JP3741798B2 - 液面検知用バルブ - Google Patents

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  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)
  • Self-Closing Valves And Venting Or Aerating Valves (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一部が燃料タンク内へ臨むように配設され、燃料タンクとキャニスタとを連通する流通路の上流に位置するオリフィスを、燃料の液面の上昇によって弁体で閉成する液面検知用バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記した液面検知用バルブは、例えば米国特許第5,028,244号に開示されているように、上部にオリフィスが形成され、底部に複数の底貫通孔が設けられ、周壁部に周壁貫通孔が設けられたバルブボディと、このバルブボディ内で移動してオリフィスを開閉する弁体と、この弁体をその自重に抗して移動させてオリフィスを閉成できず、弁体をその浮力と協働して移動させることでオリフィスを閉成する付勢部材とで構成されている。
【0003】
この液面検知用バルブを満タン検出バルブとして配設するとともに、カットバルブを配設した燃料タンクについて説明すると、通常状態では、両バルブに連通した差圧バルブの作用により、満タン検出バルブを介した燃料タンク内とキャニスタとの連通は遮断され、燃料タンク内はカットバルブを介してキャニスタと連通されている。
したがって、燃料タンク内の燃料蒸気は、カットバルブ、差圧バルブを介してキャニスタへと流れる。
【0004】
そして、燃料タンク内へ燃料を給油するためにキャップを取り外すと、燃料タンク内の圧力が大気圧に低下することにより、差圧バルブは、満タン検出バルブを介して燃料タンク内とキャニスタとを連通させ、カットバルブを介した燃料タンクとキャニスタとの連通を遮断する。
したがって、燃料タンク内へ燃料を給油ガンで給油すると、燃料タンク内の燃料蒸気は、底貫通孔、オリフィスを経由して流通路から、または周壁貫通孔を経由して流通路からキャニスタへと流れる。
【0005】
そして、燃料の液面が上昇し、弁体が浮力と付勢部材の付勢力との協働によって上昇することにより、弁体がオリフィスを閉成するので、燃料タンク内とキャニスタとの連通は遮断される。
このようにオリフィスが閉成されると、燃料タンク内の圧力が上昇し、この上昇した圧力を検出することにより、燃料タンク内への燃料の給油を停止させる制御を、することができる。
【0006】
そして、燃料タンク内への燃料の給油が完了すると、差圧バルブの作用により、満タン検出バルブを介した燃料タンク内とキャニスタとの連通は遮断され、燃料タンク内はカットバルブを介してキャニスタと連通される。
なお、燃料の液面が満タン状態から使用によって所定量下降すると、弁体が付勢部材の付勢力に抗して自重で下降することにより、オリフィスは開放する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記した液面検知用バルブは、オリフィスの径が周壁貫通孔の径よりも小さく設定されているので、周壁貫通孔付近の外周面に付着していたごみなどの異物が燃料蒸気とともにバルブボディ内へ浸入すると、バルブボディ内へ浸入した異物がオリフィスを詰まらせる可能性がある。
また、周壁貫通孔の径が底貫通孔の径よりも大きいと、自動車が揺動することによって周壁貫通孔部分が燃料に浸かった場合、周壁貫通孔からバルブボディ内へ燃料とともに浸入した異物が、バルブボディの底部に堆積する可能性がある。
【0008】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、オリフィスが異物で目詰まりせず、バルブボディの底部に異物が堆積せず、燃料蒸気が燃料タンク外へ流出する際にその力で弁体が持ち上がることのない液面検知用バルブを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上部にオリフィスが形成され、底部に複数の底貫通孔が設けられ、周壁部に複数の周壁貫通孔が設けられたバルブボディと、このバルブボディ内で移動してオリフィスを開閉する弁体と、この弁体をその浮力と協働して移動させることでオリフィスを閉成する付勢部材とを備えた液面検知用バルブにおいて、弁体を、オリフィスを閉成した状態でオリフィスに連通する副オリフィスを有する第1フロートと、副オリフィスを開閉する第2フロートとで構成し、オリフィスの径を副オリフィスの径よりも大きくし、副オリフィスの径を底貫通孔の径よりも大きくし、底貫通孔の径を周壁貫通孔の径よりも大きくしたものである
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の第1実施形態である液面検知用バルブの左半分を断面とした側面図、図2は図1に示した液面検知用バルブの底面図、図3は図1に示した弁体などの分解断面図、図4は図1に示した液面検知用バルブの説明図である。
なお、図1はオリフィスおよび副オリフィスが開放している状態を示し、図4はオリフィスおよび副オリフィスが閉成している状態を示している。
【0015】
これらの図において、1で示すバルブボディは、剛性に富み、寸法精度よく成形の行える樹脂で成形された上ボディ2と、この上ボディ2の下側の開放部分を閉成するように、上ボディ2の下端部分に取り付けられる、剛性に富み、寸法精度よく成形の行える樹脂で成形された下ボディ7とで構成されている。
そして、上ボディ2は、燃料タンクにフランジ部が溶着される取付部3と、この取付部3に一体成形され、下側が開放した天井を有する筒部4と、この筒部4内に取り付けられたシールリング5と、このシールリング5と筒部4との間をシールするOリング6とで構成されている。
【0016】
上記した取付部3には、シールリング5のオリフィス5oに連通するL字状の流通路3fが設けられている。
そして、筒部4の、上面の中央部分に、流通路3fに連通する開口4uが設けられ、周壁部に複数の周壁貫通孔4hと、この周壁貫通孔4hよりも上側に位置する複数の係止孔4oとが設けられ、外周面には、下端部に複数の係合突起4pと、この係合突起4pよりも上側に位置する複数の位置決め突起4rとが設けられている。
また、シールリング5は上側が開放した有底筒状で、底部の中央部分に下端が水平面のオリフィス5oが形成され、外周面に、係止孔4oに嵌合する複数の係合突起5pが設けられている。
【0017】
次に、下ボディ7は上側が開放した有底筒状で、底部には中央部分に取付孔7eと、この取付孔7eを中心とした円周上に位置する複数の底貫通孔7hとが設けられ、外周面には、上端部に位置決め突起4rが嵌合する複数の位置決め切欠7nと、この位置決め切欠7nよりも下側に位置し、係合突起4pが嵌合する複数の係止孔7oが設けられている。
なお、取付部3は燃料タンクに溶着できる樹脂で成形され、上、下ボディ2,7およびシールリング5は燃料に冒されない樹脂で成形されるとともに、Oリング6も燃料に冒されないものとされている。
【0018】
11で示すバルブボディ1内に収容される弁体は、オリフィス5oを開閉する第1フロート12と、この第1フロート12と一緒に上昇し、別々に下降する第2フロート16とで構成されている。
上記した第1フロート12は、下側が開放した天井を有する筒状で、上面の中央部分に副オリフィス13oが形成され、外周面に複数の係合突起13pが設けられたフロート体13と、このフロート体13の上に副オリフィス3oを閉成しないように載置され、オリフィス5oを開閉する上面が水平面をしたリング状のシールゴム14と、周壁部に係合突起13pが嵌合する複数の係止孔15oが設けられ、フロート体13にシールゴム14をわずかに上下方向へ移動可能に取り付けるキャップ15とで構成されている。
【0019】
そして、第2フロート16には、上側に第1フロート12を収容する凹部16cと、この凹部16cの中央部分に位置し、副オリフィス13oを開閉する弁頭16dとが設けられ、下側に後述するコイルスプリング21を収容する凹部16aが設けられ、上下方向の中央部分に各凹部16a,16cを連通する貫通孔16tが設けられている。
なお、フロート体13、キャップ15および第2フロート16は燃料に冒されない樹脂で成形され、シールゴム14も燃料に冒されないものとされている。
そして、弁体11が最下降状態になると、弁体11の上端周縁が周壁貫通孔4hよりも下側に位置するようになされている。
【0020】
21で示す付勢部材としてのコイルスプリングは、第2フロート16をその自重に抗して移動させてオリフィス5oを閉成することができず、弁体11をその浮力と協働して移動させてオリフィス5oを閉成することができる付勢力に設定されている。
31で示す緩衝材としてのクッションは、第2フロート16が下ボディ7に衝合することによって騒音が発生するのを防止するためのものであり、取付孔7e部分に取り付けられている。
【0021】
ここで、オリフィス5oの径をD1 とするとともに、オリフィス5oの開口面積をS1 とし、副オリフィス13oの径をD2 とし、底貫通孔7hの径をD3 とするとともに、底貫通孔7hの総面積をS3 とし、周壁貫通孔4hの径をD4 とするとともに、周壁貫通孔4hの総面積をS4 とすると、各径はD1 >D2 >D3 >D4 の関係に設定され、各面積はS4 >S1 ,S3 の関係に設定されている。
そして、第2フロート16の重量は、第1フロート12の重量以上に設定されている。
【0022】
次に、この発明の第1実施形態である液面検知用バルブを満タン検出バルブとして配設するとともに、カットバルブを配設した燃料タンクの動作について説明する。
まず、通常状態では、両バルブに連通した差圧バルブの作用により、満タン検出バルブを介した燃料タンク内とキャニスタとの連通は遮断され、燃料タンク内はカットバルブを介してキャニスタと連通されている。
【0023】
したがって、燃料タンク内の燃料蒸気は、カットバルブ、差圧バルブを介してキャニスタへと流れる。
そして、通常状態での満タン検出バルブは、図1に示すように、コイルスプリング21の付勢力に抗して弁体11が自重で下降し、弁体11がオリフィス5oを開放し、弁頭16dが副オリフィス13oを閉成している。
【0024】
次に、燃料タンク内へ燃料を給油するためにキャップを取り外すと、燃料タンク内の圧力が大気圧に低下することにより、差圧バルブは、満タン検出バルブを介して燃料タンク内とキャニスタとを連通させ、カットバルブを介した燃料タンクとキャニスタとの連通を遮断する。
したがって、燃料タンク内へ燃料を給油ガンで給油すると、燃料タンク内の燃料蒸気は、主に、周壁貫通孔4h、オリフィス5o、開口4uを経由して流通路3fからキャニスタへと流れる。
【0025】
そして、燃料の液面が上昇し、弁体11が浮力とコイルスプリング21の付勢力との協働によって上昇することにより、シールゴム14がオリフィス5oを閉成するので、燃料タンク内とキャニスタとの連通は遮断される。
このようにオリフィスが閉成されると、燃料タンク内の圧力が上昇し、この上昇した圧力を検出することにより、燃料タンク内への燃料の供給を停止させる制御を、することができる。
そして、燃料タンク内への燃料の給油が完了すると、差圧バルブの作用により、満タン検出バルブを介した燃料タンク内とキャニスタとの連通は遮断され、燃料タンク内はカットバルブを介してキャニスタと連通される。
【0026】
次に、燃料の液面が満タン状態から使用によって所定量下降すると、前述したように、副オリフィス13oの径D2 はオリフィス5oの径D1 よりも小さいので、すなわち、弁頭16dが弁座であるフロート体13に接触する面積は弁頭であるシールゴム14が弁座であるシールリング5に接触する面積よりも小さく、弁頭16dがフロート体13に張り付く力はシールゴム14がシールリング5に張り付く力よりも弱いので、第2フロート16が自重で副オリフィス13oを速やかに開放させる。
【0027】
そして、第2フロート16が副オリフィス13oを開放することにより、シールゴム14がシールリング5に張り付く力も弱くなるので、シールゴム14もオリフィス5oを自重で速やかに開放させる。
このように第2フロート16が下降して副オリフィス13oを開放するとき、第2フロート16はクッション31を介して下ボディ7に衝合するので、衝合音、すなわち騒音が発生しなくなる。
【0028】
上述したように、この発明の第1実施形態によれば、オリフィス5oの径D1 および副オリフィス13oの径D2 を、底貫通孔7hの径D3 および周壁貫通孔4hの径D4 よりも大きくしたので、各オリフィス5o,3oを目詰まりさせる異物がバルブボディ1内へ入らなくなり、各オリフィス5o,3oが目詰まりしなくなる。
そして、周壁貫通孔4hの総面積S4 を底貫通孔7hの総面積S3 よりも大きくしたので、燃料タンク内に燃料を給油する際、燃料蒸気は主に周壁貫通孔4hからバルブボディ1内へ流入することとなり、燃料タンクから流出する燃料蒸気の圧力によって弁体11が持ち上がりにくくなる。
【0029】
このとき、弁体11は最下降状態で周壁貫通孔4hよりも下側に位置するので、また、周壁貫通孔4hの総面積S4 をオリフィス5oの開口面積S1 よりも大きくしたので、また、オリフィス5oの下端面を水平面とし、シールゴム14の上面を水平面として一次関数的にオリフィス5oへの流路を減少させるようにしたので、バルブボディ1内へ流入する燃料蒸気の一部は弁体11を押し下げるため、燃料タンクから流出する燃料蒸気の圧力によって弁体11が持ち上がりにくくなる。
【0030】
さらに、底貫通孔7hの径D3 を周壁貫通孔4hの径D4 よりも大きくしたので、周壁貫通孔4hからバルブボディ1内へ流入した異物は底貫通孔7hからバルブボディ1外へ流出するため、バルブボディ1の底部に異物が堆積しなくなる。
また、オリフィス5oが設けられたシールリング5を筒部4と別体にしたので、高さの異なるシールリングを取り付けることにより、満タン時における燃料の液面の高さ、すなわち燃料の貯蔵量を調整することができる。
さらに、バルブボディ1の底部と弁体11との間にクッション31を配設し、弁体11をクッション31を介してバルブボディ1に衝合させたので、衝合音、すなわち騒音が発生しなくなる。
【0031】
図5はこの発明の第2実施形態である液面検知用バルブを説明するオリフィスの開口面積に対して周壁貫通孔の総面積、底貫通孔の総面積を変化させたときの弁体を浮き上がらせるために必要な圧力の特性図である。
この特性図は、オリフィス5oに連なる流通路3fを閉成した状態で弁体11側の空間の内圧(通常、燃料タンク内圧)を高め、流通路3fを急に開放した際、弁体11が持ち上げられる圧力を周壁貫通孔4h並びに底貫通孔7hの総面積S4 ,S3 を変化させて表したものである。
なお、第2実施形態の液面検知用バルブは、第1実施形態と同じに構成されている。
【0032】
図5において、縦軸は圧力P、横軸は総面積S3 ,S4 を示し、圧力Pは弁体を浮き上がらせるために必要な圧力、すなわちこの圧力Pが大きくなるほど弁体11は持ち上がりにくくなる。
Xで示す曲線は、オリフィス5oの開口面積を100mm2 とし、底貫通孔7hの総面積S3 を10mm2 〜90mm2 の間で変化させたときの弁体11を浮き上がらせるために必要な圧力Pを示すものである。
【0033】
Yで示す曲線は、オリフィス5oの開口面積S1 を100mm2 とし、周壁貫通孔4hの総面積S4 を40mm2 〜360mm2 の間で変化させたときの弁体11を浮き上がらせるため必要な圧力Pを示すものである。
なお、曲線X,Yは、総面積S3 が50mm2 、総面積S4 が200mm2 を通る縦軸と平行な線で略対称になっている。
【0034】
図5から理解できるように、底貫通孔7hの総面積S3 を周壁貫通孔4hの総面積S4 の1/4倍にすると、周壁貫通孔4hからバルブボディ1内へ流入する燃料蒸気に対する圧力Pと、底貫通孔7hからバルブボディ1内へ流入する燃料蒸気に対する圧力Pとが略同一になるので、自重によって弁体11は持ち上がらなくなる。
また、周壁貫通孔4hの総面積S4 をオリフィス5oの開口面積S1 の2倍以上にすると、周壁貫通孔4hのみからバルブボディ1内へ燃料蒸気が流入する場合、当然のことながら、弁体11は持ち上がらなくなるとともに、燃料蒸気が流通する周壁貫通孔4hの流通面積を充分に確保することができる。
【0035】
したがって、周壁貫通孔4hの総面積S4 をオリフィス5oの開口面積S1 の2倍以上にするととともに、底貫通孔7hの総面積S3 を周壁貫通孔4hの総面積S4 の1/4倍にすることにより、弁体11が持ち上がらなくなるとともに、周壁貫通孔4hのみからバルブボディ1内へ燃料蒸気が流入する場合、燃料蒸気が流通する周壁貫通孔4hの流通面積を充分に確保することができる。
【0036】
図6はこの発明の第3実施形態である液面検知用バルブの左半分を断面とした側面図、図7は図6に示した上ボディの側面図、図8は図7に示した上ボディを左側から見た要部を示す正面部分図、図9は図6に示した液面検知用バルブの底面図、図10は燃料タンク内に取り付けられるブラケットの一部を示す平面図、図11は図10に示したブラケットを下側から見た部分図、図12は第3実施形態の燃料検知用バルブをブラケットに取り付けた状態の説明図、図13は第3実施形態の燃料検知用バルブをブラケットに取り付けてブラケットを破断した図8に対応する説明図であり、図1から図4と同一または相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
なお、図12および図13における燃料検知用バルブは、要部のみが図示されている。
【0037】
これらの図において、41で示すバルブボディは、剛性に富み、寸法精度よく成形の行える樹脂で成形された上ボディ42と、この上ボディ42の下側の開放部分を閉成するように、上ボディ42の下端部分に取り付けられる、剛性に富み、寸法精度よく成形の行える樹脂で成形された下ボディ7とで構成されている。そして、上ボディ42は、一端が水平面のオリフィス43oとされ、L字状の流通路43fが設けられた管部43と、下側が開放した天井を有し、天井から管部43の一端が突入した筒部44とで構成されている。
【0038】
上記した筒部44の周壁部には、複数の周壁貫通孔44hと、外周面の下端部に、下ボディ7の係止孔7oに係合する複数の係合突起44pと、この係合突起44pよりも上側の外周面に位置し、下ボディ7の位置決め切欠7nに嵌合する複数の位置決め突起44rと、複数の周壁貫通孔44hの上側の外周面に位置するドーナツ状の取付部44fと、この取付部44fと所定の間隙で対向し、複数の周壁貫通孔44hの周縁の外周面に180度間隔で下側に開放したコ字状のリブ44iと、このリブ44iと取付部44fとの間の外周面に位置する180度間隔で後述するブラケット51の折曲げ片53に当接する突出部44sとが設けられている。
【0039】
なお、下ボディ7および弁体11は第1実施形態と同様に構成され、管部43の筒部44に突入した一端が、オリフィス43oとされている。
そして、弁体11が最下降状態になると、弁体11の上端周縁が複数の周壁貫通孔44hよりも下側に位置するようになされている。
さらに、リブ44iは取付フランジを兼ね、取付部44fと対向する面に係止溝44dが筒部44の半径方向に設けられ、上ボディ42は燃料に冒されない樹脂で成形されている。
【0040】
51は燃料タンク内に取り付けられる金属製のブラケットを示し、上面に、円と長方形とが組合わさり、筒部44の取付部44fで閉成される取付孔52と、この取付孔52の縁から内側へ取付孔52の中心で点対称に略垂直に折曲がった折曲げ片53と、内側へ切り起こされてリブ44iの係止溝44dに係合し、筒部44の取付部44fで切り起こし孔が閉成される係止片54とが設けられている。
そして、折曲げ片53は、下側の水平面53fの一端側が上昇する傾斜面53sとされ、水平面53fの他端側にストッパ部53pが設けられている。
【0041】
なお、ブラケット51の上面から折曲げ片53の水平面53fまでは、取付部44fとリブ44iとの間隔にされている。
そして、取付孔52の円の直径、すなわち折曲げ片53の直径は、筒部44に設けた突出部44sの直径とされている。
さらに、オリフィス43oの径をD1 とするとともに、オリフィス43oの開口面積をS1 とし、副オリフィス13oの径をD2 とし、底貫通孔7hの径をD3 とするとともに、底貫通孔7hの総面積をS3 とし、周壁貫通孔44hの径をD4 とするとともに、周壁貫通孔44hの総面積をS4 とすると、各径はD1 >D2 >D3 >D4 の関係に設定され、各面積はS4 >S1 ,S3 の関係に設定されている。
【0042】
次に、液面検知用バルブの燃料タンクへの取付について説明する。
まず、バルブボディ41の下ボディ7側を下側にするとともに、筒部44の取付部44fおよびリブ44iをブラケット51に設けた取付孔52の長方形の部分に対応させる。
そして、下ボディ7側を取付孔52に挿入して取付部44fをブラケット51の上面に当接させた後、バルブボディ41を図10において反時計方向へ回転させる。
【0043】
このようにバルブボディ41を回転させることにより、リブ44iは折曲げ片53の傾斜面53sおよび水平面53fで案内されてストッパ部53pに衝合し、また、係止片54は、リブ44iで上側へ撓められた後、自身の弾性で係止溝44dに入り、バルブボディ41を図10において時計方向へ回転させることができないようにリブ44iと係合し、突出部44sは折曲げ片53の内側に当接し、取付が完了する。
【0044】
なお、上述したように液面検知用バルブをブラケット51に取り付けた状態で、周壁貫通孔44hは、弁体11がオリフィス43oを閉成する際の喫水線よりも上方に位置するように設けられている。
そして、動作は第1実施形態と同様になるので、説明を省略する。
【0045】
上述したように、この発明の第3実施例においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
そして、バルブボディ41の周壁部の外周面の周壁貫通孔44hの周縁にリブ44iを設けたので、周壁貫通孔44hを設けることによって強度が低下する周壁部を補強することができ、周壁部の強度を確保することができる。
さらに、リブ44iに取付フランジを兼ねさせたので、液面検知用バルブの構成が簡単になる。
【0046】
また、取付部44fとリブ44iとの間の周壁部の外周面に、ブラケット51の折曲げ片53に当接し、バルブボディ41の周壁部と折曲げ片53との間に間隙を持たせる突出部44sを設けたので、ブラケット51に取り付けた状態の液面検知用バルブががたつくのを防止することができ、また、上方に設けた周壁貫通孔44hが塞がれず、燃料蒸気が流通する周壁貫通孔44hの流通面積を充分に確保することができるため、周壁貫通孔44hを上方に設けることにより、燃料の貯蔵量を多くすることができる。
【0047】
さらに、周壁貫通孔44hを、弁体11がオリフィス43oを閉成する際の喫水線よりも上方に位置するように設けたので、液面の上昇によって周壁貫通孔44hが塞がれて通気抵抗が上昇することがなくなる。
【0048】
上記した実施形態において、各面積の関係をS4 >S1 ,S3 に設定した例で説明したが、S4 ≧S1 ,S3 の関係であっても、同様な効果を得ることがきる。
【0049】
さらに、燃料の満タンを検出する満タン検出バルブとして説明したが、カットバルブなどのように、容器内の液面の上昇によってフロートが上昇して容器外との連通を遮断するバルブ装置としても使用できることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、弁体を、オリフィスを閉成した状態でオリフィスに連通する副オリフィスを有する第1フロートと、副オリフィスを開閉する第2フロートとで構成し、オリフィスの径を副オリフィスの径よりも大きくし、副オリフィスの径を底貫通孔の径よりも大きくしたので、副オリフィスを目詰まりさせる異物が底貫通孔からバルブボディ内へ入らなくなり、副オリフィスが目詰まりしなくなる。
【0056】
さらに、底貫通孔の径を周壁貫通孔の径よりも大きくしたので、周壁貫通孔からバルブボディ内へ流入した異物は底貫通孔からバルブボディ外へ流出するため、バルブボディの底部に異物が堆積しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態である液面検知用バルブの左半分を断面とした側面図である。
【図2】図1に示した液面検知用バルブの底面図である。
【図3】図1に示した弁体などの分解断面図である。
【図4】図1に示した液面検知用バルブの説明図である。
【図5】この発明の第2実施形態である液面検知用バルブを説明するオリフィスの開口面積に対して周壁貫通孔の総面積、底貫通孔の総面積を変化させたときの弁体を浮き上がらせるために必要な圧力の特性図である。
【図6】この発明の第3実施形態である液面検知用バルブの左半分を断面とした側面図である。
【図7】図6に示した上ボディの側面図である。
【図8】図7に示した上ボディを左側から見た要部を示す正面部分図である。
【図9】図6に示した液面検知用バルブの底面図である。
【図10】燃料タンク内に取り付けられるブラケットの一部を示す平面図である。
【図11】図10に示したブラケットを下側から見た部分図である。
【図12】第3実施形態の燃料検知用バルブをブラケットに取り付けた状態の説明図である。
【図13】第3実施形態の燃料検知用バルブをブラケットに取り付けてブラケットを破断した図8に対応する説明図である。
【符号の説明】
1 バルブボディ
2 上ボディ
3 取付部
3f 流通路
4 筒部
4h 周壁貫通孔
5 シールリング
5o オリフィス
6 Oリング
7 下ボディ
7h 底貫通孔
11 弁体
12 第1フロート
13 フロート体
13o 副オリフィス
14 シールゴム
15 キャップ
16 第2フロート
16d 弁頭
16t 貫通孔
21 コイルスプリング
31 クッション
41 バルブボディ
42 上ボディ
43 管部
43o オリフィス
43f 流通路
44 筒部
44h 周壁貫通孔
44f 取付部
44i リブ
44d 係止溝
44s 突出部
51 ブラケット
52 取付孔
53 折曲げ片
54 係止片
1 オリフィスの径
2 副オリフィスの径
3 底貫通孔の径
4 周壁貫通孔の径
1 オリフィスの開口面積
3 底貫通孔の総面積

Claims (1)

  1. 上部にオリフィスが形成され、底部に複数の底貫通孔が設けられ、周壁部に複数の周壁貫通孔が設けられたバルブボディと、
    このバルブボディ内で移動して前記オリフィスを開閉する弁体と、
    この弁体をその浮力と協働して移動させることで前記オリフィスを閉成する付勢部材とを備えた液面検知用バルブにおいて、
    前記弁体を、前記オリフィスを閉成した状態で前記オリフィスに連通する副オリフィスを有する第1フロートと、前記副オリフィスを開閉する第2フロートとで構成し、
    前記オリフィスの径を前記副オリフィスの径よりも大きくし、
    前記副オリフィスの径を前記底貫通孔の径よりも大きくし、
    前記底貫通孔の径を前記周壁貫通孔の径よりも大きくした、
    ことを特徴とする液面検知用バルブ。
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