JP2005097456A - ガソリン基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィッシャー・トロプシュ合成ワックスなどのワックス分を原料として製造されたガソリン基材において、実質的にアロマ分、ナフテン分、オレフィン分を含まず、かつ、十分なオクタン価が得られるガソリン基材の製造方法を提供する。
【解決手段】 直鎖状炭化水素原料油を分解した生成物を分留し、炭素数6以下の成分を主成分とするライトガソリン留分と炭素数7以上の成分を主成分とするヘビーガソリン留分とを得、異なる固体酸触媒の存在下でそれぞれの留分を異性化し、その後、両留分を混合してガソリン基材とするガソリン基材の製造方法である。特に、直鎖状炭化水素原料油が、フィッシャー・トロプシュ合成ワックスであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、直鎖状炭化水素を原料とし、その分解によって得られたガソリン留分を異性化することにより、オクタン価が改善されたガソリン基材を製造する方法に関する。
フィッシャー・トロプシュ合成ワックスは、硫黄分、窒素分、芳香族分などを含まないことから、このような合成ワックスを原料として、水素化分解により製造された燃料油は、昨今大きな注目を集めている。
このような燃料油のガソリンとしての利用に関しても、環境保護の見地から、また、直噴型エンジンの増加などから、硫黄分を含まないフィッシャー・トロプシュ合成ワックスから製造されたガソリン(以下、FTガソリン)への期待が高まっている。
フィッシャー・トロプシュ合成ワックスなどのワックス分を原料として製造されたガソリン基材は、ノルマルパラフィン分が多く、実質的にアロマ分、ナフテン分、オレフィン分を含まないことから、ガソリン基材として一般的にオクタン価が十分でない。
アロマ分、ナフテン分、オレフィン分を含ませることなくオクタン価を上げるためには、ノルマルパラフィン分を異性化し、イソパラフィン量を増加させ、また2つ以上の分岐を有するイソパラフィンを増加させることが有効である。例えば、ガソリン留分については、硫酸担持ジルコニア系固体酸触媒に白金族金属成分を担持したものが優れた異性化特性を示すことが知られている。しかし、従来の水素化異性化ではオクタン価を大幅に向上させることはできなかった。
特開平05−029504号公報 特開平09−188633号公報 国際公開2002−070129号公報
本発明者は、ガソリン留分に含まれる炭素数5〜6の留分と、炭素数7〜8の留分とでは、異性化触媒との反応性が大きく異なることに着目して本発明を完成した。
本発明は、直鎖状炭化水素原料油を分解した生成物を分留し、炭素数6以下の成分を主成分とするライトガソリン留分と炭素数7以上の成分を主成分とするヘビーガソリン留分とを得、異なる固体酸触媒の存在下でそれぞれの留分を異性化し、その後、両留分を混合してガソリン基材とするガソリン基材の製造方法である。特に、直鎖状炭化水素原料油が、フィッシャー・トロプシュ合成ワックスであることが好ましい。
ライトガソリン留分の異性化に用いる固体酸触媒が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれるIV族金属成分の1種を金属成分として含む担体と、この担体に硫酸分および白金族金属成分が担持されたものであること、または、ヘビーガソリン留分の異性化に用いる固体酸触媒が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれるIV族金属成分の1種とタングステンおよびモリブデンから選ばれるVI族金属成分の1種とを金属成分として含む担体に白金族金属成分が担持されたものであることが好ましい。
本発明のガソリン基材の製造方法は、直鎖状炭化水素原料油を分解した生成物を分留して、炭素数6以下の成分を主成分とするライトガソリン留分と炭素数7以上の成分を主成分とするヘビーガソリン留分とに分け、それぞれに異なる固体酸触媒を用いて異性化を行なうことで、異性化反応の特性が相違するライトガソリン留分とヘビーガソリン留分をそれぞれに適合した触媒を用いて異性化を行なうので、従来のよりもオクタン価を大幅に向上させることができる。
〔直鎖状炭化水素原料〕
本発明の製造方法で用いる直鎖状炭化水素原料は、軽質直鎖状炭化水素は水素化分解の反応性が低いので、必要に応じてあらかじめ蒸留等により原料油の軽質留分をカットしたものが好ましく、具体的には初留点としては300℃以上、特には310℃以上、10%留出温度としては350℃以上、特には360℃以上の原料を使用することが好ましい。また、この直鎖状炭化水素原料の重質分は、同じく蒸留などにより重質過ぎる留分をカットすることが好ましく、終点としては600℃以下、特には590℃以下とすること、90%留出温度としては560℃以下、特には550℃以下とすることが好ましい。これらにより水素化分解の反応率、ガソリン留分収率を高くすることができる。
直鎖状炭化水素原料中の直鎖状炭化水素含有量は85質量%以上、特には95質量%以上が好ましい。不純物含有量としては、硫黄分500ppm以下、特には50ppm以下、また、窒素分100ppm以下、特には10ppm以下が好ましい。直鎖状炭化水素原料は、上記の性状を有するものが好ましく使用することができる。特にその種類を限定するものではないが、石油精製工程、例えば潤滑油製造工程の1つである溶剤脱ろう工程から得られるスラックワックスや、Fischer-Tropsch法により合成された合成ワックス(フィッシャー・トロプシュ合成ワックス)などを用いることができる。これらのワックスには様々な種類のものがあるが、単独で用いても良く、2種以上混合して用いても良く、スラックワックスと合成ワックスとを混合して用いもよい。特にはFischer-Tropsch法による合成ワックスを単独で用いることが好ましい。なお、Fischer-Tropsch法とは、一酸化炭素と水素を、触媒を用いて反応させ、主に直鎖状炭化水素、また少量ではあるがオレフィンやアルコール等を合成する方法である。さらに、エチレンの重合により得られるα−オレフィンも原料として用いることができる。
〔水素化分解触媒〕
本発明の直鎖状炭化水素原料油の分解方法は特に限定されないが、分解触媒を用いた水素化分解が好ましく用いられる。水素化分解に用いる水素化分解触媒として、シリカアルミナを含む担体に水素化活性金属を担持したものが好ましく用いられる。例えば、特表2002−523231号公報あるいは特許第2901047号公報に開示されている触媒が、好ましく用いられる。なお、このような水素化分解においては、同時に、異性化反応も進行する。
水素化分解触媒の好ましい担体は、シリカアルミナを含む無機多孔質酸化物からなる担体である。シリカアルミナを、アルミナをバインダーとして担体に成形させたものが好ましい。シリカアルミナは、非晶質または結晶質のものを用いることができるが、非晶質のものを用いることが好ましい。非晶質シリカアルミナのシリカ/アルミナモル比の範囲は3〜8がこのましい。担体にはアルミニウム、ケイ素の酸化物以外は含まれていない方が好ましいが、マグネシア、ジルコニア、ボリア、カルシア等を含ませることもできる。
担持される水素化活性金属に特に制限はないが、周期律表の第6族、第9族、および第10族から選ばれる1種または2種以上の金属成分を含むことが好ましい。第6族、第9族、第10族から選ばれる金属としては、モリブデン、タングステン、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、白金、パラジウムが挙げられ、特にモリブデン、タングステン、コバルト、ニッケルなどの非貴金属が水素化活性成分として好ましく用いられる。水素化活性金属の担持量は、金属元素の合計量が0.05〜35質量%、特には0.1〜30質量%となるように添加、担持することが好ましい。
〔直鎖状炭化水素原料油の水素化分解〕
本発明の製造方法で用いる分解は、いわゆる水素化分解がこのましく、反応温度が300〜400℃、特には320〜350℃、水素圧力が1〜20MPa、特には3〜9MPa、水素/オイル比が100〜2000NL/L、特には300〜1500NL/L、液空間速度(LHSV)が0.5〜5hr-1の反応条件で行うことが好ましい。
〔ライトガソリン留分〕
ライトガソリン留分は、炭素数6以下の成分を主成分とするもので、好ましくは、炭素数5と6の炭化水素が全体の80重量%以上、特には95重量%以上含有するものである。特に直鎖状炭化水素が20重量%以上含まれていることが好ましい。このような留分は、直鎖状炭化水素原料油を分解した生成油を、5%留出温度20〜40℃、95%留出温度60〜80℃の範囲で分留することで得ることができる。
〔ヘビーガソリン留分〕
ヘビーガソリン留分は、炭素数7以上の成分を主成分とするもので、好ましくは、炭素数7と8の炭化水素が全体の80重量%以上、特には95重量%以上含有するものである。特に直鎖状炭化水素が20重量%以上含まれていることが好ましい。このような留分は、直鎖状炭化水素原料油を分解した生成油を、5%留出温度80〜100℃、95%留出温度115〜135℃の範囲で分留することで得ることができる。
〔ライトガソリン留分の異性化〕
ライトガソリン留分の異性化に用いる触媒は、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれるIV族金属成分の1種を金属成分として含む担体と、この担体に硫酸分および白金族金属成分が担持された固体酸触媒、特には、ジルコニアを含む担体に硫酸分と白金を担持した「白金硫酸ジルコニア」が好ましく用いられる。
異性化反応条件は、反応温度120〜250℃、反応圧力0.5〜5.0MPa、LHSV0.5〜5h-1とすることが好ましく、特に好ましい反応条件としては、反応温度180〜220℃、反応圧力1.8〜2.2MPa、LHSV1.5〜3.0h−1である。
白金硫酸ジルコニアの担体は、金属酸化物の少なくとも一部分の金属成分がジルコニウムであるジルコニア部分と、金属酸化物の少なくとも一部分の金属成分がアルミニウムであるアルミナ部分を含むことが好ましい。触媒中にジルコニウムをジルコニウム元素重量として20〜72重量%、特には30〜60重量%含むことが好ましい。また、触媒中にアルミニウムをアルミニウム元素重量として5〜30%、特には8〜25重量%含むことが好ましい。または、ゼオライトなどの複合金属酸化物として含んでもよい。ジルコニア部分は実質的に正方晶ジルコニアからなることが好ましい。白金硫酸ジルコニアは、硫酸分を含有し、触媒中に占める硫酸分の割合は、硫黄元素重量として0.7〜7重量%、好ましくは1〜6重量%、特には2〜5重量%である。
ライトガソリン留分の異性化およびヘビーガソリン留分の異性化に用いられる固体酸触媒中には、白金族金属から選ばれる1種以上の金属を含有する。ここでの白金族金属としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムが挙げられる。好ましくは白金、パラジウム、ルテニウム、特には白金が好ましく用いられる。触媒中に占める白金族金属成分の割合(白金族金属成分濃度の平均値)は、金属元素重量として、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特には0.1〜2重量%である。白金族金属成分の含有量が少なすぎると、触媒性能向上効果が低く好ましくない。白金族金属成分の含有量が多すぎると、触媒の比表面積や細孔容積の低下を引き起こすため好ましくない。
〔ヘビーガソリン留分の異性化〕
ヘビーガソリン留分の異性化に用いる触媒は、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれるIV族金属成分の1種とタングステンおよびモリブデンから選ばれるVI族金属成分の1種とを金属成分として含む担体に白金族金属成分が担持された固体酸触媒、特には、ジルコニアを含む担体にタングステンの酸化物成分と白金を担持した「白金タングステン酸ジルコニア」が好ましく用いられる。
異性化反応条件は、反応温度120〜250℃、反応圧力0.5〜5.0MPa、LHSV0.5〜5h-1とすることが好ましく、特に好ましい反応条件としては、反応温度180〜220℃、反応圧力1.8〜2.2MPa、LHSV1.5〜3.0h−1である。
白金タングステン酸ジルコニアは、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれるIV族金属成分の1種とタングステンおよびモリブデンから選ばれるVI族金属成分の1種とを金属成分として含む担体に白金族金属成分が担持されたものである。IV族金属成分としてはジルコニウムが好ましく、VI族金属成分としてはタングステンが好ましい。触媒中にIV族金属成分を金属元素重量として10〜72重量%、特には20〜60重量%含むことが好ましい。また、触媒中にVI族金属成分を金属元素重量として2〜30重量%、特に5〜20重量%、さらには10〜15重量%含むことが好ましい。通常、白金タングステン酸ジルコニア触媒中に占める硫酸分の割合は、硫黄元素重量として0.1重量%以下である。担体は、実質的には金属酸化物から構成されることが好ましい。なお、金属酸化物は、含水金属酸化物を含むものとして定義される。
〔配合工程〕
本発明のガソリン基材の製造方法は、ライトガソリン留分とヘビーガソリン留分とをそれぞれ別に異性化し、その異性化した留分を混合するものである。通常は、分取したライトガソリン留分とヘビーガソリン留分から得られた異性化生成物を全量混合するが、異性化した留分の一部分を別の用途に用いてもよい。それぞれの異性化生成物の60重量%以上、特には90重量%以上の成分を混合することが好ましい。得られたガソリン基材は、内燃機関用燃料(いわゆるガソリン)の基材として用いられる。また、燃料電池車などの炭化水素を改質して水素を発生させる改質器の燃料の基材としても用いられる。
本発明により得られるガソリン基材の好ましい性状は、RON(リサーチ法オクタン価)が60以上、特には65以上、パラフィン含有量が90重量%以上、特には95重量%以上であり、ノルマルパラフィン含有量が16重量%以下、特には12重量%以下である。
ガソリンを製造する場合には、他の基材を配合してもよい。例えば、アルキレート基材、改質ガソリン基材、エタノール、メタノールなどの含酸素化合物が、硫黄分、窒素分が少なく好ましい。アルキレート基材とは、低級オレフィンとイソブタンなどを酸触媒下で反応させて得られた基材である。また、改質ガソリン基材とは、ナフサ留分などの接触改質により得られた基材である。
以下、実施例により詳細に説明する。
〔原料に用いたフィツシャー・トロプシュ合成ワックス〕
原料ワックスAは、フィッシャー・トロプシュ合成により製造されたパラフィンを分留することに得られたSMDS(Shell Middle Distillate Synthesis)製SX-50である。主な性状を表1に示す。
Figure 2005097456
〔フィツシャー・トロプシュ合成ワックス分解用触媒〕
アルミナ粉1564gを混練機に入れ、3%濃度の硝酸水溶液1リットルを解膠剤として添加して30分間混練し、これに市販のモルデナイト(ゼオライト細孔長径7.0Å、SiO2/Al2O3のモル比=210)117.7gを添加し、さらに30分間混練した。この混練物を1.4mmφの孔のダイスを有する押出成形機で円柱状に成形し、130℃で一晩乾燥した。乾燥物をロータリーキルンを用いて600℃で1時間焼成し、触媒担体Cを得た。
この担体C150gに、モリブデン酸アンモニウム46.5g、硝酸ニッケル六水和物41.8g、リン酸溶液19.6gを含む含浸液を用いてモリブデン、ニッケル、リンを含浸した。これを130℃で一晩乾燥した後、ロータリーキルンを用いて500℃で30分間焼成して触媒Hを得た。
〔フィッシャー・トロプシュ合成ワックスの水素化分解〕
10〜14メッシュに整粒した触媒Hを100cc量り取り、長さ1260cm、内径25cmの固定床流通式反応器に充填した。そののちに二硫化炭素を1容量%添加した脱硫軽油を反応器の温度を300℃に設定した状態で24時間流通させることにより触媒の予備硫化を行い、そののちに水素気流下で原料ワックスAを通油しフィツシャー・トロプシュ合成ワックスの分解反応を行った。
また、反応に用いた水素ガスは純度99.99容量%で、水分は0.5重量ppm以下であり、他の不純物として、硫黄化合物の濃度は硫黄換算で1重量ppm以下、窒素化合物の濃度は0.1重量ppm以下、水以外の酸素化合物の濃度は酸素換算で0.1重量ppm以下、塩素化合物の濃度は塩素換算で0.1重量ppm以下であった。
原料ワックスAの分解反応は、反応温度:370℃、反応圧力(ゲージ圧):4MPa、LHSV:1/hr、水素/油比(H/Oil):660NL/Lで行った。通油開始後48時間以上を経て、十分に分解反応活性が安定したことを確認した後に生成油を収集し、生成油Bを得て、これについて各種分析を行った。
〔生成油の分留〕
採取された生成油Bを、TBP蒸留装置により分留し、35〜126℃の沸点留分を有するガソリン留分Cを得た。上記の手順により得られたガソリン留分Cを、更にTBP蒸留装置を用い、69℃以下の沸点を有する留分(ライトガソリン留分D)と、70℃以上の沸点を有する留分(ヘビーガソリン留分E)に分留した。
〔ライトガソリン留分用の異性化触媒〕
市販の乾燥水酸化ジルコニウムを乾燥した平均粒径1.5μmの粉体を含水ジルコニア粉体として用いた。また、平均粒径10μmの市販の擬ベーマイト粉体を含水アルミナ粉体として用いた。この含水ジルコニア粉体1860gと含水アルミナ粉体1120gを加え、さらに硫酸アンモニウム575gを加え、攪拌羽根のついた混練機で水を加えながら45分間混練を行った。得られた混練物を直径1.6mmの円形開口を有する押出機より押し出して円柱状のペレットを成形し、110℃で乾燥して乾燥ペレットを得た。続いてこの乾燥ペレットの一部を675℃で1.5時間焼成し、担体Aを得た。
成形された担体Aは、平均直径1.4mm、平均長さ4mmの円柱状であり、平均圧壊強度は4.2kgであった。担体A中に占めるジルコニアの割合はジルコニウム元素重量として45.4重量%、アルミナの割合はアルミニウム元素重量として14.7重量%、硫酸分の割合は硫黄元素重量として3.0重量%、窒素分の割合は0.01重量%以下であった。担体Aの比表面積は165m/g、細孔直径0.002〜10μmの細孔容積は0.32ml/gであった。担体Aの細孔直径0.002〜0.05μmの範囲における中央細孔直径は54Åであった。
125gの担体Aに、触媒中の白金量が0.5重量%になるようにジクロロテトラアンミン白金((NH)4PtCl)の水溶液(pH:7.0)をスプレー担持した。これを乾燥後、680℃で0.5時間焼成して触媒G(MO−567)約125gを得た。
Figure 2005097456
〔ライトガソリン留分の異性化〕
16〜24メッシュに整粒した触媒(触媒G)4ccを、長さ50cm、内径1cmの固定床流通式反応器中に充填し、前処理の後、ライトガソリン留分Dの異性化反応を行った。前処理は、温度:400℃、圧力:常圧、雰囲気:空気で1時間行った。その後、大気を導入することなく、反応器内を窒素雰囲気とし、さらに水素雰囲気としてから、異性化反応を開始した。
ガソリン留分Dの異性化反応は、反応温度:200℃、反応圧力(ゲージ圧):2.0MPa、LHSV=2.0/hr、水素/油比(H/Oil):2.0(mol/mol)で行った。通油開始200時間後の反応管出口より得られたライトガソリンHの組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。分析結果である反応管出口組成を表3に示す。この時の液収率は、92.5重量%であった。
Figure 2005097456
〔ヘビーガソリン留分の異性化用触媒〕
ヘビーガソリン異性化用固体超強酸触媒は以下の手順で調製した。
市販の乾燥水酸化ジルコニウムを乾燥した平均粒径1.5μmの粉体を含水ジルコニア粉体として用いた。また、平均粒径10μmの市販の擬ベーマイト粉体を含水アルミナ粉体として用いた。この含水ジルコニア粉体1544gと含水アルミナ粉体912gを加え、さらにメタタングステン酸アンモニウム808gを加え、攪拌羽根のついた混練機で水を加えながら45分間混練を行った。得られた混練物を直径1.6mmの円形開口を有する押出機より押し出して円柱状のペレットを成形し、110℃で乾燥して乾燥ペレットを得た。続いてこの乾燥ペレットの一部を800℃で1.5時間焼成し、担体Bを得た。
成形された担体Bは、平均直径1.4mm、平均長さ4mmの円柱状であり、平均圧壊強度は1.8kgであった。担体Bの比表面積は103m/g、細孔直径0.002〜10μmの細孔容積は0.30ml/gであった。担体Aの細孔直径0.002〜0.05μmの範囲における中央細孔直径は95Åであった。125gの担体Bに塩化白金酸(HPtCl6)の水溶液をスプレー担持した。これを乾燥後、600℃で0.5時間焼成して触媒Iを約125g得た。
触媒Iについて、平均圧壊強度は1.8kg、触媒B中に占めるジルコニアの割合はジルコニウム元素重量として37.5重量%、アルミナの割合はアルミニウム元素重量として13.5重量%、タングステン酸分の割合はタングステン元素重量として15.7重量%、白金の割合は白金元素重量として0.48重量%、窒素分の割合は0.01重量%以下であった。また、触媒Bの比表面積は103m/g、細孔直径0.002〜10μmの細孔容積は0.29ml/g細孔直径0.002〜0.05μmの範囲の中央細孔直径は95Åであった。
〔ヘビーガソリン留分の異性化〕
16〜24メッシュに整粒した触媒(触媒I)4ccを、長さ50cm、内径1cmの固定床流通式反応器中に充填し、前処理の後、ガソリン留分Eの異性化反応を行った。前処理は、温度:400℃、圧力:常圧、雰囲気:空気で1時間行った。その後、大気を導入することなく、反応器内を窒素雰囲気とし、さらに水素雰囲気としてから、異性化反応を開始した。
ヘビーガソリンEの異性化反応は、反応温度:180℃、反応圧力(ゲージ圧):1.0MPa、LHSV=1.5/hr、水素/油比(H/Oil):5.0(mol/mol)で行った。通油開始200時間後の反応管出口より得られたヘビーガソリンJの組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。分析結果である反応管出口組成を表4に示す。この時の液収率は、85.0重量%であった。
Figure 2005097456
〔ガソリン留分の性能評価〕
上記の手順で各々異性化処理を施したライトガソリンH、及びヘビーガソリンJを全て混合して異性化ガソリンKとし、RONを導出した。その結果を表5に示す。炭化水素分析組成及びRONは、ヒューレットパッカード社製PIONA装置を用いて、ガスクロマトグラフ法で測定した。
Figure 2005097456
比較例
〔全ガソリン留分の異性化〕
ガソリン留分CをライトガソリンDとヘビーガソリンEに分離することなく、実施例のヘビーガソリンEを異性化したのと全く同じ触媒、反応条件でガソリン留分Cの異性化反応を行った。通油開始200時間後の反応管出口より得られた異性化ガソリンLの組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。分析結果である反応管出口組成を実施例に示した異性化ガソリンKのものとともに表6に示す。この時の液収率は、90.5重量%であった。
Figure 2005097456
〔ガソリン留分の性能評価〕
上記の手順で異性化処理を施したガソリン留分LのRONを導出した。その結果を表7に示す。炭化水素分析組成及びRONは、ヒューレットパッカード社製PIONA装置を用いて、ガスクロマトグラフ法で測定した。
Figure 2005097456
本発明により、フィッシャー・トロプシュ合成ワックスなどのワックス分を原料として製造されたガソリン留分を異性化することにより、イソパラフィン含有量を高めることができ、実質的にアロマ分、ナフテン分、オレフィン分を含まず、オクタン価の高いガソリン基材を製造することができる。

Claims (4)

  1. 直鎖状炭化水素原料油を分解した生成物を分留し、炭素数6以下の成分を主成分とするライトガソリン留分と炭素数7以上の成分を主成分とするヘビーガソリン留分とを得、異なる固体酸触媒の存在下でそれぞれの留分を異性化し、その後、両留分を混合してガソリン基材とするガソリン基材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の直鎖状炭化水素原料油が、フィッシャー・トロプシュ合成ワックスである請求項1記載のガソリン基材の製造方法。
  3. 請求項1に記載のライトガソリン留分の異性化に用いる固体酸触媒が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれるIV族金属成分の1種を金属成分として含む担体と、この担体に硫酸分および白金族金属成分が担持された請求項1記載のガソリン基材の製造方法。
  4. 請求項1に記載のヘビーガソリン留分の異性化に用いる固体酸触媒が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれるIV族金属成分の1種とタングステンおよびモリブデンから選ばれるVI族金属成分の1種とを金属成分として含む担体に白金族金属成分が担持されたものである請求項1記載のガソリン基材の製造方法。
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JP2007308566A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Nippon Oil Corp 水素化精製方法及び環境低負荷型ガソリン基材
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