JP2005090131A - 轍防止装置及び伸縮継手装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低硬度の路面材からなるアスファルト路面と、高硬度の路面材からなる第2路面とが進行方向に連続して配列された道路において、車両の通過に伴う第1路面側での凹みの発生を抑える。
【解決手段】 伸縮継手装置10は、右コンクリート部12と、左コンクリート部13と、両コンクリート部の凹部に嵌合されて遊間3を跨いで配設された伸縮継手であるフィンガージョイント11とにより構成されており、後側コンクリート部13の上面側が轍防止装置14になっている。轍防止装置は、弾性体部15を有しており、弾性体部内には、鉄製の平板である硬質部材17が、橋軸方向に右上がりに傾斜し、橋軸直角方向に延びた状態で埋設されている。硬質部材は、アンカーボルトによって上アンカー18に固定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 伸縮継手装置10は、右コンクリート部12と、左コンクリート部13と、両コンクリート部の凹部に嵌合されて遊間3を跨いで配設された伸縮継手であるフィンガージョイント11とにより構成されており、後側コンクリート部13の上面側が轍防止装置14になっている。轍防止装置は、弾性体部15を有しており、弾性体部内には、鉄製の平板である硬質部材17が、橋軸方向に右上がりに傾斜し、橋軸直角方向に延びた状態で埋設されている。硬質部材は、アンカーボルトによって上アンカー18に固定されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、低硬度の路面材からなる第1路面と、高硬度の路面材からなる第2路面とが、進行方向に連続して配列された道路の該第2路面の表面側に弾性体層が配設されてなる轍防止装置及び、橋桁の連結部分にて橋桁の遊間を跨いで架設される伸縮継手装置に関する。
一般の舗装道路では、低硬度の路面材であるアスファルト路面と、高硬度の路面材であるコンクリート路面とが進行方向に連続して配列された路面構成がある。このような路面構成は、例えば、高架道路の橋桁間の継ぎ目の伸び縮みを緩和する伸縮継手装置の配設部分に見られる。この伸縮継手装置は、例えば図6に示すように、鋼製のフィンガージョイント等の継手7と、継手7の車両進行方向両側に設けられた後打ちコンクリート8とにより構成されており、この後打ちコンクリート8が進行方向前後の舗装アスファルト路面5,6と連続している。この場合、このような硬度の低い進行方向前方側のアスファルト路面5と硬度の高いコンクリート8の路面の境界においては、車両の通過によっても問題が生じない。
しかし、進行方向後側の硬度の低いアスファルト路面6と硬度の高いコンクリート8の境界においては、車両の通過の際の輪荷重により、アスファルト路面6の境界部分に段差を生じ、段差部分が急速に削られる轍掘れによる凹み6aが非常に生じ易くなっている。このような凹み6aは、車両の走行性を損なうと共に危険でもあるので、早急に補修される必要があるが、高架道路等においてこのような補修作業を頻繁に行わなければならないことは非常に煩雑であると共に補修費用も高価であった。
これに対して、例えば特許文献1に示すように、橋軸方向に対して直角に延びる溝が上下面に形成されたゴム製の弾性部材を有しており、近接する上面側の溝と下面側の溝との間の弾性部材部分を変形部とした伸縮継手装置が知られている。この伸縮継手装置は、アスファルト層に比べて硬度の低い弾性部材を配設することにより、アスファルト層側の轍掘れを防止することができる。しかし、この伸縮継手装置は、主に弾性部材により構成されているため、上記鋼製のフィンガージョイントと後打ちコンクリートを組合せた伸縮継手装置に比べて耐久性が低く、また大きな輪荷重が加えられた場合の沈み込み等の問題がある。さらに、この伸縮継手装置が車両進行方向でアスファルト路面に繋げられている場合、アスファルトより硬度の低い弾性体部の沈み込みにより、アスファルト路面が車両通過の際の輪荷重によって大きな衝撃を受け、アスファルト路面の境界部分に轍掘れによる凹みが生じるという問題がある。
特開平11−222813号公報(第2頁、図1−図18)
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、低硬度の路面材からなる第1路面と、高硬度の路面材からなる第2路面とが、進行方向に連続して配列された道路において、車両の通過に伴う低硬度の第1路面側での凹みの発生を抑えることができる轍防止装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、橋桁の連結部分にて橋桁の遊間を跨いで架設される弾性体部を備えており、進行方向に連続して繋げられたアスファルト路面の弾性体部との境界での凹みの発生を抑えることができる橋梁用の伸縮継手装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、低硬度の路面材からなる第1路面と、高硬度の路面材からなる第2路面とが車両の進行方向に向けて連続して配設された道路の、第2路面の表面側に第1路面との境界から続いて弾性体層が配設されてなる轍防止装置であって、弾性体層の内部に、第1及び第2路面の境界から進行方向に向けて弾性体層の表面からの厚さが漸次薄くなるように硬質部材が埋設されたことにある。
上記のように構成した本発明においては、弾性体層の内部に、第1路面との境界から進行方向に向けて弾性体層の表面からの厚さが漸次薄くなるように硬質部材が埋設されたことにより、車両が、第1路面から第2路面側に移ったとき、第1路面に比べて硬度の低い弾性体層の厚さが厚くなっているため、車輪が大きな衝撃を受けることなくスムーズに弾性体層に移行することができる。そのため、第1路面の弾性体層との境界部での凹みの発生が抑えられる。また、弾性体層は、埋設された硬質部材により厚さが漸次薄くされることにより、相対的に硬度が漸次硬くされるため、車体の沈み込みが抑えられる。
また、上記轍防止装置において、硬質部材が平板状であって、境界から進行方向に向けて傾斜して埋設され、弾性体層の表面からの厚さが進行方向に向けて漸次薄くなるようにされてもよい。これにより、弾性体層が進行方向に向って連続して硬くされると共に、硬質部材に角が無いため、弾性体層への局部的な応力の集中が避けられ、弾性体層の耐久性が高められる。
また、上記轍防止装置において、硬質部材は、複数の板材が弾性体を介して積層されたものであってもよい。このように、板材と弾性体が積層された構造であることにより、表面側の弾性体層に加わる車両の荷重が積層された弾性体層を通してバランス良く分散されるため、弾性体層の耐久性が高められる。
また、上記轍防止装置において、弾性体層がゴム弾性体により構成されており、硬質部材に加硫接着されたものであってもよい。このように、弾性体層がゴム弾性体であり、硬質部材に加硫接着されたことにより、両者の接着強度が高められ、弾性体層の耐久性が高められる。
また、本発明の他の特徴は、橋桁の連結部分にて橋桁の遊間を跨いで架設される弾性体部を備え、車両の進行方向側にてアスファルト路面に連続するように配設される伸縮継手装置であって、アスファルト路面側の弾性体部内に、弾性体部の表面からの厚さが進行方向に向けて漸次薄くなるように硬質部材が埋設されたことにある。
このように、進行方向のアスファルト路面側の弾性体部内に硬質部材が埋設されて、弾性体部の表面からの厚さが進行方向に向けて漸次薄くなるようされているため、弾性体部の硬質部材との境界部分の硬度が高くなる。そのため、車両が弾性体部からアスファルト路面に進入する際に、大きな衝撃を受けることなくスムーズに移行することができる。そのため、弾性体部との境界部でのアスファルト路面の凹みの発生が抑えられる。また、弾性体層は、埋設された硬質部材により厚さが漸次薄くされるため、車体の沈み込みが抑えられる。
本発明においては、弾性体層の内部に、第1路面との境界から進行方向に向けて弾性体層の表面からの厚さが漸次薄くなるように硬質部材が埋設されたことにより、第1路面における第2路面との境界部での凹みの発生が抑えられると共に、車体の沈み込みが抑えられる。その結果、本発明によれば、車両のスムーズな走行が長期にわたって確保されると共に、第1路面の補修の手間が大幅に削減される。また、硬質部材を板状にして傾斜させることにより、弾性体層への局部的な応力が避けられ、弾性体層の耐久性が高められる。
また、板材と弾性体が積層された構造であることにより、表面側の弾性体層に加わる車両の荷重が積層された弾性体層を通してバランス良く分散されるため、積層構造の耐久性が高められる。さらに、弾性体層をゴム弾性体とすると共に硬質部材に加硫接着されたことにより、ゴム弾性体の耐久性が高められる。
また、進行方向のアスファルト路面側の弾性体部内に硬質部材が埋設されて、弾性体部の表面からの厚さが進行方向に向けて漸次薄くなるようされ、弾性体部の硬質部材との境界部分の硬度が高くされることにより、車両が伸縮継手装置の弾性体部からアスファルト路面に大きな衝撃を受けることなくスムーズに移行することができる。そのため、アスファルト路面の弾性体部との境界部での凹みの発生が抑えられ、その結果、車両のスムーズな走行が長期にわたって確保されると共に、第1路面の補修の手間が大幅に削減される。また、弾性体層は、埋設された硬質部材により厚さが漸次薄くされるため、車体の沈み込みが抑えられる。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態である轍防止装置が適用された伸縮継手装置を、一対の橋桁の連結部分にて橋桁の遊間を跨いで架設した状態を一部破断正面図により示したものであり、図2は伸縮継手装置を拡大した断面図により示したものである。この伸縮継手装置10は、遊間3を挟んで対称形状であると共に橋軸直角方向(図1の紙面に対する垂直方向)に延びており、一対の橋桁2の橋軸方向である車両進行方向(図1の矢印に示す右方向)に対して前側(図示右側)の右コンクリート部12と、後側(図示左側)の左コンクリート部13と、両コンクリート部12,13の凹部に嵌合されて遊間3を跨いで配設された伸縮継手であるフィンガージョイント11とにより構成されており、左コンクリート部13の上面側が轍防止装置14にされている。
右及び左コンクリート部12,13は、略L字形で各横辺部が遊間3方向に延びた状態で互いに対向して一対の橋桁2上にそれぞれ配設されている。右コンクリート部12は,全体がコンクリート製になっており、L字の横辺部の底面近傍にアンカー12aが橋軸方向に向けて埋設されている。左コンクリート部13は、L字形の縦辺部の上側部分がゴム弾性体製で長方形厚板形状の弾性体層15になっており、弾性体層15から横辺部に続いてコンクリート製の基部16になっている。
そして、弾性体層15には、鉄製の平板である硬質部材17が、橋軸方向に右上がりに傾斜し、橋軸直角方向に延びた状態で埋設されている。弾性体層15、硬質部材17及び後述するアンカーボルト19とによって轍防止装置14が構成されている。硬質部材17の傾斜角度は、5°〜45°の範囲内であり、用途等に応じて適宜選択される。なお、傾斜角度が5°より小さいと、角度変化が少ないため衝撃を吸収する効果が少なくなり、また弾性体層15の橋軸方向長さを長くして硬質部材17を長くする必要があるため、伸縮継手装置自体の長さが長くなるという問題がある。また、傾斜角度が45°より大きくなると、ゴム弾性体の硬さの変化が急激になるため、弾性体層15の受ける衝撃が大きくなり過ぎることになる。
また、弾性体層15は、硬質部材17に対して加硫接着により形成されることが両者の密着性を高める上で好ましい。基部16には、その底面近傍にアンカー13aが橋軸方向に向けて埋設されており、弾性体層15の近傍位置には上アンカー18が橋軸方向に向けて埋設されている。硬質部材17は、橋軸直角方向の複数箇所かつ橋軸方向の3箇所でアンカーボルト19により上アンカー18に固定されている。
つぎに、伸縮継手装置10の橋桁2への取り付けについて説明する。図1に示すように、橋脚1に支持された一対の橋桁2は、遊間3を挟んだ対向端部上面側に断面長方形に切り欠かれて橋軸直角方向に延びた収容凹部2aをそれぞれ設けており、この両収容凹部2aに沿って上記L字状の一対の右及び左コンクリート部12,13が後打ちで形成されている。両コンクリート部12,13上に、フィンガージョイント11が、両者に跨って嵌め合わされており、その上面が両コンクリート部12,13上面と面一にされている。フィンガージョイント11は、その取付孔(図示しない)に挿入したアンカーボルト11aをコンクリート部12,13内に埋設されたアンカー12a,13aに係止させることにより、コンクリート部12,13に固定されている。さらに、コンクリート部13上に、轍防止装置14を構成する弾性体層15が接着により固定され、硬質部材17がアンカーボルト19により上アンカー18に固定される。さらに、両橋桁2には右及び左アスファルト路面5,6が敷設されており、両アスファルト路面5,6が伸縮継手装置10の上面と面一にされている。
上記構成の第1実施形態においては、弾性体層15の内部に、左アスファルト路面6との境界から進行方向に向けて弾性体層15の表面からの厚さが漸次薄くなるように硬質部材17が埋設されたことにより、車両が、左アスファルト路面6から伸縮継手装置10側に移ったとき、弾性体層15の厚さが厚くなっているため、車輪が大きな衝撃を受けることなくスムーズに弾性体層15に移行することができる。そのため、左アスファルト路面6の弾性体層15との境界部での轍掘れによる凹みの発生が抑えられる。その結果、第1実施形態においては、伸縮継手装置10配設部分での車両のスムーズな走行が長期にわたって確保されると共に、左アスファルト路面6の補修の手間が大幅に削減される。また、弾性体層15は、傾斜して埋設された平板状の硬質部材17により表面側の厚さが漸次薄くされ、その硬さが漸次硬くされるため、車体の沈み込みが抑えられる。
また、平板状の硬質部材17が進行方向に向けて上向きに傾斜していることにより、表面側の弾性体層15の硬さが連続して硬くされると共に、硬質部材17に角が無いため、弾性体層15への局部的な応力の集中が避けられ、その結果、弾性体層15の耐久性が高められる。さらに、硬質部材17は、弾性体層15の加硫接着によって一体化されているため、両者の接着強度が高められ、轍防止装置14の耐久性がさらに高められる。
つぎに、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、図3に示すように、コンクリート部13Aに配設された轍防止装置21を構成する硬質部材22が、複数の金属製の板材23からなり、各板材23は弾性体層15内に互いに平行になるように積層されると共に、左アスファルト路面6との境界から進行方向に向けて右上がりに傾斜して埋設されている。このように、伸縮継手装置10Aの轍防止装置21は、複数の板材23による積層構造にされており、硬質部材22の一番下の板材23をアンカーボルト19によって上アンカー18に固定することによりコンクリート部13Aに配設されている。伸縮継手装置10Aのその他の構成については、上記伸縮継手装置10と同様である。
第2実施形態では、図3に示すように、コンクリート部13Aに配設された轍防止装置21を構成する硬質部材22が、複数の金属製の板材23からなり、各板材23は弾性体層15内に互いに平行になるように積層されると共に、左アスファルト路面6との境界から進行方向に向けて右上がりに傾斜して埋設されている。このように、伸縮継手装置10Aの轍防止装置21は、複数の板材23による積層構造にされており、硬質部材22の一番下の板材23をアンカーボルト19によって上アンカー18に固定することによりコンクリート部13Aに配設されている。伸縮継手装置10Aのその他の構成については、上記伸縮継手装置10と同様である。
これにより、第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、アスファルト路面6の弾性体層15との境界部での轍掘れによる凹みの発生が抑えられ、車体の沈み込みが抑えられる効果が得られると共に、さらに表面側の弾性体層15に加わる車両の荷重が積層されたゴム弾性体層全体を通してバランス良く分散されるため、轍防止装置21の耐久性が高められる。
つぎに、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、図4に示すように、轍防止装置24を構成する硬質部材25が、複数の金属製の板材26からなり、各板材26は弾性体層15内において互いに平行にかつ水平に積層されている。複数の板材26は、下側から上側にかけて板材の橋軸方向長さが短くされると共に、各板材26の一端(図示右端)が弾性体層15の右端で揃えられており、他端(図示左端)がアスファルト路面6との境界から進行方向に向けて右上に傾斜して配置されている。これにより、弾性体層15の表面からの厚さが相対的に漸次薄くなるようにされたものである。
第3実施形態では、図4に示すように、轍防止装置24を構成する硬質部材25が、複数の金属製の板材26からなり、各板材26は弾性体層15内において互いに平行にかつ水平に積層されている。複数の板材26は、下側から上側にかけて板材の橋軸方向長さが短くされると共に、各板材26の一端(図示右端)が弾性体層15の右端で揃えられており、他端(図示左端)がアスファルト路面6との境界から進行方向に向けて右上に傾斜して配置されている。これにより、弾性体層15の表面からの厚さが相対的に漸次薄くなるようにされたものである。
このように、伸縮継手装置10Bの轍防止装置24は、複数の板材26による積層構造にされており、硬質部材25の一番下の板材26をアンカーボルト19によって上アンカー18に固定することにより、コンクリート部13Bに配設されている。伸縮継手装置10Bのその他の構成については、上記伸縮継手装置10と同様である。上記構成の第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果が得られると共に、第2実施形態と同様に、表面側の弾性体層15に加わる車両の荷重が積層された硬質部材25を通してバランス良く分散されるため、轍防止装置24の耐久性が高められる。
なお、上記第1から第3実施形態においては、轍防止装置を橋桁間に配設される伸縮継手装置の一方のコンクリート部13の表面に設けて、車両進行方向の後側のアスファルト路面につなげるようにしたものであるが、これに限るものではない。例えば、硬度の低いアスファルト路面と硬度の高いコンクリート路面が連続してつながれた道路の両者の境界において、轍防止装置がコンクリート路面側に設けられてもよい。
つぎに、第4実施形態について説明する。
第4実施形態の伸縮継手装置30は、主としてゴム弾性体製の長方形の厚板である弾性体部31を備えたゴム一体型の継手装置であり、図5に示すように、橋桁2の連結部にて遊間3を跨いで右及び左アスファルト路面5,6間に架設される。
第4実施形態の伸縮継手装置30は、主としてゴム弾性体製の長方形の厚板である弾性体部31を備えたゴム一体型の継手装置であり、図5に示すように、橋桁2の連結部にて遊間3を跨いで右及び左アスファルト路面5,6間に架設される。
弾性体部31は、長手方向が橋軸直角方向(図5の紙面に対する垂直方向)に対応しており、短辺である幅方向が橋軸方向(図5の左右方向)に対応している。さらに、弾性体部31は、CR等のゴム材料により形成されており、上面から厚さ方向の略1/3の部分が例えばJIS−A硬度が65度以上の高硬度層31aとなっている。高硬度層31aの下側は、高硬度層31aに比べて硬度の低い低硬度層31bになっている。高硬度層31aと低硬度層31bは、同一金型内で加硫成形することにより接合されている。なお、高硬度層は、ゴム材料にセラミック粒やスチール粒を混入させて硬度を上げたものでもよい。
弾性体部31は、橋桁2の遊間3位置に対応した橋軸方向中心部の下面に、断面台形形状に切り欠かれて橋軸直角方向に延びた下側溝部32を設けている。下側溝部32は、弾性体部31の厚さ方向の略半分程度の深さになっている。また、弾性体部31は、下側溝部32の橋軸方向両側から離間した位置にて、その上面に橋軸直角方向に延びた左右一対の上側溝部33,34を設けている。上側溝部33,34も、弾性体部31の厚さ方向の略半分程度の深さになっている。この下側溝部32の橋軸方向両側と一対の上側溝部33,34との間が、それぞれ弾性変形部35になっている。また、弾性体部31は、両上側溝部33,34の橋軸方向外側でかつ橋軸直角方向の両端近傍位置に厚さ方向に貫通した取付孔(図示しない)を設けており、取付孔に上面側から挿入されるアンカーボルトによって橋桁2に固定されるようになっている。
弾性体部31には、下側溝部32の上方に金属平板である補強板36が高硬度層31aと低硬度層31bとに跨って水平に延びて埋設されている。また、弾性体部31には、L字形状の金具である一対の補強部材37が、下側溝部32を挟んだ両側から橋軸方向両端まで水平に延び、さらに垂直に折り曲げられて高硬度層31a内に延出して埋設されている。
そして、弾性体部31の高硬度層31a内の右上側溝部34と右端間には、轍防止装置を構成する鉄製の平板である右硬質部材38が、橋軸方向に右上がりに傾斜し、橋軸直角方向に延びた状態で埋設されている。右硬質部材38の傾斜角度については、上記第1実施形態に示した硬質部材17と同様、5°〜45°の範囲内で選択される。これにより、高硬度層31aの表面から右硬質部材38に至る厚さが進行方向に向けて漸次薄くなるようされているため、右硬質部材38上部の高硬度層31aの硬度が、相対的に漸次高くされる。さらに、高硬度層31a内の左上側溝部33と左端間には、轍防止装置を構成する鉄製の平板である左硬質部材39が、橋軸方向に右上がりに傾斜し、橋軸直角方向に延びた状態で埋設されている。左硬質部材39の傾斜角度についても右硬質部材38と同様、5°〜45°の範囲内で選択される。これにより、高硬度層31aの表面から左硬質部材39に至る部分の硬度が、進行方向に向けて相対的に漸次高くされる。なお、右硬質部材38と左硬質部材39は、補強部材37に連結されることで、車体による凹みが防止されている。
上記構成の第4実施形態においては、進行方向前方のアスファルト路面5側の高硬度層31a内に右硬質部材38が埋設されて、高硬度層31aの表面からの厚さが進行方向に向けて漸次薄くなると共に相対的に硬度も高くされるため、アスファルト路面5との境界部分の硬度が高くされる。そのため、車両が弾性体部31からアスファルト路面5に大きな衝撃を受けることなくスムーズに移行することができる。そのため、アスファルト路面5の弾性体部31との境界部での轍掘れによる凹みの発生が抑えられる。その結果、第4実施形態によれば、車両のスムーズな走行が長期にわたって確保されると共に、アスファルト路面5の補修の手間及びコストが大幅に削減される。また、弾性体部31は、埋設された右硬質部材38により厚さが漸次薄くされるため、車体の沈み込みが抑えられる。
また、左硬質部材39が埋設された弾性体部31の左側部分については、上記第1実施形態に示したように、車両が、アスファルト路面6から伸縮継手装置30の弾性体部31側に移ったとき、高硬度層31aの厚さが厚くなっているため、車体が大きな衝撃を受けることなくスムーズに弾性体部31に移行することができる。そのため、アスファルト路面6の境界部での凹みの発生が抑えられ、その結果、車両のスムーズな走行が長期にわたって確保されると共に、アスファルト路面6の補修の手間が大幅に削減される。また、弾性体部31は、埋設された左硬質部材39により厚さが漸次薄くされるため、車体の沈み込みが抑えられる。
さらに、第4実施形態においては、弾性変形部35が、弾性体部31の表層側の高硬度層31aの部分より硬度が低くなっている。そのため、硬度の低い弾性変形部35により、車両の走行性が高められると共に、地震等による衝撃、車両通過時の衝撃等による橋桁2間の遊間3変位が吸収される。その結果、第4実施形態によれば、車両の安全かつ円滑な走行が確保されると共に、車両の通過に伴う騒音や振動の発生が抑えられる。さらに、弾性体部31の表層側の高硬度層31aが、弾性変形部35の硬度より高くなっているため、車両の大きな輪荷重の繰返し付加による上側溝部33の磨耗が抑えられ、伸縮継手装置30の損傷の程度も低くその製品寿命が長くされる。
なお、上記第4実施形態においては、伸縮継手装置の弾性体部の両側に轍防止装置としての左右の硬質部材38,39が埋設されているが、左側の硬質部材39を省略してもよい。その他、上記各実施形態に示したものは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲においてに、種々変更して実施することが可能である。
本発明の轍防止装置は、低硬度の路面材からなる第1路面と、高硬度の路面材からなる第2路面とが進行方向に連続して配列された道路を、車両が通行する際に、車輪が大きな衝撃を受けることなくスムーズに弾性体層に移行することができるため、第1路面の境界部での凹みの発生が抑えられるため、道路の管理上有用である。また、本発明の伸縮継手装置は、低硬度の弾性体部に続くアスファルト路面の凹みが抑えられ、車両が通行する際に、車輪がスムーズに弾性体層からアスファルト路面に移行することができるため、道路の管理上有用である。
1…橋脚、2…橋桁、3…遊間、5…右アスファルト路面、6…左アスファルト路面、10,10A,10B…伸縮継手装置、11…ファインガージョイント、12,13,13A,13B…コンクリート部、14…轍防止装置、15…弾性体層、17…硬質部材、18…上アンカー、19…アンカーボルト、21…轍防止装置、22…硬質部材、23…板材、24…轍防止装置、25…硬質部材、26…板材、30…伸縮継手装置、31…弾性体部、33,34…上側溝部、38…右硬質部材、39…左硬質部材。
Claims (5)
- 低硬度の路面材からなる第1路面と、高硬度の路面材からなる第2路面とが車両の進行方向に向けて連続して配設された道路の、該第2路面の表面側に前記第1路面との境界から続いて弾性体層が配設されてなる轍防止装置であって、
前記弾性体層の内部に、前記第1及び第2路面の境界から進行方向に向けて該弾性体層の表面からの厚さが漸次薄くなるように硬質部材が埋設されたことを特徴とする轍防止装置。 - 前記硬質部材が平板状であって、前記境界から進行方向に向けて傾斜して埋設され、前記弾性体層の表面からの厚さが進行方向に向けて漸次薄くなるようにされたことを特徴とする前記請求項1に記載の轍防止装置。
- 前記硬質部材は、複数の板材が弾性体を介して積層されたものであることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の轍防止装置。
- 前記弾性体層がゴム弾性体により構成されており、前記硬質部材に加硫接着されたものであることを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載の轍防止装置。
- 橋桁の連結部分にて該橋桁の遊間を跨いで架設される弾性体部を備え、車両の進行方向側にてアスファルト路面に連続するように配設される伸縮継手装置であって、
前記アスファルト路面側の前記弾性体部内に、該弾性体部の表面からの厚さが進行方向に向けて漸次薄くなるように硬質部材が埋設されたことを特徴とする伸縮継手装置。
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