JP2005090603A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力軸から出力軸への伝達トルクを可変するクラッチと非対称のチャンファ面を有するシンクロ機構とによる変速制御時のスプライン噛合を良好に維持し、変速ショックを防止する。
【解決手段】バイパスクラッチの締結力を制御し(S101)、バイパスクラッチの伝達トルクTaがエンジントルクTeに略等しくなったとき、1速ギヤを開放し(S103)、バイパスクラッチをトルクアップ制御して車速対応の2速ギヤ回転同期を行い(S104)、回転同期した否かを判定する(S105)。その結果、No−α−β≦Ni≦No+α−βの条件を満足したとき、シンクロ機構のシンクロスリーブを2速ドリブンギヤのギヤドッグ側にシフトさせて噛み合わせ、2速ギヤを締結する(S106)。これにより、変速制御時のスプライン噛合を良好に維持し、変速ショックを防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ギヤ式のマニュアル変速機の構成をベースとした自動変速機の変速制御装置に関する。
エンジンに連結する変速機として、既存のギヤ式マニュアル変速機をベースとしてクラッチ操作や各変速ギヤ列の回転同期切換えを行うシンクロ機構のシフト操作をアクチュエータを用いて自動化し、高効率を維持しながら通常の自動変速機同様にマニュアル変速操作が不要な機械式自動変速機(AMT:Automatic Mechanical Transmission )が知られている。この機械式自動変速機には、特開2001−227599号公報に開示されているように、エンジンのクランク軸と変速機の入力軸との間に介装されたメインクラッチの他に、シフトチェンジ時におけるトルク切れを防止するためのサブクラッチを追加した構成がある。
サブクラッチは、変速ギヤ列の一方の変速ギヤが取り付けられた入力軸の軸線上、入力軸および出力軸に対して平行に配置されたカウンタ軸の軸線上、或いは、変速ギヤ列を構成する各変速ギヤが取り付けられた複数の取り付け軸の軸線上以外の位置に配置された中間軸等に設けられ、入力軸から出力軸に伝達される伝達トルクが可変制御される。このサブクラッチの伝達トルク制御は、シンクロ機構のシンクロスリーブに対するシフト制御とのタイミング制御に基づいて実行される。
このサブクラッチの伝達トルク制御及びシンクロ機構のシフト制御について、1速から2速への変速動作を例に取って説明する。尚、1速と2速との回転同期を行うシンクロ機構は、出力軸に回転自在に取り付けられた1速ドリブンギヤと2速ドリブンギヤとの間の出力軸上に設けられ、シンクロスリーブが出力軸と一体回転するシンクロハブにスプライン結合されているものとする。
図5のフローチャートに示すように、先ず、サブクラッチを締結し、入力軸からサブクラッチを経由して出力軸に伝達される伝達トルクがエンジントルク相当のトルクとなるように、サブクラッチの締結力を制御する(ステップS1)。そして、サブクラッチ経由の伝達トルクがエンジントルク相当になり、エンジントルクがすべてサブクラッチを介して伝達されて1速ギヤへのトルクが無くなったとき、シンクロスリーブを1速ギヤのギヤドッグから離間させて1速ギヤを開放する(ステップS2,S3)。
次に、入力軸回転数が2速相当の回転数となるようにサブクラッチをトルクアップ制御して回転同期を行い(ステップS4)、回転が同期したか否かの判定を行う(ステップS5)。この回転同期の判定は、入力軸回転数Niが出力軸回転数に2速のギヤ比を乗算した回転数(同期回転数)Noに対して差回転αによる上下限範囲(No±αの範囲)内に入ったか否かを調べることで判定するようにしており、No−α≦Ni≦No+αになり、回転同期がとれたと判定されたときには、シンクロスリーブを2速ギヤのギヤドッグに噛み合わせて2速ギヤを締結する(ステップS6)。そして、サブクラッチを開放し(ステップS7)、変速動作を終了する。
一方、このような機械式自動変速機では、コスト低減のため、マニュアル変速機との部品の共用化を図り、マニュアル変速機のシンクロ機構におけるシンクロスリーブ、ボークリング(シンクロナイザーリングと称する場合もある)、ギヤドッグ(クラッチギヤと称する場合もある)等を流用することが行われる。マニュアル変速機のシンクロ機構では、シフトフィーリングの向上のため、実開昭50−122732号公報に開示されているように、非対称の接触面を有するチャンファ形状を、スリーブスプライン(シンクロスリーブ)、ギヤスプライン(ギヤドッグ)に設けることがある。
すなわち、図6及び図7に示すように、シンクロ機構において互いにスプライン噛合するシンクロスリーブ51とボークリング52とギヤドッグ53とに対し、シンクロスリーブ51の先端に設けられたチャンファ面51a,51bの稜線をスリーブ軸線上からずらして非対称とし、一方のチャンファ面51aの面積を大きくし、他方のチャンファ面51bの面積を相対的に小さく形成する。また、これに対応して、ギヤドッグ53先端のチャンファ面53a,53bの稜線をギヤドッグ軸線上からずらして非対称とし、一方のチャンファ面53aの面積を大きくし、他方のチャンファ面53bの面積を相対的に小さく形成することにより、シンクロスリーブ51がギヤドッグ53と噛み合う際に、ギヤドッグ53の引きずりトルクに対抗してギヤドッグ53をずらす力を小さくし、シフトフィーリングを向上する。
尚、以下では、面積の小さい方のチャンファ面を形成する際のシンクロスリーブ51及びギヤドッグ53のスプライン側面を基準として、面積の小さい方のチャンファ面を鋭角のチャンファ面、面積の大きい方のチャンファ面を鈍角のチャンファ面と称することにする。
特開2001−227599号公報 実開昭50−122732号公報
上述のシンクロスリーブ及びギヤドッグのチャンファ面を非対称に形成したシンクロ機構を採用し、差回転αによる上下限範囲の回転同期判定を行う場合、図6に示すように、入力側のギヤドッグ53の回転数(1速から2速への変速の場合、2速ギヤの回転数)N2ndが出力側のシンクロスリーブ51の回転数Notより小さい状態で互いのチャンファ面が接触する場合と、図7に示すように、ギヤドッグ53の回転数N2ndがシンクロスリーブ51の回転数Notより大きい状態で互いのチャンファ面が接触する場合とがある。
ギヤドッグ53の回転数がシンクロスリーブ51の回転数より小さい前者の場合、図6(a)に示すように、シンクロスリーブ51の鈍角のチャンファ面51aがギヤドッグ53の鈍角のチャンファ面53aに接触してギヤドッグ53をずらす場合には、ギヤドッグ53がシンクロスリーブ51から相対的に離れる方向となり、接触面におけるシンクロスリーブ51のシフト方向の分力を十分に確保することができ、円滑なスプライン噛合を得ることができる。
また、図6(b)に示すように、シンクロスリーブ51の鋭角のチャンファ面51bがギヤドッグ53の鋭角のチャンファ面53bに接触してギヤドッグ53をずらす場合、シンクロスリーブ51とギヤドッグ53とが押し付け合う向きとなるが、鋭角の接触面であるため、シンクロスリーブ51のシフト方向の分力に与える影響が小さく、同様に、円滑なスプライン噛合を確保することができる。
一方、ギヤドッグ53の回転数がシンクロスリーブ51の回転数より大きい後者の場合、図7(b)に示すように、シンクロスリーブ51の鋭角のチャンファ面51bがギヤドッグ53の鋭角のチャンファ面53bに接触してギヤドッグ53をずらす場合には、図6(a)の場合と同様にギヤドッグ53がシンクロスリーブ51から相対的に離れる方向となって不都合はない。
しかしながら、図7(a)に示すように、シンクロスリーブ51の鈍角のチャンファ面51aがギヤドッグ53の鈍角のチャンファ面53aに接触してギヤドッグ53をずらす場合には、鈍角の接触面でギヤドッグ53とシンクロスリーブ51とが押し付け合うことになり、入力軸及び出力軸から掛かるトルクによって接触面におけるシンクロスリーブ51のシフト方向の分力が小さくなってしまい、シンクロスリーブ51の移動が阻害される。このため、シフトスピードが低下し、シフト開始時には取れていた回転同期がシフトストローク中に崩れ、変速ショックが発生する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、入力軸から出力軸への伝達トルクを可変するクラッチと非対称のチャンファ面を有するシンクロ機構とによる変速制御時のスプライン噛合を良好に維持し、変速ショックを防止することのできる自動変速機の変速制御装置を提供することを目的としている。
本発明による自動変速機の変速制御装置は、非対称のチャンファ面を有するシンクロ機構と、入力軸から出力軸への伝達トルクを可変するクラッチとを制御し、ギヤ式変速機の変速動作を自動的に制御する自動変速機の変速制御装置であって、上記シンクロ機構のシフト動作の回転同期を判定するための同期判定回転数範囲を、出力軸回転数にギヤ比を乗算した同期回転数を上回らないよう設定する手段と、上記ギヤ式変速機を変速動作させるとき、上記クラッチのトルク制御により上記シンクロ機構の回転同期を行い、入力軸回転数が上記同期判定回転数範囲内となったとき、上記シンクロ機構をシフト動作させて変速段を変更する手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、入力軸から出力軸への伝達トルクを可変するクラッチと非対称のチャンファ面を有するシンクロ機構とによる変速制御時のスプライン噛合を良好に維持することができ、変速ショックを防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の実施の一形態に係わり、図1は変速系の構成図、図2は1速から2速への変速制御を示すフローチャート、図3はバイパスクラッチのトルクアップ制御を示すフローチャート、図4は入力軸回転数と同期回転数とギヤ締結タイミングとの関係を示す説明図である。
図1において、符号1はエンジンであり、このエンジン1の出力軸に入力クラッチ2を介して変速機3が連設されている。図1は、前進5段の自動変速機を車両上縦置きにレイアウトした例を示しており、変速機3の入力軸4、出力軸5、アイドラ軸6及び中間軸7が互いに平行に配置されている。入力クラッチ2は、エンジン1の動力を入力軸4に伝達し、或いはそれを遮断するメインクラッチであり、例えば乾式単板クラッチからなり、油圧制御によって締結力が制御される。
エンジン1側から変速機3に入力される動力は、基本的には、特定のギヤ列を介して入力軸4から出力軸5に伝達される。出力軸5に伝達された動力は、更に、センターディファレンシャル装置8を介してフロントドライブ軸9とリアドライブ軸10とに分配され、フロントドライブ軸9の動力がフロントディファレンシャル装置11を介して左右の前輪に伝達され、同様に、リアドライブ軸10の動力が図示しないリアディファレンシャル装置を介して左右の後輪に伝達される。
尚、出力軸5は中空状に形成され、この中空状の出力軸5の内部を貫通した状態でフロントドライブ軸9が回転自在に取付けられている。また、センターディファレンシャル装置8は、図1においては、プラネタリ式デファレンシャル装置であり、プラネタリキャリアとリアドライブ軸10との間には、多板クラッチで構成された差動制限機構12が介装されている。この差動制限機構12は、良好な走行性を確保するために設けられており、走行状況(例えば、スリップの程度や舵角)に応じて多板クラッチの係合状態が制御される。
ここで、変速機3は、複数の変速ギヤ列を有する機械式変速機であり、入力軸4と出力軸5との間に、1速から5速までの各変速比を規定する複数の変速ギヤ列が設けられている。各変速ギヤ列は、図1の左側から軸方向に、1速のドライブギヤ及びドリブンギヤからなる変速ギヤ列13,14、2速のドライブギヤ及びドリブンギヤからなる変速ギヤ列15,16、3速のドライブギヤ及びドリブンギヤからなる変速ギヤ列17,18、4速のドライブギヤ及びドリブンギヤからなる変速ギヤ列19,20、5速のドライブギヤ及びドリブンギヤからなる変速ギヤ列21,22の順に並んでいる。
1速ドライブギヤ13は、入力軸4に固定的に取り付けられており、この1速ドライブギヤ13と噛合する1速ドリブンギヤ14は、出力軸5に回転自在な状態で取り付けられている。同様に、2速ドライブギヤ15は、入力軸5に固定的に取り付けられ、この2速ドライブギヤ15と噛合する2速ドリブンギヤ16は、出力軸5に回転自在に取り付けられている。
一方、3速ドライブギヤ17は、入力軸4に回転自在に取り付けられ、この3速ドライブギヤ17と噛合する3速ドリブンギヤ18は、出力軸5に固定的に取り付けられている。また、4速ドライブギヤ19は、入力軸4に回転自在に取り付けられており、この4速ドライブギヤ19と噛合する4速ドリブンギヤ20は、出力軸5に固定的に取り付けられている。更に、5速ドライブギヤ21は、入力軸4に回転自在に取り付けられ、この5速ドライブギヤ21と噛合する5速ドリブンギヤ22は、出力軸5に固定的に取り付けられている。尚、各変速段の変速比は、対応する変速ギヤ列のギヤ比によって規定される。
各変速ギヤ列の切換えは、3つのシンクロ機構23,24,25によって行われる。第1のシンクロ機構23は、1速ドリブンギヤ14と2速ドリブンギヤ16との間における出力軸5上に設けられている。また、第2のシンクロ機構24は、3速ドライブギヤ17と4速ドライブギヤ19との間における入力軸4上に設けられている。更に、第3のシンクロ機構25は、5速ドライブギヤ21の背面側近傍における入力軸4上に設けられている。
これらのシンクロ機構23〜25は、入力軸4或いは出力軸5と一体回転するシンクロハブ50にスプライン結合されるシンクロスリーブ51、ボークリング52、ギヤドッグ53を基本要素として回転同期を行う周知の構造であり、前述の図6,図7で説明したように、シンクロスリーブ51及びギヤドッグ53の各チャンファ面が、それぞれ非対称に形成されている。シンクロ機構23〜25の各シンクロスリーブ51の軸方向へのシフトは、油圧によって自動制御される。このシフトの自動制御は、以下に述べるバイパスクラッチ30に対する伝達トルク制御とのタイミング制御により行われる。
尚、符号26は、シンクロスリーブ51の外周に一体的に取り付けられた後退用ドリブンギヤであり、符号27は、入力軸4に固定的に取り付けられた後退用ドライブギヤである。後退時においては、アイドラ軸6に回転自在に取り付けられたアイドラギヤ28がアイドラ軸6上を軸方向にスライドして、後退用ドライブギヤ27及び後退用ドリブンギヤ26の双方と噛合することにより、入力軸4の動力が後退用ドライブギヤ27、アイドラギヤ28、及び後退用ドリブンギヤ26を介して出力軸5に伝達される。その結果、後退時には、アイドラギヤ28を介して出力軸5に動力が伝達されることになり、出力軸5の回転方向は前進時とは逆になって駆動輪は後退方向に回転する。
バイパスクラッチ30は、油圧制御される湿式多板式クラッチからなるサブクラッチであり、クラッチドラム30a及びクラッチハブ30bという一対の回転部材を有している。シンクロ機構23〜25によるシフトチェンジ時においては、バイパスクラッチ30が半クラッチ状態に設定され、入力側ギヤ列を形成する2つの中間ギヤ31,32、バイパスクラッチ30、出力側ギヤ列を形成する中間ギヤ33と5速ドライブギヤ21と5速ドリブンギヤ22とを介した動力伝達経路が入出力軸4,5間に設定される。
具体的には、入力軸4の端部(入力クラッチ2の反対側)に、第1の中間ギヤ31が固定的に取り付けられており、中間軸7に回転自在に取り付けられた第2の中間ギヤ32と噛合している。この第2の中間ギヤ32は、バイパスクラッチ30のクラッチドラム30aと一体的に連結している。また、バイパスクラッチ30のクラッチハブ30bは、中間軸7に固定的に取り付けられた第3の中間ギヤ33に一体的に連結している。そして、第3の中間ギヤ33は、入力軸4に回転自在に取り付けられた5速ドライブギヤ21を介して、出力軸5に固定的に取り付けられた5速ドリブンギヤ22と噛合している。
尚、ギヤ列31,32又はギヤ列21,33のギヤ比は、増速又は減速のギヤ比に設定されている。1速−2速や2速−3速の低速側のシフトチェンジにおいては、出力トルクの落ち込みによるシフトショックが問題となるが、4速−5速といった高速側のシフトチェンジにおいては、ドライバーが不快に感じる程大きなショックは生じない。このような観点から、入力側ギヤ列31,32と出力側ギヤ列33,21,22とからなる総ギヤ列のギヤ比を、3速から4速までの変速比相当に設定している。
以上の構成による自動変速機は、制御ユニット100によって制御される。制御ユニット100には、入力軸4の回転数Ni、出力軸5の回転数Nout、エンジン回転数Ne、その他、アクセル開度(スロットル開度でも可)、車速、選択されている変速段及びセレクト位置等の各種信号が入力される。制御ユニット100は、これらの信号から現在の走行状態に応じた変速段を特定し、図示しない油圧回路に対して適切な制御信号を出力する。
油圧回路は、エンジン1又は電動モータで駆動されるオイルポンプや電磁バルブ等で構成され、制御ユニット100からの制御信号に応じて、入力クラッチ2、バイパスクラッチ30、その他、シンクロ機構23〜25の各シンクロスリーブ51やアイドラギヤ28をスライドさせるための各種油圧アクチュエータに、調圧された油圧を供給する。
制御ユニット100による変速制御においては、シンクロ機構23〜25に対するシフト制御とバイパスクラッチ30に対する伝達トルク制御とのタイミング制御により、予めプログラムされた変速パターンに従って、適宜、シフトアップ、シフトダウンを行う。その際、シンクロ機構の回転同期を最適に制御し、非対称のチャンファ面を有するシンクロ機構23〜25における円滑なスプライン噛合を維持し、円滑な変速動作を確保するようにしている。
特に、ドライバーが不快に感じるショックが発生する虞のある1速から2速への変速時、第1のシンクロ機構23の円滑なシフト動作を妨げるスプライン噛合の機会(シンクロスリーブ51の鈍角のチャンファ面51aとギヤドッグ53の鈍角のチャンファ面53aとが接触する機会)をなくし、良好なスプライン噛合を確保して変速ショックを未然に回避する。
以下、1速から2速への変速制御について、図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS101において、バイパスクラッチ30の締結力を制御し、入力軸4からバイパスクラッチ30を経由して出力軸5に伝達される伝達トルクTaがエンジントルクTe相当のトルクとなるように制御する。具体的には、入力クラッチ2の係合状態を維持したままでバイパスクラッチ30の油圧を制御して半クラッチ状態とし、1速の変速ギヤ列13,14を介した動力の伝達経路と共に、バイパスクラッチ30を介した動力伝達経路を形成する。このとき、入力軸4の動力は、入力軸4と一体的に回転するギヤ列31,32を介して、バイパスクラッチ30のクラッチドラム30a側に伝達され、更に、バイパスクラッチ30の係合の程度に応じて、クラッチドラム30a側の動力がクラッチハブ30b側へ伝達され、このクラッチハブ30bから出力軸5へと動力が伝達される。このような動力伝達経路において、5速ドライブギヤ21は、アイドラギヤとして機能する。
そして、ステップS102において、バイパスクラッチ30の伝達トルクTaがエンジントルクTeに略等しくなったか否かを調べ、Ta≠Teの場合には、ステップS101に戻ってバイパスクラッチ30の締結力を制御し、Ta≒Teの場合、ステップS103へ進んで1速ギヤを開放する。すなわち、エンジントルクTeのほとんどがバイパスクラッチ30を介した動力伝達経路を経由し、1速の変速ギヤ列13,14の伝達トルクが実質的に0になったタイミングで、第1のシンクロ機構23のシンクロスリーブ51を中立位置へとシフトさせ、1速ドリブンギヤ14側のギヤドッグ53とシンクロスリーブ51との噛み合いを開放する。
次に、ステップS104へ進んで図3の処理を実行し、入力軸回転数Niが出力軸回転数Noutに2速のギヤ比i2を乗算した回転数(同期回転数)Noに略等しくなるようにバイパスクラッチ30の油圧を上昇させてトルクアップ制御することにより、車速対応の2速ギヤ回転同期を行う。
このバイパスクラッチ30のトルクアップ制御について説明すると、先ず、図3のステップS201において、入力軸回転数Niに対する回転数フィードバック(F/B)制御の目標値を同期回転数Noとして、以下の(1)式に示すように、入力軸回転数Niと同期回転数Noとの差分に比例定数Kpを乗算してF/B比例量Tfbpを算出する。
Tfbp=Kp×(Ni−No) …(1)
続くステップS202では、以下の(2)式に示すように、入力軸回転数Niと同期回転数Noとの差分に積分定数Kiを乗算した値を演算周期毎に積算し、F/B積分量Tfbiを算出する。
Tfbi=Tfbi+Ki×(Ni−No) …(2)
更に、ステップS203で、以下の(3)式に示すように、バイパスクラッチ30の回転同期開始時の入力軸回転数及び入力トルクと目標変速時間とから演算されるバイパスクラッチ締結力のフィードフォーワード分Tffに、F/B比例量TfbpとF/B積分量Tfbiとを加算してバイパスクラッチ締結力Tを算出し、対応する油圧を出力することにより、バイパスクラッチ30をトルクアップする。
T=Tff+Tfbp+Tfbi …(3)
以上のバイパスクラッチ30のトルクアップ制御により、入力側ギヤ列31,32と出力側ギヤ列33,21,22とを介して出力軸5に伝達されるトルクが上昇する。このとき、総ギヤ列のギヤ比が3速〜4速相当の変速比に設定されているので、入力軸回転数(1速ギヤでのエンジン回転数)Niは、3速〜4速相当に向けて低下していく。そして、ステップS105において、回転同期判定を行う。
この回転同期判定は、入力軸回転数Niが同期回転数Noに差回転αを加えた上限値と同期回転数Noから差回転αを減算した下限値とによる同期判定回転数範囲(No±αの範囲)内に入ったか否かを判定する従来の同期判定に対し、同期回転数Noをオフセット値βだけ低回転側にオフセットさせた回転数(No−β)を中心として上下に差回転αの幅を有する同期判定回転数範囲(No−β±αの範囲)、換言すれば、同期回転数Noに差回転αを加えた値と同期回転数Noから差回転αを減算した値との双方を、オフセット値βだけ低回転数側にオフセットさせた同期判定回転数範囲内に入力軸回転数Niが入ったか否かを判定することにより行う。
ここで、オフセット値βは、差回転α以上の値とし(β≧α)、回転同期判定における上限値(No+α−β)が同期回転数Noを上回らないようにする。また、同期判定回転数範囲の幅を、従来と同様の回転数幅2αとするのは、必要な判定時間を確保するためである。
そして、入力軸回転数NiがNo−α−β≦Ni≦No+α−βの条件を満足するまで前述のステップS104のトルクアップ制御を行い、No−α−β≦Ni≦No+α−βの条件を満足したとき、2速へのシフト操作可能な回転数になったと判断し、ステップS105からステップS106へ進んで第1のシンクロ機構23のシンクロスリーブ51を2速ドリブンギヤ16のギヤドッグ53側にシフトさせて噛み合わせ、2速ギヤを締結する。この2速ギヤの締結によるアップシフト後は、ステップS107で、油圧を下げてバイパスクラッチ30を開放し、1速から2速への変速制御を終了する。
以上のように、非対称のチャンファ面を有するシンクロ機構における回転同期判定の回転数範囲を、同期回転数を上回らないよう低回転数側にオフセット値βだけオフセットさせることにより、図4に示すように、入力軸回転数Niが差回転αによる回転数幅内にあり、且つ入力軸回転数Niが同期回転数No以下のときにのみ同期判定がなされる。従って、従来のオフセット無しの回転同期判定のように、入力軸回転数Niが同期回転数No以上であっても差回転αによる回転数幅内にあれば回転同期と判定されてしまうことがない。
これにより、入力軸回転数Niに対応するシンクロ機構のギヤドッグ53の回転数が同期回転数Noに対応するシンクロスリーブ51の回転数よりも大きい状態で互いのチャンファ面が接触する機会をなくし、ギヤドッグ53の回転数がシンクロスリーブ51の回転数よりも小さい状態で互いのチャンファ面を接触させて良好なスプライン噛合を得ることができる。すなわち、ギヤドッグ53の鈍角のチャンファ面53aとシンクロスリーブ51の鈍角のチャンファ面51aとが接触することによるシフトスピードの低下を回避し、回転同期の崩れと変速時のショックを防止することができる。
尚、上述した各実施の形態は、バイパスクラッチ30のギヤ列に5速の変速ギヤを介在させた場合について説明したが、他の変速段の変速ギヤを用いてこのギヤ列を構成しても良い。また、上述した各実施の形態において、入力クラッチ2の上流(エンジン側)にトルクコンバータを配置しても良い。このような構成にすれば、トルクコンバータによるトルク増幅作用によって、駆動系の伝達トルクに余裕を持たせることができ、高負荷走行等において有利になる。
本発明の実施の一形態に係わり、変速制御系を示す構成図 同上、1速から2速への変速制御を示すフローチャート 同上、バイパスクラッチのトルクアップ制御を示すフローチャート 同上、入力軸回転数と同期回転数とギヤ締結タイミングとの関係を示す説明図 従来例に係わり、1速から2速への変速制御を示すフローチャート 同上、ギヤドッグの回転数がシンクロスリーブの回転数より小さい状態でのチャンファ面の接触を示す説明図 同上、ギヤドッグの回転数がシンクロスリーブの回転数より大きい状態でのチャンファ面の接触を示す説明図
符号の説明
1 エンジン
3 変速機
4 入力軸
5 出力軸
23〜25 シンクロ機構
30 バイパスクラッチ
50 シンクロハブ
51 シンクロスリーブ
51a,51b チャンファ面
52 ボークリング
53 ギヤドッグ
53a,53b チャンファ面
α 差回転
β オフセット値
Ni 入力軸回転数
Nout 出力軸回転数
No 同期回転数

代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (2)

  1. 非対称のチャンファ面を有するシンクロ機構と、入力軸から出力軸への伝達トルクを可変するクラッチとを制御し、ギヤ式変速機の変速動作を自動的に制御する自動変速機の変速制御装置であって、
    上記シンクロ機構のシフト動作の回転同期を判定するための同期判定回転数範囲を、出力軸回転数にギヤ比を乗算した同期回転数を上回らないよう設定する手段と、
    上記ギヤ式変速機を変速動作させるとき、上記クラッチのトルク制御により上記シンクロ機構の回転同期を行い、入力軸回転数が上記同期判定回転数範囲内となったとき、上記シンクロ機構をシフト動作させて変速段を変更する手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 上記同期判定回転数範囲を、上記同期回転数に規定の差回転を加えた値と、上記同期回転数から上記差回転を減算した値との双方を、上記差回転以上のオフセット値だけ低回転側にオフセットさせて設定することを特徴とする請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。
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CN110925415A (zh) * 2019-12-30 2020-03-27 威伯科汽车控制系统(中国)有限公司 一种amt滑磨离合器式原地换挡同步控制方法

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