JP2005089499A - インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005089499A
JP2005089499A JP2003320896A JP2003320896A JP2005089499A JP 2005089499 A JP2005089499 A JP 2005089499A JP 2003320896 A JP2003320896 A JP 2003320896A JP 2003320896 A JP2003320896 A JP 2003320896A JP 2005089499 A JP2005089499 A JP 2005089499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
dye
jet
water
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003320896A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Morimoto
仁士 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2003320896A priority Critical patent/JP2005089499A/ja
Publication of JP2005089499A publication Critical patent/JP2005089499A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 分散染料微粒子の粒子径の増大による、目詰まりや沈降の少ない安定性の高いインクジェット捺染インクを得ることにあり、これを用いた高細精なインクジェット記録方法、捺染方法を得ることにある。
【解決手段】 少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度が10-3以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット捺染インクおよびその製造方法、該インクジェット捺染インクを用いたインクジェット記録方法、並びにインクジェット捺染方法に関する。
分散染料を微粒子状に分散させた、インクジェット捺染インクに要求されることは、分散の安定性が良く、凝集等により、粒子沈降が発生しない事、ノズルやフィルター等を閉塞しない事などである。
分散染料は、水に難溶であるが、分散染料微粒子が水性媒体に分散された分散染料インクにおいては、保存中に、分散染料の粒子径がしだいに大きくなり、ノズルの目詰まりや沈降を起こてしまう現象がある。
顔料インクにおいては、限外濾過等によって粒径の大きな顔料粒子を除くことによって、安定なインク組成物が得られることが知られているが(例えば特許文献1)、分散染料インクでは、染料の種類や水溶性有機溶剤、界面活性剤、分散剤等の種類、またこれらの組成が、分散粒子の保存性や出射安定性に極めて大きな影響を与えることはわかっているが、これらの原因について、余り明確にはこれまで分かっておらず、分散安定性のよいインクを得ることは難しかった。
又、凝集等によるノズルの目詰まりのほか、出射不良の原因としてはキャビテーションによるものもあり、溶剤、分散剤と染料粒子等着色剤粒子との組み合わせによっては、完全に気泡を除去することは分散染料インクにおいては、難しく、充分な脱気が行える条件を明らかにすることが必要とされていた。
特開昭64−48875号公報
本発明は、分散染料微粒子の粒子径の増大による、目詰まりや沈降の少ない安定性の高いインクジェット捺染インクを得ることにあり、これを用いた高細精なインクジェット記録方法、捺染方法を得ることにある。
上記課題は以下の構成によって達成される。
(請求項1)
少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度が10-3以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
(請求項2)
少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度が10-4以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
(請求項3)
少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度が、10-5以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
(請求項4)
溶存空気濃度が、30ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インク。
(請求項5)
溶存空気濃度が、20ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インク。
(請求項6)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを製造する工程において、超音波処理を行うことを特徴とするインクジェット捺染インクの製造方法。
(請求項7)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、ノズル径が、30マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項8)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、ノズル径が、20マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項9)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、駆動周波数が20kHz以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項10)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、駆動周波数が30kHz以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項11)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、インク吐出速度が6m/s以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項12)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、インク吐出速度が8m/s以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項13)
ポリエステル繊維を含む布帛上に請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを用いて記録することを特徴とするインクジェット捺染方法。
本発明により、目詰まりや沈降の少ない安定性の高いインクジェット捺染インクを得ることができ、これを用い、高細精なインクジェット記録、捺染を行うことができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明者らは、鋭意検討の結果、前記の手段により、出射性、保存安定性にすぐれたインクジェット捺染インクを見出すことが出来た。
本発明者らは鋭意検討を行い、着色剤として分散染料を水系分散したインクジェット捺染インクにおいて、極めて低いながらも水に溶解度をもつ分散染料の特徴に注目し、大幅な保存性改良をなすことができた。
分散染料を微粒子状に分散させた、インクジェットインクに要求される事は、分散の安定性が良く、粒子沈降が発生しない事、ノズルやフィルター等を閉塞しない事などであるが、本発明者らによる、鋭意検討の結果、分散染料インクでは、染料の水や水溶性有機溶剤、界面活性剤、分散剤に対する溶解性が、分散粒子の保存性と出射安定性に極めて大きな影響を与える事をみいだし本発明に至ったものである。
分散染料は、水に難溶であるが、幾分か溶解性をもっている。特に、粒子径が小さくなると、溶解度が大きくなる。すなわち、粒子径分布が広いと、保存中に、小粒子は溶解して大粒子上に析出、つまり結晶が成長し、粒子径がしだいに大きくなり、目詰まりや沈降を起こす事がわかた。また、結晶成長速度は、染料の溶解度に左右される。即ち、溶解度が大きいと結晶成長速度が大きく、溶解度が小さいとその逆となる。
本発明者は、以上のように染料の溶解度に着目することにより、充分な保存性を得る事が出来た。
即ち、本発明においては、請求項1に記載のように、少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいては、インク中における染料溶解度(該インク分散系を構成する媒体中100gへの染料溶解度)を10-3(g)以下とすることにより、前記分散染料微粒子の粒子径の増大が少なく、目詰まりや沈降の少ないインクジェット捺染インクが得られることが判った。
前記インク中における染料溶解度は10-4(g)以下であることが好ましく、更に好ましいのは、インク媒体中における染料溶解度が10-5(g)以下の分散染料を用いることである。インク溶解度が0(g)と実質的に溶解度をもたない系でも勿論粒子径の増大はない。
インク中の染料溶解度の測定は、測定をしようとする当該分散染料を添加しないこと以外はインクと全く同じ組成の溶解度測定液を作製した後、この溶解度測定液を25℃に保ち、染料粉体を0.1%添加し、5時間攪拌を行う。攪拌終了後、遠心分離器により未溶解の染料をすべて沈降させ、上澄の溶解部分を分取する。この染料が溶解した上澄部分に存在する染料の濃度をHPLCにて定量する。溶解度は通常用いられる様に、溶液100gあたりの溶質量(g)で示す。
染料の濃度の定量に用いるHPLC測定条件装置としては、通常のHPLC測定条件装置を用いることができる。カラムには、例えば、Inert Sil ODS−2(逆相シリカ)等を用い、酢酸アンモニウムBuffer−メタノール等からなる溶離液を用いて、定量可能である。
また、プリンター等に利用されるインクにおいては、インク中に含まれる溶存気体が、その印刷物の解像度や鮮明さを損なったり、微細な気泡発生を引き起こす要因となる。
微細な気泡発生(キャビテーション)はインクの詰まり(出射不良)を引きおこすが、本発明に係わるインクジェット捺染インクの様に、染料溶解度がインク媒体に対して低いインクにおいては、水溶性有機溶媒等、インクジェット捺染インクに含まれる各種の溶剤や分散剤と染料(着色剤)粒子との親和性が低いために分散染料表面の濡れ性が悪く、完全に気泡を除去することが困難である事がわかった。充分な脱気が出来無い場合、キャビテーションによる出射不良が発生するため、本発明においては、脱気操作を組み合わせることが好ましい。
インク中から溶存気体を脱気する方法としては、大きく分けて、煮沸や減圧等の物理的方法により脱気する方法と、吸収剤をインク中に混入させる化学的方法とがある。本発明においては、いかなる手段にて脱気を行うことは可能である。特に、気体透過性のある中空糸膜内にインクを通液し、中空糸膜の外表面側を減圧することにより、インク中の溶存気体を透過、除去する方法は、インクの物性に悪影響を与えずに効率よくインク中の溶存気体を除去することができ、好ましい。
また、超音波発生装置(例えば、SMT社 UH−600S、20kHz、600W)等を用いて、超音波処理をインクに行って脱気する方法等も好ましい。また、前記の中空糸膜を用いた減圧脱気時に、インク流路に、例えば超音波発生装置をとりつけ、超音波処理を行う方法を組み合わせる方法も好ましい。この方法によれば、脱気時のインク流速を変える事で、インクの脱気の度合いを調整でき、所望の溶存空気量に調整できる。
本発明においては、上記脱気操作を行うことによって、溶存空気濃度が、30ppm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、溶存空気濃度は、20ppm以下であり、最も好ましいのは10ppm〜0ppmである。
溶存空気濃度は、溶存酸素濃度を測定し、空気中の酸素の割合を基にして求めることができる。
溶存酸素濃度は、オストワルド法(実験化学講座1基本操作[I]、241頁、1975年、丸善)や、マススペクトル法で測定することができるし、ガルバニ電池型やポ−ラログラフ型などの簡便な酸素濃度計や比色分析法で測定することができる。
また、溶存酸素濃度は市販の溶存酸素濃度計例えば、東亜電波工業(株)製DO−30A型等を用いて測定できる。溶存空気濃度は、溶存酸素濃度を測定し、空気中の酸素の割合を基にして求めた。
高精細な画像を得るためにノズル径が10μm〜50μmのインクジェットヘッドを用いて記録することが好ましい。粒状性より50μm以下が好ましく、液滴体積が小さくなりすぎて気流の影響を受けるため10μm以上が好ましい。
これらの方法により得られたインクは、安定性に優れるため、粗大分散染料粒子が少なく、ノズル径の小さい、即ち小液滴のインクジェット記録法に適する。本発明に係わるインクジェット捺染インクは、前記10μm〜50μmのうち、ノズル径が、30マイクロメートル以下、さらに好ましくは、20マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドを用いて、出射する際に、インクジェットヘッドの目詰まりや、出射不良がなく特に好ましい。
又、本発明に係わるインクジェット捺染インクは、駆動周波数が20kHz以上、更には駆動周波数が30kHz以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することができる。
また、インク吐出速度においても、6m/s以上、さらに好ましくは、インク吐出速度が8m/s以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用し、安定に用いることができる。
このように、従来、分散染料インクを用いて、安定に駆動ができなかったヘッド構造、ヘッド駆動条件等を用いても、本発明に係わるインクジェット捺染インクは十分な出射性を得ることができた。
本発明に係わる捺染方法は、ポリエステル繊維を含む布帛上に、本発明に係わるインクジェット捺染インクを用いてインクジェット法により記録するものである。
本発明の捺染方法において使用する布帛を構成する素材としては、分散染料で染色可能な繊維を含有するものであれば、特に制限はないが、中でも、ポリエステル、アセテート、トリアセテート等の繊維を含有するものが好ましい。その中でも、少なくともポリエステル繊維が含有されている布帛が特に好ましい。布帛としては、上記に挙げた繊維を、織物、編物、不織布等いずれの形態にしたものでもよい。又、本発明で使用し得る布帛としては、分散染料で染色可能な繊維が100%であることが好適であるが、レーヨン、綿、ポリウレタン、アクリル、ナイロン、羊毛及び絹等との混紡織布又は混紡不織布等も捺染用布帛として使用することができる。又、上記の様な布帛を構成する糸の太さとしては、10〜100dの範囲が好ましい。
本発明に係わるインクジェット捺染方法の場合、均一な染色物を得るために、水溶性高分子類を布帛に前処理する前に、布帛繊維に付着した天然不純物(油脂、ロウ、ペクチン質、天然色素等)、布帛製造過程で用いた薬剤の残留分(のり剤等)、よごれなどを洗浄しておくことが望ましい。洗浄に用いられる洗浄剤としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムといったアルカリ、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤といった界面活性剤、酵素等が用いられる。
本発明に係わる捺染方法においては、にじみ防止効果のため、前処理剤をパッド法、コーティング法、スプレー法などで付与せしめるのが好ましい(前処理工程)。その後、分散染料で染色することが可能な繊維が含有されている布帛上に、先に述べた構成のインクを用いてインクジェット記録方式で画像を形成した後(インク付与工程)、インクが付与されている布帛を熱処理し(発色工程)、更に熱処理された布帛を洗浄すること(洗浄工程)によって布帛への捺染が完了し、捺染物が得られる。
前処理としては、水溶性高分子類を布帛に前処理するなどの公知の方法から繊維素材やインクに適した方法を適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。例えば、水溶性金属塩、ポリカチオン化合物、水溶性高分子、界面活性剤及び撥水剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質が0.2〜50質量%付与された布帛に対して使用すれば、高度なにじみ防止が可能であり、高精細な画像を布帛にプリントすることができ好ましい。
前処理に使用される具体的な水溶性高分子の例をあげる。天然水溶性高分子としては、トウモロコシ、小麦等のデンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチセルロースなどのセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、アラビアゴムなどの多糖類、ゼラチン、カゼイン、ケラチン等の蛋白質物質、合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸系ポリマなどを用いることができる。界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系のものが使用され、代表的には、アニオン系の界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、ナフタレン誘導体のスルホン酸塩等;カチオン系の界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等;両性界面活性剤としては、イミダゾリン誘導体等;ノニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等;が挙げられる。又、撥水剤としては、例えば、シリコン、フッ素系及びワックス系のものが挙げられる。これらの、あらかじめ布帛に付与される水溶性高分子や界面活性剤は、インクジェットプリントをし、高温で発色させる際に、タール化などによるよごれの原因とならないために、高温環境に対して安定であることが好ましい。また、これらの、あらかじめ布帛に付与される水溶性高分子や界面活性剤は、インクジェットプリントをし、高温で発色させた後の洗浄処理で、布帛から取り除きやすいものが好ましい。
布帛に印字を行うインクジェット捺染方法は、インク出射後印字された布帛を巻き取り、加熱により発色し、布帛を洗浄、乾燥させることが望ましい。インクジェット捺染において、インクを布帛に印字しただ放置しておくだけではうまく染着しない。また長尺の布帛に長時間印字し続ける場合などは、布帛が延々と出てくるため床などに、印字した布帛が重なっていき場所をとるしそれは不安全でありまた予期せず汚れてしまう場合がある。そのために印字後、巻き取る操作が必要となる。この操作時に布帛と布帛の間に紙や布、ビニール等の印字に関わらない媒体を挟んでもかまわない。ただし途中で切断する場合や短い布帛に対しては必ずしも巻き取る必要はない。
発色工程は、プリント後布帛表面に付着したのみで、十分布帛に吸着・固着されていないインク中の染料を布帛に吸着・固着させることによりそのインク本来の色相を発現させる工程である。その方法としては、蒸気によるスチーミング、乾熱によるベーキング、サーモゾル、過熱蒸気によるHTスチーマー、加圧蒸気によるHPスチーマーなどが利用される。それらはプリントする素材、インクなどにより適宜選択される。また、印字された布帛は直ちに加熱処理しても、しばらくおいてから加熱処理しても用途に合わせて乾燥・発色処理すればよく、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
分散染料を用いた染色の際は、高温で発色させる方法だけではなく、キャリヤーを用いてもよい。キャリヤーとして用いられる化合物は、染色促進が大きい、使用法が簡便、安定、人体や環境に対して負荷が少ない、繊維からの除去が簡単、染色堅牢度に影響しないといった特徴を持つものが好ましい。キャリヤーの例としてはo−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、メチルナフタリン、安息香酸アルキル、サリチル酸アルキル、クロロベンゼン、ジフェニルといったフェノール類、エーテル類、有機酸類、炭化水素類などを挙げることができる。これらは、ポリエステルのように100℃前後の温度での染色が難しい難染性繊維の膨潤と可塑化を促進し、分散染料を繊維内に入りやすくする。キャリヤーは、インクジェットプリントに使用する布帛の繊維にあらかじめ吸着させておいてもよいし、インクジェットインク中に含まれていてもよい。
加熱処理後は洗浄工程が必要である。なぜなら染着に関与しなかった染料が残留することで、色の安定性が悪くなり堅牢度が低下するからである。また、布帛に施した前処理物を除去することも必要である。そのままにしておくと堅牢性の低下ばかりでなく布帛が変色する。そのため除去対象物や目的に応じた洗浄が必須である。その方法は、プリントする素材、インクにより選択され、例えばポリエステルの場合一般的には、苛性ソーダ、界面活性剤、ハイドロサルファイトの混合液により処理するものである。その方法は、通常オープンソーパーなどの連続型や液流染色機などによるバッチ型で実施されるもので、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
洗浄後は乾燥が必要である。洗浄した布帛を絞ったり脱水した後、干したりあるいは乾燥機、ヒートロール、アイロン等を使用して乾燥させる。
本発明における分散染料とは、スルホン酸、カルボキシ基などのイオン性の水溶性基をもたない非イオン性染料である。分散剤によって水に分散して合成繊維の染色に用いる。分散染料は、顔料と異なり、アセトンやジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に可溶である。また、合成繊維への着色時には繊維中に分子状で拡散する。
はじめアセテート繊維用として開発されたが、今日ではポリエステル繊維用染料としての需要が多い。ポリエステル用染料はアセテート用染料より疎水性度、耐熱性の高いものが選ばれている。分散染料の母体はモノアゾ系、アミノアントラキノン系、ジフェニルアミン系の比較的小さな分子のものが用いられる。
本発明において好ましい分散染料としては、
C.I.Disperse Yellow 3,4,5,7,9,13,23,24,30,33,34,42,44,49,50,51,54,56,58,60,63,64,66,68,71,74,76,79,82,83,85,86,88,90,91,93,98,99,100,104,108,114,116,118,119,122,124,126,135,140,141,149,160,162,163,164,165,179,180,182,183,184,186,192,198,199,202,204,210,211,215,216,218,224,227,231,232、
C.I.Disperse Orange 1,3,5,7,11,13,17,20,21,25,29,30,31,32,33,37,38,42,43,44,45,46,47,48,49,50,53,54,55,56,57,58,59,61,66,71,73,76,78,80,89,90,91,93,96,97,119,127,130,139,142、
C.I.Disperse Red 1,4,5,7,11,12,13,15,17,27,43,44,50,52,53,54,55,56,58,59,60,65,72,73,74,75,76,78,81,82,86,88,90,91,92,93,96,103,105,106,107,108,110,111,113,117,118,121,122,126,127,128,131,132,134,135,137,143,145,146,151,152,153,154,157,159,164,167,169,177,179,181,183,184,185,188,189,190,191,192,200,201,202,203,205,206,207,210,221,224,225,227,229,239,240,257,258,277,278,279,281,288,298,302,303,310,311,312,320,324,328、
C.I.Disperse Violet 1,4,8,23,26,27,28,31,33,35,36,38,40,43,46,48,50,51,52,56,57,59,61,63,69,77、
C.I.Disperse Green 9、
C.I.Disperse Brown 1,2,4,9,13,19、
C.I.Disperse Blue 3,7,9,14,16,19,20,26,27,35,43,44,54,55,56,58,60,62,64,71,72,73,75,79,81,82,83,87,91,93,94,95,96,102,106,108,112,113,115,118,120,122,125,128,130,139,141,142,143,146,148,149,153,154,158,165,167,171,173,174,176,181,183,185,186,187,189,197,198,200,201,205,207,211,214,224,225,257,259,267,268,270,284,285,287,288,291,293,295,297,301,315,330,333、
C.I.Disperse Black 1,3,10,24等が挙げられる。
本発明においては、前記の通り、インクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度、即ち、該インク分散系を構成する媒体100gでの染料溶解度を10-3(g)以下とするように、前記分散染料が、又、インクを構成するその他の成分が選択される。
分散染料を用いた捺染において高温処理で発色させる場合は、機械や布地の白場に染料が昇華することで汚染の原因とならないために、昇華堅牢度のよい分散染料を選定することが好ましい。
分散染料の含有量としては0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜13質量%がより好ましい。
分散染料は市販品のまま使用してもよいが、精製処理を行うことが好ましい。精製方法としては公知の再結晶方法、洗浄等を用いることができる。精製方法及び精製処理に用いる有機溶媒は染料の種類に応じて、適宜選択することが好ましい。
本発明の水溶性有機溶媒としては、例えば、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等)、一価アルコール類(例えばメタノール、エタノール、ブタノール等)、多価アルコールのアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、2,2’−チオジエタノール、アミド類(例えばN,N−ジメチルホルムアミド等)、複素環類(2−ピロリドン等)、アセトニトリル等が挙げられる。
水溶性有機溶媒量としては全インク質量に対して10〜60質量%が好ましい。
インクの粘度や染料を安定に保つため発色をよくするために、インク中に無機塩を添加してもかまわない。無機塩としてはたとえば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することができ好ましい。
インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(たとえばPreventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(たとえばPROXEL GXL)などが挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明で使用するインクは、水不溶性の染料の場合は染料、分散剤、湿潤剤、媒体および任意の添加剤を混合し分散機を用いることによって分散することができる。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
分散染料の粒径としては平均粒径として300nm以下、最大粒径として900nm以下が好ましい。平均粒径、最大粒径が大きいと、微細なノズルより出射するインクジェット捺染方法において、目詰まりが発生しやすくなり、安定出射できなくなるためである。平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機により求めることができる。具体的粒径測定装置としては、例えばマルバーン社製ゼーターサイザー1000等を挙げることができる。
本発明に好ましく用いられる分散剤は、例えば、クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(たとえばデモールC)、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム(たとえばデモールN)とβ−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩(たとえばバニレックスRN)、パラフィンスルホン酸ナトリウム(たとえばエフコール214)、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合物(たとえばフローレンG−700)等が挙げられる。
分散剤の使用量は、分散染料に対して、20〜200質量%が好ましい。分散剤が少ないと微粒子化や分散安定性が劣り、分散剤が多いと、微粒子化や分散安定性が劣り、粘度が高くなり好ましくない。これらの分散剤は単独で使用してもよいが、併用しても良い。
本発明の分散に好ましい湿潤剤とは、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、2−エチルへキシルスルホ琥珀酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、フェノールの酸化エチレン付加物、アセチレンジオールの酸化エチレン付加物等である。
使用する分散染料の構造により、分散中に、発泡したり、ゲル化したり、流動性が悪くなる事が有るので、分散剤や湿潤剤は、湿潤能力や微粒子化能力や分散安定性の他、分散時の発泡、分散液のゲル化、分散液の流動性等を考慮して選定する必要がある。また、分散剤や湿潤剤は、布帛への染色性、染着率、均染性、移染性、色の冴え、堅牢度などに及ぼす影響や、高温で発色させる際には分散剤や湿潤剤のタール化により染色が不均一になること等も考慮して選定されることが好ましい。上記の要求を全て満たす分散剤は無いので、分散する染料に合わせて、最適な分散剤を選定して、必要に応じて、消泡剤等を添加する必要がある。
高温蒸熱法で染色する際に用いる捺染用インクジェットインクまたは捺染プリントに使用する布帛には染着助剤が含まれていることが好ましい。染着助剤は捺染布を蒸熱する際に、布状に凝縮した水と共融混合物を作り、再蒸発する水分の量を抑え、昇温時間を短縮する作用がある。さらに、この共融混合物は、繊維上の染料を溶解し染料の繊維への拡散速度を助長する作用がある。染着助剤としては尿素が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
本実施例において、染料溶解度の測定および溶存空気濃度の測定は以下に記す方法により行った。
《インク中の染料溶解度の測定》
染料を添加しないこと以外はインクと全く同じ組成で、溶解度測定液を作製する。この溶解度測定液を25℃に保ち、染料粉体を0.1%添加し、5時間攪拌を行う。攪拌終了後、遠心分離器により未溶解の染料をすべて沈降させ、上澄の溶解部分を分取する。この染料が溶解した上澄部分に存在する染料の濃度をHPLCにて定量した。溶解度は通常用いられる様に、溶液100gあたりの溶質量(g)とした。
〈HPLC測定条件装置〉
デガッサー:GL Science社製 Degassing unit Model
546B
ポンプ:日立製作所製 Intelligent Pump L−6200
カラムガスオーブン:ガスクロ工業製
検出器:日立製作所製 UV−vis Detector L−4200
インテグレーター:日立製作所製 GPC Integrater D−2520
サンプラー:日立製作所製 Intelligent Auto Sampler AS−4000
〈測定条件〉
カラム Inert Sil ODS−2(逆相シリカ) 4.6mm ID×205mml
オーブン 40℃
流量 0.8ml/min
inj量 20μl
溶離液の組成 20分まで溶離液A:溶離液B=30:70、以後、溶離液A:溶離液B=0:100。
溶離液A 0.1M酢酸アンモニウムBuffer pH 5
溶離液B メタノール
検出波長 260nm
《溶存空気濃度の測定》
溶存酸素濃度は市販の溶存酸素濃度計(東亜電波工業(株)製DO−30A型)を用いて、25℃、1気圧にて測定した。
溶存空気濃度は、溶存酸素濃度を測定し、空気中の酸素の割合を基にして求めた。
〈分散液1〉
下記混合液をサンドグラインダーを用いて分散した。分散は平均粒径が200nmに到達したところで停止した。
C.I.ディスパーズイエロー149 25部
グリセリン 25部
イオン交換水 25部
リグニンスルホン酸ナトリウム 25部
(バニレックスRN 日本製紙(株)製)
尚、平均粒子径は、マルバーン社製ゼータサイザー1000を用いて測定した。
〈インク1〉
さらに下記成分を混合、3μmメンブランフェイルターでろ過、脱気処理を行い、インク1とした。
分散液1 50部
エチレングリコール 40部
グリセリン 0部
プロキセルGXL(S) 0.01部
(アビシア株式会社製)
フローレンG−700(共栄社化学製) 11部
イオン交換水 残部
フローレンG−700は、あらかじめ、必要量の水酸化ナトリウムを用いて、中和した。
同様にして、表1の組成でインク2〜5を作成した。
また、調整したインクは、2種類の方法で脱気後、真空充填した。
脱気A:
気体透過性のある中空糸膜(三菱レーヨン製)内にインクを通液し、中空糸膜の外表面側を水流アスピレータで減圧することにより、インク中の溶存気体を除去した。また、脱気時のインク流速を変える事で、目的の脱気度を達成した。
脱気B:
脱気Aでの減圧脱気時に、インク流路に超音波発生装置(SMT社 UH−600S、20kHz,600W)をとりつけ、出力80%にて、超音波処理を行った。また、脱気時のインク流速を変える事で、目的の脱気度を達成した。
インク1と同様にして、下記表の条件でインク2〜4を作成した。
Figure 2005089499
プロキセル;PROXEL GXL(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン)
フローレン;フローレンG−700(共栄社化学製)
また、それぞれのインク処方における染料溶解度を測定し、下記フィルター試験を行って、結晶成長物があるかどうか調べた。前記で測定した染料溶解度とフィルター試験の結果を表2に示した。
《フィルターろ過試験》
作製したインク2Lを40℃にて4週間保存後、金属メッシュフィルター(#3500メッシュ、10φ)を通過させ、目詰まりの有無を調べると共に、フィルター表面を電子顕微鏡で観察した。
◎ :2Lろ過後、目詰まりなし、電子顕微鏡観察で結晶成長物無し
○ :2Lろ過後、目詰まりなし、電子顕微鏡観察では結晶成長物有り
△ :1〜2Lの間で目詰まり発生
× :1L以下で目詰まり発生
Figure 2005089499
本発明のインクは比較例のインクに比べてフィルター試験において優れていることがわかる。
実施例2
実施例1と同様に下記表の条件でインク5〜11を作成した。
また、それぞれのインク処方における溶存空気濃度を測定した。
Figure 2005089499
前記インク5〜11について、以下に示すようにノズル直径、駆動周波数を変えてインクヘッドから出射を行って、各ヘッドでの出射性を評価した。
《出射性評価1》
ノズル直径40μm、駆動周波数10kHz、ノズル数64のピエゾ型ヘッドを用いて、出射を行い出射性を評価した。駆動電圧は吐出速度が6m/sとなるように調整した。
25℃、相対湿度50%の環境下において各インク500mlを吐出し続け、インクがなくなるまでに発生した曲がり、欠射について下記評価基準で評価(安定出射)。
◎ :全ノズル出射
○ :1〜3ノズルで曲がり、欠射が見られる。
△ :4〜7のノズルで曲がり、欠射が見られる。
× :8以上のノズルで曲がり、欠射が見られる。
《出射性評価2》
ノズル直径30μm、駆動周波数20kHz、ノズル数64のピエゾ型ヘッドを用い、液滴速度が8m/sになるように駆動電圧を調整した以外は、出射性評価1と同様に評価した。
《出射性評価3》
ノズル直径20μm、駆動周波数30kHz、ノズル数64のピエゾ型ヘッドを用い、液滴速度が8m/sになるように駆動電圧を調整した以外は、出射性評価1と同様に評価した。
各評価結果と、インク5〜11の染料溶解度を表4に示した。
Figure 2005089499
本発明のインクは比較例のインクに比べて出射性評価において優れていることがわかる。
実施例3
実施例1で作製したインクを用いて、ポリエステル繊維を含む布帛上に、ノズル直径20μm、駆動周波数30kHz、ノズル数64のピエゾ型ヘッドを用いて、液滴速度が8m/sになるように駆動電圧を調整し、インクジェット捺染を行ったところ、本発明のインクジェット捺染インクを用いたものは、プリントの画像濃度が高く、且つ滲み耐性にも優れていた。更に、長期にわたるインクジェット捺染中も出射性に問題が生じなかった。

Claims (13)

  1. 少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度が10-3以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
  2. 少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度が10-4以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
  3. 少なくとも分散染料、分散剤、水、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット捺染インクにおいて、インク中における染料溶解度が、10-5以下であることを特徴とするインクジェット捺染インク。
  4. 溶存空気濃度が、30ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インク。
  5. 溶存空気濃度が、20ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インク。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを製造する工程において、超音波処理を行うことを特徴とするインクジェット捺染インクの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、ノズル径が、30マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、ノズル径が、20マイクロメートル以下であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、駆動周波数が20kHz以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、駆動周波数が30kHz以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、インク吐出速度が6m/s以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを、インク吐出速度が8m/s以上であるインクジェットヘッドと組み合わせ使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. ポリエステル繊維を含む布帛上に請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染インクを用いて記録することを特徴とするインクジェット捺染方法。
JP2003320896A 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法 Withdrawn JP2005089499A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003320896A JP2005089499A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003320896A JP2005089499A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005089499A true JP2005089499A (ja) 2005-04-07

Family

ID=34452730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003320896A Withdrawn JP2005089499A (ja) 2003-09-12 2003-09-12 インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005089499A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011242701A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Tdk Corp ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体
JP2012078673A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Tdk Corp ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体
US9534128B2 (en) 2013-11-13 2017-01-03 Seiko Epson Corporation Ink jet ink composition for sublimation transfer, ink set, and method of manufacturing dyed product

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011242701A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Tdk Corp ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体
JP2012078673A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Tdk Corp ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体
US9534128B2 (en) 2013-11-13 2017-01-03 Seiko Epson Corporation Ink jet ink composition for sublimation transfer, ink set, and method of manufacturing dyed product

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4655585B2 (ja) インクジェット捺染方法
US7344236B2 (en) Ink-jet cloth printing ink and an ink-jet recording method
JP2006152454A (ja) インクジェット捺染用前処理液及びこれを用いたインクジェット捺染方法
JP2011042104A (ja) インクジェット画像形成方法
JP2005281523A (ja) インクジェットインクの製造方法及びインクジェット記録方法
JP6191234B2 (ja) インクジェット用ブラックインク、インクジェットインクセット、インクジェット捺染方法および捺染物の製造方法
JP2006124843A (ja) インクジェット捺染方法
JP2007238798A (ja) インクジェット捺染用インク
JP2006144180A (ja) 捺染用インクジェットインク、それを用いた記録方法および記録物
JP2014224216A (ja) インクジェット用ブラックインク、インクジェット捺染方法およびそれにより製造された捺染物
JP2006124855A (ja) 濃色加工方法およびインクジェット捺染方法
JP2005089499A (ja) インクジェット捺染インク、その製造方法、該インクを用いたインクジェット記録方法並びにインクジェット捺染方法
JP4539062B2 (ja) インクジェット捺染インクの製造方法、その脱気方法及びインクジェット記録方法
JP4552408B2 (ja) インクジェット捺染インク、インクジェット記録方法及びインクジェット捺染方法
JP4539063B2 (ja) インクジェット用水系分散インクとインクジェット記録方法及びインクジェット捺染方法
JP2010023361A (ja) インクジェット記録方法
JP4706207B2 (ja) インクジェット捺染インクセットとその製造方法、及び該インクジェット捺染インクセットを用いたインクジェット記録方法
JP2005089498A (ja) インクジェット捺染インクおよびインクジェット記録方法
JP2005272518A (ja) 捺染用インクジェットインクセット
JP2005263835A (ja) インクジェット捺染インクセット及びインクジェット捺染方法
JP2005248106A (ja) インクジェット捺染インク、インクジェット捺染インクセット及びインクジェット記録方法
JP2005255707A (ja) インクジェットインク及びその製造方法並びにインクジェット記録方法
JP2005264021A (ja) インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
JP2005263882A (ja) インクジェット捺染インクセット及びインクジェット記録方法
JP2007246793A (ja) インクジェット捺染用インクおよびインクジェット捺染用記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060829

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090824