JP2005096729A - パワーステアリング装置及び該パワーステアリング装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術は、操舵アシスト機構の故障時におけるサブアシスト機構がないので、運転者に大きな操舵力が強いられる。 【解決手段】 ラック・ピニオン機構4の操舵力を補助する油圧パワーシリンダ5と、この両油圧室15a、15bに対して第1,第2通路6,7を介して油圧を選択的に供給する第1トロコイドポンプ23と第1電動モータ24とからなる第1油圧供給機構8を備えている。第1油圧供給機構が故障した際に、第2油圧供給機構11がコントロールユニット14からの指令信号によって第3、第4通路9,10から両油圧室に作動油圧を選択的に供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の操舵機構から出力された操舵トルクに応じて油圧パワーシリンダを作動させることにより、操舵アシスト力を付与するパワーステアリング装置及び該パワーステアリング装置の制御方法に関する。
この種の従来のパワーステアリング装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているものが知られている。
このパワーステアリング装置は、ステアリングホィールに取付られた操舵軸と、該操舵軸の下端部に連結した出力軸と、該出力軸の下端部に設けられて、転舵輪を操舵するたラック・ピニオン機構と、該ラック・ピニオン機構のラックに連繋された油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの左右の第1、第2油圧室に第1通路と第2通路を介して作動油を選択的に供給する可逆式ポンプと、前記第1、第2通路の間に接続された連通路に設けられて、該連通路を開閉する電磁弁とを備えている。
そして、車両走行中において、ステアリングホィールにより通常の左右操舵を行なうと、この操舵トルクを検知した検知機構が制御回路を介して前記電磁弁に通路閉信号を出力すると共に、可逆式ポンプを正転あるいは逆転させていずれか一方の油圧室に選択的に供給して、操舵アシスト力を付与するようになっている。
また、パワーステアリング装置の異常監視回路を備え、この異常監視回路によってパワーステアリング装置の故障が検出されたときは、前記電磁弁により連通路を開いて、各油圧室を連通状態にしてマニュアルステアリングにするようになっている。つまり、フェールセーフ機能を発揮させるようになっている。
特開2002−145087号公報
しかしながら、前記従来のパワーステアリング装置にあっては、前述のように、可逆式ポンプなどの故障時には、電磁弁を開作動させてマニュアルステアリング状態とすることができるものの、積極的な操舵アシストが行われないため、比較的大きな操舵力を運転者に強いることになってしまう。
そこで、通常の油圧式のパワーステアリング装置の他に、補助的な操舵アシスト源をさらに加えることも考えられ、例えば、操舵機構に用いられる電動機及びこの電動機の出力軸に設けられたギア機構を操舵軸に連繋させて、電動機の回転トルクを操舵軸に直接加える方法も考えられる。
しかし、このようなアシスト方法では、電動機の回転駆動時に、故障状態にある前記油圧パワーシリンダの油圧回路内での作動油の流動抵抗が負荷となって、十分な操舵アシスト力が得られないといった問題がある。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、とりわけ、転舵輪を操舵制御する操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダの第1,第2油圧室に対して第1,第2通路を介して油圧を相対的に供給する可逆式ポンプ及び該可逆式ポンプを正逆回転駆動させる電動機とを備えた第1油圧供給手段と、運転者の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、前記操舵状態検出手段によって検出された操舵状態に基づいて前記電動機に対して駆動指令信号を出力するコントロールユニットと、前記油圧パワーシリンダの第1,第2油圧室に対して油圧を選択的に供給する第2油圧供給手段とを備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、少なくとも前記第1油圧供給手段の故障を検出する故障検出手段を備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、パワーステアリング装置の制御方法に関し、コントロールユニットは、故障検出手段によって第1油圧供給手段の故障を検出した場合には、第2油圧供給手段を作動させるように制御することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、第1油圧供給手段が故障によって作動不良になった場合には、第2油圧供給手段によって積極的に操舵アシスト力が付与されることから、運転者によるステアリングホイールの操作力を小さなものとすることができる。
しかも、第2油圧供給手段は、電動ではなく、第1油圧供給手段と同じく第1、第2通路及び油圧パワーシリンダに供給される作動油を圧力伝達媒体としていることから、比較的小さな吐出能力の油圧供給源(オイルポンプなど)であっても、十分な操舵アシスト力を得ることが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、故障検出手段によって第1油圧供給手段の故障を検出することができるので、第2油圧供給手段への切り換え制御も円滑に行うことが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載された発明と同様な作用効果が得られる。
以下、本発明にかかるパワーステアリング装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略を示し、ステアリングホイール1が連結された操舵軸2と、該操舵軸2の下端部に有する出力軸3に設けられた操舵機構であるラック・ピニオン機構4と、運転者のステアリング操作力をアシストする油圧パワーシリンダ5と、該油圧パワーシリンダ5に第1通路6及び第2通路7を介して作動油圧を選択的に供給する第1油圧供給手段である第1油圧供給機構8と、該第1油圧供給機構8と並列に設けられて、第1、第2通路6,7に並列に接続された第3通路9及び第4通路10を介して油圧を油圧パワーシリンダ5に選択的に供給する第2油圧供給手段である第2油圧供給機構11と、該第2油圧供給機構11の下流側に設けられて、前記第1,第2通路6,7を連通する連通路12と、該連通路12を適宜連通あるいは遮断するフェールセーフ弁13と、前記第1、第2油圧供給機構8、11及びフェールセーフ弁13を作動させるコントロールユニット14とから主として構成されている。
前記油圧パワーシリンダ5は、車体幅方向に延設された筒状シリンダ15内を前記ラック・ピニオン機構4のラック4aに連繋したピストンロッド16が貫通していると共に、該ピストンロッド16に筒状シリンダ15内を摺動するピストン17が固定されている。また、筒状シリンダ15内には、ピストン17によって左右の第1油圧室15aと第2油圧室15bが隔成されている。
前記第1通路6と第2通路7は、各一端部が前記第1油圧供給機構8の後述する可逆式ポンプである第1トロコイドポンプ23の吐出ポート(吸入ポート)にそれぞれ接続されていると共に、第1通路6の他端部が前記第1油圧室15aに、第2通路7の他端部が第2油圧室15bにそれぞれ接続されている。また、第1、第2通路6,7の各一端部側には、リザーバタンク18から作動油を吸入するチェック型の吸入弁19a、19bが設けられている。この吸入弁19a、19bは、前記第1、第2通路6、7の一方側に吐出された高圧側と反対側の低圧な吸入側のリザーバタンク18から作動油を吸入して、基本的に各油圧室15a、15bに供給される作動油の不足分を補償するようになっている。
また、前記第3通路9と第4通路10は、各一端部が第2油圧供給機構11の後述する可逆式ポンプである第2トロコイドポンプ25の吐出ポート(吸入ポート)にそれぞれ接続されていると共に、各他端部が第1、第2流路切換弁20,21を介して第1、第2通路6,7に接続されている。
また、第3、第4通路9,10の各一端部側には、リザーバタンク18から作動油を吸入するチェック型の吸入弁22a、22bが設けられている。この各吸入弁22a、22bも前記吸入弁19a、19bと同じ機能を有している。
さらに、前記第1、第3通路6、9及び第2、第4通路7,10は、第1、第2トロコイドポンプ23,25による脈動が互いに打ち消し合うような配官長、配管径に設定されている。
前記第1油圧供給機構8は、正逆回転可能な前記第1トロコイドポンプ23と、該第1トロコイドポンプ23を回転駆動させる電動機である第1電動モータ24とから構成されている。
一方、前記第2油圧供給機構11は、同じく前記第2トロコイドポンプ25と、該第2トロコイドポンプ25を回転駆動させる電動機である第2電動モータ26とから構成されており、第2トロコイドポンプ25のポンプ容量が、前記第1トロコイドポンプ23のポンプ容量よりも小さく設定されている。
そして、前記第1電動モータ24と第2電動モータ26は、前記コントロールユニット14から出力される駆動指令電流によって正逆回転制御され、このポンプ作動によって、例えば、第1油圧室15aの作動油を第2油圧室15bへ供給し、操舵アシスト力を発揮させている。
前記第1、第2流路切換弁20,21は、第1、第2通路6,7の途中にそれぞれ設けられて、第1トロコイドポンプ23の各吐出ポートから選択的に吐出された油圧を第1、第2油圧室15a、15b方向のみに流入を許容する第1、第2チェック弁20a、20bと、第3,第4通路9,10の各他端部と前記第1、第2チェック弁20a、20bの前後とにそれぞれ接続された各分岐路27a、27b、28a、28bに設けられた第1、第2差圧弁29,30と、前記各分岐路27a〜28bの各差圧弁29,30と反対側に配置されて、第1トロコイドポンプ23から各油圧室15a、15b側への油圧の流入を阻止する逆止弁31a、31bが設けられている。
前記各差圧弁29,30は、前記各チェック弁20a、20bの前後に発生する差圧によって各分岐路27a〜28bを介して開閉作動して第3、第4通路9,10を開閉する弁体29a、30aと、該弁体29a、30aを開方向、つまり、第3、第4通路9,10と第1、第2通路6,7とを連通させる方向へ付勢するばね部材29b、30bとから構成されている。
前記フェールセーフ弁13は、2ポート2位置型の電磁弁によって構成され、前記コントロールユニット14から出力された指令信号(電流)と内蔵されたコイルスプリング13aのばね力とによって連通路12を開閉作動するようになっている。
そして、コントロールユニット14から電流が供給された閉作動時には、連通路12を遮断する一方、ステアリング系に異常がある場合などに、電流の供給が停止されてコイルスプリング13aのばね力によって開作動する。これにより、ステアリングホイール1の操舵方向に応じてリザーバタンク18内の作動油を連通路12から各油圧室15a、15bに選択的に供給して、いわゆるマニュアルステアリングを確保するようになっている。
前記コントロールユニット14は、前記操舵軸2の操舵トルクを検出する操舵状態検出手段であるトルクセンサ32や、車速信号を検出する車速センサ33及び及びエンジン回転数を検出するクランク角センサ34などからの各種情報信号に基づいて通常運転時には第1電動モータ24の駆動を制御し、これによって運転者のステアリング操舵力をアシストするようになっている。また、前記トルクセンサ32の他に、同じく操舵状態をトルクセンサ32の代替信号として検出するトルクスイッチ35からの検出信号を入力するようになっている。
また、コントロールユニット14は、第1油圧供給機構8や第2油圧供給機構11及びトルクセンサ32などの機器類の故障を検出する故障検出回路を有し、この故障検出回路からの検出信号によって後述するようなアシスト制御処理を行うようになっている。
以下、前記コントロールユニット14による前記第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11を駆動制御する基本的な電気回路を図2に基づいて簡単に説明する。
すなわち、コントロールユニット14は、コンピュータ部と、操舵トルク信号部と、電動モータ駆動部と、電動モータ・ポンプ部とから構成されている。
前記コンピュータ部は、メインコンピュータ36及びサブコンピュータ37からなり、この両者36,37がラインによって結ばれて必要な情報を入出力するようになっている。
前記操舵トルク信号部は、前記トルクセンサ32と、このトルクセンサ32の操舵トルク信号と類似した代替の操舵トルク信号を出力するトルクスイッチ35とから構成され、トルクセンサ32は、冗長出力としてメイントルク信号とサブトルク信号を出力し、それぞれメイン信号ラインMLとサブ信号ラインSLによって前記メインコンピュータ36とサブコンピュータ37に出力する。
また、トルクスイッチ35からは、代替操舵トルク信号がSWラインによって前記両コンピュータ36,37に出力するようになっている。したがって、操舵トルク信号部は、メイン、サブのトルク信号と、代替信号の3重系によって構成されている。
前記トルク信号入力部では、メイン信号ラインMLの信号は、そのままの倍率で両コンピュータ36、37に入力されると共に、アンプ38を介して所定の倍率でメインコンピュータ36に入力される。また、前記サブ信号ラインSLの信号は、そのままの倍率でサブコンピュータ37に入力され、また、SWラインの信号は、そのままの倍率で両コンピュータ36,37に入力される。
前記電動モータ駆動部は、第1電動モータ駆動回路39と第2電動モータ駆動回路40の2系統が独立して構成され、それぞれメインコンピュータ36から指令信号を受けるようになっている。
前記電動モータ・ポンプ部は、第1電動モータ駆動回路39と第1電動モータ24がハーネスで接続され、第1トロコイドポンプ23を駆動するための動力源となっていると共に、第2電動モータ駆動回路40と第2電動モータ26がハーネスで接続され、第2トロコイドポンプ25を駆動するための動力源となっている。
そして、前記両コンピュータ36,37は、トルクセンサ32とトルクスイッチ35から出力された操舵トルク検出信号(トルク値)に基づいて操舵アシストに必要な電流値を演算処理する。
前記メインコンピュータ36は、前記演算した電流値を指令電流値として第1電動モータ駆動回路39に出力して、ここから第1電動モータ24に駆動指令信号を出力して第1トロコイドポンプ23を回転駆動させるようになっている。
そして、通常時は、前記メインコンピュータ36が、前記トルクセンサ32からの操舵トルク信号をアンプ38を通過させないラインから入力して演算処理を行い、前述のような第1電動モータ24の制御を行う。
一方、サブコンピュータ37は、前記演算した電流値を指令電流値として第2電動モータ駆動回路40に出力して、ここから第2電動モータ26に駆動指令信号を出力し、第2トロコイドポンプ25を回転駆動させるようになっている。
このサブコンピュータ37は、基本的に前記メインコンピュータ36や第1電動モータ駆動回路39などが故障した場合に初めて代替として作動され、第2電動モータ26を介してサブアシスト力を付与するものである。
以下、パワーステアリング装置の第1油圧供給機構8が正常に作動している場合と、故障した場合のメカニカルな作用について簡単に説明する。
すなわち、まず第1油圧供給機構8が正常に作動している場合は、車両の所定速度走行中にステアリングホイール1を旋回操作すると、トルクセンサ32や車速センサ33、クランク角センサ34及びトルクスイッチ35からの前記各情報信号に基づいてメインコンピュータ36及び第1電動モータ駆動回路39からの制御電流により第1電動モータ24が正逆回転駆動して第1トロコイドポンプ23を正逆回転させ、いずれかの吐出ポートから第1あるいは第2通路6、7に油圧を吐出する。
ここで、第1、第2流路切換弁20,21では、第1、第2チェック弁20a、20bが油圧によってそれぞれ選択的に開成されると共に、該各チェック20a、20bの上流側が下流側よりも油圧が高くなっていることから、この差圧によって各差圧弁29,30の弁体29a、30aが閉塞される。これにより、第1、第2通路6,7の油圧が、第1あるいは第2油圧室15a、15bに速やかに供給されて、ピストン17を介してピストンロッド16を左右いずれか一方に進出させて、ラック・ピニオン機構4の操舵をアシストする。
この時点における第2油圧供給機構11は、作動が停止されて待機状態になっている。
一方、何等かの原因で、例えば前記第1油圧供給機構8の第1電動モータ24などが故障した場合は、コントロールユニット14が第1電動モータ24への駆動電流を停止させると同時に、第2電動モータ26及び第2トロコイドポンプ25を正逆回転させて、いずれかの吐出ポートから第3、第4通路9,10に油圧を選択的に吐出する。
この時点では、第1、第2通路6,7の上流側、つまり、各分岐路27a、27b、28a、28bの上流側の圧力が低く下流側が高くなることから、各差圧弁29,30は、弁体29a、30aがばね部材29b、30bのばね力によって開弁されて第3,第4通路9,10と第1、第2通路6,7の下流側を連通させる。これによって、前記第2トロコイドポンプ25から選択的に吐出された油圧が第1,第2油圧室15a、15bに選択的に供給されて、操舵アシスト力として作用する。
なお、前記第3、第4通路9,10から差圧弁29,30を介して各分岐路27b、28bに流入した油圧の一部は、逆止弁31a、31bを押し開けて第1油圧供給機構8側へ流入してまうが、第1トロコイドポンプ23が停止状態であるため、油圧が第1トロコイドポンプ23を越えて反対側へリークすることはないから、第2油圧供給機構11による操舵アシスト力に大きな影響は与えない。
また、前記第1、第2油圧供給機構8,11がどちらも故障してしまった場合は、コントロールユニット14からの駆動電流が停止されて、フェールセルフバルブ13が、コイルスプリング13aのばね力によってリザーバタンク18と連通路12とを連通させて、各油圧室15a、15bにリザーバタンク18から油圧が選択的に供給されて、マニュアルステアを確保するようになっている。
[基本制御ルーチン]
以下、各機器類が故障した場合などを含む前記コントロールユニット14の故障検出回路による故障検出及びその具体的な対処処理制御について図3〜図11のフローチャートに基づいて説明する。
図3では故障検出回路による各機器類の故障の検出判断の全体的な流れについてのフローチャートを示している。なお、この全体の制御ルーチンは、約1msec毎に繰り返し行われる。
まず、ステップ1では、前記エンジン回転数信号や車速信号、トルクセンサ信号などの各センサ類からそれぞれの情報信号を読み込む。
ステップ2では、装置のブレインである前記メインコンピュータ36とサブコンピュータ37の故障判断の処理を行い、ステップ3において両コンピュータ36,37が故障しているか否かを判断する。ここで、異常であると判断した場合は、後述する第1ステージS1に移行するが、正常である判断した場合は、ステップ4に進む。
このステップ4では、各機器類が故障した際に、最終的な安全を確保する必要から前記フェールセルフバルブ13の故障判断処理を予め行い、ステップ5においてこのフェールセルフバルブ13が故障しているか否かを判断する。ここで、異常であると判断した場合は、第2ステージS2に移行するが、正常であると判断した場合は、ステップ6に進む。
このステップ6では、まずバックアップ用としての機能を発揮する前記トルクスイッチ35の故障判断処理を行い、ステップ7においてこのトルクスイッチ35が故障か否かを判断する。ここで、異常であると判断した場合は、第3ステージS3に移行するが、正常であると判断した場合は、ステップ8に進む。
このステップ8では、通常使用の前記トルクセンサ32の故障判断処理を行い、ステップ9においてこのトルクセンサ32が故障しているか否かを判断する。ここで、異常であると判断した場合は第4ステージS4に移行するが、正常であればステップ10に進む。
このステップ10では、今度は前記第1電動モータ駆動回路39の故障判断処理を行い、ステップ11において該第1電動モータ駆動回路39が故障しているか否かを判断し、故障していると判断した場合は、第5ステージS5に移行するが、正常であると判断した場合は、ステップ12に進む。
このステップ12では、第2電動モータ駆動回路40の故障判断処理を行い、ステップ13において第2電動モータ駆動回路40が故障しているか否かを判断する。ここで、故障していると判断した場合は、第6ステージS6に移行するが、正常であると判断した場合はステップ14に進む。
このステップ14では、第1電動モータ24の故障判断処理を行い、ステップ15において第1電動モータ24が故障しているか否かを判断し、ここで、故障していると判断した場合は、前記第5ステージS5に移行するが、正常であると判断した場合はステップ16に進む。
このステップ16では、今度は第2電動モータ26の故障判断処理を行い、ステップ17において第2電動モータ26が故障しているか否かを判断する。ここで、故障していると判断した場合は、前記第6ステージS6に移行するが、正常である場合は、ステップ18に進む。
ステップ18では、第1トロコイドポンプ23の故障判断処理を行い、ステップ19において第1トロコイドポンプ23が故障しているか否かを判断する。ここで、故障していると判断した場合は、前記第5ステージS5に移行するが、正常であればステップ20に進む。
ステップ20では、第2トロコイドポンプ25の故障判断処理を行い、ステップ21において第2トロコイドポンプ25が故障しているか否かを判断する。ここで、故障していると判断した場合は、前記第6ステージS6に移行するが、正常であれば、この本制御を終了する。
以下、前記第1ステージS1〜第6ステージS6の具体的な制御処理について説明する。
[第1ステージS1]
まず、前述したように、各コンピュータ36,37が故障して第1ステージS1に移行した場合、この第1ステージでは、図4に示すように、ステップ01において各コンピュータ36,37の故障状態を運転者に知らせるために、インスツルパネルに有するワーニングランプ(W/L)を点灯させる。
次に、各コンピュータ36,37が故障している以上、各トロコイドポンプ23,24などの正常な作動を行えないので、ステップ02で、これらアシスト装置のシステム遮断処理を行う。具体的には、前記各コンピュータ36,37への通電を遮断する処理を行う。
一方、同時にステップ03においてフェールセルフバルブ13の電磁弁への通電を遮断し、弁体をコイルスプリング13aのばね力によって開弁する。
これによって、油圧パワーシリンダ5の第1、第2油圧室15a、15bが連通路12を介してリザーバタンク18と連通状態になり、前述のようなマニュアルステアを確保できる。
[第2ステージS2]
次に、図1に示す前記ステップ5において、フェールセルフバルブ13が異常であると判断して、第2ステージS2に移行する。ここでは図5に示すように、まず、ステップ31においてフェールセルフバルブ13の開き側で異常が発生しているか否かを判断し、YES、つまり異常であると判断した場合は、第1ステージS1に戻るが、NOであれば、ステップ32に移行する。
ここで、フェールセルフバルブ13が閉側で故障と判断した場合、つまり、リザーバタンク18との連通が遮断されていると判断した場合は、ステップ33においてこの故障状態を運転者に知らせるべくワーニングランプを点灯する。
次に、ステップ34では、タイマーにより所定時間Td(約5秒間)が経過しているか否かを判断し、経過していない場合は、ステップ35に移行する。ここでは、フェールセルフバルブ13が遮断されている状態であるから、前記所定時間Tdに1を加算する処理を行い、ステップ36において前記第1油圧供給機構8による通常の操舵アシスト制御の継続処理を行う。
次に、ステップ37〜49において、前記図3に示すフローチャートのステップ8〜20と同じ制御処理を行い、それぞれ故障と判断した場合は第1ステージS1にリターンする。
そして、前記ステップ34において所定時間Tbを経過していると判断した場合は、ステップ50に移行する。ここでは、タイマーによって漸減時間TJが所定時間(値)を経過しているか否かを判断し、経過している場合には、ステップ51に進み、ここで漸減時間TJを0にセットすると共に、ステップ52で所定時間Tdを0にセットして前記第1ステージS1に移行する。つまり、それぞれのカウンターを零にセットしてイニシャライズする。
また、前記ステップ50において漸減時間TJが所定時間を経過していない場合は、ステップ53において漸減時間TJに1を加算し、ステップ54で第1、第2電動モータ24、26に対するアシスト電流値を最大電流値から漸次低下させて最終的にアシスト電流値を零にする制御を行う。その後、前記第1ステージS1に移行する。
[第3ステージS3]
また、前記ステップ7においてバックアップ用のトルクスイッチ35が故障と判断した場合は、第3ステージS3に移行するが、この第3ステージS3は、図6に示すように、ステップ61で第1油圧供給機構8によるアシスト制御を継続する処理を行い、ステップ62においてトルクスイッチ35が異常であることを運転者に知らせるためにワーニングランプを点灯する。
次に、今度はステップ63で、トルクセンサ32の故障判断処理を行い、ステップ64にてトルクセンサ32が異常か否かを判断する。ここで、異常であると判断した場合は、前記第1ステージS1に移行し、正常であると判断した場合は、ステップ65〜76に順次移行するが、このステップ65〜76は前記ステップ10〜21と同様な検出処理を行うので、具体的な説明は省略する。
[第4ステージS4]
さらに、前記ステップ8においてトルクセンサ32が異常と判断された場合に移行する第4ステージS4は、図7に示すように、ステップ81においてトルクスイッチ35への切り換え処理が行われ、ステップ82でトルクセンサ32の故障状態を知らせるワーニングランプを点灯する。
次に、ステップ83では、第1電動モータ駆動回路39の故障判断処理を行い、ステップ84にて異常か否か判断し、異常でない場合はステップ85において第1電動モータ24の故障判断処理を行い、ステップ86で異常か否かを判断する。
ここでも異常ではないと判断した場合はステップ87に移行し、ここでは第1トロコイドポンプ23の故障判断処理を行い、ステップ88で該第1トロコイドポンプ23が異常か否かを判断する。 ここで、異常ではないと判断した場合には、ステップ89において漸減時間TJが所定時間を経過したか否かを判断する。漸減時間TJを経過していない場合は、ステップ90で漸減時間TJに1を加算してステップ91で第1電動モータ24に対するアシスト電流値を最大電流値から漸次低下させて零にする。
続いて、ステップ92のマップで示すように、所定時間Tdを所定値に設定して終わる。
また、前記ステップ89において漸減時間TJが所定時間を経過したと判断した場合は、ステップ93において漸減時間TJを0にセットし、前記第1ステージS1に移行し、フェールセーフバルブ13を開制御して、マニュアルステアを確保する。
そして、前記ステップ84と、ステップ86及びステップ88においてそれぞれ第1電動モータ駆動回路39、第1電動モータ24及び第1トロコイドポンプ23のいずれかが異常であると判断した場合は、ステップ94において第2電動モータ駆動回路40へ切り換える処理をする。
次にステップ95では、第2電動モータ駆動回路40の故障判断処理を行い、ステップ96で異常か否かを判断する。ここで異常ではないと判断された場合は、ステップ97に移行して、今度は第2電動モータ26の故障判断処理を行い、ステップ98において異常であるか否かを判断する。
ここで異常ではないと判断された場合は、ステップ99において第2トロコイドポンプ25の故障判断処理を行い、ステップ100で異常か否かを判断し、異常でない場合は、前記ステップ89へ移行して前述のルーチンを繰り返し行う。
また、前記ステップ96,98,100においてそれぞれ異常であると判断された場合は、そのまま前記第1ステージS1に移行してフェールセルフバルブ13の開制御を行い、マニュアルステアを確保する。
[第4ステージの変形例]
図8は第4ステージS4の変形例を示し、図7に示すフローチャートと異なる点を説明すれば、前記ステップ84と、ステップ86及びステップ88においてそれぞれ第1電動モータ駆動回路39、第1電動モータ24及び第1トロコイドポンプ23のいずれかが異常であると判断した場合には、第2電動モータ駆動回路40への切り換える処理などを行わずに、ステップ89において漸減時間TJが所定値を経過したと判断した場合と同じく、ステップ93において漸減時間TJを0にセットし、前記第1ステージS1に移行し、フェールセルフバルブ13を開制御してマニュアルステアを確保するようになっている。
[第5ステージS5]
次に、前記ステップ11において第1電動モータ24が異常であると判断された場合には第5ステージS5に移行するが、この第5ステージS5は、図9に示すように、ステップ101で第1電動モータ24の異常を知らせるワーニングランプを点灯する。
次に、ステップ102では、第2電動モータ駆動回路40への切り換え制御を行い、ステップ103ではタイマーによって所定時間Tdが所定値(しきい値である例えば5秒)を経過したか否かを判断する。
ここで、いまだしきい値を経過していないと判断した場合は、ステップ104において所定時間Tdに1を加算して、ステップ105に移行する。
ここでは、第2油圧供給機構11によるアシスト制御を継続する処理を行い、ステップ106において第2電動モータ駆動回路40に制御を切り換え制御を行うが、ステップ107において、この第2電動モータ駆動回路40の故障判断処理を行う。このステップ107以下では、前記ステップ12〜21と同じルーチンで異常チェックを行う。
つまり、ステップ108では、第2電動モータ駆動回路40が異常か否かを判断し、異常でなければ、ステップ109において第2電動モータ26の故障判断処理を行い、ステップ110で第2電動モータ26が異常か否かを判断する。異常でなければステップ111に進み、ここでは第2トロコイドポンプ25の故障判断処理を行い、ステップ112でこれが異常か否かを判断し異常でなければ終了する。
また、前記ステップ108、110、112においてそれぞれ異常であると判断した場合は、第1ステージS1に移行して、フェールセルフバルブ13を開制御して、マニュアルステアを確保するようになっている。
さらに、前記ステップ103において所定時間Tdがしきい値を経過しているか等しいと判断した場合は、ステップ113に移行する。このステップ113では、タイマーによって漸減時間TJが所定値を経過したか否かを判断し、経過していると判断した場合は、ステップ114に移行して漸減時間TJを0にセットして第1ステージS1に移行する。これによって、フェールセルフバルブ13の開制御によりマニュアルステアを確保する。
一方、前記ステップ113で所定値を経過していないと判断した場合は、ステップ115に進み、漸減時間TJに1を加算し、ステップ116のマップに示すように、第2電動モータ26に対するアシスト電流値を最大電流値から漸次低下させて最終的にアシスト電流値を零に制御する。その後、ステップ117に移行し、ここでは所定時間Tdを所定値にセットし、その後、前記ステップ107に移行する。
[第5ステージの変形例]
図10は第5ステージS1の変形例であって、図9に示すフローチャートと異なる点を説明すれば、前記ステップ106による第2電動モータ駆動回路40への切り換えはステップ102によって行われるのみであり、図9におけるステップ106に対応するステップが省略されている。
また、前記ステップ103において所定時間Tdが所定値と経過しているか等しいと判断した場合に、漸減時間TJ制御を行わずにそのまま前記第1ステージS1に移行し、フェールセルフバルブ13を開制御してマニュアルステアを確保するようになっている。
[第6ステージS6]
次に、前記第6ステージS1は、第2油圧供給機構11の各機器類が異常であると判断された場合であって、図11に示すように、まずステップ121で一応アシスト制御を継続するように処理し、ステップ122において第2油圧供給機構11の異常を知らせるワーニングランプを点灯する処理を行う。
続いて、ステップ123では、第1電動モータ24の故障判断処理を行い、ステップ124で該モータ24が異常か否かを判断する。ここで異常ではないと判断した場合は、ステップ125に進む。
ここでは第2電動モータ26の故障判断処理を行い、ステップ126において該モータ26が異常か否かを判断する。
ここで異常ではないと判断した場合は、ステップ127において今度は第1トロコイドポンプ23の故障判断処理を行い、ステップ128で、その異常か否かの判断を行う。
ここで、異常でないと判断した場合は、ステップ129において第2トロコイドポンプ25の故障判断処理を行い、ステップ130においてこれが異常か否かを判断し、異常でなければこの制御を終了する。
また、前記ステップ124と、ステップ126と、ステップ130において第1、第2電動モータ24、26や第1、第2トロコイドポンプ23,25が異常であると判断された場合は、第1ステージS1に移行する。これによって、フェールセルフバルブ13の開制御により、マニュアルステアを確保する。
[故障検出方法]
以下、前記故障検出回路によってトルクセンサ32などの各機器類の故障検出方法について説明する。
まず、トルクセンサ32系の故障検出方法としては、メインコンピュータ36側において、1倍の操舵トルク信号とアンプ38を介して所定倍率の操舵トルク信号との2系統の信号を取り込み、AD変換後に、この2つの信号間の倍率を同倍率になるように補正を加えて比較することで、メインコンピュータ36のAD変換器の故障と、アンプ38の増幅率の異常を検出することができる。
この時の後処理としては、前記異常が検出されると、トルクスイッチラインSWの信号を用いて、第1電動モータ駆動回路39または第2電動モータ駆動回路40を駆動させて、ワーニングランプを点灯させつつバックアップ制御を一時的に行うことができる。
前記トルクセンサ32の信号は、メイントルク信号とサブトルク信号の2系統がサブコンピュータ37に取り込まれ、これらの異常が冗長比較される。そして、その差異が生じ、異常を検出すると、サブコンピュータ37からメイン−サブ通信を介してメインコンピュータ36に伝達され、メインコンピュータ36はトルクスイッチラインSWの信号を用いて、第1電動モータ駆動回路39または第2電動モータ駆動回路40を駆動させて、ワーニングランプを点灯させつつバックアップ制御を一時的に行うことができる。
また、トルクスイッチ35の信号も常時メイントルク信号またはサブトルク信号と比較し、その異常をも監視している。
前記メインコンピュータ36は、サブコンピュータ37との間もサブコンピュータ37によってP−RUN、例題演算などによってその機能が監視されている。
また、第1、第2電動モータ駆動回路39、40や第1、第2電動モータ24、26及び第1、第2トロコイドポンプ23、25の異常はメイン、サブコンピュータ36、37によってそれぞれ監視されている。
すなわち、例えば前記第1、第2電動モータ24,26の電流検出による故障検出方法としては、図12に示すように、ステップ131において現在電流が通電されているか否かを判断し、通電されていないと判断した場合は、ステップ132に移行する。
このステップ132では、絶対検出電流値が所定微小値よりも小さいか(等しいか)否かを判断し、ここで所定微小値よりも大きい(NO)と判断した場合は、ステップ133においてショートモード(故障)であると処理してそのまま前記第1ステージS1に移行する。
また、ステップ132で所定微小値よりも小さい(YES)と判断した場合は、ステップ134に移行し、ここで電流が正常にOFFされているとして終了する。
一方、前記ステップ131において電流通電中であると判断した場合には、ステップ135において絶対検出電流値が所定の低電流値Loよりも小さいか(等しいか)否かを判断する。
ここで、大きい(NO)と判断した場合には、ステップ136に移行する。ここでは、今度は絶対検出電流値が所定の高電流値Hiよりも大きいか否かを判断し、小さい(NO)と判断した場合は、ステップ137で電流が正常にONされていると処理して終了するが、大きい(YES)と判断した場合は、ステップ138でショートモード(故障)であると処理して、前記第1ステージS1に移行する。
また、前記ステップ135において絶対検出電流値が所定の低電流値Loよりも小さいと判断した場合は、ステップ139において断線(故障)しているとして処理し、そのまま前記第5ステージS5に移行する。
次に、トルクセンサ32と電流センサによる第1、第2トロコイドポンプ23,25の故障検出方法について説明する。
図13に示すように、ステップ141で電流指令値が所定値(しきい値)以上か否かを判断し、しきい値以上ではないと判断したら第1、第2トロコイドポンプ23,25が固着などによるロック状態(以下、ポンプロックと称す。)でなく、正常であるからそのまま終了するが、所定値以上であると判断した場合は、ステップ142に進む。
このステップ142では、操舵トルク信号がしきい値以上か否かを判断する。ここで、しきい値以上であると判断した場合は、異常であるからステップ143で異常検出フラグを1にセットし、さらにステップ144に進み、ここでは異常状態がタイマーによって所定時間Tf以上になったか否かを判断する。所定時間Tf以上になっていない場合はステップ145にて現在の時間Tに1を加算して、これを所定時間Tfにセットして終了する。
しかし、異常状態が所定時間Tf以上になっていると判断した場合は、ポンプロックしている可能性があるので、ステップ146においてポンプロックモードの異常確定処理をする。
続いて、ステップ147で所定時間Tfを0にセットすると共に、ステップ148において異常検出フラグを0にセットして、そのまま前記第5ステージS5に移行する。
前記ステップ142で操舵トルク信号が所定値以上ではないと判断した場合は、ステップ149において異常検出フラグを0にセットすると共に、ステップ150で所定時間Tfを0にセットしてイニシャライズして終わる。
また、第1、第2電動モータ24,26の回転数による各ポンプの故障状態を検出する方法としては、図14に示すように、まず、ステップ151においてモータ回転数が所定値未満か否かを判断し、NO、つまり所定値以上であれば正常であるからそのまま終了するが、所定値未満であると判断した場合は、ステップ152で、今度はトルクセンサ32から出力された操舵トルク信号が所定値以上か否かを判断する。
ここで、所定値以上である場合はステップ153において異常検出フラグを1にセットし、ステップ154でこの異常状態が所定時間Tfになっているか否かを判断する。
所定時間Tf以上ではないと判断した場合は、ステップ155において現在の時間Tに1を加算した所定時間Tfに設定して終了するが、所定時間Tf以上であると判断した場合は、異常であることが確定的であるから、ステップ156においてポンプロックモードの異常確定処理を行うと共に、ステップ157において所定時間Tfを0にセットする。
続いて、ステップ158で異常検出フラグを0に設定してそのまま、前記第5ステージS5に移行する。
また、前記ステップ152において操舵トルク信号が所定以上ではないと判断した場合は、異常ではないからステップ159で異常検出フラグを0にセットすると共に、ステップ160で所定時間Tfを0に設定して終了する。
以上のように、この第1実施形態によれば、第1油圧供給機構8が故障によって作動不良になった場合には、第2油圧供給機構11への切り換えによって積極的に操舵アシスト力が付与されることから、運転者によるステアリングホイール1の操作力を小さなものとすることができる。
しかも、第2油圧供給機構11は、電動ではなく、第1油圧供給機構8と同じく第1、第2通路6,7及び油圧パワーシリンダ5に供給される作動油を圧力伝達媒体としていることから、比較的小さな吐出能力のポンプであっても、十分なアシスト力を得ることが可能になる。
さらに、この実施形態では、コントロールユニット14の故障検出回路によって第1油圧供給機構8の故障を検出することができるので、第2油圧供給機構11への切り換え制御も円滑に行うことが可能になる。
また、前記第2油圧供給機構11のポンプ容量、つまり第2電動モータ26と第2トロコイドポンプ25の容量が、第1油圧供給機構8の第1電動モータ24と第1トロコイドポンプ23の容量よりも小さく設定されていることから、装置全体の小型化が図れると共に、コストの高騰を抑制できる。
また、第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11が、油圧パワーシリンダ5に対して並列に設けられていることから、第1,第2トロコイドポンプ23,25及び第1,第2電動モータ24,26の容量を小さくすることができる。よって、第1,第2電動モータ24,26のイナーシャが小さくなる。
さらに、第1通路6と第3通路9及び第2通路7と第4通路10が、油圧パワーシリンダ5の上流側で合流し、かつ、それぞれの油路長と油路径を第1,第2トロコイドポンプ23,25の脈動を低減するように設定したため、油圧パワーシリンダ5の両油圧室15a、15bへ供給される油圧の脈動を低減できる。
[第2の実施形態]
図15は本発明の第2実施形態を示し、第1実施形態と異なるところは、前記第2油圧供給機構11の第2電動モータ26と第2トロコイドポンプ25の容量を第1油圧供給機構8のものと同じ大きさに設定したものである。また、この実施形態における第2油圧供給機構11は、第1油圧供給機構8の故障時ばかりではなく、第1油圧供給機構8と一緒に常時作動するようになっている。この第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11は、両者の最大吐出能力の和が第1の実施形態における第1油圧供給機構とほぼ等しく設定されているため、それぞれの吐出能力は第1の実施形態における第2油圧供給機構11よりも大きく、第1油圧供給機構8の故障時におけるバックアップ機構として十分なアシスト力を得ることができる。
また、第1の実施形態で説明した各機器類の故障時における制御方法については、本実施形態にもそのまま適用されるが、第5ステージS1については若干の変更がある。
すなわち、前記第1油圧供給機構8の第1電動モータ駆動回路39が故障して、第5ステージS1に移行した場合の制御としては、図16に示すように、まず、ステップ161において第1電動モータ駆動回路39の故障を知らせるために、ワーニングランプを点灯する。
続いて、ステップ162では、第2電動モータ駆動回路40に制御を切り換える処理を行い、さらにステップ163でこの第2電動モータ駆動回路40の故障判断処理を行い、ステップ164において異常か否かを判断する。
ここで異常でないと判断した場合は、今度はステップ165で第2電動モータ26の故障判断処理を行い、ステップ166において、この第2電動モータ26が異常か否かを判断する。
ここで異常でないと判断した場合は、ステップ167で第2トロコイドポンプ25の故障判断処理を行い、ステップ168で異常か否かの判断をし、異常でなければそのまま終了する。
また、前記ステップ164と166及び168において第2電動モータ駆動回路40や第2電動モータ26及び第2トロコイドポンプ25が異常であると判断された場合は、前記第1ステージS1に移行してマニュアルステアを確保するようになっている。
[第3の実施形態]
図17は第3の実施形態を示し、第1実施形態の連通路12やフェールセルフバルブ13を廃止したものである。
これによって、第1,第2油圧供給機構8,11の両方が故障時には、フェールセルフバルブが機能せず、運転者のステアリングホイール1の操作負荷が大きくなるが、コストが大幅に低減できる。
なお、各機器類の故障検出方法については第1の実施形態と同様であるが、本実施形態ではフェールセルフバルブなどが廃止されていることから第1ステージS1を除く他の故障検出方法が適用される。
[第4の実施形態]
図18は第4の実施形態を示し、前記第3の実施形態の同じく連通路12とフェールセルフバルブ13を廃止したものである。したがって、この場合もコストの低減化が図れる。本実施形態においては、第2の実施形態と同様に第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11で同じ大きさのものを用いているため、一方に異常が発生した場合のバックアップ能力が優れている。
なお、各機器類の故障検出方法については本実施形態においても第2の実施形態と同様であるが、本実施形態ではフェールセルフバルブなどが廃止されていることから第1ステージS1を除く他の故障検出方法が適用される。
[第5の実施形態]
図19は第5の実施形態を示し、構造的にはほぼ同一容量の第1、第2油圧供給機構8,11を備えた点で第4の実施形態に類似するものであるが、本実施形態は第1、第2流路切換弁が廃止されて第3,第4通路9,10の一端部が直接第1,第2通路6,7に接続されている点で相違する。
したがって、例えば第1油圧供給機構8が故障して停止した場合に、第2油圧供給機構11がそのまま継続作動して各油圧室15a、15bに油圧を選択的に供給して操舵アシスト力を付与するが、第2トロコイドポンプ25から吐出された油圧の一部は、第1,第2通路6,7を介して第1油圧供給機構8の方向へ流入してしまう。
このため、第2油圧供給機構11によるアシスト力は若干低下するが、第1油圧供給機構8内では作動油の流動抵抗が発生するから、一時的なアシスト力としては十分である。第2油圧供給機構11が故障した場合でも同様である。
また、全体の構造が簡素化されることから、製造コスト及び組付コストの大幅な低減化が図れる。
なお、本実施形態では、第1,第2油圧供給機構8,11は、両方が常時継続して作動していることから、いずれかが故障した場合でも正常な他方の油圧供給機構がそのまま自動的にアシスト機能を発揮する。
[第6の実施形態]
図20は第6の実施形態を示し、第1油圧供給機構8の構造は第5の実施形態などと同じであるが、第2油圧供給機構11側のの構造が異なっている。
すなわち、第3、第4通路9,10の間に、4ポート2位置型の電磁切換弁40が設けられていると共に、この電磁切換弁40の下流側に第1油圧供給機構8よりもポンプ容量の小さな第2油圧供給機構11が設けられており、この第2油圧供給機構11は、可逆式ではなく、一方向型の小型の第2トロコイドポンプ25と小型の第2電動モータ26とから構成されている。
前記電磁切換弁40は、第3通路9と第4通路10をそれぞれ封止するノーマルフェーズ40aと、第2トロコイドポンプ25の吐出側と第3通路9とを連通させると共に、リザーバタンク18に連通したドレン通路41と第4通路10とを連通させる第1切換フェーズ40bと、第2トロコイドポンプ25の吐出側と第4通路10とを連通させると共に、ドレン通路41と第3通路9とを連通させる第2切換フェーズ40cとを備え、これらを前記コントロールユニット14からの制御電流及び内蔵されたばね部材43a、43bによって選択的に切り換えるようになっている。
また、前記第2トロコイドポンプ25は、リザーバタンク18に連通した吸入通路42に設けられている。
さらに、前記第3、第4通路9,10の一端部は第1,第2通路6,7に直接接続されている。
なお、前記第2油圧供給機構11は、通常時は作動せずに、第1油圧供給機構8が故障した場合に、コントロールユニット14によって作動するようになっている。
したがって、この実施形態によれば、第1油圧供給機構8が何等かの原因で故障して停止した場合には、ステアリングホイール1の旋回操作に伴ってコントロールユニット14から出力された制御電流によって電磁切換弁40が適宜切換作動して、第2トロコイドポンプ25から吐出された油圧を第3通路9かあるいは第4通路10に供給する。これによって、各油圧室15a、15bには高油圧が選択的に供給されて、操舵アシスト力を付与することができる。
特に、電磁切換弁40によって流路を切り換えるようにしたため、第2油圧供給機構11からの油圧供給制御の精度が高くなる。
[第7の実施形態]
図21は第7の実施形態を示し、基本構造は前記第6の実施形態と同様であるが、異なるところは、第2油圧供給機構11の第2トロコイドポンプ25と第2電動モータ26の容量を第1油圧供給機構8のものと同じく大きなものに設定したものである。
したがって、第6の実施形態と同様な作用効果が得られると共に、ポンプ容量の増加によってより大きな操舵アシスト力が得られる。
[第8の実施形態]
図22は第8の実施形態を示し、第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11とを直列的に配置したものである。
すなわち、第1通路6と第2通路7を連通する中継通路44の両側に第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11が直列的に配置されていると共に、前記中継通路44と第1、第2通路6,7を連通する連通路12とを結ぶ分岐通路45が設けられている。
前記第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11は、構造的には前記第2の実施形態のものと同じであって、それぞれ比較的大容量の可逆式の第1,第2トロコイドポンプ23,25と、該各ポンプ23,25を正逆回転駆動させる第1、第2電動モータ24、26とを備え、前記各ポンプ23,25の左右両側に、リザーバタンク18と連通する吸入弁19a、19b、22a、22bが設けられている。
また、各電動モータ24,26は、コントロールユニット14によって制御され、通常時には第1油圧供給機構8側の第1電動モータ24のみが作動し、該第1油圧供給機構8が故障して停止した場合に第2油圧供給機構11を作動させるようになっている。
また、前記連通路12には、前記分岐通路45の一端部を挟んだ左右位置に分岐通路45から連通路12に流入した油圧を該連通路12の一端側通路部12aあるいは他端側通路部12bを介して第1通路6あるいは第2通路7側に流路を切り換える第1、第2切換弁46,47が設けられている。
この第1、第2切換弁46,47は、2ポート2位置のソレノイド弁によって構成され、コントロールユニット14から出力された制御電流によって選択的に開閉作動されるようになっている。
したがって、通常時には、第2電動モータ26が停止されていると共に、第2切換弁47が閉止状態になっており、ステアリングホイール1の旋回操作に伴って第1油圧供給機構8が作動して、第1トロコイドポンプ23の一方の吐出ポートから吐出された高油圧は、そのまま第2通路7を通ってダイレクトに第2油圧室15bに流入するが、他方の吐出ポートから吐出された高油圧は、中継通路44から分岐通路45に流入して連通路12に流入し、ここから一端側通路部12aと開状態にある第1切換弁46を介して第1通路6から第1油圧室15aに流入して、操舵アシスト力を付与する。
また、第1油圧供給機構8が故障によって停止した場合には、コントロールユニット14が第2切換弁47を開作動させると共に、第1切換弁46を閉作動させる。したがって、ステアリングホイール1の旋回操作に伴い、第2油圧供給機構11が作動して一方の吐出ポートから吐出された高油圧がダイレクトに第1油圧室15aに供給されるが、他方の吐出ポートから吐出された高油圧は、中継通路44,分岐通路45、他端側通路部12b及び第2切換弁47を介して第2油圧室15bに供給され、これによって操舵アシスト力を付与することができる。
なお、通常時において、第1、第2油圧供給機構8,11の両方を同時に互いに同方向へ切換作動させることも可能であり、この場合、第1、第2切換弁46,47は閉状態に制御されている。
ここで、いずれか一方の油圧供給機構8,11が故障により停止した場合には、前述のように、いずれかの切換弁46,47を選択的に開閉させて正常な他方の油圧供給機構8,11が作動するようにすることも可能である。
[第9の実施形態]
図23は第9の実施形態を示し、第1、第2油圧供給機構8,9を第1、第2通路6,7及び第3,第4通路9,10に並列に配置した点などの基本構成は、例えば第2の実施形態と同様であるが全体の油圧回路構成が相違していると共に、両油圧供給機構8,11を同時に作動させる制御も行っている。
すなわち、第1、第2油圧供給機構8,11間の第1、第2通路6,7の間に、ほぼ中央でリザーバタンク18に連通した吸入通路48が介装されていると共に、該吸入通路48のリザーバタンク18を挟んだ両側に、各油圧室15a、15bに対して減少した供給油圧を補填する吸入弁49,49が設けられている。
また、連通路12に設けられたフェールセルフバルブ50は、2ポート2位置型の電磁弁であって、コントロールユニット14からの指令信号によって電流が供給されると閉状態になり、電流の供給がない場合は開いた状態になるノーマルオープン型を用いている。これによって、パワーステアリング系に何等かの異常が発生して電流の供給が遮断されても連通路12が連通されて、各油圧室15a、15bが連通されて、マニュアルステアが確保されるようになっている。
また、前記第1トロコイドポンプ23の吐出ポートと第2通路7との間、及び第2トロコイドポンプ25の吐出ポートと第4通路10との間には、第1、第2電磁弁51,52が設けられている。この各電磁弁51,52は、コントロールユニット14からの指令信号により電流が供給されると閉じた状態になり、電流が遮断されると開いた状態になるノーマルオープン型を用いている。
さらに、第1、第2通路6,7を連通する第2連通路53には、リターンチェック弁54が設けられている。
このリターンチェック弁54は、第1通路6と第2通路7の差圧によって駆動するメカ弁であって、第1通路6側の油圧が第2通路7側の油圧よりも高圧になったとき、第1パイロット通路53aからのパイロット油圧を介して第2通路7とリザーバタンク18とを連通し、第2油圧室15bを大気解放する。一方、第2通路7側の油圧が第1通路6側の油圧よりも高圧になったとき、第2パイロット通路からのパイロット油圧を介して第1通路6とリザーバタンク18とを連通して、第1油圧室15aを大気解放する。つまり、非加圧側回路の油圧を速やかにリザーバタンク18へ排出することによって、加圧側回路の油圧上昇を促進して、操舵応答性を高めるようになっている。
また、前記各実施形態と同じく、第1、第3通路6,9及び第2、第4通路7,10は、第1、第2トロコイドポンプ23,25による脈動が互いに打ち消し合うような配管長、配管径に設定されている。
しかも、前記第1、第2トロコイドポンプ23,25を同時に作動するときの始動タイミングは、図26Aに示すように、第1トロコイドポンプ23の脈動波形(位相)と、第2トロコイドポンプ25の脈動波形(位相)とが180度ずれるように設定されている。このアクティブキャンセルにより、油圧パワーシリンダ5の脈圧波形は、図26Bのようになる。
前記コントロールユニット14は、前記各実施形態のものと同様に、第1、第2油圧供給機構8,11の一方が故障した場合にその一方の油圧供給機構を停止させると共に、他方の油圧供給機構の電動モータを作動させて操舵アシスト力を実施させる制御を行う。
以下、コントロールユニット14によるアシスト制御処理を図24のフローチャートによって説明する。
まず、ステップ171では、トルクセンサ32や車速センサ33、クランク角センサ34から現在の操舵トルク信号、車速信号、エンジン回転数信号を読み込んで、ステップ172に進み、ここでは、フェールセルフバルブ50を閉弁して、ステップ173に移行する。
ステップ173ではエンジン回転信号が零以外であるか否かを判断し、YES、つまり零以外である場合はステップ174に進み、NOである場合はステップ178に進む。
前記ステップ174では、操舵トルク信号に基づいて第1、第2電動モータ24,26を制御する。
ステップ175では、車速が予め設定されたしきい値A以上であるか否かを判断し、しきい値以上であると判断した場合は、ステップ176に進み、以下であると判断した場合はステップ173に戻る。
ステップ176においては、第2電磁弁52をON(閉弁)し、ステップ177に移行する。ここでは、第2電動モータ26を停止させ、本制御を終了する。
前記ステップ178では、フェールセルフバルブ50をOFF(開弁)し、ステップ179に移行する。このステップ179では、第1,第2電動モータ24,26を停止させ、本制御を終了する。
そして、ステップ175で前記車速がしきい値Aよりも小さい場合は、前記ステップ173と174、175が繰り返される。つまり、ステップ174において、操舵トルク信号に基づき所定のアシスト力が得られるように第1、第2電動モータ24,26が制御される。
さらに、車速がしきい値A以上になっている場合は、必要な操舵アシスト力の小さい高速走行時であるから、ステップ173と174、175、176、177が繰り返される。すなわち、ステップ176において第2電磁弁52が閉弁されて、ステップ177において、第2電動モータ26が停止される。
エンジンが停止した場合は、ステップ171と、172,173,178、179へと進む流れになる。すなわち、ステップ178においてフェールセルフバルブ50が開弁され、ステップ179で第1,第2電動モータ24,26が停止される。
次に、図25のフローチャートに基づいてフェールセーフ制御処理について説明する。なお、この制御はイグニッションスイッチがオンされた後に、所定間隔(例えば10msec)毎に繰り返し行われる。
まず、ステップ181では、操舵トルク信号及びモータ電流を読み込み、ステップ182に移行する。ここでは、モータ・ポンプ異常判断処理を行い、ステップ183へ移行する。
ステップ183では、第1油圧供給機構8が故障しているか否かを判断し、故障していると判断した場合は、ステップ184へ進む。ここでは、第1電磁弁51をON(閉弁)し、ステップ185に移行する。
ステップ185では、操舵トルク信号に応じて第2電動モータ26を制御して、ステップ186へ進む。ここでは、第1電動モータ24を停止させ、ステップ192に進む。
前記ステップ187では、第2油圧供給機構11が故障しているか否かを判断し、故障していると判断した場合は、ステップ188に移行し、故障していないと判断した場合は、ステップ191に移行し、図24に示した通常の操舵アシスト制御を行う。
前記ステップ188では、第2電磁弁52をON(閉弁)し、ステップ189へ進む。ここでは、操舵トルク信号に応じて第1電動モータ24を制御し、ステップ190へ移行する。
ステップ190では、第2電動モータ26を停止させ、ステップ192へ移行する。ここでは、エンジン回転信号を読み込み、ステップ193へ移行する。
ステップ193では、エンジン回転が零であるか否かを判断し、零の場合はステップ194に移行するが、零でないと判断した場合は、ステップ182へ戻る。
前記ステップ194では、フェールセルフバルブ50をOFF(開弁)し、ステップ195へ移行する。ここでは、第1、第2電動モータ24,26及び第1、第2電磁弁51,52をそれぞれOFFし、本制御を終了する。
そして、第1、第2油圧供給機構8,11が正常に作動している場合は、図25のフローチャートにおいて、ステップ181からステップ182,183、187、191へと進む流れとなる。すなわち、ステップ191において、通常の操舵アシスト制御が行われる。
また、第1油圧供給機構8が故障した場合は、図25のフローチャートにおいて、ステップ181からステップ182、183,184、185、186、192、193、194、195へと進む流れとなる。すなわち、ステップ184において、第1電磁弁51が閉弁され、ステップ185において操舵トルク信号に応じたアシスト力が得られるように、第2電動モータ26が制御され、ステップ186において第1電動モータ24が停止される。
次に、第2油圧供給機構11が故障した場合には、図25のフローチャートにおいて、ステップ181から182,183、187、188、189、190、192、193、194、195へと進む流れとなる。すなわち、ステップ188において第2電磁弁52が閉弁され、ステップ189において操舵トルク信号に応じたアシスト力が得られるように、第1電動モータ24が制御され、ステップ190において第2電動モータ26が停止される。
したがって、この実施形態によれば、第1油圧供給機構8または第2油圧供給機構11の一方が故障したとき、他方の電動モータに対して継続して駆動指令信号を出力するため、継続した操舵アシスト力を確保することができる。
また、高速走行時に、第2電動モータ26を停止し、第1油圧供給機構8のみを作動させて操舵アシストを行うため、必要操舵アシスト力が小さい場合には、ポンプを1つしか用いないことで、ポンプ脈動を小さくできると共に、使用電力を削減してバッテリー消費量を軽減できる。
さらに、各通路6,9、7,10を、前述のような特異な配管長と配管径に設定して、各トロコイドポンプ23,25脈動を低減できるようにしたので、両油圧室15a、15bへ供給される油圧の脈動を低減できる。
しかも、第1、第2トロコイドポンプ23,25の吐出タイミングを、図26A、Bに示したように、脈動を打ち消し合うように設定したため、ポンプ脈動をさらに低減できる。
さらに、第1、第2油圧供給機構8,11の各ポンプや電動モータを同一としたことから、脈動低減制御を容易に実施できる。
[第10の実施形態]
図27は第10の実施形態を示し、基本的に第9の実施形態の構成と同様であるが、異なるところはステアリングシャフト2とステアリングギア機構4が機械的に連結されていない点である。
すなわち、ステアリングギア機構4は、コントロールユニット14によって制御される図外の電動モータなどによって駆動され、ステアリングホイール1には、運転者のステアリング操舵角を検出する操舵角センサ55が設けられている。
また、ステアリングギア機構4には、転舵輪の転舵角を検出する転舵角センサ56が設けられており、前記操舵角センサ55と転舵角センサ56によって操舵状態検出手段が構成されている。
したがって、コントロールユニット14は、操舵角センサ55からの操舵角信号と、転舵角センサ56からの転舵角信号とに基づいて第1、第2電動モータ24,26に対して駆動指令信号を出力する。
よって、この実施形態によれば、ステアリングホイール1とステアリングギア機構4とが、機械的に連結されていないため、レイアウトの自由度が向上する。
[第11の実施形態]
図28は第11の実施形態を示し、第1通路6と第3通路9を、それぞれ第1油圧室15aに接続し、第2通路7と第4通路10を、それぞれ第2油圧室15bに接続して、第1、第2油圧供給機構8,11毎に別々の回路を設けた点に特徴がある。
したがって、この実施形態によれば、第1、第2油圧供給機構8,11をそれぞれ独立して油圧パワーシリンダ5に接続する構成とし、それぞれの回路を独立して設けたため、従来のモータポンプユニットを含むハウジングを流用することが可能になる。
[第12の実施形態]
図29は第12の実施形態を示し、前記第9の実施形態のものと基本構成はほぼ同一であるが、異なるところは、第2油圧供給機構11は、可逆式の第2トロコイドポンプ25のポンプ容量が第1油圧供給機構8の第1トロコイドポンプ23よりも小さく設定されている。
また、第1、第2切換弁が廃止されており、これに代えて、第3通路9と第4通路10の途中に逆止弁57a、57bが設けられている。この両逆止弁57a、57bは、第2トロコイドポンプ25のいずれか一方の吐出ポートから吐出された油圧を第1、第2通路6,7側へのみ流入を許容し、該第1,第2通路6,7側から第2トロコイドポンプ25方向への流入を阻止する機能を持っている。
さらに、前記各逆止弁57a、57bの内側に配設された一対の吸入通路には、リザーバタンク18の作動油を第2トロコイドポンプ25の吸入ポート側へ送り出して不足分を補償する吸入弁58a、58bがそれぞれ設けられている。
また、通常時は、コントロールユニット14の制御により、第1油圧供給機構8側のみが作動して第2油圧供給機構11は待機状態にあり、第1油圧供給機構8が故障して停止した場合に、前記制御作用によって第2油圧供給機構11が作動して操舵アシスト力を付与するようになっている。
したがって、この実施形態によれば、第9の実施形態と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、高価な電磁弁を廃止したことにより、コストの低減化が図れる。
[第13の実施形態]
図30は第13の実施形態を示し、基本構造は、第9の実施形態と同様であるが、異なるところは、第2油圧供給機構11が、第1油圧供給機構8に対して第1、第2サブ通路59、60を介して並列に配置されている。
前記第2サブ通路60は、第2通路7に直接接続されて、そのまま第2油圧室15bに連通しているが、第1サブ通路59は、第1通路6との間に配置された切換電磁弁61を介して第1通路6に接続されている。
前記切換電磁弁61は、コントロールユニット14からの制御指令信号によって第1通路6と第1サブ通路59を選択的に切り換えるようになっている。
すなわち、通常時には、第1油圧供給機構8と第1通路6とを連通させると同時に、第1サブ通路59と第1通路6との連通を遮断する一方、第1油圧供給機構8が故障した場合は、該第1油圧供給機構8と第1通路6との連通を遮断すると同時に、第1サブ通路59と第1通路6とを連通させる。
また、通常時は、第1油圧供給機構8のみが作動して、第2油圧供給機構11は待機状態に制御されている。
したがって、通常時は、第1トロコイドポンプ23の第1通路6側の一方の吐出ポートから吐出された油圧は、切換電磁弁61を介して第1通路6から第1油圧室15aに供給され、他方の吐出ポートから吐出された油圧はダイレクトに第2油圧室15bに供給される。
また、第1油圧供給機構8が故障した場合は、切換作動した切換電磁弁61を介して、第2トロコイドポンプ25側の一方の吐出ポートから油圧は、第1サブ通路59から第1通路6に流入して、第1油圧室15aに供給され、他方の吐出ポートから吐出された油圧は、第2サブ通路60からそのまま第2通路7を介して第2油圧室15bに供給される。
これらの一連の作動によって操舵アシスト力が確保されるようになっている。
[第14の実施形態]
図31は第14の実施形態を示し、第1油圧供給機構8の構成や吸入通路48に設けられた吸入弁49,49及びリターンチェック弁54の構成は、ほぼ第9の実施形態と同一であるが、第2油圧供給機構11を油圧を蓄圧するアキュムレータ62によって構成した点が相違している。
すなわち、第3通路9と第4通路10との間に接続された通路部63に、前記アキュムレータ62が設けられている。このアキュムレータ62は、第1、第2通路6,7間に接続された蓄圧用通路64を介して前記第1油圧供給機構8の第1トロコイドポンプ23に連通しており、蓄圧用通路64には、第1トロコイドポンプ23の各吐出ポートの吐出圧がアキュムレータ62の圧力よりも大きくなった際に開いて、該油圧をアキュムレータ62に蓄圧させる逆止弁64a、64bが設けられている。
また、前記第3、第4通路9,10には、該各通路9,10を開閉する第1、第2蓄圧制御弁65,66が設けられている。この第1、第2蓄圧制御弁65,66は、ノーマルオープン型の電磁弁であって、前記コントロールユニット14からの制御信号に応じて開度が調整制御されるようになっている。
そして、前記アキュムレータ62は、第1油圧供給機構8が故障して停止した場合に、前記第1,第2蓄圧制御弁65,66を介して作動して、蓄圧された高油圧を各油圧室15a、15bに選択的に供給するようになっている。
さらに、前記第2通路7の蓄圧用通路64と第3通路10との間には、電磁切換弁67が設けられており、この電磁切換弁67は、ノーマルオープン型であって、同じくコントロールユニット14からの制御信号によって第2通路7を開閉作動するようになっている。
以下、コントロールユニット14によるパワーステアリング装置の制御の流れを図32に基づいて説明する。
まず、ステップ201では、第1油圧供給機構8の例えば第1トロコイドポンプ23が故障して作動不良になったか否かを前述した方法によって判断し、作動が正常であると判断した場合は、ステップ202に進む。なお、バッテリーの蓄電不足や第1電動モータ24の故障などにより第1トロコイドポンプ23が作動しない場合も含む。
前記ステップ202では、前記蓄圧制御弁65,66の両方を閉作動させ、ステップ203で、操舵トルク信号などに基づいて第1電動モータ24への制御指令信号を出力して第1トロコイドポンプ23を作動させる。これにより、第1,第2油圧室15a、15bが選択的に加圧され、所望の操舵アシスト力を得ることができる。
前記ステップ201において作動不良と判断された場合は、ステップ204に移行し、ここではワーニングランプを点灯させて運転者に知らせる。
続いて、ステップ205に進み、ここでは前記操舵トルク信号に基づいて第1、第2蓄圧制御弁65,66を開閉及びその開度を調整制御する。これによって、アキュムレータ62に蓄圧された油圧が、第1、第2油圧室15a、15bに選択的に供給されて、所望の操舵アシスト力を付与する。
次に、例えばイグニッションキーのON操作によるパワーステアリング装置の制御開始(イニシャル時)にのみ実行されるアキュムレータ62の強制蓄圧処理の流れを、図33のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップ211では、電磁切換弁67を閉止させる制御を行い、ステップ212で、第1トロコイドポンプ23により電磁切換弁67が設けられた第2通路7側に高油圧を吐出する。これにより、第2通路7から蓄圧用通路64及び第2逆止弁64bを得てアキュムレータ62に油圧が圧送されて、強制的に蓄圧される。この強制蓄圧処理は、例えば所定時間実行され、あるいは周知の油圧センサによりアキュムレータ62の油圧が所定値に達するまで行われる。
次にステップ213では、第1トロコイドポンプ23が作動異常か否かを判断し、異常でなければ、ステップ214に移行し、ここでは電磁切換弁67を開制御する。これによって、通常の操舵アシスト制御を確保する。
一方、異常と判断した場合は、ステップ215に移行する。このステップ215では、第1トロコイドポンプ23が異常であることをワーニングランプを点灯させて運転者に知らせて、制御を終了する。
以上のように、本実施形態では、前記第9の実施形態と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、第2油圧供給機構11としてアキュムレータ62などを用いたため、比較的簡単な構造になり、コストの低減化が図れる。
なお、ポンプ作動不良時には、操舵アシスト力の付与に伴いアキュムレータ62内の圧力が漸次低下していくものの、比較的短い時間に渡って走行するのであれば、十分な操舵アシスト力を確保することができる。
しかも、この実施形態では、パワーステアリング装置の制御開始時に、アキュムレータ62を速やかに蓄圧することができると同時に、この強制蓄圧を利用して第1トロコイドポンプ23の異常、失陥のチェックを容易に行うことかできる。
なお、前記電磁切換弁67は、第1通路6側にのみ、あるいは両通路6,7に配置することも可能である。
[第15の実施形態]
図34は第15の実施形態であって、第1トロコイドポンプ23と第2トロコイドポンプ25を収容するポンプユニットの断面図である。この実施形態では、同じく直列に配置された第1油圧供給機構8と第2油圧供給機構11との間に、一対の第1、第2電磁クラッチ68,69を設け、いずれか一方の油圧供給機構8,11が故障した際には、各電磁クラッチ68,69をコントロールユニット14からの制御信号によって断続するように構成した。
すなわち、第1油圧供給機構8の可逆式ポンプとしてのトロコイドポンプ70と第2油圧供給機構11の可逆式ポンプとしての外接式ギアポンプ71は、ボルト84にて共締め固定された3つのハウジング72a、72b72cとサイドカバー73との内部に直列に配置されていると共に、基本的に第1、第2ポンプ70,71を共通の1つの駆動軸74と、該駆動軸74の外周に4つのブッシュ77a〜77dを介して相対回転自在に設けられた第1、第2アウター軸75、76とによって前記各電磁クラッチ68,69を介して回転駆動するようになっている。
また、前記両ポンプ70、71は、第1電動モータ(図示せず)によって駆動軸74回転駆動し、第1油圧供給機構8が故障した際には、第2外接式ギアポンプ71のみを第2電動モータ78によって回転駆動させるようになっている。
具体的に説明すれば、前記トロコイドポンプ70は、一般的な構造であり、前記第2ハウジング72b内に収容され、前記第1アウター軸75の外周に固定されたインナーギア70aと、該インナーギア70aに外側から噛み合うリング状のアウターギア70bとから構成されている。
一方、前記外接式ギアポンプ71は、ボルト73により共締め取り付けられたサイドカバー73と第3ハウジング72cとの間に収容され、前記第2アウター軸76の外周に固定された外歯型のメインギア71aと、第2電動モータ77の回転軸77aに固定されて、メインギア71aに噛み合う外歯型のサブギア71bとから構成されている。
前記駆動軸74は、各ハウジング72a〜72c内に各アウター軸75,76と共に貫通配置されて、基端部が第1電動モータに連結され、先端部が前記サイドカバー73の保持穴73aに挿通配置されている。一方、前記アウター軸75,76は、同軸上一対の金属円筒状に形成され、駆動軸74の外周面に前記4つの円筒状ブッシュ77a〜77dを介して回転自在に支持されている。
また、前記回転軸78aは、前後端部が円筒状ブッシュ79a,79bを介して第3ハウジング72cとサイドカバー73内に回転自在に支持されている。
前記第1電磁クラッチ68は、第2ハウジング72b内の該アウター軸75の端部外周に設けられた第1電磁コイル80や図外のウエーブバネなどから構成されている一方、前記第2電磁クラッチ69は、第1電磁コイル80の側部に隣接して設けられ、第3ハウジング72c内の第2アウター軸76の端部外周に設けられた第2電磁コイル81や同じく図外のウエーブバネなどから構成されている。
前記第1,第2電磁コイル80,81は、各ハーネス82、83を介して前記コントロールユニット14からの指令電流によって消励磁され、両油圧供給機構8,11が正常に作動しているときは、両電磁コイル80,81に一緒に励磁されて第1、第2アウター軸75、76と駆動軸74とを連結するが、第1油圧供給機構8が故障して停止した場合には、両方が消磁されることによって両アウター軸75,76と駆動軸74との連結を解除するようになっていると共に、第2電動モータ78が駆動される。
また、第2油圧供給機構11が故障して停止した場合は、第2電磁コイル81への指令電流が遮断される一方、第1電磁コイル80への指令電流が継続して供給されて駆動軸74と第1アウター軸75とを連結状態とする。
なお、前記第1、第2油圧供給機構8、11の油圧回路の構成などは、第1の実施形態と同様である。
したがって、この実施形態でも、第1油圧供給機構8あるいは第2油圧供給機構11などが故障して作動不良になった場合には、前記コントロールユニット14によって前記第1の実施形態と同様な制御処理が実行されるが、特に電磁クラッチを用いていることから第5ステージS5の変形として、図35に示す制御を行う。
つまり、第1油圧供給機構8が故障した場合における図9に示すフローチャートと異なる点を説明すれば、図9の前記ステップ106による第2電動モータ駆動回路40への切り換えはステップ102によって行われるのみであり、図9におけるステップ103〜106が省略されている。
また、前記ステップ102において第2電動モータ駆動回路40への切換制御を行った後は、ステップ118で第1、第2電磁クラッチ68,69に対する指令電流を遮断する処理を行う。これによって、トロコイドポンプ70及び外接式ギアポンプ71の両方が駆動軸74からフリー状態になる。
続いて、ステップ107において、この第2電動モータ駆動回路40の故障判断処理を行う。
次に、ステップ108では、第2電動モータ駆動回路40が異常か否かを判断し、異常でなければ、ステップ109において第2電動モータ78の故障判断処理を行い、ステップ110で第2電動モータ78が異常か否かを判断する。異常でなければステップ111に進み、ここでは外接式ギアポンプ71(図9では第2トロコイドポンプ)の故障判断処理を行い、ステップ112でこれが異常か否かを判断し、異常でなければ終了する。これによって、第2油圧供給機構11により操舵アシスト力を付与することができる。
また、前記ステップ108、110、112においてそれぞれ異常であると判断した場合、つまり第2油圧供給機構11も故障により停止状態にある場合は、第1ステージS1に移行して、フェールセルフバルブ13を開制御してマニュアルステアを確保するようになっている。
なお、前記第2油圧供給機構11のみが故障して停止し、第1油圧供給機構8が正常であれば、前述したように、第2電磁コイル81への指令電流を遮断して、外接式ギアポンプ71と駆動軸74との連結を解除して、トロコイドポンプ70と駆動軸74との連結状態を維持する。これによって、第1油圧供給機構8による操舵アシスト力を確保できる。
[第16の実施形態]
図36は第16の実施形態であって、第1トロコイドポンプ23と第2トロコイドポンプ25とを収容するポンプユニットの断面図である。本実施形態では、第1油圧供給機構8あるいは第2油圧供給機構11が故障した際に、前記コントロールユニットを用いずにメカニカルな手段で切り換えを行い、相互の操舵アシスト力を補完するようになっている。なお、基本的な構造は前記第15の実施形態に類似しているので、同一個所には同一符号を付して説明する。
すなわち、第1油圧供給機構8の可逆式ポンプとしてのトロコイドポンプ70と、第2油圧供給機構11の可逆式ポンプとしての外接式ギアポンプ71を第1ハウジング72aと第2ハウジング72bの内部にそれぞれ直列に配置すると共に、両ポンプ70,71を共通の駆動軸74を介して1つの電動モータ(図示せず)によって回転駆動するようにしたものである。
前記トロコイドポンプ70は、前記駆動軸74の外周に設けられたインナーギア70aと、該インナーギア70aに外側から噛み合うリング状のアウターギア70bとから構成されている。
一方、前記外接式ギアポンプ71は、第2ハウジング72bの前端側に、ボルト84により共締め固定されたサイドカバー73と第2ハウジング72bとの内部に収容され、前記駆動軸74の先端側に同軸上に設けられたメインギア71aと、該メインギア72aの側部に回転軸85に回転自在に支持されて、メインギア71aに噛み合うサブギア71bとから構成されている。
前記駆動軸74は、第1トロコイドポンプ70側と先端部側がベアリング86a、86bを介して第1ハウジング72a及びサイドカバー73に回転自在に支持されている一方、前記回転軸85は、前後端部がベアリング87a,87bを介して第2ハウジング72bとサイドカバー73に支持されている。
また、前記駆動軸74とインナーギア70aとの間には、該両者74,70a間に所定以上のトルク負荷が作用すると互いにスリップする円環状の第1トルクリミッター88が介装されている。
一方、前記駆動軸74の先端部とメインギア71aとの間にも、該両者74,71a間に所定以上のトルク負荷が作用すると互いにスリップする円環状の第2トルクリミッター89が介装されている。
したがって、この実施形態によれば、通常時には、電動モータによって駆動軸74が正逆回転すると、これに伴ってトロコイドポンプ70と外接式ギアポンプ71が同一方向へ回転駆動して、常時2つのポンプによって図外の油圧パワーシリンダの各油圧室に油圧が選択的に供給されて、操舵アシスト力を付与する。
また、例えば、一方のトロコイドポンプ70が故障によって作動不良になり、駆動軸74とインナーギア70aとの間に所定以上のトルク負荷が掛かって、第1トルクリミッター88により両者74,70a間にスリップが発生する。この場合には、駆動軸74がインナーギア70aをそのまま回転駆動させることから、正常な外接式ギアポンプ71によって操舵アシスト力を付与することになる。
また、逆に外接式ギアポンプ71側が故障により作動不良を起こした場合には、今度は第2トルクリミッター89を介して両者74,71aがスリップすることから、正常なトロコイドポンプ70によって操舵アシスト力を付与することになる。
なお、両者8,11が故障して作動不良となった場合は、インナーギア71aと共に、駆動軸74に対してスリップするため、第1、第2油圧供給機構8,11から油圧が供給されなくなる。これに伴い操舵負荷が増加すると、トルクセンサ(図示せず)が正常時では検出されない大きなトルク値を検出する。コントロールユニット14は、トルクセンサからのトルク信号が所定値以上であることを検出すると、コントロールユニット14がフェールセルフバルブを開作動させて、マニュアルステアを確保するようになっている。
以下、前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
(1)前記故障検出手段によって前記第1油圧供給手段の故障が検出された場合には、前記第2油圧供給手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
(2)前記第2油圧供給手段から前記第1,第2通路を介して前記油圧パワーシリンダの両油圧室に油圧を供給する第3,第4通路を設けると共に、
前記第3,第4通路と前記第1、第2通路との接続部に、第1、第2通路に対して前記第3,第4通路を連通あるいは遮断する第1、第2流路切換弁を設け、
前記第1、第2流路切換弁は、前記第1油圧供給手段の正常作動時には、前記油圧パワーシリンダと第2油圧供給手段との連通を遮断する一方、前記故障検出手段によって第1油圧供給手段が故障している検出された場合には、前記油圧パワーシリンダと第2油圧供給手段とを連通するようにしたことを特徴とする請求項(1)に記載のパワーステアリング装置。
(3)前記第2油圧供給手段は、前記コントロールユニットによって所定時間作動後に停止されることを特徴とする請求項(1)に記載のパワーステアリング装置。
(4)前記第2油圧供給手段は、前記コントロールユニットによって吐出量を徐々に減少させながら停止されることを特徴とする請求項(1)に記載のパワーステアリング装置。
(5)前記可逆式ポンプと電動機との間に、トルクリミッタを設けたことを特徴とする請求項(1)に記載のパワーステアリング装置。
(6)前記可逆式ポンプと電動機との間に、電磁クラッチを設け、前記故障検出手段によって第1油圧供給手段が故障していることを検出した場合には、前記電磁クラッチによって可逆式ポンプと電動機との接続を遮断するようにしたことを特徴とする請求項(1)に記載のパワーステアリング装置。
(7)前記故障検出手段は、前記電動機に供給される電流値に基づいて第1油圧供給手段の故障を検出することを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
(8)前記故障検出手段は、前記電動機に供給される電流値と、前記操舵機構に連結された操舵軸に発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルク信号とに基づいて前記第1油圧供給手段の故障を検出するようにしたことを特徴とする請求項(7)に記載のパワーステアリング装置。
(9)前記故障検出手段は、前記電動機の回転数に基づいて第1油圧供給手段の故障を検出することを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
(10)前記第1油圧供給手段と第2油圧供給手段とは、互いの作動油の吐出特性が異なるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(11)前記第2油圧供給手段は、可逆式ポンプ以外の油圧発生源を備えていることを特徴とする請求項(10)に記載のパワーステアリング装置。
(12)前記可逆式ポンプは、トロコイドポンプであることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(13)前記第2油圧供給手段は、前記第3,第4通路を介して前記油圧パワーシリンダの各油圧室に作動油を相対的に供給する可逆式ポンプを備えたことを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
(14)前記第2油圧供給手段は、一方向ポンプ及び前記第3流路切換弁によって構成されていることを特徴とする請求項(2)に記載のパワーステアリング装置。
(15)前記第2油圧供給手段の可逆式ポンプは、前記第1油圧供給手段の可逆式ポンプとは互いに吐出量が異なるように設定されていることを特徴とする請求項(13)に記載のパワーステアリング装置。
(16)前記第2油圧供給手段から前記油圧パワーシリンダの両油圧室に油圧を供給する第3,第4通路を設け、該第3、第4通路を、前記油圧パワーシリンダよりも上流側で前記第1、第2通路にそれぞれ接続すると共に、該それぞれの通路長さと通路径とを、前記第1油圧供給手段と第2油圧供給手段で発生する油圧脈動を低減できるように設定したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(17)前記第2油圧供給手段から前記油圧パワーシリンダの両油圧室に油圧を供給するための第3、第4通路を設け、
該第3、第4通路は、前記油圧パワーシリンダよりも上流側で前記第1、第2通路にそれぞれ接続され、
かつ前記第1油圧供給手段と第2油圧供給手段からの作動油の吐出タイミングを、互いの脈動を打ち消すようなタイミングに設定したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(18) 前記操舵機構に連結された操舵軸と、
該操舵軸に発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段とを備え、
前記操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクが所定値よりも小さい場合には、前記第1油圧供給手段のみを作動させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(19)前記第2油圧供給手段と前記第1油圧供給手段とを、前記第1〜第4通路を介して並列に配置したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(20)前記第2油圧供給手段と前記第1油圧供給手段とを、前記第1〜第4通路を介して直列に配置したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(21)前記第1油圧供給手段と第2油圧供給手段とは、作動油をほぼ同一の吐出特性によって吐出することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(22)前記第2油圧供給手段は、前記第1油圧供給手段の可逆式ポンプによって蓄圧されたアキュムレータと、
該アキュムレータと前記第1油圧室とを結ぶ第3通路を開閉する第1開閉弁と、
前記アキュムレータと前記第2油圧室とを結ぶ第4通路を開閉する第2開閉弁とを備え、
前記コントロールユニットは、前記第1油圧供給手段の作動が正常である場合には、前記可逆式ポンプを駆動制御することにより各油圧室の油圧を制御すると共に、前記第1油圧供給手段の作動が不良になった場合には、前記第1、第2開閉弁の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
(23) 前記第1通路または第2通路に設けられた切換弁と、
制御開始時に、前記切換弁を閉作動させて、前記可変式ポンプにより前記アキュムレータ内に作動油を蓄圧する強制蓄圧手段とを備えたことを特徴とする請求項(22)に記載のパワーステアリング装置。
(24)前記強制蓄圧手段によって前記アキュムレータ内に作動油を強制的に蓄圧する際に、前記可逆式ポンプの異常を検出するポンプ異常検出手段を有することを特徴とする請求項(23)に記載のパワーステアリング装置。
(25)前記第2油圧供給手段から前記第1、第2油圧室に油圧を選択的に供給する第3、第4通路を設けると共に、
前記第3,第4通路に第1、第2流路切換弁を設け、
前記第1油圧供給手段の正常な作動時において前記油圧パワーシリンダと第2油圧供給手段との連通を遮断するように前記第1、第2流路切換弁の動作を制御する一方、
前記故障検出手段によって第1油圧供給手段の故障が検出された場合には、前記油圧パワーシリンダと第2油圧供給手段とを連通するように前記第1、第2流路切換弁の動作を制御することを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置の制御方法。
(26)前記可逆式ポンプと電動機との間に、電磁クラッチを設けると共に、前記故障検出手段によって第1油圧供給手段の故障が検出された際には、前記電磁クラッチにより可逆式ポンプと電動機との接続を切断するように制御したことを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置の制御方法。
(27)前記故障検出手段は、前記電動機に供給される電流値を検出する電流値検出ステップと、
前記電流値検出ステップによって検出された電流値が所定範囲内にない場合は、前記第1油圧供給手段が故障していると判断する電流値故障判断ステップとを備えたことを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置の制御方法。
(28)前記故障検出手段は、前記電動機の回転数を検出または推定する回転数検出ステップと、
前記回転数検出ステップによって検出された電動機の回転数が所定範囲内にない場合は、前記第1油圧供給手段の故障と判定する回転数故障判定ステップとを有することを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置の制御方法。
(29)前記操舵機構に連結された操舵軸に発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段を備え、
前記故障検出手段は、前記電動機に供給される電流値を検出する電流値検出ステップと、
前記操舵トルク検出手段によって操舵トルクを検出するステップと、
前記電流値及び操舵トルクとを比較し、この比較結果に基づいて前記第1油圧供給手段の故障を判定する比較判定ステップとを有することを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置の制御方法。
(30)前記第2油圧供給手段の作動ステップは、
前記第2油圧供給手段が所定時間作動した後に、該第2油圧供給手段の作動を停止させるステップを有することを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置の制御方法。
(31)前記第2油圧供給手段の作動ステップは、
前記第2油圧供給手段を所定時間作動させるステップと、
前記所定時間経過後に、第2油圧供給手段の油圧吐出量を徐々に減少させるステップと、
前記第2油圧供給手段の作動を停止させるステップとを有することを特徴とする請求項(30)に記載のパワーステアリング装置の制御方法。
本発明の第1の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 本実施形態に供されるコントロールユニットの制御ブロック図である。 同コントロールユニットによる基本的な制御フローチャート図である。 第1ステージの制御フローチャート図である。 第2ステージの制御フローチャート図である。 第3ステージの制御フローチャート図である。 第4ステージの制御フローチャート図である。 同第4ステージの変形例を示す制御フローチャート図である。 第5ステージの制御フローチャート図である。 同第5ステージの変形例を示す制御フローチャート図である。 第6ステージの制御フローチャート図である。 本実施形態に供される第1,第2電動モータの電流の検出よる故障判断のフローチャート図である。 トルクセンサのトルク信号と電流センサによるポンプ異常判断のフローチャート図である。 電動モータの回転数によるポンプ異常判断のフローチャート図である。 第2の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 本実施形態に適用される第5ステージの制御フローチャート図である。 第3の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第4の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第5の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第6の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第7の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第8の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第9の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 本実施形態におけるコントロールユニットの制御フローチャート図である。 本実施形態におけるコントロールユニットの制御フローチャート図である。 Aは第1、第2トロコイドポンプの位相をずらした脈圧波形を示し、Bは油圧パワーシリンダの脈圧波形を示した特性図である。 第10の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第11の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第12の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第13の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 第14の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 本実施形態におけるコントロールユニットの制御フローチャート図である。 同コントロールユニットの制御フローチャート図である。 第15の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。 本実施形態におけるコントロールユニットの制御フローチャート図である。 第16の実施形態におけるパワーステアリング装置の概略図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール
2…操舵軸
4…ラック・ピニオン機構(操舵機構)
5…油圧パワーシリンダ
6・7…第1、第2通路
8…第1油圧供給機構(第1油圧供給手段)
9・10…第3、第4通路
11…第2油圧供給機構(第2油圧供給手段)
12…連通路
13…フェールセルフバルブ
14…コントロールユニット
15a・15b…第1,第2油圧室
18…リザーバタンク
23…第1トロコイドポンプ(可逆式ポンプ)
24…第1電動モータ(電動機)
25…第2トロコイドポンプ
26…第2電動モータ
32…トルクセンサ(操舵状態検出手段)
33…車速センサ
34…クランク角センサ
35…トルクスイッチ

Claims (3)

  1. 転舵輪を操舵制御する操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの第1,第2油圧室に対して第1,第2通路を介して油圧を相対的に供給する可逆式ポンプ及び該可逆式ポンプを正逆回転駆動させる電動機とを備えた第1油圧供給手段と、
    運転者の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    前記操舵状態検出手段によって検出された操舵状態に基づいて前記電動機に対して駆動指令信号を出力するコントロールユニットと、
    前記油圧パワーシリンダの第1,第2油圧室に対して油圧を供給する第2油圧供給手段とを備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 少なくとも前記第1油圧供給手段の故障を検出する故障検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 転舵輪を操舵制御する操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    該油圧パワーシリンダの両油圧室に対して第1,第2通路を介して油圧を相対的に供給する可逆式ポンプ及び該可逆式ポンプを正逆回転駆動させる電動機とを備えた第1油圧供給手段と、
    運転者の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    前記操舵状態検出手段によって検出された操舵状態に基づいて前記電動機に対して駆動指令信号を出力するコントロールユニットと、
    前記油圧パワーシリンダの両油圧室に対して油圧を相対的に供給する第2油圧供給手段とを備えたパワーステアリング装置の制御方法であって、
    前記コントロールユニットは、故障検出手段によって前記第1油圧供給手段の故障を検出した場合には、前記第2油圧供給手段を作動させるように制御することを特徴とするパワーステアリング装置の制御方法。
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