JP5947070B2 - 変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された変速機を制御するための制御装置に関し、詳細には、変速ギヤを回転軸に対して相対回転可能・不能となるように切り替えるための係合切替機構を備える変速機に対して、該係合切替機構の制御を行うための制御装置に関する。
車両に搭載された変速機には、原動機の駆動力が入力される入力軸と該入力軸と平行に設けた出力軸とを含む回転軸と、入力軸上に設けた複数の駆動ギヤと出力軸上に設けられて複数の駆動ギヤそれぞれに噛合する複数の従動ギヤとを含む変速ギヤと、いずれかの変速ギヤを回転軸に対して相対回転可能・不能となるように切り替える係合切替機構(シンクロメッシュ機構)とを有するものがある。係合切替機構は、回転軸に相対回転不能に係合するハブと、ハブに対して相対回転不能且つ軸方向へ移動可能に取り付けられたスリーブとを有し、スリーブは、ハブのみに重なることで回転軸に対して変速ギヤの相対回転を許容する中立位置と、ハブ及び変速ギヤに重なる位置となることで回転軸に対して変速ギヤを相対回転不能に係合させるインギヤ位置との間で軸方向に移動可能である。
ところで、車両の走行中には、上記のインギヤ位置で変速ギヤのドグ歯に嵌合しているスリーブや、該スリーブを移動させるためのシフトフォークなどには、変速ギヤや回転軸などの回転による加速度が作用する。そのため、インギヤ位置で変速ギヤのドグ歯に対して嵌合状態にあるスリーブが徐々に変速ギヤのドグ歯から抜けてゆくおそれがある。
この点に対応するための従来技術として、特許文献1乃至3に記載の変速制御装置がある。特許文献1乃至3に記載の変速制御装置では、変速ギヤのドグ歯に嵌合しているスリーブが実際に抜けたこと、又は抜けそうな状態にあることを検知した場合には、スリーブにインギヤ位置への荷重を再度かけて、スリーブをインギヤ位置へ入れ直す(押し戻す)手法が提案されている。
ここで、特許文献1乃至3に記載の従来技術は、スリーブが実際に抜けてから、又は抜けそうになってから押し戻す操作を行うものである。しかしながら、スリーブが実際に抜けてから押し戻す場合、再度正規のインギヤ位置に戻るまでの間は、スリーブが抜けた状態になっているので、車両の運転者が期待する変速段での駆動力伝達が正常に行われない状態であり、運転操作の快適性や車両の加速機能などに悪影響を及ぼすおそれがある。また、スリーブが抜けそうになったことを検知して入れ直す場合でも、アクチュエータに入れ直す動作を指示してから実際に入れ直す動作が完了するまでの間は、運転状況に応じて必要な変速段への変速が行えない時間が発生してしまう。したがってこの場合も、運転操作の快適性や車両の加速機能に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、スリーブが実際に抜けていることを判断する場合、スリーブの位置をストロークセンサで検出するため、ストロークセンサやその周辺構造の固体によるバラつきや経年劣化の影響でスリーブの位置検出の精度に問題が生じるおそれがあり、その場合は、スリーブが実際に抜けるまでそのことを判断できないか、実際にはスリーブが抜けそうになっていないのに、スリーブにインギヤ位置への荷重をかけてしまうことで、シフトフォークなどの摩耗による劣化を早めてしまうという問題があった。
特開2000−205410号公報 米国特許6227063号公報 米国特許6883394号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インギヤ位置にあるスリーブが中立位置側へ抜けることを未然に防止しながらも、スリーブに対して印加する荷重を最小限に抑えることで、変速機の耐久性を向上させることができる変速機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる変速機の制御装置は、車両に搭載された原動機(1)からの駆動力が入力される入力軸(10)と、入力軸(10)と平行に設けた出力軸(13)とが含まれる回転軸と、入力軸(10)上に設けた複数の駆動ギヤ(31〜38)と、出力軸(13)上に設けられて複数の駆動ギヤ(31〜38)それぞれに噛合する複数の従動ギヤ(41,43,45,47)とが含まれる変速ギヤと、変速段を設定するために変速ギヤのいずれかを回転軸に対して相対回転可能・不能となるように切り替える一又は複数の係合切替機構(S1〜S4)と、を有する変速機(2a)において、係合切替機構(S1〜S4)は、回転軸(10)上に相対回転不能に設置されたハブ(HB)と、ハブ(HB)に対して相対回転不能且つ軸方向へ移動可能に取り付けられたスリーブ(SL)と、を有し、スリーブ(SL)は、軸方向でハブ(HB)のみに重なることで、回転軸に対する変速ギヤの相対回転を許容する中立位置と、軸方向でハブ(HB)と変速ギヤの両方に重なることで、当該変速ギヤを回転軸に対して相対回転不能に係合させるインギヤ位置との間で移動可能であり、スリーブ(SL)を中立位置とインギヤ位置との間で移動させるためのシフトアクチュエータ(6)と、シフトアクチュエータ(6)を制御するための制御手段(5)と、スリーブ(SL)がインギヤ位置にあることを判断するインギヤ判断手段(5)と、原動機(1)の出力又はシフトアクチュエータ(6)の動作に基づいて、インギヤ位置にあるスリーブ(SL)が中立位置側へ抜ける可能性があるか否かを判断するスリーブ抜け予測手段(5)と、を備え、インギヤ判断手段(5)によりインギヤ位置にあることが判断されたスリーブ(SL)に対して、スリーブ抜け予測手段(5)により中立位置側へ抜ける可能性がある旨のスリーブ抜け予測判定がされたとき、制御手段(5)は、シフトアクチュエータ(6)でインギヤ位置のスリーブに対してインギヤ側へのシフト荷重(F)を印加する制御を行うことを特徴とする。
本発明にかかる変速機の制御装置では、インギヤ位置にあることが判断されたスリーブに対して、スリーブ抜け予測手段により中立位置側へ抜ける可能性がある旨のスリーブ抜け予測判定がされたとき、シフトアクチュエータでインギヤ位置のスリーブに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する制御を行うようにした。すなわち、インギヤ位置で変速ギヤ側に嵌合しているスリーブが実際に抜ける前に、抜ける可能性のある状態を検知し、その場合にスリーブに対して抜け防止のためのシフト荷重を印加することで、スリーブの抜けを未然に防止するようにした。これにより、インギヤ位置のスリーブが実際に抜けてしまったり、抜けそうになったりすることで、必要な変速段で走行できないことを防止できるようになる。また、スリーブの抜けを予測することで、スリーブが抜けることを未然に防止できるので、車両の走行中に運転者の意図しない駆動力変化が生じることを抑制でき、運転者に違和感を与えない良好な走行制御が可能となる。
また、上記変速機の制御装置では、シフトアクチュエータ(6)は、油圧を発生させる油圧発生手段(53)と、油圧発生手段(53)で発生した油圧を調圧可能な調圧手段(LS)と、一又は複数の係合切替機構(S1,S2)が有する一又は複数のスリーブ(SL)を駆動するための複数のピストン(P1〜P4)と、調圧手段(LS)で調圧された油圧を複数のピストン(P1,P2)へ選択的に印加するための複数の油路(73〜76)と、複数の油路(73〜76)を切り替えるための油路切替手段(VA,VB)と、を有し、油路切替手段(VA,VB)の切り替えに伴い、インギヤ位置のスリーブ(SL)に対応するピストン(P1〜P4)の油圧が変動すると判断する場合に、スリーブ抜け予測手段(5)によるスリーブ抜け予測判定がされるようにしてよい。
油路切替手段によって、インギヤ位置のスリーブに対応するピストンに連通する油路の切り替えが行われたときには、当該油路の切り替えによる油圧の変化で、インギヤ位置のスリーブに対して中立位置側へ抜ける方向への荷重が付加されることがある。そこで、当該油路の切り替えが行われたときに、スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定をして、インギヤ位置のスリーブに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する制御を行うことで、スリーブの抜けを未然に防止することができる。
この場合、油路切替手段(VA,VB)は、複数の油路(73〜76)を切り替える切替バルブ(VA,VB)であり、切替バルブ(VA,VB)を駆動する電磁弁(SA,SB)を備え、制御手段(5)による制御で電磁弁(SA,SB)が作動したときに、スリーブ抜け予測手段(5)によるスリーブ抜け予測判定がされるようにしてよい。
また、上記変速機の制御装置では、車両の運転者の操作に基づいて原動機(1)の出力を変化させる原動機出力可変手段(8)と、原動機(1)の出力を検出する原動機出力検出手段(206又は209)と、を備え、原動機出力検出手段(206又は209)で検出された出力が所定量以上変化した場合、又は該出力が正出力と負出力との間で変化した場合に、スリーブ抜け予測手段(5)によるスリーブ抜け予測判定がされるようにしてよい。
原動機の出力が所定量以上変化した場合、又は原動機の出力が正出力と負出力との間で変化した場合には、インギヤ位置のスリーブにかかる回転方向の加速度が急激に変化することで、インギヤ位置のスリーブに対して中立位置側へ抜ける方向への荷重が付加されることがある。これに対して、原動機出力検出手段で検出された出力が所定量以上変化した場合、又は該出力が正出力と負出力との間で変化した場合にスリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定をして、インギヤ位置のスリーブに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する制御を行うことで、スリーブの抜けを未然に防止できる。
あるいは、上記変速機の制御装置では、車両の運転者の操作に基づいて原動機(1)の出力を変化させる原動機出力可変手段(8)と、原動機(1)の回転数(Ne)を検出する回転数検出手段(201)と原動機(1)の出力を検出する原動機出力検出手段(206又は209)の少なくともいずれかとを備え、原動機(1)の回転数(Ne)が所定回転数(Ne1)以上の高回転となる場合、又は原動機(1)の出力が所定以上の高出力となる場合に、スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定がされるようにしてよい。
原動機の回転数が所定回転数以上の高回転となる場合、又は原動機の出力が所定以上の高出力となる場合には、インギヤ位置のスリーブにかかる回転方向の加速度が大きくなることで、インギヤ位置のスリーブに対して中立位置側へ抜ける方向への荷重が付加されることがある。これに対して、回転数検出手段で検出された原動機の回転数が所定以上の場合、又は原動機出力検出手段で検出された原動機の出力が所定以上の高出力の場合にスリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定をして、インギヤ位置のスリーブに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する制御を行うことで、スリーブの抜けを未然に防止できる。
また、上記変速機の制御装置では、制御手段(5)は、スリーブ抜け予測手段(5)によるスリーブ抜け予測判定がされている間は、シフトアクチュエータ(6)によるスリーブ(SL)へのシフト荷重(F)の印加を継続することが望ましい。これによれば、スリーブ抜け予測判定がされている間は、インギヤ位置にあるスリーブへのシフト荷重の印加を継続することで、インギヤ位置にあるスリーブが抜けることをより確実に防止できる。
また、上記変速機の制御装置では、制御手段(5)は、スリーブ抜け予測手段(5)によるスリーブ抜け予測判定が解除されたときには、シフトアクチュエータ(6)によるスリーブ(SL)へのシフト荷重(F)を解除するか又は低減させることが望ましい。
スリーブの抜けを未然に防止するためにインギヤ位置のスリーブへのシフト荷重の印加を継続すると、スリーブと摺動するシフトフォークなどの構成部品に摩耗による劣化が進むなどの不具合が生じるおそれがある。これに対して、上記構成によれば、スリーブが抜ける可能性のある状態が終了した後には、スリーブに印加していたシフト荷重を解除するか又は低減することより、シフトフォークなどの構成部品に摩耗などの悪影響が生じることを抑制できる。
また、上記変速機の制御装置では、制御手段(5)は、原動機(1)の出力又は回転数が所定値よりも高い場合には、所定値よりも低い場合と比較して、シフトアクチュエータ(6)によるスリーブ(SL)へのシフト荷重(F)をより大きくする制御を行うとよい。
この構成によれば、原動機の出力又は回転が高出力又は高回転であるほど、インギヤ位置のスリーブに対して印加するシフト荷重を大きくする制御を行うことで、車両が通常の穏やかな走行状態や加減速の少ない走行状態(クルーズ走行状態など)では、インギヤ位置のスリーブに対して印加するシフト荷重を小さく抑えることができる。すなわち、クルーズ走行中と原動機出力の大きな変化を伴う走行中とでインギヤ位置のスリーブに印加する抜け防止用のシフト荷重の大きさを異ならせるようにする。これにより、スリーブが摺動するシフトフォークの摩耗を最小限に抑えることができる。また、スリーブとシフトフォークとの摩擦を低減することができるので、車両の燃費向上にも寄与できる。
また、上記変速機の制御装置では、変速機(2a)が伝達する伝達トルクを検出する伝達トルク検出手段(209)を備え、シフトアクチュエータ(6)によるスリーブ(SL)へのシフト荷重(F)は、伝達トルク検出手段(209)で検出した伝達トルクが小さい程大きくするとよい。
変速機が伝達する伝達トルクが小さい場合には、変速ギヤやスリーブなど係合切替装置の各部にかかる回転方向の駆動力が小さいため、インギヤ位置で変速ギヤ側に嵌合しているスリーブと変速ギヤ側との噛合力が弱く、その分、インギヤ位置のスリーブが抜ける方向へ移動するおそれが高い。そのため、上記のように伝達トルク検出手段で検出した伝達トルクが小さい程、スリーブに印加するシフト荷重を大きくすることで、スリーブの抜けをより確実に防止できるようになる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる変速機の制御装置によれば、インギヤ位置にあるスリーブが中立位置側へ抜けることを未然に防止しながらも、スリーブに対して印加する荷重を必要最小限に抑えることで、変速機の耐久性を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる変速機の制御装置を備える車両の駆動系の概略図である。 同期係合装置(係合切替装置)を備える変速機(ツインクラッチ式の自動変速機)のスケルトン図である。 同期係合装置を制御する油圧制御装置(シフトアクチュエータ)の一部を示す概略図である。 2−4速同期係合装置及び2−4速油圧アクチュエータの構成例を示す図である。 2−4速同期係合装置の動作を示す図で、(a)は、中立位置、(b)は、4速駆動ギヤ側のインギヤ位置、(c)は、2速駆動ギヤ側へのインギヤ位置を示す図である。 インギヤ位置のスリーブに抜け防止用のシフト荷重を印加する制御の手順を示すフローチャートである。 変速段の切り替えに伴う作動油の流れを示す図である。 スリーブ抜け防止用のシフト荷重を印加する場合の各種値の変化を示すタイミングチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる自動変速機の制御装置を備える車両の駆動系の概略図である。また、図2は、変速機(ツインクラッチ式の自動変速機)のスケルトン図である。図1に示すように、本実施形態の車両は、エンジン1と、流体式のトルクコンバータ3を介してエンジン1の駆動力が伝達される自動変速機2とを備える。自動変速機2は、有段式の変速機構2aを備えている。また、この車両は、エンジン1を制御するFI−ECU4と、トルクコンバータ3を含む自動変速機2を制御するAT−ECU(制御手段)5と、トルクコンバータ3の回転駆動や後述するロックアップクラッチ35の締結制御、および自動変速機2の変速機構2aが備える複数の摩擦係合要素や同期係合装置の動作を制御するための油圧制御装置6とを備えている。
エンジン1の回転出力は、クランクシャフト(エンジン1の出力軸)1aに出力される。クランクシャフト1aの回転は、ロックアップクラッチ35付きのトルクコンバータ3を介して自動変速機2のメインシャフト10(後述する第1、第2入力軸11,12)に伝達される。トルクコンバータ3は、公知の構成を適用可能であり、ここではその詳細な説明を省略する。自動変速機2は、例えば前進8速段・後進1速段の有段式の変速機構2aを備える。変速機構2aの構成については、後述する。
メインシャフト10の回転トルクは、図2に示す変速機構2aを介してカウンタシャフト(出力軸)13に伝達される。また、カウンタシャフト13の回転トルクは、図2に示す歯車列19,26およびディファレンシャル機構25を介して車両の駆動輪W,Wに伝達される。
クランクシャフト1aの近傍には、クランクシャフト1a(エンジン1)の回転数Neを検出するクランクシャフト回転数センサ201が設けられる。メインシャフト10の近傍には、メインシャフト10の回転数(自動変速機2の入力軸回転数)Niを検出するメインシャフト回転数センサ202が設けられる。カウンタシャフト13の近傍には、カウンタシャフト13の回転数(自動変速機2の出力軸回転数)Noを検出するカウンタシャフト回転数センサ203が設けられる。各回転数センサ201〜203により検出された回転数データは、AT−ECU5に出力される。また、車速Nvを検出するための車速センサ204が設けられる。車速センサ204により検出された車速データは、AT−ECU5に出力される。さらに、エンジン1のスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ206が設けられる。スロットル開度センサ206により検出されたスロットル開度データは、FI−ECU4に出力される。
アクセルペダル(原動機出力可変手段)8の近傍には、アクセルペダル8の開度(アクセルペダル開度)APを検出するアクセルペダル開度センサ207が設けられる。アクセルペダル開度センサ207により検出されたアクセルペダル開度データは、FI−ECU4に出力される。
また、油圧制御装置6内には、自動変速機2(油圧制御装置6)の作動油(ATF)の油温TAを検出する油温センサ208が設けられる。油温センサ208により検出されたATFの温度(油温)データは、AT−ECU5に出力される。また、ロックアップクラッチ35から変速機構2aに入力される入力トルク(TM入力トルク)を検出するためのTM入力トルクセンサ209が設けられる。このTM入力トルクセンサ209からのTM入力トルク信号は、AT−ECU5に出力される。
また、本実施形態の車両は、運転者によりシフトレバーを介して操作されるシフト装置9を備える。シフト装置9におけるシフトレバー(図示せず)のポジションには、図1に示すように、例えば、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モード(ノーマルモード)での前進走行)、S(スポーツモードでの前進走行)などがある。シフト装置9の近傍には、シフトレバーポジションセンサ205が設けられる。シフトレバーポジションセンサ205は、運転者によって操作されるシフトレバーのポジションを検出する。
FI−ECU4は、上記の各センサ202〜209から入力された検出データやAT−ECU5から入力される各種データに基づいて、エンジン1の出力、すなわちエンジン1の回転数Neを制御する。また、AT−ECU5は、各センサ202〜209から入力された検出データやFI−ECU4から入力された各種データに基づいて、油圧制御装置6内のバルブ群(後述する第1、第2シフトバルブVA,VBなど)を駆動する電磁弁(後述する第1、第2シフトソレノイドSA,SBなど)を制御して、油圧により駆動される摩擦係合要素や係合切替装置(後述する第1、第2クラッチCL1,CL2や同期係合装置S1〜S4など)の制御を行う。さらに、AT−ECU5は、所定の運転領域で油圧制御装置6を介してロックアップ制御量を調整し、ロックアップクラッチ35の係合制御を行う。
図2に示す変速機構2aは、前進8速段・後進1速段を設定可能なツインクラッチ式の自動変速機構である。この変速機構2aは、トルクコンバータ3を介してエンジン(原動機)1の駆動力が入力される第2入力軸12と、該第2入力軸12と平行に配置した第1入力軸11と、出力軸13とを備える。そして、第2入力軸12上に固設したドライブギヤ15が第1入力軸11上に固設したドリブンギヤ16に噛合している。したがって、第2入力軸12と第1入力軸11はドライブギヤ15とドリブンギヤ16を介して常時接続され、ドライブギヤ15とドリブンギヤ16の歯数によって決まる一定の回転数比で逆方向に回転する。なお、変速機構2aには、後進段を設定するためのリバース軸及びリバースギヤなどの機構も設けられているが、ここではそれらの図示及び説明は省略する。
第1入力軸11の軸端には、第1クラッチ(奇数段用クラッチ)CL1が配置される。第1クラッチCL1は、第1入力軸11とその外周に相対回転自在に嵌合する第1駆動軸(第1駆動軸)17との係合及び係合解除を切り替える。第1駆動軸17には、1速駆動ギヤ31、3速駆動ギヤ33、5速駆動ギヤ35、7速駆動ギヤ37が相対回転自在に支持されている。そして、1速駆動ギヤ31及び3速駆動ギヤ33は、1−3速同期係合装置(係合切替装置)S1で第1駆動軸17に選択的に結合可能であり、かつ、5速駆動ギヤ35及び7速駆動ギヤ37は、5−7速同期係合装置(係合切替装置)S3で第1駆動軸17に選択的に結合可能である。
また、第2入力軸12の軸端には、第2クラッチ(偶数段用クラッチ)CL2が配置される。第2クラッチCL2は、第2入力軸12とその外周に相対回転自在に嵌合する第2駆動軸18との係合及び係合解除を切り替える。第2駆動軸18には、2速駆動ギヤ32、4速駆動ギヤ34、6速駆動ギヤ36、8速駆動ギヤ38が相対回転自在に支持されている。そして、2速駆動ギヤ32及び4速駆動ギヤ34は、2−4速同期係合装置(係合切替装置)S2で第2駆動軸18に選択的に結合可能であり、かつ、6速駆動ギヤ36及び8速駆動ギヤ38は、6−8速同期係合装置(係合切替装置)S4で第2駆動軸18に選択的に結合可能である。
出力軸13上には、1−2速従動ギヤ41と、3−4速従動ギヤ43と、5−6速従動ギヤ45と、7−8速従動ギヤ47とが固設されている。1−2速従動ギヤ41には、第1駆動軸17上の1速駆動ギヤ31と第2駆動軸18上の2速駆動ギヤ32とが噛合する。3−4速従動ギヤ43には、第1駆動軸17上の3速駆動ギヤ33と第2駆動軸18上の4速駆動ギヤ34とが噛合する。5−6速従動ギヤ45には、第1駆動軸17上の5速駆動ギヤ35と第2駆動軸18上の6速駆動ギヤ36とが噛合する。7−8速従動ギヤ47には、第1駆動軸17上の7速駆動ギヤ37と第2駆動軸18上の8速駆動ギヤ38とが噛合する。
出力軸13に固設したファイナルドライブギヤ19は、ディファレンシャル機構25に設けたファイナルドリブンギヤ26に噛合し、ディファレンシャル機構25から左右に延びる車軸27,27に駆動輪W,Wが接続される。
上記の第1クラッチCL1と、第1駆動軸17上に設けた1,3,5,7速駆動ギヤ31,33,35,37と、1−3速同期係合装置S1及び5−7速同期係合装置S3とで、奇数段の変速段を設定するための第1変速機構(第1係合切替手段)GR1が構成される。また、上記の第2クラッチCL2と、第2駆動軸18上に設けた2,4,6,8速駆動ギヤ32,34,36,38と、2−4速同期係合装置S2及び6−8速同期係合装置S4とで、偶数段の変速段を設定するための第2変速機構(第2係合切替手段)GR2が構成される。
この変速機2では、第1クラッチCL1を係合すると、エンジン1のクランクシャフト1aの駆動力は、トルクコンバータ3→第2入力軸12上のドライブギヤ15→第1入力軸11上のドリブンギヤ16→第1入力軸11→第1クラッチCL1の経路で第1変速機構GR1に伝達される。一方、第2クラッチCL2を係合すると、エンジン1のクランクシャフト1aの駆動力は、トルクコンバータ3→第2入力軸12→第2クラッチCL2の経路で第2変速機構GR2に伝達される。
よって、1−3速同期係合装置S1を右動して1速駆動ギヤ31を第1駆動軸17に結合した状態で第1クラッチCL1を係合すると1速変速段が確立し、2−4速同期係合装置S2を右動して2速駆動ギヤ32を第2駆動軸18に結合した状態で第2クラッチCL2を係合すると2速変速段が確立し、1−3速同期係合装置S1を左動して3速駆動ギヤ33を第1駆動軸17に結合した状態で第1クラッチCL1を係合すると3速変速段が確立し、2速−4速同期係合装置S2を左動して4速駆動ギヤ34を第2駆動軸18に結合した状態で第2クラッチCL2を係合すると4速段が確立する。以降も同様に各同期係合装置S1〜S4と第1、第2クラッチCL1,CL2の係合を切り替えることで、8速段までの各変速段を設定することができる。
そして、1速段側から8速段側へのシフトアップ時には、第1クラッチCL1が係合して1速段が確立している間に2速段をプレシフトしておき、第1クラッチCL1を係合解除して第2クラッチCL2を係合することで2速段を確立し、第2クラッチCL2が係合して2速段を確立している間に3速段をプレシフトしておき、第2クラッチCL2を係合解除して第1クラッチCL1を係合することで3速段を確立する。これを順に繰り返してシフトアップを行う。
一方、8速段側から1速段側へのシフトダウン時には、第2クラッチCL2が係合して8速段が確立している間に7速段をプレシフトしておき、第2クラッチCL2を係合解除して第1クラッチCL1を係合することで7速段を確立し、第1クラッチCL1が係合して7速段を確立している間に6速段をプレシフトしておき、第1クラッチCL1を係合解除して第2クラッチCL2を係合することで6速段を確立し、これを繰り返してシフトダウンを行う。これらにより、駆動力の途切れのないシフトアップ及びシフトダウンが可能になる。
図3は、変速機構2aの動作を制御するための油圧制御装置6の一部を示す油圧回路図である。同図に示す油圧制御装置(シフトアクチュエータ)6には、1−3速同期係合装置S1及び2−4速同期係合装置S2を作動させるべく、それらに対応して1−3速油圧アクチュエータA1、2−4速油圧アクチュエータA2が設けられる。なお、油圧制御装置6には、5−7速同期係合装置S3、6−8速同期係合装置S4を作動させるための油圧アクチュエータも設けられているが、それらについては、図示及び説明を省略する。
1−3速油圧アクチュエータA1は、相互に対向配置された1速ピストンP1及び3速ピストンP3を備えており、両ピストンP1,P3と一体のシフトフォークF1で1−3速同期係合装置S1を作動させる。2−4速油圧アクチュエータA2は、相互に対向配置された2速ピストンP2及び4速ピストンP4を備えており、両ピストンP2,P4と一体のシフトフォークF2で2−4速同期係合装置S2を作動させる。
各同期係合装置S1,S2のシフトフォークF1,F2上には、ニュートラル位置と左右の係合位置に対応してディテント(図示せず)が設けられている。これにより、同期係合装置S1,S2は、ニュートラル位置と左右の係合位置にあるときはディテントで保持され、油圧供給が不要となるように構成される。
一方、油圧制御装置6では、リザーバ51からストレーナ52を介してオイルポンプ(油圧発生手段)53によって汲み上げられた作動油(ATF)は、第1リニアソレノイドバルブ(調圧手段)LS1及び第2リニアソレノイドバルブ(調圧手段)LS2に供給されて調圧される。
第1リニアソレノイドバルブLS1の下流側には、1−3速油圧アクチュエータA1用の第1シフトバルブVAが接続されており、第2リニアソレノイドバルブLS2の下流側には、2−4速油圧アクチュエータA2用の第2シフトバルブVBが接続されている。
第1シフトバルブVAの作動ポート66には、第1シフトソレノイド(電磁弁)SAからの油圧が供給されるようになっており、第1シフトバルブVAは、第1シフトソレノイドSAにより切替制御される。そして、第1シフトバルブVAにおける一のポート65は、油路73を介して1−3速油圧アクチュエータA1の1速ピストンP1が繋がっており、他のポート64は、油路74を介して1−3速油圧アクチュエータA1の3速ピストンP3が繋がっている。
第2シフトバルブVBの作動ポート72には、第2シフトソレノイド(電磁弁)SBからの油圧が供給されるようになっており、第2シフトバルブVBは、第2シフトソレノイドSBにより切替制御される。そして、第2シフトバルブVBにおける一のポート71は、油路75を介して2−4速油圧アクチュエータA1の2速ピストンP2に繋がっており、他のポート70は、油路76を介して2−4速油圧アクチュエータA2の4速ピストンP4に繋がっている。
第1シフトバルブVAは、第1シフトソレノイドSAで二位置(○位置および×位置)を取り得るもので、○位置では、第1リニアソレノイドバルブLS1に繋がるポート61と1速ピストンP1に繋がるポート65とが連通する。これにより、油路73を介して1速ピストンP1に油圧が供給されて、1−3速同期係合装置S1のシフトフォークF1及びスリーブSLに1速インギヤ位置へのシフト荷重が印加される。同時に、3速ピストンP3に繋がるポート64がリザーバ51に繋がるポート62に連通する。これにより、3速ピストンP3から排出された作動油が油路74を介してリザーバ51に通じる戻り油路77側に押し戻される。
また、第1シフトバルブVAの×位置では、第1リニアソレノイドバルブLS1に繋がるポート61と3速ピストンP3に繋がるポート64とが連通する。これにより、油路74を介して3速ピストンP3に油圧が供給されて、1−3速同期係合装置S1のシフトフォークF1及びスリーブSLに3速インギヤ位置へのシフト荷重が印加される。同時に、1速ピストンP1に繋がるポート65がリザーバ51に繋がるポート63に連通する。これにより、1速ピストンP1から排出された作動油が油路73を介してリザーバ51に通じる戻り油路77側に押し戻される。
第2シフトバルブVBは、第2シフトソレノイドSBで二位置(○位置および×位置)を取り得るもので、○位置では、第2リニアソレノイドバルブLS2に繋がるポート67と2速ピストンP2に繋がるポート71とが連通する。これにより、油路75を介して2速ピストンP2に油圧が供給されて、2−4速同期係合装置S2のシフトフォークF2及びスリーブSLに2速インギヤ位置へのシフト荷重が印加される。同時に、4速ピストンP4に繋がるポート70がリザーバ51に繋がるポート68に連通する。これにより、4速ピストンP4から排出された作動油が油路76を介してリザーバ51に通じる戻り油路77側へ押し戻される。
また、第2シフトバルブVBの×位置では、第2リニアソレノイドバルブLS2に繋がるポート67と4速ピストンP4に繋がるポート70とが連通する。これにより、油路76を介して4速ピストンP4に油圧が供給されて、2−4速同期係合装置S2のシフトフォークF2及びスリーブSLに4速インギヤ位置へのシフト荷重が印加される。同時に、2速ピストンP2に繋がるポート71がリザーバ51に繋がるポート69に連通する。これにより、2速ピストンP2から排出された作動油が油路75を介してリザーバ51に通じる戻り油路77へ押し戻される。
図4は、2−4速同期係合装置S2及び2−4速油圧アクチュエータA2を示す図である。また、図5は、2−4速同期係合装置S2の動作を説明するための図で、(a)は、中立位置、(b)は、2速駆動ギヤ側へのインギヤ位置、(c)は、4速駆動ギヤ側へのインギヤ位置を示す図である。なお、以下の説明では、同期係合装置及び油圧アクチュエータの説明として、2−4速同期係合装置S2及び2−4速油圧アクチュエータA2を例に挙げるが、当該説明は、1−3速同期係合装置S1及び1−3速油圧アクチュエータA1についても同様にあてはまる。
図4に示すように、2−4速同期係合装置S2は、第2駆動軸(回転軸)18(図2参照)に対して相対回転不能に係合するハブ(シンクロハブ)HBと、ハブHBに対して相対回転不能且つ軸方向へ移動可能に取り付けられたスリーブ(シンクロスリーブ)SLとを備える。スリーブSLは、2−4速油圧アクチュエータA2で駆動されるシフトフォークF2を介してハブHBの外周側で2速駆動ギヤ32側と4速駆動ギヤ34側との間を軸方向に摺動するようになっている。なお、シフトフォークF2は、スリーブSLの回転に伴い該スリーブSLの外周面に摺動(摺接)する。
そして、図5(a)に示すように、シフトフォークF2が2速駆動ギヤ32側と4速駆動ギヤ34側の中間位置(中央)にあるときは、スリーブSLがハブHBのみに重なることで、回転軸18に対して2速駆動ギヤ32及び4速駆動ギヤ34の相対回転を許容する中立位置にある。その状態から、2速ピストンP2に油圧が供給されると、シフトフォークF2及びスリーブSLが2速駆動ギヤ32側へ移動することで、同図(b)に示すように、スリーブSLがハブHBと2速駆動ギヤ32のドグ歯32aの両方に重なる位置となることで、回転軸18に対して2速駆動ギヤ32を相対回転不能に係合させるインギヤ位置(2速インギヤ位置)となる。一方、中立位置の状態から、4速ピストンP4に油圧が供給されると、シフトフォークF2及びスリーブSLが4速駆動ギヤ34側へ移動することで、同図(c)に示すように、スリーブSLがハブHBと4速駆動ギヤ34のドグ歯34aの両方に重なる位置となることで、回転軸18に対して4速駆動ギヤ34を相対回転不能に係合させるインギヤ位置(4速インギヤ位置)となる。
既述のように、車両走行中の同期係合装置S2では、上記のインギヤ位置で変速ギヤ32,34のドグ歯32a,34aと嵌合しているスリーブSLや、該スリーブSLを移動させるためのシフトフォークF2などに対して、変速ギヤ32,34や回転軸18などの回転による加速度が作用する。そのため、インギヤ位置で変速ギヤ32,34のドグ歯32a,34aに嵌合しているスリーブSLが、徐々に変速ギヤ32,34のドグ歯32a,34aから抜けてゆき、インギヤ位置から中立位置側へ移動するおそれがある。このことに対処するため、本実施形態のAT−ECU5は、エンジン1の出力又は油圧制御装置(シフトアクチュエータ)6の動作に基づいて、インギヤ位置にあるスリーブSLが中立位置側へ抜ける可能性があるか否かの判断を行うようにしている。そして、インギヤ位置のスリーブSLが中立位置側へ抜ける可能性がある旨の抜け予測判定(以下、単に「抜け予測判定」と記す。)がされたときには、油圧制御装置6で当該インギヤ位置のスリーブSLに対してインギヤ側へのシフト荷重を一時的に印加する制御(以下、この制御を「スリーブ抜け防止制御」と称す。)を行うようにしている。以下、このスリーブ抜け防止制御について詳細に説明する。
図6は、スリーブ抜け防止制御において、インギヤ位置にあるスリーブSL(変速ギヤ32側又は変速ギヤ34側に嵌合中のスリーブSL)に抜け防止用のシフト荷重を印加する手順を示すフローチャートである。ここではまず、インギヤ位置にあるスリーブSLに抜け防止用のシフト荷重を印加する前提として、スリーブSLがインギヤ位置にあるか否かを判断する(ステップST1)。スリーブSLがインギヤ位置にあるか否かは、変速機構2aのメインシャフト(入力軸)10とカウンタシャフト(出力軸)13との回転数差が所定回転数以下であること、又はスリーブSLの軸方向の位置を検出するための位置センサ(図示せず)を設けている場合は、当該位置センサによって検出したスリーブ位置の情報に基づいて判断することが可能である。その結果、スリーブSLがインギヤ位置に無いと判断した場合(NO)は、そのまま処理を終了する。一方、スリーブSLがインギヤ位置に有ると判断した場合(YES)は、まず、インギヤ位置のスリーブSLに対応する油圧アクチュエータに連通する油路73〜76に切り替えがあったか否かを判断する(ステップST2)。この場合の油路73〜76の切り替えは、シフトバルブVA,VBの切り替えで行われるため、油路73〜76の切り替えがあったか否かは、AT−ECU5によるシフトソレノイドSA,SBの駆動が行われたことで判断できる。すなわち、シフトソレノイドSA,SBの駆動が行われた旨の信号などを含むアクチュエータ状態信号に基づいて判断できる。
上記油路の切り替えの具体例を説明すると、図3に示す1−3速同期係合装置S1のスリーブSLが1速インギヤ位置にある状態で、2速段への変速指令が出された場合、第2シフトバルブVBの切り替えによって、2−4速油圧アクチュエータA2の2速ピストンP2に油圧が印加されることで、2−4速同期係合装置S2のスリーブSLが中立位置から2速インギヤ位置へ移動して2速インギヤ状態(嵌合状態)となる(2速プレシフト)。
図7は、この場合の油圧制御装置6における作動油の流れを示す図である。同図に示すように、第2シフトバルブVBの切り替えによって、2−4速油圧アクチュエータA2の2速ピストンP2に油圧が印加されることで、2−4速同期係合装置S2のスリーブSLが中立位置から2速インギヤ位置へ移動して2速インギヤ状態(嵌合状態)となったとき、シフトフォークF2の移動に伴い油圧アクチュエータA2の4速ピストンP4から油路76を通って作動油が押し出される。この押し出された作動油の一部が、図7の矢印で示すように、リザーバ51に通じる戻り油路77を経由して油圧アクチュエータA1の3速ピストンP3側に流れ込んでしまう。これにより、1速インギヤ位置にある1−3速同期係合装置S1のスリーブSLに対して中立位置へ向けて(インギヤ位置から抜ける方向へ)移動させようとする荷重が付加されてしまう。すなわちこの場合は、1速インギヤ位置にある1−3速同期係合装置S1のスリーブSLに対応する油路73〜77の切り替えがあったことになる。
そして、インギヤ位置のスリーブSLに対応する油圧アクチュエータに連通する油路73〜76に切り替えがあったと判断する場合(ステップST2でYES)は、スリーブSLの抜け予測判定を行い、油路切替時のスリーブ荷重の指令を出す(ステップST3)。そして、当該スリーブ荷重の指令に基づいてスリーブ荷重の演算を行い(ステップST13)、演算結果に基づいて、油圧アクチュエータA2でインギヤ位置のスリーブSLに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する(ステップST14)。具体的には、2−4速同期係合装置S2のスリーブSLが2速インギヤ位置にあれば、2速ピストンP2に油圧を印加することで、2速インギヤ側へのシフト荷重を印加する。
一方、先のステップST2でインギヤ位置にあるスリーブSLの油圧アクチュエータに連通する油路に切り替えが無かったと判断する場合(NO)は、続けて、車両の走行状態が加速状態から減速状態に切り替わったか否かを判断する(ステップST4)。この判断は、TM入力トルクセンサ208で検出された変速機構2aの入力トルク信号などに基づいて、エンジン1の出力が正出力から負出力へ切り替わったか否か基づいて行われる。その結果、車両の走行状態が加速状態から減速状態に切り替わったと判断する場合(YES)は、スリーブの抜け予測判定を行い、加速状態から減速状態への切替時のスリーブ荷重の指令を出す(ステップST5)。そして、当該スリーブ荷重の指令に基づいて、スリーブ荷重の演算を行い(ステップST13)、この演算結果に基づいて、インギヤ位置のスリーブSLに対して油圧アクチュエータでインギヤ側へのシフト荷重を印加する(ステップST14)。
一方、先のステップST4で車両の走行状態が加速状態から減速状態に切り替わっていないと判断する場合(NO)は、続けて、車両の走行状態が減速状態から加速状態に切り替わったか否かを判断する(ステップST6)。この判断は、TM入力トルクセンサ208で検出された変速機構2aの入力トルク信号などに基づいて、エンジン1の出力が負出力から正出力へ切り替わったか否か基づいて行われる。その結果、車両の走行状態が減速状態から加速状態に切り替わったと判断する場合(YES)は、スリーブSLの抜け予測判定を行い、減速状態から加速状態への切替時のスリーブ荷重の指令を出す(ステップST7)。そして、当該スリーブ荷重の指令に基づいて、スリーブ荷重の演算を行い(ステップST13)、この演算結果に基づいて、油圧アクチュエータでインギヤ位置のスリーブSLに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する(ステップST14)。
一方、先のステップST6で車両の走行状態が減速状態から加速状態に切り替わっていないと判断する場合(NO)は、続けて、自動変速機2(変速機構2a)の入力回転数が所定回転数以上であるか否かを判断する(ステップST8)。この判断は、メインシャフト回転数センサ202で検出された変速機構2aの入力軸10の回転数信号に基づいて行われる。その結果、自動変速機2(変速機構2a)の入力回転数が所定回転数以上であると判断する場合(YES)は、スリーブSLの抜け予測判定を行い、回転数別のスリーブSL荷重を指令を出す(ステップST9)。そして、当該スリーブ荷重の指令に基づいて、スリーブ荷重の演算を行い(ステップST13)、この演算結果に基づいて、油圧アクチュエータでインギヤ位置のスリーブSLに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する(ステップST14)。
一方、先のステップST8で自動変速機2(変速機構2a)の入力回転数が所定回転数未満であると判断する場合(NO)は、続けて、自動変速機2(変速機構2a)の入力トルクが所定トルク以上であるか否かを判断する(ステップST10)。この判断は、TM入力トルクセンサ208で検出された変速機構2aの入力トルク信号に基づいて行われる。その結果、自動変速機2(変速機構2a)の入力トルクが所定トルク以上であると判断する場合(YES)は、スリーブSLの抜け予測判断を行い、入力トルク別のスリーブ荷重指令を出す(ステップST11)。そして、当該スリーブ荷重の指令に基づいて、スリーブ荷重の演算を行い(ステップST13)、この演算結果に基づいて、油圧アクチュエータでインギヤ位置のスリーブSLに対してインギヤ側へのシフト力を印加する(ステップST14)。
そして、先のステップST10で自動変速機2(変速機構2a)の入力トルクが所定トルク未満であると判断する場合(NO)は、車両のイグニッションキー(図示せず)がオンの状態であるか否かを判断する(ステップST12)その結果、イグニッションキーがオンの状態であれば(YES)、先のステップST1に戻り、それ以降の処理を再度実行する。一方、イグニッションキーがオフの状態であれば(NO)、そのまま処理を終了する。
図8は、上記手順でスリーブ抜け防止用のシフト荷重を印加する場合の各種値の変化を示すタイミングチャートである。同図では、アクセルペダル開度AP(又は変速機構2aの入力トルク信号)、変速段の指令、変速の際に油圧アクチュエータに与える油圧、エンジン1の回転数Ne、インギヤ位置のスリーブSLに印加する抜け防止用のシフト荷重Fそれぞれの経過時間tに対する変化を示している。ここではまず、アクセルペダル開度APが一定値(正の値)の状態で、エンジン1の回転数Neが次第に上昇してゆき、時刻t1で所定回転数(Ne1)以上となる。これにより、スリーブSLの抜け予測判定がなされ、インギヤ位置のスリーブSLに対して抜け防止用のシフト荷重Fが印加される。
すなわち、エンジン1の回転数Neが所定回転数Ne1以上の高回転であることによって、走行中の変速段の変速ギヤ及び回転軸などが高回転となり、その振動が増大することによりスリーブSLがインギヤ位置から抜けるおそれがあるところ、上記の抜け防止用のシフト荷重Fを印加することで、スリーブSLの抜けを効果的に防止できる。そして、抜け防止用のシフト荷重Fは、エンジン1の回転数Neが所定回転数Ne1以上となっている間は印加され続け、ここでは、時刻t1から所定時間(dta)継続して印加される。このように、スリーブ抜け予測判定がされている間は、スリーブSLへのシフト荷重Fの印加を継続することで、インギヤ位置にあるスリーブが抜けることをより確実に防止できる。
その一方で、スリーブSLの抜けを未然に防止するためにインギヤ位置のスリーブSLへのシフト荷重Fの印加を継続すると、スリーブSLと摺動するシフトフォークF2などの構成部品に摩耗による劣化が進むなどの不具合が生じるおそれがある。そこで、スリーブSLが抜ける可能性のある状態が終了した後には、スリーブSLに印加していたシフト荷重Fを解除するか又は低減することより、シフトフォークF2などの構成部品に摩耗などの悪影響が生じることを抑制できる。
また、時刻t2では、変速段を変更する指令(アップシフト変速指令)が出され、それに伴い、変速先の油圧アクチュエータのピストンに油圧が印加されて同期係合装置による変速段の切り替え(n速段からn+1速段への切り替え)が行われる。具体例を挙げると、1−3速同期係合装置S1のスリーブSLが1速インギヤ位置にある状態で、2速段への変速指令が出された場合、2−4速油圧アクチュエータA2の2速ピストンP2に油圧が印加されることで、2−4速同期係合装置S2のスリーブSLが中立位置から2速インギヤ位置へ移動して2速インギヤ状態(嵌合状態)となる(2速プレシフト)。
この場合、先の図7に示すように、2−4速油圧アクチュエータA2の2速ピストンP2に油圧が印加されることで、2−4速同期係合装置S2のスリーブSLが中立位置から2速インギヤ位置へ移動して2速インギヤ状態(嵌合状態)となったとき、シフトフォークF2の移動に伴い油圧アクチュエータA2の4速ピストンP4から油路76を通って作動油が押し出される。この押し出された作動油の一部が、リザーバ51に通じる戻り油路77を経由して油圧アクチュエータA1の3速ピストンP3側に流れ込んでしまう。これにより、1速インギヤ位置にある1−3速同期係合装置S1のスリーブSLに対して中立位置へ向けて(インギヤ位置から抜ける方向へ)移動させようとする荷重が付加されてしまう。
これに対して、時刻t1でエンジン1の回転数Neが所定回転数Ne1を上回ってから、2−4速同期係合装置S2のスリーブSLが2速インギヤ位置へ移動して嵌合状態となった後まで、1速インギヤ位置にある1−3速同期係合装置S1のスリーブSLに対して1速インギヤ位置へのシフト荷重(抜け防止用のシフト荷重)Fの印加が継続する。これにより、上記の戻り油路77を介して1速ピストンP1に流れ込む作動油の影響で、1速インギヤ位置にある1−3速同期係合装置S1のスリーブSLに対して中立位置へ向けて移動させる荷重が印加されることによるスリーブSLの抜けを未然に防止することができる。
すなわちここでは、第1、第2シフトバルブVA,VBによってインギヤ位置のスリーブSLに対応するピストンP1〜P4に連通する油路73〜76の切り替えが行われたときに、スリーブ抜け予測判定がされ、インギヤ位置のスリーブSLに対してインギヤ位置へのシフト荷重(抜け防止用のシフト荷重)が印加されるようになっている。
なお、図8のタイミングチャートでは、時刻t3及び時刻t5でもエンジン1の回転数Neが所定回転数Ne1以上となることで、インギヤ位置のスリーブSLに対して抜け防止用のシフト荷重Fが印加される。また、時刻t4及びt6で変速段を変更する指令(アップシフト変速指令)が出され、それに伴い変速先の油圧アクチュエータのピストンに油圧が印加されて、同期係合装置による変速段の切り替えが行われる。
その後、時刻t7では、アクセルペダル開度APが正の値から零になることで、設定されている変速段の変速ギヤを介して伝達されるトルクの正負が反転する。これにより、スリーブSLの抜け予測判断がなされ、インギヤ位置のスリーブSLに対して抜け防止用のシフト荷重が印加される。この抜け防止用のシフト荷重は、ここでは、時刻t7から所定時間(dtb)継続して印加される。
また、時刻t8では、変速段を変更する指令(ダウンシフト変速指令)が出され、それに伴い、変速先のスリーブSLアクチュエータに油圧が印加されて同期係合装置による変速段の切り替えが行われる。具体例を挙げると、2−4速同期係合装置S2のスリーブSLが4速インギヤ位置にある状態で、3速段への変速の指令が出された場合、1−3速アクチュエータA1の3速ピストンに油圧が印加されることで、1−3速同期係合装置S1のスリーブSLが中立位置から3速インギヤ位置へ移動して嵌合状態となる(3速プレシフト)。
この場合にも、シフトフォークF1の移動に伴い油圧アクチュエータA1の3速ピストンP3から押し出された作動油の一部が、戻り油路77を経由して油圧アクチュエータA2の2速ピストンP2側に流れ込んでしまう。これにより、4速インギヤ位置にある2−4速同期係合装置S2のスリーブSLに対して、中立位置へ向けて(インギヤ位置から中立位置へ抜ける方向へ)移動させる荷重が印加されてしまう。
これに対して、時刻t8で4速インギヤ位置にある2−4速同期係合装置S2のスリーブSLに対して、速インギヤ位置へのシフト荷重(抜け防止用のシフト荷重)の印加が行われる。これにより、変速段の設定に伴う油路の切り替えによって、4速インギヤ位置にある2−4速同期係合装置S2のスリーブSLに対して中立位置へ向けて移動させる荷重が付加されることによるスリーブSLの抜けを防止することができる。

また、時刻t9では、アクセルペダル開度AP(TM入力トルク)が再び零から正の値になることで、設定されている変速段の変速ギヤを介して伝達されるトルクの正負が反転する。これにより、スリーブSLの抜け予測判定がなされ、インギヤ位置のスリーブSLに対して抜け防止用のシフト荷重Fが印加される。この抜け防止用のシフト荷重Fは、ここでは時刻t9から所定時間(dtb)継続して印加される。
エンジン1の出力が所定量以上変化した場合、又はエンジン1の出力が正出力と負出力との間で変化した場合には、インギヤ位置のスリーブにかかっている回転方向の加速度が急激に変化することで、インギヤ位置のスリーブに対して中立位置側へ抜ける方向への荷重が付加されることがある。これに対して、上記のようにアクセルペダル開度APが変化した場合にスリーブ抜け予測判定をしてインギヤ位置のスリーブに対してインギヤ側へのシフト荷重Fを印加する制御を行うことで、スリーブの抜けを未然に防止できる。
以上説明したように、本実施形態の変速機の制御装置では、インギヤ位置にあることが判断されたスリーブSLに対して、中立位置側へ抜ける可能性がある旨のスリーブ抜け予測判定がされたとき、インギヤ位置のスリーブSLに対してインギヤ側へのシフト荷重Fを印加する制御を行うようにした。すなわち、インギヤ位置で変速ギヤ側に嵌合しているスリーブが実際に抜ける前に、抜ける可能性のある状態を検知し、その場合にスリーブに対して抜け防止のためのシフト荷重を印加することで、スリーブの抜けを未然に防止するようにした。これにより、インギヤ位置のスリーブが実際に抜けてしまうことで、必要な変速段で走行できないことを防止できるようになる。また、スリーブの抜けを予測することで、スリーブが実際に抜けることを確実に防止でき、車両の走行中に運転者の意図しない駆動力変化が生じることを抑制できるので、運転者に違和感を与えない良好な走行制御が可能となる。
また、上記のスリーブSLに印加する抜け防止用のシフト荷重Fは、エンジン1の出力又は回転数が所定値よりも高い場合には、所定値よりも低い場合と比較してより大きくするとよい。このように、エンジン1の出力又は回転が高出力又は高回転であるほど、インギヤ位置のスリーブSLに対して印加するシフト荷重を大きくする制御を行うことで、車両が通常の穏やかな走行状態や加減速の少ない走行状態(クルーズ走行状態など)では、インギヤ位置のスリーブSLに対して印加するシフト荷重を小さく抑えることができる。すなわち、クルーズ走行中とエンジン1の出力の大きな変化を伴う走行中とでインギヤ位置のスリーブSLに印加する抜け防止用のシフト荷重の大きさを異ならせるようにする。これにより、スリーブSLが摺動するシフトフォークF2の摩耗を最小限に抑えることができる。また、スリーブSLとシフトフォークF2との摩擦を低減できるので、車両の燃費向上にも寄与できる。
また、上記のスリーブSLに印加する抜け防止用のシフト荷重Fは、TM入力トルクセンサ208で検出した変速機構の入力トルクが小さいほど、大きくなるように制御するとよい。変速機構2aの入力トルク(変速機構2aが伝達する伝達トルク)が小さい場合には、変速ギヤやスリーブSLなど係合切替装置の各部にかかる回転方向の駆動力が小さいため、インギヤ位置で変速ギヤ側に嵌合しているスリーブSLと変速ギヤ側との噛合力が弱く、その分、インギヤ位置のスリーブSLが抜ける方向へ移動するおそれが高い。そのため、上記のようにTM入力トルクセンサ208で検出したトルクが小さい程、スリーブSLに印加するシフト荷重を大きくすることで、スリーブSLの抜けをより確実に防止できるようになる。
また、上記のスリーブSLに印加する抜け防止用のシフト荷重Fの大きさは、シフトフォークF2のスリーブSLに対する摺接部が、車両の全寿命の間、磨滅によって機能が損なわれないと想定される範囲の大きさとすることが望ましい。これにより、スリーブSLの抜けを未然に防止しながらも、スリーブSL及びシフトフォークF2の磨耗を抑制でき、車両の全寿命に渡ってスリーブSL及びシフトフォークF2の交換が不要となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
1 エンジン(原動機)
2 自動変速機
2a 変速機構(変速機)
6 油圧制御装置(シフトアクチュエータ)
8 アクセルペダル(原動機出力可変手段)
10 メインシャフト(入力軸)
11 第1入力軸
12 第2入力軸
13 カウンタシャフト(出力軸)
17 第1駆動軸(回転軸)
18 第2駆動軸(回転軸)
31〜38 駆動ギヤ(変速ギヤ)
51 リザーバ
52 ストレーナ
201 クランクシャフト回転数センサ
202 メインシャフト回転数センサ
203 カウンタシャフト回転数センサ
206 スロットル開度センサ
207 アクセルペダル開度センサ
209 TM入力トルクセンサ
A1 1速油圧アクチュエータ
A2 2速油圧アクチュエータ
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
F1 シフトフォーク
F2 シフトフォーク
GR1 第1変速機構
GR2 第2変速機構
LS1 第1リニアソレノイドバルブ(調圧手段)
LS2 第2リニアソレノイドバルブ(調圧手段)
P1 1速ピストン
P2 2速ピストン
P3 3速ピストン
P4 4速ピストン
S1 1速同期係合装置
S2 2速同期係合装置
S3 3速同期係合装置
S4 4速同期係合装置
SA 第1シフトソレノイド(電磁弁)
SB 第2シフトソレノイド(電磁弁)
VA 第1シフトバルブ(切替弁)
VB 第2シフトバルブ(切替弁)

Claims (9)

  1. 第1クラッチを介して駆動源の駆動力が入力される第1入力軸と、第2クラッチを介して前記駆動源の駆動力が入力される第2入力軸と、を含む回転軸と、
    前記第1入力軸又は前記第2入力軸に入力された駆動力の回転を変速するための複数の駆動ギヤと、
    前記複数の駆動ギヤと噛合する複数の従動ギヤが固定され、前記駆動ギヤと前記従動ギヤとを介して変速された駆動力を出力する出力軸と、
    前記第1入力軸上の駆動ギヤのいずれかを選択的に前記第1入力軸に同期係合させる第1同期係合装置と、前記第1同期係合装置を駆動するための第1変速アクチュエータと、
    前記第2入力軸上の駆動ギヤのいずれかを選択的に前記第2入力軸に同期係合させる第2同期係合装置と、前記第2同期係合装置を駆動するための第2変速アクチュエータと、を備える変速機において、
    前記第1、第2同期係合装置は、
    前記回転軸上に相対回転不能に設置されたハブと、
    前記ハブに対して相対回転不能且つ軸方向へ移動可能に取り付けられたスリーブと、を有し、
    前記スリーブは、軸方向で前記ハブのみに重なることで、前記回転軸に対する前記駆動ギヤの相対回転を許容する中立位置と、軸方向で前記ハブと前記駆動ギヤの両方に重なることで、当該駆動ギヤを前記回転軸に対して相対回転不能に係合させるインギヤ位置との間で移動可能であり、
    前記第1、第2変速アクチュエータは、前記スリーブを前記中立位置と前記インギヤ位置との間で移動させるためのシフトアクチュエータであり、
    前記第1、第2変速アクチュエータを制御するための制御手段と、
    前記スリーブが前記インギヤ位置にあることを判断するインギヤ判断手段と、
    前記インギヤ位置にある前記スリーブが前記中立位置側へ抜ける可能性があるか否かを判断するスリーブ抜け予測手段と、を備え、
    前記第1同期係合装置と前記第2同期係合装置のいずれか一方のスリーブがインギヤ位置にあることで当該インギヤ位置の変速段を確立させている状態で、前記第1同期係合装置と前記第2同期係合装置のいずれか他方のスリーブがインギヤ位置となることで当該インギヤ位置の変速段のプレシフトが行われたときに、
    前記インギヤ判断手段により、前記変速段を確立させている同期係合装置における前記インギヤ位置にあることが判断されたスリーブに対して、
    前記スリーブ抜け予測手段により前記中立位置側へ抜ける可能性がある旨のスリーブ抜け予測判定がされたとき、
    前記制御手段は、前記シフトアクチュエータで前記変速段を確立させている同期係合装置における前記インギヤ位置のスリーブに対してインギヤ側へのシフト荷重を印加する制御を行う
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 前記シフトアクチュエータは、
    油圧を発生させる油圧発生手段と、
    前記油圧発生手段で発生した油圧を調圧可能な調圧手段と、
    前記一又は複数の係合切替機構が有する一又は複数のスリーブを駆動するための複数のピストンと、
    前記調圧手段で調圧された油圧を前記複数のピストンへ選択的に印加するための複数の油路と、
    前記複数の油路を切り替えるための油路切替手段と、を有し、
    前記プレシフトを行うための前記油路切替手段の切り替えに伴い、前記変速段を確立させている同期係合装置における前記インギヤ位置のスリーブに対応する前記ピストンの油圧が変動すると判断する場合に、前記スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定がされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
  3. 前記油路切替手段は、前記複数の油路を切り替える切替バルブであり、
    前記切替バルブを駆動する電磁弁を備え、
    前記制御手段による前記プレシフトを行うための制御で前記電磁弁が作動したときに、前記スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定がされる
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速機の制御装置。
  4. 車両の運転者の操作に基づいて前記原動機の出力を変化させる原動機出力可変手段と、
    前記原動機の出力を検出する原動機出力検出手段と、を備え、
    前記原動機出力検出手段で検出された出力が所定量以上変化した場合、又は該出力が正出力と負出力との間で変化した場合に、前記スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定がされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
  5. 車両の運転者の操作に基づいて前記原動機の出力を変化させる原動機出力可変手段と、
    前記原動機の回転数を検出する回転数検出手段と前記原動機の出力を検出する原動機出力検出手段の少なくともいずれかと、を備え、
    前記原動機の回転数が所定回転数以上の高回転となる場合、又は前記原動機の出力が所定以上の高出力となる場合に、前記スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定がされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
  6. 前記スリーブ抜け予測手段は、前記プレシフトが行われる同期係合装置におけるスリーブの前記インギヤ位置への移動が完了するまでは、前記スリーブ抜け予測判定を継続し、
    前記制御手段は、
    前記スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定がされている間は、前記シフトアクチュエータによる前記スリーブへのシフト荷重の印加を継続する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の変速機の制御装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記スリーブ抜け予測手段によるスリーブ抜け予測判定が解除されたときには、前記シフトアクチュエータによる前記スリーブへのシフト荷重の印加を解除するか又は低減させる
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の変速機の制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記原動機の出力又は回転数が所定値よりも高い場合には、所定値よりも低い場合と比較して、前記シフトアクチュエータによる前記スリーブへのシフト荷重をより大きくする制御を行う
    ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の変速機の制御装置。
  9. 前記変速機が伝達する伝達トルクを検出する伝達トルク検出手段を備え、
    前記シフトアクチュエータによる前記スリーブへのシフト荷重は、前記伝達トルク検出手段で検出した伝達トルクが小さい程大きくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
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