JP2005096555A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フット口から吹き出す調和空気の温度をベント口やデフロスタ口から吹き出す調和空気の温度よりも高くするようにした車両用空気調和装置において、吹出モードにより冷風と温風とが十分に混合しなくなるのを回避し、かつコストの高騰を招くことなく、フット口から吹き出す調和空気の温度が相対的に高くなり過ぎるのを防止する。
【解決手段】 デフロスタ口12及びベント口13に接続される第1通路31と、フット口14に接続される第2通路32とをエアミックス空間29に連通させる。第1及び第2通路31、32を切り替えるロータリドア35を設ける。ロータリドア35が第1及び第2通路31、32を切り替える途中にあるときに、閉止壁部36とケーシング側シール部50との間に隙間52を生じさせる。エアミックス空間29から第2通路32に流入した調和空気を隙間52を介してエアミックス空間29の第1通路31側へ流すように構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車室内の複数箇所に選択的に調和空気を吹き出させるようにした車両用空気調和装置に関する。
従来より、自動車に搭載される車両用空気調和装置は、特許文献1に開示されているように、熱交換器を収容したケーシングの空気導入口から該ケーシング内部の空気通路に導入した空気を前記熱交換器により調和空気とした後、該調和空気をフロントガラス内面へ向けて吹き出させるデフロスタ口、乗員の顔や胸に向けて吹き出させるベント口及び乗員の足下に向けて吹き出させるフット口のうち少なくとも1つから吹き出させるように構成されている。
前記車両用空気調和装置では、冷却用熱交換器が配設された冷風通路と、加熱用熱交換器が配設された温風通路とをエアミックス空間に連通させて、両通路からの空気をエアミックス空間において混合させることにより調和空気を生成している。このエアミックス空間の温風通路から離れた箇所には、デフロスタ口及びベント口に接続される第1通路の上流端が連通し、また、エアミックス空間の温風通路に近接した箇所には、フット口に接続される第2通路の上流端が連通している。
このように第2通路の上流端を温風通路に近接させることにより、調和空気をデフロスタ口及びフット口から吹き出させるデフフットモードや、ベント口及びフット口から吹き出させるバイレベルモードのときに、フット口から吹き出す調和空気の温度が相対的に高くなり、乗員が足下に冷たさを感じるのを防止できて快適性を向上させることができる。
また、特許文献1の車両用空気調和装置では、デフフットモードやバイレベルモードのときにエアミックス空間で冷風と温風とを十分に混合させるように作用するドアを備えている。前記エアミックス空間は仕切壁により冷風導入側通路と温風導入側通路とに仕切られ、前記ドアが冷風導入側通路を開閉するように配設されている。そして、デフフットモードやバイレベルモードのときにのみ、前記ドアにより冷風導入側通路を閉じることで、冷風が温風導入側通路へ流れて温風と十分に混合するようにしている。これにより、ケーシングに導入した空気量が多い場合でも冷風と温風とを十分に混合させることができるので、温風通路に近接した第2通路へ温風が多量に流入するようになるのを回避して、フット口から吹き出す調和空気の温度が相対的に高くなり過ぎないようにし、乗員が違和感を感じるのを防止できる。
特開平11−227442公報(第3頁、第4頁、図2、図3)
ところが、前記特許文献1の車両用空気調和装置においては、エアミックス空間を仕切壁により冷風導入側通路と温風導入側通路とに仕切るようにしているので、デフフットモードやバイレベルモード以外の吹出モードで冷風導入側通路のドアを開いたときには、冷風と温風とが各々の通路をそれぞれ流れることとなって、冷風と温風とが十分に混合しなくなることが考えられる。
また、前記特許文献1のものでは、冷風導入側通路を開閉するためのドアが必要となり、これに伴って、ドアを開閉するためのアクチュエータや、該アクチュエータとドアとを連結するリンク部材が必要になり、部品点数が増加して空気調和装置のコストが高騰する。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フット口から吹き出す調和空気の温度を他の空気吹出口から吹き出す調和空気の温度よりも高くする場合に、吹出モードにより冷風と温風とが十分に混合しなくなるのを回避し、かつ空気調和装置のコストの高騰を招くことなく、フット口から吹き出す調和空気の温度が相対的に高くなり過ぎるのを防止することにある。
前記目的を達成するために、本発明では、デフロスタ口及びベント口の少なくとも一方に接続される第1通路と、フット口に接続される第2通路とをロータリドアにより切り替えるようにし、ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にあるときに、第2通路に流入した調和空気をエアミックス空間へ流すようにした。
具体的には、空気導入口と、デフロスタ口、ベント口及びフット口を含む複数の空気吹出口とが形成されたケーシング内部に、前記空気導入口から空気吹出口まで延びる空気通路を設け、該空気通路は、冷却用熱交換器が配設された冷風通路と、加熱用熱交換器が配設された温風通路と、前記冷風及び温風通路の下流端が連通し両通路から導入した空気を混合させ調和空気を生成するエアミックス空間と、上流端が前記エアミックス空間に連通して下流端が前記デフロスタ口及びベント口の少なくとも一方に接続される第1通路と、上流端が前記エアミックス空間における第1通路連通箇所よりも温風通路に近い側に連通して下流端が前記フット口に接続される第2通路とを備え、前記エアミックス空間には、第1及び第2通路を切り替えるロータリドアを回動可能に設け、該ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にあるときに、前記エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気をエアミックス空間の第1通路側へ流すように構成する。
この構成によれば、空気導入口からケーシング内部に導入された空気は、冷風通路の冷却用熱交換器により冷風とされ、また、温風通路の加熱用熱交換器により温風とされる。これら冷風及び温風は、エアミックス空間に流入して混合されて調和空気となる。
そして、ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中まで回動すると、これら第1及び第2通路へエアミックス空間の調和空気がそれぞれ流入する。このとき、第2通路へはエアミックス空間の温風通路に近い側を流れている温度が比較的高い調和空気が流入する。これにより、フット吹出口から吹き出す調和空気の温度がデフロスタ口やベント口から吹き出す調和空気の温度よりも高くなる。
また、前記ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にあるときには、エアミックス空間から第2通路に流入した調和空気がエアミックス空間の第1通路側に流れる。このエアミックス空間に流れた調和空気は前記のように温度が比較的高いため、この調和空気とエアミックス空間の第1通路側の調和空気とが混合すると該第1通路側の調和空気は温度が高まり、この調和空気が第1通路へ流入してデフロスタ口やベント口から吹き出す。これにより、デフロスタ口やベント口から吹き出す調和空気の温度と、フット口から吹き出す調和空気の温度との差を適切な範囲に収めることが可能となり、従来例のように、エアミックス空間を冷風導入側通路と温風導入側通路とに仕切って冷風導入側通路を開閉するドアを設けなくても、フット口から吹き出す調和空気の温度が相対的に高くなり過ぎることはない。また、そのようにエアミックス空間を2つの通路に仕切らなくてもよいので、デフロスタ口やベント口のみから調和空気を吹き出させる吹出モードのときに、エアミックス空間において冷風と温負とが十分に混合するようになる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、第1通路の下流端をデフロスタ口及びベント口に接続し、前記第1通路にはデフロスタ口及びベント口を選択的に開閉する切替ドアを設け、ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にありかつ前記切替ドアがデフロスタ口を開くデフフットモードと、前記ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にありかつ前記切替ドアによりベント口を開くバイレベルモードとのうち一方の吹出モードのときに、エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気をエアミックス空間の第1通路側へ流すように構成する。
この構成によれば、デフフットモード及びバイレベルモードの一方の吹出モードのときに、エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気がエアミックス空間の第1通路側へ流れるので、第1通路へ流入する調和空気の温度が高まる。また、他方の吹出モードのときに第2通路の調和空気をエアミックス空間へ流さないようにすることで、第1通路へ流入する調和空気の温度が高まることはない。つまり、デフフットモードのときにデフロスタ口及びフット口から吹き出す調和空気の温度差と、バイレベルモードのときにベント口及びフット口から吹き出す調和空気の温度差とを変えることが可能となる。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、吹出モードがデフフットモードのときに、エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気をエアミックス空間の第1通路側へ流すように構成する。
この構成によれば、デフフットモードのときには、エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気がエアミックス空間の第1通路側に流れて、第1通路へ流入する調和空気の温度が高まり、デフロスタ口から吹き出す調和空気の温度がフロントガラスの曇りを晴らすのに十分な温度となる。一方、バイレベルモードのときには、第2通路の調和空気をエアミックス空間に流さないようにすることで、第1通路へ流入する調和空気の温度が高くならず、乗員の顔や胸へ向けて温度が低めの調和空気が吹き出すようになる。
請求項1の発明によれば、デフロスタ口及びベント口の少なくとも一方に接続される第1通路をエアミックス空間に連通させ、このエアミックス空間の温風通路に近い側にフット口に接続される第2通路を連通させたので、フット口から吹き出す調和空気の温度を相対的に高くできて、快適性を向上させることができる。そして、ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にあるときに、第2通路の調和空気をエアミックス空間の第1通路側へ流すようにしたので、エアミックス空間における第1通路側の調和空気の温度が高まり、この調和空気が第1通路へ流入してデフロスタ口やベント口から吹き出すようになり、よって、従来例のように、エアミックス空間を2つの通路に仕切ってドアを設けなくても、フット口から吹き出す調和空気の温度が相対的に高くなり過ぎることはなく、乗員が違和感を感じるのを防止できる。これにより、ドアを設けなくてもよくなった分、部品点数を削減できるので、空気調和装置のコストを低減でき、また、前記のようにエアミックス空間を2つに仕切らなくてもよいので、吹出モードにより冷風と温風とが十分に混合しなくなるのを回避できる。
請求項2の発明によれば、デフフットモードとバイレベルモードとの一方の吹出モードのときには、第2通路の調和空気がエアミックス空間へ流れるので、第1通路へ流入する調和空気の温度が高まり、また、他方の吹出モードのときには、第2通路の調和空気がエアミックス空間へ流れないので、第1通路へ流入する調和空気の温度が高まることはない。これにより、デフフットモードのときにデフロスタ口及びフット口から吹き出す調和空気の温度差と、バイレベルモードのときにベント口及びフット口から吹き出す調和空気の温度差とを変えることができて、細やかな空調制御を行うことができる。
請求項3の発明によれば、デフフットモードのときには、デフロスタ口から吹き出す調和空気の温度が高まってフロントウインドの曇りを十分に晴らすことができ、また、バイレベルモードのときには、ベント口から乗員の顔や胸に向けて吹き出す調和空気の温度が高くならず、快適性をより向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、「前」とは車両の前側を、また、「後」とは車両の後側を、さらに、「左」とは車両の左側を、さらにまた、「右」とは車両の右側をそれぞれ表すこととしている。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用空気調和装置1を示し、この車両用空気調和装置1は、図示しないが自動車のインストルメントパネル内の左右方向中央部に配設されている。
前記空気調和装置1は、樹脂製の左側ケース構成部材(図示せず)及び右側ケース構成部材2を組み合わせてなるケーシング3を備えている。このケーシング3の上半部前側には、送風ファン5を収容するファンハウジング7が他の部分と一体に形成されている。送風ファン5からの空気は、ケーシング3内部の前端側を下方へ流れて、該ケーシング3の下半部に収容された冷却用熱交換器としてのエバポレータ10と、加熱用熱交換器としてのヒータコア11とを通過して調和空気とされた後、ケーシング3の後側に形成されたデフロスタ口12、ベント口13及びフット口14から車室に供給されるようになっている。
前記ファンハウジング7は、左右方向に延びる中心線を有する円筒状をなし、このファンハウジング7の中央部分に、送風ファン5を構成するシロッコファンがその回転軸を左右方向に向けた状態で収容されている。ファンハウジング7の送風ファン5周りには、該送風ファン5から吹き出した空気の流れが集合する空気流出通路17が形成され、この空気流出通路17の下流端は、ファンハウジング7の下側で開口している。また、ファンハウジング7の左側壁には、前記送風ファン5を駆動するためのモータ(図示せず)の取付口18が形成されている。モータ取付口18には、モータが左右方向に延びる出力軸をファンハウジング7内に臨ませて気密状に取り付けられている。このモータの出力軸に前記送風ファン5が回転一体に取り付けられている。
前記ファンハウジング7の右側壁には吸込口19が形成され、該吸込口19には、図示しないインテークボックスが接続されている。このインテークボックスには、車室外の空気を導入する外気導入口と、車室内の空気を導入する内気導入口とが形成されている。これら外気導入口及び内気導入口は、インテークボックス内部に配設された内外気切替ドアにより開閉されるようになっている。
ケーシング3内部の下半部前端側には、前記空気流出通路17の下流端に接続されて下側へ向かって斜め後方に延びる冷風通路20が形成されている。該冷風通路20は送風ファン5からの空気を冷却して冷風とする通路であり、この冷風通路20には、前記エバポレータ10が該冷風通路20を横切るように配置されて収容されている。エバポレータ10は、冷凍サイクルの冷媒蒸発工程を行うもので、矩形板状に形成されて略鉛直方向に沿うように縦置きに配置されている。このエバポレータ10は、図示しないが、チューブと伝熱フィンとを交互に並べて一体化したチューブアンドフィンタイプの熱交換器で、チューブの両端にはクーラ配管が接続されている。そして、図外のコンプレッサにより圧縮されたガス冷媒を冷却して液冷媒にし、その液冷媒を減圧機構で減圧した後に、前記クーラ配管を介してエバポレータ10に流入させて蒸発させ、その蒸発潜熱により空気が冷却されるようになっている。尚、エバポレータ10での液冷媒の蒸発がなくて蒸発潜熱が発生しない状態では、エバポレータ10を通過した空気は冷却されないこととなるが、この実施形態では、その場合もエバポレータ10を通過した空気を冷風とする。
前記エバポレータ10下流側の冷風通路20には、温風通路21の上流端が連通しており、該温風通路21は冷風通路20からの冷風を加熱して温風とする通路である。この温風通路21の上流端と前記冷風通路20との間には、両通路21、20を仕切るようにケーシング3の底壁から上方へ延びる縦壁23が形成されている。この縦壁23の上半部には、前記温風通路21の上流端開口をなす第1開口部24が形成されている。また、第1開口部24の直上方には、前記縦壁23上端から前記エバポレータ10の下流側上端近傍に亘るように第2開口部25が形成されており、この第2開口部25が冷風通路20の下流端開口をなしている。
前記縦壁23の上端近傍には、前記第1開口部24及び第2開口部25を選択的に開閉する板状の温調ドア27が配置され、該温調ドア27は、左右方向に延びる支軸27aによりケーシング3に支持されている。この温調ドア27は、図示しないがアクチュエータにより駆動されるようになっており、温調ドア27を下方へ回動させて第2開口部25を全開とすると第1開口部24が全閉になる一方、図4(a)に示すように、温調ドア27を上方へ回動させて第1開口部24を全開とすると第2開口部25が全閉になる。また、図4(b)に示すように、温調ドア27を前記第1開口部24と第2開口部25との中間位置まで回動させると、第1開口部24と第2開口部25との両方が開いた状態となり、このときの温調ドア27の回動角度により両開口部24、25を通過する冷風の量が変化するようになっている。
温風通路21の縦壁23近傍には、前記ヒータコア11が、その上側へ行くほど後方に位置する傾斜状態でかつ温風通路21を横切るように配置されて収容されている。図示しないが、このヒータコア11も前記エバポレータ10と同様のチューブアンドフィンタイプの熱交換器であり、チューブの両端はヒータ配管を介して車載エンジンの冷却水通路に接続されており、エンジンの冷却により昇温した冷却水をヒータコアに流すことにより、冷風通路20からの冷風がヒータコア11を通過して加熱されるようになっている。尚、ヒータコア11のチューブに高温度の冷却水が流れていないときには、ヒータコア11を通過した空気は昇温されないこととなるが、この実施形態では、その場合もヒータコア11を通過した空気を温風とする。
前記第2開口部25の上方には、冷風通路20の下流端と温風通路21の下流端とが連通するエアミックス空間29が形成されている。このエアミックス空間29において冷風通路20の冷風及び温風通路21の温風を混合して調和空気を生成している。すなわち、温調ドア27の回動角度による第1開口部24及び第2開口部25への冷風の分配量に応じて、エアミックス空間29へ流入する冷風量及び温風量が変化して調和空気の温度が変化するようになっている。尚、温調ドア27の回動角度により、エアミックス空間29に冷風のみが流入して温風と混合されない場合や、エアミックス空間29に温風のみが流入して冷風と混合されない場合があるが、この実施形態では、これらの場合も調和空気とする。
また、前記ケーシング3の後側には、大略上下方向に延びるダクト30が他の部分と一体に形成されている。ダクト30の上端部は、ファンハウジング7の上端部と略同じ高さまで延び、このダクト30の上端部には、前側にデフロスタ口12が形成されその後側に近接してベント口13が形成されている。前記デフロスタ口12は、デフロスタダクト(図示せず)を介してインストルメントパネルのフロントウインド下端近傍に開口するデフロスタノズルに接続されている。また、インストルメントパネルには、乗員の顔や胸に向けて調和空気を吹き出させる複数のベントノズルが開口しており、ケーシング3のベント口13は、ベントダクト(図示せず)を介して各ベントノズルに接続されている。また、ダクト30の下端部にはフット口14が形成され、このフット口14には前席乗員の足下及び後席乗員の足下まで延びるフットダクト(図示せず)が接続されるようになっている。
ダクト30内の上半部には、上流端がエアミックス空間29の上部に連通し下流端が前記デフロスタ口12及びベント口13にそれぞれ接続される第1通路31が形成されている。この第1通路31の上流端は、下方に開口するとともに第2開口部25と対向するように位置付けられている。
また、ダクト30内の下半部には、上流端がエアミックス空間29の後部に連通し下流端が前記フット口14に接続される第2通路32が形成されている。この第2通路32の上流端は、前方に開口するとともに、前記温風通路21の下流端開口及び第1通路31の上流端開口の間で両開口に近接して位置付けられており、これら温風通路21の下流端開口、第2通路32の上流端開口及び第1通路31の上流端開口は並んでいる。
第2通路32は、上流端開口から後方へ下降傾斜して延びた後、略鉛直下向きに屈曲して延びている。第2通路32と温風通路21の下流側とは、ケーシング3に一体に形成された仕切壁51により仕切られている。該仕切壁51は、後側へ行くほど下側に位置するように下方へ湾曲形成され、この仕切壁51の前端部は、後述のロータリドアのシール材が当接するように略平坦に形成されている。また、ケーシング3内壁における第1通路31の上流端開口と第2通路32の上流端開口との間には、ロータリドアのシール材が当接するケーシング側シール部50が、前方へ下降傾斜して突出する板状に形成されている。このケーシング側シール部50も前記仕切壁51の前端部と同様に略平坦に形成されている。
前記エアミックス空間29には、前記第1通路31の上流端開口及び第2通路32の上流端開口を選択的に開閉することにより、第1通路31及び第2通路32を切り替えるロータリドア35が配設されている。該ロータリドア35は、図2及び図3に示すように、第1通路31及び第2通路32の上流端開口が並ぶ方向に回動する閉止壁部36と、該閉止壁部36の回動軸方向である左右方向両端にそれぞれ連なる三角形状の端壁部37とを備えている。閉止壁部36は、回動軸と略平行に延びる矩形の平板状をなし、また、左側及び右側端壁部37、37は閉止壁部36に対し略垂直に延びている。左側端壁部37には、支持軸38が左外方へ突出するように形成され、また、右側端壁部37には同様な支持軸38が右外方へ突出するように形成されており、これら左側及び右側の支持軸38、38は同軸上に位置付けられている。該左側及び右側支持軸38、38は、ケーシング3の左側壁及び右側壁に形成された貫通孔(図示せず)にそれぞれ挿通されて該貫通孔に支持されている。一方の支持軸38には、リンク機構を介してアクチュエータ(共に図示せず)が連結され、このアクチュエータによりロータリドア35が支持軸38周りに回動するようになっている。
前記閉止壁部36及び端壁部37の回動方向両縁部には、左側端壁部37から閉止壁部36、右側端壁部37に連なるフランジ39がそれぞれ形成されている。このフランジ39の両面には、発泡樹脂製のシール材40がそれぞれ貼り付けられ、これらフランジ39及びシール材40によりロータリドア35のシール部42が構成されている。
そして、図5(b)に示すように、ロータリドア35を前側へ回動させて第2通路32の上流端開口を全開にすると、第1通路31の上流端開口はその前端側が僅かに開いた状態となり、この状態で、ロータリドア35の後側に位置しているシール材40が、ケーシング側シール部50の下面に当接するようになっている。
一方、図1に示すように、ロータリドア35を後側へ回動させて第1通路31の上流端開口を全開にすると第2通路32の上流端開口が全閉になる。この状態で、ロータリドア35の上側に位置しているシール材40が前記ケーシング側シール部50の上面に当接するとともに、ロータリドア35の下側に位置しているシール材40が仕切壁51の前端部に当接する。
また、図4(b)及び図5(a)に示すように、ロータリドア35を、前記第1通路31と第2通路32とを切り替える途中まで回動させた状態では、このロータリドア35の回動位置により両通路31、32への調和空気の分配量が変化する。また、閉止壁部36が平板状に形成されていて回動軌跡に沿った円弧形状でないため、ロータリドア35が前記第1通路31と第2通路32とを切り替える途中にあるときには、閉止壁部36とケーシング側シール部50との間に、第2通路32とエアミックス空間29の第1通路31側とを連通させる隙間52が生じることとなる。
また、第1通路31の下流側におけるデフロスタ口12の下側及びベント口13の下側には、デフベント切替ドア55により開閉されるデフロスタ側開口部56及びベント側開口部57がそれぞれ形成されている。前記デフベント切替ドア55は、前記温調ドア27と同様に板状に形成されて左右方向に延びる支軸55aによりケーシング3に支持されている。このデフベント切替ドア55は、前記ロータリドア35とリンク機構を介して連動するようになっていて、共通のアクチュエータにより駆動される。図1に示すように、デフベント切替ドア55を前側へ回動させてデフロスタ側開口部56を全閉にするとベント側開口部57が全開となる一方、図4に示すように、デフベント切替ドア55を後側へ回動させてベント側開口部57を全閉にするとデフロスタ側開口部56が全開となる。
つまり、この実施形態の車両用空気調和装置1では、空気流出通路17、冷風通路20、温風通路21、エアミックス空間29、第1通路31及び第2通路32から空気通路Rが構成されており、空気導入口を構成するファンハウジング7の吸込口19と、空気吹出口を構成するデフロスタ口12、ベント口13及びフット口14とが前記空気通路Rに連通している。
尚、図示しないが、温調ドア27のアクチュエータと、ロータリドア35及びデフベント切替ドア55のアクチュエータとは、空調制御部により制御されるようになっている。この空調制御部には、車室に配設された空調操作スイッチ接続されていて、乗員が操作スイッチにより選択した吹出モードに応じて各アクチュエータが作動するようになっている。
次に、乗員により各吹出モードが選択された場合について説明する。図1は、調和空気をインストルメントパネルのベントノズルへのみ供給するベントモードが選択された場合を示す。このベントモードでは、ロータリドア35は第2通路32を全閉にするまで回動し、また、デフベント切替ドア55はデフロスタ側開口部56を全閉にするまで回動し、さらに、温調ドア27は第1開口部24を全閉にするまで回動していて、エアミックス空間29には冷風のみが流入する。そして、エアミックス空間29から第1通路31に流入した調和空気は、ベント口13及びベントダクトを介して各ベントノズルから乗員の顔や胸に吹き出す。
図4(a)は、調和空気をインストルメントパネルのデフロスタノズルへのみ供給するデフロスタモードが選択された場合を示す。このデフロスタモードでは、ロータリドア35は、前記ベントモードと同様に第2通路32を全閉にするまで回動し、また、デフベント切替ドア55は、ベント側開口部57を全閉にするまで回動し、さらに温調ドア27は第2開口部25を全閉にするまで回動していて、エアミックス空間29には温風のみが流入する。そして、エアミックス空間29から第1通路31に流入した調和空気は、デフロスタ口12及びデフロスタダクトを介してデフロスタノズルからフロントウインド内面に吹き出す。
前記ベントモード及びデフロスタモードのときには、ロータリドア35の閉止壁部36が第2通路32の上流端開口を閉じる位置まで回動しているため、エアミックス空間29の中央部にはロータリドア35の閉止壁部36が位置しておらず、冷風通路20からエアミックス空間29に流入した冷風は第1通路31へスムーズに流れる。また、これらモードのときに、温調ドア27を第1開口部24と第2開口部25との中間位置まで回動させて、エアミックス空間29に冷風と温風とを流入させる際には、前記の如くエアミックス空間29に閉止壁部36が位置していないので、冷風と温風とを十分に混合させること可能となる。
図4(b)は、調和空気をインストルメントパネルのデフロスタノズル及びフットダクトへ供給するデフフットモードが選択された場合を示す。このデフフットモードでは、ロータリドア35は、第1通路31と第2通路32とを切り替える途中の回動位置まで回動しており、ロータリドア35の閉止壁部36とケーシング側シール部50との間には隙間52が形成されている。また、デフベント切替ドア55はベント側開口部57を全閉にするまで回動し、さらに、温調ドア27は第1開口部24と第2開口部25との中間位置まで回動している。
このデフフットモードでは、冷風通路20からの一部の冷風が温風通路21に流入して温風とされ、この温風通路21の温風と前記冷風通路20の残りの冷風とがエアミックス空間29に流入して混合されて調和空気が生成される。このエアミックス空間29の調和空気の約半分は、主にエアミックス空間29の前側から第1通路31に流入し、残りはロータリドア35の閉止壁部36の下側から第2通路32へ流入する。この際、第2通路32の上流端は温風通路21の下流端に近接しているので、第2通路32に流入する調和空気は、第1通路31へ流入する調和空気よりも温度が高くなる。
また、このモードでは、エアミックス空間29から第2通路32へ流入した調和空気が前記隙間52を介してエアミックス空間29の第1通路31側へ流れるようになる。このエアミックス空間29へ流れた第2通路32の調和空気は前記の如く温度が比較的高いため、前記エアミックス空間29の第1通路31側の調和空気と混合すると、該第1通路31側の調和空気の温度は上昇し、この調和空気が第1通路31へ流入する。
そして、第1通路31へ流入した調和空気は、デフロスタ口12及びデフロスタダクトを介してデフロスタノズルからフロントウインド内面に向けて吹き出す。さらに、第2通路32へ流入した調和空気は、フット口14を介してフットダクトから乗員の足下に吹き出す。この際、第2通路32へ流入する調和空気の温度は、第1通路31へ流入する調和空気の温度よりも高いので、乗員が足下に冷たさを感じることはない。また、第2通路32の調和空気をエアミックス空間29の調和空気と混合させてから第1通路31へ流入させるようにしているので、デフロスタノズルから吹き出す調和空気の温度と、フットダクトから吹き出す調和空気の温度の差が適切な範囲に収まる。さらに、前記のように第1通路31へ流入する調和空気の温度が高まるので、フロントウインド内面の曇りを素早く晴らすことが可能となる。
図5(a)は、調和空気をインストルメントパネルのベントノズル及びフットダクトへ供給するバイレベルモードが選択された場合を示す。このバイレベルモードでは、ロータリドア35は、前記デフフットモードと同様に第1通路31と第2通路32とを切り替える途中の回動位置まで回動しており、ロータリドア35の閉止壁部36とケーシング側シール部50との間には隙間52が形成されている。また、デフベント切替ドア55はデフロスタ側開口部56を全閉にするまで回動し、さらに、温調ドア27は第1開口部24と第2開口部25との中間位置まで回動している。
このバイレベルモードでは、前記デフフットモードと同様に、エアミックス空間29の調和空気の約半分が第1通路31へ流入し、残りが第2通路32へ流入する。この際、第2通路32へは温度が比較的高い調和空気が流入するようになる。
また、このモードでは、エアミックス空間29から第2通路32へ流入した調和空気が、前記隙間52を介してエアミックス空間29の第1通路31側へ流れて該第1通路31側の調和空気と混合し、このことで温度が上昇した調和空気が第1通路31へ流入する。
そして、第1通路31へ流入した調和空気は、ベント口13及びベントダクトを介してベントノズルから乗員の顔や胸に吹き出し、また、第2通路32へ流入した調和空気は、フット口14を介してフットダクトから乗員の足下に吹き出す。この際、第2通路32へ流入する調和空気の温度は比較的高いので、乗員が足下に冷たさを感じることはない。また、第2通路32の調和空気をエアミックス空間29に流すようにしているので、ベントノズルから吹き出す調和空気の温度と、フットダクトから吹き出す調和空気の温度の差が適切な範囲に収まる。
つまり、この実施形態では、前記デフフットモード及びバイレベルモードにおいて、ロータリドア35とケーシング側シール部50との隙間52から第2通路32の調和空気をエアミックス空間29へ流すことで、第1通路31及び第2通路32へ流入する調和空気の温度差が適正な範囲に収まる。これにより、例えば、仕切壁51をエアミックス空間29側へ延長して温風通路21の温風をエアミックス空間29の冷風導入側へ案内するようにして冷風と温風とを混合させるようにしなくてもよいので、ベントモードやデフロスタモードの場合に、仕切壁51が邪魔になるのが抑制され、調和空気を第1通路31へスムーズに流入させることができる。これにより、風量が十分に得られるとともに、低騒音化が図られる。
図5(b)は、殆どの調和空気をフットダクトへ供給し、残りの若干量をインストルメントパネルのデフロスタノズルへ供給するヒートモードが選択された場合を示す。このヒートモードでは、ロータリドア35は、閉止壁部36により第1通路31上流端開口の大部分を覆うまで回動している。また、デフベント切替ドア55は、ベント側開口部57を全閉にするまで回動し、さらに、温調ドア27は第2開口部25を全閉にするまで回動していて、エアミックス空間29には温風のみが流入する。
そして、エアミックス空間29の殆どの調和空気がフット口14を介してフットダクトから乗員の足下に吹き出す。また、エアミックス空間29の若干量の調和空気がデフロスタ口12及びデフロスタダクトを介してデフロスタノズルからフロントウインド内面に吹き出し、これにより、フロントウインド内面の曇りが防止される。尚、デフロスタノズルから吹き出す調和空気の量は、例えば、全体の約2割に設定されている。
したがって、この実施形態に係る車両用空気調和装置1においては、デフロスタ口12及びベント口13に接続される第1通路31の上流端をエアミックス空間29に連通させ、このエアミックス空間29の温風通路21に近接した部位にフット口14へ接続される第2通路32の上流端を連通させたので、デフフットモードやバイレベルモードのときに、フットダクトから吹き出す調和空気の温度を相対的に高くできて乗員が足下に冷たさを感じることはなく、快適性を向上させることができる。
また、デフフットモードやバイレベルモードのときに、エアミックス空間29から第2通路32へ流入した調和空気をエアミックス空間29の第1通路31側へ流すようにしたので、従来例のように、エアミックス空間を冷風導入側と温風導入側との2つの通路に仕切って冷風導入側通路を開閉するためのドアを設けなくても、デフロスタノズルやベントノズルから吹き出す調和空気の温度と、フットダクトから吹き出す調和空気の温度との差を適切な範囲に収めることができ、乗員が違和感を感じるのを防止できる。これにより、冷風導入側通路を開閉するためのドアを設けなくてもよくなった分、部品点数を削減できるので、空気調和装置1のコストを低減できる。また、そのようにエアミックス空間29が冷風導入側と温風導入側とに仕切られないので、ベントモードやデフロスタモードのときにエアミックス空間29において冷風と温風とを十分に混合させることができる。
尚、前記実施形態では、送風ファン5をエバポレータ10及びヒータコア11と同じケーシング3に収容するようにしているが、例えば、図6に示す変形例のように、ケーシング3にはエバポレータ10及びヒータコア11を収容する一方、送風ファンを別のケーシング(図示せず)に収容するように構成してもよい。これら2つのケーシング3はダクト(図示せず)を介して接続されている。右側ケース構成部材70の右側壁におけるエバポレータ10よりも前側には、前記送風ファンのケーシングに接続される空気導入口71が形成され、この空気導入口71は冷風通路20の上流端と連通している。
また、この変形例では、デフベント切替ドアの代わりに、デフロスタ側開口部56を開閉するデフロスタドア62と、ベント側開口部57を開閉するベントドア63とを設けている。これらデフロスタドア62及びベントドア63は、いわゆるバタフライタイプのものであり、左右方向に延びる支軸62a、63aによりケーシング3にそれぞれ支持され、図示しないリンク機構を介して連動するようになっている。そして、デフロスタドア62がデフロスタ側開口部56を全開にすると、ベントドア63がベント側開口部57を全閉にし、一方、デフロスタドア62がデフロスタ側開口部56を全閉にすると、ベントドア63がベント側開口部57を全開にする。
《発明の実施形態2》
図7は、本発明の実施形態2に係る車両用空気調和装置1であり、以下、実施形態1のものと同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分について詳細に説明する。すなわち、この実施形態2では、ロータリドア35の閉止壁部36を段差状に形成し、さらに、図7(a)に示すデフフットモードにある場合と、図7(b)に示すバイレベルモードにある場合とでロータリドア35の回動位置を異ならせている。
前記ロータリドア35の閉止壁部36の形状は、回動方向中央部よりも一側(図7の左側)が回動軸径方向外方に位置する一方、回動方向中央部よりも他側(図7の右側)が回動軸径方向内方に位置するように形成されている。そして、デフフットモードが選択されると、図7(a)に示すように、ロータリドア35は、閉止壁部36の回動方向他側がケーシング側シール部50に対向するまで回動され、閉止壁部36とケーシング側シール部50との間に隙間52が形成される。一方、図7(b)に示すように、バイレベルモードが選択されると、前記ロータリドア35は、閉止壁部36の回動方向一側がケーシング側シール部50に当接する回動位置まで回動される。また、この実施形態では、デフベント切替ドアの代わりに、前記実施形態1の変形例と同様に、デフロスタ側開口部56を開閉するデフロスタドア62と、ベント側開口部57を開閉するベントドア63とを設けている。
この実施形態によれば、デフフットモードのときには、前記実施形態1と同様に、エアミックス空間29から第2通路32へ流入した調和空気が隙間52からエアミックス空間29の第1通路31側へ流れて該第1通路31側の調和空気と混合し、温度が上昇した調和空気が第1通路31へ流入する。そして、第1通路31へ流入した調和空気はデフロスタノズルからフロントウインド内面へ吹き出し、また、第2通路32へ流入した調和空気はフットダクトから乗員の足下に吹き出す。この際、乗員が足下に冷たさを感じることはなく快適性を向上させることができるとともに、デフロスタダクトから吹き出す調和空気の温度と、フットダクトから吹き出す調和空気の温度との差を適切な範囲に収めることができて、乗員が違和感を感じるのを防止できる。これにより、実施形態1と同様に、部品点数を削減できて、空気調和装置1のコストを低減できるとともに、ベントモードやデフロスタモードにおいて冷風と温風とを十分に混合させることができる。
また、バイレベルモードのときには、ロータリドア35の閉止壁部36とケーシング側シール部50との間に隙間52が形成されないので、エアミックス空間29から第1通路31及び第2通路32へ流入した調和空気がそれぞれベントノズル及びフットダクトから吹き出す。その結果、ベントノズルから吹き出す調和空気の温度が高くならないので、乗員の顔や胸に向けて比較的冷たい風を供給しかつ足下に向けて比較的温かい風を供給でき、よって、頭寒足熱の空気調和を行うことができて、乗員の快適性をより向上させることができる。
つまり、この実施形態では、ロータリドア35を段差状に形成し、かつバイレベルモードとデフフットモードとでロータリドア35の回動位置を変えるという簡単な構成により、デフフットモードのときのデフロスタノズル及びフットダクトから吹き出す調和空気の温度差と、バイレベルモードのときのベントノズル及びフットダクトから吹き出す調和空気の温度差とを変えることが可能となる。これにより、空気調和装置1のコストの高騰を招くことなく、細やかな空調制御を行うことができる。
尚、前記実施形態1、2では、第1通路31の下流端にデフロスタ口12及びベント口13に接続するようにしているが、これに限らず、例えば、第1通路をデフロスタ口12にのみ接続してもよいし、また、ベント口13にのみ接続してもよい。
また、ロータリドア35の閉止壁部36の形状は、前記各実施形態のものに限られるものではなく、例えば、閉止壁部36の中央部分が回動軸側へ近づくように凹状に形成してもよい。
さらに、前記各実施形態では、温調ドア27、ロータリドア35及びデフベント切替ドア55をアクチュエータにより自動的に作動させているが、これに限らず、各ドア27、35、55は操作ワイヤにより手動で操作するように構成してもよい。すなわち、車室の空調操作パネルに操作レバーを配設し、この操作レバーと各ドア27、35、55のリンク機構とを操作ワイヤにより連結する。これにより、乗員の操作レバーの動きに連動して各ドア27、35、55が作動する。
さらにまた、例えば、絞り手段を第1通路31や第2通路32に設け、デフフットモードやバイレベルモードのときに第1通路31の通気抵抗が第2通路32の通気抵抗よりも大きくなるようにすることで、エアミックス空間29における第1通路31側の調和空気を隙間52から第2通路32へ流すようにしてもよい。このとき、エアミックス空間29における第1通路31側の調和空気は、第2通路32へ流れている調和空気よりも温度が低くなっているため、この比較的低温の調和空気が第2通路32へ流入することで、フットダクトから吹き出す調和空気の温度が下がることとなる。このようにすることで、デフロスタノズルやベントノズルから吹き出す調和空気の温度と、フットダクトから吹き出す調和空気の温度の差を適切な範囲に収めることができて、より緻密な空気調和を行うことができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用空気調和装置は、例えば自動車の空気調和装置として適している。
本発明の実施形態1に係る車両用空気調和装置がベントモードにある場合の縦断面図である。 ロータリドアを閉止壁部の外側から見た斜視図である。 シール材を省略したロータリドアを閉止壁部の内側から見た斜視図である。 (a)はデフロスタモードにある場合の図1相当図であり、(b)はデフフットモードにある場合の図1相当図である。 (a)はバイレベルモードにある場合の図1相当図であり、(b)はヒートモードにある場合の図1相当図である。 実施形態1の変形例に係る図1相当図である。 本発明の実施形態2に係り、(a)はデフフットモードにある場合の図1相当図であり、(b)はバイレベルモードにある場合の図1相当図である。
符号の説明
3 ケーシング
10 エバポレータ(冷却用熱交換器)
11 ヒータコア(加熱用熱交換器)
12 デフロスタ口
13 ベント口
14 フット口
19 吸込口(空気導入口)
20 冷風通路
21 温風通路
29 エアミックス空間
31 第1通路
32 第2通路
35 ロータリドア
R 空気通路

Claims (3)

  1. 空気導入口と、デフロスタ口、ベント口及びフット口を含む複数の空気吹出口とが形成されたケーシング内部に、前記空気導入口から空気吹出口まで延びる空気通路が設けられ、
    前記空気通路は、冷却用熱交換器が配設された冷風通路と、加熱用熱交換器が配設された温風通路と、前記冷風及び温風通路の下流端が連通し両通路から導入した空気を混合させ調和空気を生成するエアミックス空間と、上流端が前記エアミックス空間に連通して下流端が前記デフロスタ口及びベント口の少なくとも一方に接続される第1通路と、上流端が前記エアミックス空間における第1通路連通箇所よりも温風通路に近い側に連通して下流端が前記フット口に接続される第2通路とを備え、
    前記エアミックス空間には、第1及び第2通路を切り替えるロータリドアが回動可能に設けられ、
    前記ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にあるときに、前記エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気をエアミックス空間の第1通路側へ流すように構成されていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空気調和装置において、
    第1通路の下流端はデフロスタ口及びベント口に接続され、前記第1通路にはデフロスタ口及びベント口を選択的に開閉する切替ドアが設けられ、
    ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にありかつ前記切替ドアがデフロスタ口を開くデフフットモードと、前記ロータリドアが第1及び第2通路を切り替える途中にありかつ前記切替ドアによりベント口を開くバイレベルモードとのうち一方の吹出モードのときに、エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気をエアミックス空間の第1通路側へ流すように構成されていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 請求項2に記載の車両用空気調和装置において、
    吹出モードがデフフットモードのときに、エアミックス空間から第2通路へ流入した調和空気をエアミックス空間の第1通路側へ流すように構成されていることを特徴とする車両用空気調和装置。
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