JP2015196437A - 油圧パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵アシストが不安定になることを抑制すること。【解決手段】通常制御中に合計電流値が第2制限値α2を超える場合、第2電動ポンプを停止させるように制限するようにした。また、通常制御中に合計電流値が第2制限値α2を超える場合、第2電動ポンプで減らした分の流量を補うように第1電動ポンプから供給する作動油の流量を増やすように制限するようにした。また、通常制御中に合計電流値が第2制限値α2を超え後、特別制御から通常制御に切り替える際、第2電動ポンプの駆動を再開させ、第2電動ポンプから供給する作動油の流量を増やし、第1電動ポンプから供給する作動油の流量を減らすように制御するようにした。【選択図】図5

Description

本発明は、油圧パワーステアリング装置に関する。
従来、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを用いて運転者のステアリング操作を補助(操舵アシスト)する油圧パワーステアリング装置としては、例えば、特許文献1に記載の油圧パワーステアリング装置がある。この特許文献1に記載の油圧パワーステアリング装置では、油圧アクチュエータの油圧源として、モータ駆動により油圧アクチュエータに流れる流量を変化させて油圧を発生させる電動ポンプを2つ用いるようにしている。これら電動ポンプでは、操舵アシストの要求が高まる場合、いずれの電動ポンプからも作動油が供給される一方、電動ポンプへの操舵アシストの要求が低い場合、いずれかの電動ポンプのみからしか作動油が供給されないようにしている。
特開平9−95251号公報
ところで、電動ポンプへの操舵アシストの要求が高まった場合の操舵アシストの安定性を考慮すると、特許文献1の油圧パワーステアリング装置に対して、操舵アシストの要求が高まるときにいずれかの電動ポンプの作動油の流量を増やすように制限し、残りの電動ポンプの作動油の流量を減らすように制限するといった思想も考えられる。
こういった思想に基づくと、作動油の流量を減らすように制限した電動ポンプに関しては、いずれ制限を解除可能な状況も訪れる。そして、何も考慮せずに作動油の流量を減らすように制限した電動ポンプに関して制御を解除してしまうと、作動油の流量の合計の急激な変化を招き、操舵アシストが不安定になる可能性がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、操舵アシストが不安定になることを抑制することのできる油圧パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決する油圧パワーステアリング装置は、操舵アシストの要求に応じてアシスト力を付与するのに用いる油圧アクチュエータの油圧源として、モータ駆動により油圧アクチュエータへ流れる作動油の流量を変化させて油圧を発生させる電動ポンプを複数備えている。また、油圧パワーステアリング装置は、電動ポンプの駆動に関わるパラメータが予め定めた制限値を超える場合、第1の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を減らすように制限する一方、該減らした分の流量を補うように第2の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を増やすように制限する制御装置を備えている。そして、油圧パワーステアリング装置において、制御装置は、上記パラメータが上記制限値を超えた後、上記パラメータに基づき制限を解除する際、第1の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を増やす場合、第2の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を減らすように制御するようにしている。
上記構成によれば、操舵アシストの要求に基づき変化して電動ポンプの駆動に関わるパラメータが予め定めた制限値を超える場合、第2の電動ポンプを対象に、モータの出力を高めることができる。これにより、電動ポンプの駆動に関わるパラメータが予め定めた制限値を超える場合に操舵アシストの要求が高まっても、第2の電動ポンプについては、高い操舵アシストの要求に負けてモータが停止してしまうことが抑制され、操舵アシストを安定させることができる。その後、上記パラメータに基づきこれまでの制限を解除する際には、第1の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を増やす場合、第2の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を減らすように制御するので、作動油の流量の合計としてその急激な変化を抑えることができるようになる。その結果、操舵アシストの要求に応じた流量の作動油を供給することができ、操舵アシストが不安定になることを抑制することができる。
このような油圧パワーステアリング装置において、制御装置は、上記パラメータが上記制限値を超える場合、第1の電動ポンプの駆動を停止させ、上記パラメータが上記制限値を超えた後、上記パラメータに基づき制限を解除する際、第1の電動ポンプの駆動を再開させることが好ましい。
上記構成によれば、上記パラメータが上記制限値を超えた後、上記パラメータに基づき制限を解除する際、第1の電動ポンプの駆動を再開させても、第2の電動ポンプについては作動油の流量を減らすので、作動油の流量の合計としてその急激な変化を抑えることができる。
そして、こうした油圧パワーステアリング装置において、制御装置は、上記パラメータに基づき制限を解除する際、第1の電動ポンプ及び第2の電動ポンプから供給する作動油の流量を徐々に変化させることが好ましい。
上記構成によれば、上記パラメータに基づき制限を解除する際、第1の電動ポンプから供給する作動油の流量を徐々に増やすので、電動ポンプの駆動に関わる駆動電力の急激な上昇を抑えることができる。さらに、第2の電動ポンプから供給する作動油の流量については徐々に減らすので、作動油の流量の合計の急激な増加を抑えることができる。これにより、車両の他のシステムへ与える影響を最小限に抑えることができるとともに、アシスト力が不安定となることを抑制することができる。
また、こうした油圧パワーステアリング装置において、制御装置は、上記パラメータに基づき制限を解除する際、第2の電動ポンプから供給する作動油の流量の変化量が第1の電動ポンプから供給する作動油の流量の変化量よりも大きくなるように変化させることが好ましい。
上記構成によれば、上記パラメータに基づき制限を解除する際、電動ポンプの駆動に関わって確保しなければいけない駆動電力の上昇を抑えることができる。
上記駆動電力は、車両で発生させる駆動電力から割り当てるので、電動ポンプばかりに割り当ててしまうと、例えば、電装部品に関わるシステム等の車両の他のシステムへの割り当てが不安定になってしまう。そのため、電動ポンプの駆動に関わって確保しなければいけない駆動電力の上昇を抑えることで、車両の他のシステムへ与える影響を最小限に抑えることができる。
また、こうした油圧パワーステアリング装置において、制御装置は、上記パラメータに基づき制限を解除する際、第2の電動ポンプから供給する作動油の流量を減らすのに遅らせて第1の電動ポンプから供給する作動油の流量を増やすように変化させることが好ましい。
上記構成によれば、第1の電動ポンプから供給する作動油の流量を増やすのを遅らせている間、第2の電動ポンプから供給する作動油の流量を減らす分、電動ポンプの駆動に関わって確保しなければいけない駆動電力を低下させることができる。このように確保しなければいけない駆動電力を一旦、減らした後、第1の電動ポンプから供給する作動油の流量を増やすことで、駆動電力の確保に余裕を持つことができ、車両の他のシステムへ与える影響を最小限に抑えることができる。
また、こうした油圧パワーステアリング装置において、制御装置は、第1の電動ポンプの駆動を制御する第1の制御部と、第2の電動ポンプの駆動を制御する第2の制御部とを備え、第1の制御部及び第2の制御部は、上記パラメータとして第1の電動ポンプ及び第2の電動ポンプの各モータに流れる合計電流値が上記制限値を超えない通常制御時、同一マップを用いてモータ駆動を制御することが好ましい。
上記構成によれば、上記パラメータが上記制限値を超えない通常制御時、第1の制御部及び第2の制御部が同一マップを用いて第1の電動ポンプ及び第2の電動ポンプのモータ駆動を制御することで、異なるマップを用いてモータ駆動を制御する場合に比べて、制御に関わる処理増加が抑制されるようになる。したがって、上記パラメータが上記制限値を超えた後、上記パラメータに基づき制限を解除する際は勿論のこと、その他の通常制御中においても操舵アシストの要求に応じた流量の作動油を供給することができ、操舵アシストが不安定になることを抑制することができる。
本発明によれば、操舵アシストが不安定になることを抑制することができる。
油圧パワーステアリング装置の概略を示す図。 油圧パワーステアリング装置のブロック図。 各電動ポンプの電流値を示す図。 制御の状態を示す図。 第1実施形態における電流値の変化を示す図。 第2実施形態における電流値の変化を示す図。 第3実施形態における電流値の変化を示す図。
(第1実施形態)
以下、油圧パワーステアリング装置の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、油圧パワーステアリング装置1は、運転者により操作されるステアリングホイール2と、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト3とを備える。また、油圧パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト3の回転に応じて軸方向に往復動するラック軸5と、ラック軸5が往復動可能に挿通される略円筒状のラックハウジング6とを備える。ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2側から順にコラム軸7、中間軸8、及びピニオン軸9を連結することにより構成される。
ラック軸5とピニオン軸9とは、ラックハウジング6内に所定の交差角をもって配置され、ラック軸5に形成されたラック歯5aとピニオン軸9に形成されたピニオン歯9aとが噛合されることによりラックアンドピニオン機構11が構成される。また、ラック軸5の両端には、タイロッド12がそれぞれ連結され、タイロッド12を介して転舵輪13がそれぞれ連結される。
したがって、油圧パワーステアリング装置1では、運転者のステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転がラックアンドピニオン機構11によりラック軸5の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド12を介して左右の転舵輪13にそれぞれ伝達されることによりこれら転舵輪13の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
また、油圧パワーステアリング装置1は、運転者のステアリング操作を補助するアシスト力を発生させる油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ21と、油圧シリンダ21に作動油を供給する複数(本実施形態では、2つ)の第1電動ポンプ22及び第2電動ポンプ23とを備える。また、油圧パワーステアリング装置1は、油圧シリンダ21への作動油の給排を制御する切換弁24と、各電動ポンプ22,23により油圧シリンダ21に給排される作動油を貯留する貯留タンク25とを備える。
油圧シリンダ21は、ラックハウジング6の一部により構成される円筒状のシリンダチューブ31を備える。つまり、シリンダチューブ31には、ラック軸5が往復動可能に挿通される。また、油圧シリンダ21は、シリンダチューブ31内を第1油圧室32と第2油圧室33とに区画するピストン34を備え、ピストン34は、ラック軸5に一体で軸方向移動可能に固定される。
図2に示すように、第1電動ポンプ22は、駆動源となる第1モータ41と、第1モータ41により駆動されて油圧シリンダ21に作動油を供給する第1ポンプ42と、第1モータ41の駆動(作動)を制御する第1ECU43とを備える。また、第2電動ポンプ23は、駆動源となる第2モータ44と、第2モータ44により駆動されて油圧シリンダ21に作動油を供給する第2ポンプ45と、第2モータ44の駆動(作動)を制御する第2ECU46とを備える。つまり、本実施形態では、第1及び第2ECU43,46により制御装置が構成されている。図1に示すように、第1及び第2電動ポンプ22,23の各吸入口は、吸入油路47を介して貯留タンク25に接続される。
図1の説明に戻り、切換弁24は、運転者のステアリング操作に連動して油圧シリンダ21の第1及び第2油圧室32,33への作動油の給排を制御する周知のロータリバルブとして構成される。具体的に、切換弁24には、供給ポート51、排出ポート52、第1及び第2給排ポート53,54が設けられる。供給ポート51は、一端側で二股に分岐した供給油路55を介して第1及び第2電動ポンプ22,23の吐出口にそれぞれ接続される。排出ポート52は、排出油路56を介して貯留タンク25に接続される。第1給排ポート53は、第1給排油路57を介して第1油圧室32に接続されるとともに、第2給排ポート54は、第2給排油路58を介して第2油圧室33に接続される。
したがって、油圧パワーステアリング装置1において、第1及び第2電動ポンプ22,23により貯留タンク25から吸い上げられた作動油は、供給油路55を介して切換弁24に供給される。このように切換弁24に供給された作動油は、運転者のステアリング操作に応じて、第1及び第2給排油路57,58のいずれか一方を介して第1及び第2油圧室32,33のいずれか一方に供給される。これにより、対応する油圧室に作動油が充填されて加圧される(油圧が高くなる)。このとき、併せて第1及び第2油圧室32,33の他方から作動油が排出され、この作動油は第1及び第2給排油路57,58の他方、切換弁24及び排出油路56を介して貯留タンク25に排出される。これにより、対応する油圧室から作動油が排出されて減圧される(油圧が低くなる)。その結果、第1油圧室32と第2油圧室33との間に油圧差が発生し、この油圧差に基づいてピストン34とともにラック軸5が軸方向移動することで、運転者のステアリング操作がアシストされる。
次に、油圧パワーステアリング装置の電気的構成について説明する。
図1及び図2に示すように、第1及び第2電動ポンプ22,23は、CAN(車内ネットワーク)61を介して各種センサの検出値等の各状態量を送受信可能に接続される。CAN61には、ステアリングセンサ62、及び車速センサ63がそれぞれ接続され、ステアリングホイール2の操舵角θs及び車速SPDが状態量として伝送される。第1及び第2ECU43,46は、CAN61を介して得られる各状態量に基づいて互いに協調して第1及び第2電動ポンプ22,23(第1及び第2モータ41,44)の駆動を制御する。
図2に示すように、第1ECU43は、モータ制御信号を出力する第1マイコン71と、そのモータ制御信号に基づいて第1モータ41に駆動電力を供給する第1駆動回路72とを備える。また、第2ECU46は、モータ制御信号を出力する第2マイコン73と、そのモータ制御信号に基づいて第2モータ44に駆動電力を供給する第2駆動回路74とを備える。第1及び第2駆動回路72,74は、車両に搭載された同一の車載電源(バッテリ)75にそれぞれ接続される。
第1及び第2駆動回路72,74には、直列に接続された一対のスイッチング素子(例えば、FET等)を基本単位(スイッチングアーム)とし、これらを並列に接続してなる周知のPWMインバータが採用され、モータ制御信号は、各スイッチング素子のオンオフ状態(オンDUTY比)を規定する。第1及び第2駆動回路72,74は、入力されるモータ制御信号に示されるオンDUTY比及び車載電源75の電圧に基づく駆動電力を第1及び第2モータ41,44にそれぞれ供給する。
第1マイコン71には、第1モータ41(第1電動ポンプ22)に流れる電流値(状態量)を示す第1電流値Im1を検出する第1電流センサ76、及び第1モータ41の回転角(状態量)を示す第1回転角θm1と回転速度(状態量)を示す第1回転速度ω1を検出する第1回転角センサ77が接続される。なお、第1回転速度ω1は、第1回転角θm1を微分したものである。
また、第2マイコン73には、第2モータ44(第2電動ポンプ23)に流れる電流値(状態量)を示す第2電流値Im2を検出する第2電流センサ78、及び第2モータ44の回転角(状態量)を示す第2回転角θm2と回転速度(状態量)を示す第2回転速度ω2を検出する第2回転角センサ79が接続される。なお、第2回転速度ω2は、第2回転角θm2を微分したものである。
第1マイコン71は、所定のサンプリング周期で各センサ76,77から第1電流値Im1、第1回転角θm1、及び第1回転速度ω1といった状態量を検出し取得する一方、CAN61から第2電流値Im2、操舵角θs、及び車速SPDといった状態量を受信し取得する。なお、第1マイコン71は、第1電流値Im1をCAN61に送信する。
また、第2マイコン73は、所定のサンプリング周期で各センサ78,79から第2電流値Im2、第2回転角θm2、及び第2回転速度ω2といった状態量を検出し取得する一方、CAN61から第1電流値Im1、操舵角θs、及び車速SPDといった状態量を受信し取得する。なお、第2マイコン73は、第2電流値Im2をCAN61に送信する。
第1及び第2マイコン71,73は、取得した各状態量に基づいてモータ制御信号を出力することにより、駆動電力の供給を通じて第1及び第2モータ41,44の駆動を制御する。
次に、第1及び第2マイコン71,73が行う第1及び第2モータ41,44の制御内容を説明する。
第1マイコン71は、第1モータ41の回転速度を示す第1回転速度ω1が、操舵角θs及び車速SPDに基づいて演算される目標回転速度となるように回転速度制御(速度フィードバック制御)を実行することにより、モータ制御信号を出力して第1モータ41の駆動を制御する。また、第2マイコン73は、第2モータ44の回転速度を示す第2回転速度ω2が、操舵角θs及び車速SPDに基づいて演算される目標回転速度となるように回転速度制御(速度フィードバック制御)を実行することにより、モータ制御信号を出力して第2モータ44の駆動を制御する。
この目標回転速度には、その最低値として比較的低いスタンバイ回転速度が予め設定される。そして、操舵角θsを微分して得られる操舵速度ωs及び車速SPDに応じて、マップを用いてスタンバイ回転速度よりも高い目標回転速度が演算される。本実施形態では、第1及び第2マイコン71,73が同一マップを用いて目標回転速度を演算するとともに、この演算に際しては操舵速度ωsの絶対値が大きいほど、また車速SPDが低いほど、すなわち必要とされるアシスト力が大きく、操舵アシストの要求(負荷)が高いほど、高い目標回転速度を演算するように設定される。
ここで、回転速度制御について、説明する。
図3及び図4に示すように、第1及び第2マイコン71,73は、第1電流値Im1と第2電流値Im2の合計を示す合計電流値Imに応じて、第1及び第2電流値Im1,Im2で許容する電流値の範囲を切り替えて回転速度制御を実行する。
すなわち、図3の上段に示すように、例えば、第1及び第2電動ポンプ22,23の起動完了後といった通常制御時、第1及び第2電流値Im1,Im2で許容する電流値の範囲は、原則、車載電源75から同時に安定して供給可能な駆動電力に関わる電流の第1制限値α1未満に設定される。ちなみに、本実施形態では、この第1制限値α1が、例えば、75A程度に設定される。これにより、合計電流値Imで許容する電流値の範囲は、原則、第1及び第2電流値Im1,Im2のそれぞれの第1制限値α1の2倍に相当する第2制限値α2未満に設定される。本実施形態では、第1電流値Im1及び第2電流値Im2、すなわち合計電流値Imが第1及び第2電動ポンプ22,23の駆動に関わるパラメータに相当する。
このため、通常制御中、第1マイコン71は、第1電流値Im1を第1制限値α1未満(Im1<α1)で、目標回転速度に第1回転速度ω1が追従するように、第1モータ41、すなわち第1電動ポンプ22の駆動を制御する。同様に、通常制御中、第2マイコン73は、第2電流値Im2を第1制限値α1未満(Im2<α1)で、目標回転速度に第2回転速度ω2が追従するように、第2モータ44、すなわち第2電動ポンプ23の駆動を制御する。
ただし、通常制御中には、操舵アシストの要求が、第1制限値α1の電流値で第1及び第2モータ41,44を回転させて得られる以上の作動油の流量を要するまでに高まることもある。この場合、第1及び第2電動ポンプ22,23から供給する作動油の流量を高めるため、第1及び第2モータ41,44の回転速度が上昇され、それに伴って第1及び第2電流値Im1,Im2が第1制限値α1、すなわち合計電流値Imが第2制限値α2を例外的に超える。
このため、図4に示すように、通常制御中に合計電流値Imが第1制限値α1の2倍、すなわち第2制限値α2を超える場合、第1及び第2電流値Im1,Im2で許容する電流値の範囲が切り替えられて特別制御時となる。すなわち、第1及び第2マイコン71,73は、通常制御中、原則、同一マップを通じて同一の目標回転速度を演算する一方、特別制御中、例外的に異なる目標回転速度を演算する。したがって、第1及び第2マイコン71,73は、特別制御中、第1及び第2電動ポンプ22,23を対象に異なるマップを用いて第1及び第2モータ41,44の駆動を制御する(目標回転速度を演算する)。
なお、合計電流値Imが第2制限値α2を超えるのは、第1及び第2電流値Im1,Im2のそれぞれが第1制限値α1を超える状況である。この場合には、通常制御中であることから、第1及び第2マイコン71,73が同一マップを用いて目標回転速度を演算するので、第1及び第2電流値Im1,Im2が同一の値を示す。
そして、図3の下段に示すように、第1及び第2電流値Im1,Im2で許容する電流値の範囲が切り替えられた後の特別制御中、第1電流値Im1で許容する電流値の範囲は、原則、第1制限値α1より大きく第2制限値α2未満に設定される。また、特別制御中、第2電流値Im2で許容する電流値の範囲は、「0(零)」に設定される。すなわち、特別制御中、第2モータ44については、駆動電力の供給の遮断を通じてその駆動が最終的に停止される。
具体的に、第2マイコン73は、合計電流値Imが第2制限値α2を超えると、目標回転速度を「0(零)」として、第2モータ44の駆動を停止させるように制御する。すなわち、第2マイコン73は、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を今よりも減らすように制限し、停止するように制御する。本実施形態では、第2電動ポンプ23が電動ポンプのうち第1の電動ポンプに相当するとともに、それを制御する第2マイコン73が第1の制御部に相当する。
一方、第1マイコン71は、合計電流値Imが第2制限値α2を超えると、目標回転速度を第1電流値Im1が第2制限値α2付近であって、該第2制限値α2を超えない規定速度として経験的に導かれる速度まで高めるように、第1モータ41の駆動を制御する。すなわち、第1マイコン71は、第2電動ポンプ23で低くした分の流量を補うように第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を今よりも増やすように制限し、制御する。ちなみに、本実施形態では、この規定速度が、例えば、5000rpmに応じた速度に設定されている。本実施形態では、第1電動ポンプ22が電動ポンプのうち第2の電動ポンプに相当するとともに、それを制御する第1マイコン71が第2の制御部に相当する。
また、特別制御中には、操舵アシストの要求が低くなる等して、第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を減らすこともある。この場合、第1モータ41,44の回転速度が下降され、それに伴って第1電流値Im1、すなわち合計電流値Imが第2制限値α2を下回り、さらに閾値βを下回ることもある。この閾値βは、第1制限値α1及び第2制限値α2の間の値であって、合計電流値Imが第2制限値α2を十分に下回ったとして経験的に導かれる値に設定されている。
このため、図4に示すように、特別制御中に合計電流値Imが第2制限値α2、さらには閾値βを下回る場合、第1及び第2電流値Im1,Im2で許容する電流値の範囲が切り替えられて通常制御時となる。すなわち、第1及び第2マイコン71,73は、特別制御中のこれまでの制限を解除し、第1及び第2モータ41,44を制御する。この場合、第2モータ44については、特別制御から通常制御への切り替えを通じて駆動が再開される。
ここで、特別制御から通常制御へ切り替える際の制御内容についてさらに詳しく説明する。
第2マイコン73は、特別制御から通常制御へ切り替える際、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度の1/2(2分の1)まで目標回転速度を高めるように、停止している第2モータ44の駆動を再開させる。すなわち、第2マイコン73は、第2電動ポンプ23の駆動を再開させ、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を今よりも増やすように制御する。ちなみに、本実施形態では、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度が、例えば、4000rpmに応じた速度に設定されている場合、「0」から2000rpmに応じた速度に目標回転速度が設定される。
一方、第1マイコン71は、特別制御から通常制御へ切り替える際、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度の1/2(2分の1)まで目標回転速度を低くするように、第1モータ41を制御する。すなわち、第1マイコン71は、第2電動ポンプ23で増やした分の流量を減らすように第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を今よりも減らすように制御する。ちなみに、本実施形態では、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度が、例えば、4000rpmに応じた速度に設定されている場合、4000rpmから2000rpmに応じた速度に目標回転速が設定される。
次に、本実施形態の油圧パワーステアリング装置1の作用を説明する。
操舵アシストの要求に基づき変化して合計電流値Imが第2制限値α2を超える場合、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量がいずれ「0」となる代わりに、その分の流量を補うように第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量が必要としている流量まで増やされる。したがって、合計電流値Imが第2制限値α2を超える場合、第1電動ポンプ22を対象に、第1モータ41の回転速度、すなわち第1モータ41の出力が高められるようになる。これにより、合計電流値Imが第2制限値α2を超えることで第1及び第2電動ポンプ22,23への操舵アシストの要求が高まっても、第1電動ポンプ22については、高い操舵アシスト要求に負けて第1モータ41が停止してしまうことが抑制され、操舵アシストを安定させることができる。
そして、図5に示すように、合計電流値Imが第2制限値α2を超えた後から時間が経過すると、第1電流値Im1が低くなるのに伴って、合計電流値Imが低くなり、時点t1で合計電流値Imが第2制限値α2、さらには閾値βを下回る。
合計電流値Imが閾値βを下回ると、第2電動ポンプ23では目標回転速度を「0」から高めるので、第2モータ44の回転速度が即座に上昇するとともに、第2電流値Im2が即座に高まるように推移する。一方、合計電流値Imが閾値βを下回ると、第1電動ポンプ22では目標回転速度を1/2まで低くするので、第1モータ41の回転速度が即座に下降するとともに、第1電流値Im1が即座に1/2付近まで低くなるように推移する。なお、第1電流値Im1が1/2付近まで低くなると第2電流値Im2も同程度に達するので、合計電流値Imは、ほとんど変化を伴わない。
このため、特別制御から通常制御へ切り替える際には、第2電動ポンプ23の駆動を再開させるので、第2電動ポンプ23を対象にして供給する作動油の流量が増える。そして、第1電動ポンプ22を対象にして供給する作動油の流量を減らすように制御するので、作動油の流量の合計としてその急激な変化を抑えることができ、操舵アシストの要求に応じた流量の作動油を供給することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)特別制御から通常制御へ切り替える際には、作動油の流量の合計としてその急激な変化が抑えられる。これにより、操舵アシストの要求に応じた流量の作動油を供給することができ、操舵アシストが不安定になることを抑制することができる。
(2)特別制御から通常制御へ切り替える際には、第2電動ポンプ23の駆動を再開させても、第1電動ポンプ22については作動油の流量を減らすので、作動油の流量の合計としてその急激な変化を抑えることができる。
(3)特別制御から通常制御へ切り替える際には、第2電動ポンプ23における作動油の流量を即座に増やすとともに、第1電動ポンプ22における作動油の流量を即座に減らすことができる。これにより、比較的早い段階で第2電動ポンプ23の駆動、すなわち作動油の供給を安定させることができる。
(4)通常制御時、第1マイコン71及び第2マイコン73が同一マップを用いて第1電動ポンプ22及び第2電動ポンプ23のモータ駆動を制御することで、異なるマップを用いてモータ駆動を制御する場合に比べて、制御に関わる処理増加が抑制されるようになる。したがって、特別制御から通常制御へ切り替える際は勿論のこと、その後やその他の通常制御中においても操舵アシストの要求に応じた流量の作動油を供給することができ、操舵アシストが不安定になることを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、油圧パワーステアリング装置の第2実施形態を説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、特別制御から通常制御へ切り替える際の第1及び第2モータ41,44の回転速度の変化のさせ方のみである。このため、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
本実施形態における特別制御から通常制御へ切り替える際の制御内容について詳しく説明する。
第2マイコン73は、特別制御から通常制御へ切り替える際、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度の1/2(2分の1)まで目標回転速度を徐々に高めるように、停止している第2モータ44の駆動を再開させる。すなわち、第2マイコン73は、第2電動ポンプ23の駆動を再開させ、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を今よりも増やすとともに、徐々に増やすように制御する。
一方、第1マイコン71は、特別制御から通常制御へ切り替える際、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度の1/2(2分の1)まで目標回転速度を徐々に低くするように、第1モータ41を制御する。すなわち、第1マイコン71は、第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を今よりも減らすとともに、徐々に減らすように制御する。
なお、第1及び第2マイコン71,73は、特別制御から通常制御へ切り替える際、第1及び第2電流値Im1,Im2の変化量、すなわち変化過程の傾きが同一となるように制御する。
次に、本実施形態の油圧パワーステアリング装置1の作用を説明する。
図6に示すように、合計電流値Imが閾値βを下回ると、第2電動ポンプ23では目標回転速度を「0」から徐々に高めるので、第2モータ44の回転速度が徐々に上昇するとともに、第2電流値Im2が徐々に高まるように推移する。一方、合計電流値Imが閾値βを下回ると、第1電動ポンプ22では目標回転速度を1/2まで低くするので、第1モータ41の回転速度が徐々に下降するとともに、第1電流値Im1が徐々に1/2付近まで低くなるように推移する。
このため、特別制御から通常制御へ切り替える際には、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を徐々に増やすので、電動ポンプの駆動に関わる駆動電力の急激な上昇を抑えることができる。さらに、第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量については徐々に減らすので、作動油の流量の合計の急激な増加を抑えることができ、操舵アシストの要求に応じた流量の作動油を供給することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)、(2)、(4)の効果に加え、以下に示す効果を奏することができる。
(5)特別制御から通常制御へ切り替える際、電動ポンプの駆動に関わる駆動電力の急激な上昇を抑えるとともに、作動油の流量の合計の急激な増加を抑えることができる。これにより、車両の他のシステムへ与える影響を最小限に抑えることができるとともに、アシスト力が不安定となることを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、油圧パワーステアリング装置の第3実施形態を説明する。なお、本実施形態と上記第2実施形態との主たる相違点は、特別制御から通常制御へ切り替える際の第1及び第2モータ41,44の回転速度の変化のさせ方のみである。このため、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
本実施形態における特別制御から通常制御へ切り替える際の制御内容について詳しく説明する。
第2マイコン73は、特別制御から通常制御へ切り替える際、第1マイコン71が目標回転速度を徐々に低くする制御の開始後、時間ts経過すると、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度の1/2(2分の1)まで目標回転速度を徐々に高めるように、停止している第2モータ44の駆動を再開させる。すなわち、第2マイコン73は、第1マイコン71が第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を今よりも減らし始めてから時間ts遅らせて、第2電動ポンプ23の駆動を再開させ、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を今よりも増やすとともに、徐々に増やすように制御する。
ちなみに、時間tsは、第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を減らしていく間で、合計電流値Imが低くなり過ぎることで、作動油の流量の合計が減り過ぎない時間として経験的に導かれる時間、例えば、100msに設定されている。
次に、本実施形態の油圧パワーステアリング装置1の作用を説明する。
図7に示すように、合計電流値Imが閾値βを下回ると、時間tsの間、第2電動ポンプ23の停止が維持される。続いて、時間tsが経過して時点t2から、第2電動ポンプ23では目標回転速度を「0」から徐々に高めるので、第2モータ44の回転速度が徐々に上昇するとともに、第2電流値Im2が第1電流値Im1の低下に遅れて徐々に高まるように推移する。
なお、第2電動ポンプ23の停止が維持される時間tsの間、第1電流値Im1の減少分、合計電流値Imが減少するので、合計電流値Imは、閾値βからさらに低下する。その後、第2電流値Im2が高まっていく途中、第1電流値Im1の減少分、第2電流値Im2が増加するので、合計電流値Imは、時点t2時の電流値(閾値β付近の値)に維持される。
このため、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を増やすのを遅らせている間、第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を減らす分、電動ポンプの駆動に関わって確保しなければいけない駆動電力の上昇を抑えて、さらに低下させることができる。このように確保しなければいけない駆動電力を一旦、減らした後、第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を増やすことで、駆動電力の確保に余裕を持つことができる。
駆動電力は、車両で発生させる電力から割り当てるので、電動ポンプばかりに割り当ててしまうと、例えば、電装部品に関わるシステム等の車両の他のシステムへの割り当てが不安定になってしまう。そのため、電動ポンプの駆動に関わって確保しなければいけない駆動電力の上昇を抑えて、さらに低下させることで、車両の他のシステムへ与える影響を最小限に抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記各実施形態の(1)、(2)、(4)、(5)の効果に加え、以下に示す効果を奏することができる。
(6)特別制御から通常制御へ切り替える際、駆動電力の確保に余裕を持つことができる。
(7)特別制御から通常制御へ切り替える際、電動ポンプの駆動に関わって確保しなければいけない駆動電力の上昇を抑えて、さらに低下させることで、車両の他のシステムへ与える影響を最小限に抑えることができる。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・特別制御中、第2電動ポンプ23では第2モータ44を停止させるようにしたが、停止させなくても合計電流値Imが第2制限値α2を超えると、供給する作動油の流量が減るようになっていればよい。また、特別制御から通常制御へ切り替える際、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を増やすことが可能になっていればよい。
・電動ポンプの駆動に関わるパラメータとしては、電流値以外を用いることもでき、例えば、駆動電力に関わる電圧を用いてもよいし、供給油路55を流れる作動油の流量を用いてもよい。作動油の流量を用いる場合には、供給油路55内に流量センサを設けて、その検出値を用いるようにすればよい。
・閾値βは、第2制限値α2を超えない範囲で変更してもよく、例えば、第2制限値α2と同値に定めてもよい。
・第1実施形態について、特別制御から通常制御へ切り替える際、第1及び第2電動ポンプ22,23では、5段階等の複数段階に亘ってステップ的に目標回転速度を変化するようにしてもよい。
・第1実施形態について、特別制御から通常制御へ切り替える際、第2電動ポンプ23で第2モータ44の駆動の再開を確認した後、第1電動ポンプ22で特別制御から通常制御へ切り替えに関わる制御が行われるようにしてもよい。
・第2及び第3実施形態について、特別制御から通常制御へ切り替える際に目標回転速度を徐々に変化させる際の第1及び第2電流値Im1,Im2の変化過程は、線形ではなく非線形となるように制御することもできる。
・第3実施形態について、特別制御から通常制御へ切り替える際に目標回転速度を徐々に変化させる際の第1及び第2電流値Im1,Im2の変化過程は、第1電流値Im1の変化量が第2電流値Im2の変化量よりも大きくなるように制御することもできる。これによっては、時点t1から時間ts遅らせることなく第2電流値Im2を高めていくことを可能にする。
・第1及び第2マイコン71,73は、それぞれで異なるマップを用いて目標回転速度を演算することもできる。例えば、第1電動ポンプ22については、供給する作動油の流量を第2電動ポンプ23よりも増やすことができる。この場合には、こういった第1電動ポンプ22を第2の電動ポンプとして機能させる一方、第2電動ポンプ23を第1の電動ポンプとして機能させればよい。また、第1及び第2マイコン71,73は、マップに代えて関数(数式等の演算式)を用いて目標回転速度を演算することもできる。また、この場合には、特別制御から通常制御へ切り替える際、閾値βを下回った時の第1モータ41の目標回転速度を基準として異なる目標回転速度に変化させることもできる。
・油圧シリンダ21の油圧源として第1及び第2電動ポンプ22,23の2つを設けたが、3つ以上の電動ポンプを設けてもよい。この場合には、制御状態を切り替える際、作動油の流量を増やすように制御する電動ポンプと作動油の流量を減らすように制御する電動ポンプに単数又は複数ずつ振分けるようにすればよい。
・第1及び第2電動ポンプ22,23が、それぞれ第1及び第2ECU43,46を有する構成としたが、これに限らず、1つのECUで第1及び第2モータ41,44の駆動を制御してもよい。
1…油圧パワーステアリング装置、2…ステアリングホイール、21…油圧シリンダ、22…第1電動ポンプ、23…第2電動ポンプ、41…第1モータ、42…第1ポンプ、43…第1ECU、44…第2モータ、45…第2ポンプ、46…第2ECU、71…第1マイコン、73…第2マイコン、Im…合計電流値、Im1…第1電流値、Im2…第2電流値。

Claims (6)

  1. 操舵アシストの要求に応じてアシスト力を付与するのに用いる油圧アクチュエータの油圧源として、モータ駆動により前記油圧アクチュエータへ流れる作動油の流量を変化させて油圧を発生させる電動ポンプを複数備えた油圧パワーステアリング装置において、
    前記電動ポンプの駆動に関わるパラメータが予め定めた制限値を超える場合、第1の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を減らすように制限する一方、該減らした分の流量を補うように第2の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を増やすように制限する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記パラメータが前記制限値を超えた後、前記パラメータに基づき前記制限を解除する際、前記第1の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を増やす場合、前記第2の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を減らすように制御することを特徴とする油圧パワーステアリング装置。
  2. 前記制御装置は、前記パラメータが前記制限値を超える場合、前記第1の電動ポンプの駆動を停止させ、前記パラメータが前記制限値を超えた後、前記パラメータに基づき前記制限を解除する際、前記第1の電動ポンプの駆動を再開させる請求項1に記載の油圧パワーステアリング装置。
  3. 前記制御装置は、前記パラメータに基づき前記制限を解除する際、前記第1の電動ポンプ及び前記第2の電動ポンプから供給する作動油の流量を徐々に変化させる請求項1又は請求項2に記載の油圧パワーステアリング装置。
  4. 前記制御装置は、前記パラメータに基づき前記制限を解除する際、前記第2の電動ポンプから供給する作動油の流量の変化量が前記第1の電動ポンプから供給する作動油の流量の変化量よりも大きくなるように変化させる請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の油圧パワーステアリング装置。
  5. 前記制御装置は、前記パラメータに基づき前記制限を解除する際、前記第2の電動ポンプから供給する作動油の流量を減らすのに遅らせて前記第1の電動ポンプから供給する作動油の流量を増やすように変化させる請求項4に記載の油圧パワーステアリング装置。
  6. 前記制御装置は、前記第1の電動ポンプの駆動を制御する第1の制御部と、前記第2の電動ポンプの駆動を制御する第2の制御部とを備え、
    前記第1の制御部及び前記第2の制御部は、前記パラメータとして前記第1の電動ポンプ及び前記第2の電動ポンプの各モータに流れる合計電流値が前記制限値を超えない通常制御時、同一マップを用いて前記モータ駆動を制御する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の油圧パワーステアリング装置。
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