JP2005089498A - インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005089498A
JP2005089498A JP2003320895A JP2003320895A JP2005089498A JP 2005089498 A JP2005089498 A JP 2005089498A JP 2003320895 A JP2003320895 A JP 2003320895A JP 2003320895 A JP2003320895 A JP 2003320895A JP 2005089498 A JP2005089498 A JP 2005089498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
dye
inkjet
printing ink
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003320895A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Morimoto
仁士 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2003320895A priority Critical patent/JP2005089498A/ja
Priority to US10/932,939 priority patent/US7344236B2/en
Priority to EP04021189A priority patent/EP1514969B1/en
Priority to CNB200410077014XA priority patent/CN100408332C/zh
Publication of JP2005089498A publication Critical patent/JP2005089498A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、出射性、保存安定性にすぐれたインクジェット捺染インクを提供することにある。
【解決手段】 少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、分散染料の平均粒径が100nm以上300nm以下であり、インク中における染料溶解度が10-5以上10-3以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット捺染インクおよびこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
捺染の分野において、納期短縮、少量多品種生産対応としてインクジェット捺染方式が望まれている。ポリエステル等の繊維の染色に対しては一般に分散染料が用いられるが、インクジェット用に分散染料を用いる場合、従来の捺染用の染料選択の基準である色調、堅牢性等の性能の他にインクジェット記録方式は微細なノズルからの吐出となるため、微細な粒子にするための分散適性、ノズル目詰まり防止、分散安定性等の制約があり、染料選択に対する制約が多い。また、インクジェット用記録インクには、微細な吐出ノズルを粗大粒子等によって目詰まりさせないこと、製造中また保存中にインク物性の変化及び固形分の析出がないこと等の課題がある。特に分散染料を着色剤とするインクは、水性媒体中に着色剤微粒子が分散されている分散系であるため、インク中に含まれる粗大粒子は微小なごみ等の他に、分散している着色剤粒子が保存過程中に凝集してできる大粒子があり、完全な溶液である染料インクと比較すると粗大粒子が生成しやすい。このため製造工程中に濾過や遠心分離を行うことによって、ノズルの目詰まりや固形分析出の原因となるインク中の粗大粒子を除去する方法が記載されている(例えば特許文献1)。
また、顔科を安定にインク組成物中に分散させる提案が種々なされている。例えば、特公昭55−35434号公報には顔科を分散する分散剤として親油性部分と親水性部分をもつ重合体の利用が提案されている。また、特公平4−5703号公報には顔料を分散する分散剤として、特定範囲の分子量を有する親油性部分と親水性部分を持つ重合体の使用が提案されている。
分散染料インクでは、製造時に粗大粒子を除去する方法では、充分な安定性が得られないこと、顔料と同じアプローチにて界面活性剤、分散剤等の種類を最適化しても完全に解決できるものではなかった。
また、一方で、インク中に含まれる溶存気体が、その印刷物の解像度や鮮明さを損なったり、微細な気泡発生を引き起こす要因となり、それによる目詰まりがおこる場合がある。特許文献2には、気体透過性のある中空糸膜内にインクを通液し、中空糸膜の外表面側を減圧することにより、インク中の溶存気体を透過、除去する方法が記載されている。しかしながら、これらも全てのインクに対して十分な効果を発揮するものではなく、分散染料インクにおいては前記の脱気処理によっても完全に気泡を除去することは難しかった。
特開昭64−48875号公報 特開平10−298470号公報
この様な事態に鑑み、本発明は、出射性、保存安定性にすぐれたインクジェット捺染インクを提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成によって達成される。
(請求項1)
少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、分散染料の平均粒径が100nm以上300nm以下であり、インク中における染料溶解度が10-5以上10-3以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
(請求項2)
少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、分散染料の平均粒径が100nm以上300nm以下であり、インク中における染料溶解度が10-5以上10-4以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
(請求項3)
中空糸膜モジュールを用いて脱気することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット捺染インク。
(請求項4)
ノズル径が、30マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドと請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項5)
駆動周波数が20kHz以上であるインクジェットヘッドと請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項6)
インク吐出速度が6m/s以上であるインクジェットヘッドと請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、目詰まりや沈降の少ない安定性の高いインクジェット捺染インクを得ることができ、これを用い、高細精なインクジェット記録、捺染を行うことができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特に着色剤として分散染料を水系分散したインクジェット捺染インクにおいて、極めて低いながらも溶解度をもつ分散染料の特徴に注目し、大幅な保存性改良をなしえたものである。
分散染料を微粒子状に分散させた、捺染用インクジェットインクには、分散の安定性が良く、粒子沈降が発生しない事、ノズルやフィルター等を閉塞しないことが要求される。
分散染料を用いたインクジェット捺染インクにおいては、分散染料の媒体である水や水溶性有機溶剤、界面活性剤、分散剤に対する溶解性が、分散粒子の保存性と安定性に極めて大きな影響を与える事がわかった。
分散染料は、水に難溶ではあるが、幾分かは溶解性を持っている。特に、粒子径が小さくなると、溶解度が大きくなる。すなわち、粒子径分布が広いと、保存中に、小粒子が溶解して大粒子上に析出、つまり結晶が成長し、粒子径がしだいに大きくなり、目詰まりや沈降を起こす事がわかった。また、結晶成長速度は、染料の溶解度に左右される。即ち、溶解度が大きいと結晶成長速度が大きく、溶解度が小さいとその逆となる。
従って、溶解度がある程度大きく、また、粒子径分布のある分散染料インクにおいては、どうしても結晶成長が起こり、粗大粒子が生成してしまう。
また一方で、分散系のインクにおいては、完全に気泡を除去することが困難である。水性染料を使用した溶解系のインクでは、例えば、中空糸膜モジュールを使用して容易に脱気出来るものの、固体を水系にて分散し使用する分散系インクでは、前述の方法で固体表面に付着した気泡まで完全に取り去る事は難しい場合がある。その場合、充分な脱気が出来ずにキャビテーションによる出射不良が発生する。
本発明者は、種々検討の結果、染料溶解度が低いインク処方においては、溶剤、分散剤と着色剤粒子との親和性が低いために濡れ性が悪く、この場合は特に、完全に気泡を除去することが困難である事がわかった。
本発明者は、インク中における染料の溶解度を一定の範囲に調節する事で、結晶成長を抑え、また、十分な濡れ性を持たせて脱気を容易にすることが可能である事を見出した。即ち、染料溶解度が高いと、結晶成長による目詰まりが発生し、染料溶解度が低いと充分な脱気が難しく、出射性に問題がある。そこで、一定の染料溶解度を有するインク処方においては、相反する2問題を同時に解決できる。
また、染料溶解度は、固体粒子の総表面積により左右されるが、粒子径が100nm以上300nm以下の範囲において、上記課題に対し有効である。即ちこの範囲の粒径でああれば、染料溶解度の違いによる結晶成長が少なく、また、染料粒子表面の気泡の付着量も少なく、上記脱気の効果も大きい。
従って、分散染料微粒子を水及び/又は水溶性有機溶媒中に分散した本発明に係わる、インクジェット捺染インクにおいては、分散染料の平均粒径が100nm以上300nm以下であり、インク中における染料溶解度が10-5以上10-3以下の範囲にあるときに、インクジェット捺染インクが結晶成長による目詰まりもなく、また、粒子表面への気泡の付着量も少なく、脱気の効果が大きいことをみいだしたものである。染料溶解度はさらに好ましくは10-5以上10-4以下の範囲である。
本発明において、インク中の染料溶解度の測定は、以下の方法にて行う。
染料を添加しないこと以外はインクと全く同じ組成で、溶解度測定液を作成し、この溶解度測定液に染料粉体を0.1%添加し、5時間攪拌を行う(25℃)。攪拌終了後、遠心分離器により未溶解の染料をすべて沈降させ、上澄の溶解部分を分取する。この染料が溶解した上澄部分に存在する染料の濃度をHPLCにて定量する。溶解度は通常用いられる様に、溶液100gあたりの溶質量(g)とした。
尚、HPLCは、特に選ばないが、例えば、Inert Sil ODS−2(逆相シリカ)をカラムとして用い、溶離液として0.1M酢酸アンモニウムBuffer(pH 5)、メタノール等を適宜組成を変えて用いて、UV検出器(例えば検出波長 260nm)により測定できる。
特に、プリンター等に利用されるインクにおいては、インク中に含まれる溶存気体が、その印刷物の解像度や鮮明さを損なったり、微細な気泡発生を引き起こす要因となる。
インク中から溶存気体を脱気する方法としては、煮沸や減圧等の物理的方法により脱気する方法と、吸収剤をインク中に混入させる化学的方法等がある。いかなる手段によっても脱気を行うことは可能であるが、本発明においては、気体透過性のある中空糸膜内にインクを通液し、中空糸膜の外表面側を減圧することにより、インク中の溶存気体を透過、除去する方法が、インクの物性に悪影響を与えずに効率よくインク中の溶存気体を除去することができ好ましい。特に分散染料の平均粒径が前記範囲(50nm以上300nm以下)であるときには、脱気の効率がよい。
平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機により求めることができる。具体的粒径測定装置としては、例えばマルバーン社製ゼーターサイザー1000等を挙げることができる。
また、超音波発生装置(例えば、SMT社 UH−600S、20kHz、600W)等を用いて、超音波処理をインクに行って脱気する方法等も好ましい。また、前記の中空糸膜を用いた減圧脱気時に、インク流路に、例えば超音波発生装置をとりつけ、超音波処理を行う方法を組み合わせる方法も好ましい。この方法によれば、脱気時のインク流速を変える事で、インクの脱気の度合いを調整でき、所望の溶存空気量に調整できる。
本発明においては、上記脱気操作を行うことによって、溶存空気濃度が、30ppm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、溶存空気濃度は、20ppm以下であり、20ppm〜0ppmである。
溶存空気濃度は、溶存酸素濃度を測定し、空気中の酸素の割合を基にして求めることができる。
溶存酸素濃度は、オストワルド法(実験化学講座1基本操作[I]、241頁、1975年、丸善)や、マススペクトル法で測定することができるし、ガルバニ電池型やポ−ラログラフ型などの簡便な酸素濃度計や比色分析法で測定することができる。
また、溶存酸素濃度は市販の溶存酸素濃度計例えば、東亜電波工業(株)製DO−30A型等を用いて測定できる。溶存空気濃度は、溶存酸素濃度を測定し、空気中の酸素の割合を基にして求めた。
高精細な画像を得るためにノズル径が10μm〜50μmのインクジェットヘッドを用いて記録することが好ましい。粒状性より50μm以下が好ましく、液滴体積が小さくなりすぎて気流の影響を受けるため10μm以上が好ましい。
本発明に係わるのインクは、安定性に優れ、粗大分散染料粒子が少なく、ノズル径の小さい、即ち小液滴のインクジェット記録法に適するインクである。本発明に係わるインクジェット捺染インクは、前記10μm〜50μmのうち、ノズル径が、30マイクロメートル以下、さらに好ましくは、20マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドを用いて、出射する際に、インクジェットヘッドの目詰まりや、出射不良がなく特に好ましい。
又、本発明に係わるインクジェット捺染インクは、駆動周波数が20kHz以上、更には駆動周波数が30kHz以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することができる。
また、インク吐出速度においても、6m/s以上、さらに好ましくは、インク吐出速度が8m/s以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用し、安定に用いることができる。
このように、従来、分散染料インクを用いて、安定に駆動ができなかったヘッド構造、ヘッド駆動条件等を用いても、本発明に係わるインクジェット捺染インクは十分な出射性を得ることができた。
本発明に係わる捺染方法は、ポリエステル繊維を含む布帛上に、本発明に係わるインクジェット捺染インクを用いてインクジェット法により記録するものである。
本発明の捺染方法において使用する布帛を構成する素材としては、分散染料で染色可能な繊維を含有するものであれば、特に制限はないが、中でも、ポリエステル、アセテート、トリアセテート等の繊維を含有するものが好ましい。その中でも、少なくともポリエステル繊維が含有されている布帛が特に好ましい。布帛としては、上記に挙げた繊維を、織物、編物、不織布等いずれの形態にしたものでもよい。又、本発明で使用し得る布帛としては、分散染料で染色可能な繊維が100%であることが好適であるが、レーヨン、綿、ポリウレタン、アクリル、ナイロン、羊毛及び絹等との混紡織布又は混紡不織布等も捺染用布帛として使用することができる。又、上記の様な布帛を構成する糸の太さとしては、10〜100dの範囲が好ましい。
本発明に係わる捺染方法は、ポリエステル繊維を含む布帛上に、本発明に係わるインクジェット捺染インクを用いてインクジェット法により記録するものである。
本発明の捺染方法において使用する布帛を構成する素材としては、分散染料で染色可能な繊維を含有するものであれば、特に制限はないが、中でも、ポリエステル、アセテート、トリアセテート等の繊維を含有するものが好ましい。その中でも、少なくともポリエステル繊維が含有されている布帛が特に好ましい。布帛としては、上記に挙げた繊維を、織物、編物、不織布等いずれの形態にしたものでもよい。又、本発明で使用し得る布帛としては、分散染料で染色可能な繊維が100%であることが好適であるが、レーヨン、綿、ポリウレタン、アクリル、ナイロン、羊毛及び絹等との混紡織布又は混紡不織布等も捺染用布帛として使用することができる。又、上記の様な布帛を構成する糸の太さとしては、10〜100dの範囲が好ましい。
本発明に係わるインクジェット捺染方法の場合、均一な染色物を得るために、水溶性高分子類を布帛に前処理する前に、布帛繊維に付着した天然不純物(油脂、ロウ、ペクチン質、天然色素等)、布帛製造過程で用いた薬剤の残留分(のり剤等)、よごれなどを洗浄しておくことが望ましい。洗浄に用いられる洗浄剤としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムといったアルカリ、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤といった界面活性剤、酵素等が用いられる。
本発明に係わる捺染方法においては、にじみ防止効果のため、前処理剤をパッド法、コーティング法、スプレー法などで付与せしめるのが好ましい(前処理工程)。その後、分散染料で染色することが可能な繊維が含有されている布帛上に、先に述べた構成のインクを用いてインクジェット記録方式で画像を形成した後(インク付与工程)、インクが付与されている布帛を熱処理し(発色工程)、更に熱処理された布帛を洗浄すること(洗浄工程)によって布帛への捺染が完了し、捺染物が得られる。
前処理としては、水溶性高分子類を布帛に前処理するなどの公知の方法から繊維素材やインクに適した方法を適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。例えば、水溶性金属塩、ポリカチオン化合物、水溶性高分子、界面活性剤及び撥水剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質が0.2〜50質量%付与された布帛に対して使用すれば、高度なにじみ防止が可能であり、高精細な画像を布帛にプリントすることができ好ましい。
前処理に使用される具体的な水溶性高分子の例をあげる。天然水溶性高分子としては、トウモロコシ、小麦等のデンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチセルロースなどのセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、アラビアゴムなどの多糖類、ゼラチン、カゼイン、ケラチン等の蛋白質物質、合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸系ポリマなどを用いることができる。界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系のものが使用され、代表的には、アニオン系の界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、ナフタレン誘導体のスルホン酸塩等;カチオン系の界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等;両性界面活性剤としては、イミダゾリン誘導体等;ノニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等;が挙げられる。又、撥水剤としては、例えば、シリコン、フッ素系及びワックス系のものが挙げられる。これらの、あらかじめ布帛に付与される水溶性高分子や界面活性剤は、インクジェットプリントをし、高温で発色させる際に、タール化などによるよごれの原因とならないために、高温環境に対して安定であることが好ましい。また、これらの、あらかじめ布帛に付与される水溶性高分子や界面活性剤は、インクジェットプリントをし、高温で発色させた後の洗浄処理で、布帛から取り除きやすいものが好ましい。
布帛に印字を行うインクジェット捺染方法は、インク出射後印字された布帛を巻き取り、加熱により発色し、布帛を洗浄、乾燥させることが望ましい。インクジェット捺染において、インクを布帛に印字しただ放置しておくだけではうまく染着しない。また長尺の布帛に長時間印字し続ける場合などは、布帛が延々と出てくるため床などに、印字した布帛が重なっていき場所をとるしそれは不安全でありまた予期せず汚れてしまう場合がある。そのために印字後、巻き取る操作が必要となる。この操作時に布帛と布帛の間に紙や布、ビニール等の印字に関わらない媒体を挟んでもかまわない。ただし途中で切断する場合や短い布帛に対しては必ずしも巻き取る必要はない。
発色工程は、プリント後布帛表面に付着したのみで、十分布帛に吸着・固着されていないインク中の染料を布帛に吸着・固着させることによりそのインク本来の色相を発現させる工程である。その方法としては、蒸気によるスチーミング、乾熱によるベーキング、サーモゾル、過熱蒸気によるHTスチーマー、加圧蒸気によるHPスチーマーなどが利用される。それらはプリントする素材、インクなどにより適宜選択される。また、印字された布帛は直ちに加熱処理しても、しばらくおいてから加熱処理しても用途に合わせて乾燥・発色処理すればよく、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
分散染料を用いた染色の際は、高温で発色させる方法だけではなく、キャリヤーを用いてもよい。キャリヤーとして用いられる化合物は、染色促進が大きい、使用法が簡便、安定、人体や環境に対して負荷が少ない、繊維からの除去が簡単、染色堅牢度に影響しないといった特徴を持つものが好ましい。キャリヤーの例としてはo−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、メチルナフタリン、安息香酸アルキル、サリチル酸アルキル、クロロベンゼン、ジフェニルといったフェノール類、エーテル類、有機酸類、炭化水素類などを挙げることができる。これらは、ポリエステルのように100℃前後の温度での染色が難しい難染性繊維の膨潤と可塑化を促進し、分散染料を繊維内に入りやすくする。キャリヤーは、インクジェットプリントに使用する布帛の繊維にあらかじめ吸着させておいてもよいし、インクジェットインク中に含まれていてもよい。
加熱処理後は洗浄工程が必要である。なぜなら染着に関与しなかった染料が残留することで、色の安定性が悪くなり堅牢度が低下するからである。また、布帛に施した前処理物を除去することも必要である。そのままにしておくと堅牢性の低下ばかりでなく布帛が変色する。そのため除去対象物や目的に応じた洗浄が必須である。その方法は、プリントする素材、インクにより選択され、例えばポリエステルの場合一般的には、苛性ソーダ、界面活性剤、ハイドロサルファイトの混合液により処理するものである。その方法は、通常オープンソーパーなどの連続型や液流染色機などによるバッチ型で実施されるもので、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
洗浄後は乾燥が必要である。洗浄した布帛を絞ったり脱水した後、干したりあるいは乾燥機、ヒートロール、アイロン等を使用して乾燥させる。
本発明における分散染料とは、スルホン酸、カルボキシ基などのイオン性の水溶性基をもたない非イオン性染料である。分散剤によって水に分散して合成繊維の染色に用いる。分散染料は、顔料と異なり、アセトンやジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に可溶である。また、合成繊維への着色時には繊維中に分子状で拡散する。
はじめアセテート繊維用として開発されたが、今日ではポリエステル繊維用染料としての需要が多い。ポリエステル用染料はアセテート用染料より疎水性度、耐熱性の高いものが選ばれている。分散染料の母体はモノアゾ系、アミノアントラキノン系、ジフェニルアミン系の比較的小さな分子のものが用いられる。
本発明において好ましい分散染料としては、
C.I.Disperse Yellow 3,4,5,7,9,13,23,24,30,33,34,42,44,49,50,51,54,56,58,60,63,64,66,68,71,74,76,79,82,83,85,86,88,90,91,93,98,99,100,104,108,114,116,118,119,122,124,126,135,140,141,149,160,162,163,164,165,179,180,182,183,184,186,192,198,199,202,204,210,211,215,216,218,224,227,231,232、
C.I.Disperse Orange 1,3,5,7,11,13,17,20,21,25,29,30,31,32,33,37,38,42,43,44,45,46,47,48,49,50,53,54,55,56,57,58,59,61,66,71,73,76,78,80,89,90,91,93,96,97,119,127,130,139,142、
C.I.Disperse Red 1,4,5,7,11,12,13,15,17,27,43,44,50,52,53,54,55,56,58,59,60,65,72,73,74,75,76,78,81,82,86,88,90,91,92,93,96,103,105,106,107,108,110,111,113,117,118,121,122,126,127,128,131,132,134,135,137,143,145,146,151,152,153,154,157,159,164,167,169,177,179,181,183,184,185,188,189,190,191,192,200,201,202,203,205,206,207,210,221,224,225,227,229,239,240,257,258,277,278,279,281,288,298,302,303,310,311,312,320,324,328、
C.I.Disperse Violet 1,4,8,23,26,27,28,31,33,35,36,38,40,43,46,48,50,51,52,56,57,59,61,63,69,77、
C.I.Disperse Green 9、
C.I.Disperse Brown 1,2,4,9,13,19、
C.I.Disperse Blue 3,7,9,14,16,19,20,26,27,35,43,44,54,55,56,58,60,62,64,71,72,73,75,79,81,82,83,87,91,93,94,95,96,102,106,108,112,113,115,118,120,122,125,128,130,139,141,142,143,146,148,149,153,154,158,165,167,171,173,174,176,181,183,185,186,187,189,197,198,200,201,205,207,211,214,224,225,257,259,267,268,270,284,285,287,288,291,293,295,297,301,315,330,333、
C.I.Disperse Black 1,3,10,24等が挙げられる。
本発明においては、前記の通り、インクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度、即ち、該インク分散系を構成する媒体への染料溶解度を10-3(g)以下、10-5(g)以上の範囲とするように、前記分散染料が、又、インクを構成するその他の成分が選択され、また、分散染料の平均粒径は50nm以上、300nm以下の範囲に調整される。
分散染料を用いた捺染において高温処理で発色させる場合は、機械や布地の白場に染料が昇華することで汚染の原因とならないために、昇華堅牢度のよい分散染料を選定することが好ましい。
分散染料の含有量としては0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜13質量%がより好ましい。
分散染料は市販品のまま使用してもよいが、精製処理を行うことが好ましい。精製方法としては公知の再結晶方法、洗浄等を用いることができる。精製方法及び精製処理に用いる有機溶媒は染料の種類に応じて、適宜選択することが好ましい。
本発明の水溶性有機溶媒としては、例えば、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等)、一価アルコール類(例えばメタノール、エタノール、ブタノール等)、多価アルコールのアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、2,2’−チオジエタノール、アミド類(例えばN,N−ジメチルホルムアミド等)、複素環類(2−ピロリドン等)、アセトニトリル等が挙げられる。
水溶性有機溶媒量としては全インク質量に対して10〜60質量%が好ましい。
インクの粘度や染料を安定に保つため発色をよくするために、インク中に無機塩を添加してもかまわない。無機塩としてはたとえば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することができ好ましい。
インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(たとえばPreventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(たとえばPROXEL GXL)などが挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明で使用するインクは、水不溶性の染料の場合は染料、分散剤、湿潤剤、媒体および任意の添加剤を混合し分散機を用いることによって分散することができる。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
分散染料の粒径としては平均粒径として300nm以下であり、50nm以上、300nm以下の範囲に調整される。平均粒径、最大粒径が大きいと、微細なノズルより出射するインクジェット捺染方法において、目詰まりも発生しやすくなり、安定出射できなくなる。平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機により求めることができる。具体的粒径測定装置としては、例えばマルバーン社製ゼーターサイザー1000等を挙げることができる。
本発明に好ましく用いられる分散剤は、例えば、クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(たとえばデモールC)、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム(たとえばデモールN)とβ−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩(たとえばバニレックスRN)、パラフィンスルホン酸ナトリウム(たとえばエフコール214)、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合物(たとえばフローレンG−700)等が挙げられる。
分散剤の使用量は、分散染料に対して、20〜200質量%が好ましい。分散剤が少ないと微粒子化や分散安定性が劣り、分散剤が多いと、微粒子化や分散安定性が劣り、粘度が高くなり好ましくない。これらの分散剤は単独で使用してもよいが、併用しても良い。
本発明の分散に好ましい湿潤剤とは、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、2−エチルへキシルスルホ琥珀酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、フェノールの酸化エチレン付加物、アセチレンジオールの酸化エチレン付加物等である。
使用する分散染料の構造により、分散中に、発泡したり、ゲル化したり、流動性が悪くなる事が有るので、分散剤や湿潤剤は、湿潤能力や微粒子化能力や分散安定性の他、分散時の発泡、分散液のゲル化、分散液の流動性等を考慮して選定する必要がある。また、分散剤や湿潤剤は、布帛への染色性、染着率、均染性、移染性、色の冴え、堅牢度などに及ぼす影響や、高温で発色させる際には分散剤や湿潤剤のタール化により染色が不均一になること等も考慮して選定されることが好ましい。上記の要求を全て満たす分散剤は無いので、分散する染料に合わせて、最適な分散剤を選定して、必要に応じて、消泡剤等を添加する必要がある。
高温蒸熱法で染色する際に用いる捺染用インクジェットインクまたは捺染プリントに使用する布帛には染着助剤が含まれていることが好ましい。染着助剤は捺染布を蒸熱する際に、布状に凝縮した水と共融混合物を作り、再蒸発する水分の量を抑え、昇温時間を短縮する作用がある。さらに、この共融混合物は、繊維上の染料を溶解し染料の繊維への拡散速度を助長する作用がある。染着助剤としては尿素が挙げられる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
〈インク中の染料溶解度の測定〉
染料を添加しないこと以外はインクと全く同じ組成で、溶解度測定液を作成する。この溶解度測定液に染料粉体を0.1%添加し、5時間攪拌を行う。攪拌終了後、遠心分離器により未溶解の染料をすべて沈降させ、上澄の溶解部分を分取する。この染料が溶解した上澄部分に存在する染料の濃度をHPLCにて定量した。溶解度は通常用いられる様に、溶液100gあたりの溶質量(g)とした。
HPLC測定条件装置
デガッサ:GL Science社製 Degassing unit Model
546B
ポンプ:日立製作所製 Intelligent Pump L−6200
カラムガスオーブン:ガスクロ工業製
検出器:日立製作所製 UV−vis Detector L−4200
インテグレーター:日立製作所製 GPC Integrater D−2520
サンプラー:日立製作所製 Intelligent Auto Sampler A
S−4000
測定条件
カラム:Inert Sil ODS−2(逆相シリカ) 4.6mm ID×205
mml
オーブン:40℃
流量:0.8ml/min
inj量:20μl
溶離液の組成:20分まで溶離液A:溶離液B=30:70
以後、溶離液A:溶離液B=0:100。
溶離液A 0.1M酢酸アンモニウムBuffer pH 5
溶離液B メタノール
検出波長:260nm
〈分散液1〉
下記混合液をサンドグラインダーを用いて分散した。分散は平均粒径が200nmに到達したところで停止した。
C.I.ディスパーズイエロー149 25部
グリセリン 25部
イオン交換水 25部
リグニンスルホン酸ナトリウム 25部
(バニレックスRN 日本製紙(株)製)
平均粒子径は、マルバーン社製ゼーターサイザー1000を用いて測定した。
〈インク1〉
さらに下記成分を混合、3μmメンブランフェイルターでろ過、脱気処理を行い、インク1とした。
分散液1 50部
エチレングリコール 40部
グリセリン 0部
プロキセルGXL(S) 0.01部
(アビシア株式会社製)
フローレンG−700(共栄社化学製) 11部
イオン交換水 残部
フローレンG−700は、あらかじめ、必要量の水酸化ナトリウムを用いて、中和した。
インク1と同様にして、分散液1を用いて、表1の組成でインク2〜5を作製した。
また、調製したインクは、以下の方法で脱気後、真空充填した。
気体透過性のある中空糸膜(三菱レーヨン製)内にインクを通液し、中空糸膜の外表面側を水流アスピレータで減圧することにより、インク中の溶存気体を除去した。また、脱気時のインク流速を変える事で、溶存酸素濃度が2ppmとなるようにした。
溶存酸素濃度は市販の溶存酸素濃度計(東亜電波工業(株)製DO−30A型)を用いて、25℃、1気圧にて測定した。また平均粒子径は、前記同様にマルバーン社製ゼーターサイザー1000を用いて測定した。
Figure 2005089498
プロキセル;PROXEL GXL(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン)
フローレン;フローレンG−700(共栄社化学製)
それぞれのインク処方における染料溶解度についても前記方法により測定した。
[フィルターろ過試験]
作製したインク2Lを40℃にて4週間保存後、金属メッシュフィルター(#3500メッシュ、10φ)を通過させ、目詰まりの有無を調べると共に、フィルター表面を電子顕微鏡で観察した。
◎ :2L目詰まりなし、電子顕微鏡観察で結晶成長物無し
○ :2L目詰まりなし、電子顕微鏡観察で結晶成長物有り
△ :1〜2Lの間で目詰まり発生
× :1L以下で目詰まり発生
[出射性評価1]
ノズル直径40μm、駆動周波数10kHz、ノズル数64のピエゾ型ヘッドを用いて、出射を行い出射性を評価した。駆動電圧は吐出速度が6m/sとなるように調整した。
・安定出射
25℃、相対湿度50%の環境下において各インク500mlを吐出し続け、インクがなくなるまでに発生した曲がり、欠射について下記評価基準で評価。
◎: 全ノズル出射
○: 1〜3ノズルで曲がり、欠射が見られる。
△: 4〜7のノズルで曲がり、欠射が見られる。
×: 8以上のノズルで曲がり、欠射が見られる。
[出射性評価2]
ノズル直径30μm、駆動周波数20kHz、ノズル数64のピエゾ型ヘッドを用い、液滴速度が8m/sになるように駆動電圧を調整した以外は、出射性評価1と同様に評価した。
[出射性評価3]
ノズル直径20μm、駆動周波数30kHz、ノズル数64のピエゾ型ヘッドを用い、液滴速度が8m/sになるように駆動電圧を調整した以外は、出射性評価1と同様に評価した。
以下に評価結果を示す。
Figure 2005089498
本発明のインクは比較例のインクに比べてフィルター試験、出射性評価において優れていることがわかる。
実施例2
分散液1と同様の処方にて、平均粒径がそれぞれ350nm、300nm、100nm、80nmとなる時点で分散を停止し、分散液2〜5を得た。
分散液2〜5を用いてインク3と同様の処方にて、インク6〜9を作製した。またインク作製後、平均粒径を測定した。
作製したインクについて実施例1と同様に、ピエゾ型ヘッドを用いて出射性評価1を、またインクについてフィルターろ過試験を行った。
Figure 2005089498
本発明に係わるインクがフィルターろ過試験、出射性評価両者に優れていた。

Claims (6)

  1. 少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、分散染料の平均粒径が100nm以上300nm以下であり、インク中における染料溶解度が10-5以上10-3以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
  2. 少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、分散染料の平均粒径が100nm以上300nm以下であり、インク中における染料溶解度が10-5以上10-4以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
  3. 中空糸膜モジュールを用いて脱気することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット捺染インク。
  4. ノズル径が、30マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドと請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 駆動周波数が20kHz以上であるインクジェットヘッドと請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. インク吐出速度が6m/s以上であるインクジェットヘッドと請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2003320895A 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法 Pending JP2005089498A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003320895A JP2005089498A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法
US10/932,939 US7344236B2 (en) 2003-09-12 2004-09-02 Ink-jet cloth printing ink and an ink-jet recording method
EP04021189A EP1514969B1 (en) 2003-09-12 2004-09-07 An ink-jet cloth printing ink and an ink-jet recording method
CNB200410077014XA CN100408332C (zh) 2003-09-12 2004-09-09 喷墨印染油墨和喷墨记录方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003320895A JP2005089498A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005089498A true JP2005089498A (ja) 2005-04-07

Family

ID=34452729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003320895A Pending JP2005089498A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005089498A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018162377A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 コニカミノルタ株式会社 インクジェットインク及びインクジェット記録方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02241785A (ja) * 1989-03-15 1990-09-26 Toray Ind Inc インクジェット用インク組成物
JPH05255626A (ja) * 1992-03-11 1993-10-05 Kanebo Ltd インクジェット捺染用インク
JPH0657650A (ja) * 1992-08-10 1994-03-01 Canon Inc 捺染方法及び該方法により得られる捺染物
JPH10298470A (ja) * 1997-04-30 1998-11-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd インクの脱気方法及びインク脱気装置
JP2000239980A (ja) * 1999-02-23 2000-09-05 Konica Corp インクジェット用分散染料インクおよびそれを用いたインクジェット捺染方法および該方法で得られる捺染物
JP2001089982A (ja) * 1999-09-21 2001-04-03 Konica Corp インクジェット捺染方法及びインクジェット用インクの製造方法
JP2002069343A (ja) * 2000-08-29 2002-03-08 Konica Corp インクジェット記録用水系インクの製造方法
JP2003192957A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Konica Corp インクジェット記録方式の記録液及び記録方法
JP2003201428A (ja) * 2002-01-07 2003-07-18 Konica Corp 分散染料インク及び該分散染料インクを用いたインクジェット記録方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02241785A (ja) * 1989-03-15 1990-09-26 Toray Ind Inc インクジェット用インク組成物
JPH05255626A (ja) * 1992-03-11 1993-10-05 Kanebo Ltd インクジェット捺染用インク
JPH0657650A (ja) * 1992-08-10 1994-03-01 Canon Inc 捺染方法及び該方法により得られる捺染物
JPH10298470A (ja) * 1997-04-30 1998-11-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd インクの脱気方法及びインク脱気装置
JP2000239980A (ja) * 1999-02-23 2000-09-05 Konica Corp インクジェット用分散染料インクおよびそれを用いたインクジェット捺染方法および該方法で得られる捺染物
JP2001089982A (ja) * 1999-09-21 2001-04-03 Konica Corp インクジェット捺染方法及びインクジェット用インクの製造方法
JP2002069343A (ja) * 2000-08-29 2002-03-08 Konica Corp インクジェット記録用水系インクの製造方法
JP2003192957A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Konica Corp インクジェット記録方式の記録液及び記録方法
JP2003201428A (ja) * 2002-01-07 2003-07-18 Konica Corp 分散染料インク及び該分散染料インクを用いたインクジェット記録方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018162377A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 コニカミノルタ株式会社 インクジェットインク及びインクジェット記録方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4655585B2 (ja) インクジェット捺染方法
US7344236B2 (en) Ink-jet cloth printing ink and an ink-jet recording method
JP2011042104A (ja) インクジェット画像形成方法
JP3484187B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP6287638B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクセット
JP2005281523A (ja) インクジェットインクの製造方法及びインクジェット記録方法
JP6191234B2 (ja) インクジェット用ブラックインク、インクジェットインクセット、インクジェット捺染方法および捺染物の製造方法
JP2006124843A (ja) インクジェット捺染方法
JP2007238798A (ja) インクジェット捺染用インク
JP2006124855A (ja) 濃色加工方法およびインクジェット捺染方法
JP2014224216A (ja) インクジェット用ブラックインク、インクジェット捺染方法およびそれにより製造された捺染物
JP4539062B2 (ja) インクジェット捺染インクの製造方法、その脱気方法及びインクジェット記録方法
JP2005089499A (ja) インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法
JP4552408B2 (ja) インクジェット捺染インク、インクジェット記録方法及びインクジェット捺染方法
JP4539063B2 (ja) インクジェット用水系分散インクとインクジェット記録方法及びインクジェット捺染方法
JP2005089498A (ja) インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法
JP4706207B2 (ja) インクジェット捺染インクセットとその製造方法、及び該インクジェット捺染インクセットを用いたインクジェット記録方法
JP2010023361A (ja) インクジェット記録方法
JP2005263835A (ja) インクジェット捺染インクセット及びインクジェット捺染方法
JP2005272518A (ja) 捺染用インクジェットインクセット
JP2013159659A (ja) 色素組成物、水性分散液、水性インク組成物及び記録方法
JP2005248106A (ja) インクジェット捺染インク、インクジェット捺染インクセット及びインクジェット記録方法
JP2005255707A (ja) インクジェットインク及びその製造方法並びにインクジェット記録方法
JP2005248105A (ja) インクジェット捺染インク、インクジェット捺染インクセット及びインクジェット記録方法
JP2005263882A (ja) インクジェット捺染インクセット及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100803