JP4643966B2 - 水素化精製軽油の製造方法、水素化精製軽油及び軽油組成物 - Google Patents

水素化精製軽油の製造方法、水素化精製軽油及び軽油組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水素化精製軽油の製造方法、水素化精製軽油及び軽油組成物に関するものである。
ディーゼルエンジンは、そのエネルギー効率の高さから、地球温暖化防止対策としての二酸化炭素排出削減において有効な役割を果たすものと期待されている。一方、ディーゼルエンジン排出ガスのクリーン化への要求はますます厳しくなっており、パティキュレートと呼ばれる微粒子成分やNOxなどの有害物質を除去することが大きな課題の一つとなっている。これらのうちパティキュレートを除去するために、パティキュレート除去フィルターなどの排ガス浄化装置の搭載が今後ますます推進される方向にある。
しかしながら、硫黄分の多い軽油を燃料とした場合、そのような排ガス浄化装置の劣化が著しくなると指摘されている。これを受けて、特に走行距離の長い輸送用トラックなどでは排ガス浄化装置の可能な限りの長寿命化が強く切望されており、そのために軽油中の硫黄分を一層低減することが必須となっている。加えて、パティキュレート生成の最も大きな要因として、軽油中の芳香族分が挙げられており、根本的なパティキュレート低減対策としては軽油中の芳香族分の除去が有効といわれている。
石油系軽油留分は、通常未精製の状態で1〜3質量%の硫黄分を含有しており、水素化脱硫を施した後に軽油基材として使用される。その他の軽油基材としては、水素化脱硫された灯油留分、流動接触分解装置や水素化分解装置などから得られる分解軽油があり、これらの軽油基材を混合した後に製品軽油が得られる。水素化脱硫触媒を用いて水素化脱硫処理された後の軽油留分中に存在する硫黄化合物のうち、4,6−ジメチルジベンゾチオフェンに代表される複数のメチル基を置換基として有するジベンゾチオフェン誘導体は、極めて反応性に乏しい。そのため、このような化合物は、水素化脱硫深度を深くしても軽油留分中に残存する傾向にある。
そこで、従来の技術を用いて、1質量ppm以下という更なる低硫黄領域まで軽油留分の脱硫を進めるためには、非常に高い水素分圧、又は極度に長い接触時間すなわち極めて大きな反応塔容積が必要となる。
また、未精製の石油系軽油留分には、通常20〜40容量%の芳香族分が含まれている。この芳香族分の水素化反応においては、化学平衡の制約が存在し、一般的には、それぞれ、高温側で芳香族の生成、低温側で芳香環の水素化物である環状飽和炭化水素(ナフテン)の生成に平衡がシフトする。よって、軽油留分中の芳香族分を低減すべく、芳香族の水素化を促進するためには、化学平衡の観点から反応温度を低温にすると有利である。ところが、比較的低温の反応温度では、芳香族水素化反応の反応速度が十分ではないため、それを補うための反応温度以外の反応条件及び触媒が必要となる。
さらに、水素化脱硫反応は最終的には炭素−硫黄結合を開裂する反応であり、高温になるほどその開列反応が促進される。そのため、従来の技術では、芳香族の水素化を促進するために低温側に反応条件を設定すると脱硫活性が不足し、結局、超低硫黄化と低芳香族化とを両立させることは極めて困難となる。
ところで、ディーゼルエンジンでは、圧縮して高温になった空気に軽油を吹きつけて着火・燃焼させるが、軽油を吹きつけたタイミングで正常に燃焼しないとノッキングを起こす恐れがある。そのため、軽油には、着火性に優れるという特性が必要となる。セタン価は燃えやすさを示す指標であり、セタン価の数値が高いほど着火性に優れている。したがって、軽油のセタン価の向上はディーゼルエンジンの高効率化を目指す上で重要な課題の一つである。一般的には芳香族化合物やナフテン化合物のセタン価は低く、パラフィン化合物(鎖状飽和炭化水素)のセタン価は高いといわれている。したがってセタン価を高くするには、芳香族化合物の水素化、ナフテンのパラフィンへの転換を進める必要がある。
しかしながら、ナフテンからパラフィンへの転換は、通常、分解反応を伴うため、原料油と比較した生成油の軽質化は避けられず、実質的に軽油留分の収率減少を招く。以上のことから、余分な分解反応を抑制した上で効率よく水素化反応及びパラフィンへの転換反応を進める方策が求められている。
このような背景の下、硫黄分及び芳香族分の少ないディーゼル軽油の製造方法として、脱硫工程(第1工程)と、ゼオライトや粘土鉱物を触媒として用いた芳香族水素化工程(第2工程)とを組み合わせた製造技術が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。しかしながら、これらの特許文献に記載の製造方法であっても、硫黄分及び芳香族分の両方の低減効果は十分なものではない。具体的に言うと、これらの特許文献に記載の製造方法であっても、硫黄分含有量が1質量ppm以下であり、かつ芳香族分含有量が1容量%以下であるという極めて高い脱硫・脱芳香族レベルを同時に達成することは困難である。かかる従来の製造方法では、第1工程における運転過酷度を上げると、第1工程の運転を経済的に満足し得る期間だけ継続することが困難となる。また、第1工程における反応温度の上昇により、第1工程の生成油中の芳香族分が増加し、第2工程における脱芳香族化が阻害される。さらには、第2工程において前述の芳香族の平衡制約があるため、反応温度の上昇等、運転過酷度の増大に限界がある。
一方、特許文献3では、ナフテンをパラフィンに転換する技術として、PtをUSY(超安定化Yゼオライト)に担持した触媒を用いて、気液向流型プロセスで軽油留分を処理する方法が開示されている。しかしながら、ナフテンのパラフィンへの転換を進行させるためには高い反応温度が必要であり、反応温度を高くして反応条件の過酷度が増大するに従い、生成する軽油留分の収率が低下する傾向にある。
特開平7−155610号公報 特開平8−283747号公報 特表2003−502478号公報
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、硫黄分含有量が1質量ppm以下であり、かつ全芳香族分含有量が3容量%以下であり、しかも高セタン価を有するような、環境特性及び燃焼特性の両方に優れた軽油を、特殊な運転条件や設備投資を設けることなく、十分効率よくかつ確実に製造することが可能な水素化精製軽油の製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、そのような水素化精製軽油の製造方法により得られる水素化精製軽油及びその水素化精製軽油を含む軽油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族分を3容量%以下に低減した原料油を用いると、芳香族化合物の水素化によって生成するナフテン又はすでに原料油中に存在していたナフテンの開環反応が、過酷度の低い条件においても円滑に進行することを見出した。本発明者らは、これにより、軽油留分の収率低下を極力抑えて効率よくパラフィンに転換できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、原料油を水素化処理して水素化精製軽油を製造する方法であって、原料油として、沸点範囲が150〜380℃である石油留分を95容量%以上含み、硫黄分含有量が2〜15質量ppmであり、全芳香族分含有量が10〜25容量%であり、かつ全ナフテン分含有量が20〜60容量%である水素化精製油を用い、チタニア、ジルコニア、ボリア及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属酸化物及びアルミナを含有する多孔質担体上にRh、Ir、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種類の活性金属を担持してなる第1水素化触媒の存在下、反応温度170〜320℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度0.1〜4h −1 及び水素/油比250〜800NL/Lの反応条件下で原料油を水素化処理して、全芳香族分含有量が3容量%以下である第1生成油を得る第1工程と、シリカ及びアルミナを含有し、かつフォージャサイト型、ベータ型、モルデナイト型及びペンタシル型からなる群より選ばれる少なくとも1種類の結晶構造を有する結晶性モレキュラシーブ成分を含有する多孔質担体上にRh、Ir、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種類の活性金属を担持してなる第2水素化触媒の存在下、反応温度200〜280℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度0.1〜2h −1 及び水素/油比250〜800NL/Lの反応条件下で第1生成油を水素化処理して、下記(1)及び(2)の条件:(1)沸点範囲が150℃未満である石油留分の含有量が16容量%以下であること;及び(2)全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計が、原料油中の全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計に対し80%以下であること;を満たす第2生成油を得る第2工程とを有する水素化精製軽油の製造方法を提供する。
本発明の水素化精製軽油の製造方法は、上述の各性状を同時に満足する石油留分を原料油とし、第1工程において上述の性状を有する第1生成油を得るように原料油を水素化処理し、更に第2工程において、上記特定の触媒を用い、得られる第2生成油が上記条件を同時に満足するように第1生成油を水素化処理するものである。そして、これらの複合的な作用により初めて、硫黄分含有量が1質量ppm以下であり、かつ全芳香族分含有量が3容量%以下であり、しかも高セタン価を有するような、環境特性及び燃焼特性の両方に優れた軽油を、特殊な運転条件や設備投資を設けることなく、すなわち従来の装置を用いて、十分効率よくかつ確実に製造することが可能となる。
本発明の水素化精製軽油の製造方法において、原料油中の多環芳香族分含有量が1〜7容量%であり、かつ第2生成油中の多環芳香族分含有量が0.2容量%以下であると好ましい。これにより、一層有効に本発明の効果を得ることができ、しかも設備投資をより抑制することが可能となる。なお、本明細書において「多環」とは縮合されたもの及び環集合の両方を含む。
本発明の水素化精製軽油の製造方法において、第2生成油中の多環芳香族分含有量と多環ナフテン分含有量との合計が13容量%以下であると好ましい。これにより、得られる水素化精製軽油のセタン価が更に向上し、一層良好な燃料特性を得ることができる。
本発明の水素化精製軽油の製造方法は、第1工程において、反応温度170〜320℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度0.1〜4h−1及び水素/油比250〜800NL/Lの反応条件下で原料油を水素化処理し、第2工程において、反応温度200〜280℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度0.1〜2h−1及び水素/油比250〜800NL/Lの反応条件下で第1生成油を水素化処理するものであると好ましい。これにより、所望の性状を有する第1生成油又は水素化精製軽油を一層得やすくなる。さらには触媒寿命の短縮や過大な設備投資を一層抑制可能となる。
本発明の水素化精製軽油の製造方法において、第1水素化触媒及び第2水素化触媒の両方が、多孔質の担体上に活性金属を担持してなるものであり、活性金属が、8族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属であると好ましい。かかる触媒は、本発明の目的効果を達成するための脱硫活性、芳香族水素化活性、ナフテンのパラフィンへの転換活性等を一層バランスよく示すことができる。同様の観点から、本発明の水素化精製軽油の製造方法において、活性金属が、Rh、Ir、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属であると好ましい。
本発明の水素化精製軽油の製造方法において、第1水素化触媒における担体が、チタニア、ジルコニア、ボリア及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属酸化物とアルミナとを含有すると好ましい。かかる担体を備えた第1水素化触媒を採用することにより、所望の性状を有する水素化精製軽油を得るための第1生成油を一層選択的かつ収率よく合成できる。
本発明の水素化精製軽油の製造方法において、結晶性モレキュラシーブ成分が、シリカ及びアルミナを含有し、かつフォージャサイト型、ベータ型、モルデナイト型及びペンタシル型からなる群より選ばれる少なくとも1種類の結晶構造を有すると好ましい。このような結晶性モレキュラシーブ成分を含有する第2水素化触媒は、本発明の目的効果を達成するための脱硫活性、芳香族水素化活性、ナフテンのパラフィンへの転換活性等、特にナフテンのパラフィンへの転換活性を更に有効かつ確実に示すことができる。
本発明は、上述の水素化精製軽油の製造方法により得られ、硫黄分含有量が1質量ppm以下であり、かつ全芳香族分含有量が3容量%以下である水素化精製軽油を提供する。
本発明は、上述の水素化精製軽油の製造方法により得られ、硫黄分含有量が1質量ppm以下であり、かつ全芳香族分含有量が3容量%以下である水素化精製軽油を含有する軽油組成物を提供する。
本発明によれば、硫黄分含有量が1質量ppm以下であり、かつ全芳香族分含有量が3容量%以下であり、しかも高セタン価を有するような、環境特性及び燃焼特性の両方に優れた軽油を、特殊な運転条件や設備投資を設けることなく、十分効率よくかつ確実に製造することが可能な水素化精製軽油の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の水素化精製軽油の製造方法は、原料油を水素化処理して水素化精製軽油を製造する方法であって、原料油として、沸点範囲が150〜380℃である石油留分を95容量%以上含み、硫黄分含有量が2〜15質量ppmであり、全芳香族分含有量が10〜25容量%であり、かつ全ナフテン分含有量が20〜60容量%である水素化精製油を用い、第1水素化触媒の存在下、上記原料油を水素化処理して、全芳香族分含有量が3容量%以下である第1生成油を得る第1工程と、結晶性モレキュラシーブ成分を含有する第2水素化触媒の存在下、第1生成油を水素化処理して、下記(1)及び(2):(1)沸点範囲が150℃未満である石油留分の含有量が16容量%以下であること;及び(2)全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計が、原料油中の全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計に対し80%以下であること;を満たす第2生成油を得る第2工程とを有するものである。
(原料油)
本発明に係る原料油として用いる水素化精製油は、沸点範囲が150〜380℃である石油留分を95容量%以上含み、硫黄分含有量が2〜15質量ppmであり、全芳香族分含有量が10〜25容量%であり、かつ全ナフテン分含有量が20〜60容量%である。
ここで、本明細書における「沸点範囲」とは、JIS−K−2254「蒸留試験方法」又はASTM−D86に記載の方法に準拠して測定されるものである。また、本明細書における「硫黄分含有量」とは、JIS−K−2541「硫黄分試験方法」又はASTM−D5453に記載の方法に準拠して測定される軽油全量を基準とした硫黄分の質量含有量をいう。
さらに、本明細書における「全芳香族分含有量」及び後述する「多環芳香族分含有量」とは、社団法人石油学会により発行されている石油学会誌JPI−5S−49−97「炭化水素タイプ試験法−高速液体クロマトグラフ法」に記載の方法に準拠して測定される各芳香族分含有量の容量百分率(容量%)から算出されるものである。また、本明細書における「全ナフテン分含有量」及び後述する「オレフィン分含有量」は、ASTM−D2786−91「Standard Test Method for Hydrocarbon Types Analysis of Gas−Oil Saturates Fraction by High Ionizing Voltage Mass Spectrometry」に記載の方法に準拠して測定されるものである。
原料油中の150〜380℃の沸点範囲を有する石油留分が95容量%未満であると、沸点150℃よりも軽質な留分又は沸点380℃よりも重質な留分が多く含まれるようになることを意味する。軽質留分の増加はLPG生成量の増加を招くおそれがあり、重質留分の増加は多環芳香族の水素化反応やパラフィンへの転換反応が十分に進行しなくなるおそれがあり、例えば新たに設備増強する必要が生じやすくなる。これは、原料油として水素化精製処理されていないものを用いる場合でも同様である。
本発明に用いられる原料油中の硫黄分含有量は2〜15質量ppmであり、好ましくは3〜10質量ppm、より好ましくは4〜9質量ppmである。原料油中の硫黄分含有量が15質量ppmを超える場合、水素化処理触媒の活性が低下して脱硫反応及び芳香族水素化反応が十分に進行しなくなる傾向にある。原料油中の硫黄分含有量が2質量ppm未満の場合、硫黄分を除去するのに必要な反応温度が低下し、芳香族水素化反応やナフテンからパラフィンへの転換反応が十分に進行しなくなる傾向にある。
本発明に係る原料油中には、通常、芳香族分のほか、環状飽和炭化水素であるナフテン分、非環状飽和炭化水素であるパラフィン分、不飽和炭化水素であるオレフィン分が存在する。これらのうち、本発明に用いられる原料油中の全芳香族分含有量は10〜25容量%であり、好ましくは11〜21容量%である。原料油の全芳香族分含有量が25容量%を超える場合は、第1工程において全芳香族分含有量を3容量%以下とするために長い接触時間、すなわち過大な反応塔容積を必要とし、新たな設備投資が必要となったり、設備投資が過大になったりする傾向にある。一方、原料油中の全芳香族分含有量が10容量%未満の場合は、芳香族水素化に必要な運転条件を脱硫に必要な運転条件よりも過酷にする必要性が高まるため、運転コストが増大し、本発明の経済的な優位性が少なくなる傾向にある。
さらに、本発明の原料油中の芳香族分組成について、多環芳香族分含有量が、原料油に対して1〜7容量%であることが好ましく、1.5〜5容量%であることがより好ましい。原料油中の多環芳香族分含有量が7容量%を超える場合は、生成油中の所定の多環芳香族分量を達成するために設備投資が過大となる傾向にあり、1容量%に満たない場合は本発明による効果を有効に得ることが困難になる傾向にある。
本発明に係る原料油中の全ナフテン分含有量は20〜60容量%の範囲であり、25〜45容量%であると更に好ましい。原料油中の全ナフテン分含有量が20容量%未満となる場合は、原料油中に元々セタン価の高いパラフィンが多く含まれることとなり、ナフテンのパラフィン転換によるセタン価向上の度合いが小さくなるため、本発明の優位性が少なくなる。一方、原料油中の全ナフテン分含有量が60容量%を越えると、原料油中の芳香族分及びナフテン分の総量が増加する傾向にある。上述のように、芳香族化合物の水素化反応はナフテンとの平衡反応でもあるので、芳香族分及びナフテン分の総量が増加すると、化学平衡により生成油中の芳香族分が増加し、十分な芳香族分低減効果を得られない懸念がある。
また、原料油中のオレフィン分含有量が、1容量%以下であることが好ましい。このオレフィン含有量が1容量%より多くなると、第1工程において、反応塔内での重合等の反応により、第1水素化触媒を充填した触媒層が閉塞しやすくなる傾向にある。
原料油は上述の性状を満たしている水素化精製された石油系炭化水素であればよく、複数の装置から留出される石油留分を混合したものであってもよい。例えば、原油の常圧蒸留装置から留出した所定の沸点範囲を有する直留油を水素化脱硫装置において脱硫処理して得られるものであってもよい。この場合、水素化分解装置、残油直接脱硫装置、流動接触分解装置等から得られる所定の沸点範囲を有する石油留分を上述の直留油に混合した後に、その混合油を水素化脱硫して得られる石油留分を原料油として用いてもよい。あるいは、減圧蒸留装置から得られる減圧軽油留分を水素化分解装置において水素化分解することにより得られる所定の沸点範囲を有する石油留分を原料油の1種として用いてもよい。さらに、原料油として、各装置からの灯油留分及び軽油留分を個別に水素化精製した後に、所定の沸点範囲となるように混合したものを用いてもよく、各水素化精製装置で得られる生成油を混合したものを用いてもよい。
原料油を得るための水素化脱硫条件としては、石油精製において一般的な水素化脱硫装置を用いて処理される際の条件でよい。すなわち、反応温度250〜380℃、水素分圧2〜8MPa、液空間速度(LHSV)0.3〜10.0h−1、水素/油比100〜500NL/Lといった条件で水素化脱硫処理が行われると好ましい。この水素化脱硫装置に備えられる触媒としては、担体に活性金属を担持してなる一般的な水素化脱硫触媒を用いることができる。すなわち、活性金属種として、通常6A族及び8族金属(例えば、Co−Mo、Ni−Mo、Ni−Co−Mo、Ni−W等)の硫化物を用いればよい。また、担体としてはアルミナを主成分とした多孔質無機酸化物を用いればよい。
原料油を得るための水素化分解条件としては、石油精製において一般的な水素化分解装置を用いて処理される際の条件でよい。すなわち、反応温度300〜450℃、水素分圧5〜18MPa、液空間速度(LHSV)0.1〜8.0h−1、水素/油比300〜2000NL/Lといった条件で水素化分解処理が行われると好ましい。この水素化分解装置に備えられる触媒としては、担体に活性金属を担持してなる一般的な水素化分解触媒を用いることができる。すなわち、活性金属種としては、通常6A族及び8族金属(例えば、Co−Mo、Ni−Mo、Ni−Co−Mo、Ni−W等)の硫化物を用いればよい。また、担体としては無機複合酸化物やゼオライトなどの固体酸を含む物質を用いればよい。
あるいは、原料油を得るための触媒として前述の水素化脱硫触媒及び水素化分解触媒を組み合わせて用いてもよい。なお、原料油を得るための水素化精製において採用される上述のような反応条件や触媒の種類は、得られる原料油の性状が上記条件を満たす限りにおいて特に限定されるものではない。
これらの水素化脱硫処理、水素化分解処理において、それぞれの装置又は両者を組み合わせた装置群の構成は特に限定されないが、これらの水素化精製によって得られた生成物から、気液分離塔又は所定の硫化水素除去設備を用いて、硫化水素をできるだけ除去しておくことが望ましい。例えば一般的な軽油や灯油の脱硫装置において、水素化脱硫用の反応塔からの留分から、気液分離塔によって、ガス成分である硫化水素を分離することが好ましい。このようにしてガス成分を除去して得られる液体留分を原料油とすれば、そこに含有される硫化水素の量は極めて少なくなるので、本発明に係る原料油としてより適したものとなる。なお、原料油中に硫化水素が混在する場合であっても、本発明の製造方法において、適切な水素化処理条件に設定することにより、本発明の目的効果は達成可能である。
(第1工程)
本発明の第1工程においては、第1水素化触媒の存在下、原料油を水素化処理して、全芳香族分含有量が3容量%以下である第1生成油を得る。
第1工程で用いる第1水素化触媒は、多孔質の担体上に8属金属からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属を活性金属として担持してなるものが好ましい。
第1水素化触媒に係る担体としては、チタニア、ジルコニア、ボリア及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属酸化物とアルミナとを含有するものが好ましい。担体を構成する各成分としては、上記成分を組み合わせることができるが、触媒の耐硫黄性という観点から、シリカ−アルミナ、チタニア−アルミナ、ボリア−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、チタニア−ジルコニア−アルミナ、シリカ−ボリア−アルミナ、シリカ−ジルコニア−アルミナ、シリカ−チタニア−アルミナ、シリカ−チタニア−ジルコニア−アルミナが好ましく、シリカ−アルミナ、ボリア−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、チタニア−ジルコニア−アルミナ、シリカ−ボリア−アルミナ、シリカ−ジルコニア−アルミナ、シリカ−チタニア−アルミナがより好ましく、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア−アルミナが更に好ましい。
上記担体におけるアルミナと他の成分との構成比率は特に限定されないが、好ましくはアルミナの含有量が担体全量を基準として90質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。アルミナの含有量の下限は特に制限されないが、担体全量を基準として20質量%以上であることが好ましい。アルミナが90質量%を超える場合には、触媒の耐硫黄性が十分でなくなる傾向にあり、20質量%に満たない場合は、触媒の成形性が低下し、その工業的製造が困難になる傾向になる。
担体の調製方法は特に限定されず、例えば以下のようにして調製される。まず、担体を得るために、従来の方法により得られるアルミナゲル含有液、ベーマイトパウダー、アルミナ懸濁液あるいは捏和物などの「アルミナ前駆体」を準備する。次いで、アルミナ以外の金属酸化物を導入するために、その金属の酢酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、ナフテン酸塩あるいは各種配位化合物などを水あるいは有機溶剤に溶解したものを、上記アルミナ前駆体に添加あるいは共沈等の方法により配合する。これらのなかで、硝酸塩、酢酸塩もしくは塩化物を用いると好ましく、硝酸塩、酢酸塩を用いるとさらに好ましい。この配合物を必要に応じて混練、乾燥、成形、焼成等することにより担体を得る。なお、担体を修飾する金属酸化物は、担体を焼成した後に、その金属の酢酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、ナフテン酸塩あるいは各種配位化合物などを水あるいは有機溶剤に溶解したものを担体に含浸等することにより導入してもよい。
あるいは一旦シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、シリカ−チタニア、アルミナ−ボリアなどの複合酸化物又は複合水酸化物を調製した後、その複合酸化物等に、上述の金属酸化物の前駆体であるアルミナゲルやその他の水酸化物のゲル又は適当な溶液を添加した後に、上述の混練等を行い担体を調製してもよい。成形する場合は、押し出し成形により、断面が略円形の略円柱状、断面が四葉状である四葉柱状などの形状に成形加工することができる。
本発明における第1工程の反応条件としては、反応温度170〜320℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度(LHSV)0.1〜4h−1、水素/油比250〜800NL/Lであることが好ましく、反応温度180〜305℃、水素分圧4〜8MPa、液空間速度(LHSV)1.0〜3.0h−1、水素/油比300〜700NL/Lであることがより好ましい。
反応温度は低い方が水素化反応には有利であるが、反応温度が170℃未満の場合は脱硫反応が進行し難くなる傾向にある。反応温度が320℃を超える場合は触媒の寿命が短くなるとともに、化学平衡上芳香族の生成が有利になり、第1生成油の芳香族分が増加する傾向にある。また、上記水素分圧及び水素/油比は一般に高いほど脱硫反応、水素化反応とも促進される傾向にある。水素分圧及び水素/油比が上記下限値未満の場合は脱硫及び芳香族水素化反応が進行し難くなる傾向にある。一方、水素分圧及び水素/油比が上記上限値を超えると、過大な設備投資を必要とする傾向にある。液空間速度(LHSV)は低いほど脱硫反応、水素化反応に有利な傾向にある。しかしながら、液空間速度が0.1h−1未満の場合は極めて大きな反応塔容積が必要となり、過大な設備投資が必要となる傾向にある。一方、液空間速度が4h−1を超える場合は、脱硫及び芳香族水素化反応、さらにはナフテン転換反応が十分に進行しなくなる傾向にある。
第1工程では、得られる第1生成油中の全芳香族分含有量が3容量%以下、好ましくは1容量%以下となるように、上述の反応条件を調整する。第1生成油中の全芳香族分含有量が3容量%を超えると、第2工程でのナフテンからパラフィンへの転換反応が進行し難くなり、環境特性に優れ高いセタン価を有する軽油を得難くなる傾向にある。
また、第1生成油中のオレフィン分含有量が、1容量%以下であることが好ましい。このオレフィン含有量が1容量%より多くなると、第2工程において、反応塔内での重合等の反応により、第2水素化触媒を充填した触媒層が閉塞しやすくなる傾向にある。
(第2工程)
本発明の第2工程においては、結晶性モレキュラシーブ成分を含有する第2水素化触媒の存在下、上述の第1生成油を水素化処理して、上記(1)及び(2)の条件を同時に満たす第2生成油を得る。ここで、本明細書における「結晶性モレキュラシーブ成分」とは、分子ふるい機能を有する固体結晶をいう。
第2工程で用いる第2水素化触媒は、結晶性モレキュラシーブ成分を含有していれば特に限定されない。結晶性モレキュラシーブ成分としては、例えばゼオライトが挙げられる。ゼオライトの結晶骨格を構成する成分としては、シリカの他、アルミナ、チタニア、ボリア、ガリウムなどが挙げられるが、シリカ及びアルミナを含有するゼオライト、すなわちアルミノシリケートが好ましい。ゼオライトの結晶構造としては、例えばフォージャサイト型、ベータ型、モルデナイト型、ペンタシル型などが挙げられる。
本発明に係る結晶性モレキュラシーブ成分は、所望の結晶構造を安定的に得るために、その原材料の量論比に応じてアルミナ含有量を調整したもの又は所定の水熱処理及び/又は酸処理を施したものを用いることができる。ナフテンからパラフィンへの転換をより効率よく進める観点から、結晶性モレキュラシーブ成分としては、フォージャサイト型、ベータ型のゼオライトが好ましく、フォージャサイト型のゼオライトがより好ましい。
フォージャサイト型のゼオライトのうち、Y型のゼオライトを本発明に係る結晶性モレキュラシーブ成分として用いると好ましく、水熱処理及び/又は酸処理により超安定化した超安定化Y型(以下、「USY」という。)ゼオライトを用いると特に好ましい。このUSYゼオライトはY型ゼオライトが本来有する20Å以下のミクロ細孔と呼ばれる微細細孔構造に加え、20〜100Åの範囲に新たな細孔が形成されている。これにより、ナフテンからパラフィンへの転換をより効率的に進めることができると考えられる。USYゼオライトを得るための水熱処理条件としては公知の条件を採用することができる。USYゼオライトにおいて、シリカ/アルミナのモル比率(アルミナに対するシリカのモル比率;以下、「シリカ/アルミナ比」という。)は10〜120であると好ましく、15〜70であるとより好ましく、20〜50であると更に好ましい。シリカ/アルミナ比が120よりも高いと、ゼオライトの酸性質(酸点、酸強度など)がナフテンのパラフィンへの転換に対して良好でなくなり、ナフテンからの転換活性が低下する傾向にある。また、シリカ/アルミナ比が10より低いと、酸性質が強くなり、コーク生成反応を促進するため、第2水素化触媒の急激な活性低下を招く傾向にある。
本発明に係る結晶性モレキュラシーブ成分として、合成後にそのまま打錠成形法によって成形されたものを用いてもよいが、バインダー成分と混合した上で成形したものを用いると好ましい。バインダー成分としてはアルミナ単体、シリカ単体の他、上述の第1工程に用いる水素化触媒の担体であるシリカ−アルミナ、チタニア−アルミナ、ボリア−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、チタニア−ジルコニア−アルミナ、シリカ−ボリア−アルミナ、シリカ−ジルコニア−アルミナ、シリカ−チタニア−アルミナ、シリカ−チタニア−ジルコニア−アルミナのいずれかであってもよい。
第2水素化触媒中のゼオライト含有量は10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。第2水素化触媒中のゼオライト含有量が10質量%以下の場合、ナフテン転換活性が低下する傾向にある。また、成形した触媒の形状は特に限定されないが、押し出し成形によって得られる円柱、マカロニ型又は球状など任意の形状を選択することができる。
なお、第2工程において用いる第2水素化触媒として、結晶性モレキュラシーブ成分を含有する水素化触媒からなる部分の後段に、結晶性モレキュラシーブ成分を含有しない水素化触媒からなる部分を設けてもよい。この後段の部分には、第1工程と同様の触媒を用いることができる。これにより、ナフテン転換反応により得られる生成物のうち、ラジカル生成物や構造が不安定なため酸化反応などを受けやすい化合物を水素付加反応などにより安定化し、得られた生成物の酸化・縮重合によるスラッジ(固形物)発生や着色を防ぐことができる。
第1水素化触媒及び第2水素化触媒の合計量に対する第2水素化触媒の割合は特に限定されないが、結晶性モレキュラシーブ成分を含有する水素化触媒の比率が、第1水素化触媒及び第2水素化触媒(結晶性モレキュラシーブ成分を含有する水素化触媒及び結晶性モレキュラシーブ成分を含有しない水素化触媒)の合計量に対して、30容量%以上であると好ましく、40容量%以上であるとより好ましい。結晶性モレキュラシーブ成分を含有する水素化触媒の比率が30容量%を下回る場合は、ナフテン転換活性が低くなる傾向にある。
本発明における第2工程の反応条件としては、反応温度200〜280℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度(LHSV)0.1〜2h−1、水素/油比250〜800NL/Lであることが好ましく、反応温度220〜270℃、水素分圧4〜8MPa、液空間速度(LHSV)0.5〜1.5h−1、水素/油比300〜700NL/Lであることがより好ましい。
反応温度は低い方が水素化反応には有利であるが、反応温度が200℃未満の場合はナフテン転換反応の活性が低下する傾向にある。一方、反応温度は高い方がナフテン転換反応には有利であるが、反応温度が280℃を超えると、沸点150℃未満の生成物収率が増加し、目的とする軽油留分の収率が減少する傾向にある。また、上記水素分圧及び水素/油比は一般に高いほど水素化反応及びナフテン転換反応とも促進される傾向にある。水素分圧及び水素/油比が上記下限値未満の場合は水素化反応及びナフテン転換反応が進行し難くなる傾向にある。一方、水素分圧及び水素/油比が上記上限値を超えると、過大な設備投資を必要とする傾向にある。液空間速度(LHSV)は低いほど水素化反応、ナフテン転換反応に有利な傾向にある。しかしながら、液空間速度が0.5h−1未満の場合、極めて大きな反応塔容積が必要となり、過大な設備投資が必要となる傾向にある。一方、液空間速度が1.5h−1を超える場合、水素化反応及びナフテン転換反応が進行し難くなる傾向にある。
第2工程においては、得られる第2生成油について、沸点範囲が150℃未満である軽質な石油留分の含有量が16容量%以下となるように上記反応条件を調整する。より好ましくは、上記軽質な石油留分の含有量が12容量%以下となるように、更に好ましくは8容量%以下となるように、上記反応条件を調整する。上記軽質な石油留分が16容量%より多くなると、第2生成油から得られる軽油収率が減少するため、十分効率よく軽油を製造することが困難になる。
また、得られる第2生成油について、全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計が、上記原料油中の全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計に対し80%以下となるように、好ましくは70%となるように、上記反応条件を調整する。全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計が、上記原料油中の全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計に対し80%を超えると、環境特性に優れ高いセタン価を有する軽油を得難くなる傾向にある。
本発明により、第2生成油中の全芳香族分量は3容量%以下となるが、1容量%以下になるとより好ましい。この全芳香族分量が3容量%を越えると、ディーゼル排ガス中のパティキュレート低減効果が減少するため、環境特性に優れ高いセタン価を有する軽油を得難くなり、本発明の目的効果が達成されない。
第2生成油中の多環芳香族分含有量は0.2容量%以下であると好ましく、0.1容量%以下であるとより好ましい。この多環芳香族分含有量が0.2容量%を超える場合は、ディーゼル排ガス中のパティキュレートが増加する傾向にある。
さらには、第2生成油中の多環芳香族分含有量と多環ナフテン分含有量との合計が13容量%以下であると好ましく、10容量%以下であるとより好ましい。多環芳香族分含有量と多環ナフテン分含有量との合計が13容量%を越える場合には、セタン価が向上し難くなり、良好な燃料特性を得難くなる傾向にある。
本発明に係る第1水素化触媒及び第2水素化触媒において担持される活性金属は、本発明の目的効果を達成可能な脱硫活性、芳香族水素化活性、ナフテンのパラフィンへの転換活性等の観点から、いずれも、8族金属であるFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属であると好ましく、Rh、Ir、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属であるとより好ましい。
更に、水素化触媒の活性金属として複数の金属を選択しこれを組み合わせてもよく、Pt−Pd、Pt−Rh、Pt−Ir、Rh−Ir、Rh−Pd、Ir−Pd、Pt−Pd−Ir、Pt−Rh−Ir、Pt−Rh−Pd又はRh−Ir−Pdなどを採用することができる。これらのなかでも、本発明の目的効果を達成可能な脱硫活性、芳香族水素化活性、ナフテンのパラフィンへの転換活性等の観点から、Pt−Pd、Pt−Rh、Pt−Ir、Pt−Pd−Ir、Pt−Rh−Ir又はPt−Rh−Pdがより好ましく、Pt−Pd、Pt−Ir又はPt−Pd−Irが更に好ましく、Pt−Pdが特に好ましい。
次に、本発明に係る第1水素化触媒及び第2水素化触媒における活性金属について説明する。これらの活性金属の担持量は特に限定されないが、本発明の目的効果を達成可能な脱硫活性、芳香族水素化活性、ナフテンのパラフィンへの転換活性等の観点から、触媒全量に対し金属量の合計で0.05〜10質量%であると好ましく、0.1〜5質量%であるとより好ましく、0.15〜3質量%であると更に好ましい。
活性金属の担体への担持方法としては、その活性金属の無機塩又は錯塩化合物、すなわち炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩若しくは酸化物等の水溶液又は水溶性有機溶媒を用いたもの若しくは非水溶性有機溶媒を用いたものを、含浸法若しくはイオン交換法などの通常の水素化触媒で用いられる担持法を採用すればよい。なお、複数の金属を担持する場合には混合溶液を用いて同時に担持してもよく、または単独溶液を用いて逐次担持してもよい。担体への活性金属の担持は担体の全調製工程の終了後に行ってもよく、あるいは、担体の調製の中間工程において適当な酸化物、複合酸化物、結晶性モレキュラシーブ等に活性金属を担持した後、ゲル調合工程、加熱圧縮、混練等の工程を行ってもよいが、担体の全調製工程の終了後に行うことが好ましい。そして、活性金属を含浸担持したものを所望条件で焼成することにより、本発明に係る水素化触媒を得ることができる。
本発明に係る第1水素化触媒及び第2水素化触媒は、水素気流下において予備還元処理を施した後に用いることが好ましい。この予備還元処理は、通常、水素化触媒を充填した反応管(反応塔)に水素を含むガスを流通し、200℃以上の熱を所定の手順に従って水素化触媒に与えることにより行われる。これにより、その触媒の担持活性金属が還元され、水素化活性及びナフテン転換活性を一層有効に発現できる。
原料油をこのようにして水素化処理する装置はいかなる構成であってもよく、触媒を充填する反応塔は単独であっても又は複数を組み合わせてもよい。また、反応塔内の硫化水素濃度を低減する目的で、反応塔の前段、又は複数の反応塔を直列に設ける場合にはそれら複数の反応塔の間に、気液分離設備やその他の硫化水素除去設備を設けてもよく、水素を追加注入する設備を設けてもよい。
また、本発明に用いる水素化処理装置の反応形式としては、固定床方式であってもよい。すなわち、水素は原料油に対して向流又は並流のいずれの形式をとることもでき、また、複数の反応塔を有し向流、並流を組み合わせた形式のものでもよい。一般的な形式としてはダウンフローであり、気液双並流形式がある。反応塔は複数の触媒床で構成されてもよく、各触媒床の間には反応熱の除去、あるいは水素分圧を上げる目的で水素ガスを注入してもよい(クエンチ水素)。
以上説明した本発明の好適な実施形態により得られる水素化精製軽油は、硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が3容量%以下のものである。また、この水素化精製軽油は、原料油に対してセタン価を大きく向上することが可能となり、例えば、精製前の原料油に対して少なくとも3ポイントは増加することを本発明者らは実験により確認した。これは芳香族分の水素化とともにナフテン分のパラフィン分への転換によって、よりセタン価の高い炭化水素を多く含有する構成に転換されているためと考えられる。このセタン価は燃焼性を示す指標であり、数値が大きいほど着火性に優れ、ディーゼルエンジンにおいて燃焼効率の向上が期待できる。
ここで、本明細書におけるセタン価とは、JIS−K2280「オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に記載の方法に準拠して測定されるセタン価である。なお、石油留分のセタン価は、簡易的には、上記JIS−K2280「オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に記載のセタン指数算出方法によって算出されるセタン指数により、その増減を確認できる。
また、本発明の好適な実施形態により得られた軽油は単独でディーゼル軽油として用いてもよいが、他の基材と混合した軽油組成物をディーゼル軽油として用いてもよい。他の基材としては、水素及び一酸化炭素から構成されるいわゆる合成ガスを原料し、フィッシャートロプシュ反応などを経由して得られる合成軽油又は合成灯油等が挙げられる。これらの合成灯油や合成軽油は芳香族分をほとんど含んでおらず、飽和炭化水素を主成分とするので、通常はセタン価が高い。なお、合成ガスの製造法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
軽油組成物(ディーゼル軽油)中の合成軽油の配合割合は、好ましくは30容量%以下、より好ましくは20容量%以下、更に好ましくは10容量%以下である。また、軽油組成物中の合成灯油の配合割合は、好ましくは60容量%以下、より好ましくは50容量%以下、更に好ましくは40容量%以下である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(水素化触媒の調製)
ケイ酸ナトリウム水溶液(濃度29質量%、2350g)をpH4の条件下でゲル化せしめた後、60℃、pH7の条件下で2時間熟成せしめてスラリーを得た。次いで、得られたスラリーに硫酸ジルコニウム(4水和物、350g)を含む水溶液を添加し、更に添加後のスラリーをpH7に調整して、シリカ−ジルコニア複合水酸化物を生成せしめた。これを60℃で30分熟成せしめた後、硫酸アルミニウム(14水和物、420g)を含む水溶液を加えてpH7に調整し、シリカ−ジルコニア−アルミナ複合水酸化物のスラリーを生成せしめた。このシリカ−ジルコニア−アルミナ複合水酸化物のスラリーをろ過し、洗浄した後、加熱濃縮によって水分を調整した。そして、水分調整後の複合水酸化物を押し出し成型し、更に大気中で110℃、1時間乾燥し、550℃、3時間焼成を行い触媒担体(多孔質担体)を得た。得られた担体中の各構成成分の比率は、酸化物としてアルミナ20質量%、シリカ57質量%、ジルコニア23質量%であった。
この担体に、担体の吸水率に見合う容量になるように濃度を調整したテトラアンミン白金(II)クロライドとテトラアンミンパラジウム(II)クロライドの混合水溶液を用いて、活性金属を常法により含浸せしめた。そして、大気中で110℃、1時間乾燥し、300℃、2時間焼成を行い、第1水素化触媒を得た。第1水素化触媒における白金、パラジウムの担持量は、それぞれ触媒全体に対して0.3質量%、0.5質量%であった。
次に、シリカ/アルミナ比が5のY型ゼオライトを公知の超安定化処理方法により安定化した後、1N硝酸水溶液により酸処理を施し、単位格子長が24.33Å、シリカ/アルミナ比が30のプロトン型のUSYゼオライトを得た。得られたUSYゼオライト(550g)を硝酸アンモニウム水溶液(濃度2N、3L)に添加し、室温で撹拌してアンモニウム型に変換せしめた。
次いで、得られたアンモニウム型ゼオライトを、担体の吸水率に見合う容量になるように濃度を調整したテトラアンミン白金(II)クロライドとテトラアンミンパラジウム(II)クロライドの混合溶液に加え、70℃で撹拌して、活性金属をイオン交換法により担持せしめた。活性金属担持を担持したゼオライトをろ過分取し、大気中で110℃、1時間乾燥し、300℃、2時間焼成を行った。そして、得られたゼオライトを、市販のアルミナゲル(コンデア社製)と混練し、成型して第2水素化触媒を得た。第2水素化触媒における白金、パラジウムの担持量はそれぞれ触媒全体に対して0.3質量%、0.5質量%であった。また、ゼオライト及びアルミナの比率は質量比で70:30であった。
(実施例1)
第1水素化触媒(20mL)を充填した第1反応管(内径20mm)と、第2水素化触媒(20mL)を充填した第2反応管(内径20mm)を直列に固定床流通式反応装置(ダウンフロー)に取り付けた後、前処理として、水素分圧5MPa、300℃、5時間の条件下で還元前処理を実施した。その後、表1に示す条件下で表2に性状を示す原料油を反応装置に通油して、水素化精製試験を実施した。原料油は中東系原油の常圧蒸留によって得られた軽油相当留分を水素化精製処理したものである。
なお、表2中、「IBP」はJIS−K−2254に定義されている初留点であり、「EP」はJIS−K−2254に定義されている終点である。また、「(全芳香族分+全ナフテン分)収率」は、原料油中の全芳香族分及び全ナフテン分の合計量に対する、第2生成油中の全芳香族分及び全ナフテン分の合計量の割合である。更に、「軽油収率」は沸点範囲が150〜380℃である留分の収率である。また「軽質分収率」は、軽油より軽い留分、すなわち沸点範囲が150℃未満の留分の収率である。
Figure 0004643966
Figure 0004643966
水素化精製試験の開始から10日目における、第1水素化触媒を充填した第1反応管から留出する生成油(第1生成油)の全芳香族分含有量は0.8容量%であり、オレフィン分含有量は0.1容量%であり、硫黄分含有量は0.6質量ppmであった。水素化精製試験の開始から10日目における第2生成油の性状を表2に示す。
(比較例1)
第1反応管への第1水素化触媒の充填量を20mLから8mLとし、第1工程における液空間速度を2.0h−1から5.0h−1に代えた以外は実施例1と同様にして水素化精製試験を実施した。第1水素化触媒を充填した第1反応管から留出する生成油(第1生成油)の全芳香族分含有量は6.8容量%であり、オレフィン分含有量は0.2容量%であり、硫黄分含有量は2.6質量ppmであった。水素化精製試験の開始から10日目における第2生成油の性状を表2に示す。
(比較例2)
第2反応管(内径20mm)に充填した触媒を第2水素化触媒(20mL)から第1水素化触媒(20mL)に代えた以外は実施例1と同様にして水素化精製試験を実施した。第1水素化触媒を充填した第1反応管から留出する生成油(第1生成油)の全芳香族分含有量は0.8容量%であり、オレフィン分含有量は0.1容量%であり、硫黄分含有量は0.6質量ppmであった。水素化精製試験の開始から10日目における第2生成油の性状を表2に示す。

Claims (3)

  1. 原料油を水素化処理して水素化精製軽油を製造する方法であって、
    前記原料油として、沸点範囲が150〜380℃である石油留分を95容量%以上含み、硫黄分含有量が2〜15質量ppmであり、全芳香族分含有量が10〜25容量%であり、かつ全ナフテン分含有量が20〜60容量%である水素化精製油を用い、
    チタニア、ジルコニア、ボリア及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属酸化物及びアルミナを含有する多孔質担体上にRh、Ir、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種類の活性金属を担持してなる第1水素化触媒の存在下、反応温度170〜320℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度0.1〜4h −1 及び水素/油比250〜800NL/Lの反応条件下で前記原料油を水素化処理して、全芳香族分含有量が3容量%以下である第1生成油を得る第1工程と、
    シリカ及びアルミナを含有し、かつフォージャサイト型、ベータ型、モルデナイト型及びペンタシル型からなる群より選ばれる少なくとも1種類の結晶構造を有する結晶性モレキュラシーブ成分を含有する多孔質担体上にRh、Ir、Pd及びPtからなる群より選ばれる少なくとも1種類の活性金属を担持してなる第2水素化触媒の存在下、反応温度200〜280℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度0.1〜2h −1 及び水素/油比250〜800NL/Lの反応条件下で前記第1生成油を水素化処理して、下記(1)及び(2)の条件を満たす第2生成油を得る第2工程と、
    を有する水素化精製軽油の製造方法。
    (1)沸点範囲が150℃未満である石油留分の含有量が16容量%以下であること。
    (2)全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計が、前記原料油中の全芳香族分含有量と全ナフテン分含有量との合計に対し80%以下であること。
  2. 前記原料油中の多環芳香族分含有量が1〜7容量%であり、かつ前記第2生成油中の多環芳香族分含有量が0.2容量%以下である、請求項1記載の水素化精製軽油の製造方法。
  3. 前記第2生成油中の多環芳香族分含有量と多環ナフテン分含有量との合計が13容量%以下である、請求項1又は2に記載の水素化精製軽油の製造方法。
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