JP3537979B2 - 炭化水素油の水素化処理用触媒及び軽油の水素化処理方法 - Google Patents

炭化水素油の水素化処理用触媒及び軽油の水素化処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素油の水素
化反応に使用し、炭化水素油の芳香族化合物含有率及び
硫黄含有率を低減させる触媒と、その触媒を使用した軽
油の水素化処理方法とに関し、更に詳細には、芳香族化
合物に対する高い水素化活性と、高い耐硫黄性とを合わ
せ持ち、かつ高い脱硫性能をも有する触媒と、その触媒
を使用して低い硫黄含有率及び低い芳香族化合物含有率
の軽油ブレンド基材を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【技術背景】内燃機関として多用されているディーゼル
エンジンは、原油の常圧蒸留によって得られる特定の沸
点範囲の直留軽油留分、又はその直留軽油留分に水素化
処理を施して得られる軽油留分、或いはそれら軽油留分
を主基材とし、それに他のソースから得られる軽油留分
をブレンドして得られる軽油を燃料としている。
【0003】ディーゼルエンジンに適する軽油直留留分
は、原油単位量当たり限られた量しか原油に含まれてお
らず、しかも入手できる原油が年々重質化しているた
め、原油中の軽油直留留分の含有量が益々少なくなる傾
向にある。そこで、軽油留分の必要量を確保するため
に、重質油を分解して、軽油基材に転化することも行わ
れている。
【0004】一方、軽油の需要は、ディーゼルエンジン
車の増加に伴う軽油の需要増大といった要因もあって、
益々増大する傾向になり、近い将来、軽油の供給量が大
幅に不足することが予想される。
【0005】原油から直留留分として得られる軽油留分
の不足に対処する方法、言い換えれば軽油の需要増大に
対応する一つの方法は、直留軽油留分にブレンドするブ
レンド基材の生産量を増やすことである。
【0006】そこで、接触分解装置から得られる特定の
沸点範囲の軽質分解系軽油(Light Cycle
Oil、以下、LCOと略記する)が、軽油用の新たな
ブレンド基材のための原料油として注目されている。そ
れは、LCOは、軽油留分とは逆に、上述した原油の重
質化により余剰傾向にあり、留分の需給バランスから言
って、ブレンド基材に転用するのが望ましい留分だから
である。
【0007】しかし、LCOは多量の芳香族成分を含有
しているため、LCOをそのままの性状で直留軽油留分
にブレンドすると、芳香族化合物の含有率が増大して、
そのブレンド軽油のセタン価を低下させ、軽油としての
品質低下が懸念される。また、芳香族化合物の含有率が
高いため、ブレンド軽油をディーゼルエンジンの燃料と
して使用した際、パティキュレートの発生量が著しく増
加することも懸念される。パティキュレートは、芳香族
化合物の一部が不完全燃焼することによって発生する微
細粒子状の大気汚染物質であって、大気中への大量のパ
ティキュレートの排出は、環境保全上、重大な問題を引
き起こすことになる。その上、LCOは、独特の着色を
呈しており、これをそのまま軽油のブレンド基材として
用いると、製品軽油の色相面での品質が問題となる。
【0008】このような懸念等を解消し、LCOを良好
なブレンド基材として使用するために、LCOに接触水
素化処理を施し、LCO中の芳香族化合物の含有量を低
減する試みがなされている。
【0009】しかし、従来の方法によってLCOを水素
化処理しようとすると、以下のような問題が生じる。 (1)LCOに比較的多量に含有されている硫黄化合物
や、それらが水素化処理されて生成する硫化水素が、芳
香族化合物の水素化反応を阻害すると共に、触媒上の活
性点を被毒し、活性劣化を引き起こす原因になる。 (2)LCOは、直留軽油留分に比べて、全硫黄化合物
含量は少ないものの、高沸点の難脱硫性硫黄化合物(例
えば、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン)を高い含
有率で含有するために、LCOに脱硫処理を施そうとし
ても、過酷な条件の深度脱硫を必要とし、経済的に引き
合わない。 (3)直留軽油に比べて全硫黄分は少ないものの、LC
O中には、難脱硫性硫黄化合物が全硫黄化合物に対して
高い組成比率で存在している。このため、原料油の性状
や、生成油に要求される規格によっては、生成油中の硫
黄分を所定レベルまで更に引き下げる必要があり、この
ような場合、触媒には、この難脱硫性硫黄化合物を水素
化処理して除去できる、効率的、効果的な水素化(脱
硫)性能が要求される。
【0010】従って、LCOを水素化処理して芳香族化
合物を低減し、LCOを軽油留分の良好なブレンド基材
として使用するために必要となる、LCOの水素化処理
用触媒に要求される条件は、芳香族化合物に対する高い
水素化活性と、高い耐硫黄性とを合わせ持ち、しかも難
脱硫性硫黄化合物をも水素化処理して除去できる高い脱
硫性能をも有することである。
【0011】ところで、LCOの水素化処理用触媒とし
て試みられてきた従来の触媒は、2種類に大別され、そ
の一つは主として軽質油の水素化処理に使用される水素
化処理用触媒であり、他の一つは周期律表の第VIA族
金属−第VIII族金属系触媒、例えば、アルミナ担体
を使用したCoMo系やNiW系等の脱硫用触媒であ
る。
【0012】しかし、上記の水素化処理用触媒は、ニッ
ケル、パラジウム、白金等の耐硫黄性が乏しい金属種を
触媒の活性成分として含んでいるため、原料油中に含ま
れる硫黄化合物分が数ppm以下という低硫黄雰囲気下
でしか有効に機能しない。このため、硫黄化合物含有量
がそれより高いLCOの水素化処理に、上記の水素化処
理用触媒を使用することは技術的に難しい。
【0013】また、上記の脱硫用触媒は、石油精製プロ
セスにおいて使用される代表的な水素化脱硫触媒であっ
て、本来、水素化脱硫を目的とした触媒であるから、耐
硫黄性は十分にあるものの、芳香族化合物、特に1環芳
香族化合物の水素化性能は十分とは言えない。このた
め、上記の脱硫用触媒をLCOの水素化処理用触媒とし
て使用し、芳香族化合物を水素化してナフテン類に転化
するには、10MPa程度の高い水素分圧下で、原料油
の性状や反応温度等の他の条件によってはそれ以上の高
い水素分圧下で、水素化処理を行うことが必要になり、
設備費や運転費が嵩む。水素分圧を高くする代わりに、
反応温度を上げることによって反応速度を速くし、芳香
族化合物の転化を促進することもできるが、反応温度を
高くすることは、発熱反応である水素化反応にとって反
応平衡上不利になるばかりでなく、分解反応や縮重合反
応等の副反応も著しく進行するため、水素化生成物の収
率が低下し、経済的でない。しかも、高温反応であるた
め、生成油の色相問題が改善されず、更には、装置の設
備費及び運転費が嵩むと言う問題も生じる。
【0014】以上のように、従来の触媒は、芳香族化合
物に対する高い水素化活性と、高い耐硫黄性の双方を合
わせ持ち、しかも難脱硫性硫黄化合物に対しても優れた
脱硫性能を有する触媒と言う要求を満足せず、LCOの
水素化反応に使用し、LCOの芳香族化合物含有率を低
減させる処理には適していなかった。
【0015】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、第1には、炭
化水素油、特に軽油留分を水素化処理して、芳香族化合
物含有率を低減させるのに適する触媒を提供することで
あり、第2には、その触媒を使用して軽油留分を水素化
処理する方法を提供することである。
【0016】
【発明の概要】本発明者らは、上記の目的を解決するた
めに、検討を重ねた結果、先ず、(a)核水素化により
芳香族化合物を減少させるには、白金族金属系の触媒が
有望であること、の知見を得た。但し、前述のように、
白金族金属系触媒は耐硫黄性が低いため、これを高める
ための検討を、更に重ねた結果、(b)触媒の酸性質が
所定の値を有していれば、白金族金属が高い分散性で担
持でき、下の(d)にも記載するように、耐硫黄性が顕
著に向上するばかりか、芳香族化合物の核水素化作用も
顕著に向上すること、(c)活性金属として白金族金属
を使用する触媒の酸性質は、意外にも、ボリア−アルミ
ナからなる担体を用い、同時にハロゲンを導入すること
により、好適な値に容易に調整することができること、
(d)この触媒によれば、比較的低コストで実施できる
高い水素/オイル比で、かつ従来の水素化処理とほぼ同
様な水素分圧及び反応温度等の条件下において、硫黄化
合物等による活性劣化が抑制され、またNiW系やCo
Mo系等の従来の脱硫用触媒、及び白金系水素化触媒に
比べて、芳香族化合物に対して高い水素化活性を示すこ
と、の知見を得た。
【0017】本発明は、以上のような知見に基づくもの
で、〔1〕ボリア1〜30質量%と、アルミナ70〜9
9質量%を含む担体に、触媒基準で、金属換算で、白金
族金属の少なくとも1種0.1〜8質量%と、ハロゲン
0.01〜3質量%を含有させてなることを特徴とする
炭化水素油の水素化処理用触媒、及び〔2〕上記触媒の
存在下で、3〜8MPaの水素分圧、200〜370℃
の温度、及び0.3〜5hr−1の液空間速度で、芳香
族化合物を含む軽油留分の接触反応を行うことを特徴と
する軽油の水素化処理方法を要旨とする。
【0018】本発明の触媒は、炭化水素油、特に軽油留
分の水素化処理、例えば接触分解軽油、直留軽油、熱分
解軽油、水素化処理軽油、脱硫処理軽油等の水素化処理
に適している。これら原料油の代表的な性状例として、
沸点範囲:150〜450℃、硫黄分:2000質量p
pm以下、好ましくは500質量ppm以下、芳香族化
合物分:5〜90容量%の範囲のものが挙げられる。
【0019】本発明の触媒の担体は、ボリアとアルミナ
を、ボリア:アルミナ(質量%)=1〜30:70〜9
9で含むものであり、ボリアがこの範囲から外れると、
触媒の酸性質を好適な値に調整することが不可能ないし
は極めて困難となるのみならず、ボリアが30質量%よ
り多くなると、担体調製時、割れ等が起こるため、最終
的に長さ、直径等が均一である触媒を調製することが困
難となる。ボリア含有量は、好ましくは2〜30質量
%、より好ましくは2〜20質量%である。
【0020】アルミナは、α−アルミナ、β−アルミ
ナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ等の種々のアルミナを
使用することができるが、多孔質で高比表面積であるア
ルミナが好ましく、中でもγ−アルミナが適している。
【0021】以上の所定割合のボリアとアルミナとを含
んで構成される担体の比表面積、細孔容積及び平均細孔
径は、特に制限されるものではないが、耐硫黄性に優
れ、炭化水素油に対する水素化活性及び脱硫活性が高い
触媒にするためには、比表面積は100〜600m
g、好ましくは200〜400m/gの範囲にあり、
細孔容積は0.4〜1.2ml/gの範囲にあり、平均
細孔径は50〜200Å、好ましくは50〜150Åの
範囲にあるものが適している。また、この担体は、アン
モニア−TPD法で測定される酸量が0.6〜3.5m
mol/gであることが好ましい
【0022】以上の担体に担持させる活性成分の白金族
金属は、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オ
スミウム、イリジウムのいずれでもよく、単独で又は2
種以上を組合せて使用でき、好ましくは白金である。白
金族金属は化合物の形で担持させるが、この化合物の具
体例としては、塩化金属酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、燐酸塩、有機酸塩が挙げられ、好ましくは
塩化金属酸塩、塩化物、硝酸塩である。これらの化合物
は、単独で担持させてもよいし、2種以上を組合せて担
持させることもできる。
【0023】白金族金属の含有量は、触媒基準で、金属
換算で、0.1〜8質量%、好ましくは0.2〜2質量
%である。白金族金属が、0.1質量%未満では、白金
族金属に帰属する活性点が十分に得られず、8質量%を
超えると、白金族金属化合物の凝集等によって活性金属
の分散性が悪くなるばかりでなく、効率的に分散させる
活性金属含有量の限度を超えてしまうため、コスト的に
も高くなる。
【0024】また、上記の白金族金属と共に担持させる
ハロゲンは、上記の白金族金属の化合物として塩化金属
酸塩や塩化物等のハロゲン化物を使用する場合、あるい
は後述する触媒調製の際に溶媒成分等として塩酸等のハ
ロゲン化物を使用する場合には、これらの化合物に由来
するものであってもよいし、ハロゲン化物以外の化合物
を使用する場合や、ハロゲン化物に由来するハロゲンの
みでは不足する場合には、この化合物と共に他のハロゲ
ン源、例えば、塩素、塩酸、過塩素酸、フッ酸、二酸化
塩素、安定化二酸化塩素液、フッ素、フッ化水素酸、酸
性フッ化アンモニウム、臭素、臭化アンモニウム、ヨウ
素、ヨウ化水素酸等を使用すればよい。
【0025】ハロゲンは、担体のボリアと共に、触媒の
酸性質を向上させる作用をなすもので、触媒が好適な酸
性質の値を示す場合には、白金族金属の分散性が向上
し、かつ担体上の酸点の量が最適値を示して、芳香族化
合物の吸着を促進し、芳香族化合物の水素化活性を向上
させる。なお、ハロゲンが多すぎて触媒の酸性質が高く
なりすぎると、芳香族化合物の過分解等のような好まし
くない副反応を引き起こす。このように、ハロゲンの含
有量は、触媒の酸性質と密接な関係を有しており、この
酸性質を好適な値にするために、触媒基準で、元素換算
で、0.01〜3質量%、好ましくは0.1〜1質量%
とすることが重要である。
【0026】以上の成分からなる本発明の触媒におい
て、アンモニア−TPD法で測定した酸量が、0.4〜
3mmol/gであることが好ましい。ここで、アンモ
ニア−TPD(Temperature Progra
mmed Desorption)法とは、試料(すな
わち、担体や触媒)の所定量を吸着管に充填し、前処理
として不活性ガス流中で所定温度まで所定時間で昇温
し、同気流中で同温度で所定時間保持し、室温まで所定
時間で降温し、室温、常圧にて所定時間のアンモニア吸
着を行った後、上記の不活性ガスを流した状態で、所定
の減圧下で所定温度で所定時間の脱気処理を行い、この
試料について、所定の昇温速度で、上記の不活性ガス流
中で、アンモニア脱離スペクトルを観測し、このスペク
トルから得られるアンモニア量により酸量を特定する方
法を言う。
【0027】酸量が、0.4mmol/g未満である
と、白金族金属の高い分散性が確保できず、また白金族
金属の電子密度を減少させることが困難になるため、芳
香族化合物の核水素化の向上効果及び耐硫黄性の向上効
果を十分に得ることができず、3mmol/gより多い
と、原料油留分の過分解等の好ましくない副反応を引き
起こす。なお、本発明の触媒においては、酸量が0.4
〜3mmol/gの範囲内にあり、かつ各成分の含有率
が上記した本発明の所定の範囲内にある場合に、本発明
の目的(芳香族化合物の核水素化や難脱硫性硫黄化合物
の低減等)をより効果的に達成することができる。
【0028】本発明の触媒は、以下のような方法で調製
することができる。先ず、ボリア−アルミナ担体の製造
方法としては、(i)ボリア、アルミナのゲルを各々予
め製造しておき、これらを混練、成型、焼成して得る方
法、(ii)アルミナ又はアルミナ前駆体と、ホウ素化
合物とを混合し、混練、成型、焼成して得る方法、等を
採用することができる。このときのホウ素化合物として
は、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、過ホウ酸アンモニウ
ム、ナトリウムボロハイドライド、過ホウ酸ソーダ、ホ
ウ砂、三塩化ホウ素、ホウ酸メチル、ホウ酸ブチル等が
挙げられる。
【0029】次に、以上のようにして調製した担体に活
性成分を既知の方法により担持させて、本発明の触媒を
調製する。第1の担持方法としては、酸、水、アルコー
ル類等の溶媒に活性成分を溶解させて調製した溶液に、
上記のようにして調製した担体を含浸させる含浸処理を
1回以上行い、担体に活性成分を担持させる含浸法が挙
げられる。このときの溶媒として、例えば、塩酸、硝
酸、硫酸等の酸性溶媒を使用することができる。含浸処
理後に、乾燥、焼成が行われるが、含浸処理の回数が複
数になる場合には、含浸処理毎に、乾燥、焼成を行って
もよい。
【0030】他の方法としては、担体として成形する前
の担体材料に、活性成分の一部あるいは全部、場合によ
ってハロゲン源の一部あるいは全部を混合し、一体的に
成形する混練法、あるいは共沈法等が挙げられる。
【0031】以上に挙げた触媒の調製方法によって調製
される本発明の触媒は、触媒としての機能が発現する限
り、その比表面積、細孔容積及び平均細孔径が制限され
るものではないが、前述した担体と同様に、炭化水素油
に対する水素化活性及び脱硫活性を高めるためには、次
のような値を有するものが好適である。
【0032】比表面積は、100〜600m/gが好
ましく、200〜400m/gがより好ましい。細孔
容積は、0.4〜1.2ml/gが好ましく、0.5〜
0.9ml/gがより好ましい。平均細孔径は、50〜
200Åが好ましく、50〜150Åがより好ましい。
平均細孔径が50Å未満であると、反応物質が細孔内に
拡散し難くなるため、芳香族化合物及び難脱硫性硫黄化
合物の水素化反応が効率的に進行しなくなる。200Å
より大きいと、細孔内の拡散性は良いものの、細孔内表
面積が減少するため、触媒の有効比表面積が減少し、活
性が低くなる。
【0033】また、上記の細孔条件を満たす細孔の有効
数を多くするために、触媒の細孔径分布(即ち、平均細
孔径±15Åの細孔径を有する細孔の割合)は、70%
以上が好ましく、より好ましくは80%以上である。
【0034】以上の触媒を使用する本発明の軽油の水素
化処理方法は、3〜8MPaの水素分圧、200〜37
0℃の温度、及び0.3〜5hr−1の液空間速度の条
件で、以上の触媒と芳香族化合物を含む軽油留分とを接
触させて、芳香族化合物の核水素化を行って芳香族分を
減少し、また難脱硫性等の硫黄化合物分を減少する方法
である。なお、この芳香族化合物を含む軽油留分の代表
的な性状は、前述の本発明の触媒が適用できる原料油の
性状例として挙げたものと同じである。
【0035】本発明の水素化処理方法を、商業規模で行
うには、本発明の触媒の固定床、移動床、あるいは流動
床式の触媒層を反応器内に形成し、この反応器内に原料
油を導入し、上記の条件下で水素化反応を行えばよい。
最も一般的には、固定床式触媒層を反応器内に形成し、
原料油を反応器の上部に導入し、固定床を上から下に通
過させ、反応器の下部から生成物を流出させるものか、
反対に原料油を反応器の下部に導入し、固定床を下から
上に通過させ、反応器の上部から生成物を流出させるも
のである。
【0036】本発明の触媒は、単独の反応器に充填して
一段の水素化処理を行う場合にも使用することもできる
し、幾つかの反応器に充填して多段の連続した水素化処
理を行う場合にも使用することができる。特に、原料油
が比較的重質の場合には、多段の水素化処理を行うのが
好ましい。
【0037】
【実施例】
〔触媒の調製〕以下の実施例及び比較例で調製した触媒
及び調製前の担体についてのアンモニア−TPD法の測
定要領は、次の通りとした。日本ベル株式会社製のアン
モニア−TPD装置を使用し、試料(担体及び触媒)
0.1gを吸着管に充填し、前処理としてHe気流中で
500℃まで50分間かけて昇温し、同気流中で500
℃で1時間保持し、室温まで11分30秒間で降温し、
室温、常圧にて15分間アンモニアを吸着させた後、H
eを流した状態で、150Torrの減圧下で100℃
で12分30秒間、脱気処理を行った。この脱気後の試
料について、昇温速度10℃/分で、He気流中で、ア
ンモニア脱離スペクトルを観測し、全アンモニア脱離量
を求め、酸量とした。
【0038】実施例1 ナス型フラスコ中に、細孔容積0.74ml/g,表面
積374m/gのボリア−アルミナ(ボリア/アルミ
ナ質量比=10/90、直径1/16インチの柱状成形
物、酸量0.90mmol/g)27.73gを投入
し、そこへ24.13gのイオン交換水に塩化白金酸6
水和物0.3700gを溶解させた水溶液をピペットを
用いて添加した。約25℃で2時間浸漬後、風乾し、マ
ッフル炉で浸漬混合物の温度を120℃に上げ、約1時
間乾燥させた。次いで、500℃で4時間焼成し、触媒
Aを得た。
【0039】触媒Aの組成は、Pt(0.49質量%)
−Cl(0.05質量%)/B−Al(9
9.46質量%)であった。触媒Aの物理性状は、表面
積351m/g、細孔容積0.75ml/g、平均細
孔径64Åであった。触媒Aの酸量は、0.74mmo
l/gであった。
【0040】実施例2 ナス型フラスコ中に、実施例1で用いたものと同じボリ
ア−アルミナ19.07gを投入し、そこへ16.59
gのイオン交換水に塩化白金酸6水和物0.5115g
を溶解させた水溶液をピペットを用いて添加し、実施例
1と同じ条件で含浸、乾燥、焼成を行い、触媒Bを得
た。
【0041】触媒Bの組成は、Pt(1.00質量%)
−Cl(0.06質量%)/B−Al(9
8.94質量%)であった。触媒Bの物理性状は、表面
積313m/g、細孔容積0.78ml/g、平均細
孔径66Åであった。触媒Bの酸量は、0.72mmo
l/gであった。
【0042】実施例3 ナス型フラスコ中に、細孔容積0.85ml/g,表面
積383m/gのボリア−アルミナ(ボリア/アルミ
ナ質量比=20/80、直径1/16インチの柱状成形
物、酸量0.83mmol/g)19.66gを投入
し、そこへ16.71gのイオン交換水に塩化白金酸6
水和物0.5272gを溶解させた水溶液をピペットを
用いて添加し、実施例1と同じ条件で含浸、乾燥、焼成
を行い、触媒Cを得た。
【0043】触媒Cの組成は、Pt(1.00質量%)
−Cl(0.07質量%)/B−Al(9
8.93質量%)であった。触媒Cの物理性状は、表面
積316m/g、細孔容積0.78ml/g、平均細
孔径66Åであった。触媒Cの酸量は、0.71mmo
l/gであった。
【0044】実施例4 ナス型フラスコ中に、実施例1で用いたものと同じボリ
ア−アルミナ27.73gを投入し、そこへ24.13
gの40%塩酸水溶液に塩化白金酸6水和物0.372
1gを溶解させた溶液をピペットを用いて添加し、実施
例1と同じ条件で含浸、乾燥、焼成を行い、触媒Dを得
た。
【0045】触媒Dの組成は、Pt(0.50質量%)
−Cl(2.96質量%)/B−Al(9
6.54質量%)であった。触媒Dの物理性状は、表面
積318m/g、細孔容積0.76ml/g、平均細
孔径65Åであった。触媒Dの酸量は、0.74mmo
l/gであった。
【0046】実施例5 ナス型フラスコ中に、実施例1で用いたものと同じボリ
ア−アルミナ37.38gを投入し、そこへ32.52
gの10%塩酸水溶液に塩化白金酸6水和物0.499
5gと塩化パラジウム0.1712gを溶解させた溶液
をピペットを用いて添加し、実施例1と同じ条件で含
浸、乾燥、焼成を行い、触媒Eを得た。
【0047】触媒Eの組成は、Pt(0.51質量%)
−Pd(0.27質量%)−Cl(0.27質量%)/
−Al(98.95質量%)であった。
触媒Eの物理性状は、表面積317m/g、細孔容積
0.73ml/g、平均細孔径66Åであった。触媒E
の酸量は、0.75mmol/gであった。
【0048】実施例6 ナス型フラスコ中に、実施例1で用いたものと同じボリ
ア−アルミナ37.29gを投入し、そこへ31.70
gの10%塩酸水溶液に塩化白金酸6水和物0.512
8gと塩化パラジウム0.3139gを溶解させた溶液
をピペットを用いて添加し、実施例1と同じ条件で含
浸、乾燥、焼成を行い、触媒Fを得た。
【0049】触媒Fの組成は、Pt(0.51質量%)
−Pd(0.69質量%)−Cl(0.36質量%)/
−Al(98.44質量%)であった。
触媒Fの物理性状は、表面積312m/g、細孔容積
0.77ml/g、平均細孔径65Åであった。触媒F
の酸量は、0.72mmol/gであった。
【0050】実施例7 ナス型フラスコ中に、実施例1で用いたものと同じボリ
ア−アルミナ37.66gを投入し、そこへ32.01
gの10%塩酸水溶液に塩化白金酸6水和物0.500
6gと塩化パラジウム0.6278gを溶解させた溶液
をピペットを用いて添加し、実施例1と同じ条件で含
浸、乾燥、焼成を行い、触媒Gを得た。
【0051】触媒Gの組成は、Pt(0.48質量%)
−Pd(0.93質量%)−Cl(0.46質量%)/
−Al(98.13質量%)であった。
触媒Gの物理性状は、表面積316m/g、細孔容積
0.73ml/g、平均細孔径64Åであった。触媒G
の酸量は、0.71mmol/gであった。
【0052】実施例8 ナス型フラスコ中に、細孔容積0.74ml/g,表面
積383m/gのボリア−アルミナ(ボリア/アルミ
ナ質量比=20/80、直径1/16インチの柱状成形
物、酸量0.83mmol/g)37.39gを投入
し、そこへ31.77gの10%塩酸水溶液に塩化白金
酸6水和物0.5012gと塩化パラジウム0.171
2gを溶解させた溶液をピペットを用いて添加し、実施
例1と同じ条件で含浸、乾燥、焼成を行い、触媒Hを得
た。
【0053】触媒Hの組成は、Pt(0.49質量%)
−Pd(0.27質量%)−Cl(0.25質量%)/
−Al(98.99質量%)であった。
触媒Hの物理性状は、表面積321m/g、細孔容積
0.70ml/g、平均細孔径66Åであった。触媒H
の酸量は、0.74mmol/gであった。
【0054】比較例1 ナス型フラスコ中に、細孔容積0.73ml/g,表面
積380m/gのアルミナ(直径1/16インチの柱
状成形物、酸量0.56mmol/g)47.67gを
投入し、そこへ39.57gのイオン交換水に塩化白金
酸6水和物0.6360gを溶解させた水溶液をピペッ
トを用いて添加し、実施例1と同じ条件で含浸、乾燥、
焼成を行い、触媒Iを得た。
【0055】触媒Iの組成は、Pt(0.53質量%)
−Cl(0.46質量%)/Al(99.01質
量%)であった。触媒Iの物理性状は、表面積315m
/g、細孔容積0.68ml/g、平均細孔径66Å
であった。触媒Iの酸量は、0.44mmol/gであ
った。
【0056】比較例2 ナス型フラスコ中に、比較例1で用いたものと同じアル
ミナ23.23gを投入し、そこへ16.96gのイオ
ン交換水に塩化白金酸6水和物0.6230gを溶解さ
せた水溶液をピペットを用いて添加し、実施例1と同じ
条件で含浸、乾燥、焼成を行い、触媒Jを得た。
【0057】触媒Jの組成は、Pt(1.11質量%)
−Cl(0.64質量%)/Al(98.25質
量%)であった。触媒Jの物理性状は、表面積291m
/g、細孔容積0.63ml/g、平均細孔径70Å
であった。触媒Jの酸量は、0.39mmol/gであ
った。
【0058】比較例3 ナス型フラスコ中に、実施例1で用いたものと同じボリ
ア−アルミナ27.73gを投入し、そこへ24.13
gの70%塩酸水溶液に塩化白金酸6水和物0.371
9gを溶解させた溶液をピペットを用いて添加し、実施
例1と同じ条件で含浸、乾燥、焼成を行い、触媒Kを得
た。
【0059】触媒Kの組成は、Pt(0.48質量%)
−Cl(3.77質量%)/B−Al(9
5.75質量%)であった。触媒Kの物理性状は、表面
積298m/g、細孔容積0.65ml/g、平均細
孔径68Åであった。触媒Kの酸量は、0.76mmo
l/gであった。
【0060】比較例4 ナス型フラスコ中に、細孔容積0.54ml/g,表面
積582m/gの酸型のUSY型ゼオライト粉末(ゼ
オライトのシリカ/アルミナmol比=36、ユニット
セルサイズ=24.28Å、酸量0.08mmol/
g)37.29gを投入し、そこへ10%塩酸水溶液2
2.102gに塩化白金酸6水和物0.4995gと塩
化パラジウム0.3139gを溶解させた溶液をピペッ
トを用いて添加し、実施例1と同じ条件で含浸、乾燥、
焼成を行い、触媒Lを得た。なお触媒Lは、粉砕後、1
6〜32メッシュの粒径のものを活性試験に使用した。
【0061】触媒Lの組成は、Pt(0.51質量%)
−Pd(0.50質量%)−Cl(0.34質量%)/
ゼオライト(98.65質量%)であった。触媒Lの物
理性状は、表面積484m/g、細孔容積0.49m
l/gであった。触媒Lの酸量は、0.06mmol/
gであった。
【0062】比較例5 ナス型フラスコ中に、細孔容積0.97ml/g,表面
積342m/gのシリカ−アルミナ(シリカ/アルミ
ナ質量比=88/12、直径1/16インチの柱状成形
物、酸量0.09mmol/g)37.29gを投入
し、そこへ10%塩酸水溶液36.1713gに塩化白
金酸6水和物0.5008gと塩化パラジウム0.31
34gを溶解させた溶液をピペットを用いて添加し、実
施例1と同じ条件で含浸、乾燥、焼成を行い、触媒Mを
得た。
【0063】触媒Mの組成は、Pt(0.50質量%)
−Pd(0.49質量%)−Cl(0.43質量%)/
SiO−Al(98.58質量%)であった。
触媒Mの物理性状は、表面積298m/g、細孔容積
0.88ml/g、平均細孔径98Åであった。触媒M
の酸量は、0.07mmol/gであった。
【0064】〔脱硫処理分解系軽油の水素化処理反応〕 実施例9〜16、比較例6〜11 上記の実施例及び比較例で調製した触媒A〜D、I〜K
を用い、以下の要領にて、下記性状の脱硫処理分解系軽
油の水素化処理を行った。すなわち、先ず、触媒を高圧
流通式反応装置の反応器に充填して固定床式触媒層を形
成し、下記の前処理条件で前処理した。次に、反応温度
に加熱した原料油と水素含有ガスとの混合流体を、反応
器の上部より導入して、下記の条件で水素化反応を進行
させ、生成した生成油とガスの混合流体を反応器の下部
より流出させ、気液分離器で生成油を分離した。
【0065】 触媒の前処理条件 圧力(水素分圧);4.9MPa 雰囲気 ;水素ガス流通下 温度 ;150℃にて1.5hr維持、次いで300℃にて 2hr維持のステップ昇温 水素化反応条件 反応温度 ;300又は350℃ 圧力(水素分圧);4.9MPa 液空間速度 ;1.5hr−1 水素/オイル比 ;560m/m 原料油の性状 油種 ;脱硫処理分解系軽油 比重(15/4℃);0.9089 蒸留性状 ;初留点が177.0℃、50%点が276.0℃、 90%点が341.1℃、終点が355.5℃ 硫黄分 ;180質量ppm 飽和炭化水素成分 ;30.9容量% オレフィン成分 ;0.0容量% 一環芳香族成分 ;45.3容量% 二環芳香族成分 ;19.8容量% 三環芳香族成分 ;4.0容量% 全芳香族成分 ;69.1容量% セーボルト色 ;−16以下
【0066】反応結果については、以下の方法で解析し
た。300℃又は350℃の反応温度で反応装置をそれ
ぞれ運転し、6日経過した時点でそれぞれの生成油試料
を採取し、その性状を分析した。そして、脱芳香族率
は、水素化反応によって原料油中の芳香族分が低減した
割合と定義し、原料油及び生成油中の芳香族分の分析値
から、数1に示す式により算出した。また、原料油及び
生成油中の芳香族分の分析値と液空間速度とから、数1
に示す式により反応速度定数を算出し、水素化反応の進
行のし易さを評価した。なお、反応速度定数が高い程、
触媒活性が優れていることを示している。これらの結果
は、表1の通りであった。
【0067】
【数1】 脱芳香族率(%)=〔(A−A)/A〕×100 A:原料油中の芳香族分(容量%) A:反応生成油中の芳香族分(容量%) 脱芳香族反応速度定数=ln(A/A)×LHSV LHSV:液空間速度(hr−1
【0068】
【表1の1】
【0069】
【表1の2】
【0070】
【表1の3】
【0071】
【表1の4】
【0072】表1から判るように、本発明の触媒は、同
一反応条件下で、比較触媒に比して、生成油中の芳香族
化合物の含有率が少ない。これは、本発明の触媒が、5
60m/mと言う高い水素/オイル比で、しかも従
来の水素化処理の際とほぼ同じの水素分圧及び反応温度
の下で、芳香族化合物の水素化反応に対して有効である
こと示している。
【0073】〔脱硫処理LCO/LGO混合軽油の水素
化処理反応〕 実施例17〜22、比較例12〜16 上記の実施例及び比較例で調製した触媒A、E〜H、
I、L、Mを用い、実施例9〜16、比較例6〜11の
脱硫処理分解軽油の水素化処理反応の場合と同一の反応
装置を用い、同一の要領、同一の条件にて下記性状の脱
硫処理LCO/LGO混合軽油の水素化処理を行い、同
一の方法で反応結果を解析し、結果を表2に示した。
【0074】 原料油a 油種 ;直留軽油と分解軽油との混合油を脱硫処理した軽油 比重(15/4℃);0.8440 粘度(@30℃) ;4.026mm/s 蒸留性状 ;初留点が172℃、50%点が289℃、 終点が381℃ 硫黄分 ;172質量ppm 飽和炭化水素成分 ;65.7容量% オレフィン成分 ;0.0容量% 全芳香族成分 ;34.3容量% セーボルト色 ;−13.9 原料油b 油種 ;直留軽油と分解軽油との混合油を脱硫処理した軽油 比重(15/4℃);0.8450 粘度(@30℃) ;4.144mm/s 蒸留性状 ;初留点が177℃、50%点が291℃、 終点が382℃ 硫黄分 ;320質量ppm 飽和炭化水素成分 ;64.1容量% オレフィン成分 ;0.0容量% 全芳香族成分 ;35.9容量% セーボルト色 ;0.1
【0075】反応結果については、実施例9〜16、比
較例6〜11の脱硫処理分解軽油の水素化処理反応の場
合と同様にして解析した。結果は、表2の通りであっ
た。
【0076】
【表2の1】
【0077】
【表2の2】
【0078】
【表2の3】
【0079】表2から判るように、本発明の触媒は、同
一反応条件下で、比較触媒に比1て、生成油中の芳香族
化合物の含有率が少ない。これは、本発明の触媒が、5
60m/mと言う高い水素/オイル比で、しかも従
来の水素化処理の際とほぼ同じの水素分圧及び反応温度
の下で、芳香族化合物の水素化反応に対して有効である
こと示している。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
次のような効果を奏することができる。 (1)1環芳香族化合物の高い核水素化活性を有し、し
かも高い耐硫黄性をも兼備するため、炭化水素油中の芳
香族化合物の含有率を、大幅に低減させることができ
る。 (2)従来の水素化処理条件と同様の条件で、硫黄分が
数100質量ppmの原料油中の芳香族化合物の水素化
処理を効率的に行うことができる。 (3)多量の芳香族化合物を含有するLCO等の炭化水
素油であっても、水素化処理によって芳香族化合物や硫
黄化合物を効率的に減少させることができる。 (4)排気ガス中のパティキュレートの発生を抑制する
ことができる軽油基材であって、しかも硫黄含有量の少
ない軽油基材を、低コストで供給することができる。 (5)反応条件を従来の水素化処理の際の反応条件とほ
ぼ同じとすることがきるため、従来の装置を大幅改造す
ることなく転用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 貴志 埼玉県草加市花栗4−20−2−402 (72)発明者 柴田 行雄 埼玉県草加市花栗4−20−4−403 (56)参考文献 特開 昭50−49182(JP,A) 特開 昭51−42705(JP,A) 特開 平6−198186(JP,A) 特表 平10−503707(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボリア1〜30質量%と、アルミナ70
    〜99質量%を含む担体に、触媒基準で、金属換算で、
    白金族金属の少なくとも1種0.1〜8質量%と、ハロ
    ゲン0.01〜3質量%を含有させてなることを特徴と
    する炭化水素油の水素化処理用触媒。
  2. 【請求項2】 アンモニア−TPD法で測定した酸量
    が、0.4〜3mmol/gであることを特徴とする請
    求項1に記載の炭化水素油の水素化処理用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の触媒の存在下
    で、3〜8MPaの水素分圧、200〜370℃の温
    度、及び0.3〜5hr−1の液空間速度で、芳香族化
    合物を含む軽油留分の接触反応を行うことを特徴とする
    軽油の水素化処理方法。
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