JP2005091599A - 組成物、化合物、これを用いた光学補償シート及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光学異方性層の形成に有用な組成物及び化合物、並びにそれを用いて作製された光学補償シートに関し、偏光板及び液晶表示装置に利用され得る光学補償シートに関する。
透明支持体との距離に伴って傾斜角が変化するように液晶性分子を配向(ハイブリッド配向)させた光学異方性層を有する光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)モードやOCB(Optically Compensatory Bend)モードの液晶表示装置の視野角拡大に有用である。例えば、5〜50度の傾斜角で配向させたトリフェニレン液晶からなる光学異方性層を有する光学補償シートが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、トリフェニレン液晶の傾斜角を大きくする方法として、フッ素置換アルキル基と親水基(スルホン酸基が連結基を介してベンゼン環に結合した)を有する化合物を光学異方性層に添加する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、本発明者がこれらの光学補償シートを実際に使用してみたところ、偏光板の斜め方向からの光漏れが認められ、視野角が充分に拡大しないものもあることが判明した。光学補償機能が不十分になる理由の一つとしてトリフェニレン液晶の傾斜角が充分に確保できないことがある。
米国特許第5,583,679号明細書
米国特許第5,646,703号明細書
特開2001−330725号公報
本発明は、上下界面における液晶性分子の傾斜角の差を増大させ、安定的に液晶性分子をハイブリッド配向させることにより、所望の光学特性を有する光学異方性層を安定的に作製可能な組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、光学補償機能に優れた、ハイブリッド配向した液晶性分子からなる光学異方性層を有する光学補償シートを提供することを課題とする。また、本発明は、TNモード又はOCBモード等の液晶表示装置の視野角改善に寄与する、ハイブリッド配向した液晶性分子からなる光学異方性層を有する光学補償シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 液晶性化合物と、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを含有する組成物。
[1] 液晶性化合物と、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを含有する組成物。
[2] 透明支持体上に配向膜と光学異方性層とを有する光学補償シートであり、該光学異方性層が、液晶性化合物と、前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを含有する光学補償シート。
[3] 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である[2]に記載の光学補償シート。
[4] 前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶である[3]に記載の光学補償シート。
[5] 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(Ia)で表される[2]〜[4]のいずれかに記載の光学補償シート。
[6] 前記一般式(I)で表される化合物が、前記一般式(Ia)で表される[1]に記載の組成物。
[7] 下記一般式(Ib)で表される化合物。
[8] [2]〜[5]のいずれかに記載の光学補償シートを有する液晶表示装置。
[9] 前記一般式(I)で表される化合物の存在下で液晶性化合物の分子をハイブリッド配向させて光学異方性層を形成する方法。
[10] 前記一般式(I)で表される化合物の存在下で前記液晶性化合物の分子をT1℃で水平配向させた後、T2(T2>T1)℃でハイブリッド配向状態にする[9]に記載の方法。
[11] さらに、液晶性化合物の分子をハイブリッド配向状態に固定する工程を含む[9]または[10]に記載の方法。
[12] 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である[9]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 前記ディスコティック液晶性化合物がトリフェニレン液晶である[12]に記載の方法。
[14] 前記一般式(I)で表される化合物が、前記一般式(Ia)で表される[9]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(Ib)で表される[9]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[9] 前記一般式(I)で表される化合物の存在下で液晶性化合物の分子をハイブリッド配向させて光学異方性層を形成する方法。
[10] 前記一般式(I)で表される化合物の存在下で前記液晶性化合物の分子をT1℃で水平配向させた後、T2(T2>T1)℃でハイブリッド配向状態にする[9]に記載の方法。
[11] さらに、液晶性化合物の分子をハイブリッド配向状態に固定する工程を含む[9]または[10]に記載の方法。
[12] 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である[9]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 前記ディスコティック液晶性化合物がトリフェニレン液晶である[12]に記載の方法。
[14] 前記一般式(I)で表される化合物が、前記一般式(Ia)で表される[9]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(Ib)で表される[9]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16] 偏光子と、[2]〜[5]のいずれかに記載の光学補償シートを有する楕円偏光板。
[17] 一対の偏光子と、該一対の偏光子に挟持される液晶セルと、前記偏光子と前記液晶セルとの間に、少なくとも一つの[2]〜[5]のいずれかに記載の光学補償シートを有する液晶表示装置。
[18] [16]に記載の楕円偏光板と、液晶セルとを有する液晶表示装置。
[17] 一対の偏光子と、該一対の偏光子に挟持される液晶セルと、前記偏光子と前記液晶セルとの間に、少なくとも一つの[2]〜[5]のいずれかに記載の光学補償シートを有する液晶表示装置。
[18] [16]に記載の楕円偏光板と、液晶セルとを有する液晶表示装置。
なお、本発明において、「ハイブリッド配向」とは、液晶分子の長軸方向(例えば、ディスコティック液晶分子の場合はコアの円盤面)と光学異方性層の水平面(本発明では、光学異方性層が配向膜を介して支持体上に形成されているので、支持体の表面)とのなす角度(以下、「傾斜角」という)が、支持体からの距離にともない、すなわち光学異方性層の厚さ方向に変化する配向をいい、光学異方性層/配向膜界面と、光学補償シートの最外面でもある光学異方性層/空気界面とで、傾斜角が異なる液晶性分子によって実現される。本明細書では、傾斜角の変化の態様には、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠的変化などいずれも含まれるものとする。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。本発明における「ハイブリッド配向」は、傾斜角が変化しない領域を含んでいても、全体として増加又は減少していることが好ましい。さらに、傾斜角は全体として増加していることが好ましく、特に連続的に変化することが好ましい。
本発明によれば、液晶性化合物と前記一般式(I)で表される化合物とを併用することによって、液晶性化合物の傾斜角を増加させることができるとともに、配向膜との組み合わせや、他の配向制御剤との組み合わせによって、液晶性化合物の傾斜角を任意に調整することが可能になる。TNモードの液晶セルを正確に光学的に補償するためには、従来の光学補償シートよりも、液晶、特にディスコティック液晶の傾斜角を増加させることが好ましいが、本発明では、ディスコティック液晶の傾斜角を増加させることができるため、TNモードの液晶セルに正確に対応した光学補償シートが得られる。このような光学補償シートを用いることで、偏光板の斜め方向からの光漏れが防止され、液晶表示装置の視野角を十分に(従来以上に)拡大することができる。さらに、本発明によれば、液晶表示装置の視野角拡大に寄与しうる楕円偏光板、及び視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、液晶性化合物と下記一般式(I)で表される化合物を含有する。本発明の組成物は、光学異方性層を作製するのに有用である。下記一般式(I)で表される化合物は、液晶性分子の配向の傾斜角を増大させるのに寄与する。例えば、本発明の組成物を配向膜の表面に塗布すると、液晶性分子は配向膜界面では配向膜の規制力によって、長軸(例えば、ディスコティック液晶性化合物の場合、コアの円盤面)を層平面に対して略平行にして配向する。一方、配向膜界面から離れ空気界面に近づくに従って、配向膜の規制力は弱くなり、液晶性分子は長軸を層平面に対して傾斜させて配向するようになる。本発明の組成物では、液晶性分子を下記一般式(I)で表される化合物の存在下で配向させることにより、液晶性分子の傾斜角、特に空気界面における傾斜角を増大させて、上下界面における傾斜角の差が大きいハイブリッド配向を達成している。その結果、本発明の組成物から形成された光学異方性層を有する光学補償シートは、優れた光学補償能を有し、特に、偏光板の斜め方向からの光漏れが防止され、液晶表示装置の視野角を十分に(従来以上に)拡大することができる。また、下記一般式(I)で表される化合物は、組成物(特に塗布液の態様)の濡れ性を向上させるので、塗布時にハジキが発生するのを軽減することができ、安定的に光学異方性層を作製することができる。
本発明の組成物は、液晶性化合物と下記一般式(I)で表される化合物を含有する。本発明の組成物は、光学異方性層を作製するのに有用である。下記一般式(I)で表される化合物は、液晶性分子の配向の傾斜角を増大させるのに寄与する。例えば、本発明の組成物を配向膜の表面に塗布すると、液晶性分子は配向膜界面では配向膜の規制力によって、長軸(例えば、ディスコティック液晶性化合物の場合、コアの円盤面)を層平面に対して略平行にして配向する。一方、配向膜界面から離れ空気界面に近づくに従って、配向膜の規制力は弱くなり、液晶性分子は長軸を層平面に対して傾斜させて配向するようになる。本発明の組成物では、液晶性分子を下記一般式(I)で表される化合物の存在下で配向させることにより、液晶性分子の傾斜角、特に空気界面における傾斜角を増大させて、上下界面における傾斜角の差が大きいハイブリッド配向を達成している。その結果、本発明の組成物から形成された光学異方性層を有する光学補償シートは、優れた光学補償能を有し、特に、偏光板の斜め方向からの光漏れが防止され、液晶表示装置の視野角を十分に(従来以上に)拡大することができる。また、下記一般式(I)で表される化合物は、組成物(特に塗布液の態様)の濡れ性を向上させるので、塗布時にハジキが発生するのを軽減することができ、安定的に光学異方性層を作製することができる。
式(I)中、R1、R2及びR3は各々、水素原子、置換基又は(−L−W)基を表すが、少なくとも一つは(−L−W)基を表す。Lは単結合又は二価の連結基を表し、Wは親水性基を表す。
一般式(I)の化合物について詳細に説明する。
R1、R2、及びR3で表される置換基としては以下の基を挙げることができる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
R1、R2、及びR3で表される置換基としては以下の基を挙げることができる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
R1、R2及びR3で表される置換基としては、好ましくは末端がCF3基又はCF2H基であるアルキルを少なくとも一つ有する置換基である。
Lで表される二価の連結基はアルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環基、−CO−、−NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、二価の芳香族基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの群より選ばれる二価の連結基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、可能であれば前述のR1、R2及びR3で表される置換基として例示された基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)によって置換されていてもよい。
Wは、アニオン性、カチオン性又はノニオン性の親水性基を表す。Wで表されるアニオン性基としては、マイナスの電荷をとり得るものであればいずれでもよいが、好ましくはリン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であり、より好ましくはリン酸基、ホスホン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基であり、さらに好ましくは硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基である。これらのアニオン性基は解離体、非解離体のいずれであってもよい。Wで表されるカチオン性基としてはプラスの電荷をとりうるものであればいずれでもよいが、好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素又はリンのカチオン性基である。さらに好ましくは、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであり、より好ましくはトリアルキルアンモニウムカチオンである。Wで表されるノニオン性基としては、メルカプト基、ヒドロキシル基、置換又は無置換のアミノ基、多価アルコール(例えば、グリセリン、グルコース、ソルビトール、ショ糖など)、アミノアルコール(例えば、−N(C2H4OH)2など)、ポリエチレングリコール(例えば、−(C2H4O)nHなど)などをあげることができる。
Wとして好ましくはアニオン性親水性基である。
前記一般式(I)で表される化合物の中でも、下記一般式(Ia)で表される化合物が好ましいい。
式(Ia)中、Rf1及びRf2は、炭素数1〜20のアルキル基、末端にCF3基を有する炭素数1〜20のアルキル基、又は末端にCF2H基を有する炭素数1〜20のアルキル基を表し、複数のRf1及びRf2は同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表し、X1は、(m+1)価の連結基を表し、X2は、(n+1)価の連結基を表し、L1は単結合又は二価の連結基を表し、W1はスルホン酸基又はカルボン酸基を表し、m及びnは各々独立に1〜5の整数を表す。
式(Ia)中、Rf1及びRf2で表される炭素数1〜20のアルキル基は置換もしくは無置換のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは4〜16のアルキル基であり、特に好ましくは6〜16のアルキル基である。Rf1及びRf2で表される末端にCF3基を有する炭素数1〜20のアルキル基は、好ましくは炭素数4〜16であり、特に好ましくは6〜16である。前記末端にCF3基を有するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上が置換されているのが特に好ましい。残りの水素原子は、さらに前述のR1、R2及びR3として例示された置換基によって置換されていてもよい。Rf1及びRf2で表される末端にCF2H基を有する炭素数1〜20のアルキル基は、好ましくは炭素数4〜16であり、特に好ましくは6〜16である。前記末端にCF2H基を有するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上が置換されているのが特に好ましい。残りの水素原子は、さらに前述のR1、R2及びR3として例示された置換基によって置換されていてもよい。Rf1及びRf2で表される末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基の例を以下に示す。
Rf1:n−C8F17−
Rf2:n−C6F13−
Rf3:n−C4F9−
Rf4:n−C8F17−(CH2)2−
Rf5:n−C6F13−(CH2)2−
Rf6:n−C4F9−(CH2)2−
Rf7:H−(CF2)8−
Rf8:H−(CF2)6−
Rf9:H−(CF2)4−
Rf10:H−(CF2)8−(CH2)−
Rf11:H−(CF2)6−(CH2)−
Rf12:H−(CF2)4−(CH2)−
Rf2:n−C6F13−
Rf3:n−C4F9−
Rf4:n−C8F17−(CH2)2−
Rf5:n−C6F13−(CH2)2−
Rf6:n−C4F9−(CH2)2−
Rf7:H−(CF2)8−
Rf8:H−(CF2)6−
Rf9:H−(CF2)4−
Rf10:H−(CF2)8−(CH2)−
Rf11:H−(CF2)6−(CH2)−
Rf12:H−(CF2)4−(CH2)−
X1で表される(m+1)価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、芳香族基、ヘテロ環残基、−CO−、−NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる(m+1)価の連結基であることが好ましい。(m+1)価の連結基は、アルキレン基、芳香族基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの群より選ばれる連結基を少なくとも二つ組み合わせた(m+1)価の連結基であることが特に好ましく、アルキレン基、フェニル基、−NH−、−O−、−S−及びそれらの群より選ばれる連結基を少なくとも二つ組み合わせた(m+1)価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、可能であれば前述のR1、R2及びR3で表される置換基として例示された基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)によって置換されていてもよい。
X2で表される(n+1)価の連結基は、X1で表される(m+1)価の連結基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。
L1で表される二価の連結基は、前記一般式(I)におけるLと同義であり、その好ましい範囲も同一である。L1は、アルキレン基、フェニル基、−NH−、−O−、−S−を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが特に好ましい。
前記一般式(Ia)で表される化合物の中でも、下記一般式(Ib)で表される化合物が特に好ましい。
式(Ib)中、Rf11及びRf22は、炭素数1〜20のアルキル基、末端にCF3基を有する炭素数1〜20のアルキル基、又は末端にCF2H基を有する炭素数1〜20のアルキル基を表し、複数のRf11及びRf22は同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表し、X11及びX22は、アルキレン基、−O−、−S−及びそれらの群より選ばれる連結基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基を表し、Mはプロトン、金属カチオン又は有機カチオンを表し、p1及びp2は各々独立に1〜5の整数を表し、xは1〜8の整数を表す。
Rf11及びRf22は、前記一般式(Ia)におけるRf1及びRf2と同義であり、その好ましい範囲も同一である。X11及びX22は、好ましくはエチレン基、プロピレン基、−O−、−S−を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であり、特に好ましくはエチレン基と−O−を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基である。Mは、好ましくはプロトン(H+)、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニムイオン、ピリジニウムイオン)であり、プロトンおよびアンモニウムイオンがさらに好ましい。p1及びp2は、好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1又は2である。xは、好ましくは1〜4の整数であり、特に好ましくは2である。
なお、式(Ib)中、置換基Rf11−X11−及びRf22−X22−のベンゼン環上の結合位置については特に限定されないが、−NH−に対してp位にそれぞれ結合しているのが好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
前記一般式(I)で表される化合物は、塩化シアヌルの求核置換反応に、公知の種々の反応を組み合わせて容易に合成することができる。
本発明の光学補償シートは、液晶性化合物、前記一般式(I)で表される化合物、及びその他必要に応じて添加する各種化合物を含有する本発明の組成物を、配向膜上に塗布し、液晶性分子を配向させることにより光学異方性層を形成して作製することができる。透明支持体上に形成された配向膜表面に前記光学異方性層を形成すれば、そのまま光学補償シートとして用いることができるし、仮支持体上に形成された配向膜表面に前記光学異方性層を形成した場合は、前記光学異方性層のみを透明支持体上に転写して、光学補償シートとしてもよい。
本発明の組成物を光学異方性層の作製に用いる場合、組成物中の前記一般式(I)で表される化合物の添加量は、液晶性化合物の質量に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのが最も好ましい。なお、前記一般式(I)で表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
以下に、本発明の組成物を光学補償シートの作製に用いる場合に、組成物中に添加される一般式(I)で表される化合物以外の材料、及び光学補償シートの作製方法について詳細に説明する。
[液晶性化合物]
本発明において、光学異方性層に用いる液晶性化合物は、棒状液晶性化合物及びディスコティック液晶性化合物のいずれでもよく、また、高分子液晶及び低分子液晶のいずれでもよい。好ましくはディスコティック液晶であり、より好ましくはトリフェニレン液晶である。また、光学異方性層が最終的に形成された際に、液晶性化合物はもはや液晶性化合物である必要はない。なお、本発明で用いられる液晶性化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
[液晶性化合物]
本発明において、光学異方性層に用いる液晶性化合物は、棒状液晶性化合物及びディスコティック液晶性化合物のいずれでもよく、また、高分子液晶及び低分子液晶のいずれでもよい。好ましくはディスコティック液晶であり、より好ましくはトリフェニレン液晶である。また、光学異方性層が最終的に形成された際に、液晶性化合物はもはや液晶性化合物である必要はない。なお、本発明で用いられる液晶性化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
[棒状液晶化合物]
好ましい棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体の液晶性化合物も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。棒状液晶性化合物についてはWO01/88574A1号50頁7行〜57頁末行に記載されている。
好ましい棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体の液晶性化合物も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。棒状液晶性化合物についてはWO01/88574A1号50頁7行〜57頁末行に記載されている。
[ディスコティック液晶性化合物]
本発明に好ましく用いられるディスコティック液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。さらに、ディスコティック液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、これらもすべて液晶性を示す。
本発明に好ましく用いられるディスコティック液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。さらに、ディスコティック液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、これらもすべて液晶性を示す。
上記した様に、ディスコティック液晶性化合物は、光学異方性層を形成した後は、もはや液晶性を示す必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶性化合物が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載があり、本発明にも適用することができる。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定する方法の一例として、ディスコティック液晶性化合物として、ディスコティックコアに置換基として重合性基を有する液晶性化合物を用い、ハイブリッド配向させた後、前記液晶性化合物を重合させて固定する方法がある。但し、ディスコティックコアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる傾向にある。そこで、ディスコティックコアと重合性基との間に、連結基を導入することが好ましい。重合性基を有する好ましいディスコティック液晶性化合物としては、下記式(II)で表わされる化合物が挙げられる。
一般式(II)
D(−L−P)n
式中、Dはディスコティックコアを表し、Lは二価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは2〜12のいずれかの整数を表す。前記ディスコティック液晶性化合物の具体例としては、WO01/88574A1号公報の58頁6行〜65頁8行に記載されている。
D(−L−P)n
式中、Dはディスコティックコアを表し、Lは二価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは2〜12のいずれかの整数を表す。前記ディスコティック液晶性化合物の具体例としては、WO01/88574A1号公報の58頁6行〜65頁8行に記載されている。
本発明では、二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。また、例えば、上記の重合性ディスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック液晶性分子とを併用することも可能である。非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基(P)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(III)
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアを、Lは二価の連結基を、Rは水素原子またはアルキル基を表し、nは2〜12の整数である。
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアを、Lは二価の連結基を、Rは水素原子またはアルキル基を表し、nは2〜12の整数である。
[光学異方性層の添加剤]
本発明の組成物には、前記ディスコティック液晶性化合物や前記一般式(I)で表される化合物の他に、任意の添加剤を添加してもよい。添加剤の例としては、水平配向剤、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光学異方性層/配向膜界面での液晶性分子の傾斜角)を制御するための添加剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、重合性モノマー等である。
本発明の組成物には、前記ディスコティック液晶性化合物や前記一般式(I)で表される化合物の他に、任意の添加剤を添加してもよい。添加剤の例としては、水平配向剤、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光学異方性層/配向膜界面での液晶性分子の傾斜角)を制御するための添加剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、重合性モノマー等である。
[水平配向剤]
本発明の組成物には、液晶性分子の水平配向を誘起する化合物(以下、「水平配向剤」と略記する)を含有することも好ましい。水平配向剤としては液晶性分子の水平配向を誘起する化合物であれば特に制限はないが、前記一般式(I)と併用することにより液晶性分子の水平配向を誘起する化合物が好ましい。特に好ましくは、温度T1℃で液晶性分子を水平配向させた後、温度T2℃(但し、T1<T2)でハイブリッド配向へ転移させ得る水平配向剤である。液晶性分子を一旦水平配向させた後、ハイブリッド配向へ転移させることによって、シュリーレン欠陥などの欠陥の少ないハイブリッド配向の光学異方性層を迅速に製造することができ生産性を向上できる。前記水平配向剤は、液晶性化合物の量に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのが更に好ましい。
本発明の組成物には、液晶性分子の水平配向を誘起する化合物(以下、「水平配向剤」と略記する)を含有することも好ましい。水平配向剤としては液晶性分子の水平配向を誘起する化合物であれば特に制限はないが、前記一般式(I)と併用することにより液晶性分子の水平配向を誘起する化合物が好ましい。特に好ましくは、温度T1℃で液晶性分子を水平配向させた後、温度T2℃(但し、T1<T2)でハイブリッド配向へ転移させ得る水平配向剤である。液晶性分子を一旦水平配向させた後、ハイブリッド配向へ転移させることによって、シュリーレン欠陥などの欠陥の少ないハイブリッド配向の光学異方性層を迅速に製造することができ生産性を向上できる。前記水平配向剤は、液晶性化合物の量に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのが更に好ましい。
本発明における水平配向剤としては、下記一般式(IV)で表される含トリアジン環化合物が好適に用いられる。
式中、R7、R8及びR9は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、置換基としては前記一般式(I)におけるR1、R2、及びR3として例示した置換基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。R7、R8及びR9は、特に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基であり、最も好ましくは炭素数6〜20の無置換のアルキル基、炭素数1〜20の無置換のアルコキシ基又は炭素数1〜20の無置換又はフッ素原子が置換したアルコキシ基によって置換されたフェニル基である。また、R7、R8及びR9は可能な場合には連結して二量体又は三量体を形成していてもよい。L2、L3及びL4は、アルキレン基、芳香族基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、好ましくは、アルキレン基、芳香族基、−CO−、−NR−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。L2、L3及びL4は、特に好ましくはアルキレン基、フェニル基、−NH−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり、最も好ましくはエチレン基、プロピレン基、−NH−、−O−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。
なお、前記水平配向剤は液晶性分子の配向状態を固定化するために置換基として重合性基を有していてもよい。
本発明に使用可能な水平配向剤の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる水平配向剤はこれらに限定されるものではない。
[ハジキ防止剤]
ハジキ防止剤とは、塗布時のハジキを防止するための材料であり、一般的には、高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルノ例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶性分子の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%であり、0.1〜8質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのがさらに好ましい。
ハジキ防止剤とは、塗布時のハジキを防止するための材料であり、一般的には、高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルノ例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶性分子の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%であり、0.1〜8質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのがさらに好ましい。
[配向膜チルト角制御剤]
本発明の組成物中には、配向膜のチルト角を制御する添加剤として、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物を添加してもよい。極性基としては、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−NH−R、R−SH、R−S−R、R−CO−R、R−COO−R、R−CONH−R、R−CONHCO−R、R−SO3H、R−SO3−R、R−SO2NH−R、R−SO2NHSO2−R、R−C=N−R、HO−P(−OR)2、(HO−)2P−OR、P(−OR)3、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3、R−NO2、R−CN、等が例として挙げられる。また、有機塩(例えば、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩)でもかまわない。中でも、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−SO3H、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3または有機塩が好ましい。ここで、上記各Rとしては下記の非極性基が挙げられる。
本発明の組成物中には、配向膜のチルト角を制御する添加剤として、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物を添加してもよい。極性基としては、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−NH−R、R−SH、R−S−R、R−CO−R、R−COO−R、R−CONH−R、R−CONHCO−R、R−SO3H、R−SO3−R、R−SO2NH−R、R−SO2NHSO2−R、R−C=N−R、HO−P(−OR)2、(HO−)2P−OR、P(−OR)3、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3、R−NO2、R−CN、等が例として挙げられる。また、有機塩(例えば、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩)でもかまわない。中でも、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−SO3H、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3または有機塩が好ましい。ここで、上記各Rとしては下記の非極性基が挙げられる。
非極性基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1から30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数1から30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数1から30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基)が例として挙げられる。この非極性基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が例として挙げられる。
配向膜チルト角制御剤を加えると、配向膜のチルト角は変えることができるが、その時の変化量はラビング密度に関係がある。ラビング密度が高い配向膜とラビング密度の低い配向膜を比較すれば、ラビング密度の低い配向膜の方が、同じ添加量であっても、チルト角は変わりやすい。従って、配向膜チルト制御剤の添加量は、配向膜のラビング密度及び所望のチルト角の大きさ等によって変わるが、液晶性分子に対して、0.0001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜20質量%が好ましく、更に0.005質量%〜10質量%が最も好ましい。配向膜チルト角制御剤の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
[重合開始剤]
本発明の組成物から光学異方性層を形成する場合、光学異方性層中において、液晶性分子はハイブリッド配向の状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのがより好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ〜50J/cm2であることが好ましく、100mJ〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
本発明の組成物から光学異方性層を形成する場合、光学異方性層中において、液晶性分子はハイブリッド配向の状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのがより好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ〜50J/cm2であることが好ましく、100mJ〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
[重合性モノマー]
本発明の組成物中には、液晶性化合物とともに重合性モノマーを用いてもよい。前記重合性モノマーは、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
本発明の組成物中には、液晶性化合物とともに重合性モノマーを用いてもよい。前記重合性モノマーは、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
[塗布溶剤]
本発明の組成物を塗布液として調製する場合、調製のために用いる溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
本発明の組成物を塗布液として調製する場合、調製のために用いる溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[塗布方式]
上記溶媒を用いて調製した本発明の組成物からなる塗布液を、配向膜上に塗布し、液晶性分子を配向処理することで光学異方性層を形成することができる。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、塗布液における液晶性化合物の含有量は1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
上記溶媒を用いて調製した本発明の組成物からなる塗布液を、配向膜上に塗布し、液晶性分子を配向処理することで光学異方性層を形成することができる。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、塗布液における液晶性化合物の含有量は1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
[光学異方性層の特性]
光学的異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
光学的異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
本発明の組成物を配向膜上に塗布すると、液晶性分子は配向膜との界面では配向膜のチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のチルト角で配向することとなる。したがって、塗布後、液晶性分子の均一配向(モノドメイン配向)させることで、空気界面から配向膜界面に向けて、つまり光学異方性層の深さ方向に液晶性分子の長軸の傾斜角(ディスコティック液晶性分子では、円盤面の法線と透明支持体の配向膜を設ける面の法線とがなす角)が連続的に変化するハイブリッド配向を実現することができる。液晶性分子をハイブリッド配向させてなる光学異方性層を有する光学補償シートは、表示装置の視野角を拡大させ、並びに視角変化に対するコントラスト低下、階調または黒白反転、及び色相変化等を防止するのに寄与する。
光学補償シートとして好ましい性能を発揮できる状態のハイブリッド配向を実現するためには、ディスコティック液晶性分子の場合、光学異方性層の空気界面のチルト角は50°以上であるのが好ましく、配向膜のチルト角は3°〜30°とするのが好ましい。配向膜のチルト角は前記した方法(配向膜のラビング密度、配向膜チルト制御剤等)により制御することができ、本発明の光学補償シートを適用する液晶表示装置の表示モードに応じて、好ましいハイブリッド配向状態を実現することができる。
[チルト角]
チルト角とは、液晶性分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)の法線がなす角度を指し、本発明では、配向膜のチルト角は3°〜30°であるのが好ましく、空気界面側のチルト角は20〜80°であるのが好ましい。チルト角が小さ過ぎると、液晶性分子のモノドメイン配向に要する時間が長くなるため大きい方が好ましいが、チルト角が大きくなり過ぎると、光学補償シートとして好ましい光学性能が得られなくなるため逆に好ましくない。従って、モノドメイン化時間の短縮と光学補償シートとしての好ましい光学性能の両立の観点から、配向膜のチルト角は5°〜30°であるのがより好ましく、更に好ましくは7°〜20°、特に好ましくは9°〜20°である。また、空気界面側のチルト角は30〜75°であるのがより好ましく、更に好ましくは35〜70°、特に好ましいのは40〜70°である。配向膜側のチルト角は、後述する配向膜のラビング密度を変える方法、あるいは前述の配向膜チルト角制御剤の添加などにより、数度〜数十度の範囲で制御可能である。
チルト角とは、液晶性分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)の法線がなす角度を指し、本発明では、配向膜のチルト角は3°〜30°であるのが好ましく、空気界面側のチルト角は20〜80°であるのが好ましい。チルト角が小さ過ぎると、液晶性分子のモノドメイン配向に要する時間が長くなるため大きい方が好ましいが、チルト角が大きくなり過ぎると、光学補償シートとして好ましい光学性能が得られなくなるため逆に好ましくない。従って、モノドメイン化時間の短縮と光学補償シートとしての好ましい光学性能の両立の観点から、配向膜のチルト角は5°〜30°であるのがより好ましく、更に好ましくは7°〜20°、特に好ましくは9°〜20°である。また、空気界面側のチルト角は30〜75°であるのがより好ましく、更に好ましくは35〜70°、特に好ましいのは40〜70°である。配向膜側のチルト角は、後述する配向膜のラビング密度を変える方法、あるいは前述の配向膜チルト角制御剤の添加などにより、数度〜数十度の範囲で制御可能である。
[配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクローラーイド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜上に設けられる光学異方性層の液晶性分子に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、配向膜のチルト角の制御し易さの点から、特にポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では上記のとおり液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。
配向膜に用いられるポリマーは、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明の光学補償シートを作製するフィルム用の配向膜ではポリビニルアルコール及びその誘導体が好ましく用いられる。特に好ましくは、疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向膜についてはWO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクローラーイド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜上に設けられる光学異方性層の液晶性分子に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、配向膜のチルト角の制御し易さの点から、特にポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では上記のとおり液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。
配向膜に用いられるポリマーは、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明の光学補償シートを作製するフィルム用の配向膜ではポリビニルアルコール及びその誘導体が好ましく用いられる。特に好ましくは、疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向膜についてはWO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。
[配向膜のラビング密度]
配向膜のラビング密度を変える方法としては、液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl{1+(2πrn/60v)}
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。ラビング密度と配向膜のチルト角との間には、ラビング密度を高くするとチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとチルト角は大きくなる関係がある。
配向膜のラビング密度を変える方法としては、液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl{1+(2πrn/60v)}
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。ラビング密度と配向膜のチルト角との間には、ラビング密度を高くするとチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとチルト角は大きくなる関係がある。
[透明支持体]
本発明の光学補償シートは、透明支持体を有しているのが好ましい。透明支持体として、主に光学的等方性のポリマーフィルムが用いられる。本発明では、支持体の光透過率が80%以上であることが好ましい。材料については特に制限はない。ポリマーの具体例として、セルロースアシレート類(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ノルボルネン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリレートエステル類のフィルムなどを挙げることができ、多くの市販のポリマーを好適に用いることが可能である。このうち、光学性能の観点からセルロースアシレート類が好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。脂肪酸の炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであってもWO00/26705号明細書に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
本発明の光学補償シートは、透明支持体を有しているのが好ましい。透明支持体として、主に光学的等方性のポリマーフィルムが用いられる。本発明では、支持体の光透過率が80%以上であることが好ましい。材料については特に制限はない。ポリマーの具体例として、セルロースアシレート類(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ノルボルネン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリレートエステル類のフィルムなどを挙げることができ、多くの市販のポリマーを好適に用いることが可能である。このうち、光学性能の観点からセルロースアシレート類が好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。脂肪酸の炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであってもWO00/26705号明細書に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
ポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度、及びその範囲、並びにセルロースアセテートの化学構造は、特開2002−196146号公報の段落番号第0021欄の記載を適用できる。
透明支持体として用いるセルロースアシレートフィルムのReレターデーション値、及び複屈折率の範囲は、特開2002−139621号公報の段落番号第0018欄〜第0019欄の記載を適用できる。
透明支持体として用いるポリマーフィルム、特にセルロースアシレートフィルムのレターデーションを調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。芳香族化合物の好ましい範囲、及び使用量は、特開2002−139621号公報の段落番号[0021]〜[0023]の記載を適用できる。このようなレターデーション上昇剤についてはWO01/88574A1、WO00/2619A1、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、特願2002−70009号明細書等に記載されている。
セルロースアシレートフィルムは、調製されたセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ドープには、前記のレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて、ドープの2層以上流延によるフィルム化もできる。フィルムの形成は、特開2002−139621号公報の段落番号第0038欄〜第0040欄の記載が本発明に適用できる。
セルロースアシレートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%の範囲にあることが好ましい。本発明のセルロースアセテートフィルムを延伸する場合には、テンター延伸が好ましく使用され、遅相軸を高精度に制御するために、左右のテンタークリップ速度、離脱タイミング等の差をできる限り小さくすることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、特開2002−139621号公報の段落番号第0043欄の態様、及び好ましい範囲が本発明に適用できる。
セルロースアシレートフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開2002−139621号公報の段落番号[0044]の記載が本発明に適用できる。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
セルロースアシレートフィルムは、表面処理、及び固体の表面エネルギーについては、特開2002−196146号公報の段落番号第0051欄〜第0052欄の記述が本発明に適用できる。
セルロースアシレートフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、さらに20〜250μmの範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最も好ましい。なお、光学用途としては30〜110μmの範囲が特に好ましい。セルロースアシレートフィルムを非塩素系溶媒を用いて製造することについて、発明協会公開技報2001−1745号に詳しく記載されており、そこに記載されたセルロースアシレートフィルムも本発明に好ましく用いることができる。
本発明の光学補償シートは、偏光膜と組合せて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組合せて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。以下に、本発明の光学補償シートを利用した楕円偏光板及び液晶表示装置について説明する。
[楕円偏光板]
本発明の光学補償シートと偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償シートを利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
本発明の光学補償シートと偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償シートを利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜は前記光学補償シートの光学異方性層側に積層する。偏光膜の光学補償シートを積層した側と反対側の面に透明保護膜を形成することが好ましい。透明保護膜は、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明保護膜としては、一般にセルロースアシレートフィルム、好ましくはセルローストリアセテートフィルムが用いられる。セルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償シートを利用することにより、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号明細書及び国際公開WO96/37804号公報に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。
本発明の光学補償シートを利用することにより、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号明細書及び国際公開WO96/37804号公報に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。
本発明において、前記記載の公報を参考にして各種のモードの液晶セル用光学補償シートを作製することができる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードなど、種々のモードで駆動される液晶セルと組合せて液晶表示装置に適用できる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)モード又はOCB(Optically Compensatory Bend)モードの液晶表示装置において特に効果がある。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作などは本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
[化合物No.(I−3)の合成]
以下に記載するスキームで化合物No.(I−3)を合成した。
以下に記載するスキームで化合物No.(I−3)を合成した。
化合物No.(I−3a)の合成 : 3−(パーフルオルヘキシル)プロパノール(11.3g、0.030モル)及びトリエチルアミン(4.6mL、0.033モル)を酢酸エチル(40mL)に懸濁させた後、0℃で塩化メタンスルフォニル(3.78g、0.033モル)を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え飽和食塩水で抽出した後、溶媒留去することによって黄色油状物として目的物13.0gを得た。これは理論収量の95%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ4.3(t,2H),3.1(s,3H),2.0−2.4(m,4H)。
1H−NMR(CDCl3):δ4.3(t,2H),3.1(s,3H),2.0−2.4(m,4H)。
化合物No.(I−3b)の合成 : 化合物No.(I−3a)(5.0g、0.011モル)、p−ニトロフェノール(1.4g、0.010モル)及び炭酸カリウム(1.7g、0.012モル)をジメチルアセトアミド(40mL)に懸濁させた後、110℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え飽和食塩水で抽出した後、溶媒留去することによって黄色粉末として目的物4.7gを得た。これは理論収量の95%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ8.2(d,2H),6.9(d,2H),4.2(t,2H),2.0−2.4(m,4H)。
1H−NMR(CDCl3):δ8.2(d,2H),6.9(d,2H),4.2(t,2H),2.0−2.4(m,4H)。
化合物No.(I−3c)の合成 : 還元鉄(5.6g、0.1モル)及び塩化アンモニウム(0.54g、0.010モル)をイソプロパノール(30mL)と水(6mL)との混合溶媒に懸濁させ30分間加熱還流した後、化合物No.(I−3b)(5.0g、0.010モル)を分割添加し、さらに5時間還流した。反応液をセライトろ過した後、水(50mL)を加えると白色結晶が析出した。得られた結晶を濾取し、ヘキサンで洗浄することによって目的物4.2gを得た。これは理論収量の90%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ6.8(d,2H),6.7(d,2H),3.9(t,2H),2.0−2.4(m,4H)。
1H−NMR(CDCl3):δ6.8(d,2H),6.7(d,2H),3.9(t,2H),2.0−2.4(m,4H)。
化合物No.(I−3d)の合成 : 化合物No.(I−3c)(1.4g、3.0ミリモル)及び塩化シアヌル(0.28g、1.5ミリモル)をメチルエチルケトン(20mL)に懸濁させた後、ジイソプロピルエチルアミン(0.52mL、3.0ミリモル)を滴下し、60℃で2時間攪拌した。反応液にヘキサン(40mL)及び水(40mL)を加えた後、白色沈殿物を濾取し、ヘキサンで洗浄することによって目的物1.3gを得た。これは理論収量の85%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4(d,4H),7.0−7.3(br,2H),6.8−7.0(br,4H),4.1(t,4H),2.3(m,4H),2.1(tt,4H)。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4(d,4H),7.0−7.3(br,2H),6.8−7.0(br,4H),4.1(t,4H),2.3(m,4H),2.1(tt,4H)。
化合物No.(I−3)の合成 : 化合物No.(I−3d)(0.42g、0.40ミリモル)、タウリン(60mg、0.48ミリモル)及び炭酸カリウム(0.28g、2.0ミリモル)をジメチルアセトアミド(20mL)に懸濁させた後、160℃で6時間攪拌した。反応液に1規定塩酸(40mL)を加えた後、白色沈殿物を濾取し、水及びヘキサンで洗浄することによって目的物0.3gを得た。これは理論収量の66%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4−7.6(br,4H),6.7−7.0(br,6H),6.1(br,1H),4.1(t,4H),3.8(m,2H),3.1(t,2H),2.2−2.4(m,4H),2.0−2.2(m,4H)。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4−7.6(br,4H),6.7−7.0(br,6H),6.1(br,1H),4.1(t,4H),3.8(m,2H),3.1(t,2H),2.2−2.4(m,4H),2.0−2.2(m,4H)。
化合物No.(I−9b)の合成 : 化合物No.(I−9a)(5.2g、0.010モル)、p−ニトロフェノール(1.4g、0.010モル)及び炭酸カリウム(2.8g、0.020モル)をジメチルアセトアミド(20mL)に懸濁させた後、110℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え飽和食塩水で抽出した後、溶媒留去することによって黄色液体として目的物5.5gを得た。これは理論収量の98%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ8.2(d,2H),6.9(d,2H),4.2(t,2H),2.7(m,4H),2.3−2.5(m,2H),2.1(m,2H)。
1H−NMR(CDCl3):δ8.2(d,2H),6.9(d,2H),4.2(t,2H),2.7(m,4H),2.3−2.5(m,2H),2.1(m,2H)。
化合物No.(I−9c)の合成 : 還元鉄(5.0g、0.090モル)及び塩化アンモニウム(0.18g、3.3ミリモル)をイソプロパノール(40mL)と水(8mL)の混合溶媒に懸濁させ30分間加熱還流した後、化合物No.(I−9b)(5.6g、0.010モル)を分割添加し、さらに5時間還流した。反応液をセライトろ過した後、溶媒留去することによって黄色液体として目的物4.8gを得た。これは理論収量の90%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ6.8(d,2H),6.7(d,2H),3.9(t,2H),3.2−3.5(br,2H),2.7(m,4H),2.3−2.5(m,2H),2.0(m,2H)。
1H−NMR(CDCl3):δ6.8(d,2H),6.7(d,2H),3.9(t,2H),3.2−3.5(br,2H),2.7(m,4H),2.3−2.5(m,2H),2.0(m,2H)。
化合物No.(I−9d)の合成 : 化合物No.(I−9c)(3.2g、6.0ミリモル)及び塩化シアヌル(0.55g、3.0ミリモル)をメチルエチルケトン(20mL)に懸濁させた後、ジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、6.0ミリモル)を滴下し、60℃で2時間攪拌した。反応液にヘキサン(40mL)及び水(40mL)を加えた後、白色沈殿物を濾取し、ヘキサンで洗浄することによって目的物2.9gを得た。これは理論収量の83%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4(d,4H),7.0−7.3(br,2H),6.8−7.0(br,4H),4.1(t,4H),2.8(t,8H),2.3−2.5(br,4H),2.1(m,4H)。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4(d,4H),7.0−7.3(br,2H),6.8−7.0(br,4H),4.1(t,4H),2.8(t,8H),2.3−2.5(br,4H),2.1(m,4H)。
化合物No.(I−9)の合成 : 化合物No.(I−9d)(1.2g、1.0ミリモル)、タウリン(0.63g、5.0ミリモル)及び炭酸カリウム(1.5g、0.010モル)をジメチルアセトアミド(20mL)に懸濁させた後、160℃で2時間攪拌した。反応液に1規定塩酸(40mL)を加えた後、白色沈殿物を濾取し、水及びヘキサンで洗浄することによって目的物1.2gを得た。これは理論収量の95%に相当する。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4−7.6(br,4H),6.7−7.0(br,6H),6.1(br,1H),4.1(t,4H),3.8(m,2H),3.1(t,2H),2.7(t,8H),2.2−2.4(m,4H),2.0−2.2(m,4H)。
1H−NMR(CDCl3):δ7.4−7.6(br,4H),6.7−7.0(br,6H),6.1(br,1H),4.1(t,4H),3.8(m,2H),3.1(t,2H),2.7(t,8H),2.2−2.4(m,4H),2.0−2.2(m,4H)。
[実施例1]
(光学補償シートの作製)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのセルローストリアセテートフィルム(フジタック、富士写真フィルム(株)製)を透明支持体として用いた。透明支持体上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)4質量%溶液を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の上に以下の組成の塗布液をバーコーターを用いて塗布した。
(光学補償シートの作製)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのセルローストリアセテートフィルム(フジタック、富士写真フィルム(株)製)を透明支持体として用いた。透明支持体上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)4質量%溶液を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の上に以下の組成の塗布液をバーコーターを用いて塗布した。
───────────────────────────────────
光学異方性層塗布液
───────────────────────────────────
一般式(I)例示化合物No.I−4 0.2質量部
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
光重合開始剤
(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3.3質量部
増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
───────────────────────────────────
光学異方性層塗布液
───────────────────────────────────
一般式(I)例示化合物No.I−4 0.2質量部
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
光重合開始剤
(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3.3質量部
増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
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次に、上記塗布層を光学異方性層の膜面温度120℃で約120秒間加熱熟成したのち、約20秒間で80℃まで冷却した。次いで、同温度を保持したまま0.4Jの紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは1.9μmであった。以上の如く光学異方性層を形成し光学補償シートを作製した。
(光学補償シートの評価)
光学補償シートの光学異方性層における配向膜近傍の傾斜角及び空気界面近傍の傾斜角は、エリプソメーター(APE−100、島津製作所(株)製)を用いて観察角度を変えてレターデーションを測定し、屈折率楕円体モデルと仮想し、Designing Concepts of the Discotic Negative Birefringence Compensation Films SID98 DIGEST に記載されている手法で算出した。測定波長は632.8nmであり、結果を第1表に示す。
光学補償シートの光学異方性層における配向膜近傍の傾斜角及び空気界面近傍の傾斜角は、エリプソメーター(APE−100、島津製作所(株)製)を用いて観察角度を変えてレターデーションを測定し、屈折率楕円体モデルと仮想し、Designing Concepts of the Discotic Negative Birefringence Compensation Films SID98 DIGEST に記載されている手法で算出した。測定波長は632.8nmであり、結果を第1表に示す。
[実施例2〜8、比較例1、2]
実施例1で用いた例示化合物(I−4)を第1表の如く変更した以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、同様に傾斜角を算出した。結果を第1表に示す。
実施例1で用いた例示化合物(I−4)を第1表の如く変更した以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、同様に傾斜角を算出した。結果を第1表に示す。
上記第1表における実施例1〜8と比較例1及び2の結果から判るように、前記一般式(I)で表される化合物を含有する光学異方性層は、液晶性化合物の傾斜角、特に空気界面側の傾斜角が大きいハイブリッド配向を実現している。
次に、液晶表示装置としての応用例を示す。
[実施例9]
(透明支持体の作製)
下記の成分をミキシングタンクに投入し、加熱攪拌して、セルロースアセテート溶液(ドープ)を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート 6.5質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 5.2質量部
下記のレターデーション上昇剤(1) 0.1質量部
下記のレターデーション上昇剤(2) 0.2質量部
ジクロロメタン 310.25質量部
メタノール 54.75質量部
1−ブタノール 10.95質量部
────────────────────────────────────
[実施例9]
(透明支持体の作製)
下記の成分をミキシングタンクに投入し、加熱攪拌して、セルロースアセテート溶液(ドープ)を調製した。
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セルロースアセテート溶液組成
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート 6.5質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 5.2質量部
下記のレターデーション上昇剤(1) 0.1質量部
下記のレターデーション上昇剤(2) 0.2質量部
ジクロロメタン 310.25質量部
メタノール 54.75質量部
1−ブタノール 10.95質量部
────────────────────────────────────
得られたドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の領域で、幅方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、120℃を越える領域で機械方向の延伸率が実質0%、(剥ぎ取り時に機械方向に4%延伸することを考慮して)幅方向の延伸率と機械方向の延伸率との比が0.75となるように調整して、厚さ100μmのセルロースアセテートフィルムを作製した。作製したフィルムのレターデーションを波長632.8nmで測定したところ、厚み方向のレターデーションが40nm、面内のレターデーションが4nmであった。作製したセルロースアセテートフィルムを透明支持体として用いた。
(第1下塗り層の形成)
透明支持体の上に、下記の組成の塗布液を28ml/m2塗布し、乾燥して、第1下塗り層を形成した。
────────────────────────────────────
第1下塗り層塗布液組成
────────────────────────────────────
ゼラチン 5.42質量部
ホルムアルデヒド 1.36質量部
サリチル酸 1.60質量部
アセトン 391質量部
メタノール 158質量部
ジクロロメタン 406質量部
水 12質量部
────────────────────────────────────
透明支持体の上に、下記の組成の塗布液を28ml/m2塗布し、乾燥して、第1下塗り層を形成した。
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第1下塗り層塗布液組成
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ゼラチン 5.42質量部
ホルムアルデヒド 1.36質量部
サリチル酸 1.60質量部
アセトン 391質量部
メタノール 158質量部
ジクロロメタン 406質量部
水 12質量部
────────────────────────────────────
(第2下塗り層の形成)
第1下塗り層の上に、下記の組成の塗布液を7ml/m2塗布し、乾燥して、第2下塗り層を形成した。
────────────────────────────────────
第2下塗り層塗布液組成
────────────────────────────────────
下記のアニオン性ポリマー 0.79質量部
クエン酸モノエチルエステル 10.1質量部
アセトン 200質量部
メタノール 877質量部
水 40.5質量部
────────────────────────────────────
第1下塗り層の上に、下記の組成の塗布液を7ml/m2塗布し、乾燥して、第2下塗り層を形成した。
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第2下塗り層塗布液組成
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下記のアニオン性ポリマー 0.79質量部
クエン酸モノエチルエステル 10.1質量部
アセトン 200質量部
メタノール 877質量部
水 40.5質量部
────────────────────────────────────
(バック層の形成)
透明支持体の反対側の面に、下記の組成の塗布液を25ml/m2塗布し、乾燥して、バック層を形成した。
────────────────────────────────────
バック層塗布液組成
────────────────────────────────────
酢化度55%のセルロースジアセテート 6.56質量部
シリカ系マット剤(平均粒径:1μm) 0.65質量部
アセトン 679質量部
メタノール 104質量部
────────────────────────────────────
透明支持体の反対側の面に、下記の組成の塗布液を25ml/m2塗布し、乾燥して、バック層を形成した。
────────────────────────────────────
バック層塗布液組成
────────────────────────────────────
酢化度55%のセルロースジアセテート 6.56質量部
シリカ系マット剤(平均粒径:1μm) 0.65質量部
アセトン 679質量部
メタノール 104質量部
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(配向膜の形成)
第2下塗り層の上に、長鎖アルキル変性ポリビニルアルコールの水溶液を塗布し、60℃の温風で90秒間乾燥した後、ラビング処理を行い配向膜を形成した。得られた配向膜層の膜厚は0.5μmであった。配向膜のラビング方向は、透明支持体の流延方向と平行であった。
第2下塗り層の上に、長鎖アルキル変性ポリビニルアルコールの水溶液を塗布し、60℃の温風で90秒間乾燥した後、ラビング処理を行い配向膜を形成した。得られた配向膜層の膜厚は0.5μmであった。配向膜のラビング方向は、透明支持体の流延方向と平行であった。
(光学異方性層の形成)
配向膜の上に、前記実施例1にて示した光学異方性層塗布液を、#4のワイヤーバーを用いて塗布した。形成した光学異方性層の厚さは1.74μmであった。
配向膜の上に、前記実施例1にて示した光学異方性層塗布液を、#4のワイヤーバーを用いて塗布した。形成した光学異方性層の厚さは1.74μmであった。
上記の光学異方性層を塗布したフィルムを、130℃の恒温槽中に入れ、約20秒間かけて膜面温度120℃まで加熱し、そのまま約120秒間保持した後、次いで約20秒間で80℃まで冷却した。同温度を保持したまま0.4Jの紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。室温まで放冷して、光学補償シートを作製した。
(液晶表示装置の作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。二枚の基板は、配向膜のラビング方向が直交するように配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZL4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成した。棒状液晶性分子のΔnは0.0969であった。以上のように作製したTN液晶セルの両側に、作製した光学補償シート二枚を光学異方性層が液晶セルの基板と対面するように貼り付けた。さらにそれらの外側に、偏光板二枚を貼り付けて液晶表示装置を作製した。光学補償シートの配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とが、反平行になるように配置した。また、偏光板の吸収軸と、液晶セルのラビング方向とが平行になるように配置した。液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10、かつ階調反転のない領域を視野角として測定した。結果を第2表に示す。
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。二枚の基板は、配向膜のラビング方向が直交するように配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZL4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成した。棒状液晶性分子のΔnは0.0969であった。以上のように作製したTN液晶セルの両側に、作製した光学補償シート二枚を光学異方性層が液晶セルの基板と対面するように貼り付けた。さらにそれらの外側に、偏光板二枚を貼り付けて液晶表示装置を作製した。光学補償シートの配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とが、反平行になるように配置した。また、偏光板の吸収軸と、液晶セルのラビング方向とが平行になるように配置した。液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10、かつ階調反転のない領域を視野角として測定した。結果を第2表に示す。
[実施例9〜12、比較例3]
実施例9で用いた例示化合物(I−4)を第2表の如く変更した以外は、実施例9と同様にして液晶表示装置を作製した。結果を第2表に示す。
実施例9で用いた例示化合物(I−4)を第2表の如く変更した以外は、実施例9と同様にして液晶表示装置を作製した。結果を第2表に示す。
上記第2表に示した実施例9〜12と比較例3の結果から判るように、本発明に係る前記一般式(I)で表される化合物を含有する光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に大きく寄与する。これは、実施例の光学補償シートでは、光学異方性層において、液晶性化合物の傾斜角が増加しているためと考えられる。
Claims (8)
- 透明支持体上に配向膜と光学異方性層とを有する光学補償シートであり、該光学異方性層が、液晶性化合物と、請求項1中の一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを含有する光学補償シート。
- 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である請求項2に記載の光学補償シート。
- 前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶である請求項3に記載の光学補償シート。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(Ia)で表される請求項2〜4のいずれか1項に記載の光学補償シート。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、請求項5中の一般式(Ia)で表される請求項1に記載の組成物。
- 下記一般式(Ib)で表される化合物。
- 請求項2〜5のいずれか1項に記載の光学補償シートを有する液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003323205A JP2005091599A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 組成物、化合物、これを用いた光学補償シート及び液晶表示装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007125685A1 (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Nitto Denko Corporation | 複屈折フィルム及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-09-16 JP JP2003323205A patent/JP2005091599A/ja active Pending
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WO2007125685A1 (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Nitto Denko Corporation | 複屈折フィルム及びその製造方法 |
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