JP2003135056A - 移植用組織等価物の製造方法及びその製造用器具 - Google Patents

移植用組織等価物の製造方法及びその製造用器具

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JP2003135056A
JP2003135056A JP2001333362A JP2001333362A JP2003135056A JP 2003135056 A JP2003135056 A JP 2003135056A JP 2001333362 A JP2001333362 A JP 2001333362A JP 2001333362 A JP2001333362 A JP 2001333362A JP 2003135056 A JP2003135056 A JP 2003135056A
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cells
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Mitsuo Ochi
光夫 越智
Kenichi Kajitani
健一 梶谷
Katsura Sugawara
桂 菅原
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Japan Tissue Engineering Co Ltd
Original Assignee
Japan Tissue Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞培養担体の略全周又は略全域にわたって
細胞増殖させることができる。 【解決手段】 軟骨細胞を含む細胞懸濁液と3%アテロ
コラーゲンインプラントとが1:4の割合になるように
混合(包埋)し、有底筒体10のメンブレンフィルタ1
4にドーム状となるようにマウントし、このマウントし
た混合液をゲル化させることにより細胞を包埋した細胞
培養担体2を得た。続いて培養容器20に液体培地4を
注入し、メンブレンフィルタ14及び細胞培養担体2を
液体培地4に浸漬した。その後、所定条件下で3週間培
養を行った。なお、培養期間中、攪拌子24により液体
培地4を攪拌した。3週間の包埋培養後、略全周にわた
って細胞層が形成された移植用組織等価物6が得られ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の移植対象部
位へ移植可能な移植用組織等価物を製造する製造方法及
び製造用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、細胞を生体外(in vitr
o)で培養して組織(移植用組織等価物)を再構築し、
培養した組織を患者に適用する技術が数多く報告されて
いる。この場合、細胞は単独で培養されるばかりでな
く、細胞増殖の足場(Scaffold)となる担体に
播種され、培養される場合が多い。殊に、厚みや高さを
持たせた三次元形状の組織を作製するためには、担体は
重要な役割を担うことになる。また、組織再生の足場と
なる担体を移植用材料(インプラント材料)として単独
又は成長因子(Growth Factor)とともに
埋植し、患者本人の自己治癒能力により生体内(in
vivo)で組織を再生させる技術も確立されつつあ
る。これらの技術は、再生医療又は組織工学(Tiss
ue Engineering)と称され、注目を浴び
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような移植用組織
等価物としては、例えばコラーゲンに軟骨細胞を包埋し
た後、培養容器の底面にドーム状にマウントしたあとゲ
ル化させ、液体培地を加えて培養を行うことにより得る
ことのできるコラーゲンゲル包埋型の培養軟骨組織が挙
げられる。
【0004】しかしながら、このようにして製造したゲ
ル包埋型の移植用組織等価物は、培養容器の底面と接触
している部分には液体培地が十分に浸透せず、この部分
の細胞増殖があまりみられなかった。また、ゲル形態よ
りも培地の浸透性の良いスポンジ(多孔体)形態を有す
る担体を使用した場合であっても、孔径が大きい場合、
培地の浸透が良好な半面、播種時に細胞が脱落し易く、
逆に孔径が小さい場合には、播種時に細胞が保持され易
い半面、培地の浸透が不十分になり易い、という相反す
る問題を有している。さらに、サイズの大きな移植用組
織等価物を作製する際には、培地を担体に浸透させるこ
との有意性がより顕著に求められる。
【0005】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたものであり、細胞培養担体の略全周又は略全域にわ
たって細胞増殖させることのできる移植用組織等価物の
製造方法を提供することを目的とする。また、そのよう
な移植用組織等価物の製造方法に適する製造用器具を提
供することを別の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発
明の効果】上記課題を解決するため、本発明の第1は、
所定の移植対象部位へ移植可能な移植用組織等価物を製
造する方法であって、前記移植対象部位に応じた移植対
象細胞を播種した細胞培養担体を、培養容器の底面から
離れた状態で支持し、前記培養容器に液体培地を供給し
て前記細胞培養担体を前記液体培地に浸漬させて前記細
胞を培養することを特徴とする。
【0007】本発明の製造方法では、移植対象細胞を播
種した細胞培養担体は、培養容器の底面から離れた状態
で支持され、その状態で液体培地に浸漬されているた
め、細胞培養担体の全周囲より液体培地の栄養分が供給
される。したがって、この製造方法によれば、細胞培養
担体の略全周又は略全域にわたって細胞増殖が起こり、
細胞培養担体の略全周又は略全域にわたって移植対象細
胞を含む細胞群が形成された移植用組織等価物を得るこ
とができる。なお、このようにして得られた移植用組織
等価物は、細胞培養担体の少なくとも略全周にわたって
細胞群が形成されており、その細胞群から多くの細胞外
基質(細胞外マトリクス)が産生されているため、生体
に移植したあと比較的短期間で生着する。
【0008】本発明の製造方法において、移植対象細胞
を細胞培養担体に播種する際の移植対象細胞の播種密度
(包埋密度)は、予定される培養期間や細胞培養担体の
種類や培地の種類に依存するが、一般に、1×104
1×108個/mlが適切であり、2×104〜2×10
7個/mlが好ましく、2×105〜2×106個/ml
が更に好ましい。また、液体培地は、移植対象細胞の通
常の培養に用いられるものであればどのようなものでも
使用可能であり、例えばダルベッコ変法イーグル最小培
地(DMEM)などが挙げられる。また、細胞を培養す
るに際しては、ウシ胎児血清(FBS)などの所定種類
の血清や、増殖因子(Growth Factor)等を、移植対象
細胞の種類に応じて適宜選択し、液体培地に添加しても
よい。
【0009】本発明の製造方法において、前記細胞培養
担体は、前記培養容器の底面から離れた状態で支持され
た前記液体培地を透過可能なフィルタ上に載せられてい
てもよい。この場合、細胞培養担体及びフィルタは液体
培地に浸漬されているため、細胞培養担体のうちフィル
タと接触していない部分に対して液体培地の栄養分が供
給されるのは勿論のこと、フィルタと接触している部分
に対してもフィルタを介して液体培地の栄養分が供給さ
れるため、細胞培養担体の略全周又は略全域にわたって
細胞増殖が起こり、細胞培養担体の少なくとも略全周に
わたって移植対象細胞を含む細胞群が形成された移植用
組織等価物を得ることができる。なお、「液体培地を透
過可能なフィルタ」とは、液体培地を通過させる性質を
持ったフィルタを意味する。
【0010】ここで、前記フィルタは、前記培養容器の
縁に引っ掛けられた引っ掛け部材により前記培養容器の
底面から離れた状態で支持されていてもよい。あるい
は、前記フィルタは、前記培養容器の底面に立てられた
支持脚部材により前記培養容器の底面から離れた状態で
支持されていてもよい。いずれの場合も、比較的簡単な
構成でフィルタを培養容器の底面から離れた状態で支持
できる。
【0011】また、前記フィルタは、ポアサイズが0.
1〜20μm、特に0.3〜10μmであることが好ま
しい。ポアサイズが下限値を下回ると、液体培地が透過
しにくくなり栄養の供給が十分でなくなるおそれがあ
る。また、上限値は使用する担体等の種類や条件によっ
て異なるので、前記サイズに限定されるものではない
が、ポアサイズが大きすぎると、細胞培養担体の形状を
保持できなくなるおそれがある。
【0012】本発明の製造方法において、前記培養は、
前記液体培地を常に又は適時撹拌しながら行うことが好
ましい。この場合、液体培地の濃度差ができにくいた
め、栄養分が比較的均一に供給され、細胞培養担体の略
全周又は略全域にわたって細胞群が形成されやすい。撹
拌は、どのような器具や装置を用いて行ってもよいが、
例えば培養容器の底面に攪拌子を配置し、これをマグネ
ティックスターラを用いて回転させることで攪拌を行
う。なお、本発明の製造方法では、細胞培養担体を培養
容器の底面から離して支持しているため、細胞培養担体
と培養容器底面との間にスペースが生じ、このスペース
を利用して攪拌子を配置し、この攪拌子を回転させるこ
とにより液体培地を撹拌することができる。
【0013】本発明の製造方法において、前記細胞培養
担体は、前記培養容器1つに対して複数個配置してもよ
い。この場合、複数の細胞培養担体に対して同条件で培
養することができる。
【0014】本発明の製造方法において、前記細胞培養
担体は、三次元形状であることが好ましい。三次元形状
とは例えば円柱、多角柱、円錐、多角錐、円錐台、多角
錐台、球などの立体形状のほか、耳殻などの移植対象部
位の形状などが挙げられる。
【0015】本発明の製造方法において、前記細胞培養
担体は、ゲルの形態を有し、前記移植対象細胞が包埋さ
れていることが好ましい。この場合、適当な培地で所定
期間培養して細胞数を増加あるいは分化させた後、移植
対象細胞を細胞培養担体に包埋してもよい。
【0016】本発明の製造方法において、前記細胞培養
担体は、生体吸収性材料又は生体親和性材料であること
が好ましい。この場合、移植先の生体組織が移植用組織
等価物を異物とみなすことが少ないため、組織再生に適
している。特に生体吸収性材料を用いた場合には、移植
後に分解吸収されるため、組織再生に特に適している。
このような生体吸収性材料又は生体親和性材料として
は、例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリロタキサ
ン、ゼラチン、フィブロネクチン、ヘパリン、キチン、
キトサン、ラミニン、アルギン酸カルシウムなどが挙げ
られる。このうち、コラーゲン、ヒアルロン酸及びポリ
ロタキサンの少なくとも1種以上であることが好まし
い。
【0017】本発明の製造方法において、前記細胞培養
担体は、略全周にわたって前記移植対象細胞を含む細胞
層を形成することが好ましい。この場合、移植部位と接
する部分に細胞が十分に存在するので、移植先における
生着や治療等が促進される。
【0018】本発明の製造方法において、前記細胞層
は、前記移植対象細胞から産生された細胞基質を含んで
なることが好ましい。この場合、移植先で産生されてい
る細胞基質と同等のものを有していることになり、移植
先における生着や治療等が促進される。
【0019】本発明の製造方法において、前記細胞層
は、特にどの程度の厚さであってもよいが、20〜50
0μmが好ましく、100〜200μmが特に好まし
い。厚さが下限値を下回ると、移植用組織等価物として
十分な機能を発揮できないおそれがあり、上限値を上回
ると、移植先の形状に応じてフレキシブルに変化するこ
とが困難な場合があり、生着に時間がかかる可能性があ
る。
【0020】本発明の製造方法において、前記細胞は、
移植用組織等価物の移植先に応じて適宜選択することが
でき、生体への移植が可能な細胞であれば特に限定され
ないが、移植用組織等価物の三次元形状によって効率的
に増殖可能な細胞が好ましく、軟骨細胞、骨芽細胞、線
維芽細胞、脂肪細胞、肝細胞、膵細胞、筋細胞又はこれ
らの前駆細胞や、間葉系幹細胞、胚性幹細胞(ES細
胞)が挙げられる。これらの細胞は移植対象部位に応じ
て単独で用いてもよいし2種以上を用いてもよい。これ
らの細胞は、細胞種に応じた公知の採取方法によって生
体から採取すればよく、また、採取された細胞をそのま
ま使用してもよいし、適当な培地で所定期間培養するこ
とで増殖または分化させたあとに細胞培養担体に播種し
てもよい。
【0021】本発明の第2は、液体培地を透過可能なフ
ィルタと、培養容器の縁に引っ掛けられ、前記培養容器
の底面から離れた状態で前記フィルタを支持する引っ掛
け部材とを備えた移植用組織等価物の製造用器具に関す
る。
【0022】この製造用器具では、引っ掛け部材を培養
容器の縁に引っ掛けるとフィルタが培養容器の底面から
離れた状態で支持されるため、細胞が播種された細胞培
養担体をこのフィルタ上に載せ、細胞培養担体とフィル
タとを液体培地に浸漬して細胞を培養すれば、細胞培養
担体のうちフィルタと接触していない部分に対して液体
培地の栄養分が供給されるのは勿論のこと、フィルタと
接触している部分に対してもフィルタを介して液体培地
の栄養分が供給される。このため、細胞培養担体の略全
周又は略全域にわたって細胞増殖が起こり、細胞培養担
体の少なくとも略全周にわたって移植対象細胞を含む細
胞群が形成された移植用組織等価物を得ることができ
る。
【0023】本発明の第3は、液体培地を透過可能なフ
ィルタと、培養容器の底面に立てられ前記培養容器の底
面から離れた状態で前記フィルタを支持する支持脚部材
を備えた移植用組織等価物の製造用器具に関する。
【0024】この製造用器具では、支持脚部材を培養容
器の底面に立てるとフィルタが培養容器の底面から離れ
た状態で支持されるため、細胞が播種された細胞培養担
体をこのフィルタ上に載せ、細胞培養担体とフィルタと
を液体培地に浸漬して細胞を培養すれば、細胞培養担体
のうちフィルタと接触していない部分に対して液体培地
の栄養分が供給されるのは勿論のこと、フィルタと接触
している部分に対してもフィルタを介して液体培地の栄
養分が供給される。このため、細胞培養担体の略全周又
は略全域にわたって細胞増殖が起こり、細胞培養担体の
少なくとも略全周にわたって移植対象細胞を含む細胞群
が形成された移植用組織等価物を得ることができる。
【0025】本発明の第2又は第3の製造用器具におい
て、前記フィルタは、ポアサイズが0.1〜20μm、
特に0.3〜10μmであることが好ましい。ポアサイ
ズが下限値を下回ると、液体培地が透過しにくくなり栄
養の供給が十分でなくなるおそれがある。また、上限値
は使用する担体等の種類や条件によって異なるので、前
記サイズに限定されるものではないが、ポアサイズが大
きすぎると、細胞培養担体の形状を保持できなくなるお
それがある。
【0026】
【実施例】[実施例1]図1は本実施例の移植用組織等
価物の製造工程概略図である。本実施例では、ウサギ由
来の軟骨細胞によるコラーゲン包埋型の培養軟骨組織の
製造工程を例に挙げ、説明する。移植用組織等価物を製
造するにあたり、まず、移植用組織等価物の製造用器具
として図2に示す有底筒体10を用意した。この有底筒
体10は、側面12がプラスチック製で底面がポアサイ
ズ0.4μmのメンブレンフィルタ14であり、開口縁
に鍔状の引っ掛け部16,16を有するものを用意し、
この引っ掛け部16,16を培養容器20の縁に引っ掛
け、有底筒体10のメンブレンフィルタ14を培養容器
20の底面22から離した状態で支持させた。この培養
容器20の底面22とメンブレンフィルタ14との間に
はスペースが空いているため、底面22に攪拌子24を
配置した。なお、培養容器20の下には図示しないマグ
ネティックスターラがセットされ、このマグネティック
スターラを駆動させると、攪拌子24が回転する。
【0027】一方、日本白色家兎の膝、股、肩関節から
肩軟骨を採取し、トリプシンEDTA溶液及びコラゲナ
ーゼ溶液で酵素処理を行い、軟骨細胞を分離・回収し
た。得られた軟骨細胞を洗浄後、10%FBS含有DM
EM培地を加え、細胞密度が1×107個/mlとなる
ように細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液と3%ア
テロコラーゲンインプラント(高研社製)とが1:4の
割合になるように混合(包埋)し、有底筒体10のメン
ブレンフィルタ14にドーム状となるように100μl
をマウントした。この混合工程によって細胞密度は希釈
されるので、細胞懸濁液を1×107個/mlの濃度で
調製した場合、コラーゲンに包埋したときの濃度は2×
106個/ml(2×105個/100μl担体)とな
る。マウントした混合液を5%CO2、37℃の条件下
で0.5〜1時間静置してゲル化することにより、細胞
を包埋した細胞培養担体2となった。
【0028】続いて、液体培地4として50μg/ml
アスコルビン酸及び100μg/mlヒアルロン酸を含
むように調製した10v/v%FB含有DMEMを培養
容器20に注入した。このとき、有底筒体10の側面1
2と培養容器20との隙間から液体培地4を注入した。
注入するにつれ、液体培地4はメンブレンフィルタ14
を透過して液位を上げていき、メンブレンフィルタ14
及び細胞培養担体2は液体培地4に浸漬された。その
後、37℃、5%CO2の条件下で3週間培養を行っ
た。なお、培養期間中、攪拌子24の回転により液体培
地4を攪拌して濃度の均一化を図った。また、適宜培地
交換を行った。
【0029】3週間の包埋培養後に、直径が約10m
m、厚みが約3mmの移植用組織等価物6が得られた。
この移植用組織等価物6の形態を確認するために、軟骨
細胞の産生基質である産生ムコ多糖類に対してアルシア
ンブルー染色を、細胞核に対してケルンエヒトロート染
色を常法で行ったあと、断面を顕微鏡で検査したとこ
ろ、略全周にわたって細胞層が形成され、その細胞層は
産生された酸性ムコ多糖類と増殖した軟骨細胞とから形
成されていることが確認された。
【0030】[実施例2]図3は本実施例の移植用組織
等価物の製造工程概略図である。まず、移植用組織等価
物の製造用器具として、実施例1と同様の有底筒体10
を二個用意した。また、この有底筒体10よりも大きな
径を持ち周面に多数の孔32を有する外筒体30を二個
用意した。この外筒体30の上側開口の縁に有底筒体1
0の引っ掛け部16,16を引っ掛け、有底筒体10の
メンブレンフィルタ14を外筒体30に宙づりに支持し
た。更に、培養容器40に、この有底筒体10と一体化
した外筒体30を二個収納した。培養容器40の底面中
央には攪拌子24を配置した。
【0031】続いて実施例1と同様の細胞懸濁液を調製
し、この細胞懸濁液と3%アテロコラーゲンインプラン
ト(高研社製)が1:4の割合になるように混合(包
埋)し、各有底筒体10のメンブレンフィルタ14にド
ーム状となるように100μlをマウントした。マウン
トした混合液は、5%CO2、37℃の条件下で0.5
〜1時間静置してゲル化させることにより、細胞を包埋
した細胞培養担体2とした。
【0032】続いて、実施例1と同様の液体培地4を培
養容器40に注入した。注入していくにつれ、液体培地
4はメンブレンフィルタ14を透過して液位を上げてい
き、メンブレンフィルタ14及び細胞培養担体2は液体
培地4に浸漬された。その後、実施例1と同様にして培
養を行ったところ、実施例1と同様の移植用組織等価物
が二個得られた。
【0033】なお、本発明は上記実施例に何ら限定され
るものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種
々の態様で実施できることはいうまでもない。例えば、
製造用器具として有底筒体10を用いたが、図4に示す
円錐台体50を用いてもよい。この円錐台体50は、多
数の孔53を持つプラスチック製の側面52と、ポアサ
イズ0.4μmのメンブレンフィルタ54である上面と
からなる。この円錐台体50は、側面52が支持脚部材
として機能することにより、メンブレンフィルタ54を
培養容器20の底面22から離した状態で支持するもの
である。さらに、メンブレンフィルタ54上に載置され
る細胞を播種した細胞培養担体に対して、多数の孔53
及びメンブレンフィルタ54を介して培地を供給するも
のである。この円錐台体50を有底筒体10の代わりに
用いたときにも、上記実施例と同様の移植用組織等価物
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の移植用組織等価物の製造工程を表す
概略断面図である。
【図2】実施例1の移植用組織等価物の製造用器具であ
る。
【図3】実施例3の移植用組織等価物の製造途中を表す
概略断面図である。
【図4】他の移植用組織等価物の製造用器具である。
【符号の説明】
2…細胞培養担体、4…液体培地、6…移植用組織等価
物、10…有底筒体、12…側面、14…メンブレンフ
ィルタ、16…引っ掛け部、20…培養容器、22…底
面、24…マグネティックスターラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶谷 健一 島根県出雲市天神町861−2 ダックスタ ウン208号 (72)発明者 菅原 桂 島根県出雲市白枝町562−7 アドニス101 Fターム(参考) 4B029 AA02 BB11 CC11 DA10 DB08 DF09 DF10 4B065 AA93X BC18 BC21 BC46 CA44

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の移植対象部位へ移植可能な移植用
    組織等価物を製造する方法であって、 前記移植対象部位に応じた移植対象細胞を播種した細胞
    培養担体を、培養容器の底面から離れた状態で支持し、
    前記培養容器に液体培地を供給して前記細胞培養担体を
    前記液体培地に浸漬させて前記細胞を培養する移植用組
    織等価物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記細胞培養担体は、前記培養容器の底
    面から離れた状態で支持された前記液体培地を透過可能
    なフィルタ上に載せられている請求項1記載の移植用組
    織等価物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルタは、前記培養容器の縁に引
    っ掛けられた引っ掛け部材により前記培養容器の底面か
    ら離れた状態で支持されている請求項2記載の移植用組
    織等価物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記フィルタは、前記培養容器の底面に
    立てられた支持脚部材により前記培養容器の底面から離
    れた状態で支持されている請求項2記載の移植用組織等
    価物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フィルタは、ポアサイズが0.1〜
    20μmである請求項2〜4のいずれかに記載の移植用
    組織等価物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記培養は、前記液体培地を常に又は適
    時撹拌しながら行う請求項1〜5のいずれかに記載の移
    植用組織等価物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記細胞培養担体は、前記培養容器1つ
    に対して複数個配置する請求項1〜6のいずれかに記載
    の移植用組織等価物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記細胞培養担体は、三次元形状である
    請求項1〜7のいずれかに記載の移植用組織等価物の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記細胞培養担体は、ゲルの形態を有
    し、前記移植対象細胞が包埋されている請求項1〜8の
    いずれかに記載の移植用組織等価物の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記細胞培養担体は、生体吸収性材料
    又は生体親和性材料である請求項1〜9のいずれかに記
    載の移植用組織等価物の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記細胞培養担体は、コラーゲン、ヒ
    アルロン酸及びポリロタキサンの少なくとも1種以上で
    構成されている請求項1〜10のいずれかに記載の移植
    用組織等価物の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記細胞培養担体は、前記培養工程に
    より略全周にわたって前記移植対象細胞を含む細胞層を
    形成する請求項1〜11のいずれかに記載の移植用組織
    等価物の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記細胞層は、前記移植対象細胞から
    産生された細胞基質を含んでなる請求項12に記載の移
    植用組織等価物の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記細胞層は、厚さが20〜500μ
    mである請求項12又は13に記載の移植用組織等価物
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記細胞は、軟骨細胞、骨芽細胞、線
    維芽細胞又はこれらの前駆細胞である請求項1〜14の
    いずれかに記載の移植用組織等価物の製造方法。
  16. 【請求項16】 液体培地を透過可能なフィルタと、 培養容器の縁に引っ掛けられ、前記培養容器の底面から
    離れた状態で前記フィルタを支持する引っ掛け部材とを
    備えた移植用組織等価物の製造用器具。
  17. 【請求項17】 液体培地を透過可能なフィルタと、 培養容器の底面に立てられ、前記培養容器の底面から離
    れた状態で前記フィルタを支持する支持脚部材とを備え
    た移植用組織等価物の製造用器具。
  18. 【請求項18】 前記フィルタは、ポアサイズが0.1
    〜20μmである請求項16又は17に記載の移植用組
    織等価物の製造用器具。
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