JP2005096126A - スキージ装置およびはんだ印刷機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリームはんだの酸化による劣化を防ぐ。
【解決手段】 クリームはんだHをマスクプレートを介して基板に塗布するスキージブロック1は、クリームはんだHを収納する収納部2を備える。収納部2は上板6および側板7a〜7bで囲まれた空間2aを備える。また、スキージブロック1はローラ3と、ローラ3を挟んで第1のかき取り板4aおよび第2のかき取り板4bを備え、第1のかき取り板4aと第2のかき取り板4bの間にローラ3が露出した吐出部5を備える。さらに、上板6にクリームはんだHの供給を受ける供給口6aを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 クリームはんだHをマスクプレートを介して基板に塗布するスキージブロック1は、クリームはんだHを収納する収納部2を備える。収納部2は上板6および側板7a〜7bで囲まれた空間2aを備える。また、スキージブロック1はローラ3と、ローラ3を挟んで第1のかき取り板4aおよび第2のかき取り板4bを備え、第1のかき取り板4aと第2のかき取り板4bの間にローラ3が露出した吐出部5を備える。さらに、上板6にクリームはんだHの供給を受ける供給口6aを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、流動体状のクリームはんだを印刷対象物に塗布するスキージ装置およびこのスキージ装置が組み込まれたはんだ印刷機に関する。詳しくは、壁部で囲まれた収納部にクリームはんだを収納することで、クリームはんだと外気との接触を避けて、クリームはんだの酸化による劣化を防ぐものである。
プリント基板にリード部品を実装する際には、まず、プリント基板のランドにクリームはんだを塗布する作業が必要である。従来より、ランドの配置に合わせて選択的にパターンが形成されたマスクプレートを用い、マスクプレート上のクリームはんだをスキージしてプリント基板に塗布(印刷)するはんだ印刷機が用いられている。従来のはんだ印刷機では、マスクプレート上に供給したクリームはんだを、スキージ板でスキージする構成のものが多い(例えば、特許文献1参照。)。このような構成のはんだ印刷機をオープンスキージタイプと呼ぶ。
さて、プリント基板にリード部品等をはんだ付けする際に用いられるはんだは、従来は有鉛のはんだを用いていた。有鉛はんだは鉛の含有量が約35%と多いので、外気に触れても酸化しにくく、オープンスキージタイプのはんだ印刷機でも酸化による劣化の問題は少なかった。
近年、環境問題に対応するため鉛を含まない無鉛はんだの導入が取り組まれている。無鉛クリームはんだは合金組成の関係で酸化し易く、特にSn−Zn系のクリームはんだは空気中では酸化によって非常に劣化しやすい。このため、従来のオープンスキージタイプのはんだ印刷機では、無鉛クリームはんだを用いると、酸化による劣化が問題となる。
すなわち、クリームはんだの酸化劣化は粘度変化、およびはんだボール等のはんだ付け不良となり、製造ラインの修正工数がかかる等、品質、生産性の問題が大きい。また、クリームはんだの酸化劣化はポトライフが短くなり、従来のはんだ印刷機では1日約15〜20%の廃棄処分例もある。
このため、カートリッジ入りクリームはんだ、およびラミネートパック入りはんだ使用の特殊ヘッド採用の印刷機も提供されている。しかしながら、特殊ヘッド採用のはんだ印刷機は、構成が複雑で非常に高価であり、高価なはんだ印刷機の導入はこの装置を用いて製造される製品の価格上昇に繋がる。また、構成が複雑であることから、保守・管理等が非常に難しい。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で安価なスキージ装置およびはんだ印刷機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るスキージ装置は、壁部で囲まれた空間を有し、空間に流動体状のクリームはんだを収納する収納部と、収納部を構成する一の壁部に設けられ、空間にクリームはんだを供給する供給口と、収納部に設けられるローラと、ローラを回転させるローラ駆動機構と、ローラの軸方向に対して交する方向に対向して設けられる第1および第2のかき取り部材と、第1のかき取り部材および第2のかき取り部材の間に形成され、ローラの軸方向に沿って開口して、ローラの外周面の一部が露出する吐出部とを備えたものである。
本発明に係るスキージ装置によれば、収納部に収納されたクリームはんだは、駆動手段によるローラの回転に伴って吐出部から吐出され、印刷対象物に塗布される。収納部は壁部に囲まれた空間にクリームはんだを収納するので、クリームはんだは外気と触れにくい構造となっている。
本発明に係るはんだ印刷機は、上述したスキージ装置が組み込まれたものである。すなわち、クリームはんだを印刷対象物に塗布するスキージ装置と、印刷対象物に選択的にクリームはんだを塗布するマスクプレートと、スキージ装置にクリームはんだを供給するはんだ供給装置とを備えたはんだ印刷機において、スキージ装置は、壁部で囲まれた空間を有し、空間に流動体状のクリームはんだを収納する収納部と、収納部を構成する一の壁部に設けられ、空間にクリームはんだを供給する供給口と、収納部に設けられるローラと、ローラを回転させるローラ駆動機構と、ローラの軸方向に対して交する方向に対向して設けられる第1および第2のかき取り部材と、第1のかき取り部材および第2のかき取り部材の間に形成され、ローラの軸方向に沿って開口して、ローラの外周面の一部が露出する吐出部とを備え、はんだ供給装置は、一端に開口部を有し、クリームはんだが収納される筒状の供給容器を収納する容器保持部材と、クリームはんだの吐出孔が設けられた押圧部およびこの押圧部を支持する脚部を有し、容器保持部材に収納された供給容器の開口部に押圧部が嵌挿される吐出部材と、供給容器に対する押圧部の挿抜方向に沿った方向に容器保持部材を移動させる昇降機構とを備え、スキージ装置の供給口と、吐出部材の吐出孔の間をチューブで接続し、スキージ装置をローラの軸と交する方向に移動させる第1の駆動機構を備えたものである。
本発明に係るはんだ印刷機によれば、クリームはんだが入れられた供給容器を容器保持部材に収納し、この供給容器の開口部に吐出部材の押圧部を嵌挿する。供給容器の開口部に押圧部を嵌挿することで吐出部材の脚部で支持される容器保持部材を、押圧部の嵌挿方向に沿って移動させる力を昇降機構が加えると、容器保持部材の移動とともに供給容器が下降する。
供給容器が下降すると、供給容器内のクリームはんだが加圧され押圧部の吐出孔から吐出する。吐出孔から吐出したクリームはんだはチューブを通りスキージ装置の供給口から収納部内の空間に供給される。スキージ装置に供給されたクリームはんだは、第1の駆動機構によりスキージ装置を移動させると、ローラによりローリングされて吐出部から吐出され、マスクプレートにより選択的に印刷対象物に塗布される。マスクプレートに残ったクリームはんだは、スキージ装置の移動方向に応じて第1のかき取り部材あるいは第2のかき取り部材でマスクプレートからかき取られ、スキージ装置の空間内に回収される。
本発明に係るスキージ装置では、壁部に囲まれた空間にクリームはんだを収納するので、クリームはんだは外気と触れにくい構造となっている。よって、無鉛はんだを使用する場合でも、酸化による劣化を防ぐことができる。また、酸化によるクリームはんだの劣化を防ぐことで、廃棄しなければならないはんだを大幅に削減でき、材料の有効活用が図れて経費を削減することができる。さらに、板材の組み合わせ等により収納部を構成できるので、構造が簡単で安価なスキージ装置を提供できる。
本発明に係るはんだ印刷機では、上述したスキージ装置を備えることで、クリームはんだの劣化を抑えているので、印刷対象物へ塗布されるクリームはんだの品質を保持することができる。よって、はんだ付けの際の濡れ性が向上し、品質および生産性が向上する。また、ローラによりクリームはんだをローリングしながら塗布するので、印刷性が向上する。よって、やはり品質および生産性が向上する。
さらに、スキージ装置の構造が単純であることから、保守および管理が容易に行える。そして、スキージ装置が安価であることから、はんだ印刷機のコストを下げることができ、無鉛はんだに対応した安価なはんだ印刷機を提供できる。
以下、図面を参照して本発明のスキージ装置およびはんだ印刷機の実施の形態について説明する。図1および図2は本実施の形態のスキージブロックの構成例を示し、図1(a)はスキージブロック1の側断面図、図1(b)は正面断面図である。なお、図1では後述するローラは断面で示していない。また、図2(a)はスキージブロック1を上方から見た斜視図、図2(b)は下方から見た斜視図である。
本実施の形態のスキージブロック1はスキージ装置の一例で、クリームはんだHが供給される収納部2と、収納部2の内部に取り付けられた回転可能なローラ3と、ローラ3を挟んで設けられる第1のかき取り板4aおよび第2のかき取り板4bと、クリームはんだHの吐出部5とを備える。
収納部2は、上板6と4枚の側板7a,7b,7c,7dをネジ等で一体に組み合わせることで構成される。収納部2は、この上板6と側板7a〜7dにより構成される壁部に囲まれた空間2aを有する。上板6には供給口6aを備え、この供給口6aから空間2aに後述するはんだ供給装置よりクリームはんだHの供給を受ける。また、側板7aおよび側板7bには、スキージブロック1をはんだ供給装置に取り付けるためのネジ孔等である取付部7eを備える。
ローラ3は円筒形状で、図1(b)に示すように、収納部2の長手方向に沿って延在し、空間2aに入る長さを有する。収納部2を構成する左右の側板7c,7dには、図示しないボールベアリング等から構成される軸受8を備え、ローラ3の軸3aの両端を回転可能に支持する。なお、軸受8はクリームはんだHが漏れないようにシールド構造を備える。軸3aの一方の端部にはピニオンギア9が取り付けられる。このピニオンギア9は、側板7cの外側に露出している。
第1のかき取り板4aおよび第2のかき取り板4bはかき取り部材の一例で、収納部2の下部にネジ等により取り付けられる。第1のかき取り板4aおよび第2のかき取り板4bは、ローラ3の軸3aに対して平行に収納部2の長手方向に沿って延在し、長手方向の幅は、ローラ3と同等あるいはローラ3より長く設定される。第1のかき取り板4aおよび第2のかき取り板4bは、図1(a)に示すように逆ハの字型に傾斜しており、第1のかき取り板4aの下端にはかき取り部10aが形成され、第2のかき取り板4bの下端にはかき取り部10bが形成される。
吐出部5は、第1のかき取り板4aのかき取り部10aと第2のかき取り板4bのかき取り部10bとの間に形成される。吐出部5にはローラ3の外周面の一部が露出する。また、ローラ3の外周面と第1のかき取り板4aとの間、およびローラ3の外周面と第2のかき取り板4bとの間には、クリームはんだHが通る隙間が形成される。さらに、ローラ3と第1のかき取り板4aおよび第2のかき取り板4bの高さの関係は、ローラ3の外周面が吐出部5より若干奥まった位置となるように設定される。
スキージブロック1は空間2a内のクリームはんだHの残量を検知する残量センサを備える。本例では、ローラ3を挟んで一方の空間2aFのはんだ残量を検知する第1の残量センサ2bFと、ローラ3を挟んで他方の空間2aRのはんだ残量を検知する第2の残量センサ2bRを備える。第1の残量センサ2bFおよび第2の残量センサ2bRは、クリームはんだHが規定量より少なくなったことを検知できるように構成される。
以上の構成のスキージブロック1では、収納部2の空間2aは吐出部5および供給口6aで外気と触れることになるが、空間2aは、上板6、側板7a〜7dおよび第1のかき取り板4a、第2のかき取り板4bで覆われ、供給口6aには後述するようにチューブが通され、吐出部5にはローラ3が設けられるので、空間2aに供給されたクリームはんだHは外気と触れにくい構成となっている。よって、クリームはんだHとして無鉛はんだを用いる場合でも、スキージブロック1に収納したクリームはんだHの酸化による劣化を防ぐことができる。
次に、上述したスキージブロック1を備えるはんだ印刷機の構成について説明する。図3は本実施の形態のはんだ印刷機の構成例を示す側断面図、図4は本実施の形態のはんだ印刷機に組み込まれるはんだ供給装置の構成例を示す正面断面図である。本実施の形態のはんだ印刷機11は、スキージブロック1を備えたはんだ供給装置12と、はんだ供給装置12を移動させる駆動機構13と、基板14を支持する基板支持機構15と、マスクプレート16と、上述した各構成要素が取り付けられるフレーム17とを備える。
はんだ供給装置12は、クリームはんだHをスキージブロック1に供給する装置である。はんだ供給装置12は、クリームはんだHが充填されている供給容器18を保持する容器保持部材19と、供給容器18内のクリームはんだHを吐出させる吐出アダプタ20と、容器保持部材19を昇降させる昇降機構21と、吐出アダプタ20と昇降機構21とスキージブロック1を保持するフレーム22とを備える。
まず、クリームはんだHを収納した供給容器18の構成から説明する。図5は供給容器18の構成例を示す斜視図である。供給容器18は一端に開口部18aを有する有底の円筒型の容器で、標準ポット等と称され、例えばポリエチレンにより作られている。供給容器18の開口部18a側の外周面にはネジ山が設けられ、開口部18aを塞ぐ図示しない蓋部がねじ込まれる。そして、ねじ山の根元の部分となる供給容器18の外周面には、この外周面から突出したフランジ18bが円周方向にわたって設けられている。
一般的に、供給容器18としては、500gのクリームはんだを収納できる大きさのものと1kgのクリームはんだを収納できる大きさのものがあり、例えば、1kg入りの供給容器18の大きさは、高さが80mm程度、直径が70mm程度である。
クリームはんだの製造業者は、供給容器18にクリームはんだHを充填し、蓋部を閉じたものをユーザに供給している。ユーザは、供給容器18に充填されて納品されたクリームはんだHを、蓋部を開けて使用する。
次に、はんだ供給装置12の各部の構成について説明する。図6は容器保持部材19の構成例を示す斜視図で、供給容器18を保持する容器保持部材19の構成について説明する。容器保持部材19は、図5で説明した供給容器18を収納するカバー19aと、カバー19a内に供給容器18を固定するリング19bを備える。カバー19aは一端に開口部を有する円筒型の金属製の部材で、開口部を下側にした向きで使用される。このカバー19aの内径は、供給容器18の外径より若干大きく設定されている。また、カバー19aの開口部から天板の下面までの高さは、供給容器18の底部からフランジ18bまでの高さよりも短く設定されている。
ここで、図4に示すように、供給容器18は開口部18aを下側にした向きでカバー19aに収納される。したがって、カバー19aの内部の形状は、供給容器18を収納したときに、供給容器18の底部がカバー19aの天板に当接し、供給容器18の外周面がカバー19aの内周面に当接する形状となっている。
カバー19aの開口部の外周縁には、外側に向けて突出した一対のロック爪部19cが設けられている。このロック爪部19cは、カバー19aにリング19bを固定するために用いられる。なお、図6においては一方の爪部19cは図示されない。なお、カバー19aの天板には、図4に示す昇降機構21と連結するための図示しない連結機構が備えられる。
リング19bは上面と下面とにそれぞれひさし部19dおよびひさし部19eが設けられ、図4に示すように断面形状がコの字型となっている。ひさし部19dの内径は、供給容器18のフランジ18bの外径よりは大きく、かつ、カバー19aのロック爪部19cの部分での外径よりは小さく設定されている。また、ひさし部19eの内径は、供給容器18のフランジ18bの外径より小さく設定されている。
ひさし部19dには、カバー19aのロック爪部19cに対応して一対の溝部19fが設けられる。この溝部19fはロック爪部19cが入る大きさを有し、溝部19fにロック爪部19cを差し込み、カバー19aを例えば時計回りに回すことによって、ひさし部19dにロック爪部19cを掛けることができる。
これにより、カバー19aに供給容器18を収納し、リング19bをカバー19aに取り付けることで、カバー19aのロック爪部19cと供給容器18のフランジ18bがひさし部19dとひさし部19eの間に挟持され、供給容器18が容器保持部材19に固定される。
図7は吐出アダプタ20の構成例を示す斜視図で、次に供給容器18にセットされる吐出アダプタ20の構成について説明する。吐出アダプタ20は吐出部材の一例で、押圧部である円板型のピストン20aと、このピストン20aを支持する脚部20bと、ピストン20aに取り付けられるチューブ20cとを備える。
ピストン20aの外径は図5に示す供給容器18の内径と略同等に設定され、また、ピストン20aの外周面にはOリング20dが取り付けられる。図4に示すようにピストン20aを供給容器18に嵌挿したとき、このOリング20dによってピストン20aの外周面と供給容器18の内周面との間が封止され、ピストン20aの周囲からのクリームはんだHの漏れを防止することができる。
ピストン20aの中心には吐出孔20eが設けられる。吐出孔20eはピストン20aの上面から下面まで貫通しており、吐出孔20eとつなげてピストン20aの下面にチューブ20cが取り付けられる。このチューブ20cにより、図4に示すようにクリームはんだHをスキージブロック1に供給する。
ピストン20aの上面には、図4に示すように吐出孔20eに向けて下がる方向に傾斜したテーパ部20fが形成される。ピストン20aの上面は供給容器18に嵌挿したときに、供給容器18内のクリームはんだHと接する面であり、ピストン20aの上面にテーパ部20fを形成しておくことで、クリームはんだHを吐出孔20eの方向に集めることができる。ピストン20aは2本の脚部20bで支持され、各脚部20bの下端にはスライド部20gが形成される。
図8ははんだ供給装置の要部構成例を示す斜視図で、次に図4、図7および図8を用いて吐出アダプタ20のはんだ供給装置12への取り付け構造について説明する。フレーム22には吐出アダプタ20の脚部20bが取り付けられる2本のレール22aが設けられる。これら2本のレール22aは各脚部22bのスライド部20gが嵌る互いが対向した溝部から構成され、図8に示すように、スキージブロック1の短手方向に沿って延在する。
以上の構成により、吐出アダプタ20は、脚部20bのスライド部20gをレール22aに嵌めることでフレーム22に取り付けられる。そして、スライド部20gはレール22aに対してスライド移動できる構成で、吐出アダプタ20がフレーム22に対して着脱可能となっている。フレーム22はレール22aの間に孔部22dを備え、吐出アダプタ20のチューブ20cは孔部22dを通される。
次に、図4を用いて容器保持部材19を昇降させる昇降機構21の構成について説明する。昇降機構21はモータあるいはエアシリンダ等の駆動部21aと、この駆動部21aにより昇降する連結棒21bを備え、フレーム22に取り付けられたサブフレーム22bに駆動部21aが取り付けられる。連結棒21bは容器保持部材19のカバー19aの天板と着脱可能に連結される。これにより、駆動部21aの駆動力が容器保持部材19に伝達され、容器保持部材19が昇降する。
図9はスキージブロック1の取付構成例を示す側断面図で、次に図4、図8および図9を用いてスキージブロック1のはんだ供給装置12への取り付け構造について説明する。スキージブロック1が取り付けられるフレーム22の下面側には1対の取付金具22cを備える。スキージブロック1は取付部7eが取付金具22cに取付ネジ23で連結されることでフレーム22に取り付けられる。ここで、スキージブロック1は図4に示すように取付ネジ23を軸に矢印方向に回転動作できるように固定される。
フレーム22には4本の調整ネジ24がねじ込まれる。調整ネジ24は調整機構の一例で、4本の調整ネジ24のうちの2本はスキージブロックの右端側の上面に当接し、他の2本はスキージブロック1の左端側の上面に当接する。以上の構成により、4本の調整ネジ24を回して高さを調整することで、スキージブロック1は取付ネジ23を軸に回転して角度を調整することができる。なお、調整ネジ24には緩み止めのためのナットがねじ込まれている。
次に図3および図4を用いてはんだ印刷機1の全体の構成について説明する。駆動機構13は、はんだ供給装置12を水平移動させる第1の駆動機構13aと、はんだ供給装置12を昇降させる第2の駆動機構13bを備える。第1の駆動機構13aは、はんだ供給装置12のフレーム22を水平移動可能に支持するレール25と、はんだ供給装置12を水平移動させるモータ26と、モータ26の駆動力をはんだ供給装置12に伝達するベルト27と、レール25およびモータ26等を支持するサブフレーム28を備える。レール25はフレーム22に支持されるスキージブロック1の短手方向に沿って延在する。フレーム22はガイド部22eを備え、ガイド部22eでレール25に支持される。また、ガイド部22eはベルト27と接続される。以上の構成では、モータ26が回転すると、フレーム22がレール25にガイドされて水平移動する。これにより、はんだ供給装置12は実線で示す位置P1と二点鎖線で示す位置P2の間を、スキージブロック1の短手方向に沿った矢印D1あるいは矢印D2方向に移動する。なお、位置P2において二点鎖線で示すはんだ供給装置12では、図面の煩雑化を避けるため容器保持部材19等は図示していないが、はんだ供給装置12はフレーム22に取り付けられたスキージブロック1と、供給容器18を収納した容器保持部材19および吐出アダプタ20が一体に移動する。
第2の駆動機構13bは、サブフレーム28を昇降させる2本のエアシリンダ29と、サブフレーム28の昇降をガイドするシャフト30を備える。以上の構成では2本のエアシリンダ29が同期して動作することで、サブフレーム28は傾斜することなく昇降する。これにより、はんだ供給装置12とともにスキージブロック1が矢印H1あるいは矢印H2方向に昇降する。エアシリンダ29には調整部29aを備え、エアシリンダ29で下降させたはんだ供給装置12の高さを調整できるようになっている。
基板14は印刷対象物の一例で、図示しないリード部品が取り付けられるランド等が形成されたプリント基板である。基板支持機構15は基板14を保持する基板バックアップ31と、基板14を搬送するベルト32と、ベルト32を駆動するモータ33と、基板14の搬送を所定の位置で停止させるストッパ34とを備える。
基板バックアップ31は図示しない駆動機構により二点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで上昇し、ベルト32に載せられた基板14をベルト32から持ち上げて所定の高さで保持する。また、基板バックアップ31は実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで下降し、保持している基板14をベルト32に載せる。
ベルト32はモータ33により駆動されて回転し、二点鎖線で示すように載せられている基板14を搬送する。ストッパ34は図示しない駆動機構により実線で示す位置に上昇して、ベルト32による基板14の搬送経路を塞ぐ。また、ストッパ34は図示しない位置まで下降して基板14の搬送経路から退避する。
基板14にクリームはんだHを印刷する場合は、ストッパ34を上昇させて基板14の搬送経路を塞ぎ、ベルト32により基板14を搬送する。基板14をストッパ34に突き当てる位置まで搬送したことを検知すると、基板バックアップ31を上昇させて基板14をベルト32から持ち上げ、基板14をマスクプレート16の図4に示すノズル16aと所定の間隔を開けた高さで保持する。基板14の水平方向の位置は、基板14をストッパ34に突き当てることで位置決めしたので、基板14の図示しないランドにクリームはんだHを印刷することができる状態となる。なお、基板14とノズル16aとの間隔は、0.3〜0.4mm程度に設定する。
クリームはんだHの印刷が終了した基板14は、基板バックアップ31を下降させてベルト32に載せる。そして、ストッパ34を下降させて基板14の搬送経路から退避させ、ベルト32を回転させることで、基板14を排出する。
マスクプレート16はスキージブロック1に対向してフレーム17に取り付けられる。ノズル16aは基板14に形成されたランドの配置に対応して設けられる。はんだ印刷機11で処理される基板14には、本例では前処理で半導体素子がマウントされているので、基板14とマスクプレート16との間には半導体素子の厚み以上の空間を設ける必要がある。そこで、基板14にはんだパターンを再現性良く形成するためにマスクプレート16にノズル16aが設けられ、基板14に近い高さからクリームはんだHを塗布できるようにしてある。
なお、半導体素子がマウントされていない基板14を処理する場合は、ノズル16aが設けられておらず、開口部のみが選択的に設けられたマスクプレートがはんだ印刷機11にセットされる。このように、はんだ印刷機11では、基板14の種類に応じて様々な形態を有したマスクプレート16を使用できるようになっている。
このマスクプレート16に、スキージブロック1のピニオンギア9とかみ合うラックギア35を備える。ピニオンギア9およびラックギア35はローラ駆動機構を構成し、ラックギア35は第1の駆動機構13aによるスキージブロック1の移動方向に沿って延在する。
図10はラックギア35の構成例を示す斜視図、図11はラックギア35とスキージブロック1の関係を示す側断面図である。ラックギア35は基台保持部35aを備え、スキージブロック1によるクリームはんだHの塗布エリアの外側となるマスクプレート16の側端部に取り付けられる。ここで、マスクプレート16は基板14の種類に応じて変更するので、ラックギア35は基台保持部35aがマスクプレート16の枠体16bに着脱可能に取り付けられる。
図3で説明した第2の駆動機構13bによりはんだ供給装置12を所定の位置まで下降させると、図11に示すようにスキージブロック1のピニオンギア9がラックギア35とかみ合う。ピニオンギア9とラックギア35がかみ合った状態で、図3で説明した第1の駆動機構13aによりはんだ供給装置12を水平移動させると、スキージブロック1がラックギア35に沿って水平移動することで、ラックギア35とかみ合っているピニオンギア9が回転する。
次に、図3を用いてはんだ印刷機11の制御系の説明を行う。はんだ印刷機11は、はんだ供給装置12の位置検出用のセンサを備える。すなわち、スキージブロック1が位置P1に到達したことを検知する第1のセンサ36aと、スキージブロック1が位置P2に到達したことを検知する第2のセンサ36bを備える。また、図示しないが基板14の位置を検知するセンサ等も備える。
はんだ印刷機11は、第1のセンサ36aおよび第2のセンサ36b等から位置検知信号が供給されるとともに、はんだ供給装置12を水平移動させるモータ26、はんだ供給装置12を昇降させるエアシリンダ29、基板14を移動させるモータ33、基板14を昇降させる基板バックアップ31等に制御信号を供給する制御部37を備える。
はんだ供給装置12は、図1に示すようにスキージブロック1にクリームはんだHの量を検知する残量センサ2bF,2bRを備えるとともに、容器保持部材19の高さを検知するセンサ等を備える。また、はんだ供給装置12は、各センサから検知信号が供給されるとともに、容器保持部材19を昇降させる駆動部21aに制御信号を供給する制御部38を備える。
さらに、はんだ印刷機11は操作部39を備え、制御部37および制御部38は、各センサからの検知信号と操作部39からの指示に従って各駆動部に制御信号を供給し、操作部39で指示された動作を実行する。
次に上述したスキージブロック1およびはんだ印刷機11の動作例について説明する。まず、はんだ供給装置12へ供給容器1を取り付ける動作から説明すると、供給容器18は、はんだ製造業者からクリームはんだHが収められた状態で納品される容器をそのまま用いる。一般的に、供給容器18に充填されているクリームはんだHは、劣化防止のために冷凍保存されている。
そこで、周知の混練機を用いて供給容器18内のクリームはんだHを常温に戻しながら混ぜる。これにより、クリームはんだHのフラックスと粉末の分離を防いで両者の混練を行う。
クリームはんだHの混練を行った後、供給容器18から図示しない蓋部を取り去り、この供給容器18を図6で説明した容器保持部材19のカバー19a内に収納し、供給容器18とカバー19aとをリング19bを用いて固定する。すなわち、リング19bのひさし部19dに設けられた溝部19fにカバー19aのロック爪部19cを入れた後、リング19bをカバー19aに対して回転させる。これにより、カバー19aのロック爪部19cはリング19bのひさし部19dに引っ掛かり、ロック爪部19cと供給容器18のフランジ18bがひさし部19dとひさし部19eの間に挟持され、供給容器18が容器保持部材19に固定される。
そして、容器保持部材19に固定された供給容器18の開口部18aに吐出アダプタ20のピストン20aを嵌める。このとき、ピストン20aのテーパ部20fが供給容器18の内側を向く方向で吐出アダプタ20が嵌められ、脚部20bが突出した様態となる。これにより、供給容器18を収納した容器保存部材19と吐出アダプタ20から構成される供給ユニットが完成する。
次に、この供給ユニットを図4に示すようにはんだ供給装置12に取り付ける。すなわち、供給ユニットを上下反転させ、吐出アダプタ20の脚部20bのスライド部20gをフレーム22のレール22aに嵌める。チューブ20cは図8に示すフレーム22の孔部22dに通す。そして、昇降機構21の連結棒21bと容器保持部材19を連結して、供給ユニットを図4に示すようにはんだ供給装置12に取り付ける。
次にスキージブロック1をはんだ供給装置12に取り付ける。すなわち、図4等に示すように、スキージブロック1をフレーム22の取付金具22cに取付ネジ23により取り付ける。このとき、吐出アダプタ20のチューブ20cを、図1に示すスキージブロック1の供給口6aに入れる。次に操作部39を操作してエアシリンダ29を作動させ、はんだ供給装置12を下降させる。そして、スキージブロック1のかき取り部10a,10bがマスクプレート16に当接するように、調整部29aによりはんだ供給装置12の高さを調整する。ここで、スキージブロック1のかき取り部10a,10bがマスクプレート16に当接する高さまではんだ供給装置12を下降させると、図4および図11等に示すように、スキージブロック1のピニオンギア9がマスクプレート16に取り付けたラックギア35とかみ合う。
次に、はんだ供給装置12によりスキージブロック1にクリームはんだHを供給する。すなわち、操作部39を操作して昇降機構21により容器保持部材19を下降させる。図12ははんだ供給装置12の動作例を示す正面断面図である。昇降機構21の駆動部21aにより連結棒21bが徐々に下降していくと、図12に示すように容器保持部材19とともに供給容器18が下降する。
これに対して、吐出アダプタ20のピストン20aは脚部20bによってフレーム22に対する高さが固定されているので、ピストン20aと供給容器18の底部との距離が縮まる。このピストン20aと供給容器18の底部との距離の縮まりによって、供給容器18内のクリームはんだHに圧力がかかる。
そして、供給容器18内のクリームはんだHは、駆動機構21による押圧力とクリームはんだH自体の重みとによって、ピストン20aからチューブ20cを通り、スキージブロック1へ吐出される。
スキージブロック1内のクリームはんだHが適量となった時点、本例ではローラ3の直径の半分程度の高さまで空間2aにクリームはんだHが充填された時点で、図3に示す操作部39を操作してはんだの供給を停止させる。すなわち、昇降機構21による容器保持部材19の下降を停止させることで、ピストン20aに対する供給容器18の高さが一定に保持され、供給容器18内のクリームはんだHに圧力がかからなくなり、クリームはんだHの吐出が停止する。
次に、操作部39を操作してテスト印刷を行う。なお、印刷動作の詳細は後述する。テスト印刷では、マスクプレート16の表面を見る等して最適な印刷バランスが選られるようにフレーム22に設けた4箇所の調整ネジ24の高さを調整する。これにより、スキージブロック1の第1のかき取り板4aのかき取り部10aおよび第2のかき取り板4bのかき取り部10bが、ともにマスクプレート16の表面が密着した状態とする。
次にクリームはんだHの印刷動作を説明する。まず、ストッパ34を上昇させて基板14の搬送経路を塞ぎ、ベルト32により基板14を搬送する。基板14をストッパ34に突き当てる位置まで搬送したことを検知すると、基板バックアップ31を上昇させて基板14をベルト32から持ち上げ、基板14をマスクプレート16の図4に示すノズル16aと所定の間隔を開けた高さで保持する。
基板14を所定の位置にセットすると、スキージブロック1を動作させてはんだ印刷を行う。図13はスキージブロック1の動作例を示す側断面図である。図3に示す操作部39を操作して所定の指示を出すと、制御部37は第1のセンサ36a,第2のセンサ36bの検知信号等に応じて第1の駆動機構13aのモータ26を所定の方向に回転させる。本例では、初期状態としてはんだ供給装置12が位置P1にあるものとし、モータ26を矢印a1方向に回転させる。
モータ26が矢印a1方向に回転すると、ガイド部22eを介してフレーム22がベルト27と連結されているはんだ供給装置12が矢印D2方向に移動する。はんだ供給装置12が矢印D2方向に移動すると、はんだ供給装置12に取り付けられているスキージブロック1は、図13に示すように矢印D2方向に移動する。スキージブロック1が矢印D2方向に移動すると、スキージブロック1のピニオンギア9とマスクプレート16のラックギア35がかみ合っているので、ピニオンギア9は矢印R2方向に回転する。これにより、ピニオンギア9が取り付けられているローラ3が矢印R2方向に回転する。すなわち、スキージブロック1の移動方向に対して順方向にローラ3が回転する。
スキージブロック1が矢印D2方向に移動しながらローラ3が矢印R2方向に回転すると、ローラ3に対してスキージブロック1の進行方向前側の空間2aRのクリームはんだHは、ローリングしながら吐出部5から吐出され、吐出部5に密着しているマスクプレート16のノズル16aにローラ3により押し込まれて、基板14の図示しないランドに印刷される。
ローラ3に対してスキージブロック1の進行方向後側の空間2aFのクリームはんだHは、第1のかき取り板4aのかき取り部10aによりマスクプレート16の表面からかき取られ、空間2aの内部に回収される。
はんだ供給装置12が図3に示す位置P2に到達したことを第2のセンサ36bの位置検知信号から検知すると、制御部37はモータ26を逆回転させる。これにより、はんだ供給装置12が矢印D1方向に移動する。
はんだ供給装置12が矢印D1方向に移動すると、スキージブロック1は図13に示すように矢印D1方向に移動する。スキージブロック1が矢印D1方向に移動すると、ピニオンギア9が矢印R1方向に回転して、ローラ3が矢印R1方向に回転する。この場合も、スキージブロック1の移動方向に対して順方向にローラ3が回転する。
スキージブロック1が矢印D1方向に移動しながらローラ3が矢印R1方向に回転すると、ローラ3に対してスキージブロック1の進行方向前側の空間2aFのクリームはんだHは、ローリングしながら吐出部5から吐出され、吐出部5に密着しているマスクプレート16のノズル16aにローラ3により押し込まれて、基板14の図示しないランドに印刷される。
ローラ3に対してスキージブロック1の進行方向後側の空間2aRのクリームはんだHは、第2のかき取り板4bのかき取り部10bによりマスクプレート16の表面からかき取られ、空間2aの内部に回収される。
以上のように、基板14に印刷されるクリームはんだHは、ローラ3によりノズル16aに押し込まれるので、基板14に確実に印刷される。また、基板14に印刷された以外のクリームはんだHは、スキージブロック1の移動方向に応じて第1のかき取り板4aあるいは第2のかき取り板4bにかき取られることで空間2aに回収され、マスクプレート16の表面に残ることがない。よって、クリームはんだHの酸化による劣化を防止できる。
また、スキージブロック1は図1および図2で説明したように空間2aに収納されたクリームはんだHが外気と触れにくい構造となっているので、スキージブロック1内のクリームはんだHの酸化による劣化も防止できる。よって、クリームはんだHとして無鉛はんだを用いても、酸化による劣化を防止できる。これにより、はんだの濡れ性が向上して、後のはんだ付け処理での不良の発生を防ぐことができる。
次に、スキージブロック1へのクリームはんだHの供給動作について説明する。例えばスキージブロック1が矢印D2方向に移動すると、上述したように、ローラ3に対してスキージブロック1の進行方向前側の空間2aRのクリームはんだHが吐出部5から吐出される。よって、空間2aRのクリームはんだHの残量が減る。
空間2aRのはんだ残量が減ると、第2の残量センサ2bRがクリームはんだHの残量不足を検知する。第2の残量センサ2bRが残量不足を検知すると、制御部38は制御部37と協働して、スキージブロック1が矢印D2方向に移動する時のみ、図12で説明した動作でクリームはんだHをスキージブロック1へ供給する。チューブ20cから吐出したクリームはんだHは、スキージブロック1の矢印D2方向の移動によりローラ3が矢印R2方向に回転していることで、主に空間2aR側に供給される。よって、空間2aR側のクリームはんだHの残量が確保され、空間2aF側と空間2aR側の供給バランスが保たれる。なお、クリームはんだHの供給停止は、第2の残量センサ2bRの検知信号による制御でもよいし、時間による制御でもよい。
同様に、スキージブロック1が矢印D1方向に移動すると、ローラ3に対してスキージブロック1の進行方向前側の空間2aFのクリームはんだHが吐出部5から吐出される。よって、空間2aFのクリームはんだHの残量が減る。
第1の残量センサ2bFが空間2aF内のクリームはんだHの残量不足を検知すると、制御部38は制御部37と協働して、スキージブロック1が矢印D1方向に移動する時のみクリームはんだHをスキージブロック1へ供給する。チューブ20cから吐出したクリームはんだHは、スキージブロック1の矢印D1方向の移動によりローラ3が矢印R1方向に回転していることで、主に空間2aF側に供給される。よって、空間2aF側のクリームはんだHの残量が確保され、空間2aF側と空間2aR側の供給バランスが保たれる。
なお、スキージブロック1を一往復させると、空間2aFと空間2aRからともにクリームはんだHが吐出され、空間2aFと空間2aRのはんだ残量のバランスが取れることから、印刷動作として往復の移動制御を行うことで、空間2aF側と空間2aR側の供給バランスを取ることができる。
また、チューブ20cを2分割し、空間2aFと空間2aRの両側に同時にクリームはんだHを供給する構成としても、空間2aF側と空間2aR側の供給バランスを取ることができる。
次に、スキージブロック1の保管動作について説明する。図14はスキージブロック1の保管例を示し、図14(a)は斜視図、図14(b)は側断面図である。スキージブロック1は空間2aに残ったクリームはんだHの劣化を防ぐため、保管カバー40を取り付けて保管される。
保管カバー40はスキージブロック1の吐出部5を塞ぐ蓋部40aとスキージブロック1に固定するための取付爪40bを備える。保管カバー40は例えば弾性を有する板材より構成され、蓋部40aと取付爪40bとの間にスキージブロック1を挟み込む形で固定される。
スキージブロック1を保管するには、まず、図4に示す吐出アダプタ20、容器保持部材19および供給容器18から構成される供給ユニットをはんだ供給装置12のフレーム22から取り外す。次に、エアシリンダ29の調整部29aを操作してスキージブロック1を例えば数ミリ程度上昇させてマスクプレート16との間に隙間を形成する。そして、図14(b)に示すようにスキージブロック1に保管カバー40を取り付けて、吐出部5を蓋部40bで塞ぐ。そして、図4等に示す取付ネジ23を外してスキージブロック1をはんだ供給装置12から取り外す。保管カバー40を取り付けたスキージブロック1は、ビニールシート等でラッピングして冷蔵庫で保管することで、空間2a内のクリームはんだHの劣化を防ぐ。再度スキージブロック1を使う場合は、冷蔵庫から取り出して常温に戻し、ラッピングを外してはんだ供給装置12のフレーム22に取り付け、保管カバー40を取り外す。後は上述した調整動作を行うことで、印刷動作が行えるようになる。
図15は本実施の形態のスキージブロックの他の構成例を示す正面断面図である。図15に示すスキージブロック41は、ローラ駆動機構としてモータ42を備える。モータ42はプレート43によりスキージブロック41に取り付けられ、図3に示すはんだ供給装置12の移動とともに移動する。モータ42の軸に取り付けられたピニオンギア44が、ローラ3の軸3aに取り付けられたスパーギア45とかみ合う。これにより、モータ42の駆動でローラ3が回転する。モータ42はスキージブロック41の移動方向に応じて回転方向が切り替えられる。また、スキージブロック41の移動速度に合わせた速度でローラ3が回転するように、ギヤ比などが調整される。
ここで、ローラ3をモータ42で駆動することで、スキージブロック41の移動速度と独立してローラ3の回転速度を調整することも可能である。なお、ローラ3をモータ42で駆動する構成では、クリームはんだHの粘性によりモータ42が加熱しやすいことから、空間2aに供給するクリームはんだHの量を少なくする等の対策を行うとよい。
以上説明したスキージブロック1およびスキージブロック41は、クリームはんだHが外気に触れにくい構造となっているから、クリームはんだHの劣化を防ぐことができる。そして、図示しないがスキージブロック内に窒素ガスを供給する構成を付加することで、クリームはんだHの劣化をさらに防止できる。
本発明は、クリームはんだを基板に印刷するはんだ印刷機において、無鉛はんだを用いるはんだ印刷機に適用できる。
1・・・スキージブロック、2・・・収納部、2a・・・空間、3・・・ローラ、3a・・・軸、4a・・・第1のかき取り板、4b・・・第2のかき取り板、5・・・吐出部、6・・・上板、6a・・・供給口、7a〜7d・・・側板、9・・・ピニオンギア、10a・・・かき取り部、10b・・・かき取り部、11・・・はんだ印刷機、12・・・はんだ供給装置、13a・・・第1の駆動機構、13b・・・第2の駆動機構、14・・・基板、16・・・マスクプレート、18・・・供給容器、19・・・容器保持部材、20・・・吐出アダプタ、20a・・・ピストン、20b・・・脚部、20c・・・チューブ、20e・・・吐出孔、21・・・昇降機構、24・・・調整ネジ、29・・・エアシリンダ、35・・・ラックギア、41・・・スキージブロック、42・・・モータ
Claims (10)
- 壁部で囲まれた空間を有し、前記空間に流動体状のクリームはんだを収納する収納部と、
前記収納部を構成する一の壁部に設けられ、前記空間にクリームはんだを供給する供給口と、
前記収納部に設けられるローラと、
前記ローラを回転させるローラ駆動機構と、
前記ローラの軸方向に対して交する方向に対向して設けられる第1および第2のかき取り部材と、
前記第1のかき取り部材および第2のかき取り部材の間に形成され、前記ローラの軸方向に沿って開口して、前記ローラの外周面の一部が露出する吐出部と
を備えたことを特徴とするスキージ装置。 - 前記ローラ駆動機構は、前記ローラに取り付けられるピニオンギアと、前記ピニオンギアとかみ合うラックギアとを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のスキージ装置。 - 前記ローラ駆動機構はモータを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のスキージ装置。 - 前記収納部は板材を組み合わせて構成される
ことを特徴とする請求項1記載のスキージ装置。 - クリームはんだを印刷対象物に塗布するスキージ装置と、前記印刷対象物に選択的にクリームはんだを塗布するマスクプレートと、前記スキージ装置にクリームはんだを供給するはんだ供給装置とを備えたはんだ印刷機において、
前記スキージ装置は、
壁部で囲まれた空間を有し、前記空間に流動体状のクリームはんだを収納する収納部と、
前記収納部を構成する一の壁部に設けられ、前記空間にクリームはんだを供給する供給口と、
前記収納部に設けられるローラと、
前記ローラを回転させるローラ駆動機構と、
前記ローラの軸方向に対して交する方向に対向して設けられる第1および第2のかき取り部材と、
前記第1のかき取り部材および第2のかき取り部材の間に形成され、前記ローラの軸方向に沿って開口して、前記ローラの外周面の一部が露出する吐出部とを備え、
前記はんだ供給装置は、
一端に開口部を有し、前記クリームはんだが収納される筒状の供給容器を収納する容器保持部材と、
クリームはんだの吐出孔が設けられた押圧部およびこの押圧部を支持する脚部を有し、前記容器保持部材に収納された前記供給容器の開口部に前記押圧部が嵌挿される吐出部材と、
前記供給容器に対する前記押圧部の挿抜方向に沿った方向に前記容器保持部材を移動させる昇降機構とを備え、
前記スキージ装置の前記供給口と、前記吐出部材の前記吐出孔の間をチューブで接続し、
前記スキージ装置を前記ローラの軸と交する方向に移動させる第1の駆動機構を備えた
ことを特徴とするはんだ印刷機。 - 前記スキージ装置は前記はんだ供給装置の下側に取り付けられ、前記第1の駆動機構は前記はんだ供給装置を前記スキージ装置とともに移動させる
ことを特徴とする請求項5記載のはんだ印刷機。 - 前記ローラ駆動機構は、
前記ローラに取り付けられるピニオンギアと、
前記マスクプレートに取り付けられ、前記ピニオンギアとかみ合うラックギアとを備えた
ことを特徴とする請求項5記載のはんだ印刷機。 - 前記スキージ装置を昇降させる第2の駆動機構を備えた
ことを特徴とする請求項5記載のはんだ印刷機。 - 前記マスクプレートに対する前記スキージ装置の前記第1のかき取り部材および第2のかき取り部材の接触状態を調整する調整機構を備えた
ことを特徴とする請求項5記載のはんだ印刷機。 - 前記ローラの回転方向は、前記スキージ装置の移動方向に対して順方向である
ことを特徴とする請求項5記載のはんだ印刷機。
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