JP2005093724A - 発光ダイオード封止用プライマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば近紫外LED、白色LED等の発光ダイオードが封止された発光ダイオード素子において、発光ダイオードと封止剤の密着性が良好であり、且つ長期間の使用によって封止剤が劣化し難い上記発光ダイオード素子をプライマーを提供する。
【解決手段】 発光ダイオード素子の表面の少なくとも一部に、(A)シランカップリング剤、その加水分解物および該加水分解物の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種及び(B)無機酸化物粒子を含有してなることを特徴とする発光ダイオード封止用プライマー組成物を塗布した後に塗布された前記組成物を硬化させ、表面に該組成物の硬化体からなるプライマー層を有する発光ダイオード素子を得、次いで該発光ダイオード素子を封止剤で封止する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発光ダイオード、特に短波長発光ダイオードを封止する際にダイオードと封止剤との密着性を向上させるためのプライマー組成物に関する。
近年における化合物半導体を用いた発光素子である発光ダイオード(以下、LEDと称す)の進展はめざましく、発光材料として赤色〜橙色に発光するアルミニウム・インジウム・ガリウム・リン(AllnGaP)、青色に発光するガリウムナイトライト(GaN)が開発され、さらに365nm、370nm等の400nm以下の近紫外に発光するLEDも実現されている。またLEDの白色化も、例えば蛍光体を青色LEDまたは近紫外LEDと組み合わせることにより達成されている。
LEDには、寿命が長い、温度安定性が高い、調光が容易である、駆動電圧が低い等の優れた利点がある。特に発光効率が高く、信頼性に優れた点が高く評価され、ディスプレー、表示板、車載照明、信号灯、携帯電話、ビデオカメラなどへの応用が積極的に計られている。またそのパッケージ形状としては、砲弾型ランプ以外に、表面実装タイプなど各種用途にあったタイプが開発されている。特に白色LEDに関しては、照明用途への展開が図られており、従来の白熱電球、ハロゲンランプ、蛍光ランプなどの代替光源として非常に期待されているが、普及のためには、さらなる高輝度化および光源効率の向上が望まれている。
LEDは半導体素子を保護するために、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の透明な封止剤で封止されるのが一般的であるが、上記のようなLEDの短波長化および高輝度化等に伴い、現在封止剤に求められる要求性能が高くなっている。例えば光の短波長化や高輝度化のために封止剤に与えられるエネルギーが増加することにより封止剤樹脂が黄変し、輝度が低下したり色調が変化したりするという問題を回避するために、封止樹脂の耐光性や耐熱性向上が特に強く求められている。
封止樹脂の耐光性や耐熱性向上に関しては、いくつかの検討がなされているが満足の行く解決方法は見出されていない。例えば、エポキシ樹脂系封止剤に関しては、水添ビスフェノールA型エポキシに脂環式エポキシを添加することにより、いくらかの耐光性の向上が見られているが、実用上十分なレベルではない(特許文献1参照)。またシリコーン樹脂(ポリシロキサン)系封止剤は、エポキシ樹脂に比べると優れた耐光性を有するが、素子や金属(リードフレーム)との密着性及び接着性が十分ではなく、さらに屈折率がエポキシ樹脂より低いため半導体素子からの光取り出し効率が低いという問題点がある(非特許文献1参照)。
特開2003−73452号公報 「白色LED照明システム技術の応用と将来展望」,シーエムシー出版,2003年発行,p.184−192。
上記のように、特に、近紫外LED、白色LEDを封止する場合において、封止剤の耐光性、耐熱性、密着性、光取り出し効率の向上が求められている。そこで、本発明は、耐光性、耐熱性および光取り出し効率等に優れた封止剤で高い密着強度で封止された発光ダイオード素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行なった。その結果、シランカップリング剤またはその加水分解物、および無機酸化物コロイド粒子からなる組成物をプライマーとして使用した場合には、耐光性、耐熱性等に優れた発光ダイオード用封止剤の密着強度を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)シランカップリング剤、その加水分解物および該加水分解物の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種並びに(B)無機酸化物粒子を含有してなることを特徴とする発光ダイオード封止用プライマー組成物である。また、第二の本発明は、封止剤により封止された発光ダイオード素子であって、発光ダイオード素子と封止剤が、上記本発明の組成物の硬化体からなるプライマー層を介して接合されていることを特徴とする前記発光ダイオード素子であり、第三の本発明は、(1)発光ダイオード素子の表面の少なくとも一部に請求項1又は2に記載の組成物を塗布する工程、(2)当該工程で塗布された前記組成物を硬化させ、表面に該組成物の硬化体からなるプライマー層を有する発光ダイオード素子を得る工程及び(3)該工程で得られた表面にプライマー層を有する発光ダイオード素子を封止剤で封止する工程を含むことを特徴とする上記本発明の発光ダイオード素子の製造方法である。
本発明のプライマーを用いることにより、封止剤を用いて発光ダイオードを封止した場合の封止剤と発光ダイオードあるいはリードフレームとの密着強度(接合強度)を向上させることができる。このことによって、例えばシリコーン系封剤を用いることにより、耐光性、耐熱性等に優れた“封止された発光ダイオード素子”を得ることが出来る。また、この場合において、光取り出し効率の向上させることもできる。
本発明の発光ダイオード封止用プライマー組成物は、(A)シランカップリング剤、その加水分解物および該加水分解物の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種並びに(B)無機酸化物コロイド粒子を含有してなる。
本発明においてシランカップリング剤としては、相互になじみの悪い無機材料と有機材料の両者と化学結合できる官能基をもつ有機ケイ素化合物として使用されている公知のシランカップリング剤が制限なく使用できる。本発明で好適に使用できるシランカップリング剤としては、下記式(1)
(RSi(OR4−a (1)
で示される有機ケイ素化合物又は下記式(2)
〔(RSi(OR3−bY (2)
で示される有機ケイ素化合物を挙げることができる。なお、これら化合物は、単独で私用してもよいし、異なる種類のものを混合して使用してもよい。
前記式(1)において、R1は、アルキル基;アリール基;ハロゲン化アルキル基;ハロゲン化アリール基;アルケニル基;又はエポキシ基、オキセタニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機残基であり、R2は、アルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基であり、aは0〜2の整数である。なお、R1又はR2が分子中に夫々複数個存在する場合、複数個のR1どうし又は複数個のR2どうしは、それぞれ互いに異なっていてもよい。
がアルキル基である場合の好適なアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の好適には炭素数1〜6のアルキル基を挙げることができる。また、アリール基としてはフェニル基、β−ナフチル基、α―ナフチル基等の好適には炭素数6〜12のアリール基が好適である。また、ハロゲン化アルキル基としては、β−クロロエチル基、γ−クロロプロピル基、γ−ブロモプロピル基、γ−ヨウ化プロピル基、γ−フルオロプロピル基、3,3−ジクロロプロピル基、3,3,γ−トリフルオロプロピル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基が好適であり、ハロゲン化アリール基としては、4−クロロフェニル、2,5−ジフロオロフェニル、4−ブロモフェニル等の好適には炭素数6〜12のハロゲン化アリール基が好適である。また、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、β−ブテニル基、γ−ブテニル基等の好適には炭素数2〜6のアルケニル基が好適である。更に、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機残基としては、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は置換基として炭素数3〜6のシクロアルキル基を有する炭素数1〜6のアルキル基に前記官能基が置換したものが好適である。前記有機残基のうち公的なものを具体的に例示すればエポキシ基を有する有機残基としては、グリシジル基、β−グリシドキシエチル基、α−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、α−グリシドキシブチル基、β−グリシドキシブチル基、γ−グリシドキシブチル基、δ−グリシドキシブチル基、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基等を挙げることができる。また、オキセタニル基を有する有機残基としては、(3−エチルオキセタン−3−イル)プロピル基等を挙げることができる。また、アクリロイルオキシ基を有する有機残基としては、アクリロイルオキシメチル基、β−アクリロイルオキシエチル基、β−アクリロイルオキシプロピル基、γ−アクリロイルオキシプロピル基等を挙げることができる。また、メタクリロイルオキシ基を有する有機残基としては、メタクリロイルオキシメチル基、β−メタクリロイルオキシエチル基、β−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基等を挙げることができる。また、メルカプト基を有する有機残基としては、メルカプトメチル基、β−メルカプトエチル基、β−メルカプトプロピル基、γ−メルカプトプロピル基等を挙げることができ、アミノ基を有する有機残基としては、アミノメチル基、β−アミノエチル基、β−アミノプロピル基、γ−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピル基等を挙げることができ、シアノ基を有する有機残基としては、シアノメチル基、β−シアノエチル基、β−シアノプロピル基、γ−シアノプロピル基等を挙げることができる。
これらのR1基の中で、得られる硬化膜の基材に対する密着性が優れることから、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メルカプト基を有する炭化水素基が好ましく、特にエポキシ基を有するものが好ましい。最も好ましくは、グリシドキシ基、又は3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する炭化水素基である。
2がアルキル基である場合、好適なアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基が好適である。また、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシプロピル基、イソプロポキシエチル基、ブトキシメチル基等の炭素数1〜5のアルコキシアルキル基が好適であり、アシル基としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等の炭素数1〜5のアシル基が好適である。これらのうち、特にメチル基、エチル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基等の炭素数1〜3のアルコキシアルキル基;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜3のアシル基が好ましい。
前記式(1)で示される有機ケイ素化合物のうち好ましいものを具体的に例示すると以下の通りである。
(i)aが0の場合
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラエトキシメトキシシラン、テトラアセトキシシラン等。
(ii)aが1の場合
メチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブチロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブチロキシシラン等のアルキル基を有する化合物;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン等のアリール基を有する化合物;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化アルキル基を有する化合物;4−クロロフェニルトリメトキシシラン、2,5−ジフロオロフェニルトリエトキシシラン、4−ブロモフェニルトリアセトキシシラン等のハロゲン化アリール基を有する化合物;グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシプロピルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシプロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシブチルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有する化合物;(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシプロピルトリメトキシシラン、(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシプロピルトリエトキシシラン等のオキセタニル基を有する化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン等のアルケニル基を有する化合物;γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有する化合物;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル基を有する化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を有する化合物;β−シアノエチルトリエトキシシラン等のシアノ基を有する化合物;、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有する化合物等が挙げられる。
(iii)aが2の場合
グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等、エポキシ基を有する化合物;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基以外の置換基を含む化合物が挙げられる。
また、前記式(2)において、R3はアルキル基であり、R4はアルキル基又はアシル基であり、Yは、エポキシ基を有していてもよいアルキレン基、または複数のアルキレン基のカーボネート基を介して互いに結合した2価の基であり、bは0又は1である。なお、分子中にR4が2又は3個存在する場合、これらR4は互いに異なっていてもよい。
前記Rのアルキル基及びR4がアルキル基である場合の当該アルキル基としてはR1における好適なアルキル基と同じものが好適である。また、R4がアシル基である場合の当該アシル基としてはR2における好適なアシル基と同じものが好適である。
また、前記式(2)におけるYが、エポキシ基を有していてもよいアルキレン基である場合、好適な基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基、へキシレン基、デシレン基、オクタデシレン等の炭素数1〜20、特に炭素数1〜6のアルキレン基;3,4−エポキシ−1,6−ヘキシレン基、4,5−エポキシ−1,8−オクチレン基等のエポキシ基を有するアルキレン基を挙げることができる。また、Yが複数のアルキレン基のカーボネート基を介して互いに結合した2価の基である場合の好適な基としては、エチレンオキシカルボニルオキシエチレン基、プロピレンオキシカルボニルオキシプロピレン基等が挙げられる。
前記式(2)で示される有機ケイ素化合物としては、好ましいものを具体的に例示すると、ビス(メチルジメトキシシリル)メタン、1,2−ビス(エチルジメトキシシリル)エタン、1,3−ビス(エチルジエトキシシリル)プロパン、1,4−ビス(メチルジエトキシシリル)ブタン、1,6−ビス(トリエトキシシリル)−3,4−エポキシ−ヘキサン、1,6−ビス(メチルジエトキシシリル)−3,4−エポキシ−ヘキサン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カーボネート、ビス[3−(トリエトキシシリル)イソブチル]カーボネート、ビス[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]カーボネート、ビス[3−(メチルジメトキシシリル)イソブチル]カーボネート等を挙げることができる。
本発明の発光ダイオード封止用プライマー組成物において、前記シランカップリング剤は、そのままの状態で存在していてもよいし、加水分解した状態或いは加水分解後一部が縮合した状態で存在していてもよい。前記式(1)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、前記式(1)においてRの一部又は全部が水素原子に置換され、−ORが−OH基に変化した化合物であり、前記式(2)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、上記一般式(2)の有機ケイ素化合物が加水分解は、前記式(1)においてRの一部又は全部が水素原子に置換され、−ORが−OH基に変化した化合物である。また、加水分解物の縮合物とは、加水分解物の2分子間で両分子の−OH基どうしが脱水縮合してエーテル結合により連結された2量体若しくは同様にして形成された3量体オリゴマーを意味する。シランカップリング剤の加水分解(及び縮合)は、シランカップリング剤に塩酸水溶液、硫酸水溶液、酢酸水溶液等の酸性水溶液を添加し攪拌することにより行われる。なお、本発明の発光ダイオード封止用プライマー組成物において、前記シランカップリング剤、その加水分解物及び該加水分解物の縮合物はそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の発光ダイオード封止用プライマー組成物において、(A)成分は、前記式(1)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物及び該加水分解物の縮合物(以下、加水分解物等ともいう)から成る群より選ばれた少なくとも1種であるのが好適であり、更に、前記式(1)で示される有機ケイ素化合物において、R1がエポキシ基を有する炭化水素基であり、R2がアルキル基であり、且つaが1又は2の条件を満たす化合物及び/またはその加水分解物等であるのが特に好ましい。とりわけ、これらの化合物の中でも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシプロピルトリフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシプロピルトリエトキシシランが好ましく、さらにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及びこれらの加水分解物等が最も好ましい。
本願発明のプライマー組成物で使用される(B)成分は、無機酸化物粒子である。無機酸化物粒子を用いることにより、本発明のプライマーは、硬化膜の硬さや屈折率の高度化が向上し、該プライマーの安定性も大きく向上する。上記無機酸化物粒子を構成する無機酸化物は特に限定されないが、周期律表上における遷移元素の全部と典型元素の左下方に位置する元素の酸化物又は複合酸化物が好適である。より具体的には、Si、Ti、Fe、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Ta、W、Pb、Bi及びCeから成る群から選ばれた1種又は2種以上の元素の酸化物又は複合酸化物が好適である。これらの元素の酸化物からなる無機酸化物は、主に原子価2〜6の金属の酸化物であり、それら元素の酸化物の形態として表せば、TiO2、Fe23、CuO、ZnO、Y23、ZrO2、Nb25、MoO3、In23、SnO2、Ta25、WO3、PbO、Bi23、SiO等を例示することができる。これらの無機酸化物粒子は単独で用いることも、組み合わせて複合酸化物粒子として用いることもできる。組み合わや複合化方法としては、無機酸化物粒子を数種類混合する方法や、上記無機酸化物を原子レベルで固溶体化する方法が挙げられる。複合化酸化物粒子としては、SnO2粒子とWO3粒子がその界面で化学的な結合を生じて複合化されたSnO2−WO3複合コロイド粒子、SnO2粒子とZrO2粒子がその界面で化学的な結合を生じて複合化されたSnO2−ZrO2複合粒子、TiO2とZrO2とSiO2が原子レベルで固溶体を形成して得られたTiO2−ZrO2−SiO2複合粒子が挙げられる。さらに、無機酸化物粒子は、金属成分、さらには半金属元素等との組み合わせにより化合物として用いることもでき、このような例としてはZnSb26、InSbO4、ZnSnO3が挙げられる。また、無機酸化物粒子を他の無機酸化物、複合酸化物、SiOで被覆して用いることも出来る。
これらの無機酸化物粒子のなかでも、耐光性が高いことからSiOが好ましく、また屈折率が1.52以上、特に1.55以上の屈折率を示す無機酸化物粒子が、光取り出し効率を高める点から好ましい。屈折率が1.52以上の無機酸化物粒子を例示すると、WO3粒子、SnO2粒子、ZrO2粒子、SbO2粒子、SnO2−ZrO2複合粒子、TiO2−ZrO2−SiO2複合粒子等が挙げられる。
また、(B)成分の無機酸化物粒子の形状及び大きさは特に限定されないが、透光性に優れるという観点から、一次粒子径は、100μm以下、好ましくは1nm〜10μm、特に好ましくは2〜60nmであることが望ましい。ここで一次粒子径とは、粒子が単一分散またはそれに近い状態で存在している際の粒子直径のことであり、電子顕微鏡により測定された値をいう。特に一次粒子径が200nm以下の微粒子である場合には、無機酸化物粒子は、分散性に優れることからコロイド粒子であることが好ましい。該コロイド粒子成分は、水性ゾルまたはオルガノゾルとして供するのも好適な態様である。
本発明のプライマー組成物における(A)成分と(B)成分の含有比は特に限定されないが、透明性の高い硬化膜が得られるという理由から、重量比で(A)成分重量:(B)成分重量は10:90〜90:10、特に40:60〜60:40であるのが好適である。
本発明のプライマー組成物は無機酸化物粒子の分散性、膜厚均一性、膜の透光性、作業性等の点から前記無機酸化物粒子としてはコロイド粒子、特にオルガノゾルを用いるのが好ましい。このため、本発明のプライマー組成物は、(A)成分及び(B)成分以外に(C)成分として親水性有機溶媒を含有するのが好適である。親水性有機溶媒としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、ニトロ類等の公知のものを制限なく用いることが出来る。また、これら親水性有機溶媒は、2種以上を混合して用いてもよい。以下、好ましい親水性有機溶媒を例示する。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、n−プロパノール、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ブタノール、2−ブタノール、n−ヘキサノール、1−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の1価のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノsec−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノsec−ブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、エチレングリコールモノn−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノプロピオネート、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノプロピオネート、ジエチレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有するアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール等の2価アルコール類;フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、1−クロロ−2−プロパノール、ジアセトンアルコール、2−シアノエタノール、アセトンシアノヒドリン等の水酸基以外の官能基を有するアルコール類、等が挙げられる。
エステル化合物としては、ギ酸エチル、ギ酸プロピル等のギ酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル等の酢酸エステル類;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;酪酸エステル類;イソ酪酸エステル類;吉草酸エステル類;安息香酸エステル類;シュウ酸エステル類;マロン酸エステル類;マレイン酸エステル類;酒石酸エステル類;クエン酸エステル類;ジエチレングリコールジエステル類;炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等のカーボネート結合を有する化合物;ホウ酸エステル類;リン酸エステル類が挙げられる。
ケトン類としては、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のモノケトン類;アセチルアセトン、アセトニルアセトン等のニ価のケトン類;メシチルオキシド、ホロン等の二重結合を有するケトン類等が挙げられる。ニトリル類としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等の化合物が挙げられる。ニトロ類としては、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン等の化合物が挙げられる。エーテル類としては、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル等の直鎖エーテル類、、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等の二価のエーテル類等、が挙げられる。
アミド化合物としては、N,N−ジメチルホルムアミド,N―メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非環状アミド類、N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類等が挙げられる。
ニトロ化合物としては、ニトロメタン、ニトロエタン等のアルキル置換ニトロ化合物が挙げられる。
これらの親水性有機溶媒の中で、プライマーの高い保存安定性を得られやすいという点から、特にアルコール類が好ましい。
本発明のプライマー組成物における親水性有機溶媒の含有量は、プライマーの塗布方法または得られる硬化体の用途によっても異なるが、一般に(A)成分と(B)成分の合計重量を100重量部としたときに0〜2000重量部、特に20〜1000重量部であるのが好適である。
さらに、本発明のプライマー組成物は、シランカップリング剤を加水分解させること、またその加水分解を促進する等の観点から、必要に応じて水を含有していてもよい。その場合、水の含有量は、一般に(A)成分と(B)成分の合計重量を100重量部としたときに、2〜100重量部であるのが好ましい。なお、水は(B)成分をコロイド粒子として使用する場合の分散媒として供給されることもある。
更に、本発明のプライマーは、硬化反応を促進するための硬化触媒を含有するのが好適である。硬化剤の例としては、公知の熱硬化性触媒および光硬化性触媒を制限なく用いることが出来る。アリルアミン、エチルアミン等のアミン類、またルイス酸やルイス塩基を含む各種酸や塩基、例えば有機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ほう酸、過塩素酸、臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸などを有する塩または金属塩、さらにジルコニウム、チタニウム、鉄、アルミニウム、マンガンを有する金属アルコキシドまたはこれらの金属キレート化合物、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、α−ヒドロキシアセトフェノン、アシルホスフィンオキサイド等のラジカル重合開始剤、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等の芳香族オニウム塩があげられる。これら硬化触媒の中で、密着性の高い塗膜が得られることから、特に過塩素酸塩、金属キレート化合物が好ましい。好ましい過塩素酸塩としては、過塩素酸酸鉄(III)、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸ニッケル(II)、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸リチウム(無水)、過塩素酸リチウム、過塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム等の過塩素酸塩が挙げられる。これら過塩素酸塩のなかでも、特に過塩素酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウムが特に好ましい。
また、好ましい金属キレート化合物としては、例えば、ジルコニウムアセチルアセトナート、チタニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、鉄(III)アセチルアセトナート、アルミニウムアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート等のアセチルアセトナート錯体、及びエチレンジアミン四酢酸鉄、エチレンジアミン四酢酸アルミニウム、エチレンジアミン四酢酸亜鉛、エチレンジアミン四酢酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム、エチレンジアミン四酢酸銅、エチレンジアミン四酢酸コバルト、エチレンジアミン四酢酸カルシウム、エチレンジアミン四酢酸ビスマス等が挙げられる。これら金属キレート化合物のなかでも、アルミニウムアセチルアセトナートが特に好ましい。
硬化触媒の含有量は、一般に(A)成分と(B)成分の合計重量を100重量部とした場合に、0.01〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。
更に、本発明のプライマーは、密着性を向上させるために、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する脂環式エポキシ等のエポキシ化合物、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等のシリコーン化合物、および炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の充填剤を含有するのが好適である。これら成分の含有量は特に限定されないが、一般に(A)成分と(B)成分の合計重量を100重量部とした場合に、1〜100重量部であるのが好適である。
さらに、本発明のプライマー組成物には上記成分の他に、必要に応じて、硬化剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、蛍光塗料・顔料、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系等の耐光性、耐熱性の安定剤等を添加し、プライマーの塗布性および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
本発明のプライマー組成物を施用することにより、封止剤を用いて発光ダイオードを封止した場合の封止剤と発光ダイオードあるいはリードフレームとの密着強度(接合強度)を向上させることができる。本発明のプライマー組成物の施用方法は特に限定されず、例えばリードフレームが付属した発光ダイオード(LED素子)の封止剤と接触する面の全部又は一部に本発明のプライマー組成物を塗布しした後に乾燥し更に乾燥と同時或いは乾燥後に塗膜を硬化させることにより好適に行なうことができる。
本発明のプライマー組成物をLED素子上に塗布する手段としてはディッピング法、スピン法、スプレー法等、通常行われる塗布方法が適用できるが、処理速度の点からディッピング法、スプレー法が特に好ましい。
硬化方法としては、熱硬化、光硬化、電子線硬化等、公知の硬化方法を制限なく用いることが出来る。この際、必要に応じて、前述の硬化触媒を用いれば良い。熱硬化の際の加熱方法としては、オーブン中一定時間静置、またはヒーター板上をベルトコンベヤー等を通して通過させる等の方法をとることが出来る。また加熱温度はLED素子がダメージを受けない範囲であれば特に制限はないが、20〜250℃、好適には80〜200℃で行うのが好ましく、加熱時間は5分〜48時間程度である。光照射の場合には、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等の公知の光源を用いることが出来、その際の光源、光照射量、照射時間は、用いるプライマー組成物に合わせて適宜選択すればよい。
プライマー層の厚さは、耐光性および処理速度の点から、好ましくは0.05〜500μm、特に0.1〜100μmであることが好ましい。
また上述したプライマーをLED素子に塗布する前に、酸、アルカリ、各種有機溶媒による化学処理、プラズマ、紫外線等による物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理等によって基材と硬化膜との密着性等を向上させることができる。
LED素子上にプライマー層を形成させた後に、その表面に樹脂からなる層で封止することにより、LEDを封止することが出来る。その際の封止樹脂としては、エポキシ系、シリコーン系等の公知の材料を制限なく用いることが出来る。耐光性および耐熱性の観点から、シリコーン系材料を用いることが好ましい。
シリコーン系樹脂の場合には、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等のポリシロキサン、および末端ビニルポリジメチルシロキサン等の架橋剤とを白金錯体等の触媒によるハイドロシリレーション反応によって架橋させ得ることが出来る。ポリシロキサンと架橋剤との配合比は、1:100〜10:100程度であり、触媒は架橋剤100重量部に対して0.001〜1重量部添加される。さらに添加剤として例えば高硬度化のためにヘキサメチルシラザン処理のフュームドシリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を用いることが出来る。また本発明のプライマーを用いる場合に、密着性向上のためにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を用いることが、密着性を向上させるために好適である。これらの配合比は架橋剤100重量部に対して、1〜100重量部程度である。ポリシロキサンおよび架橋剤、必要に応じて添加剤を加えた混合した後、白金触媒を添加した組成物を得る。該組成物は減圧下消泡することが、封止剤の透明性を得るために好ましい。続いてプライマー層を有するLED素子に浸漬し、20〜100℃程度で硬化させることによってシリコーン樹脂を封止したLEDを得ることが出来る。
エポキシ系樹脂の場合には、主剤としては、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、ダイセル化学社製CEL2021P等の3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する脂環式エポキシ等を用いることが出来る。また硬化剤としては、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等を用いることが出来、硬化促進剤としては、DBUのオクチル酸塩、イミダゾール誘導体、三級アミン、トリフェニルフォスフィン、テトラフェニルフォスフィンブロマイド、テトラブチルフォスフォニウムジエチルフォスフォロジチオエート等を用いることが出来る。これらの中で耐光性の点から、主剤としては水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、ダイセル化学社製CEL2021P等の脂環式エポキシが好ましく、硬化剤としてはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましく、硬化促進剤としてはテトラブチルフォスフォニウムジエチルフォスフォロジチオエートが好ましい。一般に主剤と硬化剤との配合比は1:0.8〜1:1.2程度であり、硬化促進剤は硬化剤100重量部に対して0.5〜5.0重量部添加される。これら主剤、硬化剤および硬化促進剤を混合しエポキシ組成物を得る。該組成物は減圧下消泡することが、封止剤の透明性を得るために好ましい。続いてプライマー層を有するLED素子にモールディングを行い、硬化処理を行い、エポキシ樹脂を封止したLEDを得ることが出来る。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例および比較例で得られた、封止されたLEDは、以下に示す評価方法により諸物性を測定した。
(1)密着性試験
封止されたLEDのパッケージから延びる一対のリードをLED素子の下部部分から、ダイヤモンドカッターを用いて切断し、封止材に覆われたリード線(直管状)を得た。これを簡易固定し、片手でリード線を引張った際の挙動を以下3段階に分けて評価した。
(A)リード線が封止材から簡単に抜けた。
(B)強く引張った際に、リード線が抜けた。
(C)強く引張ってもリード線は抜けなかった。
(2)耐光性試験
初期には無色透明であった封止されたLEDを、キセノンウエザーメータ(スガイ試験器製、X25)にて、紫外光を含む光を500時間照射した後の、封止されたLEDの着色状態を目視で3段階に分けて評価した。
(A)ほぼ着色は見られなかった。
(B)少し黄変していた。
(C)強い黄変が見られた。
(3)耐熱性試験
初期には無色透明であった封止されたLEDを、150℃オーブン中に、100時間静置した後の、封止されたLEDの着色状態を目視で3段階に分けて評価した。
(A)ほぼ黄変は見られなかった。
(B)少し黄変していた。
(C)強い黄変が見られた。
実施例1
1)プライマーの調合
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン176重量部を撹拌しながら、0.01規定の塩酸117重量部を2時間で滴下した。滴下終了後、24時間撹拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに該部分加水分解物に、シリカゾルメタノール溶液(固形分濃度30重量%、日産化学工業(株):一次粒子径約10〜20nm)416重量部、n−ブチルセロソルブ372重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート1.1重量部を順次加え、十分に撹拌した後、1μmのろ紙でろ過を行ってプライマー液を調製した。こうして得られたプライマー液の固形分濃度は約25%であった。
2)LED素子へのプライマー処理
あらかじめパッケージにダイボンディングし、パッケージから延びる一対のリード線を差し込み固定したLED素子を、上記プライマー液を入れた容器にディッピングし、引き上げた。続いてオーブン中、一次硬化として70℃にて15分間加熱、二次硬化として120℃にて60分間加熱することにより、膜厚が約3μmのプライマー層を有するLED素子を得た。
3)LEDの封止
1000cStのビニル末端ポリジメチルシロキサン(アズマックス社製、DMS−V31)100g、メチルHシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(アズマックス社製、HMS−301)4gを均一になるまで混合攪拌した。ついで白金錯体溶液(アズマックス社製、SIP6830.0)0.02gを加えて混合した。攪拌混合時に生じたシリコーン樹脂溶液中の泡を減圧下取り除き、ついで直ぐに該樹脂溶液をプラスチック製型内に注入した。そこに、上記工程で得られたプライマー層を有するLED素子を型内に挿入し、50℃にて1時間硬化させることにより、封止されたLED(L1)を得た。
4)評価
上記工程で得られた封止されたLED(L1)を、前記の要領で、密着性、耐光性、耐熱性を評価した。結果を表1に示した。本発明のプライマー層を有するLEDは、密着性、耐光性、耐熱性とも優れていることが判る。
Figure 2005093724
比較例1 (シリコーン樹脂による封止)
LED素子として、プライマー処理をしないものを使用した以外は、実施例1の3項と同様にして、封止されたLED(L2)を得た。実施例1の4項と同様にして、L2を評価した。結果をまとめて表1に示した。本発明のプライマー層を有するLEDは、特に密着性向上に硬化があることが判る。
比較例2 (エポキシ樹脂による封止)
ビスフェノールAグリシジルエーテル34g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸16gを均一になるまで混合攪拌した。ついで硬化触媒としてテトラフェニルフォスフィンブロマイド0.16gを加えて混合した。攪拌混合時に生じたシリコーン樹脂溶液中の泡を減圧下取り除き、ついで直ぐに該樹脂溶液をプラスチック製型内に注入した。そこに、上記工程で得られたプライマー層を有するLED素子を型内に挿入し、120℃にて3時間硬化させることにより、封止されたLED(L3)を得た。L3を、実施例1の要領で、密着性、耐光性、耐熱性を評価した。結果をまとめて表1に示した。

Claims (4)

  1. (A)シランカップリング剤、その加水分解物および該加水分解物の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種並びに(B)無機酸化物粒子を含有してなることを特徴とする発光ダイオード封止用プライマー組成物。
  2. 更に(C)親水性有機溶媒を含む請求項1に記載の組成物。
  3. 封止剤により封止された発光ダイオード素子であって、発光ダイオード素子と封止剤が、請求項1又は2に記載の組成物の硬化体からなるプライマー層を介して接合されてなることを特徴とする前記発光ダイオード素子。
  4. (1)発光ダイオード素子の表面の少なくとも一部に請求項1又は2に記載の組成物を塗布する工程、(2)当該工程で塗布された前記組成物を硬化させ、表面に該組成物の硬化体からなるプライマー層を有する発光ダイオード素子を得る工程及び(3)該工程で得られた表面にプライマー層を有する発光ダイオード素子を封止剤で封止する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオード素子の製造方法。
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