JP2005092970A - 磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 潤滑層の潤滑効果を長期間維持できる磁気記録媒体及びそれを備える磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】 磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層、中間層、シード層5、記録層6、保護層7及び潤滑層8を備える。記録層6は、先端が半球状に隆起した円柱形状の結晶粒子の集合体から構成される。記録層6上に形成された保護層7の表面には記録層6の結晶粒子31に基づく凹凸が形成される。潤滑層8の潤滑剤は凹凸の窪みに比較的多く溜まる。媒体を高速に回転させても潤滑剤は窪みに留まって殆ど飛散しない。本発明の磁気記録媒体は90%〜95%の潤滑剤残存率を実現し、長期間潤滑効果を維持できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、情報を磁気的に記録する磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置に関し、更に詳細には、磁気ヘッドに対して高い潤滑性を長期間維持することができる磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置に関する。
近年、高度情報化社会の進展に伴って、情報記録装置の大容量化・高密度化に対するニーズは高まっている。このため、大型サーバー、並列型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバー、ムービーサーバー、モバイルPC等の記憶装置として使用される磁気記憶装置においても大容量化が望まれている。磁気記憶装置は、通常、情報を記録するための磁気記録媒体と、磁気記録媒体への記録再生を行なうための磁気ヘッドとを主に備える。磁気記録媒体は、円板状の基板の上に、スパッタ法などにより形成されたコバルト合金などの強磁性薄膜を備え、かかる強磁性薄膜上には、通常、耐摺動性及び耐食性を高めるために、保護層及び潤滑層が形成される。
磁気記憶装置の大容量化に伴って、磁気記憶媒体の磁気記録層に微細な記録ビットを記録して記録密度を高める方法についての開発が進められている。記録ビットを微細にして記録するための一つの方法として、膜面に対して垂直な方向に磁化を有する記録ビットを磁気記録層(以下、垂直磁気記録層という)に記録する、いわゆる垂直磁気記録方式が知られている。垂直磁気記録層の材料としては、従来、Co−Cr系の多結晶膜が用いられてきた。この材料は、強磁性を有するCoリッチな領域と、非磁性のCrリッチな領域との組成の異なる領域に分離した構造している。このため、強磁性を有するCoリッチな領域の間で働く磁気的相互作用を非磁性のCrリッチな領域によって断ち切ることを実現している。
磁気記録媒体の面記録密度を更に向上させるためには、再生時に媒体から発生するノイズを低減させる必要がある。そのためには、垂直磁気記録層に形成される磁化反転単位の微細化や読み取りヘッドの高感度化が有効である。このうち、磁化反転単位の微細化は、垂直磁気記録層を構成する磁性結晶粒子の微細化が有効であることが知られている。しかしながら、磁性結晶粒子を極度に微細化すると、磁性結晶粒子の磁化状態が熱的に不安定になり、いわゆる熱減磁を起こす。この熱減磁を防止するために、非磁性基板上に、軟磁性層、炭素からなる第1シード層、第2シード層、及び人工格子構造を有する記録層を順に積層した磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−30951号公報
かかる磁気記録媒体の記録層に用いられている人工格子多層膜や規則格子合金膜は、高い磁気異方性を有するため、熱安定性に優れ、熱減磁の発生を低減できることが期待される。しかしながら、これらの膜は、従来用いられていたCo−Cr系多結晶膜と異なり、膜面方向の磁気的相互作用が強いために微小な磁区を形成することができず、磁化の転移領域がジグザグとなったり、磁化の転移領域が所望の位置からずれることによって生じたジッターによる転移性の媒体ノイズが大きいという欠点がある。
前述の特許文献1に記載されている磁気記録媒体では、軟磁性層上に形成した炭素からなる第1シード層の上にPtまたはPdからなる第2シード層を設け、第2シード層上にCo/PtあるいはCo/Pd人工格子層を形成することにより、人工格子層の結晶配向を向上させ、人工格子層の垂直磁気異方性を高くして保磁力を向上させている。しかしながら、かかる人工格子層は、膜面方向の磁気的交換結合力が強いために、線記録密度を高めたときに磁化遷移領域が不明瞭になっていた。そして、かかる不明瞭な磁化遷移領域は再生時にノイズ(以下、遷移ノイズという)を引き起こしていた。このため、高記録密度で記録された情報を低ノイズで再生することが困難であった。また、2つのシード層を用いているために、磁気ヘッドと軟磁性層との距離が大きくなり、磁気ヘッドの書き込み磁界が軟磁性層まで十分到達せず、飽和記録特性が劣ることが多かった。
ところで、磁気記憶装置では、浮上型の磁気ヘッドを磁気記録媒体上で浮上させながら記録再生を行なっている。磁気記録媒体の表面には、通常、磁気ヘッドとの摩擦を低減するために、潤滑剤からなる潤滑層が形成されている。ところが、磁気記録媒体を高速に回転させると、回転の際の遠心力により潤滑剤が飛散して潤滑効果が低下するという問題があった。また、磁気記録媒体上を磁気ヘッドが摺動することにより潤滑剤が損失して潤滑効果が低下することもあった。このように、潤滑層の潤滑剤が損失してしまうと、磁気ヘッドとの摩擦力が増大して磁気記録媒体の表面が磨耗するため、情報の記録再生が行なえなくなる恐れがある。これを防止するために潤滑層の膜厚を厚くすることも考えられるが、潤滑層を厚くしすぎると磁気ヘッドが潤滑層に吸着するという問題が生じる。
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、潤滑層の潤滑効果を長期にわたって安定に維持することができる磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置を提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、磁気記録媒体において、
基板と、
軟磁性層と、
鉄酸化物を主成分とする中間層と、
人工格子構造を有する記録層と、
保護層と、
潤滑剤からなる潤滑層とを順に備え、
回転数20000rpm、温度85℃、湿度50%において720時間回転させることによる上記潤滑層の潤滑剤の残存率が90〜95%であることを特徴とする磁気記録媒体が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、磁気記録媒体において、
基板と、
軟磁性層と、
Pd、Si及びNを含むシード層と、
人工格子構造を有する記録層と、
保護層と、
潤滑剤からなる潤滑層とを順に備え、
回転数20000rpm、温度85℃、湿度50%において720時間回転させることによる上記潤滑層の潤滑剤の残存率が90〜95%であることを特徴とする磁気記録媒体が提供される。
本発明の磁気記録媒体は、所定の回転条件での回転の後の潤滑剤の残存率が90〜95%であるので長期にわたって潤滑効果を維持することができ、磁気ヘッドを磁気記録媒体上で長期にわたって安定して浮上させることができる。回転条件としては、例えば、温度85℃、湿度50%の環境下で、回転数20000rpm、回転時間720時間である。本発明において、潤滑剤の残存率とは、回転動作前の潤滑層の潤滑剤の量(例えば潤滑層の膜厚)に対する回転動作後の潤滑剤の量をいうものとする。本発明者らの知見によると、従来の磁気記録媒体の場合、かかる回転条件での回転後の潤滑剤の残存率はせいぜい80%程度である。それゆえ、本発明の磁気記録媒体は極めて高い潤滑剤残存率を有しているといえる。このように本発明の磁気記録媒体が高い潤滑剤残存率を有している理由について以下に説明する。
本発明の第1及び第2の態様に従う磁気記録媒体は、それぞれ、人工格子構造を有する記録層の下地として、Pd、Si及びNを含むシード層、及び鉄酸化物を主成分とする中間層を有する。かかるシード層または中間層を記録層の下地に用いることにより、後述するような原理に従って、記録層には、図3に示すように、基板表面に対して垂直な方向に円柱状(カラム状)に伸びた構造(以下、カラム構造という)を有する結晶粒子31の集合体が形成される。かかる結晶粒子31の表面は、図3に示すように凸状(例えば半球状)に隆起しているため、記録層の表面はカラム構造の結晶粒子31による凹凸が連続的に形成されている。記録層の表面上に例えば保護層を形成すると保護層の表面もまた記録層の表面形状を反映して凹凸が形成される。本発明の磁気記録媒体は、表面が凹凸の保護層上に潤滑剤からなる潤滑層を形成しているために、潤滑剤は、凹凸の凸部と凸部の間に形成される窪み(凹部)に比較的多く溜まっており、磁気記録媒体を高速に回転させても、窪みに溜まった潤滑剤は飛散しにくい。このため、90〜95%の高い潤滑剤残存率が得られている。
また、本発明の磁気記録媒体では、内周部分における潤滑剤残存率Riと外周部分における潤滑剤残存率Roはほぼ等しく、0.9<Ri/Ro≦1の関係を満足している。
また、本発明の磁気記録媒体においては、記録層のカラム構造の結晶粒子の粒界部に潤滑剤が滲入するために、記録層の結晶粒子の腐食が防止される。また、磁気記録媒体の表面には記録層のカラム構造の結晶粒子の凹凸を反映した凹凸が形成されているために、磁気記録媒体上で磁気ヘッドを摺動させたときに磁気ヘッドとの接触面積が小さくなる。すなわち、本発明の磁気記録媒体は、潤滑層に用いる潤滑剤の種類によらず、磁気ヘッドとの静摩擦力(スティクション)及び動摩擦力(フリクション)を小さくすることができるため、磁気ヘッドを磁気記録媒体上で長期間安定に走行させることができる。
ここで、記録層に、カラム構造の結晶粒子が形成される理由を説明する。記録層の下地として用いられるPd、Si及びNを含むシード層、または鉄酸化物を主成分とする中間層は、その下地である軟磁性層に対して濡れ性が低い。それゆえ、軟磁性層上に、例えばスパッタ法により上記シード層または中間層を成膜すると、シード層または中間層の結晶粒子の核は、面内方向において島状(アイランド状)に分散して形成され、分散して形成されたそれぞれの結晶粒子は、個別に孤立したまま同じ成長速度で成長すると考えられる。このため、シード層または中間層の表面は、アイランド状に発生した結晶粒子に基づく凹凸が形成されていると考えられる。かかるシード層または中間層上に、例えばスパッタ法により記録層を成膜すると、記録層の結晶粒子は、シード層または中間層の表面状態を反映して、図3に示すように、表面が半球状に隆起した円柱状の結晶粒子31の集合体が形成される。
ところで、上述したPdとSiとNを含むシード層は、鉄酸化物を含む中間層に対して濡れ性が極めて低い。このため、中間層上にシード層を形成することにより、シード層に島状に分散した結晶粒子が形成されやすい。それゆえ、軟磁性層と記録層との間に、中間層及びシード層をこの順で備えることが最も好ましい。このように、Fe酸化物を主成分とする中間層上に、PdとSiとNから形成されたシード層を形成し、シード層上に記録層を形成することにより、記録層にカラム構造の結晶粒子の集合体を極めて容易に形成することができる。かかる構造を有する記録層には、微小な記録磁区を形成することができるとともに磁化遷移領域も極めて明瞭になるため、従来よりもノイズを低減することができると考えられる。
上述のFe(鉄)酸化物を主成分とする中間層は、Feと酸素との反応性スパッタ法、もしくは高温酸化法によって形成することができる。中間層の膜厚が厚すぎると磁気スペーシング(磁気ヘッドの主磁極表面と磁気記録媒体の記録層表面との距離)が増大し、記録効率が低下する。この記録効率の低下を防止するために、中間層の膜厚は30nm以下であることが好ましい。また、中間層は、その上に形成されるシード層の初期成長と結晶性に重要な影響を及ぼすので、スパッタ法を用いて広範囲に均一に成膜できる膜厚を考慮して、1nm以上であることが好ましい。
ここで、上述のシード層のPd、Si及びNの元素比は、Pdが50at%〜80at%、Siが10at%〜35at%、Nが0.1at%〜5at%であることが望ましい。かかる元素比で形成されたシード層は、シード層上に形成される人工格子構造の記録層の結晶配向性を最適に制御することができる。シード層を、例えば、Pd結晶のみから形成した場合は、シード層上に形成された人工格子構造の記録層の膜面方向における磁気的交換結合力が強くなる。それゆえ、記録層に形成される記録磁区のサイズが大きくなって微細な記録ビットを形成できなかった。一方、Pd、Si及びNを含むシード層の場合、SiとNが、シード層上に形成される記録層の結晶配向性を膜面方向に分断するように作用する。特に、シード層中の微量のNはSiと結合して、Pdの分散を更に促進させる。これにより、記録層の膜面方向の磁気的交換結合力を更に低減させ、遷移性ノイズを低減することができる。シード層のPd、Si及びNの元素比を上述の範囲になるように制御すると、記録層の結晶配向と面内方向の交換結合力がともに最適となり、低ノイズと高分解能の両立が可能となる。また、シード層には若干Coが混合してもよく、例えば、Coが1at%〜10at%、Pdが50at%〜80at%、Siが10at%〜35at%、Nが0.1at%〜5at%であっても同様の効果が得られる。シード層は、微結晶あるいは部分的非晶質構造を有することが好ましく、シード層の膜厚は、1nm〜30nmであることが望ましい。シード層の膜厚が1nm未満では、シード層上に形成される人工格子構造の記録層の結晶配向を制御することが困難となる。また、シード層の膜厚が30nmよりも厚いと、記録用磁気ヘッドの磁極と軟磁性層との距離が増加して記録用磁気ヘッドからの記録磁界を軟磁性層に確実に到達させることが困難となる。また、記録用磁気ヘッドの磁極と軟磁性層との距離が増加すると、記録層を通過する記録磁界の磁束が広がり、大きな記録磁区が形成されたり、磁化遷移領域の乱れが増加するため、ジッター性のノイズが発生する恐れがある。
本発明において、人工格子構造の記録層は、例えば、白金属元素とCoとを交互に積層した交互積層多層膜にし得る。白金族元素には、Pt及びPdの少なくとも一方を用いることができる。かかる交互積層多層膜は、室温または比較的低い温度、例えば、20〜300℃の基板温度で成膜することができ、且つ大きな磁気異方性を有する。
記録層を、CoとPtとを交互に積層した交互積層多層膜(以下、Co/Pt人工格子層という)として構成する場合は、Coの膜厚が0.05nm〜0.5nm、Pdの膜厚が0.5nm〜2nmであることが好ましく、CoとPdとを交互に積層した交互積層多層膜(以下、Co/Pd人工格子層という)として構成する場合は、Coの膜厚が0.05nm〜0.5nm、Ptの膜厚が0.1nm〜2nmであることが好ましい。かかる構造の人工格子層は垂直磁気異方性が最も発現しやすい。
Co/Pd人工格子層、あるいはCo/Pt人工格子層中のCoは、膜面方向に不連続に分布していることが好ましい。人工格子層中で不連続に分布しているCoは磁気的交換結合力を部分的に切断するので、記録層の膜面方向の磁気的交換結合力は低減する。また、人工格子構造の記録層は、上述したように、円柱形状の結晶粒子の集合体から形成されており、かかる構造からも、膜面方向の磁気的交換結合力は低減している。このため、人工格子層に微細な磁区を形成しても、その磁区は安定に存在し、また、磁化遷移領域の直線性も高い。それゆえ、再生時にノイズを一層低減することができる。記録層を構成する円柱形状の結晶粒子の直径は、2nm〜15nmが好ましく、結晶粒子の表面の最上部と、最下部(結晶粒子の境界部の高さ位置)との差は1nm〜10nmが好ましい。
人工格子構造の記録層は、例えば、2つ以上のカソードを有する自公転式スパッタ装置を用いて形成することができる。また、通常のスパッタ装置を用いて成膜することも可能であり、例えば、異なる材料から構成された2つ以上のターゲットを並設し、それぞれのターゲットに対して基板キャリアを交互に相対移動させることによっても形成することができる。或いは、直径の異なる少なくとも2種類のリング型ターゲットを同一平面で且つ同軸上に配置し、それらターゲットに対向するように基板を配置させ、リング型ターゲットを交互に放電させることにより成膜することも可能である。
人工格子構造の記録層の膜厚は、磁気特性の点から5nm〜60nmが好ましい。人工格子構造の記録層は、膜面に対して垂直な方向に測定した保磁力が1.5kOe〜10kOe(エルステッド)で、膜厚tと残留磁化Mrとの積Mr・tが、0.3〜1.0memu/cmの範囲にあることが望ましい。保磁力が1.5kOeよりも小さいと、記録層に高記録密度(600kFCI以上)された情報を再生したときの再生信号出力が小さくなるため好ましくない。また、磁気異方性エネルギーもまた小さくなり、熱減磁が発生しやすくなる。また、Mr・tが1.0menu/cmより大きいと、再生分解能が低下し、0.3menu/cmよりも小さいと再生信号出力が小さくなりすぎるため、150ギガビット/平方インチ以上の高記録密度で情報を記録したときに十分な記録再生特性を得ることが困難となる。
本発明の磁気記録媒体の基板は、アルミニウム・マグネシウム合金基板、ガラス基板、グラファイト基板などの非磁性基板を用いることができる。アルミニウム・マグネシウム合金基板には、表面をニッケル・リンでメッキしてもよい。また、基板には、基板を回転させながら、ダイヤモンド砥粒や研磨用テープを押し当てることにより、基板上を平坦にし、ヘッドの走行特性を向上させる処理を行なってもよい。ここで、磁気記録媒体の基板表面の中心線平均粗さRaとしては、1nm以下であることが望ましい。ガラス基板においては、強酸などの薬品により表面を化学的にエッチングして、平坦化する処理を行なってもよい。また、基板の表面に化学的な処理を行って、表面に微細な高さ1nm以下の突起を形成してもよい。かかる基板を用いて製造された磁気記録媒体においては、記録再生時に、例えば、負圧スライダーを用いて構成された磁気ヘッドを安定に低浮上量で媒体上を浮上させることができる。
また、本発明の磁気記録媒体の基板は、軟磁性層と密着性を向上させるためにTiなどの接着層を備えていても良い。
本発明の磁気記録媒体の軟磁性層は、既に知られた軟磁性材料であれば任意の材料を用いて形成することができ、磁気ヘッドからの磁界を記録層に効率的に印加するという観点から、Fe中にTa、Nb及びZrのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素の窒化物あるいは炭化物を均一に分散させた微結晶構造を有する軟磁性層が好適である。また、Co−Zrを主体とし、これにTa、Nb、Tiのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素を含んだ非晶質合金であってもよい。これらの軟磁性層は1.5T以上の大きな飽和磁束密度を有するため高密度記録に適している。或いは、高透磁率を有するNiFeを用いることもできる。軟磁性層は、スパッタ法や蒸着法を用いて、例えば、1000nm以下の膜厚で形成し得る。
本発明の磁気記録媒体の保護層は、例えば、非晶質炭素、ケイ素含有非晶質炭素、窒素含有非晶質炭素、ホウ素含有非晶質炭素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウムまたは立方晶窒化ホウ素を用いて形成することが好ましい。非晶質炭素の保護層は、例えば、グラファイトをターゲットとして用い、不活性ガス中、あるいは不活性ガスとメタンなどの炭化水素ガスの混合ガス中でスパッタリングによって形成することができる。或いは、炭化水素ガス、アルコール、アセトン、アダマンタンなどの有機化合物を単独で、あるいは水素ガス、不活性ガスなどを混合してプラズマCVDにより形成してもよい。或いは、有機化合物をイオン化した後、電圧を印加することにより加速させ、基板に衝突させて形成してもよい。また、高出力のレーザー光をレンズで集光し、グラファイト等のターゲットに照射するアブレーション法を用いて保護層を形成してもよい。
本発明の磁気記録媒体の潤滑剤は、例えば、主鎖構造が炭素、フッ素、酸素の3つの元素からなるパーフルオロポリエーテル系高分子潤滑剤や、フッ素置換アルキル化合物などの潤滑剤を用いることができる。かかる潤滑剤のほかに、磁気ヘッドの安定な摺動と耐久性のある潤滑剤であれば、既に知られた有機系潤滑剤や無機系潤滑剤を用いることもできる。潤滑層は、通常、潤滑剤を含む溶液を塗布するにより形成されるが、地球温暖化を防止するため、あるいは潤滑層の作製工程を簡略化するために、溶剤を使わない光CVD法を用いてもよい。光CVD法の一例としては、例えば、フッ化オレフィンと酸素の気体原料に紫外光を照射する方法を用いることができる。
潤滑層の膜厚は0.5〜3nmが好ましい。潤滑層の膜厚が0.5nmよりも薄いと、潤滑特性が低下する恐れがあり、3nmよりも厚いとメニスカス力が大きくなり、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の静摩擦力(スティクション)が大きくなるため好ましくない。
潤滑層は、保護層上に潤滑剤を形成した後、窒素中あるいは空気中で100℃前後の温度で1〜2時間加熱することにより形成されることが好ましい。これにより、潤滑剤中に含まれる余分な溶剤や低分子量成分が飛んで除去されるため、潤滑層と保護層との密着性が向上する。かかる後処理の代わりに、例えば、潤滑層形成後に紫外線ランプにより紫外線を短時間照射させてもよく、かかる方法を用いても同様の効果を得ることができる。
本発明の第3の態様に従えば、本発明の第1の態様または第2の態様に従う磁気記録媒体と、
情報の記録及び再生のための磁気ヘッドと、
上記磁気記録媒体を上記磁気ヘッドに対して駆動するための駆動装置と、
上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体の所定の位置に移動するための移動手段と、
上記磁気ヘッドに入力する記録信号及び磁気ヘッドからの再生信号を信号処理するための信号処理手段を有することを特徴とした磁気記憶装置が提供される。
本発明の磁気記憶装置は、本発明の磁気記録媒体を備えるために、例えば、媒体を高速に回転させても磁気記録媒体上には高い残存率で潤滑剤が残存し、磁気ヘッドを媒体上で長期にわたって確実に浮上させることができる。また、本発明の磁気記憶装置において、磁気ヘッドは、磁気記録媒体に情報を記録するための記録用磁気ヘッドと、磁気記録媒体に記録された情報を再生するための再生用磁気ヘッドとから構成され得る。記録用磁気ヘッドのギャップ長は、0.2μm〜0.02μmが望ましい。ギャップ長が0.2μmを越えると、400kFCI以上の高線記録密度領域で記録が困難になる。また、ギャップ長が0.02μmより小さい記録ヘッドは製造が困難であり、静電気誘起による素子破壊が起こりやすくなる。
再生用磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子を用いて構成することができる。再生用磁気ヘッドの再生シールド間隔は、0.2μm〜0.02μmが望ましい。再生シールド間隔は、再生分解能に直接関係し、短いほど分解能が高くなる。再生シールド間隔の下限値は、素子の安定性、信頼性、耐電気特性、出力等に応じて、上記範囲内で適宜選択することが望ましい。
本発明の磁気記憶装置において、駆動装置は、磁気記録媒体を回転駆動させるスピンドルを用いて構成することができ、スピンドルの回転速度は毎分3000回転〜20000回転が望ましい。毎分3000回転より遅いとデータ転送速度が低くなるため好ましくない。また、毎分20000回転を越えると、スピンドルの騒音や発熱が大きくなるため望ましくない。これらの回転速度を勘案すると、磁気記録媒体と磁気ヘッドの最適な相対速度は2m/秒〜30m/秒となる。
以下、本発明に従う磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置の実施例について、図面を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。また、以下の実施例では、磁気記録媒体として、磁気ディスク(ハードディスク)を作製したが、本発明は、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ、磁気カードなど記録ヘッドと磁気記録媒体が接触するタイプの記録媒体にも適用できる。
図1に、本発明の磁気記録媒体の概略断面図を示す。磁気記録媒体100は、密着層2を有する基板1上に、軟磁性層3、中間層4、シード層5、記録層6、保護層7及び潤滑層8を備える。かかる積層構造を有する磁気記録媒体100を次のような方法により製造した。
まず、直径65mmのガラス基板1を用意し、ガラス基板1上に連続スパッタ装置により、密着層2として厚さ5nmのTiを成膜した。
次いで、密着層2上に、軟磁性層3として、Fe79Ta12を膜厚400nmにて成膜した。更に、成膜されたFe79Ta12を真空中でカーボンヒーターにより450℃の温度で30秒間加熱した後、徐冷して、Fe微結晶構造を膜中に含有する軟磁性層3を形成した。
次に、軟磁性層3上に中間層4を反応性スパッタ法により成膜した。すなわち、アルゴンと酸素の混合ガス(アルゴンに対する酸素の流量比=20%)を導入しながらFeターゲットをDCスパッタした。かかる反応性スパッタにより、Fe酸化物を5nmの膜厚で形成した。
次いで、中間層4が形成された基板1を基板自公転スパッタ装置に移送し、中間層4上にシード層5を成膜した。中間層4の成膜では、チャンバー内にアルゴンガスを導入しながら、PdターゲットをDCスパッタするとともに、SiNターゲットをRFスパッタした。これにより、中間層4上に、73at%のPd、26at%のSi及び1at%のNからなるシード層5を膜厚5nmで成膜した。
次に、シード層5上に人工格子構造の記録層6を成膜した。記録層6の成膜では、Arガス中で、CoターゲットとPdターゲットのシャッターを交互に開閉しながらDCスパッタして、Co層とPd層とが交互に積層された人工格子構造の記録層4を形成した。Co層の1層あたりの膜厚は、0.12nm、Pd層の1層あたりの膜厚は0.85nmであり、Co層とPd層の積層数はそれぞれ26層であった。
次いで、記録層6上に、アモルファスカーボンからなる保護層7をプラズマCVD法により膜厚3nmにて形成した。保護層7の形成後、基板を成膜装置から取り出した。最後に、保護層7上にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を1nmの厚さで溶液塗布して潤滑層8を形成した。
こうして図1に示す積層構造を有する磁気記録媒体100を作製した。
次に、作製した磁気記録媒体100を、図2に示すような概略平面構造を有する磁気記憶装置200に組み込んだ。磁気記憶装置200は、磁気記録媒体100と、磁気記録媒体100を回転駆動するための回転駆動部18と、磁気ヘッド10と、磁気ヘッド10を磁気記録媒体上で所望の位置に移動させるヘッド駆動装置11と、記録再生信号処理装置12を備える。磁気ヘッド10は、単磁極型書き込み素子とGMR(Giant Magneto-Resistive)読み込み素子を備え、ヘッド駆動装置11のアームの先端に設けられている。磁気ヘッド10の単磁極型書き込み素子は、情報記録時に磁気記録媒体に記録するデータに応じた磁界を印加して磁気記録媒体に情報を記録することができる。磁気ヘッド10のGMR読み込み素子は、磁気記録媒体からの漏洩磁界の変化を検出して磁気記録媒体に記録されている情報を再生することができる。記録再生信号処理装置12は、磁気記録媒体100に記録するデータを符号化して磁気ヘッド10の単磁極型書き込み素子に記録信号を送信することができる。また、記録再生信号処理装置12は、磁気ヘッド10のGMR読み込み素子により検出された磁気記録媒体9からの再生信号を復号することができる。
かかる磁気記憶装置200を駆動し、磁気的スペーシング(磁気ヘッド10の主磁極表面と磁気記録媒体9の記録層表面との距離)を13nmに維持しながら、線記録密度1000kBPI、トラック密度150kTPIの条件にて情報を記録し、記録した情報を再生して記録再生特性を評価したところ、トータルSNRとして24.5dBo−p/rmsを得た。更に、面記録密度150ギガビット/平方インチの記録密度にて記録再生することができた。また、ヘッドシーク試験として、磁気ヘッドを磁気記録媒体上の内周から外周まで10万回シークさせ、かかるヘッドシーク試験後に磁気記録媒体のビットエラーを測定したところビットエラー数は10ビット/面以下であり、平均故障間隔で30万時間を達成することができた。
〔電磁変換特性の測定〕
次に、磁気記録媒体の電磁変換特性を、スピンスタンドの記録再生試験機を用いて測定した。記録再生試験機の磁気ヘッドとしては単磁極型書き込み素子とGMR読み取り素子の複合型ヘッドを使用した。単磁極型書き込み素子のメインポール(主磁極)の実効書き込みトラック幅は110nm、Bsは2.1Tであった。また、GMR素子の実効トラック幅は97nm、シールド間隔は45nmであった。記録再生試験の際、磁気ヘッドの単磁極型書き込み素子の主磁極表面と磁気記録媒体の記録層表面との間隔を13nmとした。電磁変換特性の測定結果を図4に示す。図4において、S/Ndは、100kFCIにおけるトラック平均振幅出力の半分をその線記録密度で記録した後に測定した媒体積算ノイズの値で割り、その対数を取った値である。図4から、本実施例の磁気記録媒体は、高域でも遷移性ノイズが低減しており、高分解能と高S/Nが両立されていることが分かる。
〔熱減磁の測定〕
次いで、磁気記録媒体について熱減磁の測定を行なった。熱減磁は、24℃の環境下において、線記録密度100kFCIにて記録した信号を再生したときの再生信号振幅を1秒後に測定した値で規格化したものである。図5に示すように、本実施例の磁気記録媒体では熱減磁がなかったことが分かる。これは、記録層の磁化遷移領域が明瞭で直線性が高いためであると考えられる。また、オントラックで1000kBPIにてエラーレートを測定したところ、1×10−5以下であった。
〔記録層の断面構造の観察〕
次に、磁気記録媒体の断面構造を、高分解能透過型電子顕微鏡を用いて観察した。図3に、人工格子構造の記録層6の断面構造の観察結果を模式的に示した。図3に示すように、記録層6は、円柱形状の結晶粒子31の集合体から構成されており、それぞれの結晶粒子31の上面は半球状であった。結晶粒子の直径dは約8nmであり、結晶粒子の表面の半球の最上部Aと最下部Bの差hは2nmであった。記録層6は、かかる円柱形状の結晶粒子から構成されているために膜面方向の磁気的結合力が低減され、微細な記録ビットが安定になり、磁化遷移領域の直線性がよくなると考えられる。
〔潤滑剤残存率の測定〕
次に、磁気記録媒体について、高速回転による潤滑剤残存率を、以下に示すスピンオフテストと呼ばれる方法により測定した。
厚さ1nmのパーフルオロポリエーテル系潤滑剤が溶液塗布された磁気記録媒体100を、最高20000rpmまで回転するスピンドルドライブに装着した。次いで、この磁気記録媒体100を、恒温・恒湿槽内温度85℃、湿度50%の環境下で、回転数20000rpmで720時間回転させた。この回転前後(即ち、スピンオフテスト前後)の潤滑膜の膜厚と潤滑剤の残存率を表1に示す。なお、潤滑膜の膜厚は、磁気記録媒体100上の中心を基準としたときのある角度位置を基準となる角度位置0°とし、その基準となる角度位置0°及び角度位置0°から90°毎の角度位置(即ち、90°、180°及び270°)上で、且つ、磁気記録媒体の中心から半径13mm(内周部)、22mm(中間部)及び31mm(外周部)の各位置における計12点について、ESCAを用いて測定した。また、潤滑剤の残存率(a/b)は、ESCAで得られたスピンオフテスト前の潤滑膜厚の値(a)をスピンオフテスト後の潤滑膜厚の値(b)で割ることにより求めた。表1に示すように、測定したいずれの角度位置(0°、90°、180°及び270°)、半径位置(半径13mm、22mm及び31mm)においても、磁気記録媒体の面内における潤滑剤の残存量が略均一であり、また、潤滑剤の残存率が90%を超えており、特に92〜95%となることが分かる。さらに、表1より、内周部における潤滑膜の残存率Riの平均と外周部における残存率Roの平均との比Ri/Ro、及び、同一角度位置における内周部における残存率Riと外周部における残存率Roとの比Ri/Roはともに、0.9<Ri/Ro≦1の関係を満たすことが分かる。
Figure 2005092970
〔静摩擦係数測定及びロード・アンロード試験〕
次に、磁気記録媒体の静摩擦係数測定及びロード・アンロード試験を行い、トライボロジ的な特性及び耐久性を測定した。測定及び試験には、いわゆるパッド型ピコスライダ及びTTI社製のトライボテスターを使用した。
磁気記録媒体の静摩擦係数は、以下のようにして測定した。厚さ1nmのパーフルオロポリエーテル系潤滑剤が溶液塗布された磁気記録媒体100のデータエリアにヘッドを停止させ、そのまま30秒間静置させた後、スピンドルの回転を開始し、磁気記録媒体100を回転数3600rpmまで回転させた。そのときの回転開始から100ミリ秒間の最大摩擦係数を静摩擦係数として測定した。その結果、静摩擦係数は0.45であり、耐粘着性に優れた磁気記録媒体であることが分かる。
また、ロード・アンロード試験は、以下のようにして行った。磁気記録媒体を回転数7200rpmで回転しながら、高さ0.45mmのランプからヘッドを1秒で磁気記録媒体上にロードし、4秒間媒体のデータ面上でシークした後に、ヘッドをランドに1秒でアンロードし、停止する。この一連の動作を1サイクルとし、この動作を10000サイクル経過するまで繰り返し、各サイクルにおけるヘッドのロード時における摩擦係数の極大値を測定した。その結果、10000サイクル経過した後でも摩擦係数は0.5であり、磁気記録媒体の耐摺動特性が良好であることが分かる。
本発明の磁気記録媒体は、高速回転後であっても高い潤滑剤残存率を有するため、磁気ヘッドに対する潤滑効果を長期にわたって維持することができる。また、本発明の磁気記録媒体は、潤滑剤により表面が長期間被膜されているため、大気中の水分等が媒体内部に滲入することが防止され、媒体を構成する記録層などの層の酸化や腐食を防止することができる。
また、本発明の磁気記録媒体では、媒体表面上に形成された潤滑剤が、記録層のカラム構造に基づいて形成された凹凸の凹部(窪み)に溜まっているため、粘性の高い高分子量の潤滑剤のみならず、低分子量の粘性の低い潤滑剤を用いても高い潤滑剤残存率を達成することができる。また、潤滑剤として粘性の高い材料を用いた場合には、潤滑層の膜厚を厚くしなくても十分な潤滑効果を長期にわたって維持することができる。
また、磁気記録媒体の表面には、記録層のカラム構造に基づいて凹凸が連続的に形成されているため、媒体表面と磁気ヘッドとの接触面積が小さく、磁気ヘッドが媒体表面に張り付くことが防止される。
本発明の磁気記憶装置は、本発明の磁気記録媒体を用いているため、磁気ヘッドで磁気記録媒体を繰り返しシークしても磁気記録媒体の潤滑層の潤滑剤が殆ど損失せず、耐摩擦性及び耐磨耗性に優れ、高い信頼性を有する。
本発明に従う磁気記録媒体の概略断面図である。 本発明に従う磁気記憶装置の平面模式図である。 磁気記録媒体の記録層の断面構造を模式的に示した図である。 実施例で製造した磁気記録媒体の電磁変換特性の測定結果である。 実施例で製造した磁気記録媒体の時間に対する再生信号出力のグラフである。
符号の説明
1 ガラス基板
2 密着層
3 軟磁性層
4 中間層
5 シード層
6 人工格子構造の記録層
7 保護層
8 潤滑層
10 磁気ヘッド
11 磁気ヘッド駆動装置
12 記録再生信号処理装置
18 回転駆動部(スピンドル)
100 磁気記録媒体
200 磁気記憶装置

Claims (11)

  1. 磁気記録媒体において、
    基板と、
    軟磁性層と、
    鉄酸化物を主成分とする中間層と、
    人工格子構造を有する記録層と、
    保護層と、
    潤滑剤からなる潤滑層とを順に備え、
    回転数20000rpm、温度85℃、湿度50%において720時間回転させることによる上記潤滑層の潤滑剤の残存率が90〜95%であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 磁気記録媒体において、
    基板と、
    軟磁性層と、
    Pd、Si及びNを含むシード層と、
    人工格子構造を有する記録層と、
    保護層と、
    潤滑剤からなる潤滑層とを順に備え、
    回転数20000rpm、温度85℃、湿度50%において720時間回転させることによる上記潤滑層の潤滑剤の残存率が90〜95%であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 更に、上記中間層と記録層との間に、Pd、Si及びNを含むシード層を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 上記潤滑層の膜厚が0.5nm〜3nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  5. 上記記録層が結晶粒子の集合体から構成され、各結晶粒子は上記基板表面に対して垂直な方向に円柱状に延び且つその先端が記録層表面において隆起しており、該結晶粒子の直径が2nm〜15nmの範囲内にあり、該結晶粒子の隆起の高さが1nm〜10nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  6. 上記中間層の膜厚が1nm〜30nmであることを特徴とする請求項1または3に記載の磁気記録媒体。
  7. 上記シード層の膜厚が1nm〜30nmの範囲内にあることを特徴とする請求項2または3に記載の磁気記録媒体。
  8. 上記記録層が、Co/Pd人工格子層またはCo/Pt人工格子層であることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
  9. 請求項1または2に記載の磁気記録媒体と、
    情報の記録及び再生のための磁気ヘッドと、
    上記磁気記録媒体を上記磁気ヘッドに対して駆動するための駆動装置と、
    上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体の所定の位置に移動するための移動手段と、
    上記磁気ヘッドに入力する記録信号及び磁気ヘッドからの再生信号を信号処理するための信号処理手段を有することを特徴とした磁気記憶装置。
  10. 上記駆動装置は、上記磁気記録媒体を回転駆動するための回転駆動装置であることを特徴とする請求項9に記載の磁気記憶装置。
  11. 上記磁気ヘッドが、情報を記録するための記録部と情報を再生するための再生部とを備え、該再生部が磁気抵抗効果型素子から構成されることを特徴とする請求項9または10に記載の磁気記憶装置。
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