JP2005095152A - 培養組織の保存方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間にわたって培養組織を保存することが可能である上に、培養組織の使用時における洗浄操作を排除することができる培養組織の保存方法を提供する。
【解決手段】軟骨細胞を培養して得られた培養軟骨組織を、凍結保護材、鉱物由来微粒状物、pH判定試薬などの非許容性成分を含まない等張塩類溶液、例えばリン酸緩衝液、リンゲル系保存液または生理食塩水を用いて、2〜25℃で10日間にわたる輸送期間にわたり保存する。
【選択図】図3
【解決手段】軟骨細胞を培養して得られた培養軟骨組織を、凍結保護材、鉱物由来微粒状物、pH判定試薬などの非許容性成分を含まない等張塩類溶液、例えばリン酸緩衝液、リンゲル系保存液または生理食塩水を用いて、2〜25℃で10日間にわたる輸送期間にわたり保存する。
【選択図】図3
Description
本発明は、培養組織の保存方法に係り、殊に細胞を培養することによって得られる培養組織の保存方法に関する。
近年、細胞をインビトロ(生体外)培養することによって培養組織が得られている。このような培養組織は、患者の欠損部を補填するための移植用組織や、薬剤や化粧品の効能を調べるための試験用組織として利用され得る。
従来、これらの培養組織は、移植用または試験用として使用が予定されている施設内で作製されていたが、近年では、外部委託などによって施設外で作製した培養組織を利用する機会が増加している。施設外で作製された培養組織は、使用施設までの距離と時間という課題をその品質を維持した状態でクリアしなければならない。そのために輸送に際して培養組織を少しでも良好な状態に維持するための手段が研究されている。
従来、これらの培養組織は、移植用または試験用として使用が予定されている施設内で作製されていたが、近年では、外部委託などによって施設外で作製した培養組織を利用する機会が増加している。施設外で作製された培養組織は、使用施設までの距離と時間という課題をその品質を維持した状態でクリアしなければならない。そのために輸送に際して培養組織を少しでも良好な状態に維持するための手段が研究されている。
例えば、特許文献1では、凍結保護剤が添加された保存液に、培養組織を浸漬して凍結保存する技術が開示されている。特許文献2では、培養上皮細胞シートをDMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium:ダルベッコ変法イーグル培地)に浸漬した状態で8〜19℃に低温保存する技術が開示されている。また、特許文献3では、抗菌性ゼオライトを添加した生理食塩水で構成される臓器保存液で臓器を冷蔵保存することが記載されている。
しかしながら、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの凍結保護剤を含む保存液や抗菌性ゼオライトなどの微粒状物などを含む保存液、並びにフェノールレッドなどのpH判定試薬を含むDMEMなどの培地を基礎とした保存液は、人体への直接的な影響が明確である成分ではないため、高い安全性担保の観点から使用に際して洗浄操作が必要である。殊に培養組織を移植用組織として使用する場合には、より高い安全性を担保するために充分に洗浄しなければならない。このため、これらの保存液の構成では、使用時における洗浄工程という手間が掛かり、術者または作業者の負担となっていた。
一方、臓器移植などにおいて、臓器を輸送する際に使用される臓器保存液が知られているが、生体から摘出または採取した『臓器(organ)』はインビトロ(in vitro)で細胞培養して得られた『培養組織(cultured tissue)』とは、細胞や細胞外マトリクス(ECM)などの構成が完全には一致せず、その特性も必ずしも一致しないため、種々の臓器保存液が、そのまま培養組織の保存に好ましいとは一概には云えない。なお、臓器保存液にも種々の成分が含まれるため、移植に際しては洗浄が行われている。
一方、臓器移植などにおいて、臓器を輸送する際に使用される臓器保存液が知られているが、生体から摘出または採取した『臓器(organ)』はインビトロ(in vitro)で細胞培養して得られた『培養組織(cultured tissue)』とは、細胞や細胞外マトリクス(ECM)などの構成が完全には一致せず、その特性も必ずしも一致しないため、種々の臓器保存液が、そのまま培養組織の保存に好ましいとは一概には云えない。なお、臓器保存液にも種々の成分が含まれるため、移植に際しては洗浄が行われている。
本発明は上記従来技術を鑑み、輸送期間などの所定期間にわたって培養組織を保存することが可能である上に、培養組織の使用時における洗浄操作を排除することができる培養組織の保存方法を提供することを課題とする。
本発明の培養組織の保存方法は、細胞を培養して得られる培養組織の保存方法において、前記培養組織を培養後に、非許容性成分を含まない等張塩類溶液(BSS:Balanced Salt Solution)中で且つ所定温度で保存することを特徴としている。本発明における前記等張塩類溶液は、緩衝液または輸液剤であるのが好ましい。更に、前記緩衝液はリン酸緩衝液が好ましく、前記輸液剤は生理的塩類溶液が好ましく、更にはリンゲル系保存液または生理食塩水であることが好ましい。
本発明の保存方法によれば、輸送期間にわたって培養組織を良好な状態に保存することができると共に、使用に先立ち洗浄操作を必要とせずに即時使用することができる。
本発明の培養組織の保存方法は、細胞を培養して得られる培養組織を培養後に、非許容性成分を含まない等張塩類溶液中で且つ所定温度で保存するものである。通常これらの溶液は、体液補給のための輸液剤として、あるいは細胞の分散や細胞、組織、臓器の洗浄などにそれぞれ選択的に利用されているが、本発明者らは、これらの溶液がこれまで用いられていなかった培養組織の保存という用途においても有効であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明において「保存」とは、生体内に近似した環境下で細胞を増殖させる「培養」とは異なり、輸送期間や使用時までの間の一定期間を経過した培養組織が、この輸送および/または保存期間後に再び「培養」または移植可能な状態を維持できるように生細胞が維持され、所定期間にわたって培養組織を保持することを意味する。なお、本発明における「保存」は、長期保存が可能な凍結保存に対して、比較的短期間に相当する輸送期間(例えば、数時間から数日間程度)などの保存を意味し、凍結保護剤が必要となるような凍結状態での輸送または保存あるいは、処理液の反応・洗浄のような数分〜数十分などのような極短時間の保持状態は含まれない。
本発明において等張塩類溶液とは、体液に対してほぼ等張であり、且つ無機塩類を主成分とする溶液を意味する。ここで「体液に対してほぼ等張」とは、体液に対して1.5〜0.8の浸透圧比を有することをいう。浸透圧比は、好ましくは体液に対して0.9〜1.1であり、保存対象となる培養組織の種類に応じて適宜選択できる。なお、体液は、細胞外液および細胞内液に分類され、両者の組成は、主要な陽イオン成分が異なっているという特徴を有し、細胞外液が高ナトリウム(Na)、低カリウム(K)であって、細胞内液が低ナトリウム(Na)、高カリウム(K)となっている。これに対して本発明における等張塩類溶液は、陽イオン成分としてカリウムイオンよりもナトリウムイオンを多く含む細胞外液系(高Na、低K)の組成であることが好ましい。
また本発明において等張塩類溶液は、非許容性成分を含まない。このような非許容性成分とは、動物由来の血清やタンパク質などの非ヒト動物由来成分、またはヒト由来成分であっても拒絶反応を誘発する可能性のある成分、殊にアナフィラキシーショックの可能性を否定できないゼラチンなどの成分、あるいは植物や鉱物由来であって且つ生体に大量に適用したときに細胞または組織機能の大幅な低下などを引き起こす可能性のある成分、並びに人体への適用限度を大きく超えた量の薬物などをいい、例えば、ウシ胎児血清(FBS)、凍結保護剤、鉱物由来微粒状物、pH判定試薬などが含まれる。但し、医薬品として体内への摂取が認められた成分は安全性が担保されているため、含まれていてもよい。これらの非許容性成分、殊にFBSなどは、培養組織の培地として用いられることもあるが、自己由来成分と異なり、生体内に長期間または高濃度に存在することによるリスクを鑑みると、通常、生体への適用前に洗浄を行って排除している成分である。非許容性成分を含む溶液としては、血清成分添加液体培地、血清成分添加臓器保存液、抽出タンパク質(例えば、アルブミン、グロブリンなど)含有培地などを挙げることができ、これらは本発明に係る等張塩類溶液には該当しない。但し、移植対象そのものに由来する成分は、安全性を理由に排除する必要はなく、従って、本発明に係る等張塩類溶液に含まれていてもよい。
等張塩類溶液としては、緩衝液や輸液剤などが挙げられる。
輸液剤とは、体液補給、電解質バランスの補正、栄養補給などを目的として非経口で投与される電解質輸液や栄養輸液であり、通常、電解質輸液等として体液の代替や補填等に使用されている。
また、輸液剤としては、無機塩類を主体とする生理的塩類溶液であることが好ましく、グルコースなども添加され得る。本発明で使用可能な生理的塩類溶液としては、生理食塩水、リンゲル液、ロック液、アール液、ハンクス液、タイロード液などが挙げられ、これらの生理的塩類溶液は従来、電解質輸液のための輸液剤として利用可能とされているものである。
一方、本発明に使用可能な緩衝液は、細胞の分散や、細胞、組織、臓器の洗浄、培地の浸透圧やpHの調整などに利用されているものであればよく、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液などが挙げられる。なお、炭酸緩衝液には、化学的に定義されうる化合物のみで構成される基礎的培地も含まれる。この基礎的培地は、従来、細胞増殖が見込めないため、単独で培養や保存に使用されることはなく、血清やタンパク質、成長因子(growth factor)などの、本発明における非許容性物質を添加したものが増殖用培地として利用されているが、本発明ではこのような非許容性物質を含まない状態で使用される。
この中でも本発明では、緩衝液としてはリン酸緩衝液が好ましく、輸液剤としては生理的塩類溶液、殊にリンゲル系保存液または生理食塩水のいずれかであることが好ましい。
輸液剤とは、体液補給、電解質バランスの補正、栄養補給などを目的として非経口で投与される電解質輸液や栄養輸液であり、通常、電解質輸液等として体液の代替や補填等に使用されている。
また、輸液剤としては、無機塩類を主体とする生理的塩類溶液であることが好ましく、グルコースなども添加され得る。本発明で使用可能な生理的塩類溶液としては、生理食塩水、リンゲル液、ロック液、アール液、ハンクス液、タイロード液などが挙げられ、これらの生理的塩類溶液は従来、電解質輸液のための輸液剤として利用可能とされているものである。
一方、本発明に使用可能な緩衝液は、細胞の分散や、細胞、組織、臓器の洗浄、培地の浸透圧やpHの調整などに利用されているものであればよく、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液などが挙げられる。なお、炭酸緩衝液には、化学的に定義されうる化合物のみで構成される基礎的培地も含まれる。この基礎的培地は、従来、細胞増殖が見込めないため、単独で培養や保存に使用されることはなく、血清やタンパク質、成長因子(growth factor)などの、本発明における非許容性物質を添加したものが増殖用培地として利用されているが、本発明ではこのような非許容性物質を含まない状態で使用される。
この中でも本発明では、緩衝液としてはリン酸緩衝液が好ましく、輸液剤としては生理的塩類溶液、殊にリンゲル系保存液または生理食塩水のいずれかであることが好ましい。
本発明におけるリンゲル系保存液とは、一般に電解質輸液として使用されているリンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液からなる群より選択された少なくとも1つを基礎とすることが好ましい。ここで「基礎とする」とは、これらのリンゲル液等に各種の添加成分を添加してもよいことを意味し、これらのリンゲル液等が80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが更に好ましく、100%であることが更に好ましい。従って、これらのリンゲル系保存液に糖類、ビタミンまたはアミノ酸が添加されていてもよい。糖類としては、グルコース(ブドウ糖)、ソルビトール、トレハロース、マルトース、フルクトース、キシリトールなどが挙げられる。ビタミンとしては、アスコルビン酸などが挙げられる。
これらのリンゲル系保存液は、輸液剤として通常用いられているものがそのまま適用可能である。各輸液剤の組成は、当業者にとって周知である。例えばリンゲル液では、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムから構成され、塩素として0.53〜0.58w/v%および塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)として0.030〜0.036w/v%、pH5.0〜7.5となっている。また、種々の輸液剤がアステマリン(登録商標:ビーブラウン模範薬品社製)、KN補液(大塚製薬社製)、デノサリン(登録商標:テルモ社製)、ソルデム(登録商標:テルモ社製)、ソリタ(登録商標:清水製薬社製)、アクチット(登録商標:日研化学社製)、リプラス(登録商標:扶桑薬品工業社製)、キョーラート(登録商標:杏林製薬社製)、フルクトラクト(登録商標:大塚製薬社製)、ソルラクト(登録商標:テルモ社製)、ニソリ(登録商標:ビーブラウン模範薬品社製)、ラクテック(登録商標:大塚製薬社製)などの製品名で提供されているので、目的とする培養組織との適合性を鑑みて選択的に決定することが好ましい。
本発明に用いられる緩衝液としては、種々知られているものがそのまま適用でき、例えばリン酸緩衝液は塩化カリウムやリン酸カリウムなどを含み、pH7.0〜7.2として使用されているものが挙げられ、シグマ社やライフテクノロジーズ社など数社から市販されている。また、生理食塩水は、当業界で周知の液体であって、塩化ナトリウム0.85〜0.9g/100mL水、pH4.5〜8.0、好ましくはpH6.0〜8.0のものをいう。
これらの保存液には、必要に応じて、使用時に洗浄を必要としない他の成分を含むことができる。このような成分としては、抗生物質、糖類、ビタミン、アミノ酸などが挙げられる。さらに、これらの保存液に細胞外マトリクス(ECM)を添加してもよく、殊に培養組織を構成する細胞が産生する細胞外マトリクスが添加されることが好ましい。このような細胞外マトリクスとしては、グリコサミノグリカン(GAG)やコラーゲン、ヒアルロン酸などが挙げられる。
各種の成分の添加量は、保存する培養組織の状態に応じて適宜選定すればよい。ここで云う培養組織の状態とは、細胞種、細胞密度、細胞外基質の産生量などが挙げられる。アミノ酸、ビタミンおよび糖類の添加量に関しては、保存液の浸透圧がほぼ等張となるようにコントロールすることが重要である。実際に添加する量は、当業者であれば容易に決定することができる。
なお、これらの保存液のうちのいずれを選択するかは、保存温度、培養組織の種類に応じて適宜選択される。例えば、培養軟骨組織には、リンゲル系保存液がより好ましく、培養表皮組織にはビタミンおよびアミノ酸を添加したリンゲル液がより好ましい。
各種の成分の添加量は、保存する培養組織の状態に応じて適宜選定すればよい。ここで云う培養組織の状態とは、細胞種、細胞密度、細胞外基質の産生量などが挙げられる。アミノ酸、ビタミンおよび糖類の添加量に関しては、保存液の浸透圧がほぼ等張となるようにコントロールすることが重要である。実際に添加する量は、当業者であれば容易に決定することができる。
なお、これらの保存液のうちのいずれを選択するかは、保存温度、培養組織の種類に応じて適宜選択される。例えば、培養軟骨組織には、リンゲル系保存液がより好ましく、培養表皮組織にはビタミンおよびアミノ酸を添加したリンゲル液がより好ましい。
また本発明の保存期間における温度、すなわち所定温度とは、細胞が増殖するほどの高い温度ではなく、且つ細胞が凍結しない温度である。すなわち培養温度よりも低い温度であり、細胞が低活性の状態となる。好ましくは2℃以上、より好ましくは4℃以上、更に好ましくは8℃以上であって、好ましくは25℃以下、より好ましくは18℃以下、更に好ましくは13℃以下である。この範囲内では培養組織を比較的長い間、良好に保存することができる。また、保存液や培養組織の種類に応じて適宜保存温度を変更することができる。例えば、培養軟骨の場合、リン酸緩衝保存液であれば4℃〜25℃とすることができ、リンゲル系保存液であれば2℃〜18℃とすることが特に好ましい。
本発明に適用可能な培養組織は、細胞を培養することによって構成された培養組織であれば、如何なるものであっても適用することができる。表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、筋細胞、脂肪細胞、肝細胞、平滑筋細胞、神経細胞、膵臓β細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、間葉系幹細胞、胚性幹細胞等を挙げることができる。
培養細胞は、培養中に、細胞の増殖や移植環境への適合性などに関与する細胞外マトリクス(ECM:Extra Cellar Matrix)を産生する。この細胞外マトリクスは、培養組織の特性を本来の組織の状態に近づけるために重要である。本発明の保存液は、培養処理中に産生された細胞外マトリクスが個々の細胞を囲むように位置した状態の培養組織において効果が高く、殊に細胞外マトリクスの産生能が高い細胞を培養して得られる培養組織に対して特に効果が高いので、このような細胞、例えば軟骨細胞、骨芽細胞、線維芽細胞、角膜実質細胞、肝実質細胞などの間質細胞による培養組織の保存に対して用いられることが特に好ましい。
例えば軟骨細胞は、生体内または培養条件下で、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸などのグリコサミノグリカンやプロテオグリカン、タイプIIコラーゲンなどの細胞外マトリクスを産生する。細胞外マトリクスの有無および量は、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、RT−PCR法などを用いて常法により測定することができる。
例えば軟骨細胞は、生体内または培養条件下で、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸などのグリコサミノグリカンやプロテオグリカン、タイプIIコラーゲンなどの細胞外マトリクスを産生する。細胞外マトリクスの有無および量は、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、RT−PCR法などを用いて常法により測定することができる。
細胞の培養に用いられる液体培地および細胞播種密度は、細胞の種類に応じて通常用いられている液体培地および播種密度をそのまま適用可能である。例えば軟骨細胞の場合には、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、ハムF−12(HAM F−12)などの培地にウシ胎児血清(FBS)や抗生物質、成長因子(Growth Factor)などが添加されたものが使用される。ただし、本発明による保存方法を行う前に、本発明に係る保存液などで洗浄して、培地に含まれる非許容性成分を培養組織から洗い流しておくことが好ましい。
培養組織の形態は、スフェロイド(凝集塊)や細胞シートなど、細胞のみで構成しても良いし、多孔質体(スポンジ状)やゲル状のスキャフォールド(足場または担体)に細胞を保持させて構成しても良い。このいずれの場合においても、培養処理時に産生される細胞外マトリクス(ECM)が含まれていることが好ましい。
殊に軟骨細胞のような単層培養によって脱分化するような細胞の場合には、ゲル状のスキャフォールドに包埋したり、多孔体(スポンジ状体)のスキャフォールドに播種したりすることによる三次元培養に供されることが、細胞が脱分化することなく、細胞形態を保持できるので好ましい。このようなスキャフォールドとしては、コラーゲン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリクスや、アルギン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール乳酸、ポリロタキサンなどの生体適合性材料が好ましく、殊にコラーゲンであることが好ましい。
殊に軟骨細胞のような単層培養によって脱分化するような細胞の場合には、ゲル状のスキャフォールドに包埋したり、多孔体(スポンジ状体)のスキャフォールドに播種したりすることによる三次元培養に供されることが、細胞が脱分化することなく、細胞形態を保持できるので好ましい。このようなスキャフォールドとしては、コラーゲン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリクスや、アルギン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール乳酸、ポリロタキサンなどの生体適合性材料が好ましく、殊にコラーゲンであることが好ましい。
コラーゲンは、細胞増殖の足場として人体に安全なものであれば、いずれのものを用いることができる。例えば、ウシなどの皮膚から得られるI型コラーゲンや、ブタ、ニワトリ由来のコラーゲンが挙げられる。さらに、コラーゲン末端のテロペプチドを切断したアテロコラーゲンを使用することがさらに好ましい。これらのコラーゲンは、どれも高純度の製品が入手可能である。
本発明における培養組織作製時の細胞播種密度、培養温度、使用する培養容器などの培養条件は、培養対象となる細胞の培養において通常行われている培養条件がそのまま適用される。
培養後の保存は、培養液をほぼ完全に除去した後に、本発明に係る保存液を充填した容器中に培養組織を配置すること、あるいは培養組織が配置された容器中に保存液を充填することによって行われる。ここで培養組織の保存は、培養組織が容器に接着したままの状態で行ってもよく、保存液中で浮遊した状態で行ってもよい。この保存に使用される容器には、培養組織の保存に適した形態のいずれもが使用でき、通常、培養に使用される培養容器がそのまま使用される。なお、保存液は少なくとも培養組織が浸漬する量を充填することが好ましく、予定する保存期間や培養組織の大きさに応じて適宜決定すればよい。
また、作製される培養組織の状態は、細胞種、細胞の状態(細胞密度や細胞外マトリクスの産生量など)、後述する保存温度、予定する保存期間の長さおよび使用用途などに応じて適宜選択され、当業者には容易に設定可能である。
また、作製される培養組織の状態は、細胞種、細胞の状態(細胞密度や細胞外マトリクスの産生量など)、後述する保存温度、予定する保存期間の長さおよび使用用途などに応じて適宜選択され、当業者には容易に設定可能である。
保存時における保存温度は、前述した所定温度に調整され維持される。この保存温度の調整は、電気的あるいは化学的など、温度維持として周知の手段のいずれをも使用することができる。例えば、所定の保存温度の範囲に設定・維持可能な恒温器や保温器などが挙げられる。このような恒温器(保温器)中では、培養組織は、保存液を満たした容器内で保存される。ここで云う恒温器(保温器)とは、特定の温度を一様に維持できるものだけでなく、輸送または保存期間の間のみ、温度を所定範囲で維持できるものであればよい。
本発明において保存は、培養組織の輸送形態を兼ねた恒温器で行われることが好ましい。本発明において適用可能な輸送形態には、培養組織を輸送後に培養または移植などに使用可能な状態となるように輸送するあらゆる形態が含まれる。特に、上述した保存温度を輸送期間にわたって安定して維持可能な恒温器を用いた輸送形態が好ましい。このような恒温器としては、内部にサーモスタットを用いた温度調節機構を有する輸送器が挙げられる。
また、内部に蓄温材を備えた断熱輸送器を使用することが好ましい。例えば蓄温材が融点t℃の内容物を有している場合、外気温がt℃以上のときに蓄温材で囲まれた内部温度をt℃に維持するには、その内容物が固化した蓄温材を用いればよい。こうすれば、内容物がすべて液化するまでの期間中、内部温度はt℃に維持される。一方、外気温がt℃以下のときに蓄温材で囲まれた内部温度をt℃に維持するには、その内容物が液化した蓄温材を用いればよい。こうすれば、内容物がすべて固化するまでの期間中、内部温度はt℃に維持できる。さらに、異なる融点を有する複数種の蓄温材を併用すれば、それぞれの融点による温度調節が可能となる。
本発明によれば、培養組織を少なくとも2日以上、好ましくは4日、更に好ましくは7日間以上にわたり培養組織を保存することができる。このため、培養組織を遠方に輸送する場合であっても出荷から到着までの輸送期間中は良好な状態に保存された培養組織を提供することが可能となる。その上、非許容性成分を含まない等張塩類溶液を保存液としているので、洗浄工程を設けることなく、使用する際の洗浄工程に要する時間を著しく短縮して、迅速に目的使用に供することができる。
より具体的な本発明の形態としては、コラーゲンゲルに包埋された軟骨細胞を培養して培養軟骨を得た後、前記培養軟骨をリンゲル系保存液中に浸漬した状態で、且つ2〜18℃の範囲で保存することが好ましい。このように作製したコラーゲン包埋型の培養軟骨をリンゲル系保存液、殊にリンゲル液に浸漬して保存した場合、非常に高い水準で生細胞を維持でき、安定した保存効果を得ることができる。
〔培養軟骨の作製〕
日本白色家兎の膝、股、肩関節から関節軟骨を採取し、トリプシンEDTA溶液およびコラゲナーゼ溶液で酵素処理を行い、軟骨細胞を分離・回収した。得られた軟骨細胞を洗浄後、10%ウシ胎児血清(FBS)含有DMEMを加え、細胞密度が1×107個/mlとなるように細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液と3%アテロコラーゲンインプラント(高研社製)が1:4の割合になるように混合(包埋)し、この混合液100μlを培養容器に略ドーム状となるようにマウント(設置)した。この工程によって細胞密度は希釈される。すなわち、細胞懸濁液を1×107個/mlの濃度で調製した場合、コラーゲンに包埋したときの濃度は2×106個/cm3(2×105個/100μlスキャフォールド)となる。
日本白色家兎の膝、股、肩関節から関節軟骨を採取し、トリプシンEDTA溶液およびコラゲナーゼ溶液で酵素処理を行い、軟骨細胞を分離・回収した。得られた軟骨細胞を洗浄後、10%ウシ胎児血清(FBS)含有DMEMを加え、細胞密度が1×107個/mlとなるように細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液と3%アテロコラーゲンインプラント(高研社製)が1:4の割合になるように混合(包埋)し、この混合液100μlを培養容器に略ドーム状となるようにマウント(設置)した。この工程によって細胞密度は希釈される。すなわち、細胞懸濁液を1×107個/mlの濃度で調製した場合、コラーゲンに包埋したときの濃度は2×106個/cm3(2×105個/100μlスキャフォールド)となる。
マウントした混合液は、5%CO2、37℃の条件下で0.5〜1時間、静置してゲル化させ、培地を加え、培養を開始した。培地には50μg/mlアスコルビン酸(L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物:C6H6O9P・3/2Mg・nH2O;日光ケミカルズ株式会社製)を含むように調整した10%FBS含有DMEMを使用し、37℃、5%CO2の条件下で、3週間または4週間の培養を行った。培養後には、直径が約10mm、厚みが約2mmの培養軟骨が得られた。
〔実施例1〕
上述の工程で作製した培養軟骨に対して、リン酸緩衝液(PBS:Phosphate Buffered Saline)を保存液とし、4℃、8℃、13℃、18℃、25℃、37℃の種々の温度で保存実験を行った。PBS保存液は、ギブコ社製のものを使用した。保存実験は培養容器から培地を除去した後、PBSで培養軟骨を洗浄し、培養容器に5mlのPBSを注入することで培養軟骨を浸漬させた。この培養容器を恒温器内に静置し、各実験温度で保存した。保存開始時の生細胞密度は、およそ1.0〜2.0×107個/cm3の範囲であった。培養組織の実験サンプルは、各温度に対して3種類のロットで作製し、保存期間ごとに1つずつを観察して生細胞数をカウントした。
上述の工程で作製した培養軟骨に対して、リン酸緩衝液(PBS:Phosphate Buffered Saline)を保存液とし、4℃、8℃、13℃、18℃、25℃、37℃の種々の温度で保存実験を行った。PBS保存液は、ギブコ社製のものを使用した。保存実験は培養容器から培地を除去した後、PBSで培養軟骨を洗浄し、培養容器に5mlのPBSを注入することで培養軟骨を浸漬させた。この培養容器を恒温器内に静置し、各実験温度で保存した。保存開始時の生細胞密度は、およそ1.0〜2.0×107個/cm3の範囲であった。培養組織の実験サンプルは、各温度に対して3種類のロットで作製し、保存期間ごとに1つずつを観察して生細胞数をカウントした。
図1にPBSを用いた保存において、各温度条件による生細胞密度の時間変化を示す。図1は、保存開始時の生細胞密度に対する所定保存期間経過後の生細胞密度の割合を示している。通常の培養温度である37℃では、3日目には急激に生細胞密度が減少していることが観察できる。これに対して、4℃〜25℃では、3日目を経過してもある程度までの生細胞密度を維持できることが示された。
特に、8℃、13℃、18℃では、3日目以降も比較的生細胞密度が安定しており、PBSを用いた比較的長期間の保存が可能なことが示唆されている。また、4℃では、少ない生細胞密度ではあるが、10日目まで安定して保存されていることが観察できた。
特に、8℃、13℃、18℃では、3日目以降も比較的生細胞密度が安定しており、PBSを用いた比較的長期間の保存が可能なことが示唆されている。また、4℃では、少ない生細胞密度ではあるが、10日目まで安定して保存されていることが観察できた。
〔実施例2〕
次に、既存の臓器保存液、無血清培地、リンゲル系保存液をPBSと比較した。
実験に用いた既存の臓器保存液としては、Via Span(NPBI International BV, Netherland:NPBIインターナショナル社製,オランダ)、Celsior(Sangstat Medical Corporation:サングスタット・メディカル社製)の2種類を使用した。また、無血清培地としてEx Cell 325(JRH社製)、Ex Cell 505(JRH社製)、PFHM II(ギブコ社製)の3種類を使用した。用いたリンゲル系保存液としては、リンゲル液(大塚製薬工場社製)を用いた。PBSは実施例1と同様のものを使用した。
保存温度は2〜8℃(温度の振幅)または13℃とし、10日間の保存期間で比較した(図2参照)。培養組織の実験サンプルは、同一ロットで45個を作製し、各保存液および保存温度において6個ずつを実験に供した。保存期間ごとに培養軟骨を3つずつ観察し、生細胞数をカウントした。なお、図中の白抜きの丸は、培養直後(保存開始時)の生細胞密度を示し、実験サンプルの内、保存実験に供していない3個からカウントしている(2〜8℃と13℃は同一データ)。
次に、既存の臓器保存液、無血清培地、リンゲル系保存液をPBSと比較した。
実験に用いた既存の臓器保存液としては、Via Span(NPBI International BV, Netherland:NPBIインターナショナル社製,オランダ)、Celsior(Sangstat Medical Corporation:サングスタット・メディカル社製)の2種類を使用した。また、無血清培地としてEx Cell 325(JRH社製)、Ex Cell 505(JRH社製)、PFHM II(ギブコ社製)の3種類を使用した。用いたリンゲル系保存液としては、リンゲル液(大塚製薬工場社製)を用いた。PBSは実施例1と同様のものを使用した。
保存温度は2〜8℃(温度の振幅)または13℃とし、10日間の保存期間で比較した(図2参照)。培養組織の実験サンプルは、同一ロットで45個を作製し、各保存液および保存温度において6個ずつを実験に供した。保存期間ごとに培養軟骨を3つずつ観察し、生細胞数をカウントした。なお、図中の白抜きの丸は、培養直後(保存開始時)の生細胞密度を示し、実験サンプルの内、保存実験に供していない3個からカウントしている(2〜8℃と13℃は同一データ)。
図2(a)および(b)に示されるように、10日間の保存期間経過後の生細胞密度は、PBSを用いた保存(白菱形)では、2〜8℃において他の2種類の臓器保存液と同等の生細胞密度を維持し、リンゲル液を用いた保存(十字)では、2〜8℃および13℃のいずれにおいても臓器保存液よりも良好に生細胞を維持できることが明らかとなった。なお、リンゲル液を用いた保存は、2〜8℃における20日間の保存期間でも臓器保存液と同程度に生細胞を維持することができた(データ示さず)。また、臓器保存液で保存した培養軟骨では軟化の傾向が見られ、培養直後の硬さを有しておらず、機械的特性が変化していることが観察できた。
これらの結果から、PBSおよびリンゲル液は培養軟骨の保存液として有効に利用でき、特に、リンゲル液は、培養軟骨に対する高いレベルの保存効果を有しているということができる。
これらの結果から、PBSおよびリンゲル液は培養軟骨の保存液として有効に利用でき、特に、リンゲル液は、培養軟骨に対する高いレベルの保存効果を有しているということができる。
〔実施例3〕
次に、保存期間内での生細胞密度の変化をPBSおよびリンゲル系保存液と臓器保存液とで比較した。
実験には、PBS、リンゲル系保存液としてリンゲル液、臓器保存液として実施例2で生細胞密度が良好だったVia Spanを用いた。これらの保存液はすべて実施例2と同様のものを使用した。保存温度は4℃、13℃で行い、保存期間は2、4、7、10日とした(図3参照)。培養組織の実験サンプルは、同一ロットで75個を作製し、各保存液及び保存温度において12個ずつを実験に供した。保存期間ごとに培養軟骨を3つずつ観察し、生細胞数をカウントした。保存液の実験に供されなかった3つは、培養直後(保存実験前)の生細胞密度のデータとして使用した。なお、図中の折れ線は、カウントした3つの生細胞密度データの平均値を、培養直後の生細胞密度の平均値を含め、各保存液ごとに直線で結んだものを示す。
図3に示されるように、4℃の場合(a)および13℃の場合(b)のいずれでも、リンゲル液(白丸、破線)、次いでPBS(白菱形、一点破線)、臓器保存液(白三角、実線)の順に生細胞密度を維持していた。これらの結果から、リンゲル液およびPBSは、培養軟骨の保存液として非常に有効であることが示された。
次に、保存期間内での生細胞密度の変化をPBSおよびリンゲル系保存液と臓器保存液とで比較した。
実験には、PBS、リンゲル系保存液としてリンゲル液、臓器保存液として実施例2で生細胞密度が良好だったVia Spanを用いた。これらの保存液はすべて実施例2と同様のものを使用した。保存温度は4℃、13℃で行い、保存期間は2、4、7、10日とした(図3参照)。培養組織の実験サンプルは、同一ロットで75個を作製し、各保存液及び保存温度において12個ずつを実験に供した。保存期間ごとに培養軟骨を3つずつ観察し、生細胞数をカウントした。保存液の実験に供されなかった3つは、培養直後(保存実験前)の生細胞密度のデータとして使用した。なお、図中の折れ線は、カウントした3つの生細胞密度データの平均値を、培養直後の生細胞密度の平均値を含め、各保存液ごとに直線で結んだものを示す。
図3に示されるように、4℃の場合(a)および13℃の場合(b)のいずれでも、リンゲル液(白丸、破線)、次いでPBS(白菱形、一点破線)、臓器保存液(白三角、実線)の順に生細胞密度を維持していた。これらの結果から、リンゲル液およびPBSは、培養軟骨の保存液として非常に有効であることが示された。
〔実施例4〕
培養軟骨の保存に非常に有効であるリンゲル液と同様に、輸液剤として利用される生理食塩水(0.9%NaCl溶液)について、保存液としての効用を調べた。
保存温度を4℃とし、保存期間を4、10日として、培養軟骨の生細胞密度の変化を観察した(図4参照)。培養組織の実験サンプルは、同一ロットで21個を作製し、各保存液ごとに6個ずつを実験に供した。保存4日目及び10日目において、各保存液ごとに3つの培養軟骨を観察し、生細胞数をカウントした。保存液の実験に供されなかった3つは、培養直後(保存実験前)の生細胞密度のデータとして使用した。なお、図中の折れ線は、カウントした3つの生細胞密度データの平均値を、培養直後の生細胞密度の平均値を含め、各保存液ごとに直線で結んだものを示す。
図4(a)および(b)に示されるように、生理食塩水(白四角、一点破線)もまた、リンゲル液(黒三角、破線)およびPBS(黒丸、実線)と同じように培養軟骨の保存液として適していることが証明された。また、リンゲル液による保存では、保存開始時となる培養直後(白丸)と比較しても十分な量の生細胞密度が存在していることも示されている。
培養軟骨の保存に非常に有効であるリンゲル液と同様に、輸液剤として利用される生理食塩水(0.9%NaCl溶液)について、保存液としての効用を調べた。
保存温度を4℃とし、保存期間を4、10日として、培養軟骨の生細胞密度の変化を観察した(図4参照)。培養組織の実験サンプルは、同一ロットで21個を作製し、各保存液ごとに6個ずつを実験に供した。保存4日目及び10日目において、各保存液ごとに3つの培養軟骨を観察し、生細胞数をカウントした。保存液の実験に供されなかった3つは、培養直後(保存実験前)の生細胞密度のデータとして使用した。なお、図中の折れ線は、カウントした3つの生細胞密度データの平均値を、培養直後の生細胞密度の平均値を含め、各保存液ごとに直線で結んだものを示す。
図4(a)および(b)に示されるように、生理食塩水(白四角、一点破線)もまた、リンゲル液(黒三角、破線)およびPBS(黒丸、実線)と同じように培養軟骨の保存液として適していることが証明された。また、リンゲル液による保存では、保存開始時となる培養直後(白丸)と比較しても十分な量の生細胞密度が存在していることも示されている。
このように、リンゲル液、生理食塩水、PBSは、これまで輸液や洗浄用などとして使用されてきたが、これとは別に所定の期間にわたって培養軟骨を保存することにも適していることが示された。これらの保存液は、直接生体内に注入しても害のないものであるので、使用時に洗浄工程を行う必要がなく、特別な技術を有しなくても手間をかけることなく容易に使用することができる。
〔実施例5〕
以上の実施例1〜4ではウサギ由来の軟骨細胞で作製した培養軟骨を例として挙げて説明したが、以下の実施例5では、ヒト由来の軟骨細胞で作製した培養軟骨の例を説明する。
トリプシンEDTA溶液およびコラゲナーゼ溶液でヒト由来の関節軟骨を酵素処理し、軟骨細胞を分離・回収した。得られた軟骨細胞を洗浄後、10%ウシ胎児血清(FBS)含有DMEMを加え、細胞密度が7.19×106個/mlとなるように細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液と3%アテロコラーゲンインプラント(高研社製)が1:4の割合になるように混合(包埋)し、この混合液100μlを培養容器にマウント(設置)した。この工程によって細胞密度は希釈される。すなわち、細胞懸濁液を7.19×106個/mlの濃度で調製した場合、コラーゲンに包埋したときの濃度は1.44×106個/cm3(1.44×105個/100μlスキャフォールド)となる。
以上の実施例1〜4ではウサギ由来の軟骨細胞で作製した培養軟骨を例として挙げて説明したが、以下の実施例5では、ヒト由来の軟骨細胞で作製した培養軟骨の例を説明する。
トリプシンEDTA溶液およびコラゲナーゼ溶液でヒト由来の関節軟骨を酵素処理し、軟骨細胞を分離・回収した。得られた軟骨細胞を洗浄後、10%ウシ胎児血清(FBS)含有DMEMを加え、細胞密度が7.19×106個/mlとなるように細胞懸濁液を調製した。細胞懸濁液と3%アテロコラーゲンインプラント(高研社製)が1:4の割合になるように混合(包埋)し、この混合液100μlを培養容器にマウント(設置)した。この工程によって細胞密度は希釈される。すなわち、細胞懸濁液を7.19×106個/mlの濃度で調製した場合、コラーゲンに包埋したときの濃度は1.44×106個/cm3(1.44×105個/100μlスキャフォールド)となる。
マウントした混合液は、5%CO2、37℃の条件下で1時間、静置してゲル化させ、培地を加え、培養を開始した。培地には50μg/mlアスコルビン酸(L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物:C6H6O9P・3/2Mg・nH2O;日光ケミカルズ株式会社製)を含むように調整した10%FBS含有DMEMを使用し、37℃、5%CO2の条件下で、3週間または4週間の培養を行った。培養後には、直径が約8mm、厚みが約2mmの培養軟骨が得られた。
上述の工程で作製したヒト由来軟骨細胞による培養軟骨に対して、リンゲル液(大塚製薬社製)を保存液とし、8℃、13℃、18℃の種々の温度で保存実験を行った。保存期間は、保存2日目、3日目、4日目において観察した。保存実験は、まず培養容器から培地を除去し、リンゲル液で培養軟骨を洗浄する。次いで、培養軟骨を培養面から剥離して別の容器に移した後、容器に90mlのリンゲル液を注入して培養軟骨を浸漬した。この容器を恒温器内に静置し、各実験温度で保存した。保存開始時の生細胞密度は、およそ3.19×106個/cm3であった。培養組織の実験サンプルは同一ロットの培養軟骨を10個作製した。各温度において3個ずつを保存実験に供し、残りの1個を保存実験前(保存0日目)の生細胞密度のデータとして使用した。各温度において保存期間ごとに1つずつを観察し、生細胞数をカウントした。
図5にその結果を示す。保存4日目までを観察したが、生細胞密度の目立った減少も見られず、安定して保存することができた。これにより、ウサギ培養軟骨だけでなく、ヒト培養軟骨においても、本発明が有効であることが示された。
図5にその結果を示す。保存4日目までを観察したが、生細胞密度の目立った減少も見られず、安定して保存することができた。これにより、ウサギ培養軟骨だけでなく、ヒト培養軟骨においても、本発明が有効であることが示された。
〔実施例6〕
次に、リンゲル液に、アミノ酸およびビタミンを添加した際の保存能について検討した。なお、実施例1〜5で示した培養軟骨では、リンゲル液単独でも十分な保存能が示されたため、アミノ酸及びビタミンを添加した際の保存能の差を十分に評価できない可能性が考えられる。そこで、培養軟骨とは細胞種と形態が異なる培養表皮を例に挙げ、実施例6及び実施例7で検討した。
ドナーから皮膚組織を採取した後、トリプシン等の酵素処理により表皮細胞(keratinocyte)を単離し、細胞懸濁液を調製する。予め不活化したマウス線維芽細胞を敷設した培養容器(底面積25cm2)に、表皮細胞の懸濁液を7.5×103細胞/cm2の播種密度で播種した。
表皮細胞を播種した後、10%FBS含有DMEMを培地として注入し、37℃、10%CO2の条件下で培養を行った。
次に、リンゲル液に、アミノ酸およびビタミンを添加した際の保存能について検討した。なお、実施例1〜5で示した培養軟骨では、リンゲル液単独でも十分な保存能が示されたため、アミノ酸及びビタミンを添加した際の保存能の差を十分に評価できない可能性が考えられる。そこで、培養軟骨とは細胞種と形態が異なる培養表皮を例に挙げ、実施例6及び実施例7で検討した。
ドナーから皮膚組織を採取した後、トリプシン等の酵素処理により表皮細胞(keratinocyte)を単離し、細胞懸濁液を調製する。予め不活化したマウス線維芽細胞を敷設した培養容器(底面積25cm2)に、表皮細胞の懸濁液を7.5×103細胞/cm2の播種密度で播種した。
表皮細胞を播種した後、10%FBS含有DMEMを培地として注入し、37℃、10%CO2の条件下で培養を行った。
コンフルエントに達した表皮シートを酵素処理によりシート形状のまま培養容器から剥離した後、滅菌シートで懸架し、各種保存液で6℃において2日間保存した。保存液としては、pH調整用のHEPESを含有したDMEM(以下、DMEM[インビトロジェン社製])、リンゲル液、総合アミノ酸製剤を添加したリンゲル液、総合ビタミン製剤を添加したリンゲル液、総合アミノ酸製剤および総合ビタミン製剤を添加したリンゲル液(以下、試験保存液A)を使用した。保存後の剥離シートの生細胞率を保存前剥離シートと比較し、その結果を図6(a)および(b)に示す。また、各保存液の組成を表1に示す。
図に示されるように、リンゲル液+アミノ酸+ビタミンで構成された試験保存液Aでは、DMEMと同程度の生細胞率を示した。これに対して、リンゲル、リンゲル+アミノ酸およびリンゲル+ビタミンの各保存液は、DMEMより20〜30%低い結果となった。
〔実施例7〕
次にビタミン濃度およびアミノ酸濃度が異なる試験保存液BおよびC(表2参照)を作製し、試験保存液A、他の保存液(DMEMおよびリンゲル液)と共に、13℃において2日間保存の際のその保存能を検討した。結果を図7に示す。
次にビタミン濃度およびアミノ酸濃度が異なる試験保存液BおよびC(表2参照)を作製し、試験保存液A、他の保存液(DMEMおよびリンゲル液)と共に、13℃において2日間保存の際のその保存能を検討した。結果を図7に示す。
図7に示されるように、各種試験保存液A〜Cはいずれも、市販の培地DMEMとほぼ同等の細胞保存能を有していることがわかる。
従って、本実施例に係る試験保存液A〜Cを使用することによって、培養組織を所定期間にわたって良好に保存することができると共に、培養組織を移植などの使用の際には洗浄工程を設けることなく即時に使用することができる。
従って、本実施例に係る試験保存液A〜Cを使用することによって、培養組織を所定期間にわたって良好に保存することができると共に、培養組織を移植などの使用の際には洗浄工程を設けることなく即時に使用することができる。
Claims (12)
- 細胞を培養して得られる培養組織の保存方法において、前記培養組織を培養後に、非許容性成分を含まない等張塩類溶液中で且つ所定温度で保存することを特徴とする培養組織の保存方法。
- 前記等張塩類溶液は、緩衝液または輸液剤である請求項1記載の培養組織の保存方法。
- 前記緩衝液は、リン酸緩衝液(PBS)である請求項2に記載の培養組織の保存方法。
- 前記輸液剤は、生理的塩類溶液である請求項2に記載の培養組織の保存方法。
- 前記生理的塩類溶液は、リンゲル系保存液または生理食塩水である請求項4に記載の培養組織の保存方法。
- 前記リンゲル系保存液は、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液からなる群より選択された少なくとも1つを基礎とすることを特徴とする請求項5記載の培養組織の保存方法。
- 前記リンゲル系保存液または生理食塩水には、糖類、ビタミンまたはアミノ酸の少なくともいずれか1つが添加されていることを特徴とする請求項5または6記載の培養組織の保存方法。
- 前記細胞は、軟骨細胞または表皮細胞であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の培養組織の保存方法。
- 前記培養組織は、ゲル状体または多孔体のスキャフォールドおよび培養細胞で構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の培養組織の保存方法。
- 前記スキャフォールドは、コラーゲンであることを特徴とする請求項9に記載の培養組織の保存方法。
- 前記所定温度は、2〜25℃であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の培養組織の保存方法。
- 細胞を培養して得られる培養組織の保存方法において、コラーゲンゲルに包埋された軟骨細胞を培養して培養軟骨を得た後、前記培養軟骨をリンゲル系保存液中に浸漬した状態で、且つ2〜18℃の範囲で保存することを特徴とする培養組織の保存方法。
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