JP2005091895A - 走査型共焦点顕微鏡装置 - Google Patents

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敦史 宮脇
Ten Fukano
天 深野
Tatsuo Nakada
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Abstract

【課題】複数の異なる波長の励起光に対応して発する複数の波長の蛍光を簡易かつ同時に分別することができる走査型共焦点顕微鏡装置を提供すること。
【解決手段】蛍光試薬を励起させる2つの励起光を試料23に照射し、該蛍光試薬から発光する蛍光を電気信号に変換して画像表示する走査型共焦点顕微鏡装置において、複数の異なる周波数信号を変調信号F1,F2として出力する周波数発生部2と、変調信号F1,F2によって2つの励起光を変調する変調部27a,27bと、変調部27a,27bによって変調された各変調励起光に応じて発光した蛍光を電気信号に変換する光電子増倍管12と、光電子増倍管12から出力された電気信号を異なる変調信号F1,F2の周波数毎に周波数分離して出力する周波数分離部11とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、たとえば蛍光試薬によって蛍光染色された蛍光色素や蛍光蛋白を含む試料に励起光を照射し、この蛍光試薬や蛍光蛋白から発する蛍光を電気信号に変換して画像表示する走査型共焦点顕微鏡装置に関するものである。
生物化学の分野において通常の光学顕微鏡を用いると、観察対象の組織を非常に薄い切片にする必要があるが、薄い切片にすると、観察画像は、鮮明になる一方、立体としての情報が失われる。また、切片を厚くすると、光軸方向のどの面で焦点を合わせても、その上下の焦点の合わない面からの情報が混入してノイズの多い低品質の画像しか得られない。一方、電子顕微鏡を用いると、分解能の点で圧倒的に優れているが、生細胞・組織、水中の組織などを観察できないという致命的な制約がある。このため、上述した不具合を解決することができるレーザ走査型共焦点顕微鏡が生物学や医学の分野で注目されている。
レーザビームを、ピンホールを通して集光して、厚い試料中の1点に焦点を合わせると、主に、この小さいスポットの中の蛍光物質のみが励起され蛍光を発する。スポットから逆行する蛍光は共焦点ピンホールに達し、迷光や散乱光によるノイズが除かれて厳密に1つのスポットからきた蛍光のみが光検出器で測定される。このようにして試料中の1点のみからの情報を得た後に、試料全体の情報を得るためレーザビームを走査すると、結果的に暗い3次元空間内でスポット大の光学的切片が切り出され、その集合として試料の全体像が得られる。
また、レーザビームを励起光として用いると、レーザは単波長の空間的・時間的コヒーレントが高い光で、指向性が非常に高く長距離伝送における広がりがきわめて小さい。このため、ピンホールを2つ用いる共焦点系を採用するにはレーザビームを用いることが必須といえる。
また、共焦点を用いると、レーザビームによる励起光はまず1つのピンホールを通過して、試料内の観察した1点のみを照射する。この点から発した蛍光はレーザビームと異なる自然放出光であるため指向性が低い。またレーザビームで照射したスポットは多少の空間的広がりをもつことは避けられないので、必要のない点からの情報がわずかながら混ざって励起される。光検出器の直前に挿入されたもう1つのピンホールによって逆行する蛍光を絞ると、これらの必要外の情報がカットされ、ほぼ厳密にレーザビームが照射したスポット1点からの蛍光(光学的切片)が測定できることになる。
また、上述した迷光や散乱光の影響を最小限にとどめるには、視野全体の照射を避け、小さな光スポットで1点ずつ試料を走査すればよい。すると、XY平面上の全て点で焦点が合った情報が得られ、高解像度・高コントラストの画像を得ることができる。またこのように1点ずつの情報(光学的切片)をデジタルデータとして扱うことが可能であり、各種画像処理をはじめとしてデータ処理に都合がよい。
そのため、レーザ走査型共焦点顕微鏡では、試料を局在的に、リアルタイムに、しかも立体的(3次元)に観察できるという特徴を備えている。また、さらに、分解能が高くシャープな画像と、試料の各点のデータがデジタル的に得られ、染色法の工夫で容易に多重染色を用いることができ、生細胞・組織の観察ができるという特徴も備えている。
図16は、従来の走査型共焦点顕微鏡装置の構成を示すブロック図である。図16において、この走査型共焦点顕微鏡装置は、レーザユニット1と、走査ユニット3と、顕微鏡ユニット4と、パーソナルコンピュータ(PC)5とを有している。レーザユニット1と走査ユニット3は、ファイバ9によって接続されており、走査ユニット3は、リレーレンズ18によって、顕微鏡ユニット4と接続されている。
レーザユニット1から出射した2種類の波長のレーザビームは、走査ユニット3を介して、顕微鏡ユニット4に入射し、試料23中の焦点位置24に集光する。焦点位置24からは夫々の波長に対する蛍光が発光し、蛍光は走査ユニット3に入射し、ダイクロイックミラー16で反射し、夫々の波長に分離されて光電子増倍管(PMT:Photo Multiplier Tube)12a,12bに入射する。PMT12a,12bは入射した蛍光を電気信号に変換して、出力信号S1,S2をPC5に出力する。PC5は入力した信号S1,S2を画像処理し、画像表示部26に表示する。
すなわち、図17―1に示すようにレーザ発振器6aからは波長351nmの励起光Ex1がレーザ出力され、レーザ発振器6bからは波長488nmの励起光Ex2のレーザ出力がされる。そして、それぞれ対応して、図17―2に示すように焦点位置24では、蛍光波長400nmの蛍光Em1と、蛍光波長515nmの蛍光Em2とが同一ビーム光として蛍光出力され、主としてダイクロイックミラー16によってこれら蛍光Em1,Em2を蛍光の波長の違いで分離し(図17―3,図17―4)、この分離された各蛍光Em1,Em2を複数のPMT12a,12bによって個別に検出するようにしている。
特開平11−231222号公報
しかしながら、上述した従来の走査型共焦点顕微鏡装置を用いた蛍光波長ごとの識別表示を行う場合、蛍光波長ごとにPMT12a,12bと、ピンホール13a,13bと、励起光カット素子14a,14bと、コンフォーカルレンズ15a,15bと、ダイクロイックミラー16a,16b等の光学系を備える必要があった。この結果、装置が大型化するとともに、焦点位置24から発した蛍光Em1,Em2が多くの光学系を通過するため、蛍光光量のロスが多くなり、信号S1,S2のS/N比は小さくなり、最終的に得られる画像は、低解像度になるという問題点があった。
また、蛍光試薬の染色の違いに対応して、複数の異なる励起波長の励起光の照射に対して同一の蛍光波長を発光する試料が存在し、試料中の蛍光試薬の染色分布を調べる2波長励起1波長蛍光法がある。この2波長励起1波長蛍光法では、蛍光波長が同一であるため、励起波長ごとに時分割した蛍光観察をせざるを得ない。この結果、画像構築に多大な手間と時間を要するという問題点があった。
一方、2波長励起1波長蛍光法において、光学系を1つにし、ダイクロイックミラー16を交換し、蛍光波長毎に画像を採取し、後に蛍光波長毎の画像を合成することができるが、この場合、画像構築に多大の時間を要し、リアルタイムで試料23の変化が観察できないという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の異なる波長の励起光に対応して発する複数の波長の蛍光を簡易かつ同時に分別することができる走査型共焦点顕微鏡装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、蛍光試薬を励起させる1以上の励起光を試料に照射し、該蛍光試薬から発光する蛍光を電気信号に変換して画像表示する走査型共焦点顕微鏡装置において、1以上の異なる周波数信号を変調信号として出力する周波数発生手段と、前記変調信号によって前記1以上の励起光を変調する変調手段と、前記変調手段によって変調された1以上の変調励起光に応じて発光した蛍光を電気信号に変換する光電変換手段と、前記変調信号を用いて、前記光電変換手段から出力された電気信号を前記1以上の異なる周波数毎に周波数分離して出力する周波数分離手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる走査方共焦点顕微鏡装置は、蛍光試薬を励起させる複数の励起光を試料に照射し、該蛍光試薬から発光する蛍光を電気信号に変換して画像表示する走査型共焦点顕微鏡装置において、複数の異なる位相をもった周波数信号を変調信号として出力する移相発生手段と、前記変調信号によって前記複数の励起光を変調する変調手段と、前記変調手段によって変調された複数の変調励起光に応じて発光した蛍光を電気信号に変換する光電変換手段と、前記変調信号を用いて、前記光電変換手段から出力された電気信号を前記複数の異なる位相毎に位相分離して出力する位相分離手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記周波数分離手段は、前記変調信号の周波数に対応した1以上の可変周波数フィルタを用いて周波数分離することを特徴とする。
また、請求項4にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記周波数分離手段は、前記電気信号に対して高速フーリエ変換を施し、前記変調信号の周波数に対応した信号を抽出することによって周波数分離することを特徴とする。
また、請求項5にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記1以上の励起光または前記1以上の変調励起光を偏光光に変換する偏光手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項6にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記偏光手段は、一つの励起光に対して互いに直交する偏光光に変換する2つの偏光手段であることを特徴とする。
また、請求項7にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記変調手段は、各変調信号によって各1以上の励起光を出力する励起光源の駆動要素に変調をかけることを特徴とする。
また、請求項8にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記変調手段は、前記1以上の励起光を出力する各励起光源から出力された各励起光に対して変調をかけることを特徴とする。
また、請求項9にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記1以上の励起光は、2光子励起法に対応した励起光であることを特徴とする。
また、請求項10にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記1以上の励起光は、レーザ光であることを特徴とする。
また、請求項11にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、上記の発明において、前記1以上の励起光は、チタンサファイヤレーザから出力されたレーザ光であることを特徴とする。
この発明によれば、異なる励起波長の励起光に異なる周波数による変調をかけて、異なる蛍光波長の蛍光を一括して電気信号に変換し、その後変調信号によって周波数分離するようにしているので、簡易な光学系の構成で済み、かつ異なる複数の蛍光に対応した蛍光画像を同時に得ることができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、2波長励起1波長蛍光法による蛍光観察である場合や、偏光光によって蛍光特性が異なる蛍光観察である場合であっても、異なる複数の励起光に対応した蛍光を同時に識別できるという効果を奏する。
また、この発明によれば、異なる励起波長の励起光に異なる位相の変調をかけて、異なる蛍光波長の蛍光を一括して電気信号に変換し、その後変調信号によって位相分離するようにしているので、簡易な光学系の構成で済み、かつ異なる複数の蛍光に対応した蛍光画像を同時に得ることができるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して、この発明にかかる走査型共焦点顕微鏡装置の好適な実施の形態について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1である走査型共焦点顕微鏡装置の概要構成を示すブロック図である。この走査型共焦点顕微鏡装置は、レーザユニット101と、周波数発生部2と、走査ユニット301と、顕微鏡ユニット4と、PC5とを有している。
レーザユニット101と走査ユニット301は、ファイバ9によって接続されており、走査ユニット301は、リレーレンズ18によって、顕微鏡ユニット4と接続されている。また、周波数発生部2は、レーザユニット101の変調部27a,27bと走査ユニット301の周波数分離部11に異なる変調信号F1,F2を送出している。そして、走査ユニット301の周波数分離部11は、変調信号F1,F2を用いて波長分離された信号S1A,S2AをPC5に送出している。PC5は、入力した信号S1A,S2Aによって、蛍光波長ごとに識別した画像表示をおこなう。
周波数発生部2は、たとえば10MHzの変調信号F1を発生する周波数発生器2aと、たとえば20MHzの変調信号F2を発生する周波数発生器2bとを有する。変調信号F1は、変調部27aおよび周波数分離部11に送出され、変調信号F2は、変調部27bおよび周波数分離部11に送出される。
ここで、試料23は、たとえば、蛍光試薬「DAPI」と、蛍光蛋白「GFP」とで2重染色されているものとする。これに対応して、レーザ発振器6a,6bは、波長351nm,波長488nmのレーザビームを夫々出射するものとする。
レーザユニット101の変調部27aは、レーザ駆動電源28aからのレーザ駆動信号と変調信号F1とが合成され、10MHzの変調のかかったレーザ駆動信号がレーザ発振器6aに送出される。その結果、レーザ発振器6aは10MHzの変調のかかった波長351nmのレーザビームを出射する。なお、変調度はレーザ出力100%に対して数%が適当であり、ここでは3%としている(図2―1参照)。一方、変調部27bで、レーザ駆動電源28bからのレーザ駆動信号と変調信号F2とが合成され、20MHzの変調のかかったレーザ駆動信号がレーザ発振器6bに送出される。その結果、レーザ発振器6bは20MHzの変調のかかった波長488nmのレーザビームを出射する。なお、ここでも上述と同様に変調度を3%としている(図2―2参照)。
レーザ発振器6aから出射した波長351nmのレーザビームはダイクロイックミラー7aで反射し、ダイクロイックミラー7bで、レーザ発振器6bから出射した波長488nmのレーザビームと合成される。合成されたレーザビームはカップリングレンズ8とファイバ9と、コリメートレンズ10とを介して、走査ユニット301に入射する。
走査ユニット301は、入射したレーザビームを、ダイクロイックミラー16を透過させ、つぎに走査光学ユニット17によって試料23上の観察ポイントに光路を変更し、さらにリレーレンズ18を介して、顕微鏡ユニット4に出射する。顕微鏡ユニット4は、入射したレーザビームをミラー19によって光路を試料23方向に変更し、結像レンズ20によってレーザビームを平行光にし、さらに対物レンズ21によって、試料ステージ22上に載置してある試料23中の焦点位置24にレーザビームを集光させる。焦点位置24は、レーザビームが集光した1点であるが、走査させるため図1上では、平面上を指している。
例えば、蛍光試薬「DAPI」と、蛍光蛋白「GFP」の例で説明する。蛍光試薬「DAPI」を励起させる10MHzに変調のかかった励起波長351nmの励起光Ex1Aと、蛍光蛋白「GFP」を励起させる20MHzに変調のかかった励起波長488nmの励起光Ex2Aとが合成されたレーザビームが焦点位置24に同時に照射されると、焦点位置24からは、励起光Ex1Aに対して10MHzに変調のかかった蛍光波長400nmの蛍光Em1Aと、励起光Ex2Aに対して20MHzに変調のかかった蛍光波長515nmの蛍光Em2Aとが同時に発光する。
顕微鏡ユニット4は、焦点位置24で発光した蛍光Em1A,Em2Aを、焦点位置24に入射したレーザビームと同じ光路を逆行させリレーレンズ18を介し、走査ユニット301に出射する。走査ユニット3は、入射した蛍光Em1A,Em2Aを、走査光学ユニット17を介し、ダイクロイックミラー16で反射させる。ダイクロイックミラー16で反射した蛍光Em1A,Em2Aは、コンフォーカルレンズ15で集光し、励起光カット素子14で励起光が除外され、さらに、ピンホール13で焦点位置24以外からの光が除外されてPMT12に入射する。
PMT12は、入射した蛍光Em1A,Em2Aを電気信号に変換し、出力信号SPAとして、周波数分離部11に出力する。PMT12は、入射した蛍光Em1A,Em2Aの輝度に対応した電気信号に変換し、出力信号SPAとして出力する。そのため、PMT12は、蛍光Em1Aと蛍光Em2Aとが混在する光を入射するため、出力信号SPAからは蛍光Em1A,Em2Aの波長を識別することはできない。しかし、PMT12は、蛍光Em1A,Em2Aがもつ変調成分を反映させて出力信号SPAを出力させることはできる。
周波数分離部11は、周波数発生部2から10MHzの変調信号F1と20MHzの変調信号F2とを入力している。そこで、周波数分離部11は、PMT12から入力した出力信号SPAを変調信号F1,F2とによって、周波数分離する。出力信号SPAは、上述したように、10MHzと20MHzの変調成分をもっているため、10MHzの変調成分をもつ変調信号F1と、20MHzの変調成分をもつ変調信号F2とによって、周波数分離することができる。周波数分離を行うと、10MHzの変調成分をもった蛍光波長400nmの蛍光Em1Aに対応した信号S1Aと、20MHzの変調成分をもった蛍光波長515nmの蛍光Em2Aに対応した信号S2Aとに分離できる。
このようにして、周波数分離部11は、蛍光波長400nmの蛍光Em1Aを信号S1Aとして、また、蛍光波長515nmの蛍光Em2Aを信号S2Aとして識別して、PC5に出力することができる。
PC5は、入力した信号S1A,S2Aを信号処理部25に送出し、信号処理部25は信号S1A,S2Aを画像信号に変換して画像表示部26に送出する。画像表示部26は蛍光Em1Aに対応した信号S1Aと、蛍光Em2Aに対応した信号S2Aを、たとえば、色を変えるなどによって、波長ごとに識別表示を行う。さらに、走査ユニット301は、走査光学ユニット17によって、焦点位置24を走査させ、また、ピンホール13を変化させることによって、試料23中の焦点位置24の深さ方向を変化させ、試料23中に存在する2種類の異なる蛍光を発する物質の立体像をリアルタイムに画像表示できる。
図3―1は、レーザ発振器6aからは、10MHzの変調のかかった波長351nmの励起光Ex1Aのレーザ出力が出射し、レーザ発振器6bからは、20MHzの変調のかかった波長488nmの励起光Ex2Aのレーザ出力が出射することを示している。図3―2は、焦点位置24で励起波長351nmの励起光Ex1Aが集光した結果、蛍光波長400nmの蛍光Em1Aが発光し、励起波長488nmの励起光Ex2Aが集光した結果、蛍光波長515nmの蛍光Em2Aが発光することを示している。図3―3は、PMT12が蛍光Em1A,Em2Aの輝度に対応した電気信号に変換した出力信号SPAを送出することを示している。出力信号SPAは、10MHzの変調成分をもった波長400nmの蛍光Em1Aに対応する信号と、20MHzの変調成分をもった波長515nmの蛍光Em2Aに対応する信号が混在している。そのため、この信号SPAからは、蛍光Em1A,Em2Aを識別することはできない。
図3―4は、周波数分離部11が周波数分離を行った後の周波数分離後信号S1A,S2Aを送出することを示している。周波数分離部11は、10MHzの変調信号F1と、20MHzの変調信号F2とによって、出力信号SPAを周波数分離する。出力信号SPAは、10MHzの変調成分と20MHzの変調成分を含んでいるので、図3―4に示すように、波長400nmの信号S1Aと波長515nmの信号S2Aとに分離することができる。このように、信号S1Aと、信号S2Aとに分離すれば、蛍光波長400nmの蛍光Em1Aと、蛍光波長515nmの蛍光Em2Aとを明確に識別できるようになる。
図4―1は、周波数分離部11の具体例を示したブロック図である。周波数分離部11は、高速フーリエ変換器(FFT:Fast Fourier Transform)11cがPMT12からの出力信号SPAを入力し、波長ごとの信号に変換し、後段に設けた波長抽出フィルタ11dで、変調信号F1によって10MHz成分の変調をもつ波長部分を取り出して波長400nmに対応する信号S1Aを送出し、同様に、変調信号F2によって20MHz成分の変調成分を取り出して波長515nmに対応する信号S2Aを送出する。また、図4―2は、周波数分離部11Aの具体例を示したブロック図である。可変フィルタ11aに変調信号F1を入力して10MHzの変調成分をもった信号S1Aを抽出し、可変フィルタ11bに変調信号F2を入力して20MHzの変調成分をもった信号S2Aを抽出する。
なお、上述の実施例1では、図5のブロック図に示すように、音響光学素子などの光変調器を変調部127a,127bに用いることによって、変調部127a,127bをレーザ発振器6a,6bのレーザ出射側に設けることができる。
上述した実施例1によれば、試料23から発する蛍光Em1A,Em2Aを簡易な方法によって同時に識別して観察することができる。また、焦点位置24から発光した蛍光Em1A,Em2AがPMT12に入射するまでに経由する光学系が従来に比べて格段と少なくなり、光量のロスが少なくなる。したがって、多くの光学素子を必要とせずに、高いS/N比の蛍光画像が得られる。
つぎに、この発明の実施例2について説明する。上述した実施例1では、励起波長に対する蛍光波長が夫々異なっているために、レーザビームに夫々異なった変調をかけて、蛍光を識別していたが、この実施例2では、異なる励起波長に対する蛍光が同一波長の場合においても、レーザビームに異なった変調をかけて、発光する蛍光の違いを識別するようにしている。
図6は、この発明の実施例2である走査型共焦点顕微鏡装置の概要構成を示すブロック図である。レーザユニット103は、レーザ発振器6cの発振波長を340nmとし、レーザ発振器6dの発振波長を380nmとしている。なお、図1と同一の構成については同一の符号を付す。図6において、変調部27aで、レーザ駆動電源28aからのレーザ駆動信号と変調信号F1とが合成され、10MHzの変調のかかったレーザ駆動信号がレーザ発振器6cに送出される。その結果、レーザ発振器6cは10MHzの変調のかかった波長340nmのレーザビームを出射する。一方、変調部27bで、レーザ駆動電源28bからのレーザ駆動信号と変調信号F2とが合成され、20MHzの変調のかかったレーザ駆動信号がレーザ発振器6dに送出される。その結果、レーザ発振器6dは20MHzの変調のかかった波長380nmのレーザビームを出射する。
試料23は、「bis−Fura−2」の蛍光試薬で染色され、蛍光波長は510nmで同一であるものの、カルシウムイオンの濃度差によって、励起光Ex1B,Ex2Bに依存して、蛍光Em2Bの発光強度が異なることが知られている。そこで、励起光Ex1B,Ex2Bに対応する蛍光Em2Bを分別観察することによって、試料中のカルシウムイオン濃度差を知ることができる。
図7―1は、レーザ発振器6cからは、10MHzの変調のかかった波長340nmの励起光Ex1Bのレーザビームが出射し、レーザ発振器6dからは、20MHzの変調のかかった波長380nmの励起光Ex2Bのレーザビームが出射することを示している。図7―2は、焦点位置24で励起波長340nmの励起光Ex1Bと励起波長380nmの励起光Ex2Bとが集光した結果、蛍光波長510nmの蛍光Em2Bが発光することを示している。図7―3は、PMT12が蛍光Em2Bの輝度に対応した電気信号に変換した出力信号SPBを送出することを示している。出力信号SPBは、10MHzの変調成分と20MHzの変調成分とをもった波長400nmの蛍光Em2Bに対応する信号であるため、この信号SPBからは、どの励起光Ex1B,Ex2Bによるものかを識別することはできない。
図7―4は、周波数分離部11が周波数分離を行った後の周波数分離後の信号S1B,S2Bを送出することを示している。周波数分離部11は、10MHzの変調信号F1と、20MHzの変調信号F2とによって、出力信号SPBを周波数分離する。出力信号SPBは、10MHzの変調成分と20MHzの変調成分を含んでいるので、図7―4に示すように、同一波長510nmの信号S1B,S2Bとに分離することができる。このように、信号S1B,S2Bとに分離すれば、蛍光Em2Bが分解されて、励起光Ex1Bが起因する蛍光Em2Bの部分と、励起光Ex2Bが起因する蛍光Em2Bの部分とを明確に識別できるようになる。
つぎに、この発明の実施例3について説明する。上述した実施例2では、異なる波長の励起光に対して同一波長の蛍光を識別するようにしていたが、この実施例3では、異なる偏光成分の励起光に対して同一波長の蛍光が発光する場合においても、レーザビームに異なった変調をかけて、発光する蛍光の違いを識別するようにしている。
図8は、この発明の実施例3である走査型共焦点顕微鏡装置の概要構成を示す機能ブロック図である。レーザユニット104は、レーザ発振器6eの発振波長をλ1とし、レーザ発振器6eのレーザ出射側にP波(紙面に対して垂直な偏光成分を透過する偏光特性をもつものを以下、P波と称す。)の偏光特性をもつフィルタ29aを備えている。また、レーザ発振器6fの発振波長をλ1とし、レーザ発振器6fのレーザ出射側にS波(紙面に対して平行な偏光成分を透過する偏光特性をもつものを以下、S波と称す。)の偏光特性をもつフィルタ29bを備えている。なお、図1と同一の構成については同一の符号を付す。
変調部27aで、レーザ駆動電源28aからのレーザ駆動信号と変調信号F1とが合成され、10MHzの変調のかかったレーザ駆動信号がレーザ発振器6eに送出される。そして、レーザ出射側に取り付けられた偏光フィルタ29aにより、レーザ発振器6eは10MHzの変調のかかった、さらにP波の偏光特性をもった波長λ1のレーザビームを出射する。
一方、変調部27bで、レーザ駆動電源28bからのレーザ駆動信号と変調信号F2とが合成され、20MHzの変調のかかったレーザ駆動信号がレーザ発振器6fに送出される。そして、レーザ出射側に取り付けられた偏光フィルタ29bにより、レーザ発振器6fは20MHzの変調のかかった、さらにS波の偏光特性をもった波長λ1のレーザビームを出射する。
なお、上述のレーザユニット104は、レーザ発振器6e,6fを偏光成分ごとに設けていたが、図9に示すように、偏光ビームスプリッタ7c,7fとミラー7d,7eとを組み合わせ、さらに、光変調器27c,27dと偏光フィルタ29c,29dとを設けることによって、レーザ発振器6eを1台とすることも可能である。
試料23の蛍光試薬の染色状況によって、蛍光波長λ2は同一であるものの、試料23中の特定の物質差によって、P波の偏光成分をもつ励起光ExPに対して励起するものと、S波の偏光成分をもつ励起光ExSに対して励起するものがある。そこで、励起光Ex1P,ExSに対応する蛍光EmPSを励起光Ex1P,ExSごとに分別観察すると、試料中の特定の物質差を知ることができる。
図10―1は、レーザ発振器6eからは、10MHzの変調のかかった波長λ1の励起光ExPのレーザビームが出射し、レーザ発振器6fからは、20MHzの変調のかかった波長λ1の励起光ExSのレーザビームが出射することを示している。図10―2は、焦点位置24で励起波長λ1の励起光ExPと励起光ExSとが集光した結果、蛍光波長λ2の蛍光EmPSが発光することを示している。図10―3は、PMT12が蛍光EmPSの輝度に対応した電気信号に変換した出力信号SHを送出することを示している。出力信号SHは、10MHzの変調成分と20MHzの変調成分とをもった波長λ2の蛍光EmPSに対応する信号であるため、この信号SHからは、どの励起光ExP,ExSによるものかを識別することはできない。
図10―4は、周波数分離部11が周波数分離を行った後の周波数分離後信号SP,SSを送出することを示している。周波数分離部11は、10MHzの変調信号F1と、20MHzの変調信号F2とによって、出力信号SHを周波数分離する。出力信号SHは、10MHzの変調成分と20MHzの変調成分を含んでいるので、図10―4に示すように、同一波長λ2の信号SP,SSとに分離することができる。このように、信号SP,SSとに分離すれば、蛍光EmPSに起因する励起光ExP,ExSとを明確に識別できるようになる。
なお、上述した実施例3では、試料23に異なる偏光特性の励起光ExP,ExSを試料23に同時に照射したが、1つの偏光特性をもつ励起光を試料23に照射する場合でも、レーザビームに変調をかけ、偏光特性のある励起光から発光する蛍光以外の光を除去するようにしてもよい。
つぎに、この発明の実施例4について説明する。この実施例4では、単一の励起波長の励起光ExAを試料23に照射し、単一の蛍光波長の蛍光EmBを受光する場合でも、照射するレーザビームに変調をかけることによって、蛍光に対応する信号をフィルタリングして、クロストーク等のノイズを除去するようにしている。
図11は、この発明の実施例4である走査型共焦点顕微鏡装置の概要構成を示す機能ブロック図である。レーザユニット105は、実施の形態1のレーザユニット101からレーザ発振器6aと、変調部27aと、レーザ駆動電源28aと、ダイクロイックミラー7a,7bとを取り除いた構成になっている。変調部27bで、レーザ駆動電源28bからのレーザ駆動信号と変調信号FAとが合成され、10MHzの変調のかかったレーザ駆動信号がレーザ発振器6bに送出される。その結果、レーザ発振器6bは10MHzの変調のかかった波長λAの励起光ExAのレーザビームを出射する。なお、図1と同一の構成については同一の符号を付す。
焦点位置24に集光された励起波長λAの励起光ExAに対して蛍光波長λBの蛍光EmBが発光するが、蛍光EmBは、厳密に励起光EmAによって励起された光だけではなく、焦点位置24付近からの散乱光や迷光も含んでいる。そのため、蛍光EmBはノイズ成分の光を発光することになる。
図12―1は、レーザ発振器6からは、10MHzの変調のかかった波長λAの励起光ExAのレーザビームが出射することを示している。図12―2は、焦点位置24で励起波長λAの励起光ExAが集光した結果、蛍光波長λBの蛍光EmBが発光することを示している。上述したように、蛍光EmBは、励起光ExAからの蛍光以外のノイズ成分の光を含んでいる。図12―3は、PMT12が蛍光EmBの輝度に対応した電気信号に変換した出力信号SNを送出することを示している。
図12―4は、周波数分離部11が周波数分離を行った後の周波数分離後信号SAを送出することを示している。周波数分離部11は、10MHzの変調信号FAによって、出力信号SNを周波数分離する。ここで、出力信号SNは、10MHzの変調成分以外の信号を含んでいるが、周波数分離することによって、10MHzの変調成分をもたない信号は除外される。したがって、図12―4に示すように、出力信号SNをフィルタリングし、ノイズ成分を除去した信号SAを得ることができる。このように、ノイズを除去した信号SAが得られると蛍光EmBからノイズ成分を取り除いたS/N比の高い蛍光画像を得ることができる。
上述した実施例4では、励起光のレーザビームに所定の変調をかけることによって、種々のノイズ成分を含んだPMT12からの出力信号SNから、試料23中から発光した蛍光信号を抽出することができる。つまり、簡易な方法で、効果的なノイズ除去ができる。
つぎに、この発明の実施例5について説明する。上述した実施例1〜4では、1光子励起法を行っていたが、この実施例5では、2光子励起法を用いる。2光子励起法とは、光を光子と捉える考え方に基づいており、2光子が同時に、正確に同一箇所の蛍光色素に当たった(2光子吸収)際に出る蛍光を観察する方法である。2光子が同時に励起を行うことから、励起光の1光子のエネルギーは1/2でよいので、振動数は1/2となり、波長は2倍になる。
したがって、2光子励起法による蛍光を発光させるための装置は、1光子励起法と同じであって、励起光の集光が厳密に焦点位置24に合っているために、発光した蛍光を焦点位置24に合わせるためのピンホール13が除かれているものとなる。そして、この発明の実施例5では、レーザ光源としてチタンサファイヤを用いている。チタンサファイヤは、利得帯域幅が広く100fs以下の超短パルス光を発生・増幅可能である。そのため、ほとんど連続光として用いることができ、かつ、増幅率を自由に設定できるため、2光子励起光に用いるに適しているからである。
図13―1は、10MHzの変調のかかった波長700nmの光Ex3Aのレーザビームが出射することを示している。図13―2は、焦点位置24で波長700nmの光Ex3Aが集光した結果、あたかも励起波長350nmの励起光Ex3Bが照射され、蛍光波長400nmの蛍光Em3が発光することを示している。図13―3は、PMT12が蛍光Em3の輝度に対応した電気信号に変換した出力信号SP2を送出することを示している。図13―4は、周波数分離部11が周波数分離を行った後の周波数分離後信号S3を送出することを示している。したがって、2光子励起法においても、出射レーザビームに変調をかけることにより、試料23中から蛍光Em3を抽出することができる。この2光子励起法による蛍光観察法では、励起光のエネルギーを低く抑えることができるので、試料23の損傷や変質を軽減することができ、励起波長が長くなるので、励起光の試料23への透過性を改善できる。また、ピンホールを使用しなくても、高い分解能の画像を得ることができる。
つぎに、この発明の実施例6について説明する。上述した実施例1〜3では、異なる周波数の変調をかけて出射するレーザビームを識別していたが、この実施例6では、異なる位相の変調をかけて出射するレーザビームを識別している。
図14は、この発明の実施例6である走査型共焦点顕微鏡装置の概要構成を示す機能ブロック図である。図14に示すブロック図は、図1の周波数発生部2の代わりに周波数発生部2Cを設け、周波数分離部11の代わりに位相検波部11Bを設けている。なお、図1と同一の構成については同一の符号を付している。
周波数発生部2Cは、周波数発生器2dと変調信号F4の位相を90°ずらすための90°移相器2eとを有している。周波数発生器2dは20MHzの変調信号を送出分岐しているが、一方は、そのまま変調部27bと位相検波部11Bに変調信号F4として送出されるが、他方は、90°移相器2eを介することにより、変調信号F4と90°の位相差をもった変調信号F3となって変調部27aと位相検波部11Bとに送出される。その結果、図15に示すようにレーザ発振器6aは、変調信号F3に対応し20MHzの変調がかかった発振波長351nmのレーザビームL1を出射し、レーザ発振器6bは、変調信号F4に対応した20MHzの変調のかかった発振波長488nmのレーザビームL2を出射する。そして、それぞれのレーザビームL1,L2の変調の位相差は90°になる。
焦点位置24では、20MHzの変調のかかった励起波長351nmのレーザビームL1に対して20MHzの変調のかかった波長400nmの蛍光Em1Aが発光し、20MHzの変調のかかった励起波長488nmのレーザビームL2に対して20MHzの変調のかかった波長515nmの蛍光Em2Aが発光する。蛍光Em1A,Em2Aは同じ変調周波数20MHzではあるが、90°の位相差をもっている。そのため、PMT12が変換した出力信号SPCにも互いに90°の位相差のある20MHzの変調成分が含まれている。位相検波部11Bは、入力した出力信号SPCを周波数発生部2Cから入力した変調信号F3,F4によって位相検波し、波長488nmの蛍光Em1Aと波長515nmの蛍光Em2Aとに対応した信号S3A,S4Aに分離し、PC5に出力する。
PC5は、入力した信号S3A,S4Aを識別表示することによって、試料23中に存在する2種類の異なる蛍光を発する物質の立体像をリアルタイムに画像表示できる。
上述した実施例6によれば、試料23から発する蛍光Em1A,Em2Aを簡易な方法によって同時に識別して観察することができる。また、焦点位置24から発光した蛍光Em1A,Em2AがPMT12に入射するまでに経由する光学系が従来に比べて格段と少なくなり、光量のロスが少なくなる。したがって、多くの光学素子を必要とせずに、高いS/N比の蛍光画像が得られる。
また、実施例6では、異なるレーザビームL1,L2に互いに90°の位相差がある変調をかけて、レーザビームL1,L2を識別したが、位相差は90°以外であってもよい。位相差があれば、位相検波部11Bで位相検波ができ、レーザビームを識別できるからである。また、図15では、レーザビームL1,L2のレーザ出力を同程度としたが、蛍光強度に対応するように変化させてもよい。
なお、上述した実施例1〜6では、レーザビームに対する変調をレーザ発振電源からの電流にかけていたが、レーザビーム出射後に音響光学素子を挿入し、音響光学素子の駆動電流を制御して変調をかけるようにしてもよい。
また、上述した実施例1〜6では、変調成分を10MHzと20MHzとしたが、それ以外の成分で変調してもよい。また、どちらか一方は、直流成分とし、その他方に変調をかけるという組み合わせにしてもよい。また、上述した実施例1〜4,6では、励起光光源を2個として説明したが、当然2以上の励起光光源を備えていてもよい。その場合、励起光光源数だけ、異なった変調成分を励起光にかければよい。あるいは、励起光光源数だけ、位相差のある変調を励起光にかけてもよい。あるいは、異なる変調周波数と位相差を組み合わせた変調をかけるようにしてもよい。
また、上述の実施例1〜6では、試料に対する励起光としてレーザ発振器によるレーザビームを用いた説明をしたが、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)による光を用いてもよい。LEDは高エネルギーの光を出射することができるため、励起光として使用することができるからである。
また、上述の実施例1〜6では、レーザ出力に対する変調を、電気的変調を加えることにより行っていたが、光学的変調を加えることにより行ってもよい。
以上のように、本発明にかかる走査型共焦点顕微鏡装置は、蛍光試薬によって蛍光染色された蛍光色素や蛍光蛋白を含む試料に励起光を照射し、この蛍光試薬や蛍光蛋白から発する蛍光を励起光ごとに識別し、あるいは蛍光ごとに識別しリアルタイムに画像表示することに有用であり、特に、走査型共焦点レーザ顕微鏡装置に適している。
この発明の実施例1である走査型共焦点顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 10MHzの変調のかかったレーザ出力を示す説明図である。 20MHzの変調のかかったレーザ出力を示す説明図である。 レーザ出力を示す説明図である。 焦点位置での励起光入力と蛍光出力とを示す説明図である。 PMTの出力信号を示す説明図である。 周波数分離部の出力信号を示す説明図である。 周波数分離部を詳細に示すブロック図である。 周波数分離部を詳細に示すブロック図である。 この発明の実施例1である走査型共焦点顕微鏡装置の変形例の概略構成を示すブロック図である。 この発明の実施例2である走査型共焦点顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 レーザ出力を示す説明図である。 焦点位置での励起光入力と蛍光出力とを示す説明図である。 PMTの出力信号を示す説明図である。 周波数分離部の出力信号を示す説明図である。 この発明の実施例3である走査型共焦点顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明の実施例3である走査型共焦点顕微鏡装置のレーザユニットの変形例を示すブロック図である。 レーザ出力を示す説明図である。 焦点位置での励起光入力と蛍光出力とを示す説明図である。 PMTの出力信号を示す説明図である。 周波数分離部の出力信号を示す説明図である。 この発明の実施例4である走査型共焦点顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 レーザ出力を示す説明図である。 焦点位置での励起光入力と蛍光出力とを示す説明図である。 PMTの出力信号を示す説明図である。 周波数分離部の出力信号を示す説明図である。 レーザ出力を示す説明図である。 焦点位置での光入力と励起光入力と蛍光出力とを示す説明図である。 PMTの出力信号を示す説明図である。 周波数分離部の出力信号を示す説明図である。 この発明の実施例6である走査型共焦点顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 20MHzの位相差が90°の変調のかかったレーザビームを示す説明図である。 従来の走査型共焦点顕微鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 レーザ出力を示す説明図である。 焦点位置での励起光入力と蛍光出力とを示す説明図である。 PMTの出力信号を示す説明図である。 PMTの出力信号を示す説明図である。
符号の説明
1,101,102,103,104,105 レーザユニット
2,2C 周波数発生部
2a,2b,2d 周波数発生器
2e 90°移相器
3,301,302 走査ユニット
4 顕微鏡ユニット
5 PC
6,6a,6b,6c,6d,6e,6f レーザ発振器
7,7a,7b,16,16a,16b ダイクロイックミラー
7c,7f 偏光ビームスプリッタ
8 カップリングレンズ
9 ファイバ
10 コリメートレンズ
11,11A 周波数分離部
11B 位相検波部
11a,11b 周波数可変フィルタ
11c FFT
11d 波長抽出フィルタ
12,12a,12b PMT
13,13a,13b ピンホール
14,14a,14b 励起光カット素子
15,15a,15b コンフォーカルレンズ
17 走査光学ユニット
18 リレーレンズ
19,7d,7e ミラー
20 結像レンズ
21 対物レンズ
22 試料ステージ
23 試料
24 焦点位置
25 信号処理部
26 画像表示部
27a,27b,27c,27d,127a,127b 変調部
28a,28b レーザ駆動電源
29a,29b,29c,29d 偏光フィルタ
F1,F2,F3,F4,FA 変調信号
SPA,SPB,SPC,SH,SN,SP2,S1,S2 出力信号
S1A,S2A,S1B,S2B,S3A,S4A,SS,SP,SA,S3 信号
Ex1A,Ex2A,Ex1B,Ex2B,Ex1C,Ex2C,ExP,ExS,ExA,Ex1,Ex3B 励起光
Ex3A 光
Em1A,Em2A,Em2B,Em1C,Em2C,EmPS,EmB,Em3,Em1,Em2 蛍光
L1,L2 レーザビーム

Claims (11)

  1. 蛍光試薬を励起させる1以上の励起光を試料に照射し、該蛍光試薬から発光する蛍光を電気信号に変換して画像表示する走査型共焦点顕微鏡装置において、
    1または複数の異なる周波数信号を変調信号として出力する周波数発生手段と、
    前記変調信号によって前記1以上の励起光を変調する変調手段と、
    前記変調手段によって変調された1以上の変調励起光に応じて発光した蛍光を電気信号に変換する光電変換手段と、
    前記変調信号を用いて、前記光電変換手段から出力された電気信号を前記1以上の異なる周波数毎に周波数分離して出力する周波数分離手段と、
    を備えたことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡装置。
  2. 蛍光試薬を励起させる複数の励起光を試料に照射し、該蛍光試薬から発光する蛍光を電気信号に変換して画像表示する走査型共焦点顕微鏡装置において、
    複数の異なる位相をもった周波数信号を変調信号として出力する移相発生手段と、
    前記変調信号によって前記複数の励起光を変調する変調手段と、
    前記変調手段によって変調された複数の変調励起光に応じて発光した蛍光を電気信号に変換する光電変換手段と、
    前記変調信号を用いて、前記光電変換手段から出力された電気信号を前記複数の異なる位相毎に位相分離して出力する位相分離手段と、
    を備えたことを特徴とする走査型共焦点顕微鏡装置。
  3. 前記周波数分離手段は、前記変調信号の周波数に対応した1以上の可変周波数フィルタを用いて周波数分離することを特徴とする請求項1に記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  4. 前記周波数分離手段は、前記電気信号に対して高速フーリエ変換を施し、前記変調信号の周波数に対応した信号を抽出することによって周波数分離することを特徴とする請求項1に記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  5. 前記1以上の励起光または前記1以上の変調励起光を偏光光に変換する偏光手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  6. 前記偏光手段は、一つの励起光に対して互いに直交する偏光光に変換する2つの偏光手段であることを特徴とする請求項5に記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  7. 前記変調手段は、各変調信号によって各1以上の励起光を出力する励起光源の駆動要素に変調をかけることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  8. 前記変調手段は、前記1以上の励起光を出力する各励起光源から出力された各励起光に対して変調をかけることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  9. 前記1以上の励起光は、2光子励起法に対応した励起光であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  10. 前記1以上の励起光は、レーザ光であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
  11. 前記1以上の励起光は、チタンサファイヤレーザから出力されたレーザ光であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の走査型共焦点顕微鏡装置。
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