリングシャフト12の軸線76〜78を側面視で屈曲させたので、各フック式ジョイント72,74の入力側ヨーク91に対して出力側ヨーク94を傾斜させ、入力側ヨーク91の回転角度α1と出力側ヨーク94の回転角度α2(及び入力側ヨーク91の回転角度α2と出力側ヨーク94の回転角度α3)とを異ならせることができ、ハンドル13の回転角度α1よりもステアリングアームα3の回転角度を小さくすることができる。
Claims (5)
- 車体フレームにステアリングシャフトを回転自在に取付け、このステアリングシャフトの下部にステアリングアームを介してタイロッドを取付け、このタイロッドの先端にナックルアームを取付け、このナックルアームに車輪を回転自在に取付け、前記ステアリングシャフトの上部に取付けたハンドルを操作することで車輪を操舵する車両のステアリング装置において、
前記ステアリングシャフトを複数のシャフトに分割し、これらの分割したシャフトをそれぞれフック式ジョイントで連結したことを特徴とする車両のステアリング装置。 - 前記ステアリングシャフトは、3分割構造にするとともに、中央のステアリングシャフトの両端に設けたヨークに取付けるそれぞれの軸同士を回転方向で直交させたことを特徴とする車両のステアリング装置。
- 前記ステアリングシャフトは、その軸線を側面視で屈曲させたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両のステアリング装置。
- 前記車両は、前記ステアリングシャフトをバーハンドルで回転させる鞍乗り型であり、前記3分割した各シャフトのうちの中央に位置する中間シャフトを他の2本のシャフトよりも水平に近い角度に傾斜させたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両のステアリング装置。
- 前記軸線の屈曲角度を変更することで、バーハンドルの操舵角に対するステアリングアームの揺動角を変更可能にしたことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の車両のステアリング装置。
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