JP2005090323A - 液体遮断弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加工精度を比較的低く抑えることができ、かつ組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる液体遮断弁を提供する。
【解決手段】 液体遮断弁20は、燃料タンク10内の上部にボディ21を配置し、ボディ21内の上部21aに仕切壁27を取り付けて、ボディ21内を主空間28と上空間29とに仕切り、仕切壁27の中央に第1通孔31を形成し、第1通孔31の下方の主空間28にフロート22を昇降自在に配置し、フロート22と第1通孔31との間にサブバルブ32を配置し、サブバルブ32に、第1通孔31より小径の第2通孔33を形成したものである。液体遮断弁20は、フロートにサブバルブを上下動可能に取り付けるとともに、サブバルブを自重で第2弁体に載置可能に構成し、第1、第2の弁体を弾性変形可能な部材で形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、通常時にはタンク内に発生した流体の蒸気を、タンク外部のキャニスタなどに逃がし、タンク内の液体がボディ内に侵入した時には、侵入した液体でフロートを上昇させて、液体がタンクの外部に流出することを防ぐ液体遮断弁に関する。
自動車などの燃料タンクに取り付けるとともに、流路を介してキャニスタに連結する液体遮断弁が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、弁のシール性を比較的容易に確保できる液体遮断弁も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7―301353号公報(第6頁、図1) 特開平8―184388号公報(第5−6頁、図1)
図16は特許文献1の図1の断面図である。なお、符号を振り直した。
液体遮断弁200は、燃料タンク201上部から燃料タンク201内にボディ202を挿入し、このボディ202内に燃料タンク201の外部に連通する第1通孔203を形成し、この第1通孔203の下方にフロート204を上下方向に移動可能に配置し、このフロート204と第1通孔203との間にサブバルブ205を配置し、このサブバルブ205に、第1通孔203より小径の第2通孔206を形成したものである。
液体遮断弁200によれば、通常時には、第1通孔203を開いた状態に保ち、燃料タンク201内に発生した燃料蒸気を第1通孔203から矢印の如くキャニスタ207に逃がす。
一方、燃料タンク201内の燃料がボディ202内に侵入した時には、侵入した燃料の浮力でフロート204を上昇させて、フロート204上部の第2弁体208で第2通孔206を塞ぐとともに、サブバルブ205上部の第1弁体209で第1通孔203を塞ぐ。これにより、燃料が燃料タンク201の外部に流出することを防ぐ。
ここで、第1、第2の通孔203,206を塞いだ際に、燃料蒸気が、仕切壁211の下空間212に溜まることが考えられる。下空間212に燃料蒸気が溜まると、下空間212の圧力が、仕切壁211の上空間213の圧力より大きくなることが考えられる。
この状態で、ボディ202内の燃料が燃料タンク201に戻ると、フロート204に浮力がかからなくなり、フロート204が自重で下降しようとする。
この際、上下の空間212,213の圧力差が第2通孔206に影響して、フロート204を現状の位置に保持しようとする。
しかし、第2通孔206は、第1通孔203と比較して小径なので、フロート204を現状の位置に保持しようとする力に比べて、フロート204の自重は大きい。よって、フロート204を下降させて、第2通孔206を開く。
第2通孔206が開くことで、下空間212と上空間213とが連通し、空間212,213の圧力が一定になる。
空間212,213の圧力が一定になるとともに、フロート204のフランジ204aが、サブバルブ205の爪部214に当接し、サブバルブ205をフロート204の自重で下降して、第1通孔203を開く。
第1通孔203は、第2通孔206と比較して大径なので、燃料タンク201内に発生した燃料蒸気を好適にキャニスタ207に導く。
ここで、特許文献1の液体遮断弁200は、第1通孔203を備える仕切壁211を樹脂材で形成し、この第1通孔203を塞ぐ第1弁体209を樹脂材で形成する。
さらに、第2通孔206を備えるサブバルブ205を樹脂材で形成し、この第2通孔206を塞ぐ第2弁体208を樹脂材で形成する。
このように、仕切壁211、第1弁体209、サブバルブ205および第2弁体208をそれぞれ樹脂材で形成したので、第1、第2の通孔203,206を好適に塞ぐために、第1、第2の弁体209,208や第1、第2の通孔203,206を、通常の加工精度と比べて一層精度よく加工する必要がある。
しかし、第1、第2の弁体209,208や第1、第2の通孔203,206を一層精度よく加工するためには、加工精度の高い設備を準備する必要があり、そのことが製品のコストを下げる妨げになっていた。
この不具合を解消する液体遮断弁として、特許文献2の技術が知られている。
以上の特許文献2の図1を再掲して、従来の技術を詳しく説明する。
図17は特許文献2の図1の断面図である。なお、符号を振り直した。
液体遮断弁220は、燃料タンク221上部から燃料タンク221内にボディ222を挿入し、このボディ222内に燃料タンク221の外部に連通する第1通孔223を形成し、この第1通孔223の下方にフロート224を上下方向に移動可能に配置し、このフロート224と第1通孔223との間にサブバルブ225を配置したものである。
サブバルブ225は、一例としてゴム材で形成した弾性変形可能な部材であり、中央に第1弁体226を備え、第1弁体226から外側に向けてアーム227…(…は複数を示す)を延ばし、アーム227…の先端に固定部228をリング状に形成し、固定部228をボディ222に取り付けたものである。
そして、第1弁体226の中央に、第1通孔223より小径の第2通孔231を形成する。
この液体遮断弁220によれば、通常時には、サブバルブ225の第1弁体226をスプリング232のばね力で押し下げて第1通孔223を開いた状態に保つ。第1通孔223を開いた状態に保つことで、燃料タンク221内に発生した燃料蒸気を第1通孔223からキャニスタ233に逃がす。
一方、燃料タンク221内の燃料がボディ222内に侵入した時には、侵入した燃料の浮力でフロート224を上昇させ、フロート224上部の第2弁体229を第1弁体226の下面に押し付ける。これにより、第2弁体229で第2通孔231を塞ぐとともに、第1弁体226をスプリング232のばね力に抗して押し上げる。
第1弁体226を押し上げることで、第1弁体226の上面を仕切壁234に押し付けて、第1弁体226で第1通孔223を塞ぐ。これにより、燃料が燃料タンク221の外部に流出することを防ぐ。
液体遮断弁220によれば、サブバルブ225をゴム材などの弾性変形可能な部材で形成したので、第1、第2の通孔223,231を塞ぐ際に、サブバルブ225の第1弁体226を弾性変形させることが可能になる。
このため、第1、第2の弁体226,229や仕切壁234の加工精度を比較的低く抑えても、第1弁体226を弾性変形させることで、第2弁体229で第2通孔231を好適に塞ぎ、第1弁体226で第1通孔223を好適に塞ぐことは可能である。
なお、第1、第2の弁体226,229を設けた理由は、図16で説明した内容と同じである。
しかし、この液体遮断弁220は、通常時に、第1通孔223を開いた状態に保つために、スプリング232を備え、このスプリング232のばね力で第1弁体226を仕切壁234から下方に押し下げる必要がある。
このように、第1通孔223を開いた状態に保つために、スプリング232を必要とし、そのことが液体遮断弁220の組付けに手間がかかり、生産性を高める妨げになっていた。
本発明は、加工精度を比較的低く抑えることができ、かつ組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる液体遮断弁を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、タンク内の上部にボディを配置し、このボディ内にタンクの外部に連通する第1通孔を形成し、この第1通孔の下方にフロートを昇降自在に配置し、このフロートと第1通孔との間にサブバルブを配置し、このサブバルブに、第1通孔より小径の第2通孔を形成し、タンク内の流体がボディ内に侵入した際に、侵入した液体でフロートを上昇させて、フロート上部の第2弁体で第2通孔を塞ぐとともに、サブバルブ上部の第1弁体で第1通孔を塞ぐ液体遮断弁において、前記フロートに前記サブバルブを上下動可能に取り付けるとともに、このサブバルブを自重で前記第2弁体に載置可能に構成し、前記第1弁体を弾性変形可能な部材で形成し、前記第2弁体および前記サブバルブのうち第2弁体に当接する部位の少なくとも一方を弾性変形可能な部材で形成したことを特徴とする。
第1弁体を弾性変形可能な部材で形成し、第2弁体およびサブバルブのうち第2弁体に当接する部位の少なくとも一方を弾性変形可能な部材で形成した。
これにより、第1弁体、第1通孔、第2弁体や第2通孔の加工精度を必要以上に高めなくても、第1弁体で第1通孔を好適に塞ぐことができ、第2弁体で第2通孔を好適に塞ぐことができる。
さらに、サブバルブの自重を利用して第2弁体にサブバルブを載せることで、例えばサブバルブを下方に押し下げるために、従来技術で必要とされていたスプリングを不要にできる。
このように、スプリングを不要にすることで、液体遮断弁の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
請求項2に係る発明は、第2弁体をフロートに固定するとともに、前記第2弁体から弾性変形可能な腕部を延ばし、延ばした腕部をサブバルブに取り付けたことを特徴とする。
第2弁体をフロートに固定するとともに、弾性変形可能な腕部を介してサブバルブに取り付けた。よって、第1、第2の弁体でそれぞれ第1、第2の通孔を塞いだ状態から、腕部を弾性変形させることで、フロートと一体に第2弁体のみを下降させて第2通孔のみを開くことができる。
第2通孔を開いた後、腕部を介してフロートの自重をサブバルブにかけ、サブバルブを下降して第1通孔を開くことができる。
このように、フロートの自重を腕部を介してサブバルブにかけることで、従来技術で必要としていたスプリングを使用せずにサブバルブを下降して第1通孔を開くことができる。
これにより、液体遮断弁にスプリングを組み付ける手間を省いて、液体遮断弁の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
請求項3に係る発明は、サブバルブから弾性変形可能な腕部を延ばし、延ばした腕部をフロートに取り付けたことを特徴とする。
サブバルブを弾性変形可能な腕部を介してフロートに取り付けた。よって、第1、第2の弁体でそれぞれ第1、第2の通孔を塞いだ状態から、腕部を弾性変形させることで、フロートと一体に第2弁体のみを下降させて第2通孔のみを開くことができる。
第2通孔を開いた後、腕部を介してフロートの自重をサブバルブにかけ、サブバルブを下降して第1通孔を開くことができる。
第2通孔を開いた後、腕部を介してフロートの自重をサブバルブにかけ、サブバルブを下降して第1通孔を開くことができる。このように、フロートの自重を腕部を介してサブバルブにかけることで、従来技術で必要としていたスプリングを使用せずにサブバルブを下降して第1通孔を開くことができる。
これにより、液体遮断弁にスプリングを組み付ける手間を省いて、液体遮断弁の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
また、従来技術のスプリングを除去することで、部品点数を減らすことができる。
請求項1に係る発明では、第1弁体、第1通孔、第2弁体や第2通孔を加工するための設備費を抑えることで、液体遮断弁のコストを下げることができるという利点がある。
さらに、スプリングを不要にすることで、液体遮断弁の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができ、生産性を高めることができるという利点がある。
請求項2に係る発明では、液体遮断弁にスプリングを組み付ける手間を省くことで、液体遮断弁の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことが可能になり、生産性を高めることができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、液体遮断弁にスプリングを組み付ける手間を省くことで、液体遮断弁の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことが可能になり、生産性を高めることができるという利点がある。
さらに、従来技術のスプリングを除去することで、部品点数を減らすことができ、液体遮断弁を簡単な構成とすることができるという利点がある。
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)を備えた燃料タンクの断面図である。
燃料タンク(タンク)10の右端上部10aにフィラーパイプ11を取り付け、略中央上部10bに液体遮断弁20を取り付け、液体遮断弁20のボディ21を燃料タンク10内の上部に配置し、この液体遮断弁20を流路12を介してキャニスタ13に連通させたものである。
フィラーパイプ11は、フィラーパイプ11の上部に供給口(図示せず)を備え、この供給口から供給した燃料(流体)15を下部11aから燃料タンク10内に導くパイプである。
また、液体遮断弁20は、通常時には、ボディ21内のフロート22を下降させた状態に保ち、燃料タンク10内に発生した燃料蒸気を流路12に導いてキャニスタ13に逃がすものである。
さらに、液体遮断弁20は、燃料タンク10内の燃料15がボディ21内に侵入した時には、侵入した燃料15でフロート22を上昇させて、燃料タンク10の外部に燃料15が流出することを防ぐものである。
以下、液体遮断弁20について詳しく説明する。
図2は本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)を示す断面図である。
液体遮断弁20は、ボディ21の上部21aにフランジ23を張り出し、このフランジ23をシール材24を介して燃料タンク10の中央上部10bに配置し、このフランジ23を取付部材25で燃料タンク10の中央上部10bに取り付けるとともに、この中央上部10bの開口部26から燃料タンク10内にボディ21を挿入し、このボディ21内の上部21aに仕切壁27を取り付けて、ボディ21内を主空間28と上空間29とに仕切り、仕切壁27の中央に第1通孔31を形成し、この第1通孔31の下方の主空間28にフロート22を昇降自在に配置し、このフロート22と第1通孔31との間にサブバルブ32を配置し、このサブバルブ32に、第1通孔31より小径の第2通孔33を形成したものである。
ボディ21を円筒状に形成し、このボディ21の側壁34に複数の貫通孔34a…を形成し、ボディ21の上端21aに、上空間29に連通する通気ポート36を備え、この通気ポート36に流路12を介してキャニスタ13を連通する。
また、ボディ21の下部21bの外周に環状係止部37を形成し、この環状係止部37に底蓋38の係止爪39…を係止することで、弁体21の下部21bの開口部を底蓋38で塞ぐ。
第1通孔31は、上空間29と主空間28とを連通する孔で、通常時に貫通孔34a…から主空間28内に侵入した燃料蒸気を、上空間29に好適に導くことができるように直径を大きく形成したものである。
係止爪39…は、複数個(一例として、4個)を底蓋38の外周に等間隔をおいて設けたものである。
図3は本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)のフロートおよびサブバルブを示す分解斜視図である。
フロート22は、本体41を筒状に形成し、この本体41の上部にネック部42を形成し、このネック部42を本体41より小径の環状部とし、ネック部42の頂部にフランジ部43を形成し、このフランジ部43の上面中央に中央突起部44を円状に突出させ、中央突起部44の頂部44aに貫通孔45(図2も参照)を形成し、この貫通孔45の下端部に段部45a(図2参照)を形成し、この段部45aに第2弁体47の係止部48(図2参照)を係止するとともに、中央突起部44の頂部44aに第2弁体47を設けたものである(図2も参照)。
図2に示すように、この係止部48の下部に下向きに延びた延出部48aを備える。延出部48aを貫通孔45に上方から差し込み、段部45a側に延出部48aを突出させ、突出させた延出部48aを下方に引っ張ることで係止部48を段部45aまで移動する。
このように、突出させた延出部48aを下方に引っ張ることで、中央突起部44の段部45aに第2弁体47の係止部48を簡単に取り付けられる。
ここで、フロート22および第2弁体47は、メインバルブを構成する。
図3に戻って、本体41の外周41aに、一例として4個のガイド片51…を等間隔に配置し、これらのガイド片51…を放射状に張り出し、張り出したガイド片51…の先端部51a…をボディ21の内周21c(図2参照)にスライド自在に接触させる。
さらに、本体41の内周41b(図2参照)に、一例として4個の張出片53…を等間隔に配置し、これらの張出片53…を半径方向内側に向けて張り出し、それぞれの張出片53…の先端部53a…をネック部42の内周42a(図2参照)と面一に形成する。
それぞれの張出片53…の先端部53a…に沿ってスプリング55(図2も参照)を配置する。
図2に示すようにスプリング55の上端部55aをフロート22の内部空間の天井面22aに当接し、スプリング55の下端部55bを底蓋38の収納溝38aに収納する。
このスプリング55は、フロート22の自重で圧縮された状態に保たれるように、ばね力が設定されている。すなわち、通常時において、フロート22は、スプリング55のばね力に抗して底蓋38に載った状態を維持する。
このフロート22のフランジ部43の外周に沿わせて、サブバルブ32の脚部57…を配置することにより、サブバルブ32をフランジ部43(すなわち、フロート22)に対して上下方向に移動可能に取り付ける。
図4は本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)の要部を示す分解斜視図である。
サブバルブ32は、図2に示すように中央突起部44の外側に環状部58を配置し、この環状部58の上端部に円板状の天井部59を設け、環状部58の下端部に、一例として5本の脚部57…を等間隔をおいて形成したものである。
環状部58を、フロート22のフランジ部43(図3参照)より略一回り大きな環状体に形成する。この環状部58の外周58aに環状溝61を形成し、この環状溝61に等間隔をおいて、一例として5個の取付孔62…を形成する。
環状溝61の溝幅を、後述するリング部71の幅より僅かに大きく形成する。
また、取付孔62を、後述する腕部68…の断面形状より、一回り大きな矩形状の孔に形成する。
天井部59の上面59aには、天井部59の外周と同心円状の凹部63を形成し、天井部59の中央に通孔64を形成する。
環状部58の下端部から、一例として5本の脚部57…が下方に延び、5本の脚部57…をフランジ部43(図2、図3参照)の外周に沿わせて配置する。
よって、サブバルブ32をフランジ部43(フロート22)に対して上下方向に移動可能に配置する。
このサブバルブ32を、その自重を利用して第2弁体47に載せることが可能になる(図2参照)。このように、サブバルブ32の自重を利用してサブバルブ32を第2弁体47に載せることで、例えばサブバルブ32を下方に押し下げるために、従来技術で必要とされていたスプリングを不要にできる。
スプリングを不要にすることで、液体遮断弁20(図2参照)の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
天井部59の凹部63に第1弁体65を備える。この第1弁体65は、ゴム材などの弾性材料製の部材であって、天井部59の凹部63より一回り小さな円板状に形成し、中央に通孔66を形成した弾性変形可能な部材である。
この第1弁体65を天井部59の凹部63内に一体に取り付けることで、第1弁体65の通孔66を天井部59の通孔64に同軸上に配置する。
第1弁体65の通孔66および天井部59の通孔64を、それぞれ同一径に形成し、第1弁体65の通孔66および天井部59の通孔64で第2通孔33(図2、図3も参照)を構成する。
ここで、第1弁体65を弾性変形可能な部材で形成したので、第1弁体65の上面65aを仕切壁27の下面27a(図2参照)に押し付けた際に、第1弁体65を弾性変形させることができる。
これにより、第1弁体65の上面65a、第1通孔31や仕切壁27の下面27aの加工精度を必要以上に高めなくても、第1弁体65の上面65aを仕切壁27の下面27aに密着させて、第1弁体65で第1通孔31を好適に塞ぐことができる。
環状部58に複数本(例えば、5本)の腕部68…を介して第2弁体47を備える。この第2弁体47は、第1弁体65と同様に、ゴム材などの弾性材料製の部材である。
第2弁体47は、フロート22の中央突起部44(図3参照)と略同径に形成した円板状の部材であって、表面47aに隆起部69を設けるとともに、裏面47bに係止部8(図2も参照)を設けた弾性変形可能な部材である。
隆起部69を円形状に形成し、隆起部69の上面69aを天井部59の裏面59b(図2参照)に押し付けることにより、隆起部69で第2通孔33を塞ぐ。
ここで、第2弁体47を弾性変形可能な部材で形成したので、隆起部69の上面69aを天井部59の裏面59bに押し付けた際に、隆起部69を弾性変形させることができる。
これにより、第2弁体47の隆起部69、第2通孔33や天井部59の裏面59bの加工精度を必要以上に高めなくても、隆起部69の上面69aを天井部59の裏面59bに密着させて、隆起部69で第2通孔33を好適に塞ぐことができる。
また、第2弁体47の裏面47bに設けた係止部48を、フロート22の中央突起部44に形成した段部45a(図2参照)に係止することで、第2弁体47をフロート22の中央突起部44に確実に固定することが可能になる(図2参照)。
第2弁体47の外周に、一例として5本の腕部68…を等間隔をおいて配置する。これらの腕部68…は、第1弁体65と同様に、ゴム材などの弾性材料製の部材である。それぞれの腕部68…は、第2弁体47の外周から放射状に延びるとともに、略く字形に曲げた弾性変形可能な部材で、腕部68…の先端68a…をリング部71に連結したものである。
リング部71も、第2弁体47や腕部68…と同様に、一例としてゴム材などの弾性材料製の部材である。これらのリング部71、腕部68…および第2弁体47は、一例として、ゴム材などの弾性変形可能な部材で一体に形成された部材である。
それぞれの腕部68…の先端68a…を、サブバルブ32を構成する環状部58の取付孔62…に差し込むとともに、リング部71の内側を環状溝61に嵌め込む。
腕部68…を弾性変形可能な材料で形成することで、第2弁体47をサブバルブ32に対して上下方向に移動自在に取り付ける。
ここで、サブバルブ32に腕部68…を取り付ける具体的な方法としては、例えばサブバルブ32およびリング部71、腕部68…および第2弁体47を二色成形が該当する。
二色成形することで、腕部68…の先端68a…を、サブバルブ32を構成する環状部58の取付孔62…に差し込むとともに、リング部71の内側を環状溝61に嵌め込むように成形する。
次に、第1実施形態の液体遮断弁20の作用を図1、図5〜図6に基づいて説明する。
先ず、通常の状態を図1に基づいて説明する。
通常の状態においては、燃料タンク10内の燃料15の液面15aは液体遮断弁20の下方に位置する。よって、液体遮断弁20のボディ21内には燃料15が侵入しないので、フロート22がスプリング55のばね力に抗して、その自重で底蓋38まで下降した状態を保つ。
加えて、サブバルブ32も、その自重で第2弁体47に載った状態を保つ。
これにより、燃料タンク10内に燃料蒸気が発生した場合、発生した燃料蒸気をボディ21の貫通孔34a…を通してボディ21の主空間28に導く。
主空間28に導いた燃料蒸気を第1通孔31を通して上空間29に導き、上空間29の燃料蒸気を通気ポート36および流路12を介してキャニスタ13に導く。
ところで、燃料タンク10を備えた自動車(図示せず)が、例えば坂道を走行する際に、燃料15の液面15aが液体遮断弁20のボディ21まで上昇することが考えられる。この場合の例を、図5〜図6に基づいて説明する。
図5(a)は第1実施形態のボディ内に燃料が侵入した状態を示す説明図、図5(b)は第1実施形態のボディ内に侵入した燃料でフロートが浮き上がった状態を示す説明図である。
(a)において、燃料タンク10内の燃料15の液面15aが、液体遮断弁20のボディ21まで上昇することにより、底蓋38の開口部73からボディ21の主空間28に燃料15が矢印aの如く侵入する。
(b)において、燃料15の液面15aが液体遮断弁20の略中央まで上昇することにより、燃料15がフロート22の上部まで上昇する。
よって、燃料15の浮力がフロート22にかかり、この浮力とスプリング55のばね力とでフロート22を上昇させる。
フロート22が上昇することで、第2弁体47に載ったサブバルブ32がフロート22と一体に上昇する。よって、サブバルブ32に取り付けた第1弁体65の上面65a(図1参照)を仕切壁27の下面27aに押し付ける。
この際に、第1弁体65を弾性変形させて、第1弁体65の上面65aを仕切壁27の下面27aに密着させ、第1弁体65で第1通孔31を塞ぐ。
一方、第1弁体65の上面65aを仕切壁27の下面27aに押し付ける際に、サブバルブ32を第2弁体47に載せた状態なので、第2弁体47の隆起部69の上面69a(図4参照)をサブバルブ32の裏面59bに押し付ける。
この際に、第2弁体47(特に、隆起部69(図2、図4参照))を弾性変形させて、隆起部69の上面69aをサブバルブ32の裏面59bに密着させ、第2弁体47で第2通孔33を塞ぐ。
このように、第1弁体65で第1通孔31を塞ぐとともに、第2弁体47で第2通孔33を塞ぐことにより、主空間28の燃料15が上空間29に侵入することを防ぐ。
図6(a)は第1実施形態の液体遮断弁の第2通孔を開いた状態を示す説明図、図6(b)は第1実施形態の液体遮断弁の第1通孔を開いた状態を示す説明図である。
(a)において、燃料タンク10を備えた自動車(図示せず)が、坂道走行状態から平坦路の走行に戻った際に、燃料15の液面15aが液体遮断弁20の下方に下がる。
これにより、ボディ21の主空間28に溜まった燃料15が、底蓋38の開口部73から燃料タンク10内に流出する。主空間28に溜まった燃料15が流出することにより、フロート22にかかっていた浮力がなくなり、フロート22は、その自重で矢印bの如く下降する。
フロート22の下降により、フロート22と一体に第2弁体47が下降し、第2弁体47の隆起部69がサブバルブ32の裏面59bから離れる。
よって、第2通孔33が開いて、上空間29と主空間28とが連通され、それぞれの空間28,29の圧力が一定になる。
第2弁体47がフロート22と一体に途中まで下降することにより、腕部68…が弾性変形する。この状態から、第2弁体47がさらに下降すると、フロート22および第2弁体47の自重が腕部68…を介してサブバルブ32にかかる。
(b)において、上空間29と主空間28との圧力が一定になっているので、第2弁体47がさらに下降して、フロート22および第2弁体47の自重が腕部68…を介してサブバルブ32にかかると、サブバルブ32は仕切壁27の下面27aから離れて下降する。下降したサブバルブ32は、その自重で第2弁体47に載る。
このように、サブバルブ32が下降して第2弁体47に載ることで、第1通孔31を開いた状態に保つことができる。
よって、通常の状態において、燃料タンク10内に発生した燃料蒸気を第1通孔31から好適に逃がすことができる。
第1実施形態の液体遮断弁20によれば、第2弁体47をフロート22に固定するとともに、弾性変形可能な腕部68…を介してサブバルブ32に取り付けた。
よって、第1、第2の弁体65,47でそれぞれ第1、第2の通孔31,33を塞いだ状態から、腕部68…を弾性変形させることで、フロート22と一体に第2弁体47のみを下降させて第2通孔33のみを開くことができる。
第2通孔33を開いた後、腕部68…を介してフロート22の自重をサブバルブ32にかけ、サブバルブ32を下降して第1通孔31を開くことができる。
このように、フロート22の自重を腕部68…を介してサブバルブ32にかけることで、従来技術で必要としていたスプリングを使用せずにサブバルブを下降して第1通孔31を開くことができる。
これにより、仕切壁27とサブバルブ32との間に、サブバルブ32を押し下げるスプリングを組み付ける手間を省いて、液体遮断弁20の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
次に、第2実施形態の液体遮断弁80について図7〜図10に基づいて説明する。なお、第2実施形態の液体遮断弁80において第1実施形態の液体遮断弁20と同一の構成部材については同一符号を付して説明を省略する。
図7は本発明に係る液体遮断弁(第2実施形態)を示す断面図である。
第2実施形態の液体遮断弁80は、ボディ21の上部21aにフランジ23を張り出し、このフランジ23をシール材24を介して燃料タンク10の中央上部10bに配置し、このフランジ23を取付部材25で燃料タンク10の中央上部10bに取り付けるとともに、この中央上部10bの開口部26から燃料タンク10内にボディ21を挿入し、このボディ21内の上部21aに仕切壁27を取り付けて、ボディ21内を主空間28と上空間29とに仕切り、仕切壁27の中央に第1通孔31を形成し、この第1通孔31の下方の主空間28にフロート82を昇降自在に配置し、このフロート82と第1通孔31との間にサブバルブ91を配置し、このサブバルブ91に、第1通孔31より小径の第2通孔84を形成したものである。
すなわち、第2実施形態の液体遮断弁80は、第1実施形態の液体遮断弁20と比較してフロート82およびサブバルブ91が異なるだけでその他の構成は第1実施形態と同じである。
フロート82は、本体41を筒状に形成し、この本体41の上面41c中央に第2弁体85を形成し、さらに本体41の上面41cに第2弁体85を覆うようにリング状の環状壁87を形成したメインバルブである。
第2弁体85は、基部から先端に向けて漸次小径になるように円錐台に形成し、上面85aを平面状に形成するとともに、環状壁87の上端部87aより低い位置に配置したものである。
図8は本発明に係る液体遮断弁(第2実施形態)のフロートおよびサブバルブを示す斜視図である。
サブバルブ91は、第2弁体85の上面85a(図7参照)に載置可能な部材で、このサブバルブ91の外周に、一例として5本の腕部92…を等間隔に配置する。これらの腕部92…の先端92a…を環状壁87の取付孔93…に差し込み、環状壁87の外周側に突出した腕部92…の先端92a…にリング部94を連結する。
サブバルブ91は、第2弁体85の上面85a(図7参照)の外径と略同じ外径で外周を円状に形成し、その中央に、第1通孔31より小径の第2通孔84を備える。
フロート82の上面41cに形成した環状壁87には、一例として5個の開口部96…を等間隔をおいて形成し、これらの開口部96,96間に取付孔93…を形成する。取付孔93…に、サブバルブ91から延ばした腕部92…を差し込む。
サブバルブ91の外周から、一例として5本の腕部92…が放射状に延び、これらの腕部92…を略中央で折り曲げて略く字形に形成し、これらの腕部92…の先端92aを環状壁87の取付孔93…に差し込み、環状壁87の外周側に突出した腕部92…の先端92a…にリング部94を連結することにより、サブバルブ91を環状壁87に取り付ける。
サブバルブ91の上面(すなわち、第1弁体)91aを平面状に形成するとともに、サブバルブ91の下面91b(図7参照)を平面状に形成する。
このサブバルブ91、腕部92…およびリング部94は、ゴム材などの弾性変形可能な材料で一体に形成した部材である。腕部92…を弾性材料製の部材とすることで、腕部92…に連結したサブバルブ91を環状壁87に対して上下方向に移動可能に取り付ける。
また、第1弁体(サブバルブ)91の自重を利用して第2弁体84にサブバルブ91を載せるように構成する。
よって、例えばサブバルブ91を下方に押し下げるために、従来技術で必要とされていたスプリングを不要にできる。
スプリングを不要にすることで、液体遮断弁80の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
ここで、フロート82の環状壁87に、サブバルブ91、腕部92…およびリング部94を取り付ける具体的な方法としては、例えばサブバルブ91、腕部92…およびリング部94を環状壁87と二色成形が該当する。
二色成形することで、腕部92…の先端92a…を、環状壁87の取付孔93…に差し込むとともに、環状壁87の外周にリング部94を成形する。
図7に戻って、サブバルブ91を弾性材料製の部材とすることで、第1弁体91aを仕切壁27の下面27aに押し付けた際に、第1弁体91aを弾性変形させることができる。
これにより、第1弁体91a、第1通孔31や仕切壁27の下面27aの加工精度を必要以上に高めなくても、第1弁体91aを仕切壁27の下面27aに密着させて、サブバルブ91で第1通孔31を好適に塞ぐことができる。
また、サブバルブ91を弾性材料製の部材とすることで、第2弁体85の上面85aをサブバルブ91の下面91b(サブバルブのうち第2弁体に当接する部位)に押し付けた際に、サブバルブ91の下面91bを弾性変形させることができる。
これにより、第2弁体85の上面85a、第2通孔84やサブバルブ91の下面91bの加工精度を必要以上に高めなくても、第2弁体85の上面85aをサブバルブ91の下面91bに密着させて、第2弁体85の上面85aで第2通孔84を好適に塞ぐことができる。
次に、第2実施形態の液体遮断弁80の作用を図7、図9〜図10に基づいて説明する。
先ず、通常の状態を図7に基づいて説明する。
通常の状態においては、燃料タンク10内の燃料15の液面15aは液体遮断弁80の下方に位置する。よって、液体遮断弁80のボディ21内には燃料15が侵入しないので、フロート82がスプリング55のばね力に抗して、その自重で底蓋38まで下降した状態を保つ。
加えて、サブバルブ82も、その自重で第2弁体85の上面85aに載った状態を保つ。
これにより、燃料タンク10内に燃料蒸気が発生した場合、発生した燃料蒸気をボディ21の貫通孔34a…を通してボディ21の主空間28に導く。
主空間28に導いた燃料蒸気を第1通孔31を通して上空間29に導き、上空間29の燃料蒸気を通気ポート36および流路12を介してキャニスタ13に導く。
ところで、燃料タンク10を備えた自動車(図示せず)が、例えば坂道を走行する際に、燃料15の液面15aが液体遮断弁80のボディ21まで上昇することが考えられる。この場合の例を、図9〜図10に基づいて説明する。
図9(a)は第2実施形態のボディ内に燃料が侵入した状態を示す説明図、図9(b)は第2実施形態のボディ内に侵入した燃料でフロートが浮き上がった状態を示す説明図である。
(a)において、燃料タンク10内の燃料15の液面15aが、液体遮断弁80のボディ21まで上昇することにより、底蓋38の開口部73からボディ21の主空間28に燃料15が矢印cの如く侵入する。
(b)において、燃料15の液面15aが液体遮断弁80の略中央まで上昇することにより、燃料15がフロート82の上部まで上昇する。
よって、燃料15の浮力がフロート82にかかり、この浮力とスプリング55のばね力とでフロート82を上昇させる。
フロート82が上昇することで、第2弁体85に載ったサブバルブ91がフロート82と一体に上昇する。よって、第1弁体91aを仕切壁27の下面27aに押し付ける。
この際に、サブバルブ91を弾性変形させて、第1弁体91aを仕切壁27の下面27aに密着させ、サブバルブ91で第1通孔31を塞ぐ。
一方、第1弁体91aを仕切壁27の下面27aに押し付ける際に、サブバルブ91を第2弁体85の上面85aに載せた状態なので、第2弁体85の上面85aをサブバルブ91の下面91bに押し付ける。
この際に、サブバルブ91を弾性変形させて、サブバルブ91の下面91bに第2弁体85の上面85aを密着させ、第2弁体85で第2通孔84を塞ぐ。
このように、サブバルブ91で第1通孔31を塞ぐとともに、第2弁体85で第2通孔84を塞ぐことにより、主空間28の燃料15が上空間29に侵入することを防ぐ。
図10(a)は第2実施形態の液体遮断弁の第2通孔を開いた状態を示す説明図、図10(b)は第2実施形態の液体遮断弁の第1通孔を開いた状態を示す説明図である。
(a)において、燃料タンク10を備えた自動車(図示せず)が、坂道走行状態から平坦路の走行に戻った際に、燃料15の液面15aが液体遮断弁80の下方に下がる。
これにより、ボディ21の主空間28に溜まった燃料15が、底蓋38の開口部73から燃料タンク10内に流出する。主空間28に溜まった燃料15が流出することにより、フロート82にかかっていた浮力がなくなり、フロート82は、その自重で矢印dの如く下降する。
フロート82の下降により、フロート82と一体に第2弁体85が下降し、第2弁体85がサブバルブ91の下面91bから離れる。
よって、第2通孔84が開いて、上空間29と主空間28とが連通され、それぞれの空間28,29の圧力が一定になる。
第2弁体85がフロート82と一体に途中まで下降することにより、腕部92…が弾性変形する。この状態から、フロート82がさらに下降すると、フロート82の自重が環状壁87および腕部92…を介してサブバルブ91にかかる。
(b)において、上空間29と主空間28との圧力が一定になっているので、フロート82がさらに下降して、フロート82の自重が環状壁87および腕部92…を介してサブバルブ91にかかると、サブバルブ91は仕切壁27の下面27aから離れて下降する。下降したサブバルブ91は、その自重で第2弁体85の上面85aに載る。
このように、サブバルブ91が下降して第2弁体85の上面85aに載ることで、第1通孔31を開いた状態に保つことができる。
よって、通常の状態において、燃料タンク10内に発生した燃料蒸気を第1通孔31から好適に逃がすことができる。
第2実施形態の液体遮断弁80によれば、第1実施形態の液体遮断弁10と同様の効果を得ることができる。
すなわち、第2実施形態の液体遮断弁80によれば、サブバルブ91を弾性変形可能な腕部92…を介してフロート82に取り付けた。
よって、第1、第2の弁体91a,85でそれぞれ第1、第2の通孔31,84を塞いだ状態から、腕部92…を弾性変形させることで、フロート82と一体に第2弁体85のみを下降させて第2通孔84のみを開くことができる。
第2通孔85を開いた後、腕部92…を介してフロート82の自重をサブバルブ91にかけ、サブバルブ91を下降して第1通孔31を開くことができる。
このように、フロート82の自重を腕部92…を介してサブバルブ91にかけることで、従来技術で必要としていたスプリングを使用せずにサブバルブ91を下降して第1通孔31を開くことができる。
これにより、仕切壁27と第1弁体91aとの間に、第1弁体91aを押し下げるためのスプリングを組み付ける手間を省いて、液体遮断弁80の組付け作業を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
さらに、第2実施形態の液体遮断弁80によれば、従来技術のスプリングを除去することで、部品点数を減らすことができ、液体遮断弁80を簡単な構成とすることができる。
次に、第1実施形態の変形例を図11〜図13に基づいて説明し、第2実施形態の変形例を図14〜図15に基づいて説明する。なお、これらの変形例において、第1、第2実施形態と同一部材については同一符合を付して説明を省略する。
図11は本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態の変形例)の要部を示す断面図である。
変形例の液体遮断弁100は、フロート101の突起部106に第2弁体102を取り付ける構成と、サブバルブ103にリング部104を取り付ける構成が異なるだけで、その他の構成は同じである。
すなわち、液体遮断弁100は、フロート101の突起部106中央に貫通孔107を形成し、貫通孔107の下端部に段部108を形成し、段部108に第2弁体102の係止部109を係止し、第2弁体102の外周から5本の腕部111…(図12も参照)を等間隔に延ばし、腕部111…の先端111a…をリング部104に連結し、リング部104に外周に沿って一定間隔をおいて5個の取付孔112…(図12も参照)を形成し、これらの取付孔112…を係止爪113…(図12も参照)に取り付け、各々の係止爪113…を、サブバルブ103の天井部114の裏面114aに環状部58に沿って一定間隔をおいて複数の係止爪113…を形成したものである。
係止部109の下部に下向きに延びた延出部115を備える。延出部115を貫通孔107に上方から差し込み、段部108側に延出部115を突出させ、突出させた延出部115を下方に引っ張ることで係止部109を段部108まで移動する。
このように、突出させた延出部115を下方に引っ張ることで突起部106の段部108に第2弁体102の係止部109を簡単に取り付けられる。
第2弁体102、腕部111…およびリング部104を、第1実施形態の第2弁体47、腕部68…およびリング部71と同様に、ゴム材などの弾性材料製の部材で形成する。
腕部111…は、U字状に折り曲げた弾性変形可能な部材で、腕部111…の先端111a…をリング部104に連結したものである。
図12は第1実施形態の変形例のリング部の取付孔と係止爪を示す分解斜視図である。
係止爪113は、サブバルブ103の天井部114の裏面114a(図11参照)から基部116を下方に突出し、基部116の下端に張出部117を基部116の両側に張り出し、張出部117の両側を傾斜辺117a,117aとすることで、張出部117を先細状に形成したものである。
張出部117を矢印の如くリング部104の取付孔112に差し込み、傾斜辺117a,117aで取付孔112を長手方向に押し広げ、張出部117を取付孔112の下方に突出させる。これにより、基部116が取付孔112に入り込む。
基部116が取付孔112に入り込むと、取付孔112が張出部117より小さくなり、係止爪113にリング部104を係止する。
このように、リング部104を弾性変形させて係止爪113に取付孔112を嵌め込むことで、リング部104がサブバルブ103に簡単に取り付けられる。
図13は第1実施形態の変形例を示す分解断面図である。
係止爪113…の張出部117…(図12も参照)を矢印eの如くリング部104の取付孔112…に差し込む。
張出部117…の傾斜辺117a…(図12参照)で取付孔112を押し広げ、張出部117…を取付孔112…の下方に突出させることにより、係止爪113…の基部116…が取付孔112に入り込む。
このように、係止爪113に取付孔112を嵌め込むことで、リング部104をサブバルブ103に簡単に取り付けることができる。
また、第2弁体102の係止部109の延出部115を貫通孔107に上方から矢印fの如く差し込み、段部108側に延出部115を突出させる。
突出させた延出部115を下方に引っ張ることで、係止部109が貫通孔107を経て段部108まで移動する。
このように、突出させた延出部115を下方に引っ張ることで段部108に係止部109を簡単に係止することができる。
以上説明したように、第1実施形態の変形例の液体遮断弁100によれば、フロート101の突起部106に第2弁体102を簡単に取り付けることができ、かつサブバルブ103にリング部104を簡単に取り付けることができる。
さらに、第1実施形態の変形例の液体遮断弁100によれば、第1実施形態と同様に効果を得ることができる。
次に、第2実施形態の変形例を図14〜図15について説明する。
図14は本発明に係る液体遮断弁(第2実施形態の変形例)の要部を示す斜視図である。
変形例の液体遮断弁120は、フロート82の上方にリング部121を取り付ける構成が異なるだけで、その他の構成は同じである。
すなわち、液体遮断弁120は、フロート82の上面41cに、上面41cの外周に沿って等間隔に複数(一例として5個)の係止爪122…を立設し、係止爪122…にリング部121の取付孔123…(図15参照)を嵌め込み、取付孔123…をリング部121に、リング部121の外周に沿って等間隔に形成し、リング部121の内部に腕部(ダイヤフラム)125の外周を一体に形成し、腕部125の内部にサブバルブ91の外周を一体に形成したものである。
サブバルブ91、ダイヤフラム125およびリング部121を、第2実施形態のサブバルブ91、腕部92およびリング部94と同様に、ゴム材などの弾性材料製の部材で形成する。
腕部125は、サブバルブ91を上下方向に移動可能に支えるダイヤフラムである。
図15は第2実施形態の変形例の要部を示す分解斜視図である。
係止爪122…は、上端部126…の近傍に係止溝127…を形成し、上端部126…の両側を傾斜辺126a,126aとすることで、上端部126…を先細状に形成したものである。
これらの係止爪122…に、リング部121に形成した取付孔123…を矢印gの如く嵌め込む。
係止爪122…の傾斜辺126a,126aで取付孔123…を長手方向に押し広げ、係止爪122…の上端部126…を取付孔123…の上方に突出させることにより、係止爪122…の取付溝127…に取付孔123…を嵌合する。
このように、係止爪122…の取付溝127…に取付孔123…を嵌合することで、リング部121を係止爪122…に簡単に取り付けることができる。
以上説明したように、第2実施形態の変形例の液体遮断弁120によれば、フロート82の上方に、リング部121を介してサブバルブ91を簡単に取り付けることができる。
さらに、第2実施形態の変形例の液体遮断弁120によれば、第2実施形態と同様に効果を得ることができる。
なお、前記実施形態では、燃料を蓄える燃料タンク10に液体遮断弁20,80を取り付けた例について説明したが、これに限らないで、その他の液体を蓄えるタンクに液体遮断弁20,80を適用することも可能である。
また、前記第1実施形態では、第2弁体47の外周から5本の腕部68…を放射状に延ばす例について説明したが、腕部68…の本数は任意に決めることが可能で、さらに腕部68…の形状も任意に決めることが可能である。要は、サブバルブ32に対して第2弁体47を上下方向に移動可能に支持するものであればよい。
さらに、前記第2実施形態では、サブバルブ91の外周から5本の腕部92…を放射状に延ばした例について説明したが、腕部92…の本数は任意に決めることが可能で、さらに腕部92…の形状も任意に決めることが可能である。要は、フロート82の環状壁87に対してサブバルブ91を上下方向に移動可能に支持するものであればよい。
また、前記第1実施形態では、サブバルブ32の天井部59に凹部63を形成し、この凹部63に第1弁体65を設けた例について説明したが、これに限らないで、例えばサブバルブ32の天井部59を平面状に形成し、この平面状の天井部59に第1弁体65を設けることも可能である。
さらに、前記第1実施形態では、フロート22の中央突起部44に段部45aを形成し、この段部45aに第2弁体47の係止部48を係止することで中央突起部44に第2弁体47を取り付ける例について説明したが、その他の手段で第2弁体47を取り付けてもよい。
同様に、前記第1実施形態の変形例では、フロート101の突起部106に段部108を形成し、この段部108に第2弁体102の係止部109を係止することで突起部106に第2弁体102を取り付ける例について説明したが、その他の手段で第2弁体102を取り付けてもよい。
また、前記第1実施形態では、フロート22のフランジ部43の外周に沿わせて、サブバルブ32の脚部57…を配置することにより、サブバルブ32をフランジ部43(すなわち、フロート22)に対して上下方向に移動可能に取り付ける例について説明したが、この構成に加えて、脚部57…の下端部に爪部を備えることも可能である。
脚部57…の爪部を、サブバルブ32のフランジ部43に当接することで、サブバルブ32がフランジ部43から抜け出すことを確実に防ぐことができる。
さらに、前記第1実施形態では、第1弁体65、第2弁体47や腕部68などを弾性変形可能な部材としてゴム材を用いた例について説明したが、ゴム材に限らないで弾性変形可能なその他の部材を用いることも可能である。
また、前記第2実施形態では、サブバルブ91、腕部92などを弾性変形可能な部材としてゴム材を用いた例について説明したが、ゴム材に限らないで弾性変形可能なその他の部材を用いることも可能である。
本発明は、タンク内に発生した蒸気をキャニスタなどに逃がし、タンク内の液体がタンクの外部に流出することを防ぐ液体遮断弁に好適である。
本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)を備えた燃料タンクの断面図である。 本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)を示す断面図である。 本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)のフロートおよびサブバルブを示す分解斜視図である。 本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態)の要部を示す分解斜視図である。 (a)は第1実施形態のボディ内に燃料が侵入した状態を示す説明図、(b)は第1実施形態のボディ内に侵入した燃料でフロートが浮き上がった状態を示す説明図である。 (a)は第1実施形態の液体遮断弁の第2通孔を開いた状態を示す説明図、(b)は第1実施形態の液体遮断弁の第1通孔を開いた状態を示す説明図である。 本発明に係る液体遮断弁(第2実施形態)を示す断面図である。 本発明に係る液体遮断弁(第2実施形態)のフロートおよびサブバルブを示す斜視図である。 (a)は第2実施形態のボディ内に燃料が侵入した状態を示す説明図、(b)は第2実施形態のボディ内に侵入した燃料でフロートが浮き上がった状態を示す説明図である。 (a)は第2実施形態の液体遮断弁の第2通孔を開いた状態を示す説明図、(b)は第2実施形態の液体遮断弁の第1通孔を開いた状態を示す説明図である。 本発明に係る液体遮断弁(第1実施形態の変形例)の要部を示す断面図である。 第1実施形態の変形例のリング部の取付孔と係止爪を示す分解斜視図である。 第1実施形態の変形例を示す分解断面図である。 本発明に係る液体遮断弁(第2実施形態の変形例)の要部を示す斜視図である。 第2実施形態の変形例の要部を示す分解斜視図である。 特許文献1の図1の断面図である。 特許文献2の図1の断面図である。
符号の説明
10…燃料タンク(タンク)、15…燃料(流体)、20,80,100,120…液体遮断弁、21…ボディ、22,82,101…フロート、31…第1通孔、32,91,103…サブバルブ、33,84…第2通孔、47,85,102…第2弁体、65,91a…第1弁体、91b…サブバルブの下面(サブバルブのうち第2弁体に当接する部位)、68,92,111,126…腕部。

Claims (3)

  1. タンク内の上部にボディを配置し、このボディ内にタンクの外部に連通する第1通孔を形成し、この第1通孔の下方にフロートを昇降自在に配置し、このフロートと第1通孔との間にサブバルブを配置し、このサブバルブに、第1通孔より小径の第2通孔を形成し、タンク内の流体がボディ内に侵入した際に、侵入した液体でフロートを上昇させて、フロート上部の第2弁体で第2通孔を塞ぐとともに、サブバルブ上部の第1弁体で第1通孔を塞ぐ液体遮断弁において、
    前記フロートに前記サブバルブを上下動可能に取り付けるとともに、このサブバルブを自重で前記第2弁体に載置可能に構成し、
    前記第1弁体を弾性変形可能な部材で形成し、
    前記第2弁体および前記サブバルブのうち第2弁体に当接する部位の少なくとも一方を弾性変形可能な部材で形成したことを特徴とする液体遮断弁。
  2. 前記第2弁体を前記フロートに固定するとともに、前記第2弁体から弾性変形可能な腕部を延ばし、延ばした腕部を前記サブバルブに取り付けたことを特徴とする請求項1記載の液体遮断弁。
  3. 前記サブバルブから弾性変形可能な腕部を延ばし、延ばした腕部を前記フロートに取り付けたことを特徴とする請求項1記載の液体遮断弁。
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