JP2005094987A - 回転体駆動制御方法及びその装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ、プログラム、並びに記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ギアを介して感光体ドラムに伝達される回転駆動力を発生するモータの回転軸の回転角変位又は回転角速度を検出し、その検出結果に基づいてモータを制御することにより、感光体ドラムの回転を制御する回転駆動制御方法において、駆動条件が互いに異なる2種類以上の制御パターンでモータを制御し、各制御パターンによる制御時に、感光体ドラムが既定回転角を回転するときの回転時間を計測し、各回転時間の計測結果に基づいて感光体ドラムの1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求め、その回転速度変動の振幅及び位相に基づいてモータを制御する。
【選択図】 図1
Description
ところが、上記モータを一定速度で回転させたとしても、感光体ドラムの回転軸に取り付けられた駆動伝達回転体部材としての駆動歯車に偏心や歯累積ピッチ誤差があると、感光体ドラムに1回転周期の回転速度変動が生じてしまう。そこで、感光体ドラムの回転軸に回転角速度を検出するロータリーエンコーダを取り付けた画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この画像形成装置では、感光体ドラムの回転軸に取り付けたロータリーエンコーダの検出結果を用いて、感光体ドラムが安定した速度で回転するようにモータの回転をフィードバック制御している。
また、この問題は、制御対象回転体が感光体ドラムである場合のみならず、画像形成装置に用いる中間転写体等の無端状のベルト体やそのベルト体の駆動ローラが制御対象回転体である場合にも同様に生じるものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の回転体駆動制御方法において、複数の駆動伝達回転体を介して上記回転駆動源から上記制御対象回転体に回転駆動力を伝達し、上記各制御パターンによる制御時に、該制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間とともに、該複数の駆動伝達回転体のうち該制御対象回転体の回転軸以外の位置にある少なくとも一つの駆動伝達回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測し、これらの回転時間の計測結果に基づいて、計測対象の駆動伝達回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の回転体駆動制御方法において、上記回転時間の計測対象である複数の回転体の回転周期が大きい方から順次、上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御とを行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の回転体駆動制御方法において、上記回転駆動源の回転軸の回転周期と、上記駆動伝達回転体の回転周期と、上記制御対象回転体の回転周期との間の比率がそれぞれ自然数比になっていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の回転体駆動制御方法において、上記複数の駆動伝達回転体の少なくとも一つの回転周期をTr、上記制御対象回転体の回転周期をTo、上記既定回転角をθo、自然数をnとしたとき、次式が成立することを特徴とするものである。
n×Tr=To×(θo/2π)
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの回転体駆動制御方法において、上記回転速度変動の振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御を開始した後、上記回転時間の計測を行い、該計測結果に基づいて上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅又は位相を求め、該振幅又は位相に基づいて該回転駆動源の制御に用いる該回転速度変動の振幅及び位相を補正することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの回転体駆動制御方法において、上記既定回転角がπ[rad]であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の回転体駆動制御装置において、上記駆動伝達回転体を複数備え、上記制御手段は、上記各制御パターンによる制御時に、上記制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間とともに、該複数の駆動伝達回転体のうち該制御対象回転体の回転軸以外の位置にある少なくとも一つの駆動伝達回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測し、これらの回転時間の計測結果に基づいて、上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の回転体駆動制御装置において、上記制御手段は、上記回転時間の計測対象である複数の回転体の回転周期が大きい方から順次、上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御とを行うことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9又は10の回転体駆動制御装置において、上記回転駆動源の回転軸の回転周期と、上記駆動伝達回転体の回転周期と、上記制御対象回転体の回転周期との間の比率がそれぞれ自然数比になっていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の回転体駆動制御装置において、上記複数の駆動伝達回転体の少なくとも一つの回転周期をTr、上記制御対象回転体の回転周期をTo、上記既定回転角をθo、自然数をnとしたとき、次式が成立することを特徴とする回転体駆動制御装置。
n×Tr=To×(θo/2π)
また、請求項13の発明は、請求項8乃至12のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記制御手段は、上記回転速度変動の振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御を開始した後、上記回転時間の計測を行い、該計測結果に基づいて上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅又は位相を求め、該振幅又は位相に基づいて該回転駆動源の制御に用いる該回転速度変動の振幅及び位相を補正することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項8乃至13のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記既定回転角がπ[rad]であることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の回転軸に長手方向中央部が取り付けられ長手方向端部に被検知部を有する棒状部材と、該棒状部材の被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の回転軸に中央部が取り付けられ該中央部から離れた位置における回転方向の一部に被検知部を有する板状部材と、該板状部材の被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の外周面における回転方向の一部に設けられた被検知部と、該被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の回転軸における回転方向の一部を切り欠いて形成された被検知部と、該被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項15乃至18のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記被検知部の回転方向における等角度ずつ離れた複数箇所に、上記検知装置を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項15乃至18のいずれかの回転体駆動制御装置において、上記被検知部を、その回転方向に等角度ずつ離れるように複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項20の回転体駆動制御装置において、上記複数の被検知部の一つを、他の被検知部との間で識別可能に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上の顕像を転写材に転写する転写手段と、複数の支持回転体に掛け渡された無端状のベルト体とを備えた画像形成装置であって、該複数の支持回転体のうち該ベルト体を駆動するための駆動回転体の回転を制御する回転体駆動制御装置として、請求項8乃至21のいずれかの回転体駆動制御装置を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項23の画像形成装置において、上記第2の検出手段は、上記駆動回転体が既定回転角を回転するのを検出する代わりに、上記複数の支持回転体のうち上記ベルト体に従動する従動回転体が既定回転角を回転するのを検出するものであことを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上の顕像を転写材に転写する転写手段と、複数の支持回転体に掛け渡された無端状のベルト体とを備えた画像形成装置であって、該ベルト体の回転を制御する回転体駆動制御装置として、請求項8乃至21のいずれかの回転体駆動制御装置を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、請求項24の画像形成装置において、上記既定回転角は、上記ベルト体の半周の自然数分の1回転に相当する回転角であり、該既定回転角の回転を検出するための被検知部を、上記ベルト体上に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項27の発明は、請求項24の画像形成装置において、上記既定回転角は、上記ベルト体の半周の自然数分の1回転に相当する回転角であり、上記複数の支持回転体のうち該ベルト体に従動する一つの従動回転体の回転周期は、該ベルト体の回転周期の自然数分の1であり、上記第2の検出手段は、該従動回転体の1回転を検出することによって該ベルト体が該既定回転角を回転するのを検出するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項28の発明は、請求項24の画像形成装置において、上記第1の検出手段は、上記回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度の代わりに、上記複数の支持回転体のうち上記ベルト体に従動する一つの従動回転体の回転角変位又は回転角速度を検出するように構成し、上記第2の検出手段は、他の従動回転体の回転を検出することによって該ベルト体が上記既定回転角を回転するのを検出するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項29の発明は、請求項23乃至28のいずれかの画像形成装置において、上記転写手段は、上記潜像担持体上の顕像を中間転写体を介して転写材に転写するように構成し、上記ベルト体は該中間転写体であることを特徴とするものである。
また、請求項30の発明は、請求項22の画像形成装置において、上記転写材の表面移動方向に沿って並べるように上記潜像担持体を複数配設し、上記制御手段は、各潜像担持体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求め、該回転速度変動の振幅及び位相に基づいて、該転写材上の同一箇所に対する各潜像担持体の回転速度変動が同一条件になるように各潜像担持体に対応する回転駆動源を制御することを特徴とするものである。
また、請求項31の発明は、請求項29の画像形成装置において、上記中間転写体の表面移動方向に沿って上記潜像担持体を複数配設し、上記駆動源の回転駆動力を上記中間転写体に伝達する駆動伝達回転体を備え、該駆動伝達回転体の回転周期は、該中間転写体の表面が該潜像担持体間ピッチを通過する時間に等しいことを特徴とするものである。
また、請求項32の発明は、請求項29の画像形成装置において、上記中間転写体の表面移動方向に沿って上記潜像担持体を複数配設し、上記駆動源の回転駆動力を上記中間転写体に伝達する駆動伝達回転体を備え、該駆動伝達回転体の回転周期は、該潜像担持体と対向する1次転写位置から転写材に対向する2次転写位置まで該中間転写体の表面が移動する時間に等しいことを特徴とするものである。
また、請求項33の発明は、請求項22乃至32の画像形成装置において、上記駆動源の回転駆動力を上記制御対象回転体に伝達する駆動伝達手段を備え、上記第1の検出手段は、上記回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度の代わりに、該制御対象回転体の回転軸に設けられた歯車からなる増速機構の出力軸の回転角変位又は回転角速度を検出するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項34の発明は、請求項22又は30の画像形成装置に用いるプロセスカートリッジであって、上記制御対象回転体及び上記回転体駆動制御装置を含み且つ該画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたことを特徴とするものである。
また、請求項36の発明は、請求項35のプログラムにおいて、上記回転体駆動制御装置は、複数の駆動伝達回転体を介して上記回転駆動源から上記制御対象回転体に回転駆動力を伝達するものであり、上記各制御パターンによる制御時に、該制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間とともに、該複数の駆動伝達回転体のうち該制御対象回転体の回転軸以外の位置にある少なくとも一つの駆動伝達回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測ステップと、これらの回転時間の計測結果に基づいて、上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めるステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
また、請求項37の発明は、請求項36のプログラムにおいて、上記回転時間の計測対象である複数の回転体の回転周期が大きい方から順次、上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御とを行うことを特徴とするものである。
また、請求項38の発明は、請求項35乃至37のいずれかのプログラムにおいて、上記回転速度変動の振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御を開始した後、上記回転時間の計測を行うステップと、該計測結果に基づいて上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅又は位相を求めるステップと、該振幅又は位相に基づいて該回転駆動源の制御に用いる該回転速度変動の振幅及び位相を補正するステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
また、請求項39の発明は、制御対象回転体に伝達される回転駆動力を発生する回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度を検出し、該検出結果に基づいて該回転駆動源を制御することにより、該制御対象回転体の回転を制御する回転体駆動制御装置を構成するコンピュータで用いるプログラムが記録された記録媒体であって、該プログラムが、請求項35乃至38のいずれかのプログラムであることを特徴とするものである。
従来のロータリーエンコーダを用いる場合は、制御対象回転体が微小回転角(例えば数度以下)ずつ回転する回転時間を連続的に計測し、この計測した各回転時間と上記微小回転角のデータを用いて回転速度変動を算出している。従って、制御対象回転体の回転速度変動を精度よく求めるには、微小回転角の回転ごとにパルスを出力することができる高価なロータリーエンコーダを用いる必要がある。これに対し、本発明では、制御対象回転体が1回転する間に一つの既定回転角(例えばπ[rad])について回転時間の計測を行えば済むため、上記高価なロータリーエンコーダを用いる必要がない。
しかも、上記回転時間の計測は、制御対象回転体が1回転する間に一つの既定回転角について行えば済むため、コスト高の要因となる高精度のロータリーエンコーダを用いる必要がないという効果がある。
まず、本発明の回転駆動制御方法で制御される制御対象回転体を有する画像形成装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。本実施形態では、画像形成装置の一例として、4色すなわちイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の4組の画像形成部を備えたカラー画像形成装置としてのカラープリンタについて説明する。図2において、プリンタ制御部11は、カラー画像形成装置10を統括制御する。このカラー画像形成装置10は、4つの潜像担持体としての感光体ドラム1a〜1dを所定の間隔で並べて配置したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム1aにはブラック用の静電潜像が形成され、感光体ドラム1bにはシアン用の静電潜像が形成され、感光体ドラム1cにはマゼンタ用の静電潜像が形成され、感光体ドラム1dにはイエロー用の静電潜像が形成される。以下、図8中の符号に付される添え字a,b,c,dはそれぞれブラック,シアン,マゼンタ,イエロー用を示す。
(1)トルクリップル等によるモータ回転変動
(2)歯車の累積ピッチ誤差、回転軸の偏心等による伝達駆動系誤差
一方、上記(2)に示す要因の影響による副走査方向の位置ずれを防止するため、各感光体ドラム1a〜1dの1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を予め求め、その回転速度変動の振幅及び位相に基づいて各モータ6a〜6dを制御している。この制御に用いる感光体ドラム1a〜1dの1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相は、次のように高価なロータリエンコーダを用いずに求めている。すなわち、振幅又は位相が互いに異なる1回転周期の回転速度変動がそれぞれ感光体ドラムに生じるような2種類以上の制御パターンでモータを制御し、各制御パターンによる制御時に、感光体ドラムが既定回転角を回転するときの回転時間を計測する。そして、各回転時間の計測結果に基づいて感光体ドラムの1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めている。
図3は、本実施形態のカラープリンタ10の制御系の構成を説明するブロック図である。プリンタ制御部11は、CPU11a,RAM11b,ROM11c等を備えている。このプリンタ制御部11は、ROM11cに格納される制御プログラムをCPU11aが実行することによりカラープリンタ10を統括制御するとともに、以下で説明するようにカラープリンタ10内の各部等を制御する。電源部12は、カラープリンタ10内の各部へ電力を供給する。センサ類13は、カラープリンタ10内の各部の各種状況,動作状態等を検知する。回転体駆動制御装置としてのモータ制御部14は、プリンタ制御部11の指示により、図2に示したモータ6a〜6dや搬送ベルト3等を駆動する不図示のモータ等からなるモータ類15を制御する。モータ類15はカラープリンタ10内の各部の動力源である。モータ類15は、制御するために必要なエンコーダあるいは一定角度内時間変動検出器等を含んだ構成となっている。表示部16は、カラープリンタ10の動作状況等をユーザーに報知する。通信コントローラ部17は、カラープリンタ10とホストコンピュータ18との通信を行う。ホストコンピュータ18はカラープリンタ10に印刷するデータを転送する。
減速比は、感光体ドラム1の目標速度とDCモータ特性において、高効率、高回転精度が得られる速度領域より決定される。
ドライバ30は、モータ40に所定の駆動電流を出力する。MRセンサ41はモータの回転角速度(あるいは回転角度)を検知する。ホール素子42はロータ位置を検出する。
図6において、DCブラシレスモータ40はU,V,Wの3相スター結線されたコイル43とロータ44とを有する。さらに、ロータ44の位置検出部として、ロータ44の磁極を検知する3個のホール素子42を備え、それらの出力端子はDSP20に接続されている。また、ロータ44の周上に着磁した磁気的パターン45とMRセンサ41とからなる回転速度検知部(速度情報検知部)を持ち、その出力端子はDSP20に接続されている。DCブラシレスモータを駆動するドライバ30は、ハイ側トランジスタ31とロー側トランジスタ32とを各3個備え、それぞれコイル43のU,V,Wに接続されている。DSP20はホール素子42が発生するロータ位置信号HU〜HWにより、ロータ44の位置を特定し、相切り替え信号を生成する。相切り替え信号UU〜UW,LU〜LWは、ドライバ30の各トランジスタ31,32をオンオフ制御し、励磁する相を順次切り替えることにより、ロータ44を回転させる。さらにDSP20は回転速度目標値と回転速度検知部により検知される回転速度情報とを比較し、PWM信号を生成して出力する。PWM信号は相切り替え信号UU〜UWとアンドゲート33によりアンドされ、駆動電流のチョッピングを行い、モータ40の回転速度を制御する。
図8及び図9から分かるように、感光体ドラム回転軸の回転変動(回転むら)は大きく3つである。1つ目の回転変動は、歯車噛合い周期で発生している回転むらである。これは、歯の単一ピッチ誤差や負荷変動、慣性モーメントとの関係に起因するバックラッシュが主な原因である。しかし、本駆動機構の構成では、先述したように、歯車47の径は感光体ドラム径より大きいので感光体ドラム上、つまり画像上に換算すると、歯単一ピッチ分の変動は小さく影響は少ない。2つ目の回転変動は、モータ1回転で発生している回転むらである。これは、モータ軸の歯車46の累積ピッチ誤差や偏心に伝達誤差が主な原因である。しかし、本駆動機構の構成では、モータ軸の歯車46の回転周期は、歯車47の半回転周期の自然数分の1となっている。このため、光書き込み位置変動と転写位置変動が同位相となり、転写画像の位置ずれへの影響を抑えられる。3つ目の回転変動は、感光体ドラム1回転で発生している回転むらである。これは、歯車47の累積ピッチ誤差や偏心による伝達誤差が主な原因である。また、歯車47の軸と感光体ドラム1軸との連結がカップリングで行われている場合、両軸の軸心位置誤差や偏角も原因の一つとなる。
図10(a)及び(b)はそれぞれ、既定角度回転時間変動検知体50としての棒状部材501と、その通過を検知する検知装置51とを用いて構成した感光体ドラム軸回転検出手段の一構成例を示す説明図である。この棒状部材501は、感光体ドラムの回転軸1’に長手方向中央部が取り付けられ長手方向端部に被検知部を有している。検知装置51は、棒状部材501の端部の被検知部の通過を検知するように配置されている。図10(a)の感光体ドラム軸回転検出手段は一つの検知装置51を設けた構成例である。図10(b)の感光体ドラム軸回転検出手段は、棒状部材501の両端の被検知部について同時に検知できるように二つの検知装置51を設けた構成例である。
また、図12(a)乃至(d)に示すように円板を切り欠いて扇型の羽根部504a〜507aを形成した板状部材504〜507を用いてもよい。図12(a)の板状部材504は、開き角120度の扇型の羽根部504aを残すように円板を切り欠いたものであり、図12(b)板状部材505は、240度の扇型の羽根部505aを残すように円板を切り欠いたものである。また、図12(c)及び(d)は、開き角60度の扇型の羽根部506a、507aをそれぞれ2枚づつ残すように切り欠いたものである。
これらの板状部材502〜507を用いた場合の検知装置51は、扇型の羽根部の直線状のエッジからなる被検知部の通過を検知するように構成される。
また、感光体ドラム端面に光反射率の変化が起きるように、図10乃至12の棒状部材501や板状部材502〜507の羽根部のような形状の高光反射部又は低光反射部からなる被検知マークを形成するようにしてもよい。例えば、低光反射部の被検知マークを形成する場合は、粗面加工する。このように高光反射部又は低光反射部の被検知マークを形成する場合は、上記棒状部材501や板状部材502〜507を用いるときのような取付け時の誤差の問題を軽減できる。
また、上記検知装置51は、光センサのほか、磁気センサを用いて構成してもよい。この場合は、棒状部材501の被検知部や板状部材502〜507の被検知部に磁性体を固定し、その被検知部が通過するときの磁界変化を利用して被検知部の通過を検知する。
また、このような部材の被検知部の通過による光の遮蔽や磁界変化を用いることの他に、図13(a)及び(b)に示すように、円板部材508上に光を透過する光透過部又は光を反射する光反射部からなる光学マーク508a,508bを設けたり、磁気マークを設けたりしてもよい。これらのマークは、制御対象回転体である感光体ドラム1上に直接設けてもよい。また、感光体ドラム1の回転軸1’に半月状の切り欠き部を設け、この切り欠き部による光の遮蔽及び透過を利用してもよい。
また、図10(b)のように回転軸1’を中心に180度離れた位置に2つの検知装置51を設置した場合は次のようなメリットがある。すなわち、棒状部材501や板状部材502〜507の軸心に偏心があった場合には、その軸心の偏心による半回転の検出タイミングに誤差が生じるが、その検出タイミングの誤差を補正することができるというメリットがある。これは、図14に示すように、感光体ドラム1の回転軸1’の中心よりも棒状部材501または板状部材502〜507の中心が例えば上側に偏心して取り付けられた場合、棒状部材及び板状部材の上側の角度0〜180度の間は、本来の感光体ドラムの回転軸の半回転よりも短い時間で検出され、下側の角度180〜360度の間は、長い時間で検出される。この短い時間と長い時間は対称性を持っており、本来の時間からの短い時間誤差と長い時間誤差は略等しい。したがって、2つの検知装置51での検出時間を平均することにより、感光体ドラムの回転軸1’と棒状部材501および板状部材502〜507との軸心の偏心の影響を打ち消して、真の感光体ドラム1の半回転を検出することができる。
図1は、本実施形態に係る回転駆動制御装置において感光体ドラムの1回転周期の回転変動を補正制御するためのデータ処理及び制御動作の手順を示すフローチャートである。このデータ処理及び制御は、図5に示したプログラム用メモリ23bに格納される制御プログラムに基づいてプログラムコントローラ21により実行される処理手順に対応する。なお、図中の(1)〜(13)は各手順のステップを示す。なお、このプログラムの起動はプリンタ制御部11からの制御信号によって起動がかけられる。
まず、感光体ドラム軸1回転の回転むらを補正する駆動制御を実行する前に、その駆動制御のための補正用正弦基準信号の算出を行う。この事前動作は、商品出荷前の製造工程で行い、さらに感光体ドラム交換時に行う。さらに、たとえば締結部が経時あるいは環境ですべり等が発生する場合は、あらかじめ規定された時間毎、枚数毎、電源投入後の立ち上がり動作時などにユーザーの使用状況(プリント要求の無いタイミング)に合わせて行う。
DSP20は目標回転速度で駆動させる基準信号とMRセンサ41又はロータリーエンコーダ48の回転速度信号のフィードバック制御によりモータ40を一定角速度で駆動する(ステップ1)。回転速度情報よりモータ40が目標とする回転速度に達したかどうかを判断し(ステップ2)、目標とする回転速度に達しなかった場合はステップ2に戻る。一方、目標とする回転速度に達していると判断した場合は、感光体ドラム1の半回転の検出する棒状部材501や検知装置51等で構成した感光体ドラム軸回転検出手段から出力されるパルスのインターバルを、図5に示したタイマユニット26で測定し、測定結果の時間T1をメモリに格納する(ステップ3)。このとき、図10の棒状部材501の場合、図10(a)に示したAからBまでの半回転であるか、BからAまでの半回転であるかはDSP20が常に半回転検出をする感光体ドラム軸回転検出手段の出力状態をポーリングすることによって観測し、奇数番目に来たパルスの立ち上がり(あるいは立下り)か偶数番目に来たパルスの立ち上がり(あるいは立下り)かで判定する。図10(b)においても同様に奇数番目か偶数番目かで判定している。図11(b)においても同様である。図11(a)においては出力の"1"レベルの時間間隔か"0"レベルの時間間隔かで区別する。図11(b)において2つの扇形の開き角が大きく異なれば、時間間隔の差で偶数番目か奇数番目かを判断できるので、常にポーリングしておく必要はない。
平均ωoで、振幅Δωの変動成分をもつ既定された回転速度は、ω=ωo+ΔωsinωoTと表すことができる。ここで、感光体ドラム軸の回転角θは、θ=ωoT−(Δω/ωo){cosωoT−1}となる。変動なし(Δω=0)の場合は、T=(1/ωo)θであり、エンコーダ一回転パルス数をNとすれば1パルス回転角Δθは、Δθ=2π/Nである。エンコーダパルスカウント数をnとすれば、時間Tは、T=(1/ωo)θ=(1/ωo)Δθ*n={2π/(ωoN)}*nとなる。また、変動ありの場合は、(2π/N)*n=ωoT−(Δω/ωo){cosωoT−1}となる。この式をもとにエンコーダパルスカウント数とnとTの関係をテーブル化しておけばよい。
まず、モータ軸を定角速度で駆動したとき、感光体ドラム軸では、図8で示したように回転変動が生じる。この変動成分のうち感光体ドラム軸1回転周期に着目して、この変動成分の振幅をA、棒状部材501の検出を基準とした初期位相をαとして、Asin(ωt+α)とし、感光体ドラム軸の平均角速度成分をω(モータ軸一定角速度より減速比換算)とすると、感光体ドラム1の回転速度は、次の(1)式で表現できる。
ここで、求められたXを次式のようにおく。
よって、振幅Aと初期位相αは、次の(10)式及び(11)式のように求められる。
ステップ1からステップ8までが、先述した事前動作である。つまり、ステップ8までは、画像出力動作前に行っておき、画像出力動作時には、ステップ9とステップ10の動作により、感光体ドラム1回転周期の変動を抑制する。
ここで、ステップ11からステップ13までの動作は、感光体ドラム1回転周期の変動が抑制されているかを確認する動作である。この動作は、感光体ドラム駆動時の振動などの外乱による検出誤差や駆動精度誤差が十分小さい場合、この動作を省略してもよい。逆に、外乱等の検出誤差が懸念される場合や、変動抑制を高精度で行う場合は、重要なステップとなる。市場出荷前の製造工程など調整時間を取れる状況で行ってもよい。ステップ11では、感光体ドラム半回転の時間を計測する。ここでは、ステップ3とステップ4の計測とは異なり、片側半回転(AからBまでの回転)だけではなく、両側の半回転(BからAまでの回転も含む)の回転周期を計測する。つまり、検知装置51により出力されるパルス周期の奇数番目と偶数番目の測定値から比較を行う(ステップ12)。
このように駆動制御を開始した後においても感光体ドラムの半回転周期を計測し、感光体ドラムの回転変動の振幅と位相を更新する処理により、環境や経時による感光体ドラムの回転変動の変化に対応することができる。また、ここで算出した振幅又は位相のデータを用いた制御データの補正、すなわち制御に用いる振幅又は位相のデータの更新は、感光体ドラムの回転変動の変化の緩急の程度に合わせて行うのが好ましい。例えば、以前の補正に用いた回転変動の振幅及び位相のデータと新たに求めた振幅及び位相とに対し、重み付けを行い、それらの平均値を用いて実際に駆動制御に用いる振幅及び位相の補正を行ってもよい。つまり、新たに求めた振幅又は位相のデータに大きな重み付け係数を与えることで、新たに求めた振幅又は位相のデータが、補正された振幅又は位相のデータに大きく反映され、感光体ドラムの回転変動の急激な変化に対応できるようになる。
なお、ここで述べた駆動制御を開始した後においても感光体ドラムの半回転周期を計測し、感光体ドラムの回転変動の振幅と位相を更新する処理は、後述するすべての実施形態について適用可能である。例えば、中間転写ベルト等の無端状のベルト体の駆動制御の場合では、駆動ローラとベルト体との間にすべりが生じるときには位相を補正し、温度変化によりベルト体の周方向の厚み変動が変化するときには振幅を補正する。
また、ここでは感光体ドラムが既定回転角としてπラジアンだけ回転するときの回転時間すなわち半回転周期を計測する場合について説明したが、半回転周期以外の場合すなわち既定回転角がπラジアン以外の場合にも適用することができる。
次に、他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1の場合と同様である。本実施形態の画像形成装置は、感光体ドラム間位相合わせを行っている点で上記実施形態1の画像形成装置と異なる。
本実施形態では、各色の感光体ドラム1回転周期の回転変動に起因して発生する色ずれを低減するために、実施形態1で検出された各感光体ドラムの回転変動位相データを用いている。この回転変動位相データを用いて、基準となる所定の感光体ドラムの一回転周期変動位相に対して他の複数の感光体ドラムが所定の位相差で回転するように駆動モータをそれぞれ独立に回転駆動する。このように駆動モータを独立に回転駆動することにより、各色の感光体ドラム上の同一画素における感光体ドラムの回転変動位相を重ね、副走査方向の色ずれを低減し、画像品質の劣化を防ぐことが可能になる。
同様に、感光体ドラムD2、D3の回転位相はそれぞれ、4L/φ、6L/φ[rad]分位相進みとなる。各感光体ドラム回転変動のゼロクロス位相がこのような位相差をもって駆動されると、感光体ドラムD0において、ちょうどの矢印の地点で転写した画素の上に、感光体ドラムD1においても、矢印の地点が転写位置に到達した時の画素が重ね合わされる。同様に、D2は一回転遅れ、D3は2回転遅れであるが矢印が転写位置に到達したときの画素が重ね合わされる。しかし、上記実施形態1において、求められる回転変動のゼロクロス位相は、図16に示すように棒状部材(又は回転盤)50の一方(A)を検知装置51が検出した立ち上がりポイントからの位相角αとして得られる。各感光体ドラムD0〜D3で得られた位相角をα0〜α3として、感光体ドラムD0での検出器立ち上がりを基準にして、他の感光体ドラムの回転変動位相を合わせる場合、感光体ドラムD1、D2、D3の検出器立ち上がりの位相遅れ分は、次の(13)式のような関係になる。
次に、更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1の場合と同様である。本実施形態の画像形成装置は、感光体ドラム1上の光書き込み位置と転写位置との間の開き角が180度でない点で上記実施形態1の画像形成装置と異なる。
上記実施形態1の画像形成装置では、感光体ドラム1の回転中心からみた感光体ドラム上の光書き込み位置と転写体(転写紙、中間転写ドラム又は中間転写ベルト)への転写位置との間の開き角が180度である構成となっている。しかしながら、画像形成装置全体のレイアウト上から実施形態1のような構成をとれず、本実施形態のように感光体ドラム1上の光書き込み位置と転写位置との間の開き角が180度にならない場合がある。
次に、更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1の場合と同様である。本実施形態の画像形成装置は、2段階の補正動作により2種類の回転周期変動を抑えている点で上記実施形態1乃至3の画像形成装置と異なる。
上記実施形態1乃至3の画像形成装置では、感光体ドラム1の回転軸1’に設置された大口径歯車47の1回転周期の回転変動を検出して制御することにより、露光部と転写部における速度変動による画像の位置ずれを抑えることができる。また、感光体ドラム1を一定速度で回転させることにより、感光体ドラム1から転写体(転写紙、中間転写ドラム、中間転写ベルト)への転写時の感光体ドラム1と転写体との速度差変動を軽減できる。これにより、転写時の画素の崩れ(画素の太り)を抑えることができる。
実施形態1の画像形成装置では、モータ軸歯車46の回転周期を、感光体ドラム1が露光と転写位置角度を回転する時間の自然数分の1の周期にすることにより、転写画像の位置ずれを抑える構成となっている。しかし、画素伸縮は軽減できるが、感光体ドラム1はモータ軸歯車46の偏心や歯累積ピッチ誤差により、モータ軸歯車46の回転周期の回転変動をしているため、転写体との相対速度差変動が発生している。これにより画素の崩れ(画素の太り)が発生し、画像としては濃淡(バンディング)として認識されてしまう。特に、実施形態1で示した構成のように、減速比が1:20、感光体ドラム1の直径が40mm、転写体搬送線速(=感光体ドラム周速)が125mm/sのとき、モータ軸歯車46の1回転の周期変動は、画像上では6.5mmピッチのバンディングとなってしまい、視覚により認識されやすい。このようなことから、モータ軸歯車46の1回転周期の変動を検出して制御することは、高画質を実現する上で非常に有効である。
以上のように、制御対象回転体である感光体ドラムや駆動ローラの回転周期変動を補正して取り除いた後、モータ軸歯車などの他の伝達機構が持つ回転周期変動の位相と振幅を検出して補正するように制御する。
なお、この板状部材509の代わりに、羽根部509aと同様な形状を有する光学的なマークや磁気的なマークを表面に設けた円板部材を使用してもよい。また、同様なマークを制御対象回転体の軸方向端面に設けてもよい。
また、本実施形態において、検知装置51による検知位置を通過する被検知部の形状は扇型である必要はない。例えば、前述の図13(a)及び(b)に示すように、円板部材508上に設けた矩形の光透過部や光反射部からなる光学マーク508a,508bや磁気マークであってもよい。これらのマークは、制御対象回転体である感光体ドラムや駆動ローラの端面に形成してもよい。
なお、上記のβ1×N=2πあるいはβ1×N=2π(N:自然数)の関係の代わりに、β1×N=2πMあるいはβ1×N=2πM(N、M:自然数)というような関係を満たすように構成してもよい。この場合は、制御対象回転体のM回転ごとの基準回転角度位置を基準にして、モータ軸の変動周期の検出と変動補正用の基準信号とを生成すればよい。この場合は、常に基準位置を検出するM回転ごとのタイムラグを計測し続ける必要がある。したがって、電源をOFFして再度起動するこきときは、周期変動検出動作から開始する必要がある。
まず、感光体ドラムの1回転周期の回転変動を検出するために、一方の組の羽根部510a、510a’における露光と転写の挟み角に対応する2つのエッジにより、いままで述べた方法を用いて1回転周期の回転変動の振幅と位相を算出する。また、他方の組の羽根部510b、510b’における露光と転写の挟み角に対応する2つのエッジにより、1回転周期の回転変動の振幅と位相を算出する。これらの算出した振幅及び位相の平均値を求めて制御に用いることにより、羽根部のエッジの検知誤差を低減し、上記既定回転角度の回転時間を精度よく計測できる。上記振幅及び位相の平均値は例えば次のように算出する。すなわち、検出した2組の振幅と位相角より構成される2つのベクトルのベクトル和を計算し、そのベクトル和の大きさの1/2を振幅の平均値とする。また、ベクトル和の位相を位相の平均値とする。
次に、上記算出した振幅及び位相の平均値に基づいて、感光体ドラム周期変動を取り除くように回転制御し、次のようにモータ軸の1回転周期の回転変動を検出する。まずモータ軸の回転周期変動を検出するために、感光体ドラム回転角より小さい中心角(検出感度を大きくするためにはモータ軸半回転分に相当する感光体ドラム回転角)を有する一方の組の羽根部510aの2つのエッジを検知する。このように羽根部510aの2つのエッジを検知し、羽根部510aの中心角の回転時間を計測することにより、いままで述べた方法と同様にモータ軸回転周期変動の振幅と位相を算出する。また、上記羽根部510aとはπ[rad]だけ位相がずれた位置にあり、感光体ドラム回転角より小さい中心角(検出感動を大きくするためにはモータ軸半回転分に相当する感光体ドラム回転角)を有する扇型の羽根部510a’について、2つのエッジを検知する。このように羽根部510a’の2つのエッジを検知し、羽根部510a’の中心角の回転時間を計測することにより、いままで述べた方法と同様にモータ軸回転周期変動の振幅と位相を算出する。これらの算出した振幅及び位相の平均値を用いることにより、上記扇型の羽根部やマークを有する板状部材の偏芯の影響が軽減できる。
次に、モータ軸回転変動が除けるように、上記算出したモータ軸回転周期変動の振幅及び位相の平均値のデータから位相がπずれた正弦的な基準信号をモータ制御の基準信号に加えて制御する。ここで、モータ軸の回転周期と制御対象回転体(感光体ドラム又は駆動ローラ)の回転周期の位相関係が一定になるように、モータ軸の回転周期(=一回転時間)は、制御対象回転体の回転周期の自然数分の1となるように設定する。この設定により、モータ軸の周期変動を複数回の操作で検出するとき常に同一位相の変動周期で検出できるので、羽根部のエッジの検知誤差を低減し、上記既定回転角度の回転時間を精度よく計測して制御することができる。
図21に示すように、本構成例の板状部材511は、互いにπ[rad]ずれた位置に検知対象のエッジ(太線)が位置するように配置した2つの扇型の羽根部211a,211a’と、中心角が大きいエッジ識別用の羽根部211bとを備えている。制御対象回転体(例えば中間転写ベルトの駆動ローラ)の1回転周期の回転変動は、上記1組の羽根部のうち一方の羽根部211aの太線部のエッジの一方の回転角により検出し、またさらに他方の太線部のπずれたエッジの回転角により検出する。これらによって前記の方法によって平均値を求める。また、互いに対向する扇型の羽根部511a、511a’の中心角はモータ軸周期変動検出用である。このモータ軸周期変動検出用でない扇型の羽根部511bは、どこのエッジを検出しているかがわかるように設けられている。ここで、モータ軸の回転周期と制御対象回転体の回転周期の位相関係が一定になるように、モータ軸の回転周期(一回転時間)は、制御対象回転体の回転周期(一回転時間)の自然数分の1となるように設定するのが好ましい。この場合、図21においてβ×N=2π(N:自然数)の関係になる。
次に、更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1の場合と同様である。本実施形態の画像形成装置は、モータから制御対象回転体(感光体ドラム又はベルト駆動ローラ)まで駆動伝達手段における減速機構として歯車列でなく遊星歯車を利用した減速機構を用いている点で上記実施形態1の画像形成装置と異なる。
次に、更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1の場合と同様である。本実施形態の画像形成装置は、モータから制御対象回転体(感光体ドラム又はベルト駆動ローラ)まで駆動伝達手段における減速機構として歯車を用いない摩擦伝達、トラクション伝達を利用した減速機構を用いている点で上記実施形態1の画像形成装置と異なる。
なお、モータシャフト341C、遊星ローラ352C〜354C、キャリア355Cは、ネジ3581C、3582C、3583Cによって接合されたハウジング357C、358C内に収納されており、ハウジング357Cは図示しない支持部材によって複写機内部に固定されている。このような、遊星ローラ減速機構35Cを用いることにより、回転の伝達はローラ周面の接触によるので、動力伝達が滑らかに行われ、減速ギアなど歯車を使った場合の高周波成分の振動が発生しない。ただし、ローラ同士の接触面ですべりが発生するおそれがあり、その場合には、低周波成分の回転むらが大きくなる。また、ハウジング357Cの内周面の真円度により出力軸1回転の回転むらが生じてしまう。そこで、本実施形態では、上記実施形態1に説明したようにDCサーボモータまたはモータ軸にロータリーエンコーダを設置しモータ軸回転をフィードバック制御可能な構成である駆動源を用いている。そして、感光体ドラム軸または感光体ドラムに一体となった形で前述の棒状部材又は板状部材(回転盤)を設置し感光体ドラムの既定角度回転時間変動を検出する。このとき、まず、感光体ドラム1回転の周期を上記棒状部材又は板状部材(回転盤)の一つのエッジで計測し、感光体ドラム1の目標基準回転速度に達しているかを確認し、定常的なすべり成分を補正することが可能である。この動作を行った後に、実施形態1及び、実施形態2又は実施形態3で説明したような感光体ドラム1回転周期の回転変動の補正駆動制御または位相合わせを行う。これにより、高精度な感光体ドラム駆動が可能となる。
この減速機における回転の伝達はプーリー302、303の周面と平ベルト301との接触によるので、動力伝達が滑らかに行われ、歯車を使った場合の高周波成分の振動が発生しない。ただし、プーリー302、303と平ベルト301の接触面ですべりが発生するおそれがある。また、部品精度上、小プーリー302より大プーリー303の方が偏心量が大きい傾向にあり、その偏心に起因した伝達誤差が発生し、出力軸304の1回転周期の回転むらとなる。そこで、本実施形態では、実施形態1に説明したようにDCサーボモータまたはモータ軸にロータリーエンコーダを設置しモータ軸回転をフィードバック制御可能な構成である駆動源を用いている。そして、感光体ドラム軸または感光体ドラムに一体となった形で前述の棒状部材又は板状部材(回転盤)を設置し感光体ドラム1の既定角度回転時間変動を検出する。このとき、まず、感光体ドラム1回転の周期を上記棒状部材又は板状部材(回転盤)の一つのエッジで計測し、感光体ドラムの目標基準回転速度に達しているかを確認し、定常的なすべり成分を補正することが可能である。この動作を行った後に、実施形態1及び、実施形態2あるいは実施形態3で説明したような感光体ドラム1回転周期の回転変動の補正駆動制御または位相合わせを行う。これにより、高精度な感光体ドラム駆動が可能となる。
また、回転変動を補正する補正駆動制御を実行しているときにも、常に感光体ドラム1の一回転周期を上記棒状部材又は板状部材(回転盤)の一つのエッジで計測し、感光体ドラム1の目標基準回転速度に達しているかを確認し、定常的なすべり成分を補正する。そして、補正基準信号は上記棒状部材又は板状部材(回転盤)のホーム位置となっているエッジを検出したタイミングに同期させて発生すれば、すべりの影響が累積しない。
なお、本実施形態でも、入力軸300の回転周期を感光体ドラム軸の既定角度回転周期の自然数分の1とすることにより、検出誤差を抑制することができる。また、一定角度が感光体ドラム1上の露光位置Pexと転写位置Ptとがなす角度であるとき、入力軸300の回転変動による画素の伸縮を低減することができる。後で示す図27の画像形成装置のように制御対象回転体が中間転写ベルトを駆動する駆動ローラのときは、駆動ローラの一回転時間を2次転写部を含む各転写部間の中間転写ベルト通過時間の自然数分の1とするのが好ましい。更に、駆動ローラ軸あるいは駆動ローラ端面に、前述の図21のような板状部材(回転盤)あるいはマークを設ける。そして、モータ軸の周期変動を検出する扇型の羽根部の中心角を回転する時間も2次転写部を含む各転写部間の中間転写ベルト通過時間の自然数分の1とする。このように構成した場合は画像の色ずれと伸縮を軽減できる。ここで、モータ軸の回転周期と駆動ローラの回転周期の位相関係は、モータ軸の回転周期(一回転時間)が駆動ローラの回転周期の自然数分の1となるように設定する。図21のような板状部材(回転盤)あるいはマークを設けた構成を適用した場合は、モータ軸の回転周期(一回転時間)は駆動ローラの半回転周期の自然数分の1となる。
次に、更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1の場合と同様である。
上記実施形態6のような摩擦伝達やトラクション伝達を用いた構成で、温度や径時で変化するものの画像出力動作時において、定常的すべり(すべり量が一定)で伝達される場合には上記のような構成で十分な効果を得ることができる。しかし、画像出力動作時の負荷変動により、定常的でなく変動的すべりが発生する場合、上記実施形態6の構成では、それを補正することができず、感光体ドラムの回転むらとなってしまう。そこで、本実施形態では、変動的すべりに対応した構成として、上記実施形態1の構成においてモータ軸の回転を検出していた図4のMRセンサ41や図5のロータリエンコーダ48を出力軸に設置している。遊星ローラの出力軸や平ベルト伝達機構の出力軸に歯車を設置し、そして歯車によって増速させてエンコーダを設置する。
次に、更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1の場合と同様である。本実施形態の画像形成装置は、各感光体ドラム上のトナー画像を中間転写ベルトを介して用紙に転写する点、及び制御対象回転体が感光体ドラム1ではなく中間転写ベルトを駆動するベルト駆動ローラである点で上記実施形態1の画像形成装置と異なる。前述の実施形態1及び実施形態3〜7で説明した回転駆動制御の内容は、本実施形態のベルト駆動ローラの回転駆動制御に水平展開できる。
また、本実施形態の画像形成装置は、駆動ローラ207を含む駆動伝達手段を構成する少なくとも1つの回転体の回転周期を、中間転写ベルト201が感光体ドラムの1次転写位置Pt1間を通過する時間の自然数分の1、あるいはまた、中間転写ベルト201が感光体ドラムの1次転写位置から用紙へ転写する2次転写位置Pt2を通過する時間の自然数分の1に設定している。前述の図4の構成で説明すると、実施形態1で説明したように、モータ軸歯車46は、既定角度回転時間変動検知体50が既定角度を回転する周期の自然数分の1周期で回転するように構成されている。つまり、既定角度内時間変動検知体50が図1、図10又は図21に示したように既定角度180度を検出するためのものである場合、モータ軸歯車46は、歯車47の半回転周期の自然数分の1の周期で回転するように構成される。これにより、歯車46の回転周期変動の影響を受けない一定角度内の時間変動が計測できる。加えて、モータ軸歯車46の回転周期は、中間転写ベルト201が感光体ドラム転写部間距離Lstを通過する時間の自然数分の1の周期で回転するように構成されている。これにより、モータ軸歯車46の偏心や歯累積ピッチ誤差等による周期変動が各色間の色ずれ発生量を低減することができる。あるいはまた、モータ軸歯車46の回転周期を、中間転写ベルトが感光体ドラムの1次転写位置から2次転写位置まで移動する距離Ltrを通過する時間の自然数分の1の周期で回転するように構成する。これにより、1次転写位置と2次転写位置における速度変動位相が一致することで、中間転写ベルト201に対して感光体ドラムの1次転写における速度差(1次転写条件)と、転写紙に対して中間転写ベルトの2次転写における速度差(2次転写条件)が逆の関係になっている。これにより、画素の伸縮を低減することができる。
次に、更に他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、上記実施形態1及び8の場合と同様である。本実施形態の画像形成装置は、制御対象回転体が感光体ドラムや駆動ローラのような円筒状の回転体ではなく中間転写ベルトのような無端状のベルト体である点で上記実施形態1及び8の画像形成装置と異なる。各感光体ドラム上のトナー画像を中間転写ベルトを介して用紙に転写する構成は、実施形態8と同様である。
上記実施形態1乃至8では、感光体ドラムや駆動ローラのように円筒状回転体の1回転周期の回転変動を低減する駆動制御手法について説明した。この駆動制御手法は、制御対象回転体が中間転写ベルトのような無端状のベルト体である場合にも適用することができる。
ただし、ωbはベルト1回転角周波数、R1は第1の従動ローラ半径、R2は第2の従動ローラ半径、τoは第1の従動ローラ223と第2の従動ローラ224間をベルトが通過する時間がτo/ωbとなる値である。つまり、第2の従動ローラ224の回転速度ωは単に第2の従動ローラにベルト211が接触してベルト厚み変動を受けるのではなく、第1の駆動ローラがベルト211に接触することによっても起きている。今議論を簡単にするためにR1≫B、R2≫R1とすると(19)式は近似的に次式のようになる。
ただし、ωbはベルト1回転角周波数、R1は駆動ローラ半径、R2は従動ローラ半径、τは駆動ローラ222と従動ローラ224間をベルトが通過する時間がτ/ωbとなる値である。つまり、従動ローラ224の回転速度ωは単に従動ローラ224にベルト211が接触してベルト厚み変動を受けるのではなく、駆動ローラ222がベルトに接触することによっても起きている。今議論を簡単にするためにR1≫B、R2≫R1とすると(22)式は近似的に次式のようになる。
また、本実施形態で例示したベルト駆動制御系では、ベルト厚み変動によるベルト211の1回転周期の回転変動の振幅及び移動を正確に計測する必要がなく、ベルト211の半周期の移動時間を複数回計測すればよい。
このプロセスカートリッジは、複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成される。この第2の検出手段を有するプロセスカ−トリッジを有する画像形成装置は、感光体ドラムが所定の周速度で回転駆動される。感光体ドラムはその回転過程において、帯電装置手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受ける。こうして感光体ドラムの周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像される。現像されたトナー像は、感光体ドラムの回転と同期させて給紙部から感光体ドラムと転写手段との間に給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体ドラムの周面から分離され、像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体ドラムの表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
なお、上記各制御パターンにおける駆動条件は、例えば振幅又は位相が互いに異なる1回転周期の回転速度変動がそれぞれ感光体ドラム、駆動ローラ、中間転写ベルト等の制御対象回転体に生じるように設定する。
また、このように制御対象回転体だけでなく駆動伝達回転体についても既定回転角の回転時間を計測する場合は、次のような順番で上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく回転駆動源の制御とを行うのが好ましい。すなわち、計測対象の複数の回転体の1回転周期が大きい方から順次、上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく回転駆動源の制御とを行う。このような順番で制御を行うことにより、他の回転体の回転変動の影響を受けにくい順に上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく回転駆動源の制御を行うことができるため、より高精度な駆動制御を行うことが可能となる。
また、各実施形態において、回転駆動源の回転軸であるモータ軸の回転周期と、駆動伝達回転体の回転周期と、制御対象回転体の回転周期との間の比率がそれぞれ自然数比になるように構成するのが好ましい。このように各回転周期の比率を自然数比にすることにより、モータ軸、制御対象回転体及び駆動伝達回転体の回転周期の位相関係が一定の関係になる。従って、上記複数種類の制御パターンの制御時に、制御対象回転体の既定回転角の回転時間を、その制御対象回転体の回転変動よりも周期が短いモータ軸及び駆動伝達回転体の回転変動の同じ位相で計測できる。また、駆動伝達回転体の既定回転角の回転時間を、その駆動伝達回転体の回転変動よりも周期が短いモータ軸の回転変動の同じ位相で計測できる。よって、制御対象回転体や駆動伝達回転体の既定回転角の回転時間の計測精度が高まり、制御対象回転体や駆動伝達回転体の回転変動を確実に抑制できるように回転駆動源を制御できる。
ここで、上記駆動伝達手段を構成する複数の駆動伝達回転体の少なくとも一つ(以下「特定の駆動伝達回転体」という)の回転周期をTr、制御対象回転体の回転周期をTo、既定回転角をθo、自然数をnとしたとき、n×Tr=To×(θo/2π)が成り立つようにすることが好ましい。この場合は、上記特定の駆動伝達回転体の偏心や歯累積ピッチ誤差によって制御対象回転体の回転に1回転周期よりも短い周期の速度変動が重畳していても、その短周期の回転速度変動の略同じような位相で上記既定回転角の回転時間を計測することになる。従って、上記特定の駆動伝達回転体の偏心等による回転変動が第2の検出手段で検出される既定回転角の回転時間の計測結果に影響しにくくなり、より高精度な回転駆動制御が可能となる。
また、各実施形態において、上記回転速度変動の振幅及び位相に基づく回転駆動源の制御を開始した後も、上記既定回転角の回転時間の計測を行なうようにしてもよい。この回転時間の計測結果に基づいて制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅又は位相を新たに求め、この振幅又は位相に基づいて回転駆動源の制御に用いる回転速度変動の振幅及び位相を補正する。このように回転速度変動の振幅及び位相に基づく回転駆動源の制御を開始した後に制御対象回転体の回転速度変動の振幅又は位相を更新することにより、環境や経時による制御対象回転体の回転変動の変化に対応できるようになる。
また、各実施形態において、上記既定回転角はπ[rad]が好ましい。本実施形態で問題にしている制御対象回転体の角速度変動は1回転周期の変動であり、制御対象回転体がπ[rad]回転するたびに制御対象回転体の角速度が平均角速度よりも大きい高速回転領域と平均角速度よりも小さい低速回転領域を繰り返す。従って、上記既定回転角をπ[rad]にすると、上記高速回転領域又は低速回転領域のいずれかに略対応した期間に上記既定回転角の回転時間を計測することができ、既定回転角の回転時間に対する感度を最大感度に大きくすることが可能になる。よって、上記既定回転角が0〜2π[rad]の範囲内で最も感度良く回転変動の振幅と位相と検出し、より高精度な駆動制御が可能となる。
また、各実施形態において、上記第2の検出手段は、感光体ドラム等の制御対象回転体の回転軸に中央部が取り付けられ該中央部から離れた位置における回転方向の一部に被検知部を有する板状部材を用いて構成できる。例えば、被検知部としてエッジ部を有する扇型の羽根部からなる板状部材を用いて構成できる。この場合も、市販のロータリーエンコーダを用いた場合に比して、非常に簡易な構成の検出手段となり、低コスト化を図ることができる。
また、各実施形態において、上記第2の検出手段は、感光体ドラム等の制御対象回転体の外周面における回転方向の一部に設けられた被検知部としてのマーク部材を用いて構成することができる。この場合も、市販のロータリーエンコーダを用いた場合に比して、非常に簡易な構成の検出手段となり、低コスト化を図ることができる。特に、この場合は、感光体ドラム等の制御対象回転体とは独立に設ける部品の点数が少なくなるため、低コスト化とともに省スペース化も図ることができる。
また、各実施形態において、上記第2の検出手段は、感光体ドラム等の制御対象回転体の回転軸における回転方向の一部を切り欠いて形成された被検知部を用いて構成できる。この場合も、感光体ドラム等の制御対象回転体とは独立に設ける部品の点数が少なくなるため、低コスト化とともに省スペース化も図ることができる。
なお、上記被検知体としての棒状部材や板状部材等における被検知部を検知する検知装置は、被検知部の回転方向における等角度ずつ離れた複数箇所に設けてもよい。この場合は、各検知装置で検知された複数組のデータについて平均処理を行った得られた上記回転時間の計測結果を用いることができる。従って、被検知体としての棒状部材や板状部材等の取付け偏心による検出誤差を低減し、高精度な検出と駆動制御が可能となる。特に、制御対象回転体の回転軸を中心にしてπラジアンはなれた2箇所にそれぞれ上記検知装置を設けるのが好ましい。
また、上記被検知体としての棒状部材や板状部材等における被検知部は、その回転方向に等角度ずつ離れるように複数設けてよい。この場合は、複数の被検知部について同時に検知を行うことにより、被検知体としての棒状部材や板状部材等の取付け偏心による検出誤差を低減し、高精度な検出と駆動制御が可能となる。特に、制御対象回転体の回転軸を中心にしてπラジアンはなれた2箇所にそれぞれ上記被検知部を設けるのが好ましい。
また、上記被検知部を複数設けた場合は、その複数の被検知部の一つを、他の被検知部との間で識別可能に設けてもよい。この場合は、被検知部を有する棒状部材や板状部材等の被検知体の1回転の基準位置を判断することができる。
また、各実施形態において、上記被検知体としての棒状部材や板状部材等における被検知部を検知する検知装置は、磁気式センサを用いて構成することができる。この場合は、例えば画像形成装置内で使用した場合、トナー付着によるセンサの汚れに対する影響を受けずに検出することができるため、回転駆動制御装置の汚れに対する信頼性が増す。
また、上記実施形態で示したように本発明に係る駆動制御は画像形成装置の中間転写ベルトを駆動する駆動ローラの駆動制御に適用することができる。この場合は、駆動ローラの1回転周期の回転変動やその駆動ローラに回転駆動力を伝達する駆動伝達回転体の1回転周期の回転変動を抑制することができる。従って、転写画像の位置ずれや画素の伸縮を低減し、高画質を実現することができる。
また、上記実施形態で示したように本発明に係る駆動制御は画像形成装置の転写紙を搬送する搬送ローラの駆動制御に適用することができる。この場合は、搬送ローラの1回転周期の回転変動やその搬送ローラに回転駆動力を伝達する駆動伝達回転体の1回転周期の回転変動を抑制することができる。従って、転写画像の位置ずれや画素の太りを低減し、高画質を実現することができる。
また、上記実施形態で示したように本発明に係る駆動制御は画像形成装置の転写部材として転写ローラの駆動制御に適用することができる。この場合は、転写ローラの1回転周期の回転変動やその転写ローラに回転駆動力を伝達する駆動伝達回転体の1回転周期の回転変動を抑制することができる。従って、1次転写と2次転写で発生する転写画像の位置ずれや画素の伸縮を低減し、高画質を実現することができる。
なお、中間転写ベルトのような無端状のベルト体を駆動制御する場合は、そのベルト体上の少なくとも2箇所にマーク部材を設けて検知するという簡易な構成で、ベルト体の回転変動(搬送速度変動)等を抑制することができるという効果が得られる。
また、ベルト体がかけ渡されている従動ローラの回転軸の回転周期を、ベルト体の回転周期の自然数分の1に設定し、従動ローラの1回転時間を計測することによりベルト体が既定回転角を回転する時間を計測してもよい。この場合は、従動ローラの1回転を検出するという簡易な構成で、ベルト体の回転変動(搬送速度変動)等を抑制することができるという効果が得ることができるとともに、より低コスト化を実現できる。また、従動ローラの回転軸の偏心による回転変動成分の影響を受けることなく高精度な検出が可能である。
また、ベルト体がかけ渡されている2つの従動ローラの回転軸のうち、一方の回転軸にロータリエンコーダを取付け、他方の回転軸に上記第2の検出手段を設けるようにしてもよい。この場合は、第2の検出手段により、ロータリエンコーダの取付け偏心による回転検出誤差を無くすくことが可能であり、従動ローラの回転軸のフィードバック制御をより高精度に行うことができる。
また、ベルト体がかけ渡されている従動ローラの回転軸に上記第2の検出手段を設け、この第2の検出手段の検出結果により、ベルト体、従動ローラ軸及び駆動ローラ軸がそれぞれ既定回転角を回転する時間を計測するようにしてもよい。この計測結果に基づいて、ベルト体、従動ローラ軸及び駆動ローラ軸の回転変動の位相と振幅を求め、ベルト体を高精度に搬送駆動することができる。
特に、各実施形態のように中間転写ベルトの移動方向に沿って感光体ドラムを複数配設し、駆動源の回転駆動力を中間転写ベルトに伝達する駆動伝達回転体を備えたタンデム型の画像形成装置の場合は、次のように構成するのが好ましい。すなわち、上記駆動伝達回転体の回転周期は、中間転写ベルトの表面が感光体ドラム間ピッチを通過する時間に等しくするのが好ましい。この場合は、検出された各感光体ドラムの回転変動の位相が転写材に対して、同期して画像が転写されるため、各感光体ドラムについて転写条件(中間転写ベルトと感光体ドラムとの速度差)が同じとなり、色ずれが低減される。
また、各実施形態において、駆動伝達機構に遊星歯車機構を用いてもよい。この場合は、省スペースで高減速が可能となり、装置をコンパクトにすることができる。
また、各実施形態において、駆動伝達機構に遊星ローラ機構を用いてもよい。この場合は、歯車で発生する単一ピッチのバンディングがなく、高画質を実現することができる。
また、各実施形態において、駆動伝達機構に平ベルト機構をもちいてもよい。この場合も、歯車で発生する単一ピッチのバンディングがなく、高画質を実現することができる。
また、各実施形態によれば、駆動伝達機構に遊星ローラや平ベルトのように、すべりが発生する伝達機構においても、すべりを補正することが可能となる。また、すべりを検出する上で、安価な低分解能であるエンコーダを用いることで、低コスト化が可能となる。
また、各実施形態において、感光体ドラム等の制御対象回転体の1回転周期の回転変動の振幅及び位相を求めるための制御、検出及びデータ処理は、画像形成装置の実際に設置されて使用される場所で行うようにしてもよい。この場合は、環境、経時変化に対応した駆動制御を行うことが可能となる。
1’ 回転軸
2a〜2d レーザスキャナ
3 搬送ベルト
4 駆動ローラ
5 定着装置
6a〜6d モータ
10 カラープリンタ
11 プリンタ制御部
40 モータ
46、47 歯車
50 既定角度回転時間変動検知体(被検知体)
51 検知装置
501 棒状部材
502〜507 板状部材
Claims (39)
- 駆動伝達回転体を介して制御対象回転体に伝達される回転駆動力を発生する回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度を検出し、該検出結果に基づいて該回転駆動源を制御することにより、該制御対象回転体の回転を制御する回転駆動制御方法であって、
駆動条件が互いに異なる2種類以上の制御パターンで該回転駆動源を制御し、
各制御パターンによる制御時に、該制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測し、
各回転時間の計測結果に基づいて該制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求め、
該回転速度変動の振幅及び位相に基づいて該回転駆動源を制御することを特徴とする回転体駆動制御方法。 - 請求項1の回転体駆動制御方法において、
複数の駆動伝達回転体を介して上記回転駆動源から上記制御対象回転体に回転駆動力を伝達し、
上記各制御パターンによる制御時に、該制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間とともに、該複数の駆動伝達回転体のうち該制御対象回転体の回転軸以外の位置にある少なくとも一つの駆動伝達回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測し、
これらの回転時間の計測結果に基づいて、計測対象の駆動伝達回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めることを特徴とする回転体駆動制御方法。 - 請求項2の回転体駆動制御方法において、
上記回転時間の計測対象である複数の回転体の回転周期が大きい方から順次、上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御とを行うことを特徴とする回転体駆動制御方法。 - 請求項2又は3の回転体駆動制御方法において、
上記回転駆動源の回転軸の回転周期と、上記駆動伝達回転体の回転周期と、上記制御対象回転体の回転周期との間の比率がそれぞれ自然数比になっていることを特徴とすることを特徴とする回転体駆動制御方法。 - 請求項4の回転体駆動制御方法において、
上記複数の駆動伝達回転体の少なくとも一つの回転周期をTr、上記制御対象回転体の回転周期をTo、上記既定回転角をθo、自然数をnとしたとき、次式が成立することを特徴とする回転体駆動制御方法。
n×Tr=To×(θo/2π) - 請求項1乃至5のいずれかの回転体駆動制御方法において、
上記回転速度変動の振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御を開始した後、上記回転時間の計測を行い、該計測結果に基づいて上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅又は位相を求め、該振幅又は位相に基づいて該回転駆動源の制御に用いる該回転速度変動の振幅及び位相を補正することを特徴とする回転体駆動制御方法。 - 請求項1乃至6のいずれかの回転体駆動制御方法において、
上記既定回転角がπ[rad]であることを特徴とする回転体駆動制御方法。 - 回転駆動源と、該回転駆動源の回転駆動力を制御対象回転体に伝達する駆動伝達回転体と、該回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度を検出する第1の検出手段と、該第1の検出手段の検出結果に基づいて該回転駆動源を制御することにより、該制御対象回転体の回転を制御する回転体駆動制御装置であって、
該制御対象回転体が既定回転角を回転するのを検出する第2の検出手段と、
駆動条件が互いに異なる2種類以上の制御パターンで該回転駆動源を制御し、各制御パターンによる制御時に、該第2の検出手段の検出結果に基づいて該制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測し、各回転時間の計測結果に基づいて該制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求め、該回転速度変動の振幅及び位相に基づいて該回転駆動源を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項8の回転体駆動制御装置において、
上記駆動伝達回転体を複数備え、
上記制御手段は、上記各制御パターンによる制御時に、上記制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間とともに、該複数の駆動伝達回転体のうち該制御対象回転体の回転軸以外の位置にある少なくとも一つの駆動伝達回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測し、これらの回転時間の計測結果に基づいて、計測対象の駆動伝達回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めることを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項9の回転体駆動制御装置において、
上記制御手段は、上記回転時間の計測対象である複数の回転体の回転周期が大きい方から順次、上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御とを行うことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項9又は10の回転体駆動制御装置において、
上記回転駆動源の回転軸の回転周期と、上記駆動伝達回転体の回転周期と、上記制御対象回転体の回転周期との間の比率がそれぞれ自然数比になっていることを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項11の回転体駆動制御装置において、
上記複数の駆動伝達回転体の少なくとも一つの回転周期をTr、上記制御対象回転体の回転周期をTo、上記既定回転角をθo、自然数をnとしたとき、次式が成立することを特徴とする回転体駆動制御装置。
n×Tr=To×(θo/2π) - 請求項8乃至12のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記制御手段は、上記回転速度変動の振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御を開始した後、上記回転時間の計測を行い、該計測結果に基づいて上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅又は位相を求め、該振幅又は位相に基づいて該回転駆動源の制御に用いる該回転速度変動の振幅及び位相を補正することを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項8乃至13のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記既定回転角がπ[rad]であることを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の回転軸に長手方向中央部が取り付けられ長手方向端部に被検知部を有する棒状部材と、該棒状部材の被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の回転軸に中央部が取り付けられ該中央部から離れた位置における回転方向の一部に被検知部を有する板状部材と、該板状部材の被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の外周面における回転方向の一部に設けられた被検知部と、該被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項8乃至14のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記第2の検出手段は、上記制御対象回転体の回転軸における回転方向の一部を切り欠いて形成された被検知部と、該被検知部が通過する位置で該被検知部を検知する検知装置とを用いて構成したことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項15乃至18のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記被検知部の回転方向における等角度ずつ離れた複数箇所に、上記検知装置を設けたことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項15乃至18のいずれかの回転体駆動制御装置において、
上記被検知部を、その回転方向に等角度ずつ離れるように複数設けたことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 請求項20の回転体駆動制御装置において、
上記複数の被検知部の一つを、他の被検知部との間で識別可能に設けたことを特徴とする回転体駆動制御装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上の顕像を転写材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置であって、
該潜像担持体の回転を制御する回転体駆動制御装置として、請求項8乃至21のいずれかの回転体駆動制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上の顕像を転写材に転写する転写手段と、複数の支持回転体に掛け渡された無端状のベルト体とを備えた画像形成装置であって、
該複数の支持回転体のうち該ベルト体を駆動するための駆動回転体の回転を制御する回転体駆動制御装置として、請求項8乃至21のいずれかの回転体駆動制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項23の画像形成装置において、
上記第2の検出手段は、上記駆動回転体が既定回転角を回転するのを検出する代わりに、上記複数の支持回転体のうち上記ベルト体に従動する従動回転体が既定回転角を回転するのを検出するものであことを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上の顕像を転写材に転写する転写手段と、複数の支持回転体に掛け渡された無端状のベルト体とを備えた画像形成装置であって、
該ベルト体の回転を制御する回転体駆動制御装置として、請求項8乃至21のいずれかの回転体駆動制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項24の画像形成装置において、
上記既定回転角は、上記ベルト体の半周の自然数分の1回転に相当する回転角であり、
該既定回転角の回転を検出するための被検知部を、上記ベルト体上に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項24の画像形成装置において、
上記既定回転角は、上記ベルト体の半周の自然数分の1回転に相当する回転角であり、
上記複数の支持回転体のうち該ベルト体に従動する一つの従動回転体の回転周期は、該ベルト体の回転周期の自然数分の1であり、
上記第2の検出手段は、該従動回転体の1回転を検出することによって該ベルト体が該既定回転角を回転するのを検出するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項24の画像形成装置において、
上記第1の検出手段は、上記回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度の代わりに、上記複数の支持回転体のうち上記ベルト体に従動する一つの従動回転体の回転角変位又は回転角速度を検出するように構成し、
上記第2の検出手段は、他の従動回転体の回転を検出することによって該ベルト体が上記既定回転角を回転するのを検出するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項23乃至28のいずれかの画像形成装置において、
上記転写手段は、上記潜像担持体上の顕像を中間転写体を介して転写材に転写するように構成し、
上記ベルト体は該中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項22の画像形成装置において、
上記転写材の表面移動方向に沿って並べるように上記潜像担持体を複数配設し、
上記制御手段は、各潜像担持体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求め、該回転速度変動の振幅及び位相に基づいて、該転写材上の同一箇所に対する各潜像担持体の回転速度変動が同一条件になるように各潜像担持体に対応する回転駆動源を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項29の画像形成装置において、
上記中間転写体の表面移動方向に沿って上記潜像担持体を複数配設し、
上記駆動源の回転駆動力を上記中間転写体に伝達する駆動伝達回転体を備え、
該駆動伝達回転体の回転周期は、該中間転写体の表面が該潜像担持体間ピッチを通過する時間に等しいことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項29の画像形成装置において、
上記中間転写体の表面移動方向に沿って上記潜像担持体を複数配設し、
上記駆動源の回転駆動力を上記中間転写体に伝達する駆動伝達回転体を備え、
該駆動伝達回転体の回転周期は、該潜像担持体と対向する1次転写位置から転写材に対向する2次転写位置まで該中間転写体の表面が移動する時間に等しいことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項22乃至32の画像形成装置において、
上記駆動源の回転駆動力を上記制御対象回転体に伝達する駆動伝達手段を備え、
上記第1の検出手段は、上記回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度の代わりに、該制御対象回転体の回転軸に設けられた歯車からなる増速機構の出力軸の回転角変位又は回転角速度を検出するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項22又は30の画像形成装置に用いるプロセスカートリッジであって、
上記制御対象回転体及び上記回転体駆動制御装置を含み且つ該画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 駆動伝達回転体を介して制御対象回転体に伝達される回転駆動力を発生する回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度を検出し、該検出結果に基づいて該回転駆動源を制御することにより、該制御対象回転体の回転を制御する回転体駆動制御装置を構成するコンピュータで用いるプログラムであって、
駆動条件が互いに異なる2種類以上の制御パターンで該回転駆動源を制御するステップと、
各制御パターンによる制御時に、該制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測するステップと、
各回転時間の計測結果に基づいて該制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めるステップと、
該回転速度変動の振幅及び位相に基づいて該回転駆動源を制御するステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項35のプログラムにおいて、
上記回転体駆動制御装置は、複数の駆動伝達回転体を介して上記回転駆動源から上記制御対象回転体に回転駆動力を伝達するものであり、
上記各制御パターンによる制御時に、該制御対象回転体が既定回転角を回転するときの回転時間とともに、該複数の駆動伝達回転体のうち該制御対象回転体の回転軸以外の位置にある少なくとも一つの駆動伝達回転体が既定回転角を回転するときの回転時間を計測ステップと、
これらの回転時間の計測結果に基づいて、計測対象の駆動伝達回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅及び位相を求めるステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項36のプログラムにおいて、
上記回転時間の計測対象である複数の回転体の回転周期が大きい方から順次、上記回転時間の計測と上記振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御とを行うことを特徴とするプログラム。 - 請求項35乃至37のいずれかのプログラムにおいて、
上記回転速度変動の振幅及び位相に基づく上記回転駆動源の制御を開始した後、上記回転時間の計測を行うステップと、該計測結果に基づいて上記制御対象回転体の1回転周期の回転速度変動の振幅又は位相を求めるステップと、該振幅又は位相に基づいて該回転駆動源の制御に用いる該回転速度変動の振幅及び位相を補正するステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 制御対象回転体に伝達される回転駆動力を発生する回転駆動源の回転軸の回転角変位又は回転角速度を検出し、該検出結果に基づいて該回転駆動源を制御することにより、該制御対象回転体の回転を制御する回転体駆動制御装置を構成するコンピュータで用いるプログラムが記録された記録媒体であって、
該プログラムが、請求項35乃至38のいずれかのプログラムであることを特徴とする記録媒体。
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